2019年10月25日

地味に侮れん

 きまぐれテンプテーションの感想をアップしました。
 まあ短い作品ですし、色々ネタバレが深刻なつくりでもあるのですごーくサラッとになりましたが、短い中にも情緒がしっかり詰まっていて、また見た目にも華やかで楽しい作品だったと思います。
 なないろあけいろとのリンクが楽しいですし、時間があったら久々にやろうかなぁ。アイリスに逢いたいのだ。

 アイドルさんは朱莉、詠とクリアしてコンプリートです。
 朱莉は流石にセンターヒロインだけあって、それなりにしっかりしたシナリオでしたね。
 もっとも現時点でトップアイドルだから、というスタンスからのありきたりな恋愛暴露型ではあるし、また彼女自身はどうあってもその役を演じる事は決まっていて、それなのにここまでこのルートですったもんだするってのは、他の場合は平気なのかい?って感覚は出てきますね。ただどうしても全体像として、個別に入ると展開の流れがパラレルになっちゃうからそれも含めてうーん、とは思う所。
 でも朱莉の一途な想いと、それを遂げた事での歓び、そこからの苦難を乗り越えての成長と真っ直ぐさはやっぱりいいものでしたし、妥当な出来だったかなと思います。

 そして詠シナリオ、まあ正直こういう構成自体は好き嫌いは出そうですけれど、単純にシナリオの質としては群を抜いて良かったです。というか、個別ルート毎で出来のバラつきがあり過ぎる……。恋課金の時も、純粋なシナリオの出来だけだったら菜々が抜けていたし、その辺はライター構成の問題もありそうだけど、まあバラつきがあるとはいえ評価できるシナリオがある事はいい事です。
 彼女の場合は恋がわからない事がそのまま自身の才能を阻害する要因になっていて、けれどそうなるのに詠自身が複層的な理由を抱え込んでいて、疑似的な関係から少しずつそれを剥ぎ取り、恋する気持ちを学びつつ未来へと向き合っていく、その過程の綴り方、積み立て方がとても巧みだったなと感じました。
 また終盤の驚天動地の展開にしても、まあ雰囲気から察するところはあったとはいえ、ちゃんと道中に細かい伏線を張りつつの丁寧な構成になっていて、まあ綺麗事が強く出やすい普通の萌えゲーにおいては中々スキャンダラスな要素をぶっ込んできたなぁ、とは思うけど、それを乗り越える事もまた二人にとっての真の気持ちを知るための試練になっているのが良かったなと思います。

 詠自身も、流石に色々クール過ぎて最初はヒロインとして可愛いといえるか微妙でしたけれど、そこからちょっとずつ可愛いところを見せてくれるようになり、秘めた情熱が抑えきれなくなる辺りからの苦悩と耽溺の様は本当に魅力的でしたね。
 元々立ち絵的には銀髪年下ロリ寄りなんだから、最近騒がしかったようにストライクど真ん中だし(笑)、出来ればもう少し完全に心を許し合うようになってからのストレートなイチャラブも見たかったな、という憾みがあるくらいで、基本的には本当に良く出来たシナリオだったと思います。たまにこういうの出てくるから侮れないよねぇ。
 感想は週明けになるでしょうが、あまり間が開かないようにしまーす。

 今日はクロスコンチェルトとアイキスをゲットしてきました。
 まだ9月はスタステ残ってるけど、最新のパッチももうちよっとで出るみたいだし、期待度も含めて先にクロスコンチェルトからやります。
 10月〜11月末は5週間あるし、なんだかんだで積み残し1本で済んで、今月は籠の鳥が飛んでっちゃったから全部で3本だけと、思ったより順調な進行でなにより。
 色々やりたい事も多いですし、ゲーム進行にかまけ過ぎずに頑張っていきましょう。

 というわけで、久方ぶりになっちゃったけど百合ライザ更新です。こちらも来月末くらいまでに、ある程度目途はつけてしまいたいですね。最低でも年内、12/20の新作が多いのでそこまでには終わらせたい。
posted by クローバー at 18:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

きまぐれテンプテーション

 原画家さんもライターさんも好きな人だったので、まあそれならと。


シナリオ(21/30)

 生まれてしまった限りは。


★あらすじ

 作品としては同じシルプラの、なないろリンカネーション、あけいろ怪奇譚の流れを汲む、オムニバスというかスピンオフというか、そんな感じの立ち位置になっています。
 若き陰陽師の主人公は、住民の集団自殺が原因で呪いのマンションと化した場所のお祓いと真相究明を言いつけられてやってきましたが、そこではイギリスからやってきた悪魔だという相棒のアンネリースが待っていました。
 どちらかと言えば淫魔に属する彼女は、けれどずっと俗世間と関わりを断って生きていたとかで、若い男の主人公に色んな意味で興味津々。事あるごとの誘惑に主人公は悩まされつつ、二人で真相を暴いていく事になります。
 幽霊としてそのマンションに残っている住人は誰もが曲者ばかり。果たして主人公はアンネの誘惑におぼれ過ぎず、情にも惑わされずに、無事にこの事件を解決できるのでしょうか?


★テキスト

 かずきふみさんらせしい軽妙で独特な口調のやり取りが楽しめますね。
 いつもながら間合いの取り方がとても上手なのでスラスラ読めますし、雰囲気としてはどちらかというとシリーズ色の強い殺伐とした部分も多いのですけど、ゆえにアンネとの明るいやり取りが救いになる、というバランスの取り方もやはり見事でした。
 まあどうしてもミドルプライスという事で尺の限界もありますし、シンプルなADVでもないのでその辺行き届かない部分もなくはないですけど、特に問題はないと思います。


★ルート構成

 最近ではあまり見ない、自分で調査をして真実を究明していくパターンの作品ですね。ここしばらくだと桜花裁きくらいかな似たようなのは。
 そして、それなりにダーク&シリアスな作風のこのシリーズだけあり、操作の進展のさせ方、その途中の選択肢次第では、トゥルーエンドからバッドエンドまで幅広い分岐があります。多分エンドは全部で6つですね。
 最初からトゥルーいけたのでルートロックみたいなのはないですし、結構難しいので狙ってどうこう、とはいかないでしょうから、まずは気持ちの赴くままに進めてみて、後は感じんそうな選択からの分岐や、敢えて失敗してみるなどの工夫は必要になるでしょうか。


★シナリオ

 イメージとしてはなないろと近しい作品ではありますかねぇ。
 ただあけいろでも見せた部分などを踏襲しつつ、より明快な形で二人の未来を、という部分を投射できているのがいいところですし、過去作ファンとしては琴莉や葉子が声だけでも出てくるのは楽しいところではあります。

 基本的にはアンネとの軽妙でちょっと甘酸っぱいやり取りを楽しみつつになりますし、そこでガッツリ情を掴んでおいての後半のシリアス、という落差は流石で、またそれぞれの住人が持っている悲嘆や悪心の部分にも容赦はなく、地味に救いのない部分も目立っていたりで、その辺のビターな味付けもやはりこの路線ならでは、と言えるでしょうか。
 だいたい何を書いてもネタバレになっちゃうので難しいのですが、個人的にはアンネと幽霊たちの率直な交流からの打開、という流れに、本当のアンネの気持ち、というのがきちんと浮き彫りになっていて良かったなぁと思うし、タイトル曲にもある通りの、二律背反な想いの中でもちゃんと互いを好きになり、支え合う気持ちを持てるようになっていった、その密度の高さと運命的なありようがとてもきれいに紡がれていたのではないかなー、と思います。

 別になないろあけいろをやっていなくても、それなりには楽しめると思いますが、トゥルーエンドにおける二人の未来像はその2作品で語られたものを土台にしている、というのはあるので、そこは注意ですかね。
 あと特にサブの幽霊キャラにシーンなどはありませんし、イチャエロ出来るのはアンネだけです。
 ただその分アンネのシーンはそれなりに多くてエロ可愛く、また立ち絵もエモート搭載で、日替わり衣装など豪華な要素もあって可愛いアンネを眺めているだけでも楽しい、という面はあるので、突き抜けて面白いわけではないですが安定して色々な楽しみ方が出来るのではないか、と思いますね。
 個人的にホラー要素が色濃いのはあんまり好きではないので、もう少しバランスがイチャイチャ寄りだったらなぁ、とは思いましたが、短いなりに完成度の高い良い作品だと思います。


キャラ(20/20)


★全体評価など

 まあ胸糞悪いのも一部いますが、基本的にはいいキャラが揃っていますし、当然ヒロインのアンネが闊達で愛嬌たっぷりでとても可愛かったのが良かったですねぇ。
 まあ悪魔を名乗る割に善良過ぎるだろうとか色々ツッコミどころはあるけれど、それも含めて最終的に綺麗に解消されてくれはしますし、なによりアンネの中での主人公の大切さ、ってのが、出会ってからの時間に関係なく絶対的なものだと思える強さを持っていたのが良かったと思います。

 個人的にはロゥリィちゃんくらい攻略したかったけどね(笑)。あとみりあ先生の恥ずかしい配信もちょい見たかった。。。


CG(19/20)


★全体評価など

 1枚絵は32枚と値段相応ですし、立ち絵はアンネしかないけど、その分エモートでひょいひょい動いて可愛いし、ポーズ差分や服飾、表情などもかなり多彩ですごく楽しめましたね。
 個人的にはおしとやかモードの服と、ニヤニヤ顔、不満顔が好きでした。
 1枚絵だとお風呂での立ちバック、部屋での屈曲位、あと最後の涙の抱擁あたりがお気に入りです。


BGM(18/20)


★全体評価など

 ボーカル曲2曲にBGMはインスト込みで21曲ですから、この値段としてはかなり奮発してるなー、という感じです。
 ボーカルもどちらも良くて、OPはスタイリッシュな雰囲気の中にしっかりアンネというヒロインの複雑性がギュッと閉じ込められていて、クリアしてから聴くと響くものがあります。
 EDもこのシリーズらしく、一抹の寂しさを漂わせつつ未来への希望を感じさせる内容で、しっとりしたいい曲ですね。

 BGMは特にそこまで凄く響いたものはないですけど、どれもきちんと場面の雰囲気にはマッチしていて無難な出来栄えだったと思います。


システム (9/10)


★全体評価など

 演出としてはほぼ申し分なしですかね。
 動きも多彩で見ているだけで楽しいし、ホラーらしいおどろおどろしさや凄惨さもきちんと要所ではしっかり引き出していて、ムービーの出来も煌びやかでいいですし、総合的に高いレベルで安定していると思います。

 反面システムはもう少し自由度が欲しいな、と思う所も。まあエモート搭載で解像度なんかの関係もあって難しいのかもですけど、いつも以上に痒いところに手が届かないイメージはありました。


総合(85/100)

 総プレイ時間8時間。
 まあ調査プレイにどれくらいかかるか、って所もありますけど、一々アンネの反応が可愛いのでそれをつぶさに追いかけていくと、そこそこ時間が掛かるイメージでしょうか。結構細かい部分まで会話差分あるんですよねぇ。
 ボリュームとしては値段相応ではあると思いますし、シリーズファンとしてはにやっと出来るところもあって、久し振りになないろあけいろをリプレイしたくなる作品でしたね。

 勿論それがなくても充分面白いですし、ホラー耐性があって、アンネが可愛いなと思える人ならプレイしてみて損はしない作品ではないか、と思います。

posted by クローバー at 11:08| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

無垢百合の少女 第2話 二人きりのときめき

クラウディア
「〜〜〜♪、〜〜〜♪」

ライザ
「…………(うっとり)」

クラウディア
「〜〜〜♪、〜〜〜♪……ふぅっ、今日もご清聴ありがとうございました」

ライザ
「(パチパチパチパチッ!!)こちらこそありがとうっ、今日もすっごくいい演奏だったよっ!」

クラウディア
「そ、そうかなぁ?ライザは少し大袈裟じゃない?」

ライザ
「そんな事ないって!この前の時より躊躇いがなくなって、あたしに綺麗な音と想いを届けたい、って強い意志がたっくさん伝わってきたし、その分音も澄み渡ってて、ひとつもつっかえる事なくスーッて胸の奥に染み入ってくる感じでっ!」

クラウディア
「あ、あははは……。でも、うん、そこまで言ってくれるのは、嬉しい、かな」

ライザ
「でも本当に凄いね。あたし、別に音楽に造詣なんてまるで持ち合わせてないけど、ここまで心に響くものだったなんて知らなかった!やっぱりそれって、クラウディアの才能なんじゃない?」

クラウディア
「どう、かなぁ……。ひょっとするとそれは、このフルート自体のおかげなのかも」

ライザ
「フルートの?どーゆーこと?」

クラウディア
「うん、あのね。このフルートって、何代も前からお母さんの家で受け継がれてきた由緒正しき楽器ではあるんだ」

ライザ
「へぇぇ!んー、でもその割に、さほど古めかしい感じはしない、よね?」

クラウディア
「うん、きっとその時々の持ち主がすごく大事に扱ってきたんだと思う。私もこのフルートのお手入れは、もう日々の日課として定着しちゃってるし……」

ライザ
「なるほどねぇ……。じゃあきっと、そういう大事にしてきた想いが重なって、あれだけ人の心を打つ音色を奏でてくれるんだねっ!」

クラウディア
「うーん、そういう面もあるんだろうけど……。あのね、私がこれを受け継いだ時にお母さんから、これは想いを力に出来るフルートなんだって教えられたの」

ライザ
「想いを、力に?楽器に対する言い回しとしては、なんかヘンだね?」

クラウディア
「でしょう?もっともお母さんもおばあちゃんからそう云い伝えられただけで、その真の意味はよくわかってないらしいんだけど……最近ね、ひょっとしたら、って思う事はあって」

ライザ
「……あ、もしかしてそのフルート自体が、錬金術の産物かもしれない?」

クラウディア
「うんそう。それで、本当はもっと色々な用途に使えたりするんじゃないかって……」

ライザ
「フルートが?う、うーん……ねね、ちょっと触ってみてもいい?」

クラウディア
「ふふっ、うん。他ならぬライザだけ、特別よ」

ライザ
「もーっ、またそうやって恥ずかしい言い回しをするんだから……。えっと、じゃあ失礼して……っと……」

<ライザ>
(むむむ……?う、うーん、確かにちょっぴり、それっぽい力は感じるような、感じないような……?)

クラウディア
「…………どう?なにかわかる?」

ライザ
「…………っふぅっ、ううん、具体的にはなんにも。ただね、確かにほんのり、錬金術の痕跡は感じるの。まだあたしが未熟だからか、精密なところまでは掴み切れないんだけど……」

クラウディア
「そうなんだ。うーん、ちょっと残念」

ライザ
「ご、ごめんねぇ。たぶん師匠ならもっと細かいところまで理解できると思うんだけど、見てもらう?」

クラウディア
「……ううん、それはいいわ。やっぱりまだ、あまり多くの人にこのフルートの事、知られたくないし……それに、ライザならすぐに錬金術士として成長して、このフルートの謎も解いてくれそうだもの、それまで待ってる」

ライザ
「あははっ、クラウディアがそこまであたしの事見込んでくれるなら、なおさら頑張らないとねっ!」

クラウディア
「見込むに決まってるじゃない。だって、あっという間にこんな素敵な隠れ家まで作ってくれて」

ライザ
「いやー、それもみんなの助けがあってこそだったし、クラウディアも沢山手伝ってくれたじゃない」

クラウディア
「うん、そのおかげかな。私程度の働きでおこがましいかもだけど、凄く自然に、この隠れ家が私の居場所だって、心休まる場所なんだって感じるの。あれだけ伸び伸びとフルートを演奏できるのがその証」

ライザ
「あははっ、だったらそれだけでも、ここを作った甲斐はあったねっ!」

クラウディア
「うん、本当にありがとう。私ひとりじゃ絶対に出来ない事を、ライザは次々と叶えてくれて……すごく感謝してるし、だから私も、もっと色々ライザの役に立ちたい、ライザの事を知りたいな、って思うんだ」

ライザ
「だ、だから褒め過ぎだってばぁっ!」

<ライザ>
(ひゃー、なんなんだろこの気持ちっ!クラウディアに真っ直ぐ褒められると、胸がポカポカして、ドキドキして……っ)

クラウディア
「…………そう言えば、今日はレント君とタオ君は?」

ライザ
「あー、あの二人なら今日はそれぞれ用事があるから来れないって」

クラウディア
「そ、そうなんだ……。じゃ、じゃあ今日はずっと二人きり、だね。ふふっ、嬉しい♪」

ライザ
「〜〜〜っっ!?」

クラウディア
「あれ?どうかしたのライザ?」

ライザ
「うっ、ううんっ!どうもしない、どうもしないよっ!!」

<ライザ>
(笑顔と仕草が可愛過ぎて直視できなかった、なんて言えるわけないじゃんか〜〜〜っっ!!)

ライザ
「と、というかっ、クラウディアってそのポーズ、好きだよねっ!」

クラウディア
「え?ポーズ?」

ライザ
「うん、その両手を合わせて傾けて、そこに頬を寄せる……なんだろう、おねんねポーズ?」

クラウディア
「うそっ、私またそれやっちゃってたっ!?」

ライザ
「う、うん……。というか結構しょっちゅうしてるよね、大体機嫌が良かったり、喜んでる時に」

クラウディア
「や、やだぁ……。あれ、子どもの時からの癖なの。子供っぽいからもうやらないようにしよう、って思ってるのにぃ……」

ライザ
「そうなの?勿体ないなぁ、確かにちょっと稚さはあるかもだけど、愛らしくてでも上品で、クラウディアにはとっても可愛くて似合ってるのに」

クラウディア
「っっ、か、可愛い、の……?」

ライザ
「へ?……あ……っ」

クラウディア
「………………」

ライザ
「………………」

<ライザ>
(ってぇっ、なにっ!?なんなのこの空気っ!この甘酸っぱい沈黙は一体何なの〜〜〜っっ!!)

ライザ
「そっ、そうだっ、あたし、クラウディアに相談したい事があるんだよねっ!」

クラウディア
「そ、そうなのっ?なにかななにかなっ!?」

ライザ
「ほ、ほら、ちょっと前にクラウディアに、錬金術で家族の助けになるようなものを作ったらどうか、ってアドバイスされたじゃないっ!?」

クラウディア
「う、うん、したねぇ。それでそれでっ!?」

ライザ
「は、ふぅっ、とぉ、そ、それでね、お父さんにも頼まれたから、例の草刈り鎌をいくつか作ったり、他の農作業具もちょっと改良したものを作ってみたりしたんだよね」

クラウディア
「そうなんだ。ふふっ、喜んでもらえた?」

ライザ
「うん、おかげさまで好評だったよ。まあお母さんは相変わらず、まだちゃんと認めてはくれないんだけど」

クラウディア
「ふふっ、おばさまは実作業に重点を置いたものの見方をしているものね」

ライザ
「そーなんだよもぅ、頭が固くて古くて嫌になっちゃう!でもまぁ、お父さんがそれとなく取りなしてくれるようになって、多少は風当たりも弱まってきたし……といって、これだけで役目は果たした!って言い切っちゃうのも釈然としないじゃない?」

クラウディア
「やっぱり、おばさまにもちゃんと認められたいんだ?」

ライザ
「む、むぅ……そーゆ―事になるの、かなぁ……?ともかく、そういう方向で上手く行くのに、どんなものを作ったらいいんだろう、って」

クラウディア
「う、うーん、確かにそれは難しいねぇ。……自動で農作業をこなしてくれる絡繰り人形とか?」

ライザ
「いやいやいや、そんなめっちゃ難しそうなもの、今のあたしに作れるわけがないしっ!というか、それ錬金術を極めても出来るかわかんないしっ!」

クラウディア
「ライザならいつか、それくらい出来ちゃいそうだけどなぁ」

ライザ
「いやいやいや買い被りだからっ!というかクラウディアっ、あたしの事からかって遊んでるでしょっ!」

クラウディア
「えー、そんなことないよ♪くすくすくす♪」

ライザ
「もーやっぱりぃ。あたし、結構真面目に相談してるのにさぁ」

クラウディア
「でも、いきなり言われてもポンといい答えなんて出てこないわ。ちゃんと考えてみるから、少し時間を頂戴」

ライザ
「それもそっか。じゃあせめてそれまでに、あたしは少しでも錬金術の腕を磨いておくしかない……って、アタタタ……」

クラウディア
「ど、どうしたの?勢いよく立ち上がったと思ったら、またしゃがんじゃって」

ライザ
「い、いやぁ〜、これもお恥ずかしい話なんですけどぉ〜」

クラウディア
「うんうん」

ライザ
「うっ、そんな興味津々の目で見られても、面白い話じゃないよ?ただ単に調合のやりすぎで、ちょーっと腰が痛いなぁ、ってだけだから」

クラウディア
「腰?あぁ、釜を掻き混ぜる時に、ずっと中腰になってるから、かな?」

ライザ
「多分そう。トホホ、これも農作業から逃げ続けてきた罰かなぁ」

クラウディア
「あぁ、確かに農作業って、ずっと中腰で刈り取りとかするものね。私もこの前お手伝いした次の日は結構な筋肉痛だったわ」

ライザ
「まぁこれも職業病の一種、って事で、避けては通れないんだろうけどね」

クラウディア
「…………ん〜、ライザ。ちょっとこっちのソファにうつ伏せで横になって」

ライザ
「え、どうして?」

クラウディア
「いいから、ほらっ!」

ライザ
「う、うん、わかったよ……」

<ライザ>
(な、なんだろ……。いつもおとしやかなクラウディアにちょっと命令口調されると、なんか逆らっちゃいけない気分になるなぁ……)

クラウディア
「それじゃ、ちょっと失礼するね」

ライザ
「ひゃあっ!?ってなにっ、いきなりあたしの上に馬乗りになってどうするのっ!?」

クラウディア
「どうって、マッサージをするのよ。安心して、これでも結構心得があるんだから」

ライザ
「ま、まっさーじ?」

クラウディア
「えぇ、按摩とも言うけど、身体の中の凝りをほぐす技術ね。大きな街では、これを職業にする人もいるくらいなのよ」

ライザ
「そ、そうなんだ……。え、えっとじゃあ、お願いしても、いいのかな?」

クラウディア
「うんうん任せて♪んっ、しょ……っ」

ライザ
「ん……っ」

クラウディア
「あらら、本当に随分と張ってる……っ、これはっ、ほぐし甲斐がありそう、ね……っ」

ライザ
「んっ、く……タタタっ、く、クラウディアっ、ちょっ、ちょっと痛、ぃ……っ!」

クラウディア
「うん、ごめんね。最初はどうしても痛むけど、でもそれは疲れている証拠だから。こうして、力を入れてっ、ほぐしてあげないといけない、の……っ!」

ライザ
「んくっ、んっ、はぁ……っ!あ、で、でもなんかポカポカして、じんわり痛気持ちく、なってきたかも……っ!」

クラウディア
「じゃあもう少し、体重かけるから、ねっ」

ライザ
「んーーーっ!あっそこ、そこなんかすごく効く、かもっ!ふぁぁぁ、なにこれぇ、めっちゃ気持ち、いいねぇ……っ」

クラウディア
「うん、大体腰回りは一先ずいいかなぁ。それじゃあ次は……」

ライザ
「ひゃぅっ!?そっ、そこ、おし、お尻っ!!」

クラウディア
「そうよ。お尻は腰と太ももの疲れ、両方が蓄積してくるから、ここもきちんとほぐさないと効果が薄くなっちゃう」

ライザ
「そ、そうなの……っ、あっ、うぅんっ、あぁでも、確かにそこ、すごくいいっ、ふわぁぁぁ……っ、あっ、あぁぁ〜〜〜」

クラウディア
「ふふっ、お尻にも沢山筋肉があるから。この筋に沿って拳の裏側でギュッ、ギュッってしていくと、どう?」

ライザ
「うぁぁ〜、効くぅ、すっごぃ効くぅ〜、クラウディア、じょうずぅ〜」

クラウディア
「ふふっ、おだててもこんなことしかしてあげられないわよ」

ライザ
「あっあっいいっ、そのグリグリプルプルされるの、めっちゃ気持ちいいっ!なにこれぇ〜、すっごくしゃ〜わせぇ……っ、こんなのはじめてぇ〜……っ」

クラウディア
「うふふ、いい反応してくれるのね。はい、仕上げに、ぎゅーっ!」

ライザ
「アタッ!?痛い、けど、気持ちいい……っ」

<ライザ>
(す、凄いなぁこれ……っ、頭、ぼんやりしてきて、そ、それに、クラウディアに献身的に奉仕されてる、って思うと、なんだろ、お腹の奥の方がキュンってして……なんなの、この気持ち……っ?)

クラウディア
「はーい、じゃあ最後に太ももからふくらはぎにかけてね。ん、しょっ、えい……っ」

ライザ
「あっ、んぅ……っ、やっぱり、最初はちょっと痛い、けど……」

クラウディア
「うんうん、いい子だからちょっと我慢、しようねぇ。この膝裏とか、特に痛いと思うけど……」

ライザ
「アタタタっ、うわっホントだ、そんなところが疲れるんだ……。んぅっ、はぁ、人体って、不思議の塊、かも……」

クラウディア
「でしょう?ほっとくとどんどん疲れを蓄積していって、取り返しのつかない事にもなるんだから、だから本当はこうして定期的にケアしてあげるのがいいのよ」

ライザ
「ふぁ、あぁぁぁ〜、ほぐれて、きたぁぁ……。凄いねぇこれ、身体がふわふわして、夢の中にいるみたい……」

クラウディア
「ふふっ、喜んでもらえたならなにより。……っと、これでザッとだけどほぐせた、かな?ライザ、立ち上がって少し体を動かしてみてくれる?」

ライザ
「う、うん……って!凄い!さっきより全然身体が軽いっ!腰もほとんど痛くないっ!」

クラウディア
「ホント?良かったぁ、実践するのは久しぶりだったから、ちょっと不安ではあったんだけど」

ライザ
「あ、あれ?そうなの?すごい手管だったから、てっきり普段からお父さんにでもしてあげてるのかなぁ、って」

クラウディア
「さ、流石にこの齢になって、お父様にあんな密着してあれこれするのはちょっと……。その、まだ一緒に住んでた頃にお母様に、ね」

ライザ
「そう、なんだ。じゃあこの技術は、身体が弱いお母さんを少しでも助けてあげる為に身につけたもの、なんだね。……良かったの、その、それをあたしなんかに」

クラウディア
「う、うん、ライザは特別、だから。そ、それにライザってば、目を離すとどこまでも無茶してしまいそうだから、せめても、って」

ライザ
「そ、そこまで無鉄砲じゃない……とは言えないかなぁ。だから、うん、クラウディアがあたしのためを思ってここまでしてくれたの、本当に嬉しかったよ」

クラウディア
「あ、ありがとう……。で、でもこれも、恥ずかしいから二人だけの秘密にしてねっ!」

ライザ
「う、うん、秘密、だね。約束。……だ、だけどやっぱりちょっと勿体ないなぁ、これだけの技術を…………あーーーっ!!」

クラウディア
「ど、どうしたの?」

ライザ
「これだよこれ!さっきの話!誰かに頼らなくても、自動でマッサージが出来る装置とか作ったらどうかな!」

クラウディア
「あ……そ、そうね。疲れた体を少しでも癒す事が出来れば、おばさまたちにもとっても喜んでもらえるかもしれないわね」

ライザ
「うん!だからクラウディア、色々手伝ってよ!クラウディアの持ってる技術、どんな風に刺激を与えれば一番効果的なのか、そういうのを正確に再現できるように教えて欲しいのっ!」

クラウディア
「わぁぁ、二人の共同作業、だね!うん、すっごく楽しそう!あ、でも、監修が私、って事はやっぱり秘密、だからね」

ライザ
「ふふふー、その為の隠れ家じゃないっ!これも簡単には行かないだろうけど、時々時間を見つけて、二人でコツコツ頑張ろうっ!!」

クラウディア
「ふふっ、ライザってば目がキラキラしてる。ライザはやっぱり、なにか目標に向かって一目散に頑張ってる姿が一番素敵ね」

ライザ
「も、もーっ、こそばゆいから褒め倒すのやめてよ〜っ!!」

<ライザ>
(……でも、うん。そんな風にクラウディアが期待を寄せてくれるから、あたしももっと頑張ろう、って気持ちになれるんだよ……。ありがとう、大好きだよクラウディア♪)


posted by クローバー at 07:32| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

クラウディアの秘め事日記 3ページ目

 まるで、駄々をこねる子供みたいだなぁ、って思う。

 目的を見つけた時のライザは、どこまでも前向きで、全力で、がむしゃらに、一気呵成に辿り着こうとする。
 その勢いは微笑ましくもあるけれど、一方で、こちらが少しでも足を止めていると、置き去りにされそうな怖さもあって。

 ……確かに、ここしばらくスキンシップに飢えていた、ってのもあるけれど。
 ともすれば空を飛んでここから去ってしまいそうなライザを引き留める為に、殊更に触れ合う機会を求めている。
 私って、ズルい女の子、かなぁ?で、でもライザもそれを喜んでくれている、よね?

 でも、私との秘密が、ライザの足枷になるのは嬉しくない。
 その為にも、私自身色々な気持ちや因縁に、きちんと向き合っていかないとダメ、だよね。

 だけどどうしよう?
 二人きりの秘密が増えるのが嬉しくて、触れ合う熱が嬉しくて、私、こんなにドキドキしちゃってる。
 ……身体、火照っちゃってる。こういう所だけ子供でいられないの、恥ずかしい、けど……。

 いいの、かな?
 女の子が女の子を好きになっても、許される?
 ライザを、私色に染めたい、って、願っても、いいの――――?

posted by クローバー at 06:44| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする