2017年02月23日

それは数字詐欺ですとも

 彼女と俺の恋愛日常(ラブリーデイ)の感想をアップしました。
 特に大枠で深いテーマ的なものがあるわけでもないので、こちらも個別にある程度深くフォーカスしての執筆になりましたが、昨日書かなかった分だけアリスルートに対する不満が噴出し過ぎた(笑)。まあ実際シナリオとして光る部分もあったけど、総合的にはそんなに面白くはない、かなぁ、って感じですし、絵の好みとシナリオの魅力が噛み合っていないのはとりわけ残念でした。
 でも最初に覚悟していたよりは楽しめましたし、アリスがとびっきりにキュート&ラヴリーでしたので満足は満足です。

 昨日宣言した通りに、色々体験版を進めました。
 まず延々放置していたトリノラインを、ようやくプレイしたのですが、わっふー、なんぞこれシロネちゃんかわえーーー!元々一番楽しみにしてた子ですけど、予想以上に健気で甲斐甲斐しく妹やってる感じだし、その出自から必然的に生まれる苦悩や、心の萌芽的な観念も含めて非常に印象深いヒロインだったなーと思います。
 しかし最近のミノリは、いっつもメインヒロインと共通で結ばれては別れる、というパターンばかりやんね、とは思うけど(笑)、過去作とは心境のみならず立場、ありようまで含めての断絶があってのその先、なのでねその点では楽しみが大きいですね。
 そしてシロネちゃんのHシーンはすこぶるえっちくて可愛かった、特に腕を上げて悶える感じはとっても素敵でしたが、しかしこの子バスト77だよね?やっとこ巨乳村から異端児を出す気になったか、と思いきや、トランジスタ的な処置ですかい。。。にしても数字詐欺に思えるのは私だけでしょうかしらん?

 ヒロイン他二人も、それぞれに重いものを背負っていて先が興味深いものはありますし、なによりシロネちゃんが鬼のように可愛かった、朝起こしにくるCGとか、横から覗き込んでくるのとか格別でしたし、この子の為だけに買ってもいい、ってレベルで好きになったので吶喊確定です。
 そう言えば公式で壁紙落としてたので、しゅがてん!終わったらこれにしよっと。

 次いで昨日出たばかりの神頼みし過ぎて俺の未来がヤバい。の体験版もプレイ。
 とりあえず最近のCUFFS系列の作品は、ちゃんと延期せずに出るのみならず、体験版を必ずエロゲの日の1〜2日前に出してくるのが私的に好感度高いのですが、まぁ今回は本来的にプレイしている時間取れてないんですけどね、ぐぬぬ。
 ともあれその辺は割り切ってサクサクっとプレイ、相変わらず設定の強引さはアリアリですが、それでも神様の麗の快活さと、ヒロイン達が抱える重い諸々とのバランス感がしっかり取れているし、目的が特化型だからという部分でも主人公が変にうじうじはしてないのが好感触ですね。

 ヒロイン的にもメインの三人思った以上にそれぞれに可愛いし、三人の中ではまだ甲乙つけがたいけど鈴天は確かに和みますなぁ。
 でも今のところ麗が一番可愛いな、って感じてます。立ち位置的にルートロックのラスボスの筈なので楽しみ。
 そして花夜はまた、意外性の強い喋りの遥そらさんやなぁ、と思いつつも楽しみなんですが、一人だけサブの従姉妹ちゃんが屋上メンバーから疎外されてるのはなんとなくしっくりはこないですよね。いずれ参入があるといいんですけれど。しかし最近妙にくすはらボイスばっかり聞いてる気がする。。。
 メーターの上げ下げの一喜一憂や理由づけなどにも面白味はありそうでしたし、これも激戦区三月だけど基本押さえてはおこうと思っています。やっぱり絵も好きですしねー。

 さて、んでは益々遅まきながらトリニティに戻るです。
 このペースだとクリアできるの週明けになるのは確実なので益々ぐぬぬ、ではありますが、焦っても仕方ないしじっくりしっかり楽しみたいですね。

 フィリスアフター更新。こっちもマイペースにね。
posted by クローバー at 19:32| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

フィリスアフタークエスト <怪我人も出てるみたい…………!火急的速やかに特効薬を!>

フィリス
「…………あれ、なんだろう、みんなが集まってる」
リアーネ
「っっ、なにかあったのかもしれないわ、見に行きましょう!」

 周囲の様子を伺いつつみんなで広場までやってくると、三叉路の奥、住宅が密集している方の通路の入り口に住民がたむろし、不安げなざわめきが耳に届いてくる。

フィリス
「町長さんっ!どうしたんですかっ!」
町長
「おぉ、フィリス達か…………!」

 その中に、青白い顔の町長さんの姿を認めて呼びかけると、途方に暮れた、とばかりの表情にやや生気が戻る。

町長
「…………地すべり、じゃよ。高台の家の礎石が崩れて、下の家を押し潰してしまったんじゃ。上の家には誰もおらんかったが、下には子供が独り留守番をしておっての…………!」
リアーネ
「っっ!?そ、それって、救助を早くしないとっ!」
町長
「若い衆が総がかりで、瓦礫を撤去しようとしておるよ。ただどうにも難しい潰れ方をしてしまったようでな…………。悪戯に人数ばかりいても手に負えんから、わしらはこうして気を揉むしか出来ないのじゃが…………」
フィリス
「わかりましたっ、じゃあわたし達が様子を見てきますっ!」

 イルちゃん達の了解は取らずに駆け出してしまったけれど、誰も異存はなかったようで後をついてきてくれる。
 大丈夫、みんながいるんだっ、きっと無事に助け出して見せるっっ!!

フィリス
「手伝いに来ましたっ!状況はどうなんですかっ!!」
若い男
「おおっ、フィリスにそのお仲間さん達かっ!いや、見ての通りだよ…………。軽々しく動かしようもないし、声を掛けても中から返事は返ってこないんだ。これじゃどこから手をつけるべきか…………」
イルメリア
「う、わぁ…………こ、これは…………」
ソフィー
「ひ、ひどい…………」
プラフタ
「確かにこれは…………」

 追いついてきた三人が、揃って言葉を失う。

 実際に目の当たりにした被害状況は、悲惨の一言に尽きた。
 崩落した家屋と土砂が入り混じって、下の家の入り口から半ば以上を押し潰しており、中途半端に動かそうものなら余計な被害を誘発してしまいそうな雰囲気を感じさせる。

リアーネ
「…………気を確かに持ってください。大丈夫、きっと無事でいてくれますから…………!」
母親
「ああ、ああっ!私が悪いのっ、今日に限ってこれもお勉強と、あの子を独り留守番なんてさせたから…………っっ!」
フィリス
「――――っっ!」

 目敏く気の回るリア姉は、現場の後ろのほうで呆然と竦んでいた母親を慰めている。
 無論わたしにとっても、特別親しくしていたわけではないものの、古くから見知った顔だし、この崩壊の渦中にいる子にしたって仲良く遊んだこともある。

 カーッと頭に血が昇って、なんとかしなくちゃ、と焦りばかりが空転するけれど、実際に何から手をつけていいかは思いつけなくて――――。

ソフィー
「…………どうする、プラフタ?」
イルメリア
「これは、生半可に動かすとかえって危険ですよね。やるなら落ちてきた部分を一気に持ち上げるくらいでないと…………!」
ソフィー
「それか、居場所を何とか特定して、上っ面を吹き飛ばすか」
イルメリア
「か、過激ですね…………でも、ゆっくり対処している場合でもないでしょうし…………」
プラフタ
「…………子供の安否もわからない以上、ある程度賭けに出るしかないかもしれませんね。フィリスっ!」
フィリス
「は、はいっ、なんですかプラフタさんっ!!」
プラフタ
「あちらの母親に、普段お子さんがどのあたりにいる事が多かったか、確認してきてください。無論目安にしかなりませんが、事は一刻を争います。それを踏まえて打開策を検討しましょう」
フィリス
「わ、わかりましたっ!!」

 流石にわたし達姉妹よりは多少冷徹に状況を観察できるのだろう。
 短い相談を交わしていた三人に背をはたかれるように、わたしはどこか救われた気分で二人の元に駆け寄る。

フィリス
「リア姉っ!あのっ、プラフタさんが、あの子が普段よくどのあたりにいたか尋ねてきて欲しいって!」
リアーネ
「奥の部屋、だそうよ。ここから見る限りそのあたりは辛うじて潰されていないから、衝撃で気を失っているだけの可能性も高いはず」
母親
「あぁっ、どうか、どうか神様っ、あの子をっ、あの子をお救いください…………っっ!!」

 既に母親のほうは、焦眉の果てに、見たくない現実から目を逸らすように祈りに意識を没入させてしまっている。
 こうなる前に、そつなく尋ねるべきことを聞き出していたリア姉の機転の良さに、心の強さに、改めて感心させられる。

リアーネ
「…………フィリスちゃん、私はこの人についているから、もしも私の力が必要になったら声を掛けて?」
フィリス
「うん、わかったよリア姉。絶対に、わたしたちでなんとかしてみせるからっ!!」

 より強い覚悟を胸に秘めて三人のところに戻り、その情報を伝えると、三人の表情にも僅かに希望の光が差し込む。

ソフィー
「だったら尚更に急がないとっ!どうしよう、やっぱり横に回り込んで、指向性の爆弾で吹き飛ばす?一応手持ちはあるけど」
イルメリア
「ですけどそれで、完璧に障害物を除去できる保証はないですよね…………もしも破片やらが飛び火して、かえって怪我を負わせる結果になったら…………!」
フィリス
「だ、だったら瓦礫を一気に持ち上げるのは…………っ!」
ソフィー
「…………プラフタ、出来そう?」
プラフタ
「難しいですね、アームを上手く使っても全体の重量を支え切れるかはわかりませんし、バランスをちょっとでも崩せば二次被害を誘発してしまいかねません」
イルメリア
「くっ、もどかしいわね…………。せめて居場所がわかれば、範囲を区切って爆破したり、燃やしたりできるのに…………!」

 焦れたようにイルちゃんが足踏みする。
 どうしても追い詰められると、自分の得意な方向に思考が煎じ詰められていくのか、けれど流石に燃やしてしまうなんて無茶は…………ん?燃やす?火を使ったら危なくて、だったら――――!

フィリス
「…………凍らせたら、どうかな?」
ソフィー
「えっ?」
イルメリア
「凍らす?それじゃ何の解決にも…………いえ、そうか、首尾よく障害物を持ち上げた上で、凍らせてしまえばいいのねっ!?」
フィリス
「うんっ!短い間だけでもプラフタさんに頑張ってもらって、一気に瓦礫を持ち上げたら、わたし達三人で氷の爆弾を使って中空で固定してしまうのっ!そうすれば、それが融ける前に捜索が出来るんじゃないかなっ!」
ソフィー
「うんっ、それいいっ!フィリスちゃん天才っ!!」

 お馴染みのポーズで、ソフィー先生に絶賛を貰えて、なんとも面映ゆい。
 そして、難しい顔で現場を睨んでいたプラフタさんも、覚悟を決めたように目尻を釣り上げて――――。
 
プラフタ
「そうですね、それが一番危険が少ないように思えます。ソフィー、竜の秘薬はありますか?念の為私の出力自体も底上げしておきたいのですが」
ソフィー
「あ、うんっ、持ってるよ!アインソフヘルンとシュタルレヘルンもあるよっ!」
フィリス
「さ、さっすがソフィー先生!あっ、でもわたし、アトリエに作り置きはあるけど手持ちはないや…………」
イルメリア
「…………うぐ、私なんて作り置きすらないんだけど。こ、氷系統はどうにも性に合わないのよっ!」
フィリス
「じゃあ取りに戻ろっ!イルちゃんにはわたしのとっておきのアインソフヘルン、貸してあげるっ!」
イルメリア
「仕方ない、借りといてあげるわ」
プラフタ
「なら二人が行き来している間に、私とソフィーで効率的に瓦礫を持ち上げる角度や、凍らせる位置などを検証しておきます。フィリス、念の為に出力の小さいレヘルンなどもあれば、ありったけ持ってくるように」
フィリス
「わかりましたっ!!行くよイルちゃんっ、それっ、ひとっとび〜〜〜っっっ!!」
イルメリア
「あっ!?もうっ、ちょっと待ちなさいっっ!!」

 すぐ後ろにイルちゃんの気配を感じながら、最高速で路地を逆戻り、たむろする町長さん達の頭上を越えてアトリエへ。
 
フィリス
「えっ、とぉっ、アインソフヘルンふたつにっ、ヴィオレヘルンがみっつ、レヘルンもふたつ、これで全部っ!」
イルメリア
「よしっ、戻るわよっ!にしてもすぐ見つけられて良かった、これもこまめにコンテナの中まで整理整頓してくれるリアーネさんのおかげねっ!」
フィリス
「うぐっ、こんな時まで皮肉っ!?」

 とはいえ全くその通りだから反論の余地もない。
 リア姉〜、いつもいつもほんっとーにありがとーっ!!

フィリス
「ただいまですっ!」
ソフィー
「お帰りっ、在庫、どのくらいあった?」
フィリス
「えっと、これだけですっ!」
ソフィー
「…………うん、これなら充分に行けそう。平気だよね、プラフタ?」
プラフタ
「はい、大丈夫でしょう。では今から配置とタイミングを説明します」

 息つく間もなく、プラフタさんの小気味よい指示に従って散開する。
 そして、まずは竜の秘薬で基礎ステータスを一時的に上昇させたプラフタさんが、アームを最大限に拡張し、しっかり崩落の力点を見定めた上で、一気に瓦礫を45度くらいの角度まで持ち上げる!

 その人間離れした膂力に背後でどよめきが起こる。
 でもここからが本番、この位置で瓦礫を氷着させるためには――――!

フィリス・ソフィー・イルメリア
『アインソフヘルンっっ!!』

 三人同時に、まずは最大級の氷の爆弾で、その根っこの部分をしっかり大地に縛り付ける!
 それでもまだ全体はカバーしきれず、衝撃で崩壊寸前の部分を優先して、より威力が小さく、範囲を絞れる氷爆弾で固着させていく。
 それぞれに範囲を決めつつ、時にそれをはみ出しての息の合った連携が功を奏し、なんとかわたし達は一かけらの崩落も許さず、完璧に凍らせることに成功して――――!

リアーネ
「っっ!!」

 そのタイミングを見逃さず、即座に低い体勢でリア姉が疾風のように駆ける!
 安全を優先して持ち上げなかった軽い瓦礫を掻き分けながら、子供がいると思しき地点に真っ直ぐ向かって――――!

リアーネ
「いたっ!いましたっ!」
全員
『っっ!!』

 瓦礫の影から、歓喜の声。
 そしてすぐに、リア姉は慎重にその子を抱きかかえて影を抜け出してくる。
 その両手は、煤と鮮血に塗れていて――――!

母親
「っっ!?あぁっ娘はっ、娘は無事なのっ!?」
リアーネ
「ゴホン、ゴホン…………っ、そのっ、脚を怪我して、出血で気を失っているみたいなんですっ!先生っ!!」

 縋りつく母親を一瞥して安心させてから、咳き込みつつ後方に待機していた医者の先生を呼び出す。
 担架を引きずりながら進み出てきた先生は、リア姉がそこにそっと横たえた子供の様子を一目見るなり、眉根をきつく寄せて――――。

医者の先生
「うむむ、これは良くないの。少なくとも完全に左脚は大腿部から複雑骨折しておる。止血以外のには置のしようもないし、安静にしておくしかないが…………」
母親
「先生っ!どうかっ、どうか娘を助けてっ!!」
医者の先生
「…………安心せい、発見が早かったし、今すぐ生命の危険には及ぶまいよ。…………ただ、今は気を失っておるからいいものの、目を覚ませばなりの激痛に苛まれることになるじゃろう。その時のショックの度合いや、また合併症の併発などがあると良くないかもしれん…………」
母親
「そ、そんなっ!麻酔とかで、安らげるようにはしてあげられないんですかっ!?」
医者の先生
「…………小さい子供の身体に、麻酔は劇薬なんじゃよ。ましてこれだけの怪我の痛みを緩和するとなれば猶更じゃし、その投与が合併症の誘因になりかねん。後遺症の不安もあるし、難しい所じゃの…………。ともかく、儂は寝床の手配をしてくるでの、暫し頼んだ。なるべく動かさないようにしてやってくれ」
リアーネ
「わかりました」
母親
「うっ、あぁぁっ!!なんで、どうしてこんなことに…………っ!」
フィリス
「あっ、危ないっ!!」

 今すぐの崩落の危険がないのを見極めてから、子供の容態を確かめに行くと、ショックを受けたお母さんが倒れ込んできて、慌ててその身体を支える。
 その影から覗き込めば、そこには痛々しく悲惨な光景。
 青白い顔をした子供の下肢は、片方が有り得ない方向に折れ曲がっていて、思わず吐き気が込み上げるのをグッと堪える。

イルメリア
「…………ぅ、ぁっ」
ソフィー
「ひ、ひどい…………」
プラフタ
「これは…………良くないですね」

 少し遅れてやってきた三人も、容態を即座に見極めて息を呑む。

ソフィー
「…………あたし、神秘の霊薬持ってるけど、どうかな?使うべき?」
プラフタ
「難しいですね。私達が作る回復薬は基本的に体力面のフォローで、怪我そのものを瞬時に治せるわけではないですし…………むしろ、目が覚めた方が暴れたりして危ないのでしょう?」
リアーネ
「はい、出来る限り安静にさせておくのが一番の薬になるようです。…………その、変に拗らせると、後遺症が残りかねないとも」
フィリス
「そ、それってっ、もしかして歩けなくなるとか、そういう…………?」
イルメリア
「だったら、安直に既存の回復薬でどうにかするのは難しいわね…………」

 わたし達が手を拱いている内に、垣根を作っていたみんなが近寄ってきて、私にもたれかかったままだった母親を介抱し、やがて先生からの指示が来たのか、数人がかりでそぅっと担架を持ち上げ、診療所へと運んでいく。
 その刹那、意識のない中でも苦痛に顔を歪めた様が、あまりにも痛々しくて――――!

フィリス
「…………ないなら、作ろう!」
リアーネ
「フィリス、ちゃん?」
フィリス
「今のあの子に最適化した回復薬のレシピ、考えようっ!イルちゃんっ、手伝ってくれるよねっ!」
イルメリア
「っっ、そうねっ、こうして指を銜えて心配してるだけなんて、性に合わないものねっ!いいわ、手伝ってあげるっ!」
フィリス
「うんっ、そうと決まればっ!あのっ、あのねリア姉っ!!」
リアーネ
「わかってる。この場の後始末は私達で何とかしておくから」
ソフィー
「うん、二人は新薬作りに専念しちゃって。いいよね、プラフタ」
プラフタ
「ええ、こちらは私とソフィーがいれば、安全に解体できるでしょうから。二人とも、焦らず集中して取り組むんですよ」
フィリス
「はいっ、わかりましたっ!!行くよっ、イルちゃんっっ!!」
イルメリア
「ええっ!!」

 三度、風を切ってアトリエへの帰路を辿る。
 助けたい、少しでも早く楽にしてあげたい――――その強い想いが空転しないように、アトリエに駆け込む前にイルちゃんの手をギュッと握ると、同じように強い力で握り返してくれて。

イルメリア
「…………大丈夫よ、私達なら絶対に成し遂げられるわ」
フィリス
「…………うん!!一緒に頑張ろうねっ!」

 イルちゃんの顔には、絶対になんとかしてみせるという覇気が漲っていて、それでいつつも透徹した瞳の奥では、その優秀な脳細胞をフル回転させてアイデアの種を捻り出しているのが伺える。
 わたしも負けじと、既存の回復薬のレシピを紐解き、汎用性の高い素材などをテーブル一杯に並べて、どうすればいいか、足掛かりを少しずつ引き寄せていく。

イルメリア
「…………まず、自己再生機能は必須よね。それがあるだけで治りが随分違うだろうし…………」
フィリス
「だったら竜核は絶対に必要だねっ!後は回復促進作用に…………幻覚作用?」
イルメリア
「そうね、効き目の調整は必要だけど、麻酔の代わりに痛みを緩和する性能があれば、絶対安静を守るのにも有効でしょうし…………いっそ睡眠作用も付加できるかしら?」
フィリス
「うぅーん、そうなるとドンゲルハイトよりは黄金樹の葉?あとセイタカトーンとか…………それに賢者の石や深核を組み合わせれば…………あー、でもこれだと触媒どうしよう?」
イルメリア
「そうね、かなり個々の属性ステータスを引き上げないとならないし、素材のポテンシャルも大きいから…………それに、継続的に使用する事を考えれば作成数増加の要素も組み込めれば越したことはないわね…………」
フィリス
「…………んー、となるとそれこそドンゲルハイト?でもマイナス作用もあるから、投入の組み合わせが難しいよね」
イルメリア
「そうね、でも逆に打ち消した方がいい作用もあるから…………こっちをこうして…………こうすれば…………」
フィリス
「わっすごいっ、さっすがイルちゃんっ!でもでもっ、それだったらむしろこっちをこうすればもっと――――!」

………………

…………

……


「っっ!!新しい道具、思いついたっっ!!」


……

…………

………………


リアーネ
「ふふっ、順調みたいね。二人とも必死な顔して、だけどすごく集中してる」
ソフィー
「うんうん、いいよね、こういう若い世代が育っていくのを見守る感じ」
プラフタ
「おやおや、随分と老成した発言ですね。流石、唯一ティーンエイジャーでなくなってしまったソフィーだけの事はあります」
ソフィー
「うぐっ、なにそれひどいっ!プラフタなんか年齢不詳のくせにっ!!うぅーっ、どうせいい年して頼りない、とか思ってるんでしょっ!」
リアーネ
「そ、そんな事ないですって。さっきの処置なんかも水際立ってましたし、やっぱりフィリスちゃんの先生だけの事はあるって感心しきりでしたよ、私」
ソフィー
「そ、そかな?えっへへー、まあそれほどでもあるけどねっ!」
プラフタ
「リアーネ、あまり褒めるとすぐ調子に乗るから気をつけてください。…………ともあれ、ここは二人に預けてしまって問題ないようですね」
ソフィー
「あれ?手伝ってあげないの?」
プラフタ
「…………どうにも、地震の直後に感じた鉱山の奥の気配が気になるのです。お手数ですけど、リアーネも調査に付き合ってもらえませんか?私達だけでは迷ってしまうでしょうし」
リアーネ
「道案内ですか?私も鉱山内の分岐にまではそんなに詳しくないですけど…………でもそうですね、お役に立てるのでしたら。…………あ、でも、二人の為に軽食の準備だけしてもいいでしょうか?きっと根を詰め過ぎちゃうでしょうし…………」
ソフィー
「あー、そう言えばあたしもお腹空いたなぁ…………。さっきのパイ、少し包んで持っていっちゃダメかな?」
プラフタ
「食い意地が張っていますね、いい年して」
ソフィー
「しつこいよプラフタっ!いいじゃんかー、腹が減っては戦は出来ぬ、でしょ!」
リアーネ
「ふふっ、仰る通りですね。それじゃ少し待っててください、ササッと色々準備、しちゃいますから――――」

………………

…………

……


「っっ!やったーっ、できたーーーっっ!!」


 釜から、躍り上がるように飛び出てきた、わたし達の知恵の結晶の回復薬。
 キラキラ光るそれを両手で掬い上げるように受け止めた瞬間、心にドッと充足感が押し寄せてくる。

イルメリア
「…………できた、わね」
フィリス
「うん、出来た。あの子の為に考えた、わたし達の特別な薬、その名も――――!」

 その刹那、わたし達の心は間違いなく通じ合って。
 ニッ、と、精悍さすら感じさせる、イルちゃんの不敵な笑顔を見つめながら――――。

イルメリア・フィリス
「万象復元の秘薬っ!!」「なんでもなお〜るくんっ!!」

 …………あれ?

イルメリア
「ぶっ!?なっ、なによそのだっさくて脱力するネーミングっ!?」
フィリス
「イルちゃんこそなにそのカッコつけっ!?そんな大仰なの、恥ずかしくないのっ!?」
イルメリア
「な、なんですってっ!この高尚なネーミングセンスがわからないとか、あんたバカなのっ!!」
フィリス
「そっちこそっ、そんな親しみにくい名前じゃ誰も好んで使ってくれないよっ!独り善がりもいい加減にしなよっ!!」
イルメリア
「なによっ!!」
フィリス
「なんだよっ!!」
イルメリア
「うぅーっっ!!」
フィリス
「がるるるるるーーーっっ!!」

 完成のテンションも相俟って、おかしな方向に白熱したわたし達は、ほとんど額がくっつくほどに顔を寄せて睨み合って――――。

イルメリア・フィリス
「…………ぷっ」

 同時に、破顔する。

フィリス
「…………あはっ、あはははっ、い、いきなりなにいきり立ってんだろーね、わたし達?」
イルメリア
「全くだわ。こういうところで趣味が全く合わないのなんて、今に始まった事じゃないのにね」
フィリス
「そ、そだね。でもこーんな風に、一から十まで二人の力だけで作ったものってはじめてだから…………うん、だからこそ拘りたかった、のかも」
イルメリア
「…………そう、かもね。まったく、私としたことがあんたといるとどうにも調子が狂ってばかりだわ」
フィリス
「でもー、それを楽しんでくれてるんでしょっ♪」
イルメリア
「…………そうやって、人の善意を疑わずに見透かしてくるのは、あんまり楽しくないわね」
フィリス
「もー、イルちゃんてば照れ屋さんなんだからー♪まっいいや、とりあえず名前は後々、ソフィー先生達にも聞いて判断してもらおうっと」
イルメリア
「望むところよ。でも今は、はやくあの子のところにこの薬、持っていってあげないとね」
フィリス
「うんっ!それじゃ早速…………とととっ!?」

 もうひと踏ん張り――――そう気合を入れて振り向いたところで、その意に反するように身体が傾ぐ。
 あ、いけない、これって――――。

イルメリア
「フィリスっ!?へ、平気っ?もしかして具合、悪くしちゃったの?」
フィリス
「へ?い、いやうーん、あ、あのねイルちゃん、実は…………」

 ――――ぐぐーーーっ。

フィリス
「…………」
イルメリア
「…………」
フィリス
「…………てへへ、お腹が空きました。よくよく考えたらイルちゃんに貰った飴以外なんにも口にしてなかったんで、ちょっとガス欠みたい」 
イルメリア
「…………あ、あんたって子は〜!!また人にいらん心配させてっ、緊張感ってものがないのっ!!」
フィリス
「仕方ないじゃん生理現象ばっかりはー。それにほら、なんかちょっといい匂い、しない?」
イルメリア
「んぅ?くんくん…………そ、そう言えばそうね」

 ――――くぅーーーっ。

フィリス
「…………」
イルメリア
「…………」
フィリス
「…………ぷっ、あはっ、あはははっ!!」
イルメリア
「わっ、笑うなーーーっっ!!!もうっ、ほんともうっ、なによなんなのよぅっ!!」

 わたしの二の舞を演じてしまった事が余程恥ずかしかったのか、イルちゃんが子供のように地団駄を踏んでいる。
 そんな様子に和みながら、空腹に誘われイルちゃんを引きずるようにして居間を覗くと、テーブルの上に二人分の軽食と、お茶のセットが用意してあって。
 そして――――。

リアーネの置手紙
『ソフィーさん達と鉱山の被害調査に出掛けてきます。
 二人とも根を詰め過ぎないで、長丁場になるでしょうから、これを食べて元気をつけてね』

イルメリア
「…………見透かされてるわね。ホント、リアーネさんらしい心遣い」
フィリス
「うん、有難いよね。わ、このパイわたしの大好物のやつっ!やったーっ、いっただっきまーすっ!」
イルメリア
「こらっ、ちゃんと手を洗うっ!まったくもう、無作法なんだからっ!」
フィリス
「あたたたっ!?くっ、首根っこ引っ張らないでよーっ!!だってぇっ、少しでも早く食べて、あの子の元に駆け付けなきゃって…………っ!」
イルメリア
「気持ちはわかるけど、それを言い訳にしないの!しばらく経過観察で付き添わなきゃいけないでしょうし、私達が健康を害したら本末転倒なのよ!そういうところも含めてのプラフタさんの焦らずに、って助言、もう少しきちんと受け止めなさいっ!」
フィリス
「ふぇぇーーーん、イルちゃんの頭でっかちーーー!!」

 それでも、こんな風にわたしの一挙一動に心を動かし、親身にお説教してくれる相手がいるのはとても幸せな事なんだろうと、改めて活力が湧いてくるのを感じる。
 よーしっ、みんなの期待に報いるためにも、もっともっと気合、入れていかないとねっ!!
posted by クローバー at 04:32| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

彼女と僕の恋愛日常(ラブリーデイ)

 公式を見た瞬間にアリスに一目惚れしてしまったし、挙句にCV小鳥居さんだったので、それ以外の要素には全て目を瞑ってでも買う、と決めていました。

シナリオ(18/30)

 その輝きを永遠に閉じ込めて。

★あらすじ

 主人公は絵の特待生として学園に入ったものの、それまで好き放題に楽しく描いていたものに対し、突然義務的な重圧を感じるようになって、スランプに陥っていました。
 そのため美術部部長の助言で、いったん絵から離れ、その間に部長の趣味でもあるアニメを散々に布教された結果、フィギュア造型の道が非常に楽しくなり、それに一年近く現を抜かす結果となり。
 となると当然の理として、結果を残さない限り特待生資格は剥奪、という話になってきて、それは許さないとばかりに両親に強制的に寮に入れられ、年末の展覧会で一定以上の結果を出すことを求められます。

 その強引なやり口には噴飯したものの、充電を経て絵に対する拒絶感もほぼなくなり、心が躍るモチーフがあれば今度こそちゃんと絵に向き合える、という実感はあって。
 今後趣味となった活動を穏便に続けていく為にもここで結果を出さねば!と意気込む主人公は、フィギュア活動で感得した理念、モデルへの深い造詣と愛を持っていてこそ創作は上手くいく、をモットーに、近くにいる魅力的な女の子の誰かにモデルを依頼しようと考えます。

 その候補は四人。

 かつて幼馴染ながら今はやや疎遠な、学園きっての優等生・結花。
 海外からのスポーツ特退留学生で、明るく愛らしいみんなのマスコット・アリス。
 全国区の知名度を誇るトップアイドルで、生真面目で礼儀正しい後輩・しずか。
 ずっと傍でその成長を見守ってきた大切な家族で、朗らかで愛らしい妹・遙。

 てはじめにそれぞれの人となりをより深く知ろうと距離を縮めていく中で、主人公の在り方がヒロイン達の琴線にも触れるものがあり、その関係性は少しずつ特殊で特別な色を帯びていって。
 そうするうちに主人公は、各々のヒロインが抱える、順風満帆に見えて実はそうでもない一面を、心の奥底に抱える渇望に薄々気付き、それを引き出せれば今以上に魅力的なモデルとして描けるのに、という気持ちを抱いていく事になります。

 これは、互いの存在に触発されて、今まで踏み越えられなかったなにかを、手を携えて乗り越えていく、愛と夢がギュッと詰まった青春ハートフルストーリーです。

★テキスト

 テキスト的には、ルート毎にかなりばらつきがあるので一概には言いづらいですが、少なくとも共通付近の読み口はあまの褒められた感じではないですね。
 全体的に会話のテンポや切り替えがぎこちなく、内容も空疎で、心情面での踏み込みが浅く上っ面だけなぞっているような流れ、加えて状況変化においても、ちょっとそれは、ってくらい突飛な、説得性のない展開を無理やりシナリオの構成のために突っ込んできたりと、正直バランスと質、両面でマイナス要素が目立ちます。

 ただ遙シナリオなんかは、逆に情念的な部分の突っ走りが目立ち過ぎるくらいに目立っていたり、その分文章の構成でも重複や強調、意識付けを連打しての色付けになっていて、全く別物ではあるけどこれはこれで楽しかったりはしました。
 しずかも比較的無難で真っ当な感性の範疇で落ち着いていたとは思いますが、共通の流れを汲む形での結花とアリスは、シナリオ面もさることながらやはりテキストでももう一歩踏み込みが足りない感じですね。

 結構その差を歴然とさせているのは、遙・しずかルートではヒロイン視点が多用されるのに、結花・アリスシナリオではほぼ(というか皆無かも)使われていないという制約の差異にあるとも感じていて。
 勿論厳密な意味で言えば、ヒロイン視点、というのは文学的に言えば狡いやり方なのですけど、でもそれ故に引き出せる熱情、物語の深み、盛り上がりってのは確かにあります。
 そりゃまぁ、それなしで情緒しっかりが引き出せる文章力があれば文句はないんですが、こうして対照的に並べられてしまうとはっきり見劣る、となるなら、作品全体の統一性という意味でも、結花・アリスサイドでも妥協というか、同じメゾットで話を進めて欲しかったな、とは感じますね。

★シナリオ(大枠)

 基本的な形式としては、あらすじでも触れたように、ヒロインが潜在的に持っている想い、渇望が、主人公と恋愛をしていく中で露呈し、主人公もまた、それを満たした状態のヒロインこそが本物の輝きを放っている状態だと考え、二人三脚でその未来に邁進していく、という形になります。
 互いが成長するために互恵的な効果を発揮しつつ、その蓄積がより愛情・愛着を高めていくというサイクルは、王道的ながら安定的であり、また絵画展の出展、という期限が切られている故の後押しというか、切迫感も含めて、構成としてはバランスよく仕上がっていると思います。

 ヒロインの抱える想いや、それを主人公が触媒となって変えてくれるかもしれない予感、というものは、比較的全ルートでそれぞれのヒロインに共通する想いとなっています。
 それだけのものを共通ルートで蓄積できているのか?というとかなり疑問符がつくのですが、元からに抱えているもの、という要素が強いヒロインも多いので、ある程度ざっくりした積み上げになるのは仕方ないかな、とも思います。
 むしろそういう部分は個別に託して、共通はキャラ紹介程度の無味無臭感を強めに出している感じすらありますし、実際にルート間で温度差はあるにせよ、その辺の掘り下げも比較的きちんと出来てはいると感じますので、総合的には及第点はつけられるかなと感じています。

 まー正直、主人公にせよヒロインズにせよ、とんでもないくらいの高スペックキャラばかりなので、いざ自分の道を見据えて邁進するまでのエンジンのかかりは悪いけれど、一度ゾーンに入ってしまえばそれで解決、的なご都合感は否めません。
 その上本人達がやたらと自身を卑下したり、相手を立てたりする言動が目立って、ある程度の謙遜は美徳とはいえ、ルートによってはそれが行き過ぎで空々しく感じる部分もあり、その辺ははっきりマイナス点になってくるかなと思います。

 また、シナリオ全体でのヒロイン個々の動きや心情の変化のありようなどは、元々土台の部分で大した制約がない、という事もありますけれど、比較的整合性の取れたつくりにはなっています。
 けどその割に、シナリオ構成における状況変化の契機などにおいては、どうしていきなりそんなふざけた展開になっちゃうの?と言わざるを得ないような飛躍、無理やり感が結構目立っていて、ごく自然に、さもありなん、と読み手に思わせる流れを構築するという点では、かなり均整が取れていません。

 普通個別でのさもありなん、を強調するための設定が、全体としての整合性の癌になる、というパターンの方が圧倒的に多く散見するのですが、そこがひっくり返っているというのはある意味珍しく、まあでもどうあれその瑕疵は、シナリオの味わい、情緒を著しく、とまでは言わずとも、結構大きく毀損してしまっているかな、とは感じました。
 あとやはり、テキスト項目でも指摘した、文章構成における統一性のなさが、結果的にヒロインの心情をどのくらい説得的に掘り下げられるか、という点において大きな差異をもたらしていて、それが個別シナリオそのものの評価、印象に直結してしまっている感はあり、ちょっと勿体なく感じましたね。

★シナリオ(個別)

 個別評価は遙>しずか>>結花>アリスくらいですかね。
 正直どれも突出した出来ではなく、上で触れた構成面の瑕疵は少なからず抱えているのですが、前二人のシナリオはヒロインズの心情を丁寧に追いかけていく構成が取られている分だけ深みや思い入れが持ちやすく仕上がっていて、かつ芸術的な素養を強く問われる中での味わい深さがあったなと。

 とりあえず下からざっくりねネタバレにならない程度で触れていきます。

 まずアリスシナリオは、正直作り込みの面で色々と甘さ、納得のいかない部分が多くて、いかにアリスが超絶可愛くとも、それだけでは咀嚼しきれない齟齬を感じましたね。
 というかこの、共通からの流れを汲む主人公は基本的に鈍感で無神経に感じる部分が大きいのですけど、このルートでは特にそれが顕著で、ヒロインの力になりたい、と口では言うものの実際にはただ観察しているだけで、気分転換以上のアプローチをとしようともしない、ってのはまず気に入らなかったです。

 結花シナリオみたいに、結花自身が求めているものが曖昧で見えていない、という状態であるなら、様々な新鮮な世界を見せてあげる、という漠然としたアプローチでもいいとは思うのですが、アリスの場合は違います。
 本人の口からも、早い段階でアーチェリーに対する拘泥、思い入れ、寄りかかりが示唆されていて、だったらアリスをよりよく知る為に、まずその一番好きなものをよく知ろう、と普通は考えるものじゃないかな?と感じるんですよね。

 大概この手のスポーツものだと、主人公がヒロインの苦悩に迫るためにそのスポーツの概略を学び始めて、それを読み手にも提供する形で共感を深めていくのが一般的な手法だと思うのですが、このルートにはそういう素振りが微塵も見られないんですよね。
 別に似て非なるものである弓道に触れる事で、色々なヒントや改めてのアーチェリーへの想い、初心を取り戻す的な展開そのものは悪くないのですが、しかしそれなりに弓道に対する説明には紙幅を要したくせ、アーチェリーという競技そのものに対する言及が圧倒的に少ないのはとてもアンバランスだったと思います。
 その齟齬が、ともすると読み手に、精神修養を内包していないアーチェリーよりも弓道の方が尊い、みたいなイメージを植え付けかねず、それは巡り廻ってアリスというヒロインの価値をも貶める結果にも繋がっていて、この点は看過できない弱点になってくると感じました。

 加えてもうひとつ、アリスというヒロインの個性の構築に関しても物足りなさはありましたね。
 基本的に家族に溺愛されて伸び伸びと育ったはずのアリスが、実は臆病で引っ込み思案でカナダでは友達の一人もいない、アーチェリーに没頭するしかない暗い子だったという設定自体が正直アンバランスだな、とは多くの人が感じるのではないでしょうか?
 更にこの子には、結花やしずかのように、幼い頃から積み上げてきた想いや拘り、或いは遙のように、生来の気質を捻じ曲げてしまうようなトラウマの影もなく、「物語的」に見て説得性が非常に薄いつくりになってしまっています。

 そりゃ勿論現実的には、どれだけ家族に愛されてもそういう性格の子供はいるでしょう。
 けどやはり物語である限りは、そうなる変化の前提、必然は最低限担保して欲しいものですし、それをせずにただひたすらにすれ違い続けて、最後にようやくその一端に触れたところで突発的にプロポーズとか、あまりにも粗雑な構成だと言わざるを得ません。
 それはやはり、ヒロイン視点での蓄積が出来ない制約が響いているとも思いますし、その分いざ気持ちを吐露する場面で怒涛のようにヒロインにばかり喋らせる、というつくり自体もバランスが悪くて、正直可愛い可愛いアリスの無駄遣い感半端なく感じてしまいましたね。

 主人公がその内面をしっかり掘り下げていく、というスタンスの作品であるならば、例え面白味はなくともこのルートではまずアーチェリーの素晴らしさを、夏芽のおためごかしな所感のみでスルーせずにしっかり啓蒙するだけの掘り下げが必要でした。そうでなければ、エピローグの到達点の価値も減衰してしまいます。
 その上でアリスをこんな風に追い詰めている、より大きな契機的な要素をひとつでも組み込んで、その変化や苦衷を納得できる流れに落とし込んで欲しかったですね。
 例えば馬との絡みを持ってくるなら、ホームシック的な色合いでも良かったでしょうし、遙みたいに過去のトラウマが屈折させたというつくりでも良かったし、ともあれそこに必然がまるで感じられないのは良くなかったと思います。

 次に結花シナリオですが、これもまぁ本質的にはアリスシナリオと同様に、そもそもの構成面での瑕疵を払拭するだけの筆力がなかったというべきでしょうか。
 ただアリスよりも劇的な要素を必要としないだけ、まだ粗が見えにくくはなっていて、それにしたって序盤のデートの展開とかなんだいそれ、ってくらい唐突なイベントでしたし、それくらい結花がそのデートに緊張し、同時に歓んでいる、という心境面でのワンクッションがないから非常に粗雑に感じてしまいます。

 あとこの二人の場合、互いに相手の評価は高すぎて、結花に関しては自分の評価が低すぎるという部分も明白で(主人公は正直人間的にはどうしてこんなにモテるのかわからん唐変木だと思うんですけどもね。。。)、それ故の空疎な謙遜のし合い、褒め称え合いが正直鬱陶しいです。
 そんな風に擦れ違い続けているくせ、おふざけ告白からの関係性だけは一気に進展していくわけで、それだけ結花の一途さや健気さは強調されるものの、相手の内面に踏み込む、という観点であまりにもお粗末というか、もう少し傷つき傷つける覚悟、みたいな想いが欲しいですよね。総じて主人公が軽いですこの辺。
そこからイチャラブしつつ、互いの想いの原点を探す流れ自体は悪くないですが、トピック的にそれしかないから迂遠かつグダグダ感はかなり強く、かつその決着としてのオチも安直、追加して超ご都合主義的で、その辺はせめてもう少し工夫しようよ、と苦笑いするしかありませんでしたねー。

 しずかシナリオはここまでの二人とはガラッと空気感が違い、ヒロイン視点を多用する事で折々の心境を丹念に追いかけ、かつそれを他の三人にも波及させて、逃した魚は大きい的な後悔と無念をしっかり描いているのは特徴的だったなと思います。
 その上で、しずかというトップアイドルが本当に求めているもの、心から楽しめるものの追求、という流れの中で、主人公が介在するまでもなく向こうから話が降りてくる、という構図にはなっているものの、それを肯じるだけの素地は確かに二人の付き合いからの流れにある、というのはまずまず説得的、かつ内的要因としての変化に則していて悪くなかったと感じます。

 個人的に演劇ものは好みに合致する、という点もあり、その舞台に対する情熱面も、技術的な部分は最低限の抑えとはいえ、きちんと汲み取れる水準で組み込まれていて、この辺もアリスシナリオとは対照的に感じた部分です。
 まあどうしてもこのルートでは、感情面での流れを大切にするあまり、それを導くための状況展開にこじつけ感が強く、そもそもなんて全然隣とかでもない主人公の部屋に潜り込んでくるの?とか、トップアイドルがゲリラライブなんてする理由あるの?とか、そんな都合よくスケジュールに穴が開くかーい!的なツッコミどころはたんまりあります。
 それでも、それを些細な事、と思わせるだけの熱量、抒情感はしっかり積み上げられている内容かな、とは思いますし、ヒロインとしてのしずかも非常に真っ直ぐで可愛らしく、冷徹に採点すればそりゃすごくいいとは言えないですけど、結構満足度は高い内容になっていたと思いますね。

 遙シナリオに関しては、よりテキスト的に尖ったものがあり、この辺はかなり好き嫌いが出ると思います。
 キーとなる言葉を重複、多用してのイメージの植え付け、それに伴う雅飾の強さは一種劇薬的な作用があるし、それを妹シナリオ、という構成面で何かしらの劇的さ、特別な説得性を必要とするところに噛み合わせてきたのは中々面白い挑戦だなあと感じました。

 全体的にそういう言葉の力を軸にした、感情面での勢いで押し切ろう、という色合いが濃く見えるけれど、一方でそれなりにきちんと最低限理路でも読み解ける構造になっているのがこのシナリオの特色であり、強みにもなります。
 特に遙のトラウマに関しては、序盤からしつこいくらいに意識的に植え付けてくる感じですし、妹として庇護する対象であれば、敢えてその傷に踏み込む必然はない、けれどより深いパートナーとして接していくなら看過できない、という主人公側の心情も、回想を多用していることもあり説得的に映ります。

 そしてその当時の傷、それを克服しようと足掻いても儘ならない時期に、はじめてそこから逃げてもいい、と示唆してくれた存在が、絶対的な味方というイメージを完璧に固着させる最後の一押しになっている、という意味で、元より好きだったという遙の想いの強さとの両輪的に、妹との恋愛を成立させる説得性を紡いでいるかな、と感じました。
 互いに支え合い、励まし合い、辛いときに一歩前に進む為背中をそっと押してくれる存在、そういう温かみ、有難味、優しさを、遙の口癖である「さんはい♪」という台詞が包括的に備えていて、ちょっとやりすぎなくらいにあらゆる局面でそれを用いておくことで、最後の最後の壇上のシーンでの裏返しに大きな価値観を有する事に成功しているし、独特の味わいですがこれは個人的にはかなり面白かったと思いますね。

★シナリオ総括

 とはいえ、やはり総合的に見れば粗の方が大きく、特に共通からよりメインの立ち位置である結花とアリスに続く部分での面白味のなさ、キャラ性やイベント展開での不満は強くあります。
 細かい部分で光るものはそれなりに多かった分、決定的にダメ、とならなかったのは良かったと思いますが、ルート間での温度差も大きいし、私個人の趣味としても、結花とアリスの方がキャラデザイン、絵的には断然好みって部分があるので、その辺でシナリオと噛み合ってくれなかったのは無念ですね。
 その辺総合的に勘案して、この点数が妥当かなと思いました。


キャラ(20/20)

★全体評価

 正直満点にしていいか、かなり微妙なラインではあります。
 互いが触媒となっての成長、本当の輝きを模索していくというコンセプトの割に、主人公が軽挙だったり淡泊だったり、なにがなんでもって気概を感じなかったりで、結果的にえらい遠回りだったり、偶然の助けがあったりと、しっかりヒロインの魅力を掘り下げきれていないきらいはかなり強いです。
 とりわけアリスはもっともっと魅力的に仕上げられたんじゃないか?って想いが強く口惜しいのですが、その辺諸々飲み込んでもいいかな、と思わせるだけの、キャラデザイン力による圧倒的な可愛さがあった事もまた事実なので、迷ったけれど減点なしでいいかなと思いました。

★NO,1!イチオシ!

 まあそりゃ元々群を抜いて好きだったのでアリス、にはなるのですが、正直他ヒロインとの差はプレイした結果縮まってしまったかな、とも思いますね。少なくともシナリオ面での補正効果は一番低かったかなーと思います、基本的に他ルートでもポンコツで迂闊な子ですし。。。
 ただまぁ、その明るく真っ直ぐでひたむきなありようは本当に素敵ですし、普段の屈託ない愛らしさ、懐きぶり、朗らかさは素晴らしい破壊力を秘めていて、コロコロ変わる表情の魅力と相俟ってとてもとても可愛かったですねー。カタコト的な喋りも小鳥居さんボイスに良くマッチしていましたし、基本的には満足しています。

★NO,2〜

 ここから後ろは少し悩むのだけど、補正込みだとしずか、になりますかね。
 アイドルなんてやっていながら非常に高潔でストイックで、好きなものには真っ直ぐで、大人と子供の面を巧みに併せ持っているのが絶妙な魅力になっていたし、恋愛面での可愛さの引き出しも一番多かったんじゃないかなと感じましたねー。

 結花も勿論見た目通りに可愛かったのですが、この子はやはり色んな点で意外性が薄いというか、未知の面を見せてときめかせてくれる、という意味ではあまり伸びしろが大きくなかったようにも感じます。
 それでも随所に見せる一途でお人好しで善良な気質は光っていましたし、本当に健気だなぁと感じさせる局面も多くて充分に可愛かったとは思います。

 遙は圧倒的に個別で化けたキャラですかねー。
 他だとちょっと嫉妬深い妹、くらいの匙加減でしたけれど、より深く知ってもらうために本気を出す、というお題目での変貌の幅はかなり大きくかつ可愛らしくて、甘え上手でありつつ甘えさせ上手、という部分が特に味わい深く感じましたね。CV的にも個別こそが本領、真骨頂という感じで、とても印象に残る妹だったと思います。

CG(19/20)

★全体評価

 量的には値段相応、というところですけれど、やっぱり私はちこたむさんのロリキャラには、パブロフの犬宜しく無条件に萌え狂ってしまうのですよね(笑)。
 質的にも安定感はある上でね時折突き抜けて素敵なのも散見しましたし、好み度と仕上がりを加味して考えればちょっと甘いけれどこの点数でもいいかな、という感じです。

★立ち絵

 ポーズはヒロインで2種類、サブで1種類、腕差分も基本的にはないので、特にメインヒロインに関してはもう少し幅が欲しかったとは思います。
 でもそれぞれにしっかり個性は見せているし愛らしいので、基本的にはそこまで不満でもない、ってところですかね。
 お気に入りはアリス前屈み、正面、結花正面、やや右、遙正面、しずかやや左あたりです。

 服飾はヒロインで5〜6種類、サブで2〜3種類ですね。学園ものの割にお約束的な衣装の幅はそんなでもないですが、寮生活が舞台ゆえの普段着のバリエーションが豊富だったり、それぞれに可愛らしさかしっかり出ていて良かったとは思います。
 お気に入りはアリス制服、普段着、外出着、コスプレ、弓道着、結花制服、普段着、デート服、メイド服、遙制服、普段着、体操着、しずか制服、普段着、デート服、アイドル衣装あたりですね。

 表情差分も多彩とは言えませんが、各々の魅力、雰囲気をしっかりトレースした繊細な匙加減は魅力的だったと思います。
 お気に入りはアリス笑顔、驚き、きょとん、半べそ、照れ目逸らし、ジト目、拗ね、結花笑顔、苦笑、照れ笑い、焦り、悄然、遙笑顔、驚き、怒り、ジト目、膨れ、しずか笑顔、真面目、不可思議、照れ笑い、思案あたりですね。

★1枚絵

 通常が77枚にSDが15枚の計92枚ですね。
 量的には水準には届いているし、日常とHシーンのバランスも良く、シナリオにそこまでの深みがないのもありますが、きちんと必要な場面には1枚絵は行き届いている感じでした。質も安定して高く、非常に愛らしくて萌え転がれましたねー。

 特にお気に入りは4枚。
 1枚目は結花立ちバック、この半脱ぎ加減と胸のラインの美しさ、顔付きの艶めかしさが渾然一体となって素晴らしい破壊力でしたね。
 2枚目はアリス中庭でお弁当、とにかくここではアリスの喜怒哀楽を顕著に示した差分が可愛過ぎで、特に怪訝そうな顔と半べその破壊力が尋常じゃなく可愛いのです。
 3枚目はアリス正常位、華奢さが覿面にわかる密着感と恍惚感の見せ方が素晴らしく、非常に可愛らしくもいやらしく、素敵な1枚でしたね。
 4枚目はアリス屈曲位、こちらもフラットなボディラインを非常に綺麗に見せつつ、少し大人びた雰囲気での耽溺、深い愛情を感じさせる目つきがとても好きです。

 その他お気に入りは、結花とアリスはまあ全部でいいでしょう、しずか歌唱、観劇、演劇、膝抱え、腕組み、愛撫、屈曲位、騎乗位、立ちバック、黒スト愛撫、バック、正常位、遙パンチラ、着替え、添い寝、腕組み、ヴァイオリン、ウェディングドレス、自慰、正常位、フェラ、背面座位、背面騎乗位、正常位、パーティーあたりですね。
 あとSDだと群を抜いてなでなでアリスが破壊的に可愛かったと思いますデス!


BGM(17/20)

★全体評価

 基本的に爽快で軽妙な曲が多かったし、作風とも噛み合って柔らかくも明るい雰囲気を打ち出せていたと思います。アレンジやクラシックの援用なども含めて、量的にはすごく多い、とはいきませんが、個々人のEDボーカルも完備してそれなりに頑張っているかなと。

★ボーカル曲

 全部で6曲と中々に豪華ですね。ただ個人的に突き抜けて好き、ってほどのものはなかったです。
 OPの『プリズム Lovely Day』は出だしのフレーズが非常にキャッチーで耳に残りやすい軽快な旋律でもあり、この作品のOPらしい空気感をしっかりつかんでいる中々いい曲ですね。AメロBメロがそこまで好みではないんですけど、サビの旋律はやはりかなり好き。
 挿入歌の『my vision』は作中のしずかのソロボーカル曲、という扱いですが、まあ作中で大絶賛されるほど心が震えるとかは流石に誇張に過ぎますが(笑)、意思の煌めきと真っ直ぐさが強く打ち出されていてとてもかっこいい曲に仕上がっていますね。サビの構成も特徴的で中々インパクトはあり、そこそこに気に入ってます。

 EDはそれぞれのキャライメージを投影した仕上がりになっていますが、この手の曲らしく突出した凄みはやっはりちょっと足りないかな、という感じ。
 その中だと一歩抜けて、結花EDの『花咲タイムカプセル』がお気に入り。この疾走感が地味に癖になります。

★BGM

 インストとかアレンジまで加えれば30曲を超えるのですが、日常曲とかも時間帯によってのアレンジだったり、クラシック流用もそこそこあったりで、実質的には20曲ちょい、ってところかなと思います。
 まあでも幅は広く耳にも優しい仕上がりになっていて、特に不足感はなかったですし、突き抜けて素晴らしい出来ってのはないですけど悪くはなかったと思いますね。

 お気に入りは『結花のテーマ』『アリスのテーマ』『しずかのテーマ』『夏芽のテーマ』『ミニチュア・サン』『悲しいピアノ』『ロマネスク』『ストリングス組曲』『オルゴール幻想曲』『beating of heart』あたりですね。


システム(8/10)

★演出

 まあ特に可もなく不可もなく、でしょうか。
 一応日常のキャラ演出はあるけれど頻度はそこまで高くなく、ややインパクトに欠けるかな、って感じで、シナリオ面での演出効果もルート間で結構温度差はあるし、出来にばらつきもあって評価に迷うところです。
 OPムービーも軽やかでカラフルかつコミカルでいい雰囲気を作れているとは思いますが、それ以上にグッとくるほどではなかったなぁと。

★システム

 基本的に必要なものは完備していますし、操作性の面でも特に問題はなかったですね。
 特徴的なのは裸立ち絵切り替えくらいですけど、個人的にはそういうのはシナリオに集中できないので使わない主義の為あんまり価値を感じず、まあ総合すればやっぱり可もなく不可もなく、に落ち着く感じです。とりあえずアリスのシステムボイスに癒されます。。。


総合(82/100)

 総プレイ時間17時間くらい。共通が3時間で、個別が3〜4時間くらいでしょうか。
 比較的共通が短めな分、個別でのヒロインの掘り下げがしっかり出来ている、と言いたいところですが、それ自体にルート間の密度、温度差が結構如実にあって、やはり結花とアリスは一歩も進展がない所で無駄に水増し、足踏みしていている感覚は強く感じましたかね。
 逆に遙としずかは弛むことなく一気に流れに乗って楽しめた印象がありますし、その辺評価としてもなんとも微妙なところになりますねー。

 全体的にもそれなりにきちんとまとまっている、とは思いますし、体験版やった時点ではちょっと駄目っぽいなー、って印象の方が強かったので、そこからすれば挽回はしていると思います。
 ただやはり私的には本丸のアリスと結花がイマイチだったのはちょい不満が残りますし、もう少しだけの工夫、手間暇かけるだけでなんとかなりそうなだけに余計にもどかしいというか、奥歯にものが挟まったような読後感というか。。。
 ともあれ、無難に面白いけれど取り立てて是非やるべきか、と言われるとそうでもない、本当に好みのヒロインがいるなら、ってのと、あと妹シナリオとしては意外性があってちょっと面白かったので、その辺がおすすめポイントになってきますかね。


 
 
posted by クローバー at 03:33| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月22日

前向きにゆくデス!

 ラブリーデイはアリスをクリアしてコンプリートです。
 いんやーもぅっ、アリス可愛いよ可愛いよアリスーーーーーっ!!!もうね、基本的に存在の全てが可愛くて愛しくて、色々痘痕も靨、的な部分はあるのだけど、とにかく全てが可愛いに置換されるというこの破壊力よ素晴らしきかな。期待通りに声も嵌っていたし、絵がおそろしく可愛かったしですこぶる満足です。

 まぁマジレスしちゃえば、シナリオとしては一番ダメダメだったんですけどね(笑)。
 もう明日感想書くのでここではあまり触れないでおきますが、そういう展開に、心情面での変化を芯に置くなら、もっともっと配慮すべきこと、やるべきことはあるだろっ!ってやたらやきもきする場面が多かったですねぇ。でもアリスは悪くない、ダメなのはあの鈍感で無神経な主人公やー!
 まあただ作品全体としては期待値下げていた分もあり、結構楽しめたなー、って感じで良かったです。少なくとも一番期待していたアリスと絵に関しては充分にその期待に応えてくれましたし、それ以外の部分で存外拾いものがあった、という感じ。その辺感想でしっかり落とし込めればいいけど、間隔なしだからどこまで踏み込めるかなー?

 んで今日からは満を持して、というべきか、遅きに失した、というべきか(笑)、シルヴァリオトリニティをスタートさせました。
 今カレル橋三竦み戦くらいまでの進行度ですけれど、やはりその文飾過多な熱量に満ちた語りと、重厚な世界観は健在で、グイグイと内容に引き込む牽引力は流石ですね。まあある程度ヴェンデッタの流れを汲んで、ではある分、その前提から一足飛びに飛躍した展開がいくつか先走っていて、現状ではどこかフワフワとした感じもあるのですが、それもラストにはしっかり収束してくれるだろうという期待感は確実に抱ける堅牢なつくりです。
 
 キャラ的な面でもまたヴェンデッタとは違った切り口での人のありようを生々しく描写しつつ、シリアスとギャグの切れ味鋭いメリハリもつけられていて楽しめてますね。
 純粋にヒロイン、という観点ではアヤが当然のように一番好きなんですが、物語の広がりという意味では一番コンパクトにまとまってそうで、かつ明らかにレインがラスボス感漂わせてるので、基本的にはアヤ⇒ミステル⇒レインの順に進めていこうと思っています。

 ただまぁ、当然ながらも明後日の新作発売には間に合わず、そして来月の購入ラインナップの確定作業もしなきゃならん時期なので、明日は体験版ズに浮気する予定ではいます。
 今回に関しては特例措置的に、新作を繰り下げてトリニティが終わってから、あと作風的にしゅがてん!とスイセイの順序入れ替えた方がいいかな、と、まぁ色々忸怩たるものはあるのですが、所与の条件下で出来る限り十全に楽しめるバランスを考えて、柔軟に対処していきませんとね。なにせ来週末までお休みがないという壊滅的な悲惨さが待ってるからねー、あははー!

 …………もうやだぁ、おうち帰るぅ…………!
 
posted by クローバー at 19:22| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月21日

まあ贅沢は言えませぬ

 ラブリーデイは結花をクリアしました。
 んーまあ、シナリオとしては前二人よりはちょっと微妙な感じでしたかね。共通の雰囲気を強めに受け継いでるというか、会話のテンポはともかく唐突な話題変換、シナリオの流れにかなり強引に寄せていく、リアリティの薄いイベントや展開などは、特に序盤の、二人の気持ちが全くかみ合ってないタイミングでは顕著でした。

 どうしてもヒロイン側としては最初から墜ちている、って形だから、わかりやすい障害や心情の変遷を組み込める遙やしずかに対してドラマチックになりにくい、って観点はあるでしょうけど、やっぱり基本的にはヒロイン側の心情をもっと丁寧に引き出す仕掛けや、会話や動きの間合いなどでその微細な機微を拾っていく匙加減が足りてなくて、やたら直截的で空々しいイメージが出てくる面は、他よりは強かったかなと。
 とはいえまぁ、恋愛物としての筋道は外してないし、逆に外連や感銘に満ちた展開が山盛り、って事でもない分だけ、率直に結花のヒロインとしての愛らしさ、人間としての誠実さ、清廉さが浮き彫りになっている利点はあり、素直にうぉー結花かわぇぇぇ!!ってゴロゴロするには十分だったと思います。

 やっぱりねー、個人的にこのちこたむさんのろりぷにー、な感じはさいっこうに大好きなわけですし、今回は二人ともがそうで、まあ結花はまだスレンダーな印象もあるけれど、立ち絵1枚絵ともにほんっとうに可愛くて可愛くて!
 シナリオでも気質においてもあんまり起伏がないから、その意味ではやっぱり秋野花さんらしいヒロインでもないかな、って思う向きはあるけれど、それはそれで結構新鮮で可愛かったなーと思えましたし、基本的には満足です。

 ただ本当に、ここまで3ルートやって思うのは、元々大層な背景設定がない、というのはあれ、この作品結構きちんとルート毎の整合性は整えられているのですよね。
 その上で、主人公のモデルとして選ばれて、最高のモデルであるために、改めて自分の中にあるもやもやというか、本当に自分が一番輝ける場所を見出していく、という流れの統一感はあるのに、個々の事象に対する必然性というか、あるべきところに収まった、と読み手に感じさせるだけのルート内説得性の積み重ねには概ね乏しい、ってアンバランスさはある意味謎です。。。
 大抵のゲームは逆のパターンでのマイナス評価が多いのに、より辻褄合わせるのが簡単なはずのほうで躓いてる、ってのは勿体ない気がしますよね。

 例えば今日の結花ルートでも、なんで幼い頃の二人がわざわざこの学園に忍び込んでタイムカプセル埋めてんだよ!と突っ込まざるを得ないわけですし(笑)。
 それに取っ掛かりのデート紛いイベントでのおもらしとか、印象付けとしてはありなのかもだけど、それをより鮮烈にするにはやっぱり結花側の心情をもっと拾ってほしいよね、ってのはありましたかね。別にゲーム全体としてヒロイン視点をオミットしているわけでもない、むしろバンバン恣意的に使ってるんだから、ここでわざわざストイックにそういう切り替えを使わずに、結果的に印象度として唐突かつ大味にしてしまうのでは、と、整合性に気を払うならこのあたりまで配慮が欲しかったのは確かです。

 まあでも本当に覚悟していたよりは普通に楽しめてるわけで、最後のアリスまでこの勢いで駆け抜けてくれるといいですね。
 やはり3人クリアしてもこの子が断然好き、ってのは変わってないし、他ルートでは色々と迂闊な子、アホの子、ポンコツ要素ばっかり見せてくれちゃってましたが(笑)、自分のルートでくらいはかっこいいところ見せて欲しいものです。
 基本的にこの子の場合はスランプ脱出の為のスポ根要素が強めにありつつの恋愛模様になるでしょうし、さりげなく流鏑馬とかやってるのが気になって仕方ないのでサクサク進めちゃいましょー、素敵な素敵な小鳥居さんですしねっ♪

 というか、昨日書き落したけど、遙シナリオでのシスッターの伝道師ってのは誰?って思って見てみたら、どうもクインタプルの妹様のようですね。パラソルゲーで実はこれだけ買ってないんですよねー、理由はうんまぁ、ちこたむさんがいなかったからだけなんですが。。。
 でもこの遙シナリオのライターさんのノリそんなに嫌いじゃなかったし、妹様小鳥居さんでしたねそう言えばぐぬぬ、と今更ながらに気になる私でした。いやまー、そんな脇道に逸れてる余裕微塵もございませんが。
posted by クローバー at 17:27| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする