2016年11月30日

愛されたいと〜願うとき〜には〜

 スキスキは茜をクリアして、今志衣菜ルートの中盤くらいですかね。
 というか、多分カーラはここから分岐だろうな、ってわかりやすい選択肢があったのだけど、茜の場合それが見当たらなくて、右上のルートガイドの表示見ながらうーん、とあちこち寄り道しまくってようやく見つけたために、そこに至るまでに結構時間を食ってしまったというか、半端に妹ズの個別に触れちゃったりでアレなんだけど、まあ後々の時短に繋がると前向きに解釈しておきましょう。。。
 しかしそうやってようやく発見したルートではあるのだけど、発見の難易度に見合うというべきなのか、恐ろしいまでに道中の好き合う過程が一切合切、綺麗さっぱりない!ここまで開き直って総スルーなのもまず見ないぞ、ってレベルで潔い!無論褒めてません!

 まだカーラやってないからなんともだけど、あっちは一応好感度稼ぐ選択肢自体はあったわけで、でもこれは本当に、明らかに茜狙いの選択肢ってあった?ってところから、既に付き合ってまーす!状態までワープなさりますからねぇ、いやまぁサブはサブだし、ルートあるだけわっしょい!でもいいんですけど、むー、釈然としない。
 ただ茜自体はルートに入っての瞬発的な可愛さは中々でしたねー。勿論自分のアイデンティティであるBLは捨てないけど、二次と三次は別物、として、自分の好きを懸命に説明したり、合間にさりげなく照れ隠しの様なイチャラブ挟んできたり、いじらしくておっかなびっくりで宜しいねと。基本的にオタク=コミュ障的なイメージ設定がある中でだから、そういう普段のふてぶてしさとかと裏腹の臆病さが、欠点ではなくチャームポイントとして強調されるというかね。

 そういう部分は志衣菜も強く出ていて、普段の恥じらいを振り捨てるようなはっちゃけテンションから、時折純粋乙女モードに入ったり、マジ告白してきたりとかのギャップ萌えの威力は中々だなぁ、と素直に思います。それに確かに、どうあれこうまで素直に好きスキー、と真っ直ぐ思慕されることに対しての好感度の蓄積も共感的に受け止められますしねー。
 まだ誕生会終了ー、くらいではあるけど、既に真帆が後押しモードに入ってるし後はくっついてイチャエロしておしまいかなぁ。まあシナリオ、という視座での山谷は確かにない作品だけど、なんだかんだで今回はかなり楽しめてますね私。けどそれ以上すずを実は腹黒毒舌っ子にしないであげて欲しいなー、なー、なー…………。

 仄暗マスターアップ、この辺は流石の安定したスケジューリングですね。楽しみ楽しみ。
 それとは裏腹に、えぇぇ、もっかいトリニティ延期なのぉ…………。正直こいつだけは延期して欲しくなかったんですよねぇ、期待値的にも、スケジュール的にも。
 なにせ発売日がこれだけ16日だったから、延期されても22日以降の破滅的なスケジュールが緩和されるわけでもないし、かつ1月だってもう既にかなり欲しいもの目白押しなのに割り込みやがってぐぬぬ、というのがある。加えて地味に22日まで隙間時間も出来るし、まあその辺は創作の根詰めておくとか、リプレイしたいの拾い食いするとか、あとアワード準備を事前に進めておくとかやりたいこと、やるべきことはいくらでも思いつくからいいんですけどもね、ぐぬぬぬ。

 そんなささくれ立つ心を癒してくれる、しゅがてん!の一枚絵と立ち絵の神がかり的愛らしさな!
 いやもうなにこの幸せ癒し空間、特に添い寝CGとか見てるだけで心が和やかに、今なら世界に優しくなれるー!って宣言したくなるくらいに癒されるんですけどー!しばらく日参しよ(笑)。

 結アナザー更新。
 とりあえず今作において一番書きたい部分はここまででクリア、という感じですかねー。あー楽しかった。
 ぶっちゃけ残りはついでというかおまけというか、感想で触れた凪咲シナリオもこのくらい骨太だったらなー、的に愚痴交じりに発想した展開の援用なんで、物語的な面白さを追求するなら結視点で書くより、秋人や凪咲視点の方が濃密に出来るのだけど、でもまあ私が書きたいのは面白い物語<結の生き様なので、初志貫徹でぼちぼちと進めていきますです。
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結アナザー 第四章 第五節

 ――――ブロロロ…………キィッ。

「…………着いたぞ」
「……………………ぁ、はい…………」

 後部座席に腰を下ろした途端に襲い掛かってきた圧倒的な虚脱感に身を委ね、思考を中空に投げ出して十数分。
 ブレーキ音がもたらす前傾の振動と、車に乗り込んではじめて耳にした梵戸さんの声に、ようやく彷徨っていた意識がふわふわと頼りなく自分の中に戻ってくる。

 首を傾けて窓の外を見やれば、眩しいくらいに皓々とした月がまず目に飛び込んできて。
 そのまばゆさと正反対に、我が家は灯り一つ点いておらずに、暗闇の中に深々と、ひっそりと佇んでいる。

「(…………あぁ、独り、かぁ…………)」

 その切ない事実が、じんわりと五感から沁み込んでくる。
 この空虚な洞のような今の私が、人の息吹の、熱のない家の中で、それでも前向きでなんていられるのだろうか――――?

「…………すまなかったな」
「…………え?」

 そんな益体もない悲しい思考を、誠実さを朴訥さでくるんだような、存在感のある声が遮る。

「君には色々と辛い思いをさせてしまったようだ。だが凪咲様の仰った通り、君なくしてはあの二人がこうまでしっかり現実に対峙し、対決する覚悟を定める未来は有り得なかっただろう。だからどうか、俺からもお礼を言わせてほしい」
「い、いえそれは…………結局私だって、自分がそうしたい、という想いに素直に従っただけですから」
「そうすべき、ではなく、か?」
「…………お礼をしたい、とか言った割に、随分と酷い事を訊くんですね」

 けれど、その少しだけムッとした感情が、今私がここに生きている事を実感させてくれて。
 それはまるで、私が秋人君を、わざと激怒するように仕向けたのと同じような思惑を感じて――――。

「…………あの、でしたら改めてひとつ、不躾な事を訊いても構いませんか?」
「あぁ、好きにしろ。それで君の気持ちが少しでも晴れるのならな」
「もう、目上の人にそんなあてつけがましい事はしませんよ。ただ、純粋に疑問だっただけです。その…………梵戸さんはやっぱり、今回の件の顛末を早い段階で全て承知、していたんですよね?」
「…………あぁ。俺は凪咲様の目付け役であると同時に、社長の秘書兼ボディガードでもあるからな」
「だとしたら、どうして?その選択が、片倉さんを窮地に追い詰め、苦悶の極致に追いやるとわかっていて、なのに今までずっと看過、してきたんですか?」
「…………………」

 長い沈黙。
 やはりいくらなんでも率直に失礼に過ぎたかな、と思い始めたところで――――。

「…………片倉社長と、俺と、そして伊達の父親は、同窓生だった」
「え?」
「昔話だ。君の問いに答えるにはそこから語らないと、俺の情けなさが、不甲斐なさが正確には伝わらん。くだらない話になるが、それでも聞くか?」
「…………はい、お願いします」

 その、郷愁と後悔と苦渋を混ぜ合わせたような声音に、私は引き込まれるように頷いていた。
 互いの顔が見えない位置にいるのは幸いだったかもしれない。
 そうでなければ地位や年齢、関係性の薄さを飛び越えて、こんな踏み入った話を聞く勇気も持てなかったかもしれない――――。

「俺達三人は昔から服飾の仕事に興味があった。それで意気投合して、卒業して、ある程度原資を積み立てたら一緒に会社を立ち上げよう、なんて与太話をよくしていたものだ。…………だが、実際に進路を決める時期になって、元々協調性に乏しく性傲慢な俺は、二人と袂を分かち、性急に自分だけで独立することを決めた」
「…………仲違い、なさったんですか?」
「今のお前達の様な、若さゆえの向こう見ずな過ちが俺達の、なかんずく片倉と俺の間にもあった、ということだ。それで関係性がぎくしゃくしたところに、当時添い合えた相方の薦めもあって、自信過剰の俺はそんな無謀な選択をした」

 あぁ…………と沁み入るような納得がそこにはあった。
 確かに恋愛関係のいざこざがあった後は、しばらくほとぼりを覚まそうと、距離を置こうと思ってしまうものだろう。
 私とて、もう二度と二人には関わらない、とそこまで狭窄狷介な思いこそないものの、やはり当分は顔を合わせたくない、とは感じてしまっているのだから――――。

「だがやはり、そんな行き当たりばったりの挑戦が上手くいくほど世の中は甘くなかった。数年はそれでも歯を食いしばって頑張ったものの、遂に立ち上げた会社は倒産に追い込まれ、愛想を尽かされた連れ合いにも逃げられ、後には借金だけが残った」
「…………っ、苦労、なさったんですね」
「身から出た錆だ。とはいえ流石に当時は落ち込んでな、世を儚み自死する事すら脳裏にちらついた。だがそんな時、数年ぶりに片倉から連絡があった」
「っっ!」
「正直俺は合わせる顔がなかった。どれだけ見下され、痛罵されるかと被害妄想に駆られていた。けどそうして渋る俺の元に伊達がやってきて、間を取り持ってくれた。そこで改めて、積年の確執は水に流そう、借金も一時的に肩代わりするから、自分達の会社を育てる手伝いをして欲しいと誘われたんだ」
「…………それは、随分と懐の大きな話ですね」
「あぁ、それこそ今の君のようにな」
「っっ、わたし、は…………」
「謙遜はいい。これは単純に、真っ直ぐ健やかに生きてきたものには、そうやって善悪併せ持つ世の中の様々な事象を、ありのままに受け止める強さが備わるもので、そして俺にはそれがなかった。…………ついでに言えば、今までの凪咲様にもな。君はそれを肌で感じていたからこそ、こんな大仰な芝居を演じてみせたんだろう?」
「…………芝居だなんて。ただ必死だっただけです」
「そうか?少なくとも伊達の息子をあんな風に動かしたのは君の力だろう。あいつは誠実で真っ直ぐないい男だが、女性の細やかな機微にまめに反応するほど器用な男ではないからな」
「…………慧眼、ですね。やっぱりそれが、様々な経験を、時に煮え湯を飲んできたからこその世知、というものでしょうか。…………それとも、意識してそんな風に、世界を俯瞰して見つめる役回りを身につけたんですか?」
「…………ふっ、君こそ随分と鋭いものだ」

 シートの向こう側で、苦笑の気配。
 そこには僅かに、憐憫の香りも含まれていて。

 それは、自分でもほとほとわかっている。
 こんな感受性があればこそ、二人をああ出来た。
 けど一方で、自身の傷にも、悲哀にも、鋭敏に、不合理なほどに反応せずにはいられない――――。

「…………っっ、ともあれ、つまり梵戸さんは、その誘いに恩義を受けて、今の会社で黒子に徹することに決めた、そういうことなんですね?」
「その通りだ。その恩義に報いるために、俺は例え何があっても自分から片倉を、社長を裏切らないと心に決めた。その誓いは、社長がずっと昔の儘の心根を保ってくれていれば、罅が入ることもなかったが…………やはり社長業とは、多数の社員の人生を背負うというのは重たい事なんだな」
「…………変わって、しまわれたんですね。今、あんな非情で冷徹で、でも本当の意味で周りが見えていない悲しい決断を迷わずにしてしまうくらい、に」
「あぁ。会社を大きくする為に色々と業の深い真似もし、非情の決断を下す中で、心が摩耗していったんだろうな。凪咲様の母上が早世してしまったのもその一因だろう」
「…………やっぱり、そうなんですね」
「気付いていたのか?」
「片倉さんとの会話に、いわゆる家族の温かみを感じさせる何かが片鱗もなかったですし、そのくせ過剰にお父様を恐れているようでもあって、もしかしたらって。…………それに、私も父子家庭なんです。だから余計に響き合うものがあったのかもしれません」
「っっ、そう、なのか。なのに君がそんなに健やかに育っているのは、父上が本当に全身全霊で心を砕いて、君を愛し、慈しんできたから、なんだろうな」
「はい、自慢の父です」
「…………あいつは、そうなれなかった。哀しみを紛らわせるように仕事に没頭し、凪咲様にもいつしか優しさを忘れ、過剰な期待とプレッシャーをかけるようになっていって…………それでも俺はかつての誓いに縛られ、諫言を上げる勇気を持たないまま、ズルズルとここまできてしまった」
「っっ、それ、は…………」
「あれ以来独身を貫いていて失うもののない俺が、本当なら真っ先に糾弾の声を上げるべきだったろう。だが俺はどうしても負い目があった。片倉の事を未だに対等の友人だと思える心が残っていれば、また違ったのかもしれないが…………」
「…………大人は、難しいですね。でも、わからなくはないです。どうしても自分の中で凝り固まった常識が、観念が可塑性を麻痺させて、移ろい変わりゆくものを中々受け入れさせてくれない…………」
「慰めはいい。悩みはしても結局自分から動くことのできない、畢竟俺は未だに碌でもない大人でしかない、それだけの話だ」
「…………」
「幼い頃から面倒を見て、凪咲様にも深い愛着を覚えているのにも関わらず、こんな救いのない事態が勃発してなお、もし凪咲様が抗う決断をされたならそれに付き従おうと、決断をしたふりで誤魔化して、それを凪咲様が自分からは選べないのを百も承知で、責任を丸投げして傍観していた。それは非難されても仕方のない事だ」

 深い、自嘲の溜め息。
 それはとりもなおさず、梵戸さんは梵戸さんなりの苦悩の中で彷徨っていたことを示していて。
 確かにそれは大人として情けない振る舞いなのかもしれないけれど、どうしてか私はそれを責める気にはならなかった。

 私だって何かひとつ間違えばそうなっていた。
 秋人君が選べないのを承知で、その決断に全てを委ねるという無責任な思考停止に陥りかねなかった。

 概観した時に、周りの人は此度の一連の事象の中で私に非はない、だからそれも仕方ないと見做してくれるかもしれない。
 それでも道義的に、私には大きな責任はあるのだ。
 秋人君との恋人関係を自分勝手に断ち切り、その安定していた愛着に傷をつけ、揺らがせてしまった。

 だからこそ、今では完全に、とは言わずとも、此度の件も一連の経緯を経て、ようやく心から因果応報だと思えるようになったのだ。
 けどそれはやはり、私の周りにはどんな私でも変わらず温かく支えてくれる地盤があったからで、違いはただそれだけ、なのだから――――。

「…………だから、本当に君には感謝している。君自身が苦しみの渦中にありながら、よくここまで凪咲様の苦悩を汲み取り、囚われの正体を暴いて、そこから脱却する道標を紡いでくれた」
「…………ですから、過大評価ですよ。そんなの私一人の力なんかじゃ決してありませんもの」
「だがその繋がりを築いてきたのも君自身の力だろう。俺はずっと世捨て人を気取って、そういう努力を積み重ねてこなかった。だからこその袋小路だったと改めて痛感させられた。だからこれからは、一層凪咲様に忠義を尽くすとともに、自身の身の振り方も考えていこうと思わされた」
「…………それは、立派な事だと思います」
「ふっ、それが出来てようやく人並、だろう?だから、というわけでもないが…………ここまでの君の献身に対して、少しでも報いることは出来ないか?」
「えっ?い、いえ、梵戸さんにそうされる謂われもない、と思うんですが…………」
「あぁ、これは俺の自己満足、お節介の押し付けに過ぎないかもしれん。だが…………君はこれから、あの静かな一人きりの家に戻るんだろう?」
「っっ!?」
「そうして独りで泣くのか、或いは心を凍らせてしまうのか。どうあれそれは、今この瞬間に君を苛んでいる痛みを、悲しみをそのままに、未消化のままにしてしまうだろう?」
「それ、は…………」
「その悲しみは、涙は、誰かの傍で流し、その想いを少なからず分かち合ってこそ意味があるものだろう?誰に知られることのない涙は、傷の痛みを紛らわせてはくれても、決して癒してはくれない。俺では役者不足、分不相応かもしれないが、だからここで、泣いていけ」
「――――っっ!?」

 そのたどたどしい、けど真情の籠った声に、張り詰めた心が揺れ――――。

「確かに君には、きちんと甘えられる父親がいるかもしれない。けど今この時に、一番必要な時に傍にいない。ならばそこまでの繋ぎでもいい、君の痛みを、悲しみを、僅かでもいい、俺にも背負わせて欲しい。きっとそれが、俺が君に出来る唯一の感謝であり、贖罪だ」
「…………ぅ、あ、ぁぁ…………っっ」
「――――よく、ここまで頑張った。もう君は、思う存分泣いて、いいんだ」
「あ、あぁぁぁぁっっっ!!!」

 ――――決壊、する。

「うっ、うぁっ、あああぁぁぁっっっ!!!わた、しっ、わたし、はぁ…………っっっ!!!」
「……………………」
「あぁぁっ、うくっ、ひぐぅっ!!!わたしはっ、あきとくんとっ、ずっと、ずっと一緒にいたかったよぉっっっ!!!」
「……………………」
「ずっと寄り添ってっ、仲良く、生きていきたかったっっ!!!傍に、いたかったっ!!!愛し、愛されてっ、ただっ、ただそれだけで、それだけで良かったのにぃ…………っっ!!!あぁぁっ、うぁぁぁぁぁっっっ!!!」

 私の魂の慟哭を、切望を、梵戸さんは一言も発せず、ただ静かに、ありのままに受け止めてくれた。
 けれどちゃんと、私の想いの全てを感じ取ってくれていることはわかって、だから私は余計に安心し、後から後から涙は零れ出て。

 皓い月が建物の影に傾くまで、私はありったけの悲しみを吐き出すように、延々と無心に泣き喚き続けた――――。
posted by クローバー at 04:03| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月29日

幅が広がったと考えよう

 枯れない世界と終わる花の感想をアップしました。
 もちょっと簡素にサクッとまとめるつもりだったけど、結局あれこれダラダラ長く書くのは悪い癖ですな。とはいえまあ基本的に凄く総合力と雰囲気はいい作品ですし、シナリオ面では色々物量と工夫が足りない部分も散見はするけど、しっかりキャラの魅力とテーマ性の美しさは引き出せているから、半端なになるよりはこれはこれで、って感じですね。

 学校のセイイキはマイカをクリアしてコンプリート。ぐぬぬ、やっぱりあの後もう冬華出てこないでやんの。。。
 それはそれとして、マイカ自身はちょっと奇矯な部分こそあれ、基本的には素直で甲斐甲斐しくてベタ惚れで、そして性的な事にも積極的、うぇるかむかむーな感じが色々と都合はいいなーと思いつつでも可愛いのー!シナリオとしてはやっぱりやっつけというか、まあそういうさっぱり目なオチは読めてたよ、って感じにはなるけれど、純粋に掛け合い自体は楽しかったし、ラブラブHな雰囲気も素敵でございました。
 最初の1〜2回はなんか胸を小さくし過ぎじゃない?って思ってたけど、ラブラブ恋人繋ぎ騎乗位のあたりからいい感じにボリュームアップしてたのが、ホルモン分泌で育ったのん?とか碌でもないこと考えさせられるところで(笑)、でもそのくらいが私の絶妙なストライクゾーン内角低め、って感じで宜しかったですわ。あと今年はなんだかんだで結構奏雨さんヒロインで好きな子多い気がする。
 こちらも感想はなるはやで書きたい、とは思います。しばらくまともなお休み皆無なのでアレなんですが、これならこんなに長々と書く必要性はないだろうし、ね。

 んで続いてスキとスキとでサンカク恋愛のプレイを開始、まずは真帆をクリアしました。
 相変わらずのメタネタやオタネタ、汚れネタを多分に投入しつつも、和気藹々とした部活の雰囲気を存分に生かしてのコメディ感は素晴らしく楽しめるし、色々と欠点はありつつも可愛い、って塩梅が今回はかなり上手く機能してるんじゃないかなー、と個人的には感じますね。すずもパッと見大人しめの清楚系なのに、やっぱり色々と濃いところは見せてくるけど逆にそれがいい!ってなれるのもこのメーカーの風土ならでは。そしてカーラ可愛い。

 シナリオ的にはやはりタイトル通りの三角関係が途中までのメインにはなってくるけど、不必要にギスギスしたりとか言うのは今のところはなく、まあそれはキャラ性に依存する部分もあるけど面白おかしくほのかにほろっと、って匙加減が丁度いいなとは思いますねー。
 真帆自体も幼馴染というテンプレでありつつ、過去にちょっと捻った設定が埋め込まれていて、それが純粋な鈍感系幼馴染恋愛とは一線を画した味わいを生んでいて、そこに一目惚れのライバルという要素をトッピングすることで牛歩感も緩和と、この辺は発想の勝利だと思います。

 そして思っていた以上に真帆が可愛いのよねこれが。
 今までこういうスポーティー世話焼きタイプは安定して好きだけどガツンとまではこない、ってのがデフォだったのに、なんだろう、コトセといい真帆といい、少し性癖の受け入れ幅がレベルアップしたかしら?ってくらいなんか好きなんですわー。基本凛々しいのに、恋愛事になるとあわあわして、煽り・からかい耐性が低くって赤面しまくる感じがやっぱりすごくときめくんですよねー。
 あと何気に一枚絵がエロ可愛い。健康的でありながらすごく可愛さと妖艶さを無理なく塗してる感じで妙にそそるのです。まあ贅沢を言えばあのワンピースHシーンも欲しかったけどね。
 流石にシナリオ面での深みこそはないですが、徹頭徹尾ケラケラ笑える楽しい空気感の中で、こそばゆいイチャラブを堪能できてしゃーわせー、って感じですね。この肩肘入れずにプレイできるのは実に貴重といえば貴重。この先も楽しみです。次は茜か志衣菜の先輩キャラから進めていって、ラストを妹、カーラ、妹の年下サンドイッチでフィニッシュする予定でありんす。

 結アナザー更新。
 うんうん結はええ子やなぁー、と、自分で書いて自分で感涙できるお手軽キモオタライフ漫喫回でございました(笑)。
posted by クローバー at 18:48| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

結アナザー 第四章 第四節

「…………凪咲様」
「…………っ、…………ごめんなさい、迷惑をかけたわ」
「いえ、凪咲様がご無事ならそれで。…………それで…………」

 一先ず奇しくも私達にとっての因縁が降り積もった宿に戻って。
 襖が開くなり、真っ先に片倉さんの顔を確認した梵戸さんは、その強面に微かに安堵の色を浮かべ、続けて私達を等分に見やり、小さく眉を顰めながら近寄ってくる。

「…………伊達が見つけてくれたか。感謝する、と言いたいところだが…………なぜ彼女まで同席しているのだ?」
「えっと、きちんとご挨拶するのははじめて、ですね。私は最上結、といいます。梵戸さん、で宜しいですか?」
「あぁ、好きに呼ぶといい」
「では…………梵戸さん。私達は貴方に色々と尋ねたいことがあって、こうして待たせていただきました。どうか座って、落ち着いてお話をさせていただけませんか?」
「私達、という事は、君も、ということか。…………伊達、これは一体どうなっている?」
「え、えっと…………」

 訝しげな表情のまま鋭い視線を向けられ、秋人君が僅かに怯みを見せるのを宥めるように、梵戸さんは綺麗な所作で座布団に正座し、凛と背筋を伸ばす。

「…………一応言っておくと、最近のお前の交情に関しては薄々ではあるが把握している。いずれそれが破綻して苦しむこともあるかとは思ったが、凪咲様がそれを必要としているなら、と大目に見ていた部分もあった。今日はそういう話になるのか?」
「っっ、すっ、すみませんっ!俺がっ、俺が不甲斐無いばかりにっ、優柔不断なばかりに余計に色々と拗らせるようなことになって…………!で、ですが今日は…………その…………」
「そういう話、も関係はしてきます。ここからは私が説明、させてもらってもいいでしょうか?まだ秋人君にも話していない事柄も多いので」
「…………解せんな。だが、まぁいい、話してみろ」

 この集まりの企図をまだ知らない故に、語るべき言葉を持たない秋人君から困惑の視線を向けられたところで、敢然と続きを引き取る。
 秋人君には全てが綺麗に定かになる場面まで、中途半端に知らない方がいいと判断して、敢えてここに来るまでにも何も伝えていないのだ。きっとその方が、私が考えている通りなら、先程片倉さんの元に一心不乱に駆け寄っていった時のように、真っ直ぐ鮮烈な意思を発揮してくれると心から信じられるから。

 それでも一応、女に説明を委ねる情けない男、というレッテルを貼られないようにフォローの言を挟んでから、私は静かに、けれど確固凛然とした意思をもって口を開く。

「お察しの通り、ここしばらく私達が歪な交情関係の渦中にあったのは事実です。私は秋人君が好きで、けれど秋人君は片倉さんを想っていて。それを悲しみの中で得心するうちに、じゃあ片倉さんの本心はどこにあるんだろう?秋人君が幸せになる為にはどうなるのが一番いいんだろう?と私は妬心に焼かれながらも少しずつ考えるようになりました」
「…………ほう?」
「他の交友関係からも、職場内での片倉さんの立場の難しさは薄々伝え聞いていて、それで一度、誰にも邪魔されない場所で片倉さんと二人きりの対話の機会を持ちました」
「えっ?」
「…………本当よ。もっともあの時は感情的になり過ぎて、実りある対話とは言えなかったけどね」

 秋人君の驚きに対し、片倉さんが自嘲交じりの感想を漏らす。
 確かにそれは一面的な真実ではあったけれど――――。

「でもその時、直に片倉さんの感情に触れ、その苦悩の重さを肌で知りました。そして噂でしか聞き及んでいなかった内実にも、少なからず裏付けが取れました。片倉さんを縛り付けているのが会社の為の意に沿わない政略結婚であり、秋人君もまたその壁に突き当たって苦しんでいると確信出来て、だから私はもう少し踏み込んで調べてみようと思ったんです」
「…………随分と、人のいい話だな」
「私もそう思います。ですけど、私がかつて好きになった秋人君だったらこうするって、そうでないと私が私として胸を張れないって感じてしまったから。私の中では、昔秋人君に貰った煌めく大切なものを返しているだけ、ただそれだけの事なんです」
「…………っっ、結…………っ」
「…………それで?いくらそう思い立ったとしても、企業の内実を一学生が簡単に調べられるものでもないだろう?」

 私の、多少は真善美の概念に潤色された素直な気持ちを、秋人君は感銘で受け止めてくれたけれど、流石に梵戸さんは露とも心を動かした様子を見せずに、勘所を真っ直ぐ突いてくる。
 或いはこの時点で私の問いを予想して、安易な答えをすまいと心の壁を築こうとしているのかもしれない。

 けど幸い、私にはその心理の壁を迂回して、一気に急所を貫けるだけの材料を、武器を既に持っている――――。

「ですので、教えてください。…………どうして買収工作を受けているのは外資のはずなのに、ユニシロとの合併、その為に片倉さんを人身御供にしての政略結婚、なんて話が持ち上がったのですか?」
「っっ!?」
「…………は?ユニ、シロ?ユニシロって、あのユニシロか?」
「うん、そうだよ。プレタポルテを主軸に置くLALAGARCONSとは180度ブランドイメージが違う、あのユニシロ」
「…………凪咲様。あまり軽々に無関係な相手に社内の秘匿事項を口にするのはいただけませんな」
「違うわ。その子は私が説明するまでもなく、外資に買収されかかっている事実を知っていたの。だから私も全てを正直に話そうと思ったのよ」
「それは…………なぜそこまでの事を?」
「単純な話です。お父さんに、企業分析を依頼したんです」
「お父さん、だと?」
「…………そう、か。そういえば結のお父さんは、コンサルティングの一環としての企業分析の仕事に就いてるんだったな…………」
「うん、そういう事。勿論倫理的には結構グレーだから、無理を言った形になったけど…………それでも私は知りたかった。このまま曖昧に、全てが未解決のまま、傷の手当てが未消化のままの終わりを迎えたくないって、私達の前にある壁を、障害を取り除いて、まっさらな気持ちで決着をつけたいって思ったから」
「最上さん、貴女…………」
「…………なるほど、最近の株の動きを丹念に追いかければ、確かに専門家ならそのくらいの事は容易く見抜くだろうな」
「はい、その時にこうも聞きました。近年は余程企業規模に差がない限り、敵対的TOBが完全な形で成功することはない、そして外資、特にキリスト教圏の企業との係争の中では、政略結婚という手段が用いられることはごく稀だとも」
「なっ!?」
「っっ!?」
「……………………」

 私の硬軟織り交ぜた、情緒面の訴えと理知的な事実の指摘に対して、ここまで眉一つ動かさなかった梵戸さんが、はじめて微かに視線を逸らし、小さく嘆息する。
 その反応で、やはりここに問題の肝があるのだと私は確信し、そして二人の、驚きの中に微かな期待を覗かせた様子に勇気を得る。
 そう、その事実がどれだけ片倉さんにとって残酷なものでも、最後まで真実を明らかにする勇気を――――。

「事ここに至って、わからないことは二つだけです。まずその外資との下交渉はあったのか、あったとしてそこで何を要求されたのか?そして会社の長である片倉さんのお父様が、どうして先手を打つ形でのユニシロとの提携を躍起になって進めようとしているのか?そのどちらにも、梵戸さん、貴方でしたら答えを持ち合わせているはずです」
「……………………」
「片倉さんはお父様が決断した事なら間違いはない、と今まで信じていたようでしたが、失礼ながら私にはそうは思えません。ここ数年の財務三表を精査する限り、実態として独立採算制を採っているLALAGARCONSの右肩上がりの収益が、右肩下がりの片倉商事の屋台骨になっている事実もあります。総合して勘案するに、その外資の要求は屋台骨だけを抜き取るようなものだったのではないかと推察できますが、どうですか?」
「……………………凪咲様」

 私の峻烈な問いに対して、俯きがちに長く沈黙を保った梵戸さんが、ふっと顔を上げて片倉さんに話しかける。

「……………………なに、かしら?」
「凪咲様は、今の問いの答えを、真実を知りたいと思われますか?お父上の、社長の意向を裏切るような形となってもその内実を知りたいと、思われますか?」
「それ、は…………」

 梵戸さんが、誠実さと峻厳さを漲らせ、哀切の予感を強く孕んだ真っ直ぐな視線で、片倉さんの覚悟を試すように語り掛ける。
 その鋭い眼光に、片倉さんは僅かに怯み、逡巡を見せる。
 
 だから私は、秋人君に目配せを送る――――。

「……………………あ…………」

 小さく秋人君の肩が動き、片倉さんが震えを帯びた吐息を漏らす。
 ここに来るまでに、秋人君にただ一つ耳打ちでお願いしておいたこと。

 もしも片倉さんが何かを問われて、葛藤や躊躇を見せるようなら、一言も喋らなくていい、ただ黙ってその手を握ってあげて欲しい――――。

「…………知り、たいわ」
「っっ!」
「凪咲、様…………」

 その、傍からはささやかに見える、けど実際は途方もなく大きな一歩を踏み出してくれたことに、私は内心で快哉を上げ、梵戸さんは驚きと慈しみをもってそれを受け止める。

 きっとこれまで、なまじ才能があった故に過剰な期待をかけられ、生き方を支配され、抑圧されて、優等生の、或いは孤高の天才の殻を被ることでしか自分を保てなかった片倉さんが、自分の意思で父親の意向を跳ねのける決断をしたこと。
 それは裏返せば、秋人君という存在がいつの間にか片倉さんにとって無上の安心を与えてくれるものに昇華していた、という証左でもあり、そこに一抹の切なさはあるけれど。

 それでも、そうであればこそ、きっと――――。

「…………下交渉は、なかった」
「…………え?」「…………え?」

 唐突に切り出された私の詰問に対する答えは、少なからず予想とは乖離していて、図らずも私と片倉さんが同時に首を傾げてしまう。
 でも待って、だとしたらそれは、より一層残酷で、どうしようもない――――。

「社長は青天の霹靂のように降って湧いた外資の買収攻勢に泡を食ってしまってな。外資は経営判断がシビアだから、そこに吸収合併されては自分の地位も吹き飛ぶに違いないと思い詰めて、交渉の席を設けようとすらせずに、自分の立場を保証してくれる事を条件に、ユニシロの会長に擦り寄ったんだ」
「…………っっ」
「…………え?」
「……………………は…………?」

 その、一切の粉飾のない、苛烈で救いのない現実が、二人の意識に浸透するのにしばらくの時間を要した。
 けれど、その説明の解釈に、予断が混じる余地などは一切なくて。

 片倉さんは顔面を蒼白にして、呆然自失し。
 逆に秋人君は、理解が染み通るにつれて顔を真っ赤に染めていき――――。

「…………ふざ、けるなよ……………………っっ!」

 ――――そして、爆発する。

「ふざっ、けんなよぉっ!!!なんだよっ、なんなんだよそれはぁっ!!!それじゃ、それじゃあディレクターの父親が、我が身可愛さに娘を人身御供に捧げるようなもんじゃねぇかっ!!!そんな事が、そんな不条理な事が許されていいのかよっっっ!!!」
「〜〜〜っっ!?」
「…………お前の言う通りだ。社長は経営者として戦うことを放棄し、保身に走って娘を贄に捧げた、臆病者で、卑怯者だ」

 その激烈な感情の発露に一応は迎合するように、宥めるように、梵戸さんははっきりと社長を糾弾する言を挙げる。
 けどすぐに、その怒りの感情に溺れている秋人君を戒めるように睥睨し――――。

「だが社長の決断に一理があるのもまた一面の真実だ。実際に外資に糾合されて、今の雇用が万全に守られるのかはわからない。なら一人の社員の解雇もしなくて済み、企業的なスタンスはともかく、風土的にそぐうユニシロとの合併を率先して進めることで、従業員が窮屈な思いや辛い思いをしなくていいように有利な条件を引き出す事もできる」
「だからっ、だからディレクター一人が悲しい想いをするのは看過するって言うのかよっ!間違ってるっ、そんなの絶対に間違ってるっ!!!」
「そうかもしれないな。だが世の中において、全てが丸く収まる選択が常にあるわけではない」
「…………でも、少なくとも今回の件では、その可能性を追求していないのも確か、ですよね?…………ねぇ、片倉さん。ここまでの話を聞いて、貴女は、どうしたい?」

 あくまでも大人の理屈を振りかざす梵戸さんだったけど、そこには何か含みがあるように感じられて。
 だから私は原理論を持ち出し、問題の中心にいる片倉さんに水を向ける。

 まだその顔色は蒼白のまま、ではあったけど。
 でもその怒りをこれでもか、というくらいに秋人君が代弁してくれたことで、その気持ちには一つの確かな芯が芽生えているように見えて――――。

「…………梵戸。まだその合併交渉は妥結、してはいないのよね?」
「はい。いくつか向こうからも強硬な要求があり、折り合いをつけて締結するまでにはもうしばらく時間がかかるかと」
「…………だったら、私は抗ってみたい。お父様は雇用さえ守れればそれでいい、と考えているかもしれないけれど…………でもユニシロと合併したら、きっと私達が大切に育て、守り抜いてきたLALAGARCONSというブランドの魂は朽ち果てて、それを担っていたみんなの輝きを損なってしまう」
「っっ、ディレクター…………」
「凪咲様…………」
「だったら、それを十全に残せる可能性がまだあるというなら、私はそれに賭けてみたい。…………もうこれ以上、私を大切に想ってくれている人達を蔑ろにするような、そして私自身の人生を投げ捨てるような選択は、したくない。その上で必要だというなら、お父様とも正面切って戦ってみせるわ」
「片倉、さん…………」

 いつしか、その瞳には皓々と強く気高い意思が迸っていて、あぁ、やっぱりこの人は凄い人なんだ、私達凡人が憧れる、理想を生み出し、世界を切り拓く強さを持った人なんだ、という納得が沁みてきて。
 そしてその一助を担うことが出来た、という誇りに胸が震える。

「それで、梵戸?貴方は私の決心を聞いて、どうするの?このまま戻って、お父様に告げ口するかしら?」
「…………いいえ、凪咲様がそう決断したのであれば、私はそれを支えたいと思います」
「…………っ、そう。わかった、頼りにしてるわ」
「っっ、あっ、ありがとうございます梵戸さんっっ!!すいません俺っ、さっきは頭に血が昇って色々と失礼な暴言を…………っっ!!」
「気にするな。お前がそうやって凪咲様の気持ちに寄り添っていてくれるから、凪咲様も強く在れる、いつの間にかそんな絆を育んでいたんだな」
「…………っ」

 けどまだその強さは危うい均衡を保っているだけなのも、梵戸さんの感懐を聞くまでも、片倉さんの微かに震える肩を見るまでもなく、わかりすぎるほどわかっていて。

 だから、私がここで為すべきことは。
 最後に、この二人にしてあげられる事は――――。

「…………さってと、じゃあこれからの方針がしっかり固まったところで、お邪魔虫は退散、しなくちゃね」
「えっ?」
「っっ、ゆ、結…………?」
「後は二人きりにしてあげる、って事。幸いこの部屋はこのまま一泊できるし、今まで口に出来なかった素直な想いを語らう時間、充分に取れるでしょ?元々ここから始まって、捻じれに捻じれた二人の関係を、一から再構築するこれ以上ない機会でしょ?梵戸さんも、それで構いませんよね?」
「…………そうだな。今の二人なら軽はずみな事をするとは思えない。なら君は、俺が車で送っていく事にしよう」
「…………そう、ですね。お願い、します」

 刹那、まだよく見知りもしない男の人と二人きりの帰路を思って怖さも感じたけれど、この状況で二人に余計な負担を背負わせないためにはそれが最善だし、そして私も二人のいないところで梵戸さんに尋ねてみたいことがあったので、その提案を承諾する。

 そして、未だに話の展開についていけずに唖然としている二人に、今の私が出来る限りの優しい目を向けて――――。

「片倉さん。今度こそ素直になって、虚心坦懐に、思う存分秋人君に甘えるといいよ。きっとその繋がりが、温もりが、もっともっと貴女を強く輝かせてくれるから」
「も、最上、さん…………」
「秋人君。まだこれから二人の前には幾多の困難が立ち塞がって、片倉さんが苦しんだり、心が不安定になることも多いと思う。そういう時に秋人君は、ただ優しく気持ちに寄り添って、無条件の味方となって支えてあげて」
「ゆ、結…………っ」
「秋人君が自然体でそう出来る、本当に素敵で稀有な男の子だって事は、今はまだ、世界の誰よりも私が保証、出来るから。して、あげられるから。だからそのありのままのしなやかな強さで、優しさで、片倉さんの全てを受け止めてあげて。その燃え盛る恋の先にある愛を、大切に、大切に育んでいって」
「〜〜〜っっ!!あり、がとう…………っっ、ありがとう結っ、俺、俺は…………っっ!!」
「もうっ、この期に及んで湿っぽい話はナシナシ。ここからが二人の本当の門出なんだから、だから笑顔で漕ぎ出そうよ、ねっ」
「…………わかったわ。でも本当にありがとう、最上さん。今、私達がこうしていられるのは、ひとえに貴女あってのこと、だったわ」
「――――っっ!?」

 それが今の自分に出来る最大限の感謝だとばかりに、花綻ぶように優雅に、透明無垢に片倉さんが笑って。
 その笑貌があまりに可憐で、美しくて、ツン、と強く込み上げてくるものがあって。

「…………うん、それじゃあ二人とも、しっかりね。…………梵戸さん、行きましょう」
「あぁ、そうしよう。それでは凪咲様、明朝迎えに参りますので、どうか今宵はごゆっくり」

 それでも最後の意地で、私は二人に改めての激励の言葉を投げかけ。
 梵戸さんを促し、颯爽と二人に背を向けて。
 精一杯の虚勢を総動員し、ゆっくり、ゆっくりとした足取りで、ひんやりと冷たい廊下を、胸を張って歩んでいく。

 未練も、哀切も、諦念も。
 全てをありのままに抱き留めたまま、前に進んでいくんだ――――。
posted by クローバー at 13:02| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

枯れない世界と終わる花

 初見時からものすごく雰囲気のいい作品だなって思ったし、体験版もらしいノリとシリアスのバランスが中々に印象良く、キャラも全員凄く可愛かったので楽しみにしていました。

シナリオ(21/30)

 世界を変える力とは。

 
 主人公は、心に深い使命を秘めて生まれ育った街に戻ってきました。
 途中で出会った、その存在に理解は及ばずとも納得が届く不思議な少女、レンと共に街に入るも、路銭を持たない素寒貧故に最初は普通に過ごしていくにも四苦八苦、飛び入りでバイトをしたり野宿したりで凌いでいたものの、その渦中で出会ったハルという心優しい少女に導かれる形で、彼女とその姉妹であるコトセ、ユキナの三人が切り盛りする喫茶店、ファミーユに、レンとともに住み込みで働くことになります。

 三人が三人ともにそれぞれの持ち味を生かして、懸命に盛り上げている喫茶店を中心とした生活は明るく温かいものでしたが、しかし彼女達には誰にも語れない切ない秘密がありました。
 それは、この世界の成り立ちに繋がる楔。
 三人は天使の羽を受け継ぎ、世界を循環、存続させていく為に、定期的に人の命を吸い上げ、花と為す存在だったのです。

 ある日の夜、綺麗な月夜の下で、ハルが仲の良かった少女を花にする場面を目撃した主人公は、改めてこんな悲しい世界の仕組みは壊されなくてはならないと決意します。
 そう、主人公はその為に、彼女達三人を宿業から救い出し、世界のシステムそのものを変革するためにこの地に舞い戻ってきたのです。
 かくして主人公は、姉妹達が抱えている悲しみや苦しみを取り除き、その根源となっている羽を受け渡してもらうことで救おうと目論むものの、当然それは一筋縄ではいかず。

 生まれ持った愛着の傷、長年の罪の意識の積層、彼女達を雁字搦めにし、心を枯らし、挙句に世界の歯車として使い捨てようとしている大いなるものを、果たして主人公は打破し、それぞれが心の原風景として抱く優しい理想郷を取り戻すことが出来るのか?
 この作品は、ブランドタイトル通りに甘くもほろ苦い、世界の摂理の残酷さと、それでも世界に光をもたらし続ける絆の輝きを綴った物語です。


 あらすじはさっくりこんな感じですね。
 全体像としてもほぼこれで全てではあり、シナリオもほぼ一本道で、三人それぞれが抱える切なる想いと向き合い、その蟠りを解き、傷を優しく癒していく事で、彼女達を救うとともに世界の根幹を捻じ伏せる想いと力を得ていく、というのが大まかな流れになっています。

 テキスト的にはこの人の作品らしく非常に軽妙でコミカル、特徴的な喋りや反応の面白さも目についてキャラ性をとっても大切にしているな、って部分は色濃く出しつつ、本質的にはシリアスな話なのでそこもしっかりバランスよく、という感じ。
 個人的にはこの人の歯切れいいテキストそのものは好きではあるのですが、ただ若干シリアスとの相性は良くないかな、と思う部分もあり、というのも基本テキストを一行でまとめる書き方で、体言止めなどの特殊文法も多用してくるので、それはコミカルなシーンでのスピード感、勢いを必要とするときはいいんだけど、シリアスな場面でじっくり文章を噛み締めさせたい、って時にはちょっと軽さが際立つのかなとも。
 勿論それを補完するのに、要所要点では画面演出の中に台詞を埋め込んだりとかの工夫もあるのは確かだけど、そういういわば盛り上がりの頂点に位置する部分に至る経緯の中で、少しずつ一文の重さを増していく、なんてテクニックがあれば、より一層この素敵な物語の読み口を鮮やかなものに出来ていたのではないかなと愚考する次第です。

 ルート構成はちょっと特殊で、本筋そのものはどうあれ一本道になっています。
 あくまでもメインとしては三姉妹を救う部分にあり、そして三人を同時に救わなければ意味がない構成になっているのでそこは動かしようがなく、その派生として恋愛要素が置かれていて、これはそれぞれのヒロインエピソードの中でその想いを向けるか否か、という階段式、脱落式の流れの中で選べるようになっています。
 なので途中で主役を張るヒロインを選んだとしても、多少先出しでイチャラブが入ってくるだけで大筋の流れに変化はなく、そして最終的に選んだヒロインのエピソードがエピローグとしてまとめて語られる、という形式になっており、特にルートロックなどもないので、構成上いの一番に一番好みのヒロインに吶喊してしまった方が思い入れが強く反映させやすいかな、って思います。
 攻略は当然三姉妹と、あとその誰も選ばなかったときのおまけ程度ですがレンともイチャラブできます。ロリスキー大勝利です(笑)。

 
 シナリオに関しては、すごく綺麗に纏まった作品だけど、やっぱり基本的には抒情的、感情推し特化だなあというところ。
 のっけから切ない状況設定が山盛り出てきて感涙を誘うものの、彼女らをそういう境涯に押しやった根本的な部分に関しての成り立ちには説得的な説明は一切なく、あくまでこういう世界の中で、どれだけ傷つき苦しみつつも、理想を、絆を信じて美しくもがいていくか、その過程を純粋に楽しむべき作品であり、私みたいに頭でっかちに裏側を穿ってばかりだと入り込みきれないタイプではありますね(笑)。

 構成的にも、まあミドルプライスなので仕方ないかな、って部分はあるけど若干の難はあるかなとも。
 基本的にミドルとしてもやや短め、ではあるかなって思うし、それはキャラエピソードがまるっとラストに押しやられた部分にも依拠する感覚でしょうが、基本一本道なので一周目以降はキャライベント回収プレイにならざるを得ない、ってのもあり。
 あと道中においても三姉妹はそれぞれのトラウマや囚われと対峙するわけですが、その伏線の紡ぎ方がやや単調というか、きちっきちっと一人ずつにフォーカスをあてて、主人公の意識が集中している範疇において起承転結全部盛り込んでしまっているのが、ちょっと急ぎ過ぎというか、伏線として破壊力を削いでしまっているというか。

 単純に彼女達が抱えた傷に対して、それを解決するプロセス、要素としても多少軽いかな?って感じもある中で、その印象をその一気呵成に展開する構成が助長している部分はあるかなって思ったし、せめてキーとなるキャラとの出会いや関係性などは、最初のハルの秘密を見届けるシーンに至るまでにそっと触れておけばよかったんじゃないかなと感じます。
 そうすることで、ハル=ユウという関係がああいう形で着地したことが、その後他の二人も、という対比に繋がっていく中で、より具体的なイメージをその時点で投影し、思い入れを深められるというメリットはあるかなと。
 勿論それで全体の流れのバランスを崩す可能性もあるから一概には言えないけど、読み口としてはその方が感情移入は強まるし、上で触れたように理路の中でその哀しみが必然、と納得できるだけの素材は組み込んでない、あくまで感情面に訴えかけて納得をもたらす作風なのだから、そのあたりをよりしっかりフォローできる仕掛けはもうちょい丁寧、かつ画一的にならない方が良かったのかなと、そこはちょっとテキストメイク含めて勿体なく感じたところです。

 ただ、そういう頭でっかちな解釈はともかくとしても(笑)、基本的には健気に強く生きようとする姉妹達のいじらしさがしっかり強く打ち出せているし、世界の理不尽に対して決して諦めることなく対峙していく意思の強さも含めて非常に綺麗に纏まっていて、真善美の素晴らしさを切々と感じさせてくれる素敵な物語であり、ラストもきっちり大団円で締めてくれるので後味もスッキリ、満足度は高い作品だと思いますね。

 以下ちょっとだけ色々ネタバレ気味で。

 個人的にこの作品の構成において面白いな、と思うのは、元々の生まれからして恵まれておらず、様々なものを搾取されて大きな愛着の傷、心の傷を背負っているヒロイン達が、奪われる事の辛さや痛みを身に沁みて知っているヒロイン達が、運命の残酷な悪戯の中で図らずも奪う側の役割を果たさざるを得なくなっている部分ですね。
 奪うことが良くないとわかっていても、誰かから奪わなくては生きていけないという悲しい切実の中で、どんどん心の海は枯れていき、挙句最終的にはその奪うための歯車になる、という摂理を押し付けてきたより大きな意思に飲み込まれ、押し潰されてしまうというのはいかにも無情、不条理ではあって。

 ただ実際のところ、この辺は結構現代社会の成り立ちの暗喩的な意味合いも込められているのかな、というイメージはあるんですよね。
 資本の論理に支配され、個人の力では決して誰もその暴走を留め得ない世の中において、資本の増殖という自己目的の為に人の心が食い荒らされていく、というあたりを、物語的に情緒的に反映させたらああなるのかな、という感じはあり、そうした他者を食い物にするハイエナのような生き方が今以上に横行すれば、やがて世界は殺伐が当然の摂理となっていく、そういう現実に対する警鐘、処方箋としての意味合いも強い作品だなと。

 結局のところ、そういう世界の流れを食い止めるのは、最終的には昔ながらの古い力、人を人たらしめてきた愛着、絆の輪でしかない、というのは現実の中でも提唱されるところで、でもそれは特に現代的な社会の仕組みの中では簡単には紡げるものでもなく。
 その中で、現代的な仕組みを上手く利用しての、新しい絆の輪の構築理論の登場と浸透が望まれるわけですが、この作品ではそれを紫虹花という存在に仮託し、そこに取り込まれた人々の意思を反映する存在としてのレンに糾合することで、実に物語的に綺麗に綺麗事を纏め上げていると感じました。

 それは確かに綺麗事、なんだけど、でも現代社会の中でも結局はそういう大きな物語を誰もが信じる、という基盤が形成されなければ、相互扶助、互恵関係のシステム構築なんかも上手く発展する余地を見出せないわけで。
 この主人公達が世界の摂理から外れた存在になったのも、辛く悲しい境涯に置かれた中で、はじめて手にした絆の温もりが、有難味がより先鋭に心に根付き、だからこそ逆に決して簡単に諦めないしなやかな強さに繋がっていると考えれば、どうあれ根源的には一人一人の心の持ちようなんだな、ってのはあり、その意識付けをいかに膾炙していくか、ってのが課題なんだよなぁ、って改めて思わせられました。
 私としてもこのあたりの問題意識は自分の創作の中にもちょいちょい反映させている部分はあるし、だから基本的にエンタメとしての魅力を前面に押し出しつつ、注意深く追いかけていくとそういう深層的なテーマも汲み取れるという緻密な構成を、この尺でしっかり盛り込んできたことは高く評価できるかなと感じましたねー。

 ただまあどうしても大枠での世界のルールのファジーさがマイナスとはなります。
 世界の理不尽で人の命が刈り取られていく、という構図は、ふんわりといろとりどりのセカイを思い出すわけですが、あれみたいにその背景にも必然、悲しみがしっかり色づけられていれば、この作品もなお素晴らしい、とはなったはずで、ただそこまでやると絶対的にミドルプライスの尺では無理、って話にはなるでしょうしねー。
 今更ながら、FDプライスなのに通常フルプライス並みの尺があり、全ての面で理路に沿った決定的な納得と感情面の納得を組み込んだいろとりどりのヒカリって神ゲーだったよねと思う次第(笑)。


 以上、基本感受性の乏しい私的には、突き抜けて素敵でした、とまでは言えない構成ではあったし、質的には優れていたとはいえもう少しヒロインとイチャラブしたかったよね、って憾みもないわけではない、粗もそれなりに散見する作品だけど、この世界観の美しさと儚さ、その中で健気に生きるヒロインの姿が、絵の魅力とも相俟って素晴らしく感銘を呼び込むつくりは本当に良かったなと思います。
 評価としても迷う部分はあったのだけど、大枠の部分での説得性の薄さは元々のコンセプトからして仕方ないとしても、やっぱりもう少し構成・演出面で、微調整でも充分に質を高められる余地はあるかな、って感じたのと、初見プレイだとまずはヒロイン選択も様子見、ってなりがちな中で、どうしたって一周目がピーク、って構成なのが善し悪し、ってところを踏まえてこの点数にしました。

 やっぱり一周目であのラストを見て、そこからシームレスに突入するキャラエピローグに一番思い入れが寄りやすくなるのは仕方ないし、まあ私の場合結果的にコトセ大好きになったから、実のところそんなに不満に思ってはないんですけどね(笑)。
 本当にコトセエピローグでの最初のシーンに至るまでの、素朴で温かく、じれったくもむず痒い空気感最高だったなーって思うし、なんかこう久しぶりに凄く、滾った。。。やっぱりそういう感覚は一周目ならでは、だと思うので、改めて未プレイなのにこちらを読んでくださってる方には、一周目に一番好みだと思うヒロイン選ぶべし!と助言しておきますです。


キャラ(20/20)

 どうしてもコンセプト的にヒロインのトラウマの克服、という部分がメインファクターになってくる作品ではあり、その流れの中で頑なだったり後ろ向きだったりする部分も見えてきてしまうけど、そういうのをしっかりフォローするだけの魅力の部分を、尺が短い中でもインパクト強めにしっかり打ち出してくるのがこの人らしいメイキングだったなあと感心したし、本当にみんなベクトルは違っても健気で献身的でひたむきで、いい子達ばかりだったなあとしみじみ思うのです。

 一番好きなのは終わってみると珍しい事にお姉ちゃんキャラのコトセだったりする。。。
 上で書いたように一周目に選択したから、っていう外的な要素も強いけど、それを差し引いても、本質的に一番甘えたがり、ってくらいに弱さを抱えていて、だけどお姉ちゃんだから、って気を張って生きている健気さが胸を打つし、その反動として衆目の中で素直に甘え切れずにアタフタするところや、自分から積極的にアプローチし切れなくてモヤモヤを募らせていく雰囲気とかさいっこうに可愛かったと思います。
 あとそれを助長するかのように、立ち絵の赤面顔が鬼可愛いのー!
 それにナイス黒ストヒロインでもありましたしねー。個人的にプリーツスカートと黒スト、ってコンビネーションもかなりグッとくるものがあるので大満足でした。

 ハルも立ち位置的にはメインヒロインであり、その一途な想いの強さ、気高さには惚れ惚れするところがありましたねー。
 個別としても他の二人より少し構図が違っていて、ある意味ではこの子を一周目に選ぶのが一番破壊力があるかな?とも思う向きはあります。とにかく個別に入ってからの気安く親しみやすい雰囲気と、一心な愛情の発露にはやられますね。ホントに愛らしくて超可愛いです。普段の寝惚けボケボケとか、ちょっと隙があるのもまた愛嬌でいい感じですしねー。

 ユキナは三姉妹の中だと一番落ちるかな、とは思ったけど、それでも充分に可愛いですよねー、にしし。
 彼女の場合元のトラウマが世界の否定、回避的な性向を示している分だけ、関わり方も上の二人よりは能動的、かつ主導的なイメージはあったし、だからトラウマを克服する前のあたりのきつさはあれ、その後の反動的な積極的なアプローチ、真っ直ぐな思慕は清々しく気持ちいいものだったなと思います。CV的にも溌剌妹として素晴らしいチョイスでしたしねー。

 そして当然レン可愛いよレン!
 元々の存在理由が特殊だから、人格としてもどこかアンバランスさはあり、無垢でありながら老成も感じさせたりはするけど、概ねは無邪気でちょっと我が儘だけどそれが可愛い!って感じの素敵ロリっ子だったと思います。口癖も面白いっていうか、いつの間にかユキナのにししーが伝染してるのがちょっと微笑ましかったり。
 その上できちんとヒロイン扱いのおまけルートもあったのは大歓喜だったし、うーんやっぱりいいですよね、こういう幼気な子が懸命に色気を振り撒いて迫ってくるとか、まだアレの前だからいくらでもOKだよ的なシチュ、実に背徳的でロリスキーとしてはときめかざるを得ないと言いますか、あは♪
 CV的にも最適な人選だったなーと。このちょっととっぽい感じが、テキストのノリにもキャラ性にも抜群に噛み合っていたし、それでいてきちんとシリアスでの切ない想いの吐露でも綺麗に嵌るのだから素晴らしいとね。

 サブだとマヤが一番好きかな。ああいうかっこいい生き方してみたいですよねー。
 そしてアカリさんせっかくなのに出番少ないっすよ!


CG(19/20)

 非常に幻想的、神秘的でありつつ、そこに優しさ、柔らかみをしっかり携えたバランス感がすごく素敵で、あめとさん絵はSMEEの時でも好きだったけど、あっちはどうしても舞台設定的にファンタジー組み込まないつくりがメインなので、改めてこういう世界観との親和性の高さに気付かされたというか、こういう作品作りたい!ってイメージが明確な中での人選が素晴らしく嵌っているんじゃないかなと。
 質として本当に素晴らしく感じたし、値段踏まえれば量的にもまずまずで、事前の期待よりだいぶ楽しませていただきました。

 立ち絵に関しては量的には水準だけどセンスがいいな、って感じ。
 ポーズはメイン四人は三種類と腕差分ちょいちょい、サブや子供時などは一種類のみですね。まあメインにしっかり必要な素材を投入しているし、あと地味に全員に後ろ姿を組み込んでくれたのがいいセンス、この作風の中で切なさ、悲しみを表現するのに絶妙な一役を買っていたかなと思います。
 お気に入りはメインの四人に関してはほぼ全部好きかなー、あとマヤとユウ、幼少コトセは結構可愛いと思います。

 服飾はメインで四種類、サブは一種類。世界観的にシチュエーションの中でバリエーション押し広げる余地が少ない中で、きちんとデート用おめかし服まで完備してくれたのは素敵でしたし、後全員にしっかりパジャマが用意されていたのもGJ!って感じ。
 お気に入りはコトセ私服、デート服、パジャマ、ハル私服、制服、デート服、ユキナ制服、デート服、パジャマ、レン私服、制服、おめかし服、パジャマあたりですね。

 表情差分はすごく多くはないけど喜怒哀楽がくっきりしている感じで印象的だし、演出効果のエモーションもあるからすごく躍動感、活き活きとした雰囲気は感じる場面が多かったなと。
 特にお気に入りはコトセの赤面での焦りとか半泣きとか、なんだけど、しかしこれ、折角立ち絵回想がついてるのは素晴らしいんだけど、どうやってあの目の下全面ロング赤面パターン表示できるの?なんか出来なくない?ってところでちょっと悲しい私。
 その他お気に入りはコトセ笑顔、怒り、泣き顔、拗ね、ジト目苦渋、ハル笑顔、きょとん、膨れ、照れ笑い、照れ苦笑、ユキナ笑顔、にししー、睨み、半泣き、レン笑顔、拗ね、憂い、照れ笑い、ジト目、呆れあたりですね。


 一枚絵はモノトーンとか小物系もいくつかあるけど、全部ひっくるめて65枚かな。まあ値段考えれば水準とは思うし、まあ贅沢を言えばもうちょっとレンのが欲しかった、ってのはあるけど、質的にはすごく感情が零れ落ちそうに伝わってくる構図や雰囲気が上手く出せていて素敵だったと思います。
 あと絵ごとにタイトルがついてるのは、よりそれに対するイメージがしっかりしてるんだな、って気配が伝わってきて個人的に素敵だなと。感想での紹介もしやすいし(笑)。

 特にお気に入りは5枚。
 1枚目は零れたものと崩れたもの、やはりこういう感涙シーンでの切なさが綺麗に幻想的に描かれているのは素敵ですよねと。
 2枚目は心を出せる場所、モノトーンの中ではこれが一番グッと来たかな、ってのはあるし、これも構図がいいなと思います。
 3枚目は取り戻した涙、今回は涙の描き方が印象的だなって思ったけど、その中でもとりわけこれが打策士かったと思ってます。
 4枚目はレンっていう名前、この悲しみのない世界の象徴のような構図と無垢な愛らしさのコンビは最強ですねー。
 5枚目は欲張りな仔猫、やっぱりちっちゃい子の背面座位大好きー、ってところで、このエロ可愛さ最高ですよねー(笑)。

 その他お気に入りは差し伸べられた手、譲れない想い、決意と憂い、胸の中の忘却、砂時計の日記帳、悄然の羽、愛しさを抱きしめて、想い咲く、幸せの隣に、より深く、なお強く、物語のような光景、涙色のありがとう、川と木漏れ日とアップルパイ、恋人と歩く道、託された物語、握った手と触れ合う心、結ばれた気持ち、幸せを抱いて、好きだから、錆色の追譚、真夜中に残る告白、栞と共に破り捨てられた、取り戻した約束、触れれば溶けてしまいそうな、幸せに包まれて、本物の家族に、過去と未来への道、舞い降る羽の中で、子猫の誘惑、ファミーユ、欠けゆく絆、枯れない花と終わらない世界あたりですね。


BGM(19/20)

 曲もまた素晴らしく幻想的で切なくも優しいメロディでの統一感が底流にしっかり備わっている感じで、質量ともに満足できる素晴らしい出来だったなと思います。

 ボーカル曲は2曲。
 OPの『永遠に咲く花』は名曲ですねー、出だしの切なく悲しいイントロの時点でグッと引き込まれ、広がりと深みがありつつ途中までは檻の様な閉塞感も備えているのを、枯れないで〜からのサビへの意向の中でスカッと破ってくるメロディライン、構図が素晴らしく、ボーカルの声質とも非常にマッチしていてすごく素敵な曲だと思います。
 EDの『虹色の世界』も幸せを一歩ずつ噛み締めていくような優しく温かく情緒に満ちた旋律が素晴らしく、サビラストの伸びやかさ、広がりに無限の可能性を感じさせるのがまたいいなと。ただこれは曲単体でよりEDムービーとセットで見てより良さが出るかな、ってイメージで、曲そのものとしてはOPの方が好き。

 BGMは全部で23曲と、値段考えれば水準はクリアしているかなと。コミカルでハートフルな日常も、悲しく切ないシーンもどれもが柔らかく神秘的な彩りに包まれていて実に素敵でした。

 特にお気に入りは2曲。
 1曲目は『夜の終わりに』、静かな夜の中でも、どこか家族の息吹を感じていられる幸せが、少し切ない彩の中にギュッと詰め込まれている感じですごく心が落ち着く素敵な曲だと思いまする
 2曲目は『灰被りの教会』、途絶えてしまった絆の悲しみを切々とつづったイメージがより後半で透明にしめやかに表現されているところがとても好きです。

 その他お気に入りは『追想』『街路樹を見上げて』『ファミーユ』『スズムシのコーラス隊』『アフタヌーンティー』『子猫のダンス』『夕顔』『花葬』『彼方からの呼び声』『夜の呼吸』『月の欠片』『空に架かる橋』『七色の川』あたりですね。


システム(9/10)

 演出は全体的に良好。
 立ち絵演出は感情アイコンに立ち絵同期も合わせて実に活発にコミカルに動かしてくるし、テキストのスピード感と相俟って本当に生き生きしてるなあ、という感じがします。その上での背景や音の演出も効果的だし、魅せたい場面での画面効果演出も多彩で奥行きがあり、短い中にもギュッとやるべきことを取り落としなく詰め込めている素敵な仕上がりだと思います。
 ムービーもOPEDともに非常に煌びやかでありつつ切なさや淡愁を感じさせてバランスのいい出来だし、特にOPは凄く綺麗だなって感じましたねー。

 システムも特に不備はないかな。
 ジャンプ搭載してるから回収プレイも苦ではないし、他設定も細やか、とまではいわないけど必要なものは揃っていて問題なし、回想系も充実しているのだけど、上で触れた赤面差分搭載してる?ってのだけが私の心残りではある。いやホントにコトセの赤面可愛いんですって!


総合(88/100)

 総プレイ時間9時間くらい。共通、というかメインのストーリーが6時間ちょいくらいで、キャライベントやエピローグ諸々合わせて3時間…………はないかな、ってくらい。基本的には必要最小限のイベントをインパクト重視でギュッと詰め込んだ、短いけど密度は高い作品、と言えるのではないでしょうか。
 不満を上げればそれなりには出てくるけれど、全体の雰囲気の良さと読後感は素晴らしく、それなりのコスパもあるかなってところで、こういう構成にありがちなキャライベントやシーンの物足りなさもギリギリ値段相応の範疇には捻じ込んできてると思うので、気楽にちょいと手に取るのにはもってこい、ってところです。

 コンセプト的に心に痛い部分もあるけれど、大枠で見れば真善美を貫いての優しい癒しをくれる作品ですので、ヒロインでお気に入りの子がいるなら素直にプレイしてみて損はしないと思いますねー。
posted by クローバー at 03:40| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする