2009年08月17日

マブラヴ

 いつかやろうシリーズの最終兵器オルタの前哨戦として。まあこっちやらなきゃどうにもならないからね〜。

シナリオ(22/30)

 信念の物語、かな。

 主人公はごく普通の進学校に通う、特に突出した何かを持っているでもない、ごく普通の男子学生。毎朝起こしてくれる幼馴染の純夏や、親友の尊人などと、毎日平凡ながら楽しい、特別に変化のない日々を過ごしていました。
 そんなある日、主人公が目覚めて見ると、隣に見知らぬ美少女が眠っていました。
 話を聞けばその冥夜という少女は、天下に名を轟かす御剣財閥の次期後継者で、このたびは主人公と結婚の契りを交わすために押しかけてきたとのこと。全く身に覚えのない主人公と、突然のライバルの出現に焦る純夏。冥夜の登場によって、平凡だった日常は一点、あわただしくも新鮮な毎日へと変化していくのでした。

 立ち上がりはこんなところですね。
 突如両親が海外旅行に出かけたと思ったら、いきなり美少女が結婚を前提に押しかけてくるとか、とんだけエロゲ設定だよと突っ込みたくなりますが、思えばこのあたりがそういうラインを明確にする先駆けだったのかも、なんて思いながらプレイしていました。
 シナリオの流れは、基本的に純夏と冥夜の三角関係を軸に、その他クラスメイトのたまや委員長や慧などを巻き込んでのドタバタ劇となっています。まず純夏と冥夜シナリオのどちらかからクリアでき、二人クリアするとエクストラシナリオのその他三人、更にアンリミテッドシナリオが解禁になるという形です。

 エクストラでメインとなる純夏&冥夜のシナリオは、ほとんど最終盤まで共通の流れで、最後に二人のうちのどちらかを選ばされるという展開になり、そこまでの好感度で選択肢が出たり出なかったり・・・という形式。
 二人ともやたらと嫉妬深い、とかいう性質ではないので、三角関係にしてもそれほどドロドロとしたシナリオにはなりません。むしろヒロインの二人が互いの長所を認め合いながら、自分が主人公にしてあげられることは何なのか、そのあたりを再確認する展開が多く、二人のヒロインの成長物としても読み取ることが出来ますね。
 まあこれまたエロゲ設定のお約束の如く、主人公は真っ直ぐで熱血漢だけど鈍感なので、二人の陰に陽に繰り広げられるアプローチにも平然とスルー、つか一つ屋根の下に二人も美少女囲っといて手も出そうとしない、ある意味すごい能力の持ち主。。。なので、結果的には主人公が選ぶ段階までに、二人がこうありたい自分を手に入れるために変わっていくのを、その本質に気付かずに応援している、なんて筋違いな構図になっています(笑)。
 まあシナリオとしては普通、ですよね。演出の力もあって日常のドタバタ感はすごく楽しいので飽きが来ることもないですが、のめりこむほどに面白くはないかなと。

 エクストラの他三人は、それぞれのヒロインが抱える悩みを一緒に解決していくうちに・・・というパターンがほとんどですね。純夏と冥夜の二人がサポートに回っているので、いざ主人公が壁にぶち当たって打ちひしがれているときに、しっかり支えて立ち直らせるという役回りがぴったり嵌ります。
 シナリオとして一番出来がいいのは委員長ですが、一番嫌いなのもまた委員長。あれを見捨てない主人公はある意味神だと思いましたよ。平均的に見ればそこそこ、ってところですねどれも。
 こっちのシナリオでは、主人公の鈍感性質が更に強調されるとともに、挫折しても立ち直りが早く、すぐに前向きになれる性質が強くクローズアップされている印象です。もちろんそれは、周りの支えてくれる人あってのことですが、こういう強さが続いていくシナリオへの伏線なのかな〜と思いながら見ていましたね。

 そしてアンリミテッド、こっちは朝起きたらいきなり世界が宇宙人と戦争をしていた、という、平行世界の物語。現実世界(と言い切っていいのかは疑問ですが)のどの場面から飛んできたのかは微妙なんですが、ともかくもとの世界の記憶を持ったまま、主人公はいきなりこの危険な世界に放り出されるという出だしになります。
 こちらの世界には、主人公にとってよく見知っている顔がいくつも存在しますが、それぞれがこの世界では別の立場にあって、無論主人公のことは初対面の相手として接してきます。そして唯一、この世界には純夏だけが存在しません。
 荒廃した街をぶらぶらしていたらいきなり国連軍に拘束された主人公は、宇宙人による戦争で劣勢を強いられているこの世界の事情を少しずつ知り、そして対宇宙人の切り札、二足歩行機のパイロットとしての訓練を受けることになります。そのパイロット候補生のチーム、冥夜、委員長、たま、慧、そしてこっちの世界では女の子である美琴とともに歩んでいくうちに、こちらの世界の価値観と戦う意義を知り、少しずつこちらの世界を受け入れていくようになります。
 物語の細かい内容は省くとして、こちらの世界に来ても主人公のパーソナリティの芯の部分は変化することなく、元の世界ではともすれば短所にもなっていた部分が、こちらの世界ではしっくりはまっていく部分が多く、精神の連続性の観点で見ると上手く構成されているなあと感じます。そしてそれが、この絶望に凝り固まった世界を変化させるきっかけになれば・・・、というのが主題なんですが、残念ながらアンリミテッドシナリオではそれが果たされることなく終わってしまいます。
 ですが、物語の骨格はしっかりしていますし、過酷な世界にいきなり放り込まれても前向きに生きる主人公の強さには(無論凹むことも多いですが)感銘を受けます。一応一つの物語としては、拍子抜けとはいえ完結している内容でもあるので、まあこれはこれで、ってところですかね。まあ最後のヒロイン別のシナリオがあまりになおざりなのは同化と思いますが。だって全員同じ内容じゃん。。。

 ともあれ、突出したものはないものの、丁寧に作られている印象です。
 ヒロインの立場をシナリオのメインに据えることで、主人公の性質を浮き彫りにしたエクストラシナリオ。
 その主人公が持つ強さでもってヒロインを救い、導いていったアンリミテッドシナリオ。
 この精神の連続性こそがマブラヴワールドの真骨頂であり、それは言い換えれば信念を貫き通すことの大切さを説いているとも思えます。そういう部分にどう感受するかは受け手の問題ですが、それを差し引いても物語としてよく出来ていると思いますね。

キャラ(19/20)

 何故かはもう覚えていないんですけど、このマブラヴという作品、昔からヒロインに魅力を覚えなかったせいで手をつけあぐねていたという部分があるんですよね。
 んで今回プレイしてみて、その印象は半分当たり、半分外れといった感じです。
 とりあえず、純夏がここまで可愛いとは思っても見なかったというのが本音のところですね。全体的にちんまりしているのにハキハキ活発なところとか、ウジウジせずにサラッとしている性格だとか、それでも芯に抱えている一途な気持ちにだけは忠実なところとか、誰にでも(例え恋のライバルにでも)優しくできるところとか、いいところが沢山あって、それ以上に普段のちょっとお馬鹿なところが実に可愛いですね。ちと暴力振るいすぎじゃね?と思わなくもないですが、演出がギャグチックにまとめられているせいであまり違和感がなかったのが正直なところ。なんかじゃれあいの延長みたいに見えますからね(笑)。

 冥夜も予想以上にいいキャラでした。
 もっとこう高飛車なイメージを勝手に持っていたんですが、そして最初に限って言えばそこまで外れてはいなかったんですが、冥夜なりに相手の気持ちを重んじて、少しずつ変わっていこうと努力するあたりのいじらしさは強く印象に残りましたし、何より芯の部分にある凛々しさ、気高さはさすがだなあと。

 んで何が当たりって、まあアージュだからという先入観に当てはまってしまったキャラがいるというところなんですがね。
 特にエクストラシナリオの委員長と慧は・・・。ああいうタイプは本当に苦手。まあトラウマものだからある程度は仕方ないのかもだけど、主人公にわざわざ不器用な立ち回りをさせて問題を複雑にしていくうちに、だんだんヒロインのほうを嫌いになっていくというパターンですね。

 その他では、やっぱり茜は可愛いなあと。。。
 そして霞可愛いよ霞。まだシナリオ的にはほとんど何もわからないので、現時点ではただそれしか言及できないんですがね。

CG(18/20)

 演出の力で通常の立ち絵と一枚絵の区別があまりつかないのはご愛嬌。。。まあ全体的に、すごく好みの絵柄とは言い難いんですが、手堅い出来だとは思いますし、演出のことを良く考えてバランスの取れた絵だと思いました。
 立ち絵では、純夏の口の傍が上がったしたり顔とか、耳ピコピコする霞とかが好きでしたね。
 一枚絵に関しては差分まで全部別分けなので精査するのが大変なのですが、おおむねキスシーンの絵とかはすごく上手いですね。後好きなのは、純夏とのベットシーンとかかなあ。そしてパイロットスーツのエロさには笑った。。。子供の絵日記風SD絵も味があっていいですね。

BGM(17/20)

 まあ確かに豪華は豪華ですよね。
 ボーカル曲は8曲・・・かな?鑑賞には3曲しか入っていないのですごくわかりづらいんですよね〜。タイトルもどれがどれだかわからないし。。。
 とりあえず曲として一番好きなのはアバンタイトルで流れる奴。次点はエクストラOPとたまのEDかな。でもどれも完成度の高いいい曲揃いだと思います。

 BGMはまずまずの出来。
 お気に入りは『手をつないで行こう!』『わるだくみ』『抱擁』『護るべき世界』あたりですかね。バトルが寸止めなので、抜群に盛り上がる曲ってのはなかったですけど、世界観の違いが楽曲でも上手く表現できていると思いました。

システム(10/10)

 はい神演出。
 いや本気で、これ2003年当時のインパクトは絶大だったでしょうね。2009年の今にプレイしても、変わらず最先端、というレベルなんですから。正直、この演出を見るだけでもこの作品をプレイする価値はあります。

 システムもほぼ文句なし。
 ただ、セーブ数だけはもう少し増やせなかったのかなあと。何気に分岐イベント多いですし、物語の尺もかなりありますから、それだけは勿体無いなあと思います。

総合(86/100)

 総プレイ時間、25〜6時間かな。ボリュームはかなりありますね。
 ただ、シナリオ的にだいぶ共通する部分が多いんですよね。スキップ速いからそこまで気にならないんですけど、一々読み直していたら更に時間かかりそうな印象です。
 三部作の第二部まででの分割、ということで微妙に印象的に割を食っている感じもありますが、これはこれできちんと完成している部分はありますし、普通に面白いと思いました。まあ確かに、ここで寸止めされて3年待たされたほうにしてみれば、いい印象持ちづらいのはわからなくもないですがね。今なら続けて出来るから問題なし。
 オルタやってからだと評価にブレがでそうなので、あくまでこの時点での評価をしたつもりなんですが、それでもやはりどこか甘めになっているきらいはありますかね〜。どうしたって、わかっているからこそ気付けた部分、ってのはありますからね。その辺を含みおいた上での評価、ということにしておきましょう。
posted by クローバー at 07:39| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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