2020年05月05日

文字通りの天元突破

 シルヴァリオラグナロクは、ミサキとアペンドクリアしてコンプリートです。
 前の2ルートで膨れ上がった期待値をしっかりと磐石に受け止め切る、これでもかの絶望からの回帰回帰回帰…………そしてそれを、ああわかっていたとも、の神祖勢と、あまりにもそればかりで逆に食傷しかねない、いい意味で狂ったシナリオだったと思います。
 基本的に過去2作で出てきた設定を緻密に流用しているので、その点これもゆきいろみたいに、昔のふたつリプレイしてからプレイした方が良かったかな、という後悔もちょっとあるのだけど、流石にある程度は覚えているし、純粋なゲーム内時間軸での技術の成長の凄まじさも感じられてすごく面白かったですね。

 恋愛としては一番妥当な立ち位置だし、けれどその結びつきがあればこそ敵方の思惑を最大限に引き出してしまう、という構成も王道的で、個別最序盤から怒涛の展開だけに本当にワクワクハラハラさせられました。
 今まで以上にくどいので人を選ぶのは間違いないんだけど、シリーズの集大成、人の引き起こす奇跡の到達点としても見事な頂を見せてくれていると思いますし、色々力技の部分はあっても、しっかり作中に因果と理路は埋め込んでのみんなでの幸せ、を手に出来ているのは本当に良かったですね。
 というか、そのままハーレムでいいじゃん、と思ってしまう私であった。。。

 それにしても、ミサキのCVまで伏線とはやるじゃん、って感じで、よくもこれだけ熱量にまみれた世界観を綺麗にまとめ上げたものですね。色々発売までに紆余曲折あっただけに、執念すら感じる作品だったと思います。
 感想はちょっと流動的だけど、一番遅くて来週の月曜かな。例年よりは休みの多いGWで色々捗ったのはいいのだけど、あしたから普通に働けるかが恐いぜ…………。

 ちなみにもう、零の軌跡・改をはじめて、今は序章が終わって1章の途中ですね。
 なんだかんだで4年ぶりくらいのプレイなので、細かい部分はそこまではっきりとは覚えてなくて新鮮に楽しめていますし、当時とはキャラに対する思い入れが違い過ぎますからねぇ。もうホントティオが可愛過ぎるのだけど、まだこの頃はメンバーにも程よく距離を置いているところが切なくって、ぎゅーってしてあげたくなるわー。
 そしてしれっとひげオヤジとか、改めて見ると微かな反応はあるとはいえ、白々しいもんだなぁと。この伏線の引き方のバランスもやっぱりすごく丁寧ですよね。
 今作は閃キャラとのイベントシーン追加もあるらしいからそれは楽しみ。はやくトワやユウナに会ってみたいぞ。

 んで閃の軌跡外伝は、半ば強引に終わらせました。。。
 前書き改めて見て見るともう2年半前で、そりゃあ熱量は枯渇するよね、って所での、最低限書きたかったエッセンスだけ並べてになってしまったのは、果たしてやる価値はあったのかい?レベルではあるのだけど、それでもそうしないと前に進めない不器用さを笑って下され、というところで。
 ただ少なくとも創の軌跡の前に、閃3と4はリプレイするから、その時の余裕と気分次第で加筆修正はするかも。
 創作的にはちょっと一本、短めですけど違う作品でサラッとやろうかなと思っているのですが、それもまた延び延びになると嫌なので状況を踏まえつつ慎重に進めます。

posted by クローバー at 17:43| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

閃の軌跡外伝 戦う乙女の恋愛事情 トワ#W

トワ
「…………ん…………ふぁ…………っ」

 潮騒。
 呼び水となって、私の意識をじわじわと浮上させる。

トワ
「…………あ…………れ、ん、と、わた、し…………」

 目を瞬く。
 刹那、夢と現が一緒くたに、覚醒した脳に流れ込んでいく。

トワ
「っっっ!?――――ぁ…………」

 いる。
 すぐ隣に。
 愛しき人が、安らかな寝息を立てて。

トワ
「(…………そう、だ、告白して、両想いに、なって、そ、それで、熱情の赴くままに、わたし、たち…………)」

 だからあんな夢を見たのか、と得心する。

 きっとそれは、生々しい実感が伴わなければ、あそこまで鮮明に描けるはずのない、いつか。
 私達の間にずっと芽吹いていて、けれど花開かなかった可能性。
 そしてそれは、甘酸っぱくも切ない後悔と、いたたまれなさを呼び込んで――――。

トワ
「…………いた…………っ」

 疼痛。
 そっとベッドを抜け出し、窓際に歩み寄る。
 きっと二度とは得られない痛みを噛み締めながら、天を仰ぐ。

 まだ、夜明けは遠い。
 けれど不思議なくらい、私の意識は明瞭で、冴え冴えと澄み渡っていて。

トワ
「(…………どう、しよう、かな…………)」

 このまま、もう一度ベッドに潜り込んでしまえばいい。
 このまま、朝まで愛しい人の寝顔を眺めて、過ごせばいい。

 でも、私はそれだけで満足、できるの?
 眺めていたら、触れたくなる。
 触れてしまったら、もっともっと温もりが欲しくなる。

 明日は世界の命運を決する戦いが待っているのだ。
 少しでも安らかで、深い眠りを与えてあげたい。
 私の我が儘でそれを壊してしまって、もし、もしもそれでなにかがあって、しまったら――――。

トワ
「っっ!!」

 身体の芯が凍り付くような、震え。
 それはまだ、私の奥にある、仄かな熱の残滓を奪い取ってしまいそうで、必死にその闇を、振り払う。

 あぁ、わかっていた。
 これまでだって、すごくすごく、大切だったけど。
 心も身体も結ばれてしまえば、それは比べ物にならないほどに膨らんで、けれど同時に、失う恐怖も増大、してしまうのだ。

トワ
「(…………わかってたのに、ガマン、できなかった、なぁ…………)」

 そっと、下腹部に手を当てる。
 彼を受け入れた痛みと歓びは、まだ鮮明に息づいている。
 
 ならば、その余韻が残っている内は、これ以上の甘えを自分に許さない方がいい。
 際限のない想いを、情念をぶつけるのは、全てが終わってからでいい。

 ともすれば荒れ狂う感情を理性で捻じ伏せ、床に散らばった服を集め、身につける。
 少しばかりべたつくけれど、今は仕方ないだろう。
 音をたてないように静かに部屋を抜け出して、私の足は音に誘われるまま、波辺へと向かう。

トワ
「…………きれい…………」

 寄せて返す、波音。
 その波濤の向こう側に、チラホラと、クロスベルの街の灯りが揺れる。

 ゆらゆらと、ゆらゆらと。
 寄る辺なき世界の頼りなさを示すかのように、静かに、揺れる――――。

???
「ふふっ、眠れないのですか?」

トワ
「ふぇっ!?…………あ、ミュゼ、ちゃん…………?」

 幻想から引き戻される。
 いつもと変わらない、蠱惑的な笑みを湛えた少女が、そっと隣に並ぶ。

ミュゼ
「…………命の灯火、なんですよね」

トワ
「…………うん、そうだね。この状況でも、一人一人が自分の為すべき事を懸命に頑張ってる、その証の光。…………私達が、なんとしても守りたい、もの」

ミュゼ
「…………わかります。今は不思議と、その想いがしっかりと共有、出来てしまっているんです」

トワ
「そう。それは…………辛いよね」

ミュゼ
「全くです。こんな気持ちを知らなければ、とも思うのですけど…………どちらにせよ、その時は私、きっと言葉に出来ないモヤモヤを抱えて苦しんでいたのでしょうから」

トワ
「為政者の天稟、かぁ…………。本当に、心の面でもそれに見合う強さがあれば、って思う?」

ミュゼ
「…………思いません。辛い、ですけど、この場で叫び出して、世界の全てに懺悔したい気持ちはありますけれど、それでもこの弱さにきちんと向き合えた事で、この先は間違えずにいられる、と信じられますから」

 世界の全てが、見え過ぎていた少女。
 けれど、自分の真実だけを見過ごしていた、不憫な少女。

 本当はどこまでも普通の女の子で、これから自分が引き金を弾いた戦争の幕開けに、素直な怯えを曝け出せている。
 この子をそうさせたのは、やっぱり――――。

ミュゼ
「…………謝られたら、怒りますよ?」

トワ
「……………………っっ、知ってたんだ」

ミュゼ
「それはもう。そもそも昨日、あの人にどれだけの人数がアプローチしていたか、教官だって薄々はわかっているのでしょう?」

トワ
「…………うん」

ミュゼ
「だったら胸を張って下さい。誰かを傷つけても、押しのけてでも、欲しいと思ったのでしょう?いつも誰かに何かを譲ってきた貴女が、それでも、と願ったのでしょう?」

トワ
「…………うん。…………だから、その、ごめん、ね」

ミュゼ
「えぇ、そっちの謝罪なら受け入れましょう。そもそも先輩方が愚図愚図しているから、私達後輩組にあわよくば、なんて淡い希望を抱かせてしまったのですよ?」

トワ
「あ、あははは…………」

 本当に、どこまでも聡明で、なのに不思議と純粋で。
 傷ついているからこそ、ここにいるのは間違いないのに。
 それでもこれは虚勢ではなく、本当に寿いでくれてるのだと、信じられる。

 本当に、どこまで強い子供たち、なのだろう。
 これではさっぱり、大人の面目など立つ瀬がないではないか。
 或いはそれが、連綿と受け継がれ、アップデートされていった、Z組、という絆の本領なのかもしれない。

ミュゼ
「それで?何故教官は、愛しい殿方の胸の内から、こんなところへ逃げてきたんです?」

トワ
「うぅ、ミュゼちゃんてば、いつも以上に手厳しいね…………」

ミュゼ
「嫌味くらい許されるでしょう?それに、こうして軽口を叩いている事で、落ち着く気持ちもありますから」

トワ
「…………大体お察しの通りだと思うよ。えとね、夢を、見たんだ」

ミュゼ
「…………夢、ですか?」

トワ
「うん。私とあの人が、もっともっと昔に結ばれていた世界の夢。きっかけはいくらでもあったのに、互いに一歩だけ踏み込めなかった、弱さと後悔の象徴、だね、あははは…………」

ミュゼ
「…………聞きたいです。二人がどのように出会って、他のZ組の皆さんとは少し違った形で育んできた絆の彩りを」

トワ
「あはは、嬉しいな。丁度私もね、誰かに聞いて欲しくてたまらなかったの。こんなの、教官失格だねぇ」

ミュゼ
「大丈夫ですよ。トワ教官が、やるべき時には誰よりも凛々しく、責任感を滾らせて、生徒の模範になって下さることを、誰一人疑ってなどいません。今だって、生徒のたわいない好奇心を満たして、少しでも安らかな気持ちを抱かせるために、仕方なく自身の秘密を御開帳してくださるんです」

トワ
「政治家、だねぇ」

ミュゼ
「女の子、です」

 こちらに首を向けて、微笑む。
 湖に反射した光が、チラッと瞳を掠めて、キラキラと命を照らす。

 それは、いつかの星空の下での誓いを思い出させる輝きで。
 遠く、懐かしく、されど色褪せない想いを起点に、過去の事実と、そして夢が見せた可能性を語っていく――――。

トワ
「……………………ふぅ、こんなところ、かなぁ。そんなに面白い話でも、なかったでしょう?」

ミュゼ
「まぁ、女の子としては、全く面白くなかったですね。…………でも、一人の人間としては、途方もなく、羨ましいです」

 不意に吹き抜けた冷たい風が、刹那髪を揺らし、その表情を月影に隠す。

ミュゼ
「だって、どうしたって私達は、まだ五ヶ月、ですもの。特に私とアッシュさんは余計に、ですけれど」

トワ
「…………うん、信じられないけど、まだそれだけしか経ってないんだよね」

ミュゼ
「そもそも入学当初は、こんな風に学院生活の体を保ったまま最後までいられる、とも思っていませんでしたけど。本当に私の先輩方は、誰もかれもが運命に愛されているとしか思えません」

トワ
「ふふっ、それでも、巻き込まれて満更でもなかったのでしょう?」

ミュゼ
「…………えぇ、それはもぅ、悔しいくらいに。…………はぁ、ですけど、なんだかんだであの人の存在が重心としてそこにあり、偏在がなかった事が、私達をここまで牽引してきたのは間違いない、のでしょうね」

トワ
「…………うん。どうしたって夢は夢。多分それが現実だったとして、こんな形の今は迎えられていなかったと思う。それは自惚れじゃなくて、誰であっても…………」

ミュゼ
「…………大の幸福の為に小を切り捨てない、それは自己の中で、大切さに順番をつけたら瓦解する、ですか」

トワ
「世界は矛盾、しているよね。誰もを幸せにしたかったら、自分の幸せは一番最後でないとならない、なんて」

ミュゼ
「なのに、それを自然体で受け入れてしまう人だからこそ、誰からも慕われ、愛されるのですから、因果なものですね、ふふっ♪」

 悪戯気に笑う瞳の奥に潜む、微かな悲しみには、精一杯気付かないふりをして。
 それでも、こんな風に漣を運んでしまった事が、致命の隙にならないかと、どうしてもそれだけは拭えなくて――――。

ミュゼ
「…………大丈夫ですよ。もう完全に賽は投げられたのです。後は何があろうと諦めず、遮二無二、全ての智嚢と魂を振り絞って突き進み、突き破るのみ。もう迷いはいらないと確信できたからこそ、逆に最後の最後の支えとして、縁として、あの人は選択を拒まなかったのでしょうから」

トワ
「…………そう、だね。他ならぬ私が一番揺らいでいたら、誰にも失礼だもの、ね。…………ありがとう、色々聞いてもらって、吹っ切れた」

ミュゼ
「いえいえ、私も落ち着けました。出来ればもっと色々、からかって差し上げたかったのですけれど。教官を嫉妬に狂わせる爆弾もそれなりにありますし♪」

トワ
「こ、怖いなぁ…………。うん、でも、そういうのもいずれ付き合うよ。…………だから、明日は、勝とうね」

ミュゼ
「えぇ、勝ちましょう。誰もの想いを犠牲にしない、幸せな未来の礎を、私達の手で掴み取ってやりましょう」

 明けない夜はない。
 時間は誰しも平等に流れ、痛みも苦しみも同じ重さで降りかかるけど。

 それでも、その先に光はあるのだと。
 幸せな未来は必ず手が届くのだと。
 それを信じさせてくれる人が、きっと英雄と呼ばれるのだ。

 ならば、どうか。
 どうか、誰かにとっての英雄が、明日も心安らかでいられますように――――。



 
posted by クローバー at 10:54| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする