2016年09月30日

素直過ぎると思えば

 うたわれは関が原的大戦の途中まで。
 まあ全体的に色々妨害がありつつ、錦の御旗の正当性がある分だけ地保を固めやすい、という部分もあってここまで漕ぎつけた、という展開ではあり、じゃあこの決戦で打ち破れば、というとまたそんな素直な終わり方する感じはなく、タイトル的にもより根源的ななにかが背後に絡んでるんだろうなあ、ってところで、さしあたり中盤ラストの山場、って感じでしょうか。
 とはいえもうプレイ時間は32時間くらいになってて、前編を凌駕するボリュームなのは間違いないだろうしレベルなども含めて考えればこの先の奥行きはかなり楽しみ。でもすんなり悲嘆なしに終わってくれそうな予感もしないのがなぁ。

 結アナザーはあらすじとテーマ曲更新。やっぱりMissingは久しぶりに聴いたけど神曲やで。
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2016年09月29日

続・心の傷は重くて

 うたわれはナコク奪還戦の途中まで。
 その前のトキフサ戦も中々に面倒ではあったし、しかしあいつエヴェンクルガのくせに小物過ぎるだろとは思ったわけですが、ともあれ着々と地保を固めていく中で盛り上がってきましたねと。そして予定通りに温泉回キター!と思いつつも、今回はルルちゃんが枠外なのがとてもとても残念なのですが。。。
 そしてナコク奪還戦はまあ、ミカヅチは相変わらず節に堅いな、というのと、マロロ不憫よのぉ、と思いつつもこやつらやはり普通に強いでやんの。しかし元々気の弱さが玉に瑕で色々な意味でポテンシャルは高かったとはいえ、こうまで心の傷を悪用されて、ってのはどこかで歯止めをかけてあげて欲しいと切に願うところ。ぶっちゃけいつも傍にいる仲間の大半よりマロロのほうが引きずってる、ってのがなんとも面白いところではあるけれど。

 合間に演習とか戦闘回想コツコツ進めて、ある程度やると決めてかからないと出来ない装備枠拡大もレギュラーの面々には施したし、基本的には苦戦はしないんですけどね、やっぱり特殊技とか相手の出方を踏まえつつの戦略も必要な場面は今後増えそう。力押しでなんとかなるなるー、とは言えなさそうです。
 
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2016年09月28日

心の傷は重くて

 千の刀濤、桃花染の皇姫の感想をアップしました。
 まあシリアスで殺伐とした世界観でありつつもキャラが可愛い、という一見矛盾する要素をバランスよく組み込んでくる手腕はやはり素晴らしいなと思いつつ、全体的にシナリオ面ではもう一歩踏み込みが浅いというか、意表を突く展開やハラハラ感が制約の中で出し切れずに、折角のシナリオのポテンシャルを万全に生かせなかったかな、という印象ですね。
 無論総合的にとても質の高い、楽しい作品であるのは間違いないですけれど、個人的には圧倒的とは思えなかったし、キャラに関してもみんなこぞって高いレベルで好き、ではありつつ、一極的にこの子は本当に素晴らしい、って傾倒するほどにならなかったのも残念なところ。

 というか感想書いてる時点では考え纏まってなくて、今更思いついたから軽く触れておくと、やっぱり脱落型のメインヒロインには先天的、後天的両面での悲劇性が必要なのかなって。かつそれが自覚的であれば尚更思い入れやすい、ってのはあって、これは後からシナリオ全体を振り返った時に、あぁ、あの場合ではこうなってるんだよなぁ、と改めて噛み締めることで思い入れを増幅させていくわけです。
 やっぱりその点でほたるって完璧な立ち位置なんだよなぁ。凪も自覚的ではないにせよ他ルートでの悲劇性は備えているし、けど千桃の朱璃にはそれがないというか、他ルートに入ってもそこにセーフティが効いている&多様性が薄い中で、そりゃ最善ではなくとも、どうしたって一定の成功には至ってしまうわけでしてね。いやそれが駄目だとか言うのは傲慢ではあるのだろうけど、実際に思い入れが深まらなかったのはそれが原因だとは思うので。

 うたわれはコツコツプレイを進めて、これからトキフサとの会談に向かうあたりまで。
 やはりクオンが戻ってきてメンバー全体にも華やぎが増したし、みんな少しずつ明るさを取り戻していっている感じでいいですよね。やっと最近ネコネも普通に笑ったり楽しそうな顔を見せてくれる時もあってホッとします。
 そんな上でのルルティエ実家訪問は中々に面白かったですし、ルルティエが今回は悲嘆を乗り越えてとっても強く、けどより優しさを秘めた素敵な子になってるなあと思う次第。まあこんな可愛い子だったら猫かわいがりしたくなる気持ちはわかる(笑)。

 そして序盤からいつ来るのか戦々恐々だったヴライ戦も、そのフックとしてネコネの心境の混濁とそれに対する戸惑い、後ろめたさなどが上手く機能しているし、どちらもが形に嵌り過ぎることに拘り過ぎての袋小路を上手く打破する契機になっているのはいいですね。少しずつでも自然体で甘えてくれるようになると嬉しいのですけれど。
 しかしこいつら温泉好きだなあ。。。その内本当に水が引けたら作ってしまいそうですよねこれ。

 戦闘面でも必殺や協撃など新たな要素が登場してきて一層楽しめるようになってますし、あと地味にムネチカの訓練が為になる。今まであんまり綿密に考えていなかった部分とかが固有に整理してまとめられているので、無論アイテム獲得の意味も含めて全部やっておくと後々戦略の幅が広がっていくだろうと思えるけど、しかし星みっつ程度でも結構難しいんですけど。。。
 なにせ基本クリティカル前提で数字組まれてるのに、私ってばえらい目押し苦手なんですの(笑)。まあでも今回は前回よりもバフがかなり重要な要素を占めてきているし、技の使い分けとかはきちんと見極めていかないとですかね。

 結アナザーはとりあえずフレームだけ。コツコツ頑張るです。
 
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千の刃濤、桃花染の皇姫

 まあオーガストの新作ですし、今回も体験版の時点で舞台、キャラ、演出と素晴らしいものを見せてくれたので、当然やらないわけにはいかないと楽しみにしておりました。


シナリオ(26/30)

 忠義の形、愛の形。

 皇紀二一七三年、長らく平穏を享受してきた皇国は突如未曽有の危機に襲われました。
 国土全体を覆う絶対防御の要である呪壁がいきなり崩壊し、間髪を入れずに共和国の大規模な空襲を受けて戦闘の主力となるべき武人の大半が壊滅、その後も散発的な反抗はあったものの、時の皇帝が死去し、全権を引き継いだ宰相が降伏したことで大義も失われて。
 首都である天京は共和国の軍隊に征服され、その監視下で傀儡の新皇帝、翡翠帝が擁立され、民主国家として再編されていくことを宣告されつつ、その実態は共和国を手引きしたと思われる宰相の小此木の暴虐な専制のはじまりで。
 武人は敗戦の責を問われ、或いは反逆分子として次々摘発され、そして民は重税と治外法権の共和国兵士の暴虐にさらされる屈辱の日々の中で、少しずつ反抗活動も収束していき、そして三年が経過します。

 戦争時の傷が元で記憶を失っていた武人の主人公は、元の仲間で幼馴染だったという滸の支えを受けて少しずつ武人としての誇りと意思を取り戻し、今は戦争直後に拾ってくれた恩義ある花屋で働きながら、奉刀会という武人のレジスタンス組織に所属して、臥薪嘗胆、捲土重来の好機を待っていました。
 しかしそんな日々の中、主人公はどうしても自分の生き方に納得と自身を抱くことが出来ずにもやもやとしており、そんなとき、運命的な出会いに遭遇します。

 たまたま見かけて、その物々しさに不信を抱き尾行していた公用車に、逆臣・小此木を討つと宣言して襲撃をかけた少女。その中には翡翠帝も御座していることを知った主人公は、咄嗟にその暗殺の為の襲撃を防ぎ、逆に少女に手傷を追わせ、その背中を追撃します。
 路地の奥で少女を追い詰め、その顔を正面から見据えた時、新たな記憶が紡がれてより決して感じたことのなかった衝撃が、情動が押し寄せ、それはまるで、ようやく真に仕えるべき対象を見つけたと体が覚えていたかのようで。
 その少女は朱璃と名乗り、そしてそれは仮の名で、自分が先帝の唯一の実子であり、今の皇帝が偽物であるという、本来なら不敬罪で即座に切ってしまっても不思議ない事を口にしても、主人公の中では朱璃を信じたい、という気持ちが大きく膨らんでいき、結局後続の追っ手を撒き、朱璃を自分の部屋に連れ帰って治療を施します。

 そして軽挙な復讐を企図する朱璃を説得し、現状では一切自分の身の証を立てられない朱璃が正統な後継者であることを示す証拠を探すのを手伝うことになり、朱璃は花屋の店長の好意で隣に住まい、滸には当然その真意と身分を怪しまれつつも、主人公達が通う学園にも一緒に行くことになって。
 その学園は皇国人と共和国人の調和の象徴として新たに作られたもので、共和国人の考えも学ぶべし、という滸の父親の配慮によって二人も通っていたのですが、当然内部での皇国人と共和国人との軋轢は大きく。
 直情的な朱璃もまた、共和国総督の娘で有能な軍事司令官で、かつこの学園の生徒会長でもあるエルザに初日から突っかかっていったりと主人公をハラハラさせ、少しは後々の事を見据えて動いて欲しいとお説教を繰り返すのですが、その想いは中々に届かず。

 そのわけは、二人の根底的な観念の違いにありました。
 あくまで皇国を再興し、朱璃を皇帝として盛り立てていくのが主人公達武人の悲願である中、朱璃はそもそも皇国を奪われた時点で国を守る義務を怠ったとして、皇室の意義は失われ、死をもって天上の神に償い、国を返さねばならないと考えていて、けれどその前に国を誤らせた逆臣であり、そして実の母の敵でもある小此木だけは討ちたい、と考えていたからなのです。

 しかし国情を実地でつぶさに知っていくうちに、朱璃の心情にも少しずつ変化が兆していって。
 長らく空位だった国の祭祀を司る最高位の斎巫女に、朱璃の兼ねてからの知り合いである古杜音が選ばれて天京に赴任してきて、その協力を得て今迄に出来なかった慰霊や呪装刀の研ぎなどにも立ち会い、その神秘と歴史の重み、散っていった人達の無念の想いを知るにつけ、民の為に、国の為にただ死すよりやるべきことがあるのではと考えるようになっていって。
 そして朱璃は様々な葛藤と、その想いを揺らす日々の事件の中で、主人公が望む主君としてあるべき姿を手にし、ここから数多の苦難を乗り越え、必ずや皇国の再興を、と改めて誓い合うのでした。

 果たして彼らは、皇国の再興を無事に果たせるのか?
 失われた過去に、戦争の背景にどんな思惑が隠されているのか?
 その壮大な悪意に、いかなる力と意思を持って立ち向かっていくのか?

 これは、切迫した状況の中で芽吹く情念に翻弄されつつ、迷いつつも、それぞれの忠義、殉じるべき想いを見定め、後悔なく生き切るために懸命に道を切り拓いていく、愛と勇気と信念の物語です。


 あらすじはこんな感じですね。
 大枠としては、基本的に一本道の物語でありつつ、時々にスポットが当たるヒロインが変わっていき、彼女達の苦悩や選択に寄り添って苦難を打破し、そこでそのヒロインに深く心寄せる選択をすれば本筋から脱落して、そのヒロインなりの着地点に辿り着く、という形式の中で、最低限のハッピーエンドは担保しつつも、当然先に進むほどに少しずつ謎は解明されていく、という構図、流れになっています。

 テキストは舞台背景もあるけど基本的に優麗典雅、非常に美しい雅飾を施しつつも重苦しく読みにくくはしないギリギリのバランスを丁寧に探っている、という感じですね。
 全体的に文章のリズムがいいのは、構成面でもそうだけど、やはりタブレットプレイをある程度念頭に置いての塩梅なのかな、と思うところは多いし、そのスピード感が雅趣をいかに損なわずにいられるか、ってところで、きっちりキャラ性なども補完出来ているし、かなり綿密に考え抜かれ、磨き上げられた文章だな、というイメージははっきり伝わってきます。
 いつもながらにそれは優等生的なものではあって、意表を突く面白さとかおかしみ、或いは圧倒的に胸を突く情感、という部分で決定的ではないものの、あらゆる要素を高いレベルで備えている、とは言えるのではないでしょうか。

 ルート構成は純粋な脱落型、階段分岐になっています。
 特に事前の好感度選択などはなく、あくまでも分岐地点での主人公の心の在り処を問われるだけで、まあ基本的に話の流れの中で元々主人公ラブなのが三人、すぐに好きになってそうなチョロい子が一人、って構図なので(笑)、ヒロイン側の積み重ねは選択に依拠しない、というスタンスは明白です。
 物語自体が春夏秋冬、四季を区切りに構成されていて、春編が滸、夏編が奏海とエルザ、幕間を挟んで秋編が古杜音、冬編が朱璃と明確に区切られているので、特にルートロック自体はなさそうに思えるけれど、基本的には脱落順にプレイしていく方が無難かな、とは思いますね。

 シナリオとしては、現実での神話や歴史を上手く下敷きにした物語であり、その中でファンタジー的な面白さ、成長譚としての輝き、バトルものとしての血沸き肉躍る高揚、学園ものとしての日常の楽しさ、温かみなど、正直手を広げ過ぎじゃない?ってくらいに贅沢に、あらゆる要素をバランスよく練り込みつつ物語として破綻させない絶妙のバランス感覚を保っている、と思います。
 勿論本筋の仕掛けは実に重厚であり、オーガストとしてはこういう構成の作品はユースティア以来、となるわけですが、その時の反省とかも踏まえて、ってのが強く感じられる構成、決着にはなっているのかな、と思えるし、その中で一貫して問われるテーマとしても中々に面白くて魅力的な物語に仕上がっている、とは言えるでしょう。

 ただ個人的に大絶賛、と言えないのはいくつか理由はあり、後でネタバレで詳述はしますが、ざっくり言うならユーザビリティ、ホスピタリティを最重視しているようなつくりの中で、それが逆に着地点の色付けをあっさり見透かせるという予定調和的なイメージを作ってしまっており、多少なりとハラハラ感が減衰してしまっているのが最大の要因かな、とは思っています。
 また当然脱落型なので、最終の朱璃シナリオで明かされる真実やその先の未来とはまた違う、それぞれのヒロインを選んだ中でしか知れない事実と、それなりに幸福な未来の形が提示される中で、上記の制約的な部分も含めてもう一歩個別としての奥行きは足りないかな、と思う向きがあります。

 ユースティアの時は結構ヒロインごとに物語の断層があり、それが個々のシナリオに独自性と説得性、かつ語られない部分での悲嘆の予感を必然として組み込めていたと思うのですが、こちらは物語としてはどうしても地続き感は強く、前提として目指すべき着地点が、その内実はどうあれ規定されてしまっているので、そこに歩調を合わせねばならなかった、という意味で、少しばかり脱落型との相性が良くなかったかな、と感じました。
 かつそこに付随して、どうしても大前提として皇国の再興の為の尽力、或いは辻褄合わせを持ってこないと綺麗に物語として収束しない、という構図がある故に、これまたユースティア以上に事態が落ち着いてのイチャラブ、イチャエロに関しては余談頼み、って感が強くて、それもやはり多少食い足りないかな、と。

 あとは、裏での駆け引きがあるとはいえ序盤の立ち回りの危機感のなさ、牧歌的な空気感がしっくりこないものはあるとか、ファンタジー的な部分での、とりわけ呪術面での恣意的な拡大解釈は所々で目立ち、そこに絶対的な必然を汲み取り切れない、というきらいもあったりで。
 そういう細かい部分が積み重なって、結果的にあの感動的なラスト、大団円においても突き抜けるほど共鳴できなかったかなあ、というのが素直なところですね。無論この完成度は素晴らしいですし、私が細かいところに気を取られ過ぎているのはあるのですけど。

 以下はネタバレで、あまりまとまりきらないかもだけど適当に。

 とりあえずここ二か月ちょいで、アマツツミにバルドハート、そして千桃とみっつも傑作の脱落型シナリオをプレイしたわけですが、それで思うのは、脱落型で一番大切なのは勿論ラストの完成度と情感の揺さぶり、完全無欠のハッピーエンドであり、みっつともにそれは備えています。
 ただそれをより完璧なものにするための下拵えとして特に大切なのは、ひとつに序盤の構成であり、もうひとつは結末を最後まで安心して見透かせない緩急のつけ方なのかなと思いまして、個人的な評価としては、アマツツミとバルドハートにはそれも備わっていたけれど、千桃に関してはユーザビリティの制約に重点を置き過ぎて、その部分に多少瑕疵があったのかな、というのが素直に感じるところです。

 具体的に言うとこの作品、戦争を舞台にして傍目には物凄くバタバタと人が死んでいくわけですけど、でも実は立ち絵のある主要な味方キャラに関してはどのルートでも決して死なないんですよね。
 そしてその仕組み自体が、まず滸シナリオの分岐いずれでもの槇の処遇によって、あれ?そうなのかな?と印象付けられ、そして夏編のエルザルートや、その先の反乱失敗の顛末の中でほぼ確信的に見透かせてしまう、というのがあります。

 まあそれはユースティアのラストでティアがああで、完全無欠なハッピーエンドではなかったことで賛否両面の反響があったろうし、そこに時代性も加味して今回は綺麗な大団円にしよう、という意図があるのは明白で、まあその選択自体が総体的な評価としては極力マイナスを作らないことに寄与はしているのだろうと思います。
 でもやっぱりそれが序盤から予感され、終盤に至る前に確信的に見透かせてしまうと、どれだけ終盤で主人公達が危機に陥っても、最終的には救われるんだよねこれ、ってところで、ハラハラドキドキする要素が減衰して感じられてしまうかなって、そこがどうしても勿体ないなと感じました。

 そしてもうひとつ、やっぱりこの作品滸シナリオ=春編だけやたらと弱い気はするんですよね。
 序盤の奉刀会のありようとか、主人公と朱璃の立ち回りってのは正直どこか軽率な感じは否めなくて、無論いざとなればの武力的な背景、抑止力の面は汲み取るにしても、概ね小此木の影ながらの尽力、配慮がある故に、かつエルザがあくまで武人といえど現行犯でないと裁くのは人道に反する、という高潔な思想の持ち主であるがゆえに、奇跡的なバランスの中で泳がされている感はあって。
 その上で語られるのも、無論色々伏線の種は撒かれるにせよ、あくまで本筋としてはその後の反乱に向けての土台作りである滸の心情、覚悟の確立に限られてはいて、単純に少しばかりキャッチが弱いし、またそこでの見せ方も、総合的な制約の中、まだこの時点で曝け出せる情報が少ない分余計にそのありようが明け透けになってしまっている感じはあります。

 上でもちょっと触れたけど、本筋でも個別でも槇の生死に変化がない、ってのは正直甘い構成ではあり、そこにアンタッチャブルの存在を嗅ぎ取らせるだけのわざとらしさが浮き彫りになってしまっているわけで。
 更に個別のその後が、それこそ俺達の戦いはこれからだ!的なノリで、ダイジェスト的にやがて独立を勝ち取ったぜ、ってだけで終わってしまって肩透かし、かつそこでは不都合なこと、即ちその先の竜胆作戦の同意に至る前にこのルートだと決起したんだな、ってところで、エルザと奏海の処遇に関しては有耶無耶にして終わらせているのもあり、その疑問に拍車をかける部分だなと。

 当初脱落型と相性が悪い、と評価したのも、着地点として共和国の圧政を跳ね返しての独立、ってのがある限りはそこに帰結させねばハッピーエンドにはならない制限つきになるし、その中で誰も主要キャラを死なせないとなると曖昧に糊塗するしかない、って部分が大きくて。
 まして滸は武人だからその悲願から乖離する結末なんて許されるはずもないし、といってそこからの経緯をつぶさに追いかけるほど尺も取れないとなると、本当に中途半端な位置づけになってしまっているよなぁと思うのです。

 挙句あれだけ士道不覚悟とか、武人に色恋はいらないとか言いつつ、何も解決してないうちにあっさり恋人になってまぐわって、って流れに、やっぱり軽率さを感じてしまうのは私だけでしたでしょうか?
 無論総合的に見た時に、信念と慕情の相克、それ故に犯してしまう過ちってのはどのヒロインにも、或いは主人公にも共通する深いテーマであって、この場合最終的に主人公が辿り着いた心刀合一の新たな境地を先取りしている、と見做すことも出来ますが、それは後付けの解釈であり、最初にプレイした時に感じたもの、ってのはやっぱり後々まで尾を引くんですよね。
 そういう意味で、序盤に物語に対してネガティヴな引っ掛かりを抱いてしまうような構成だと、ラストの完成度がいくら素晴らしくとも画竜点睛を欠く、という事になりかねないんだなと思いましたし、せめて同じくらいに軽い様でも、そこに予定調和を感じさせない驚きが欲しかったと。

 いやまあ、そこでじゃあ安易に主要キャラに死んでもらえばいいのか、っていうとまた難しさはあるのですけど、それが流れの中で必然、というつくり込みがしっかりしていればマイナスには捉えられないし、後々の盛り上がりの大切な養分にはなると思うんですよね。
 アマツツミだとあずきの生還の裏側でほたるが醸す死の香りにぞくっとさせられたし、バルドハートだと茉緒の死、という決定的な事象を突き付ける中で、次はもっとうまく立ち回らないと、って想いを共有できる土壌があった、無論序盤なんだからなにもかも開示できないのは当たり前でも、その中に先を不透明にさせるフックがあるかないかは大切で。

 その意味でこの滸シナリオは綺麗過ぎた、と言っていいと思います。
 個人的にこの作品が発表されて、翡翠帝ちゃんの境遇に触れた時に、あぁこれきっと、どこかで正体が判明しないままに対立して、その想いに報いるために自己を犠牲にするルートがあるんじゃないかな、って予感した、というのもあるのだけど、やっぱり個別に入る=色々欠落するものはある、という同意の上で、槇のありようもそうだし、ラストでの独立戦争のモノローグの中で、結局分かり合えなかったエルザを討ち、翡翠帝を自死に追い込んで、くらいの明確な殺伐さはあっても良かったのでは?と思わざるを得ないのです。

 これもユースティアと並べてみた時に、まあラストのティアまで世界に溶けていく構図は或いはやりすぎだったかもしれないけど(私もその読後感で少しケチをつけた口だし)、道中でメルトが死んだり、或いは序盤の個別で脱落した時に、後々の展開の中で死すべき運命のキャラはそれなりにいるよね、って匂い立つ部分はあり、そういう可能性すらほぼ糊塗してしまうのはどうかなと。
 そういう悲嘆の可能性を示唆されればなおに、その当該ヒロインのルートに対する思い入れが強くなる、ってのはあると思うし、今回戦略的にそれをあえて選ばなかった、というのはわかるのだけど、個人的にはそれが感情面でこの作品をやや薄っぺらくしてしまっているのかなと思うのです。

 序盤で尺取り過ぎたので先に行きますが、まあそれ以降の物語は、少なくとも個別に入っての独自性と具体性は滸シナリオと比べれば明らかに明確だったとは思っています。
 夏編の奏海&エルザの話は、まあこの設定でヒロイン全員集合の生徒会活動とか詰め込み過ぎだろ、って苦笑は漏れるものの楽しかったですし、特にエルザの、忠義という概念を通じての主人公への心の傾斜が丁寧に紡がれている部分は、他ヒロインが基本恋愛面についてはいつの間にか、とか、元から、とかで掘り下げがないのに対して、元々敵方であるという立ち位置も含めて面白味があったなと思います。

 正直奏海をあそこで選ぶか否かで、あの演説のシーンの暴挙が押し留められるのか?ってところで、少なくとも奏海の思慕のありよう自体により深みを与えるかは微妙に感じるのだけど、まあそれでもどちらにしても流れの中でしっかりこの二人なりの未来の形に結びついているのは確かで。
 ただやはり個人的にはエルザの方が思い入れがしやすかったし、話の筋としてもしっくりくるかなあと。基本的にこのあたりでのウォーレンはやや油断が過ぎる気もするのだけど、またエルザのほうが予期せぬ電撃戦、という形で納得もつけやすいですし。
 また後ろ盾がなくなった、という事で、真の黒幕であるロシェルがいったん諦める、という構図にしても、滸シナリオの時点ではなぜ?ではあったけどここだとまあ理解はできるよね、ってところで、じゃあそうならないとき、その野望が邪魔立てされないときはどうなるか、ってところからの急転直下はさもありなん、て感じで。

 まあ二千年という時の目盛りの中での雄大な意思、怨讐、それを持続させる仕組みなどに関しては一通り、って感じではあり、神話に依拠しているとはいえやや荒唐無稽な部分もあるのだけど、そういう土壌を踏まえての起死回生、という色付けはやはりワクワクさせられるところですが、やっぱりそこでどうしても想いに依存した展開、ってのはややもすれば目立ってくるわけで。
 特に秋編に関しては、ターニングになる古杜音の原始呪術の発現は中々に恣意的ではあるし、しかもそれが結果的にロシェルの力の封印玉を破壊するか否か、というところで、なぜそれが古杜音に想いを寄せているか否かで結末が違ってくるのか、という部分での理路の通った説明はつけにくいのが難点ですが、まあそういう些末な部分を除けばしっかりした骨組みではあるし、しっかしこの二人、どれだけ大義名分を盾に抱いてもらいたがってるんだ、とね(笑)。

 そして力をある程度取り戻しつつも、敵方にもそれが、ってところでのより大きな危機の到来はお約束的な流れだし、そこでここまでも大きなファクターになっていた、恋情に揺さぶられての迷い、過ちが、けど実際的には後悔なく強く生きるために必要不可欠な想いであり、それを研ぎ澄ませたところに真の辿り着くべき境地がある、って筋道のつけ方は中々に見事でしたね。
 まあどうしても、序盤で擦り込まれたアンタッチャブルの制約感が強い中で、どれだけ破滅的な状況でも目に見える部分での犠牲は出ないんだろうな、ってのはあるのが勿体ないですけど、それでももしや、と少しでも思わせる奥行き、解決への道筋ではあり、心を打つ素敵な話であるのは間違いなく、本当に綺麗なハッピーエンドでもあると思います。

 個人的にすごく面白かったのは、主人公が戻ってきて、はじめてみんなの前に引っ張り出された時の第一声が「恥ずかしながら帰ってまいりました」だったところですね。
 元々全体的にかなり日本の歴史にアナロジカルな内層を持つ物語であり、その中で要所に警句や皮肉が入り混じっていて、最たるものはエルザの民主化に対する警句、「自分で勝ち取ったものでなければ愛着は抱けない」だなんて、なんつー痛烈な皮肉とは思ったんですが(笑)、ともあれ戦後日本の歩みを思わせる流れの中で、最後にその台詞を、本当の意味での戦争の終結を示した台詞をそのまま持ってくるあたり中々だなあと。
 あの戦争の記憶を風化させない、というのは、今後の日本においてはやはり非常に大切なファクターになってくるし、横井庄一さんとかそれこそひとつの象徴的なところですからね、エンタメからでもそういう部分に興味を抱ける裾野が広がる可能性を紡げるならそれに越したことはないはずで。

 そういう細かい意図が結構確信犯的に散りばめられていて、地味に結構イデオロギッシュな作品でもあると個人的には思っているけれど、まあわかる人がわかる、程度にニヤッとできる範囲で矛を収めてはいると思うし、そういう面も含めて楽しめる作品ではありました。
 でもやっぱりヒロインとのイチャラブはどうしても余談依拠になるし、古杜音なんかあれだけ今にも死にそう、ってとこからどうやって生き延びたのよ?ってイマイチ理路がわからなかったり、後朱璃は妊娠してる筈なのにそれをおくびにも感じさせずにガツガツHしてたり、それでいいんですの?って思う向きはあったりなかったり。その辺含めてもやっぱり一番バランス取れてたのエルザの気はするんですよね私。

 ともあれ、かなり多方面にアンテナ張り巡らせた作品であり、それを痒い所に手が届くと思うか、帯に短し襷に長しと思うかは人それぞれでしょうけど、これだけ様々なファクターを贅沢に盛り込み、破綻させずに成立させているだけでも稀有な作品なのは間違いなくて、ただ個人的にはより脱落型の神髄をしっかり発揮できる方向に肉付けしてくれた方が嬉しかったかな、というところでこの点数ですね。
 少なくともラスト以外の道中に関してはユースティアは超えられていないかな、とは思ったし、それでも脱落型が久しぶり、ってならもう少し違ったかもなんですが、直前により素晴らしい脱落型二つもプレイしちゃってたのがね、ってところです。



キャラ(20/20)

 殺伐とした世界観の中でも流石はオーガストというべきか、非常にキャラ性に関しては巧みな積み上げで負の要素を極力見せずに、特にヒロインの魅力をしっかり引き出せるように意識したつくりになっていると思います。
 敵方に関してもそれなりに信念や必然は付与しているし、まあ学生が政治や軍事の最前線にいる世界観、ってところでの浮つきはあるけれど、その分支えてくれる大人たちの存在感もしっかりはしていたのかなと思いますね。
 まあ総合的に見てすごくみんな好きなんですが、惜しむらくは不思議と突き抜けて好きになれる子がいなかった、ってところでしょうか。

 そして終わってみると一番好きなのがエルザになっていた不思議。
 とってもふわふわした見た目の可愛さに対して、すごく苛烈な部分も持ち合わせて凛々しさ溢れていて、けどその殻を破ればより自然体で魅力的な姿を見せてくれたり、最初は敵方ではあるのだけどそれを思わせない距離感ではあるし、ただ一人だけ真っ当に恋愛のステップを踏んでいる、かつそれがしっかりテーマと隣接しているところでの印象も強くて。
 軍人としても政治家としても果断さと慈愛を持ち合わせての活躍は見事だし、そんな子が恋人としてあんな風にもたれかかってくれるのは本当に心ときめくところで、本当に大好きになりましたねぇ。

 次は僅差だけど古杜音ですかね。この作品ほぼ唯一無二の和み系というか癒し系というか、この子がいるだけで空気が朗らかになる、って雰囲気がすごく良かったし、普段はあわあわほわほわしつつも、自分の為すべき事についてはすごく誠実で真剣で、そのギャップが素晴らしく可愛かったと思います。CV的にも素晴らしい小鳥居さんで満足でしたし、表情も他ヒロインに比べてなお多彩なイメージで、コロコロ感情が移り変わるのが本当に楽しい子でしたよね。

 そして朱璃は当然好き、ではあるのだけど、なぜだろうかそこまで図抜けて好きにはならなかったんですよねぇ。いやこちらも素敵な遥そらさんだったとは思うし、物語を通じての成長という意味でも、その覚悟の重さという意味でも、もっと心寄せて不思議ない要素は揃っているのに不思議です。
 まあしかし、最初から恋情がバレバレなのにあっちがああだから、ってところでの振り回され方とか、普段の快活とした雰囲気、要所で見せる弱さとそれをバネにしての強さの発露など、魅力はそこここに散りばめられていますし、本名イベントとかラストの大泣きとか素敵なんだけど…………あー、たぶん全体的に綺麗過ぎた、のかなぁ。
 立ち位置的にもある程度ご先祖様と想いが重なって分散するところもあったし、色々と理想、あるべき姿に邁進する中で、恋愛的な部分以外での人間味が色濃くは出てこなかったし、恋愛面に関してはその想いを正しいものと最後に綺麗に規定してしまってますからね、まあその分余談ではかなりはっちゃけてはいますが、織り込み方としてどうしても、ってのはあったやも。

 奏海も当然大好きではありつつ、しかしここまで情の強い子だとは思ってなかったのでそこはちと面喰いましたね。まあ立場的に楚々とした従順な妹だけでは終わらないという予感はありましたけど、色んな意味で物語のジョーカーというか、なにやらかすかわからないくらいに思慕を拗らせてる、というところで、キャラの奥行きという意味では一番足りなかったかなとは思うのです。
 しかし皇帝衣装、エロいっすよね(笑)。

 滸も普通に好きだし、しかし士道を全うするとか言いつつアイドルしたり嫉妬に振り回されたり、色んな意味で不憫な立ち位置ではあったなと思います。
 恋愛的な意味でも、正直この二人のカップリングが本願を果たす前に成立してしまう事への違和感はあったし、ましてそれが切迫した状況の後押しがあるわけでもなく、ってところでやはり損はしてるな、って思ってて、勿論終盤では頼りになる存在として目立ってはくれますけど、もう少しシナリオでの後押しが欲しい子でしたかね。

 その他だとまあ睦美とか子柚は可愛かったですし、あと個人的には五十鈴さん攻略したかったですよ。あの巫女さん実に可愛いですよ。
 ただ今回は男キャラがそこまでガツンと来なかったなあ。誰しもが自身を韜晦して、って生き様は格好いいとは思うけど、韜晦している分だけ真意がわかりにくい中で、徹頭徹尾信を置く、というほどになりきれないというかね。


CG(18/20)

 今回から完全に二人体制で、でもパッと見でそこまで差異は感じないしその辺丁寧にすり合わせてるなぁと。出来自体は総合的に見れば当然相当の高品質ではあるけれど、1枚絵は結構ブレは目立つし、もう1点上にすべきか迷ったけどここで。ちとトータルとも兼ね合わせてですが…………。

 立ち絵に関しては質量ともに水準はしっかりクリアしているし、出来も安定しているかなと。
 ポーズはヒロインで3種類、サブで1〜2種類とそれなりに豊富、かつ結構動き自体が大きく描かれていてそれぞれのらしさが存分に反映されているところはナイスだなと。やっぱり後ろ向きに近いポーズって使用頻度が少ないからあんまり取り入れられないけどあるとインパクト強いよね。
 お気に入りはエルザ正面、やや左、見返り、古杜音正面、前かがみ、振り返り、朱璃正面、左振り返り、奏海正面、やや左、滸正面、やや左、睦美やや右、子柚やや左あたりですね。

 服飾はヒロインで4〜5種類、サブで1種類ですね。デザイン的にはどれも華麗で作風にマッチしていて、かつえろっちぃという素敵な仕様だと思います。。。
 特にお気に入りは奏海の皇帝服、いやこのぴっちりした衣装正直エロ可愛過ぎるでしょ、そりゃ大人気になるよと思わざるを得ない(笑)。
 その他お気に入りはエルザ制服、私服、軍服、水着、古杜音巫女服、制服、水着、私服、朱璃私服、皇帝服、制服、水着、奏海制服、水着、滸武人服、私服、水着、アイドル服、睦美着物ありですね。

 表情差分はそれなりに多く遊びもしっかり用意されていて、それに細かい機微の微細な表現が相変わらず丁寧だな、ってところでかなり楽しかったですね。
 お気に入りはエルザ笑顔、含み笑い、驚き、照れ焦り、眉潜め、拗ね、怒り、古杜音笑顔、拗ね、呆れ、照れ笑い、真剣、祈り、朱璃笑顔、微笑、怒り、拗ね、照れ怒り、照れ目逸らし、睨み、奏海笑顔、苦笑、困惑、照れ上目、拗ね、怒り、滸苦笑、照れ困り、怒り、真剣、睦美笑顔、子柚驚き、笑顔あたりですね。


 1枚絵は全部で109枚、まあ線画もかなり多いので全部が全部、ではないものの、まあ水準には届く量だと思いますね。ただ出来は結構ばらつきは感じられて、特に立ち絵との印象の違いがくっきりしてるのが結構あったなとは思うので絶賛、とは言えないかなぁ。

 特にお気に入りは湯着古杜音かなぁ。あの裸よりえっちぃセクシーさは素敵でした。。。
 その他お気に入りは、朱璃治療、舞、誓い、封印、慟哭、抱きしめ、対面座位、正常位、屈曲位、奏海日記、再会、海、宣言、花屋、演説、祈り、愛撫、屈曲位、69、騎乗位、自慰、対面座位、古杜音研ぎ、あーん、広き海、囚われ、愛撫、騎乗位、バック、滸アイドル、呪紋、語り、不知火、寄り添い、決起、フェラ、バック、正常位、立ちバック、背面座位、エルザ治療、食事、演説、愛撫、正常位、騎乗位、バック、フェラ、立ちバック、紫乃正常位、睦美騎乗位、子柚バック、草原、遺言、キス、覚醒、戦場で一人あたりですね。


BGM(19/20)

 全体的に作風に合わせての典麗風雅荘厳な仕上がりであり、耳に残りやすい部分も多かったですし、出来も総合的にはかなり高いなと思います、けどここも突き抜けて素晴らしい、というほどのものがなかったのは惜しいところですかね。

 ボーカル曲は4曲。
 OPの『ああ絢爛の泡沫ゆめが如く』は、非常に外連味の効いた和ロック風味の派手な曲で、その疾走感と独特のリズム感は作風にマッチはしているけれど、曲としてはそこまでは好みではないかな。
 テーマ曲の『桃花染に咲いて』はやはり和テイストでとてもこぶしの効き方がかっこいい迫力と切なさが溢れる中々の曲で、メロディ的にも完成度高く、Aメロのゆったりした部分からの徐々に切迫度が増していく流れ、サビの迫力はかなりお気に入りです。
 EDの『月夜に舞う恋の花』は神曲、と言って差し支えないかな。私としてはこの曲が断然好き。安らぎと切なさが透明感あるボーカルで染められて、切々とした雰囲気からの盛り上がり、Dメロの走り方、サビラストのハミングなど格調高い中にも美しさが散りばめられていて、すごく完成度の高い素敵な曲だと思います。
 グランドEDの『日ノ環ーひのわー』は蕭々とした雰囲気の中から、それでもゆっくりと昇り世界を染める日輪の輝きの尊さを感じさせる、希望と哀愁が絶妙にかみ合わさったイメージの曲で、この伸びやかさと優しさは中々に染み入りますが、曲としては通常EDの方が好きですね。

 BGMは全部で53曲とかなり豪奢、様々な雰囲気を作中に取り込んでいる中でしっかり使い分けを企図しつつ、グランドデザインとしての一体感、格調と清廉さは感じ取れて、特別すごく好き、ってのがないのは惜しいけど素晴らしい出来だったと思います。
 お気に入りは『春陽の刻』『君がため』『ゆかし香り』『風見鶏』『インタアセクト』『日の照らす』『街囃子が聴こえる』『夢の通ひ路』『祈り届くなら』『まことの華』『しらつゆ』『蛍』『暮れゆく荒野』『蒼天高く』『うつら』『月影』『恋紡ぎ』『桃花染の姫君』あたりですね。


システム(10/10)

 演出はいつもながらに絢爛豪華。
 立ち絵と背景と光源を縦横無尽に駆使しての多彩な演出と迫力はやはり独特の素晴らしさを出せているし、キャラも非常に多彩に動くし、まあ文句のつけようのないところですね。強いて言えばバトル演出はそこまで圧倒的ではないけど、まあそれは仕方ないかなとも。
 ムービーも非常に作風とマッチした構図で丁寧に紡がれており、どれも印象深い素敵な仕上がりかと思います。

 システム的には万全過ぎるほど万全で、むしろ設定できる項目が多過ぎてどこに何があるか探すのが億劫、ってのが唯一の瑕疵、ってくらい。ただ最初にうっかりタブレット仕様でスタートしててなんじゃこれ?ってなったのは秘密だ(笑)。


総合(93/100)

 総プレイ時間余談も込みで30時間くらい、だけど、今回は朱璃と古杜音と奏海、それに途中からはエルザまで全部ボイス聴くぜキャンペーンプレイだったので、その辺加味すると普通にプレイすれば23〜4時間かなとは思います。
 基本的に最初から最後まで変に緩む感じはなく濃度の高い物語が展開されるし、その中でバランスよく多彩な魅力を盛り込んでいてすごい意欲作だな、とは思うけど、その分だけ特化した鋭さ、輝きという点で少し足りないかな、と思わせて、総合力も圧倒的に高いのだけどSSにするにはちと足りないかなと個人的には感じました。

 まあこの辺はシナリオ構成に求める好き嫌いも出てくるだろうし、ネガティヴ要素は極力削り落とした、という方向性は基本的には大多数に受け入れやすいつくりだとは思うんですけどね、やはり個人的にはもう一歩殺伐さ、凄惨さを表立たせて緊張感を増してくれた方が嬉しかったかなと、この設定の中では思ってしまいましたね。
 でもまあその分らしいっちゃらしいキャラの魅力も見せてくれたし、元々の期待値がかなり高かった中で、期待通りくらいのものは見せてくれたと思います。色々と考えさせられるところも多いですし、安心してお勧めは出来る作品ではあるかなと思いますね。
posted by クローバー at 07:51| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月27日

完成度=感動ではない

 千桃は古杜音、朱璃とクリアして無事にコンプリートです。
 やはり大枠としては神話と歴史を丁寧に下敷きにしつつ、そこから説得力を援用する形で話を広げていってるな、ってイメージではあって、呪術に代表される飛躍の部分にどれだけ共感と納得を寄せられるか、特に古杜音の原始呪術のくだりと、そこからの分岐の必然性とかは若干怪しい部分もあったにせよ、全体としては非常に完成度の高い素晴らしい物語だったと思います。
 …………だったんですけど、なんだろうなぁ、思ったよりは突き抜けた感動とか感心を覚えないままに終わってしまった感も無きにしも非ずで、たぶんそこはセーフティが前提にあると嗅ぎ取れてしまう中での予定調和、ではあるからなのかもしれないとは思います。
 まあ贅沢な話なんですけど、ざっくり言えば様々なプラス要素をかち合わない程度、不自然になり過ぎない程度に全てしっかり盛り込んできて、ネガティヴ要素も極力削って、そのホスピタリティ満載なつくりが逆に臨界突破させるだけのハラハラとか思い入れを少しずつ減衰させているんじゃないかなと。

 その辺明日感想書くつもりなので詳しくは保留しますが、まあともあれその中でも一貫してのテーマ性の顕示はしっかりしていたし、その上での矛盾ない、伏線も全部回収した結末に導いたのは見事だとは思うし、当然古杜音と朱璃は素晴らしく可愛かったのでとても楽しめたのは間違いない…………んだけど、何故か終わってみると不思議と一番好きなヒロインはエルザだったりするのが何とも言えない。。。
 まあ朱璃の場合シナリオ構造的に思い入れがやや分離的、ってのもあるし、ヒロインの成長譚、という視座においても紛れもないメインヒロインではあるわけなんですけど、肯定的、好感的捉えられるシーンも多いはずなのにね、うーん、人の心は難しいものです(笑)。
 ともあれまた今日書き過ぎると勿体ないので明日、明日ですな。まあ現時点で言える範囲で一言だけ、当時とは採点基準が違うから数字的にはどうなるか微妙なラインだけど、個人的には少なくともシナリオ面ではユースティアは超えられなかったかな、と思いますね。面白かったですけど、まあどうしたって事前の期待値が上がり過ぎちゃうのはありますしねー。

 んでレリーフの体験版もクリアしました。
 とりあえずこれもなんというか虚飾がかなり多くって、序盤からそもそもそういう仕掛けの物語だったんかい!って驚きはありつつ、しかしどんなゲームにも出てくる最初のアテンションを、ここまでちゃんと遵守していそうな作品は滅多にないよね(笑)。まあこういう社会生活からの挫折と、そこに復帰するためのノスタルジーな環境の支援、というスタンス、発想はそれだけでひとつ斬新さでポイント稼いでるなと。
 読み口としては特段情緒に溢れても、笑いに溢れるでもない丁寧なつくり、って感じで、今のところ可もなく不可もなくですけど、シナリオの仕掛け自体はかなり奥行きがありそう。そもそもこの体験版の大半の工程であるヒロイン視点が本編でどう活用されていくのかも気になるところではありつつ、序盤で日向子がメインっぽく見せておきながら実際的にはアイ&ユウにミリャあたりの不可思議トリオが核になっていくのかなとは思うところ。
 
 画面演出などからもかなり近未来型SFチックな様相は濃いし、前半三人である程度その周縁の伏線を固めて、って感じになりそうでなかなか楽しみですし、概ねキャラも可愛いですしね。まあユウなんかチラッと顔見せしただけで一言も喋らんかったけどさ。。。
 今のところは流石にあれだけフィーチャーされればの日向子に、やはり私としてはももちゃんを一押しに上げねばならんと(笑)。まだ本当に心を開く、って経緯に至ってないからなんともだけど、ほぼ完全に初対面、って中でのたどたどしいコミュ感もまた楽しいところではあるし、そこで不器用なももちゃんかわゆい。
 これは予定通りに買ってみようとは思いますし、なるはやでやりたいところ、ではあるけれど、しかし発売からアトリエまでにクリア可能なスケールかなぁ…………。懸念通り枯れ花延期なんだよなぁ…………。

 んでその枯れ花の方も体験版やりました。
 こちらは非常に世界観が限定された物語、ってのは公式からもわかる通りで、その中での勿体ぶりが中々に鬱陶しく横行しつつも(笑)、らしいテキスト面での笑いや和みをしっかり組み込んで、演出的にも楽しいものになっていますね。レンちゃんがぴょこぴょこ動くのが本当に可愛いし、拗ねてるのが特に可愛い。
 こちらも背景に様々な伏線はたっぷりありそうで、幾許かの切なさを孕みながらも心温まる結実を迎えてくれるのかな、という予感はあるし、ヒロインもCVコミコミでとても可愛いのでやはり買うつもりではいます、が、一月延期したのは個人的にはかなり痛恨なんだよなぁ。どちらかといえば11月の方が買うもの多かったしね…………。

 次は予定通りにうたわれに戻ります。かなりいいところで中断してしまっていたから楽しみ楽しみ。
posted by クローバー at 17:11| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする