2018年04月19日

ひとつの正解ではあるけどね

 空と海が、ふれあう彼方の感想をアップしました。
 短い作品ながらそれなりに見所や盛り上げ所はギュッと詰まっていて楽しかったものの、どうしてももっとこの舞台でより雄大なスケールの物語にも出来たんじゃない?的な部分での物足りなさ、呆気なさは感じなくはなくて、その辺贅沢とはわかっていても触れざるを得ないかなー、という感じでしたかね。
 ロープライスでコスパがいいとも言い難いですし、面白いんだけどすごくお勧めできるのか、ってなると悩ましい、奥歯にものが挟まったような感想になってしまいましたね。

 お嬢様FDは久遠、若葉とクリアしてコンプリートです。
 とりあえず久遠、そいやこの子も時代劇愛好家だっけ(笑)。そしてどこもかしこも将軍様大人気過ぎて笑ってしまいますな。
 話としては、他のルートとは一線を画しているというか、ほぼほぼ他のヒロインが出てこない二人きりの旅行記的なもので、横の繋がりできゃいきゃいしてるのが好きな人にはやや物足りないかもですが、それを補って余りある久遠の爆発的な破壊力が楽しめる仕様にはなっていますね。

 元々久遠ってヒロインは、普段から可愛い!って感じではなく、とにかく気風が良くて気分のいい清々しい子、というイメージの方が強く、とりわけ恋愛が絡んでのあれこれだと、ベーシックなレベルでの情緒が幼いのもありすごく目立たないんですよね。
 だからこそ個別に入ってそれを学んでいっての愛らしさが炸裂する仕組みではあるのですが、本編の時はどうしても本筋のガード絡みの話でその辺が最低限しか見られなかったのが勿体無い、と感想に書いた記憶があります。
 なので、ってこともないでしょうけど、今回のはその部分を重点的にじっくり補完したつくりになっていて、本当に久遠の恋してる女の子の煌きと、好きなものに邁進する無邪気さを同時に味わえるのが個人的には拍手喝采の出来でした。いやー、ほんとめっちゃ久遠可愛かったです。やっぱり既存ヒロインの中では頭一つか二つ抜けて好き。
 裏を返せばそれ以外の部分は精神的な部分でのフォローだけなのですが、まあ本編プレイヤーの最大公約数がこの子のアフターに何を望むか、という観点で見た時のベストに近い形は示してくれたのではないか、とは思っています。

 そして個人的大本命の若葉ルート、これに関しては正直久遠に匹敵、或いはそれ以上に可愛過ぎて萌え転がれたのはありつつ、でもやっぱりこうするしかなかったかー、的な一抹の寂しさもなくはない、ですかね。
 元々本編をクリアした後に、この若葉シナリオを自分で書いてみようか、とちょっと検討した事があって、その時点でネックになったのが、共通の時点では結果的にまだ久遠絡みのいざこざが根底的には解決していないという外的要因面と、自身のガードという立場があって、けれど為すべきことはやや宙ぶらりん、という状況の中で、特に裏の顔に関係のない若葉に対して自分のありようとどう折り合いをつけていくのか、ガードである事を吐露するのかなどの葛藤も含めて、そこを説得的に紡ぐのはかなり厳しいなぁ、と思っていて。

 なので今回その辺どう処理してくるのかな、という面でも注目していたのですが、なんのことはない、全ての本編共通設定をほぼなかったことにしてごく普通の恋愛譚に収束させてしまっていましたね。。。
 まあ今これをプレイするのに、わざわざ本編共通をリプレイして復習、なんて人は中々いないとは思いますし、記憶の薄れた今ならそこと表面上は繋がりつつ、実質的には乖離している内容、かつよりif的なスタンスでも許されるだろう、という判断は現実的だとは思いますし、その分じっくり二人の気持が煮詰まっていく過程や、それぞれのらしさが溢れた恋愛観と結ばれ方を堪能できた、という意味ではかなり満足できたので、本編の久遠みたいにどっちつかずのイメージを残すよりは英断だったと評価したいところです。
 にしても、自分の本分に対し委細葛藤なく告白しちゃう主人公ってのも、本編他のヒロインルートと並列的に考えると禁じ手っぽいのはやっぱりあるんですけどね、まああまり目くじら立てない事にします、それだけこの若葉は可愛かったですし。。。

 少なくとも若葉って子は、同世代の子に比べて精神的に成熟しているというか、感情のコントロールが上手なところはあるので、その辺の特色はしっかり残して手強さを感じさせつつも、多角的に彼女の琴線に触れていく行動と言動を重ねる事で、という王道的なアプローチ、そのステップの細やかさは本当に良かったと思いますし、いざ想いを自覚すれば真っ直ぐにぶつかって、自分の気持ちを素直に受け止めるあたりも含めて実に若葉、って感じで最高でした。
 加えて一応タイトル的なファクターとして、若葉なりに素直になれない部分も、どちらかと言えば本来精神的な部分で、というのを、物理的な部分を端緒にしているややズルい処置とはいえ上手く絡めてきていて、前提との連関性、という部分を無視するならば本編のどのルートよりもいい出来のシナリオだったと個人的には思いますね。
 惜しむらくは、この原画さん立ち絵はかなり可愛いのに1枚絵は微妙なんだよなぁ、久遠もそうだけど。そこが素晴らしければもう文句なしって感じだったんですけどまあそこまでは贅沢って話ですかね。

 次はあくまで、これは〜をスタートします。これもかなりあちこちで不穏な空気を孕んでいそうで、体験版の時点でどうにも全体像がぼやけていて難しかったのが、何処まで綺麗に集約出来ているのか楽しみではあります。


 
posted by クローバー at 17:51| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

空と海が、ふれあう彼方

 ロープラで全年齢と中々ニッチなセッティングではあるけれど、まぁ紺野さんシナリオならそうそう外れはしないだろうと踏んで購入。


シナリオ(20/30)

 青き世界と、青い春。

★あらすじ

 主人公は幼い頃は良く通っていた、祖母が居を構えている小笠原諸島に数年ぶりにやってきました。
 その理由は、祖母が経営している喫茶店がこの夏で店じまいになってしまうと聞いたからで、その手伝いがてら、いずれその店を継ぐという夢の重さと大きさを確かめるためでもありました。

 そんな旅路の途中、朝焼けに輝く船上で、主人公は神秘的な少女との出会いを果たします。
 金髪に蒼い瞳の、日本人離れした美貌を悲しみに曇らせ、じっと海の彼方を見つめる少女・エミリィ。
 彼女が手にしていたスマホを衝動的に海に捨てたことが気に入らず、思わず声を掛けてしまうものの、その場は特に話が膨らむわけでもなく、ただその愁いに満ちた横顔ばかりが印象に残りました。

 そしていざ上陸した父島で、自分を迎えに来てくれる相手を探していると、港で一騒動が起こっている事に気付きます。
 それはどうやら誰かを探しているようで、その誰かとはかの金髪少女……らしいのですが、自分を盾にその追跡をやり過ごそうと必死な様を見て思わず庇い立てしてしまいます。
 一先ず追跡者の手が届かないところまで逃げ、もしもの時の為に自分がこれから暮らす場所を告げてから港に戻ると、そこには記憶にある姿とかけ離れた、とても綺麗に、そして女性的に成長した幼馴染のちさと、その相棒のイルカのQ太郎の姿がありました。
 その姿に少しドキドキしながらも、性格的には変わっていない所を見つけてホッとし、彼女の手引きで島での生活を無難にスタート……するつもりだったのですが、手伝いを申し出た祖母はけんもほろろの対応、中々一筋縄ではいきません。

 それでも、少しでも自分の出来る事を見つけようと前向きに考える主人公は、その夜、かの金髪少女・エミリィが店先を覗き込んでいる姿を見つけ、思わず追い掛けます。
 やがて灯台のふもとに立っているのを見つけ、船上での儚い印象からもしや自殺を考えているのでは、と勘違いして止めに入りますが、結果的にそのアクションに驚いたエミリィは海に転落、主人公も飛びこみなんとか彼女を捕まえるもののそれ以上はどうにもできず、このままでは海の藻屑……という危機一髪のところでQ太郎に助けられ、九死に一生を得ます。

 しかしエミリィは転落の影響で全ての荷物を失い無一文、けれどこの島に来るのに、海に沈んだ宝物を拾い上げるという確固たる目的があり、それでこれからどうすれば、と途方に暮れている所を、祖母が自分の家でバイトしながら過ごしていい、と救いの手を差し伸べてくれます。
 ただしここに来るのに家出騒動を巻き起こしていたエミリィに残された時間は、次の定期船が島にやってくるまで。
 ならばせめてもの罪滅ぼしと、それ以上に好奇心に駆られて、主人公とちさはそのエミリィの探し物に付き合う事となるのです。

 これはとある夏に唐突に訪れた、運命的な出会いとアドベンチャーの物語。
 果たして彼らは無事に目的を達成する事が出来るのか、そしてその先に、出会ってしまった三人の関係性がどう変化していくのか、壮大な空と海を舞台に繰り広げられる、爽やかで甘酸っぱい青春の物語です。

★テキスト

 基本的にはいつものこの人らしい雰囲気ですね。
 シンプルで分かりやすい文言でまとめられつつ、しっかり心理的な機微や葛藤などを行間で表現するのが上手く、演出効果との連動性が非常にしっかりと考え抜かれた筆致になっています。
 キャラの個性的な部分ややり取りの軽妙さ、爽やかさについてもらしさはしっかり踏襲されていて、まぁこの人のここでのシナリオって大抵微妙な三角関係は混じってくるので、その部分での決してプラスなだけではない熱量も含め、青い年頃の面々の勇み足や勘違いなど、ありがちな部分を蔑ろにせず丁寧に拾っていくスタイルはやっぱり好きですし、その上で決してギスギスはしすぎず、きっちりヒロイン同士も仲良くなっていく流れが本当に楽しく、読んでいてスカッとする感じではあります。

★ルート構成

 ルートはエミリィとちさの2本だけ、選択肢的にどちらかにより親和的なものを選んでいけば問題なく分岐するのだろうと思います。もしかすると一定の好感度がないと、最後のお祭りからの個別分岐選択で選べなくなるのかもですが、そこまでは精査してません。
 まあロープライスの中でもある程度最低限のゲーム性を保持しているのはいい事ですし、王道的なヒロインの心情に寄り添う形での選択形式なので、物語の流れとも噛み合っていて問題はないでしょう。

 別にどちらからクリアしても問題はないですが、一応メインはエミリィという位置づけとは思います。

★シナリオ

 大海原を舞台にした、爽快でありつつもちょっと切なく、そしてどこまでも甘酸っぱい青春物語、ってだけでほぼほぼ説明が済んでしまうのですが(笑)、具体的にはかつて島の近くのどこかで沈んだままになっている幽霊船、そこにエミリィの両親が残してきた愛の証を見つけて、今その関係が破綻しかかっているのをなんとか修復するぞ!という部分が根幹になってきます。
 段階的には、最初の期限内で足掻くも上手くいかず、せめて島でのいい思い出を、と主人公とちさが気を配る中で、かえって危険な状況に追い込まれるも災い転じて福をなすという、いかにもなストーリーメイクでしっかり要所要所に引きと、ささやかな謎を散りばめていって、それをしっかり最後に綺麗に回収していく形にはなりますね。

 ヒロインは二人しかいませんし、一応エミリィの動向に関しては些末ながらも外的要因は作用するものの、本質的には三人の関係性がどう変化していくかで、日々の過ごし方から冒険に対するアプローチまで少しずつズレが生じてきて、結果的にそれぞれの少女が抱えたものと主人公が向き合い、それを受け止めて解決していくという王道まっしぐらの流れの中で、しっかり最低限の整合性と幸せの在り処は見出せているので、そう言う部分はロープライスならではのコンパクトなまとめ方だなと思います。

 物語的にも短いのにあまりつらつらネタバレ語るのも無粋ですし、その辺は特に触れずにサクッと済ませようと思いますが(べ、別に書くのが億劫ってわけじゃないんだからねっ!)、大枠としては本当に王道的な、一歩ずつ神秘の謎に近づいていく高揚感と、それに伴って高まる連帯感、信頼関係、やがてそれが一人の少女への恋情へと擦り替わっていく機微をしっかり追いかけていって。
 けれどその恋情が報われるにも当然一山あり、ヒロインの特別な部分により深く踏み込む事でそれを達するとともに、その関係性の変化によって生じる心理的前向きさが冒険の側にもいい影響をもたらしていきます。
 しかししかし、当然ながらその最終目的自体もすんなりとはいかず、しっかり一波乱あってもうダメか、とドキドキさせられつつも、しっかりそこまでに培った絆や努力が反映しての大団円、というお約束を完璧に踏まえている、と言えますね。

 はっきり言ってその構成は、ころげてやみあげてのメインルート部分で見せたものとすごく似ていて、ただどうしてもフルプライスでやれることとロープライスでやれることの差異というか、谷の部分の重さをあまり引っ張れなかったり、逆転劇の要因も複合的でなく、ある程度ヒロイン個人の何かに基づくワントピック的な部分で片づけられてしまうので、その点で過去作に思い入れがあるほど、ややあっさりし過ぎている、という物足りなさを感じる部分はあるかもしれません。
 ただそのあたりを差し引いても充分面白いですし、また実在の小笠原諸島を舞台にした物語、と言う事で、しっかりロケも敢行したのでしょうが現地の美しい風景や空気感をそのまましっかりゲーム内に閉じ込め、高い演出力を駆使して再投影するという補助的なプロセスと綺麗に合致している点での楽しさは過去作以上かも、と思えました。

 全年齢なのもこれでいいような残念なような、基本的にエロゲーマーの私としては物足りなさがないとは言いませんが、物語のテンポを阻害しないレベルでの甘酸っぱい青春恋物語をお手軽に楽しめるという意味ではバランスはとれていたのかな、とは思います。はっきりヒロインの年齢明示している以上、アフター的な要素でないとそういうシーンの追加パッチも作れませんし、そもそもやる気はなさそうですしね。
 ともあれ、値段とボリュームの面で費用対効果が素晴らしいか、と言われるとやっぱり首をかしげたくはなりますし、色々食い足りない作品ではあるものの、このライターさんのイズム的な部分のエッセンスはコンパクトに煮詰まっていると思えますので、むしろ過去作をプレイしたことがない人の取っ掛かりとしては結構お勧めかもしれません。
 これをプレイしてみて楽しい、特に主人公とダブルヒロインのほんのり三角関係のありようが好みだと思えるなら、ころげてやみあげて、引いては夏の雨あたりまで普通に楽しめると思うんですけどね。


キャラ(20/20)

★全体評価など

 まあ基本的に嫌味なキャラとかはいませんし、その辺は島の風土も踏まえての大らかで温かいありようが、最初は心に棘を背負っていたエミリィを本来の無邪気さに染め変えていく、というプロセスがやっぱり楽しいですからね。
 ヒロイン二人も可愛いですし、特に割り引くところはないと思います。

 一応どちらが好きか、と言われると微差ながらエミリィかなぁと。
 これがいかにもこのライターさんのメインヒロインだなぁ、って感じの程よい自信家・楽天家で、それでも変に謙遜も慢心もなく、しっかり海に向かい合う中で等身大の自分を着実に高めていく努力家の面もしっかり見せてくれますし、なによりその一途で淳良な想いの形がやっぱり綺麗だな、と思えるのですよね。
 恋愛模様としても、色々屈託があるちさに比べると本当にストレートに運命の出会い、って彩りで爽やかですし、凄く素敵な子だったと思います。

 ちさはちさで普通に可愛く、ともすれば陰キャラになりがちな重めの設定をそこそこ持ってはいるものの、そこを海を自由に泳ぎ、イルカを共にする自然少女という開放的なステータスを付与する事で上手く性格的にもイメージ的にも中和しているのかな、と。
 こっちは幼馴染ならではの屈託や積年の想い、それ故にエミリィの登場で色々ともやつく部分が隠し切れないという諸々はあって、ただその辺もしっかりエミリィ本人と対峙して想いをぶつけあって、というプロセスの中で綺麗に溶け去っていきますし、本質的にはお人好しでお節介だから、そのあたりも含めていい子だなー、と素直に思えましたね。
 そして妹ちゃんの謎キャラぶりが可愛い。愚姉愚姉言いつつすごく懐いてる感じなのがいいよね。

 そしてQ太郎、シナリオ的にも色々美味しいとこ持ってくし、基本こういう作品では癒し枠の動物キャラなのに、こっそり性格悪い設定だったりするのが面白いですね。でもそれも含めて愛嬌と思わせる匙加減と舞台効果との相乗性は流石でした。


CG(17/20)

★全体評価など

 キャラ絵そのものは決して抜群の水準ではないものの、舞台設定との雰囲気のマッチングという意味ではいいですね。ここまで大自然!ワイルドだろぉ?って感じだと、確かに基井さん絵では可愛過ぎる、ってのはまぁわかる。
 後はやっぱり、単純なヒロイン絵だけではなく、風景の描き込みとかの質の高さは流石の一言で、総合的な質感はハイクオリティに保たれているイメージではあります。

 立ち絵は主要人物はしっかり完備されていて、ヒロイン二人はしっかりポースや服飾などでもそれなりの優遇はされているので、見た目に必要なものはしっかり揃っているしまず悪くはないでしょう。
 
 1枚絵は通常28枚にSD6枚で34枚、まあお値段的には充分でしょう。
 特に良いなー、って思ったのは、ダイビングで魚群を眺める二人、エミリィとのキス、エミリィとのプロポーズあたり。あと二人で海に沈んでいくくだりの1枚絵はシンソウノイズかと思った。。。


BGM(17/20)

★全体評価など

 ボーカル曲1曲にBGM18曲で、値段を考えればかなりしっかり用意されている方だと思いますし、質も舞台設定に合わせて基本的には明るくテンポのいいもの、迫力のあるものが準備されていて、しっかりシナリオを下支えしているかなと感じます。

 このOP曲はいかにも近年のプルトップの集大成的なつくりではあり、伸びやかさと疾走感、爽快感が混然一体となるところに、今作のテーマでもあるアドベンチャア感の投影なのか、メロディラインの意外性・奔放さが加わっている感じです。
 敢えて言えば自由過ぎて掴みどころがない、完成度的な面でちょっと雑に感じる向きもなくはないですし、例えばいざ自分でメロディ覚えて口ずさもう、と思ったらめっちゃ難易度高いなー、って感じですけれど、リピートで聴いていてしっかり聴き手に高揚感を伝えてくるパワーは素晴らしい、熱量の高いこの物語にはマッチした曲だなと思います。

 BGMとしても特に可もなく不可もなく、ではありますが、基本明るい曲やスリリングな曲がメインなので、要所でこそっと出てくる切ない系の曲、『Descending』なんかの印象はかなり鮮明に残っていますね。


システム(9/10)

★演出

 相変わらず背景演出の洗練ぶりと丁寧さは素晴らしいですね。海の質感とか、花火のシーンとか今まで以上の迫力というか臨場感を感じさせましたし、それだけでも満足度は高いです。
 ムービー的にもタイトルカラーでもある青のインパクトをしっかり引きつつ、爽やかでスピード感あるセンスある仕上がりになっていて好きです。

★システム

 まあ相変わらず動作性という意味ではもっさりしてんなー、とは思いますが、概ね必要なものはあるとは言えます。
 が、いつもながら前にジャンプだけがないので、結構しっかり選択肢が出てくる作品だと厄介なのは変わらずの課題ですねぇ。それこそころげてとかみあげてはその辺めっちゃ面倒でしたし、これは尺的にはそこまででもないけど、改善されるに越したことはない、と思いますが。


総合(83/100)

 総プレイ時間7時間。共通4時間弱で、エミリィ2時間、ちさ1,5時間くらいのイメージでしょうかね。
 まあ値段を考えれば尺としてはこんなものか、とも思うのですが、ヒロイン二人とはいえ構成の段階の中で、やや2段飛ばしじゃない?的に感じる部分はなくはないので、その点では薄味に思えるかもしれませんね。
 総合して悪くはないんだけど、作品イメージとしては本当に過去作を彷彿とさせる部分も多いので、上でも書いた通りにこのライターさんの作品やった事がない人の方が楽しめる余地は大きい気はします。

posted by クローバー at 05:20| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月18日

期待感は煽られる

 なんかこのブログのフォーマットがリニューアルして、微妙に使いやすいのか使いにくいのかまだわからん。。。
 でも長年使ってきたものがいきなり変わってしまうと面食らうし、慣れるまで面倒かもなぁ、って、それを感想書かない言い訳に使うわけにもいくまいが。。。

 とりあえずお嬢様FDは恵梨香をクリアです。今日は余計なお仕事しょい込んだせいで全然時間なかったのだ。
 それにやっぱり恵梨香ルートだから全部ボイス聴かないと!ってなるし、あとこのルートは親友枠としてちょくちょく若葉が出てくるのも嬉しいところ。やっぱりこの作品自体若葉ルートの為に買ったといって過言でないから、その辺で期待感を煽られるところはあるのがいい感じではありますな。
 まあお話としては特に取り立てて際立ったところもないけれど、しっかり丁寧に2人のその後と未来設計図まで描けているし順当なところかなー、と思います。
posted by クローバー at 18:27| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月17日

耳は嬉しい

 かりぐらし恋愛の感想をアップしました。すんません、やっぱり一本しか書けなかったよ。。。
 その分こっちはきちんと書きたい事は書けたかな、とは思うし、シンプルな構図ながらそのワンイシューでしっかり多彩な面白いシチュを織り込んでくるのは、ヒロインのスタンスのタブー域が狭いアサプロならではの面白味だったと思いますし、個人的にギャグのキレという面でどうかはともかく、総合的に見て過去のアサプロ作品の中でもかなり好きな部類に入りますね。
 まあそれも、予想以上に大大大好きになれたヒロインがいればこそ、ってブースト効果もありますが。結局今日なんかも感想書き終えてからまた名残を惜しむように少しひよりルートプレイしちゃったもんねぇ。

 お嬢様FDは六花、美紅、なつきまでクリアです。
 一応メインウェポンは終盤に回して、というプレイ順ですが、このFDは舞台が舞台でもあるし、ある程度は他のヒロインもちょくちょく話に絡んできてくれるのでそこは嬉しい。六花と恵梨香の会話とか超耳が嬉しいのだけど、全部聞かなきゃいけないからそれはそれで大変だというね。。。あとやっぱり若葉も可愛いしいい声だのぅ。
 ぶっちゃけた話、本編の各ヒロインシナリオの内容まであんまりしっかり覚えてないんだけど(笑)、プレイしている内にある程度思い出してくるものがあったりもするし、基本的にはみんなとても可愛く書かれているから充分楽しいですね。勿論FDとしても尺はそこまではないけれど、基本的に抑えるべき最低限はきっちりと、というあたりがいかにもアンサン作品ではある。

 ちなみに一々書かなかったけど、そこかしこで進捗が滞りがちなのは、実際のところ合間合間で少しずつランス10のリプレイや回収プレイをやってたりするからだったりもね。。。結局今日も一時間だけ、とか思いつつ、気付くと午前中が終わっている体たらくぶり。まあほとんど麻薬だからなぁこれ。
 なんだかんだで一部の食券イベントなども8割くらいは回収して、後はルート制限とか、特殊なパターンでないと見るのが難しい部分に入ってくるのでその辺は一度スルー、今は二部の高難易度モードをコツコツと。こっちは本当にドロップ徹底がシビアな上に、大抵碌なモノ落ちないんだけど、それでもたまーにレアカードとかも混じるから手を抜けないんだよねぇ。
 単純に女の子主人公にしたからその点で細々変わるシナリオも楽しいし、最初の時はやらなかった選択肢を見てみたりもして、これはこれで楽しめていますね。もうしばらくは完全に手が離れる事はなさそうです。。。
posted by クローバー at 17:35| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

かりぐらし恋愛

 基本的には安定して面白いアサプロですし、コンセプトも体験版も印象良く、とりわけ最初からひよりが妙に好き過ぎて買わない理由がなかったですかね。


シナリオ(22/30)

 絶妙な恋愛力学。

★あらすじ

 主人公はかねてよりの念願の一人暮らしをするべく、幼い頃に暮らしていた街に戻ってきました。
 しかし、当てにしていた元々の実家は、数年に渡る放置の影響でとても人が住めない廃屋と化しており、引っ越し初日から途方に暮れる事に。
 唯一ずっと連絡を取り合っていた幼馴染の杏姉を介して、当時もっとも仲の良かった理兎の家を教えてもらい泊めてもらおうと目論むものの、当時主人公が彼女の事を男だと勘違いしていた致命的な事実が露呈し、当然ながらその場は喧嘩別れ。

 翌日、転校初日に改めてかつての幼馴染四人、杏、理兎、ひより、絢花と話し合う中で、杏が面白半分に、仮住まいを確保できるようになるまでそれぞれの家に順番に泊めてあげよう、と提案し、行く当てもない主人公も恐縮はしつつ、少しだけワクワクしながらその提案に乗っかります。
 しかし幼馴染たち、そしてその家族は誰もかれもが一筋縄ではいかない相手ばかり。
 どこでも自然とトラブルが舞い込むような騒がしい暮らしの中、それでも幼馴染とはいえ久しぶりに再会した男女がひとつ屋根の下で暮らす事で、今まで見えなかったものや気持ちが湧き上がってくるのを押し留められるはずもなくて。

 これは、かりぐらし生活から始まるドタバタハートフルラブコメディです。

★テキスト

 ここはいつも通り非常にエッジの効いたギャグセンスが冴え渡っている感じですね。
 基本的にここの主人公は概ね2,5枚目くらいで、ヒロイン側も程度の差はあれ汚れの要素を多分に保持しているわけで、今回もその伝統はしっかり踏襲しつつ、それでも以前ほど単純ではない、複雑怪奇な乙女心や独特の個性のバランスの中で、しっかり読み口からもヒロインの複雑さが滲んでくるような工夫は感じられます。

 またかりぐらし、という特殊なシチュエーションの中で巻き起こる珍騒動の組み立てや、それに対する反応のソリッドさも流石の出来栄えで、おげ面白い、という言葉があるならそうだろう、というイメージですかね。
 当然のように今作も無駄シリアスや真面目要素は極力薄めに紡がれていますし、それをしっかり下支え、助長するテキストメイクだったと思います。

★ルート構成

 共通で順繰りにそれぞれのヒロインの家に泊まって、その都度にしっかり好感度を積み重ねる事でルート派生の選択肢が発現する、まあシンプルっちゃシンプルなつくりですね。
 ルート分岐の発生自体は3周目のかりぐらしの中での脱落式、階段分岐になっていて、とはいえ別にその階段順にクリアした方がいい、というわけでもないので、2周目かりぐらしまでは八方美人で全員のフラグ立てておいて、その上で好きな子からやればいいんじゃないかな、と思います。

 サブの二人が最初から攻略できるかは検証してないですけれど、奈々子はヒロイン全員と懇ろにならなかった時の最後の救済ルート的な位置付け、丸は絢花ルート序盤からの派生になります。当然どちらもおまけ程度の短さではありますが。
 あくまでも個人的な所感ですが、杏だけはラストにしちゃうと微妙に後味が宜しくない気がするので、それ以外の子を最後に回すの推奨です。

★シナリオ(大枠)

 基本的にはコンセプトに忠実に、かりぐらしの中で巻き起こるアクシデントや急接近、普段見えない顔や緩み、安らぎの中でときめきを育てていく、というのと、それに加えてスパイス程度に幼馴染四人の主人公争奪戦、という色合いも含まれています。
 まあそもそも、如何に幼馴染で、やむなき事情もあるとはいえ、年頃の男を自分の家に泊める、というのが最初からある程度好感がないと厳しいよなぁ、ってのはあって、その点で言うとぶっちゃけ今回の主人公、言動は3枚目だけど見た目は超ベビーフェイスのイケメンに描かれてるから、ただしイケメンに限るパワーが発動している気はしなくもない(笑)。
 あと杏に関しては、ある程度主人公の動向と成長を知っていたという中で、自分を養う候補として最初から唾をつけていた感はあるので、それに託けて、という面もありそうだけど、ただそうだとしたら概ね3/4以上の確率で策士策に溺れる結果になっているのがまたいかにもって感じで笑えるところ。

 ともあれ、それぞれのルートでも明確な成長譚とかしんみりするようなシナリオが用意されているわけではなく、あくまでもこのかりぐらし生活の延長の中で発生する幼馴染ーズの鞘当てや感情の機微、掛け合いの面白さを骨の髄まで引き出して楽しむ感じではあります。
 シナリオ性、という観点は当然あまり評価軸としては機能しないのですが、むしろ余計な雅飾がない分わかりやすく面白い、という面はありますし、それで尺や質的に物足りない、と思わせない水準に仕上げているのは大したものだと感じますね。
 去年のメクラバの時にも触れたけど、こういう方向性の作品の面白さを、シナリオ性の欠如を理由に貶めるのはいくない、と今更に反省している昨今なので、これもそこに準じた評価にしたつもりです。

 また、それぞれの家庭の懶惰狂乱ぶりやその背景なども含めて、多彩な視座での面白さや発想の自由さを感じさせてくれますし、無論かなりの暴走キャラばかりなので時に辟易するところや、本気でないわー、と思う部分もなくはないのだけど、なにかしら自分の生活を顧みて共鳴する部分があったりするのが侮れない所ですかね。
 勿論フィクションとしての荒唐無稽さはくっきりと、むしろエッジを効かせて見せているのですけれど、その根底にある家族愛、或いは理兎に顕著な温もりを求めるメンタリティの部分など、本当に隠し味程度にほろっとさせる要素が無造作に折りたたまれているので、いかにもらしいつくりに仕上げてきたと言っていいと思います。

 個別としても特にネタバレと銘打って隠すほど中身が凄いわけでもないのでサラッと書いてしまいますが、とりあえず評価としてはひより>絢花>>理兎>>>>>杏くらい。

 どうしても個人的に杏は受け入れがたい部分が大きかったです。
 基本的に怠惰で、けれど自分の可愛さと肉体的魅力をはっきり理解しているから、それだけで男を手玉に取っていける、と傲慢に思い込んでいるあたりはやっぱり正直に言えば嫌いです。
 勿論それが遺伝・生育環境的にやむなし、という部分も、そういうダメ女を養う男の器量を楽しむべき、と敢えて肥大化してキャラ性を作っている部分も明示的なのでわかるっちゃわかるんですけれど、やっぱり私の趣味嗜好としては可愛い女の子は甲斐甲斐しくあって欲しいのだ(大時代的)。

 その癖いっちょ前に嫉妬や独占欲は見せたりするし、他のヒロインとの絡みでもあれこれめんどくせぇー!って部分を垣間見せるので、本当に受け止める側の寛大さがないとどうにもならんなぁ、ってのはありますかねぇ。
 むしろ嫉妬に狂う理兎に同情してしまったり、このルートだとひより三周目に入る前に分岐しているので、まだひより自身がそこまで主人公に秋波を送ってこず、嫉妬で打ちひしがれる理兎の代償的な愛を独占してウマー(^^♪ってなってるところの方がほっこりして好きというかね。。。そんなダメヒロインほっといて、二人とカラオケ行こうよと本気で思うのはやっぱりレアケースだと思う。

 せめて個人的にこういう怠惰キャラがロリっ子だったら、見た目から素直に庇護欲を感じてまだ受け入れる土壌はあるんですけれど、他のヒロインや、それこそ主人公にすらおっぱいだけ、と評されるフェロモン全開年上お姉さんでこれをやられると難しかったです。
 まあ裏を返せばかなりストライクゾーンは狭いけど、趣味嗜好がバッチリ嵌る人にはこれ以上ないときめきを与えてくれる存在になり得る尖り方、とも言えますし、ただその辺はいずれどのくらい需要の幅があるのか評判を調べてみたいところではある。

 理兎の場合は、一番最初にプレイした時は非常にストレートに好意を示してくれるし、とても甲斐甲斐しく世話してくれて、だけど甘やかし過ぎずにきちんと「二人」の生活を意識し、楽しんでいるという雰囲気がひしひしと伝わってきて、その初々しさと寂しさの裏返しの甘えのさやかさに、実にこの子らしいとキュンキュンさせてくれたのは確かです。
 ただ他のルートに比べると、ここだけ家族の存在が出てこないのでどうしても多角的な面白さの提供は難しいし、一般的な同棲甘々カップル譚と明確な区別や差異を感じさせる部分での弱さはあったのかな、と最終的には感じますね。

 まあ個人的には、このルートだとひより三周目以降だから、かなりひよりが主人公ラブになってて、髪飾りなんかも全力で見せびらかす方向に走っていて、その繋がりの中で仄かに三角関係と波乱の予感を醸しつつ、でもやっぱり理兎も好きだから、とあれこれ気にかけてくるあたりが素敵でした。ひよりのお泊まりシーンとかめっちゃ楽しいもんね。
 全体的な幼馴染四人の関係性の上でも、基本的にひよりのフットワークの軽さというか立ち位置のバランスの良さはどこでも比較的目立っていて、逆に絢花は年下というのもあるのか、ここまでの2ルートでは個別に入るとほぼ賑やかし以上の強みにはならなかったのは勿体ないところではあるかな、とも思います。まあそこはひよりと仲悪い設定だから仕方ないっちゃないのかもですが。

 でもそういう面があるだけに、逆に絢花ルートはこの子の魅力全開で期待以上にすごく面白かったです。純粋に読み物の内容としてはひよりルートと遜色ないくらいは好き。
 正直この作品、それぞれのヒロインに対しての主人公のスタンスが柔軟過ぎるだろ、って部分はあって、まぁそれもかりぐらし、という気忙しい生活の中で、敢えて我を出し過ぎずに郷に入っては郷に従え、的な精神の発露(というには個性的過ぎるのはお約束でもありますが)としての結果なのかもですが、まあ絢花に対しては最初からお兄ちゃん呼び強要で比較的奉仕的精神を求めているように感じるので、本当に杏ルートの主人公と同一人物か?なぁんて思わなくはなかったり。

 まあその点はむしろ杏ルートの方が異端だと、責任は全部怠惰ボインに押し付ける方向で私の中では処理されていますが(笑)、ともあれこのルートは分岐が一番最初なのもあり、年下の子がその立場を盾にちゃっかり出し抜いた感が強く出ているのと、それを強調するかのような秘密恋愛協定の存在がとても味わい深い匙加減になっていたと思います。
 その付き合いを隠したままに他の家を泊まり歩いたりする中で起こるハプニングややきもき感なんかはすごく面白かったですし、他の三人って比較的恋愛面では臆病というか待ちの姿勢、ってところはあるから、そういう日和りっぷりを眺めて内心悦に浸っている絢花の愛らしさがすごくツボだったりもしました。

 それにこの子の場合は家族が一番個性的で攻撃的でもあり、日々のトラブルやドタバタの醸成には全く素材が尽きない部分もあって、さりげなく妹様分岐なんかもあったりで本当に波乱万丈、って感じが中々に宜しいかと。
 そういう油断ならない日々の中でも、しっかり家族の手綱は握り、ライバルの動向にもセーブを効かせていく絢花の手練手管の鮮やかさも面白かったですし、その中でも白眉はやっぱり理兎のお姉ちゃん懐柔でしょうねぇ。

 理兎だけはもう二周目の段階で主人公好き好きー、が確定しているだけに、理兎⇒杏と順番にクリアしてくる中で、自分のルートの清楚可愛さとは裏腹に、他ルートでは嫉妬丸出しの面倒キャラになっちゃうの?って懸念していたんですが、結果的に他三人のルート全てでちょっと違った形での面白さを出してくれていて、そこは非常に高く評価している部分です。
 しかもその点でも煽りを食うのはひよりだったりするのが、絢花との関係性の中でいい味わいになっているし、ただそういう立ち位置でも別に凹む事なくあっけらかんとしたスタンスでいられるひよりってのはいい弄られキャラでもありますよね。

 おまけにそういうどこか抑圧された恋愛の中で、でもむっつりの絢花は色々我慢できないの!的な形での滲み出るエロさが、一番年下とは思えない破壊力があったりで、そういうシーンの価値としてもこのルートが一番良かったかなぁ、なんて思ったりも。まあ文章的にはなんかもう少し清楚さを残してもいいのよ?って感触はなくもなかったけれど。

 当然この仕掛けの中で、いざ真実を公言、というタイミングでのギャグ的盛り上げ方もお約束的に楽しかったですし、まぁひより贔屓の私としてはそこまで察しが悪いか?って思いはあるんだけど、ただ一応このルートだと三周目には入ってない、かつ年下の絢花相手だから見栄とか意地、先入観もあって、そういう諸々のフィルターが目を曇らせていたという面はありそうではありますね。
 まぁ人間関係性としても、絢花が主格となるならそりゃ最大の当て馬が…………ってのも、共通からの連関性で一貫していたのが大したものですし、このルートは本当に素直に面白かったと思います。

 最後にひよりルートですが、これはやっぱりヒロインそのものに対する贔屓目のフィルターが大きい部分はあれど、物語としてもそれなり以上にしっかり面白かった、というのは確かですね。
 どうしてもひよりってのは他のヒロインからもそこそこ雑に扱われてなんぼ、的なところはあるし、そう言う面をある程度反映しての、恋愛関係公言してるのにお泊り生活継続、ってつくりがまず面白く、各人の過程にカップルで揃って泊まりに行く中で派生するまた別ベクトルの化学反応が本当にキャッチーで楽しかったなぁと。

 そういう仲間的な仲の良さの合間に、しっかり恋人らしいイチャエロも挟みつつ、でもやっぱりひよりとの関係で一番楽しいのは普段の飾り気ない自然体のやり取り、ではあると思うんですよね。
 この辺は共通からもはっきり見えていたとは思うんですが、四人のヒロインの家に順繰りに滞在する中で、基本的にはひよりの家が一番肩肘張らずに過ごしやすい、ってのは間違いなくあったと思うし、バイト先、って部分からも一番馴染み深くなっていく面もありました。
 またひよりとの相性というか、程よく相棒的な、ざっかけないやり取りの中で性別を意識し過ぎずに過ごせる面は、ある意味では元々主人公が男だと勘違いしていた理兎相手に無意識的に求めていたものでもあって、けど最序盤にああいう形で理兎とはぎくしゃくせざるを得ない中で、その代償的な立ち位置としてすっぽり嵌り込んだ雰囲気はあるんですよね。

 だからこそ、いざ恋人になってもガラッと関係性が変わるわけでもなく、あくまで一番自然体のこの二人らしい在り方の延長線でいられるのが、かえって他ヒロインの感情を逆撫でせずに認めていく方向にシフトさせているのもいいなぁ、って思いました。
 また二人とも気働きが良くて、自分から率先してテキパキ物事を進めていくタイプ、かつ人に頼ること自体は躊躇いがない、という所での連帯感の強さも、それを意識的に、杓子定規に紡がねばならなかった理兎や、そもそもそのバランスが程度の差はあれ崩壊している他の二人に比べて、対等で理想的な関係性に映る、ってのは贔屓の引き倒しなんでしょうかねぇ?

 ともあれ、そうやって新たな二人の関係性を周知させつつも、その中で今までの横の繋がりをアップデートしていく過程の面白さと、それぞれの家庭の味を見知る中で、元々親孝行なひよりが辿り着く結論的な部分もお約束ではあれほっこり心温まるものではあって、基本的に母親の暴走がウザい!という意見は出るかもしれないルートですが、それも母一人子一人の密接な親子関係からの派生、と思えばまぁ、ってところでしょうか。
 なんだかんだで恋人関係にスプズブに溺れて、普段のサラッとしている時と、甘々デレデレになっている時のひよりのギャップの可愛さという面でも大満足でしたし、まあむしろ面白可愛過ぎてえちぃシーンでもそっちが先に立ってしまうなんてデメリット(と言い切るのも忍びないが)もありましたが、この子目当てで購入した身としては大満足の内容だったと思います。

 以上、総合的に突き抜けてどうこう、という面はないけれど、コンセプトに忠実に、斬新な視座も含んで非常に楽しい日常と恋愛模様を提供してくれたと思いますし、温度差や好き好みの差は出るにしても、誰かしらの恋愛模様はツボに入ってくるだろうバラエティ、バリエーション込みでそれなりには評価したいですね。
 まあ私の場合どうしても杏ルートの存在が足を引っ張って、点数的にもここが限界かなー、って感じにはなりましたけど、過去のアサプロ作品の中でも個人的には1、2を争う面白さ、好み具合だったと感じています。


キャラ(20/20)

★全体評価

 まあシナリオでも散々触れたように杏だけは徹頭徹尾好きになれないんですけれども、それでも脇に回った時の程よい存在感や、幼馴染の中での波乱素なども含めて必要なキャラだったのは確かだし、そのマイナスを凌駕してくるそれぞれのキャラの個性豊かさと面白さ、そして絢花とひよりの可愛さで充分お釣りがくるというか、概ね大満足できていますね。

★NO,1!イチオシ!

 ここはもうひより一択なのです。
 正直公式でキャラ紹介が出た時から大好きで、体験版やってみたら益々ぞっこん好きになってと、最近ここまで事前の好感度が高いヒロインはいなかったレベルで嵌っていたので本編やってどうかなー、と逆に心配していたのですが、嬉しい事に杞憂に終わりましたね。
 いやー、ほんともうひより可愛過ぎですわ。自分でもなんでこんなに好きなのかわけわからんってくらいに大好きです。シナリオ的な引きがなかろうと問答無用で殿堂入りです。。。

 口調なんかは中性的で雑で気兼ねない感じで、大枠的に見た時にアサプロ特有の汚れヒロイン筆頭なのか、と思わせておいて、実のところ一番まともなヒロインだったよね、ってのはまずあります。
 気安い子だけどきちんと感性的に女の子はしてるし、ボケタイプと見せかけて実はツッコミタイプで気遣い屋さんだったり、地味に家庭的だったりするのもポイント高く、なにより本当に主人公との相性が良くて、ささやかなじゃれ合いとかふざけ合いの中で通う空気感が本当に暖かく愛しいものでしたね。

 恋愛面でもすごく一途で、ぞっこんなところはありつつも、不必要に束縛したりべたべたしたり、って程でもなく、それこそ共通で本人が口にしていたようにある程度理性的に制御出来ている部分はあって、その分甘えていいタイミングではガーッと衒いなくそれをさらけ出せる自然体の部分が本当に滅法可愛いと言わざるを得なかったのですな。
 それに単純に外見的にも一番好みなのは間違いなかったし、なんか作中では金髪ディスが横行していたけれど、そういう弄られ上手な部分も含めていいムードメーカー的な役割をも兼任していて、どのルートでも存在感充分だったのも私的には非常に嬉しいところでした。
 本当に、ここまで一目惚れから青天井に好感度が上がり続けてフィニッシュするというのもレアケースですし、大満足させていただきましたね。

★NO,2〜

 次はシナリオに引っ張られる部分もあって絢花になりますね。
 他ルートだと妹主張程度しか存在感を見せられないのが勿体無かったですが、その分自分のルートでの爆発力は半端なく可愛かったと思いますし、いざやるとなったら手段も選ばない、少しベクトルの外れた優等生らしさを存分に発揮してくれるのも、見方によっては甲斐甲斐しいというか可愛げがあるというか、色んな意味で魅力的でしたね。
 無論通しでお兄ちゃん呼びしてくれるのもポイントは高いですし、癖は強いけどすごくいい子だったと思います。

 理兎は悪くはないんだけど、総合的に見て自分が恋愛主体となった時の普遍的な部分が終わってみればやや物足りなく、むしろ脇で嫉妬キャラ面を強く出しながらの変幻ぶりの方が面白かったりするのがね。。。
 特に絢花とひよりルートでの理兎の独特の可愛さは中々でしたし、終わってみると一番普通そうに見えて一番体張ってギャグかましてたのはこの子の様な気すらするから不思議だ(笑)。

 奈々子は結局ラストまで正体不明で終わってしまうし、独得の味がある面白いキャラだっただけにあそこまで使い捨て感アリアリだったのは勿体なかったですけどねー。


CG(17/20)

★全体評価

 いつも通りに立ち絵はバリエーション豊かで、特徴的な変顔を多彩に取り揃えてのギャグテイストの強みを生かす方向性がしっかり出ていましたし、その分一枚絵との印象での乖離がなくもない、ってのはいつもあるのだけど、でも総合的に見て安定して可愛かった、とは思います。

★立ち絵

 どちらかと言えば立ち絵の方が可愛く評価も高いですね。
 ポーズもそれぞれの個性をしっかり反映した、可愛さと面白さを丁寧に塗した雰囲気が良く出ていましたし、正面向きのひよりと絢花は大変に可愛く眼福でした。

 服飾もそれなりにはバリエーションがあって、きちんとデート服搭載なのは一応恋愛主体の作品としてはポイント高いでしょうかね。あと地味に制服の、ブレザー脱いでいる時の差分がみんなエロいと思うんだなこれが。。。
 ひよりの制服、寝間着、デート服、和メイド、絢花私服、デート服、理兎デート服、パジャマあたりが好き。理兎は髪を下ろしてる時の方が断然可愛いと思う。

 表情差分もこのメーカーなので汚れ的な部分もしっかり搭載しつつ、そのギャップでの可愛さもしっかり細やかに見せられていて大変に宜しいかと思います。
 個人的にひよりの正面向きの素の表情がめっちゃ可愛いなぁと思うのだ。色々感情豊かな子だけど、実のところ黙って澄ましていると普通にめっちゃ美少女だよね。

★1枚絵

 通常74枚にSD10枚で計84枚。
 決して多くはないけれど大体いつもここはこのくらいだし、相変わらずSDがとっても可愛いな、ってのと、1枚絵も立ち絵の雰囲気と少しずれてくるところはあるとはいえ、これはこれで可愛く安定して魅力的に描けているとは思うのです。

 特にお気に入りは理兎着替え、ひより和メイド、カップル記念、膝抱き愛撫、絢花エプロン、立ちバックあたりかなと。


BGM(17/20)

★全体評価

 全体としてはコミカルでアップテンポな雰囲気が強く、それでいてキャラの濃さからは一歩控えて爽やかに下支えするようなバランス感はいいかなと思いますし、要所でしんみりさせてくる曲などの出来は中々良かったなと思います。

★ボーカル曲

 全部で2曲。
 OPの『ふわり恋模様』は清々しく疾走感があって、バックのピアノの透明感がすごくいい味を出していて悪くないんですが、個人的にメロディラインとしてA〜Bメロの出来はかなりいいのに、なんか微妙にサビのメロディにずれを感じるんですよねぇ。
 総合的に、途中までは聴いていて楽しいんだけどなんかサビで肩透かしになる感じで、アマツツミのOPなんかでも似たような事書いたけど、こういうのも竜頭蛇尾というんでしょうかね?
 
 EDの『君が好き』はタイトル通りにストレートな恋愛成就の歓びを示したEDらしいEDで、爽快感と温かさがバランス良く表現されていると思います。
 ただ曲としてのインパクトはまあ普通、ってところで、毀誉褒貶が激しいOPに比べるとすごく無難なイメージではありますね。強いて言えばBメロのコブシの効かせ方が好きで、やっぱり少しサビであれ?ってなる感じ。

★BGM

 全部で23曲と水準にはギリギリ足りないか、くらいですが、質としては安定していますかね。
 基本ドタバタシーンが多いのでそう言う曲調が強めではあり、キャラ曲なんかもどこか遊びが強く出ている中で、ストレートに切ない恋愛観を投影している『please,stay by my side』と『午前三時、ないしょのデート』がすごく気に入ってます。


システム(8/10)

★演出

 まあ普通、ですかね。
 機能的な面よりもインパクト面で面白さを出す特色なので、それも総合して演出力と見做すなら安定して面白いですけれど、機能的な部分を強く出しての、となるとやっぱり旧態依然とした部分は強いですし、そこまで活発にそういう面を採用して勝負する、というところではないんだろうなぁ、って思います。
 ムービーはいつもながら非常にセンス良く、スタイリッシュで洗練されており、曲の雰囲気ともマッチしてかなり好きですね。

★システム

 こちらも特筆して目新しいものやきめ細やかさはないですが、必要最低限は一応完備しているかなと。
 まあジャンプがないので周回プレイとかだと面倒かもですが、そのくらいですかね。


総合(84/100)

 総プレイ時間18時間ちょい。共通が5時間の個別が3時間ずつで、あとおまけの二人が30分ずつくらいのイメージですね。
 全体尺として水準には達していますし、それをまともなシナリオ面の補助なく、かりぐらしとそこからの恋愛関係のドタバタだけで味気なくならずに最後まで埋めきったというのは評価していいポイントで、少なくとも中弛みしてどうこう、って面を感じる余地がそもそもないというのは面白いところです。

 どうしてもヒロインの好き嫌いに幅が出そうなチョイスではありますし、私もその点で多少割引はしましたが、好きなヒロインがいるならプレイしてみて損はないでしょう。
 特に絢花とひよりは可愛いので、個人的にそこは超おススメです。
posted by クローバー at 04:45| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする