さくらの雲*スカアレットの恋の感想をアップしました。
いやぁ、難産でした。
正直久々に、感想を書くのが恐い、というレベルでしたね。
なにしろ構造が精緻かつ鮮烈で、しかも一々突き詰めて考えると解釈が難しいのです。
ぶっちゃけ感想書くほどに、自分の読解力のなさや、無知蒙昧ぶりをさらけ出しているようなものですからね。。。
これはもう、プレイ後の時点でまず間違いなく評判はいいだろう、と確信していたのも評価を悩ませたところです。
その波に迎合した数字にしておけば無難ではあるのだけど、ただ本当に私自身の初回プレイの感触としては、やっぱり所長ルートが物足りない、になってしまうんですよね。
それはメリッサルートが全てにおいて完璧すぎたせいで、ハードルが高くなり過ぎていた、という贅沢な面もあるでしょう。
でもどうしても、あの後半の解決編の、一面的な構図と状況展開、そして結果としての着地点に、すんなり納得しきれなかったんですよねぇ。我ながらホントめんどくさい。
その辺りは感想で長々書きましたが、重箱の隅をつつくような陰険な粗探しに堕していないか、未だ戦々恐々ではあります。。。
でも自分に嘘ついてもしょうがないですしね。
とりあえずこの感想書くまでは、万が一も考えて評判などの話題は9月の新作まとめて全部遮断してました。
なので今日その辺もチラッと確認して(勿論まだ感想書いてない二つは見てないですけど)、まぁ納得は出来る評価だな、とは。
私も一昔前だったら、このさくらの雲よりハミクリを評価高くする、なんてまずしなかったとは思うのですが。
ただ最近は少し考え方が変わって、シナリオゲーであっても一点突破でバランスに波があるレベルなら、安定した萌えゲーも負けてないよ、というスタンスに。
この9月新作の名作ふたつは、私の中でそれを改めて再確認する要素になりましたね。
その上で新しい感想の書き方にも慣れてきたし、去年の私だったら下手すると放擲していたか、表層的なお為ごかしで済ませていたと思えば、よく頑張ったと思っておきましょう。
にしても、てっきり9月はこの2本が図抜けていると思いきや、白昼夢がここまで評価高いとはビックリですね。
個人的に、ラプラシアンは結構好きだけど、いつもシナリオが駆け足になり過ぎて物足りなさはあったのと、このタイトルはヒロインが好みじゃなかったんですよね。
コンセプトとしては面白そう、と感じていたものの、延期を繰り返したこともあって、流石にこの激戦区の9月に購入ラインナップに入らなかったわけです。
だからまぁ勿体ないことしたかな?という気持ちはあるものの、でも評判いいから今からでもやろうか、って気分にはあまりならなかったりね。
でも、これまでのタイトルはあくまで超タイトなスケジュールの中で見切り発車感が強かったのを、じっくり時間を掛けた事でレベルアップにつなげた、というのは、メーカー評価として一目置かねば、と思います。
延期は良くないけど、その延期した分だけクオリティが上がるなら、それで禊は済んだ、と思えるのがエロゲ界のおおらかな面ではありますね。
まあ私御贔屓のFavoriteなんて延期の常習犯だし、だけどいつもその価値はあると思わせるクオリティ出してくるからついていっちゃうわけでね。
なんで、ラプラシアンも次回作、しっかりまた腰を据えて頑張って作っている感があって、ヒロインが好みだったら改めて買いたいなーとは思いました。
さて、前置きがえらく長くなりましたけど今日の日記。
延期が罪と言うならば、白昼夢よりも更に罪深いカゴのトリですが(笑)、伊鶴と透子をクリアしてコンプリートしました。
うんまぁ、これも長く延期した、という前提をあまり意識しなければ、普通に良作レベルのシナリオだなー、とは思います。
まあここまで評判になる作品が三つもあっては、知る人ぞ知る、くらいで埋もれてしまうのは確実っぽいけどね。。。
ただやっぱり、さくらの雲と比較してしまうとどうしても、ミステリーとしての伏線のさりげない使い方とか、雰囲気の作り方とかがもう一歩。
伊鶴ルートにしても、実は透子と関わりがあったんだよ、みたいな部分が、気配の中で察せるか?となると結構隠し過ぎてる感じだしね。
伊鶴自身の諦念と、それでも割り切れない部分を上手く擽っての関係性の変化は良かったし、ギャップ萌え、という点では抜群の破壊力ではありました。
普通に可愛いし、不憫な立ち位置でもあり、総合的にその点は救いがないんだけど、それでも疑似的な家族の関係の中で手にしたものは温かく。
どうしても透子ルート以外が停滞、現状維持の色合いが強くなってしまうのは仕方ないとはいえ、その中での後味は悪くないかな、とは。
というか、夜ルートが流石にシビアと言うか、切羽詰まり過ぎている感はあるのだよね。ただそういう所で率直に大人を頼れない精神性は、きちんと前提で踏まえておかないと、と言う話。
透子ルートに関しても、ミステリー的な意味での大きなどんでん返しはなく、夜ルートで想像できた部分からは大きく外れない着地点ではあります。
まあその前提としての関係性の広がりは意外だったし、けどそれを共通からここまでの流れで、露とも仄めかさないガードの固さは、ミステリーとしてはややバランスが良くないとも思いますかね。
透子自身の沈黙に関しても、そこまで意固地になるほどか?というのは正直なところ。
まあ彼女達がシンプルに警察や大人社会を信じられないのはよくわかるし、だからこそのタイトルではあるので、その点はミステリーと言うよりも精神性に依拠している面は強いです。
基本的に登場人物の誰しもがなんらかの非業を背負い、かつそれを少なからず自己責任として抱え込んでしまっていて。
だからこそ、その救済としての箱庭、籠の鳥の世界であったと言えるし、ミステリー要素よりは総合して見るとそっちの要素が強かったかな、とも思います。
まあでも流石に透子ルートは、総まとめだけあって普通に面白かったし、主人公と透子の距離感の部分の解釈なども凄く面白かったです。
そうであればこそ、関係が近そうに見えても、もう一歩互いに寄りかかれない、という実情が、他のヒロインに傾斜する反発力にもなっている、というのは趣深いですよね。
透子もすごく可愛かったし、でも出来れば制服Hは見たかったなー。
総合的に言えば、やはりかなり弱点の多い作品にはなってしまっています。
でもシナリオの軸の部分とテーマ性ははっきりしているし、お値段もお安めではあるので、そんなに悪い作品ではなかったです。
感想は金曜日に。
流石にこれは、ハミクリやさくレットほど長々とは書かないで済むだろうし、サクッと期限決めてきっちりやりましょう。
次はろけらぶですね。
これも2日もあれば終わるだろうし、基本線としてはカゴのトリの感想書いたら創の軌跡に戻っても大丈夫かな、という感触です。