2020年09月20日

壊すべき壁の在り処

 青春フラジャイルは透音、せつなをクリア。
 不思議探訪も含めてコンプリート。うん、流石に面白かったね。

 透音に関しては、思ったより重い話というか、意外と設定の重要な伏線ぶっ込んできた。

 正直昔の二人の関係とかその辺は、あまり共通では触れられていない。
 だからいきなり、頑張り過ぎた透音があんな風になって、というのは、少し脈絡に説得性を欠く、とも言える。

 まあ別にそういう細かい部分は、このルートに限らずファジーなところはなくはない。
 実はせつなルートでエリスがのたまっていた、記憶操作の副作用の可能性、としておけば保険が効く、と高を括っているのでは?

 正直この作品も、それぞれのヒロインに対する主人公の想い、という部分は、見えない所に比重が大きい。
 まだかけぬけよりはマシだが、特に幼馴染組は、想いの変換点に対して、主人公側の明快な理路が見えているか?というと微妙な感はある。

 そうであればこそ、好意を自覚しているヒロイン側が頑張らねばならないのはある。
 その点で透音も、彼女なりのやり方と想いでしっかり向き合っているとは思うし、まぁ素直に可愛い。

 ただなんだろう、全体的にあざとさというか、キャビキャビし過ぎでは?とも感じたり。
 小波すずさんは最近やたらと見かける頻度が高くなったけど、今まで私がプレイした中では、比較的穏やか寄りが多かった。
 だから逆にこういう、テンション高めのあざと可愛い系が、逆に行き過ぎに感じる面はあったのかも。悪くはないんだけどね。

 後半は中々に超展開である。
 流石にあれだけのささやかな伏線から、これを想定しろ、というのもうーん、ではある。
 そもそも魔法の定義が曖昧ではあるし、出来る範囲も理路に沿っているようで、かなり恣意的だから、その辺は仕方ない。

 ただどうあれ関係性の危機なのは確かだし、それを解決するために、という流れの中で、このルートは……どう考えるべきか。
 氷緒ルートみたいに、想いの力で魔法ブーストもずっこいのは確かだが、こっちはこっちで、理路では及ばない禁忌の力を上手く借り受けて〜的なノリである。

 ESはその立ち回りでいいのか、ってのは、せつなルートやった後だと意外と仕方ないのか、とも思う。
 ただ本質的に、あくまで不幸が前提での行使であるなら、なんか後付けで回収しているような形になるのが正しいのか?とは。
 もっとも根幹としてのそれは常に保持しているから、あくまでも嫌がらせ、とも取れるので、判断が難しいけれど。その辺は感想で総合的に考えよう。

 ともあれこの作品では貴重なロリっ子だし、シナリオも懸念していたより良かったのでまずまず満足。
 しかし相変わらず克さんののけぞり差分はいいね!エロ・かわ・いい!

 せつなは想定通りのラスボス。
 これからプレイする人が読んでいるなら、素直に最後に回す事をお勧めする。

 共通でこれみよがしにチラ見させられていた、二人の過去の関係も、ダイジェストでなくきっちり尺を取って見せてくれる。
 その流れの中で地味にリズの立場や想いなどとも繋がってくるので、やはりリズを先にやっておくほうが通りがいいだろう。

 せつなの過去はそれはもうひたすらに重い。
 だからこその、という立ち位置でもあるし、ある意味不幸の連鎖というか、渡り鳥的な在り方で、自己を今に繋ぎ止めている、そういう危うさに満ち満ちている。

 このあたりはトラウマ論的なスタンスにもなるので、傍目にその想いの捻じれ、壊れ方が何処までか、というのは、主人公ならず想像しにくいものがある。
 だからこそ、この作品のバックボーン的な位置で、それほどに、と説得性を持たせられるのは強みだ。

 もっとも、遠い昔からの、土地そのものが持つ因業的な要素がしれっと組み込まれているのは悩ましいところではある。
 そういう曰く付きだからこそ、メイサースの先祖が居を構えた、という見立ては出来そうだが、いずれにせよ魔法絡みでどうしても設定が浮つく面があるのは止むを得ないところか。

 ともあれ、乗り越えたと思っても、へばりつくように追いかけてくる、トラウマと衝動。
 その克服に対して、生半可なものではどうにもならない、というところからの、主人公の覚悟とやり方は、理屈と感情の両面で筋が通っていて、すごく良かったと思う。

 なまじ魔法使いとして覚醒して〜なんていうのよりは、あるものすべてを利用して、保険もかけて、その上で最後は自分の全てを委ねる、という方がカッコいいのは間違いない。
 そしてこのシーンのBGMの、『青空を抜けて』が、ベタながら物凄くカッコいい。この作品の曲の中で断然好きだ。シーンとセットでの相乗効果が半端ない。
 流石ラスボス、魅せるべきところはとことんまでやってくれる。近年の紫らしい一点突破だが、今回も上手く決まっていたと思う。

 せつなも、ヒロインとしてそりゃーーーめんどっちぃけれど、でも文句なく可愛くもある。
 感情の振れ幅も大きい中で、それでもそこかしこに一途な想いを見せてくれるし、本質的には純良な乙女、という匙加減が絶妙である。

 CVの東シヅさんってはじめてみる名義だが、八尋まみさんの別名義らしいとはどっかで小耳に挟んだ。
 真偽はわからんが、そうだとして、八尋さんって私の中で、寡黙なロリっ子キャラのイメージしかなかったりする。
 その点今回は非常に幅のあるキャラだし、なんならおまけもついている中で、上手く演じ分けと、強弱がつけられていたようには思った。まあ、「豚のようね」ほどの裏表は求められてなかったけど。。。

 全体として、概ねプレイ前の期待値はクリアしてくれたかな、と思う。
 色々総合的に勘案してみないと、まだはっきり見通せていない所もあるけれど、紫「らしい」タイトルには仕上がっていた。
 感想は近い内に、最低でも木曜までには書く予定。


posted by クローバー at 19:25| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする