2017年03月15日

正しさだけでは生きていけない

 桜花裁きは、本編奉行ルートをクリアして、今は後日談などを進めているところです。
 プレイ前はヒロイン脱落型かな?と思っていましたが、蓋を開けてみると本編とヒロインルート完全切り分けという大胆不敵なスタイルで攻めてきましたね。でも本編の流れや心情的な部分も含めて、恋愛にうつつを抜かしている余地を生み出しにくい構成ではあったと思いますので、これはこれでひとつの正解ではあるのだと思います。

 本筋の大枠的には、やっぱりそうかー、と思う外連の効いた着地点ではあったんですけれど、全体的なイメージとしては非常に勢いというか、感情面でのプッシュが強くてプレイ中は凄く楽しめたんですけれど、冷静に振り返るとやっぱり粗も多いよなぁ、とは感じます。
 捜査のミスリード的な部分もあるとはいえ、結構枝葉末節はばっさぱっさ切り捨てられて、後々フォローもなく放置されていたり(山辺ちゃん…………)、吟味の上でも最終的には状況証拠を積み重ねての自白の引き出し、という、奉行捌きの醍醐味を重視したつくりであって、その点でこう反論されたらどうするんだろ?って隙はないとは言えないんですよね。

 ラストの黒幕との対峙にしても、かなり濃密ではありましたが決め手の部分は感情面での成否に踏み込んでのものですし、それはそこまでの関係性があればこその裏技で。
 そのくせ最後の決め手になった切傷事件の顛末については、人情的な解釈を持ち込むと水掛け論に出来ちゃうんじゃない?って思えるのが、ちょっとラストの展開としては手落ちというか、迫力に欠いたかな、と感じるところはありました。演出的には凄く盛り上がっていて良かったですけどね。
 ともあれ、評価としては当然それなりに高く見たいところではありますが、プラス面とマイナス面を天秤にかけてどの位置に着地させるかはしばらく悩みたいところです。

 その上での後日談というヒロインルートは、雰囲気もガラッと変わっての展開ながら普通に面白いですね。
 大概こういうパターンだとシナリオもシーンとかも薄めで終わりそうなものですが、とりあえず理夢をクリアした限り、尺もイベントCGやシーン数なども、平均的なヒロインルートに匹敵する厚みがあって、これは随分頑張ってるなぁと感じました。
 理夢自身、これまでずっと主人公の事を思ってひた隠しにしていたものを全力で吐露していく、というらしいスタイルでのアプローチですし、それを大々的に披瀝する事での牽制に対して、むしろ桜と小梅の反応がそれぞれ可愛くて楽しいなぁと。特に小梅、恋バナに興味津々を隠さないウキウキぶりがキュート過ぎますし、本編ではこういうはっちゃけた言動や喋りはほとんどなかったので素敵です。

 次いで本編で残しておいた、きっとバッドだろうと思った分岐ルートを進めてみたんですが、どうやらクリア後に新たな選択肢が出るようで。
 まず予定調和のバッドエンド、正しさ一徹のディストピア編を見てから、そちらの彩花ルートを進めたのですが、またこれがこれで情味に溢れた中々の味わいでした。

 勿論ヒロインとしてはあまり興味ないんですけれど、二人がその道を選択した中での変化、桜花の町を離れる事で見えてくる社会性とより過酷な現実、そこから新たに育まれる関係性や想いなどなど、冷徹さの中に人情が煌いて、切なく余韻を響かせる素敵なシナリオでした。鈴可愛いよ鈴。
 特にラストの、紫乃が追手として派遣されてのシーンは良かったですねー。紫乃が抱く渇望と悲哀が強烈に滲み出ていて、次にこの子をプレイするつもりの中で、本編派生でも当然これに似通った空虚を備えていると思えば、それをしっかり穴埋めして救ってあげておくれよ、と思うばかりです。
posted by クローバー at 19:21| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする