2009年11月04日

コミュ−黒い竜と優しい王国−

 名作るい智チームの新作だし、体験版も面白かったのでノータイムで購入。

シナリオ(27/30)

 それでも、と、それならば。


 高倉市には伝説がある。
 
 少女A―――。
 忽然と誰かの前に姿を現し、ただ歌い、いずれかに導いて、また忽然と姿を消す―――。目撃談は数多くあれど、彼女と出会ったその後を語るものはいない、それでも風の噂で不穏な空気が漂ってくる、まごうこと無き都市伝説。
 五年前に高倉市を襲った未曾有の災厄、新興宗教集団による七日七晩続いた大規模テロ事件もまた、その伝説に関わりがあるのではないかと実しやかに囁かれており、ほぼ当時の事件の復興なった高倉市において、テロの当事者達の心の傷とともに風化しない記憶として刻まれているのでした。

 そんな高倉市に住む主人公は、ほんの半年ばかり前に、以前にも住んでいたこの街に戻ってきたばかり。以前住んでいた街で様々な辛い目にあって抜け殻同然でこの街に戻ってきたところ、まったくの偶然に幼馴染のカゴメと再会し、以前と全く変わっていない傍若無人なカゴメに引っ張られるような形で、今ではこの街での暮らしにもだいぶ馴染んできたところでした。過去の事件のトラウマから自称フェミニストであり、女の子が絡めば怪しげな事件にもすぐ首を突っ込んでしまう危なっかしい主人公と、憎まれ口を叩きながらもそれを後ろから支えるカゴメ。二人の関係はどこか歪なものを孕んだまま進んでいこうとしていました。

 そんなある日、主人公は伝説に謳われる少女Aを目撃します。
 最初は目の錯覚かと疑った主人公ですが、何日経ってもその姿が消えることは泣く、しかし伝説の通り何かをするでもなくただ歌うだけの少女A。しかし、ある日の歌はそれまでとは違い、どこかの場所へ誘っている雰囲気が強く感じられ、迷った挙句主人公はカゴメ同伴でその場所へ出向くことにしました。
 五年前の事件で廃墟になったマンションの屋上、そんな怪しさ満点なロケーションの場所に辿り着いた主人公たちは、既にそこに集まっていた4人と運命の邂逅をします。それは、少女Aの導きを通して感じられる、どこか繋がっているという感覚でした。

 正義の味方・紅緒。
 うそつき・真雪。
 偽メイド・春。
 チンピラ・伊沢。

 そして主人公たちを含めた六人は、自己紹介もままならない中、突然巨大な怪獣めいた何かに襲われます。明らかに人の手に余る、剥き出しの暴力と死の薫りを備えたその怪獣を前にして、かつての事件と同じような、あまりに不条理な死を目前にして、主人公は不条理に対抗する力を強く欲します。すると、その想いに反応するかのように、何もない空間から漆黒の竜が現れ、カゴメをのぞく五人が感じていた、繋がっている感覚を手がかりにして少しずつその竜の操作の仕方を学んでいき、ギリギリで襲ってきた化け物を倒すことに成功します。
 なんとか化け物は返り討ちにしたものの、突然手に入った凄まじいまでの力、そしてそこに辿り着いた背景の不透明さなど、主人公たちは突然様々な問題に直面させられます。それでも少しずつ手探りで進んでいくうちに、この力がアバターと呼ばれる幻想種のものであり、二年前あたりから突然この街に発生したこと、五人をひとつのコミュとして接続されること、アバターが破壊されれば五人全員が死に至ること、初めて繋がった日に襲ってきたのはビギナーキラーと呼ばれる集団で、他のアバターを破壊することでしかレベルアップすることが出来ないアバターを手っ取り早く強くするために、出来立てのコミュを専門に付けねらう悪質な集団であることを知ります。
 そして、その事実に含まれた問題の重さに振り回されている暇もなく、コミュの一人である紅緒の素性が他のビギナーキラーに割れてしまい、主人公たちのコミュはまたしても命を付け狙われることになります。アバターが介在する世界はいまだ産声を上げたばかりゆえ、不条理を廃する法も秩序もしっかりとした形では存在せず、故に結局はその問題は、降りかかる火の粉は振り払うという形で解決するしかありませんでした。
 果たして主人公たちは、様々な葛藤に打ち勝って戦う道を選択できるのか、そしてその先にある混沌とした未来を、手にした力を持ってどう渡っていくのでしょうか?と、およそこんな感じのお話です。

 色々と舞台設定が複雑で、一見単なるバトルもののように見えるかもしれませんが、この作品の本質はそこではなく、突き詰めていえば簒奪する強者と、収奪される弱者の、相反する二つの立場それぞれが、法(抑止力)の存在しない力が全ての世界において如何に生き様を振るうか、そのあたりに真骨頂があります。
 コミュに接続されるのが五人一組という設定も秀逸で、ペナルティに対する面だけ見ればそれこそ連座制をイメージさせますし、メリットの面だけみれば民主主義の光と闇を体現しているような格好で、多種多様な人間のあり方を浮き彫りにするのに素晴らしくうってつけな体制になっていると思います。やや作品全体的にペシミズムに振り切れている印象は拭えないですが、バイオリズム理論的な位置づけから、逆説的に何もない平穏な日常のありがたみを浮き彫りにしており、このへんは読み手の好みに委ねられる部分ではないかと感じます。

 正直テーマ的にはエロゲでやるような話ではないんじゃないの?って印象ですが、それこそさまよう刃ばりの凄惨な主人公の過去のトラウマから派生したその特殊な性格が、上手くエロゲっぽい部分を引き出していたりもして、まあその辺は上手くバランスを考慮されているのかな?というところです。逆にそのトラウマに引きずられるあまり、心象風景の描写が痛々しいほどにくどくなってしまっている部分もあり、このへんはもう少し何とかして欲しかったところではありますが、個人的にはちゃんとシナリオの在り方とリンクしているので許容範囲。
 とにかく主人公が女の子だけには甘い性格で、女の子が絡まない問題に対しては素晴らしく怜悧な判断が出来るのに対し、一人でも自分が知り合った女の子が関わっていると途端にそっちに引きずられる困った性格をしていて、またなまじっかコミュの世界で指折りの力である黒い竜−バビロン−を手にしているだけに、時に先行きの見えている問題に対しても無理矢理にひっくり返そうと足掻いたりして、正義の味方・紅緒とともに物語を混沌とさせること夥しいです。。。
 ただ、基本的にコミュ同士のトラブルは、接続者の生命の問題に直結することがほとんどなため、それが社会に対する選択としては間違いだと知っていても、自分の知る人が死んでほしくないという想いは、収奪される弱者の論理を突き詰めたひとつの形であり、結果としてそれは、秩序を作り出すために多少の犠牲は数として処理できる強者の論理と衝突すること必至で、コミュという黎明期の世界においては決して避けられない衝突であるとも言えます。それを、単純なイデオロギー論ではなく、主人公のトラウマに帰結させていることで、不毛な水掛け論になることを上手く回避してもいるので、そのあたりは評価したいところですね。それこそ、紅緒や奈々世のような理想論を振りかざして闘ってしまっては、行き着く先が勧善懲悪でしか有り得ないですから、それではこの作品のテーマ性の帰着点として物足りなさすぎます。
 結局、人類がどこまで進歩しても感情の中に潜む悪しき衝動を、理性や法を持って完全に駆逐できる手段を持ち得ない以上、世界の真理は悪意の永続性であり、そんな平等に不条理を振りまく世界で、ではなにが出来るのか、結局はそこを突き詰めた物語であるといえますね。

 と、ここまでは小難しい話になりましたが、ともかくきちんとテーマとキャラの立場に沿った形でシナリオが構成されているために、その論理が個々に受け入れられるかどうかはさておくとしても、読み物としてはかなり高い水準でまとまっているというのが私の印象ですかね。
 その辺を踏まえた上でサラッと個別シナリオ評をやっておこうと思いますが、結局ここは、主人公の在り方が特殊であるがゆえに、その主人公の心に一番大きく根を張った女の子の志向する方向に物語が誘導されるのはある程度必然となります。ひとつのコミュ内でのルールは純然たる多数決だから、2/5が方向性を一致させれば、あと一人引き込めばそれで他の二人は巻き込まれること確定ですからね。ホント、命を張っているにしてはシビアな設定だと感心します。。。ついでに書いておくと、主人公はモラルハザードなので、純粋な恋愛話は全く期待しないように(笑)。
 シナリオはきっちりルート制限がかかっていて、最初が紅緒、クリアすると真雪(派生でアヤヤ)と密シナリオが解放され、全員クリアするとラストのカゴメルートに入れるという形になります。カゴメ以外のシナリオで張られた伏線を、最後のカゴメシナリオで回収するという形になるため、ミステリー的な意味合いでは最初の三人は不完全燃焼な部分もありますが、それぞれの立場からしっかりとまとめられたシナリオになっていると思います。

 まず紅緒シナリオですが、結局これは正義、という言葉一つに振り回されるシナリオですね。
 大体普通の子供は、幼い頃に勧善懲悪的な物語を情操教育として教えられますし、それが長じても社会的な道徳として個の中に確立するからこそ、社会はこれだけ平穏に成り立っているわけですから、そういった意味での正義が間違いであるとは誰しも認めたくはないわけです。
 しかし、そういった道徳を吹き飛ばすほどの過酷な現実に直面した場合、この作品では主人公がその立ち位置ですが、揺らいだ正義の形をどう立て直すのか、あるいは崩れたままにしてしまうのか、社会的弱者の心理的救済をその範疇にとどめていない法の元で、答えのない問題にどう対応するかはもう個々の問題に貶められてしまうわけですね。
 これは当然現実にも即応する問題ではありますが、それをこの作品ではコミュ世界のありようでより残酷かつ明晰に知らしめようとしており、そして紅緒が抱える正義感の変遷でひとつの答えとしようとしているのだと思います。純粋に純然たる正義を信じていた紅緒が、知らず知らずのうちに他者を手にかけていたという過酷な現実から、のた打ち回りながらも這い上がり、少しずつ自分なりの正義に近づいていく紅緒が、最後の最後で辿り着いた結論はなんとも愚直で、世界を変える力はひとつもそこにはないにもかかわらず、それでも主人公の心の闇を救っていく様は、まさしく不幸の狭間に揺れる蜘蛛の糸、雲の切れ間に差し込む日の光のように、儚げながらも目を離せない何かがあると思えました。
 このシナリオが共通ルートからの連続性が一番高いですし、導入シナリオだけあって物語が複雑になりすぎず、それでいてダイナミックに進むので、なかなかに楽しめるシナリオだと思います。

 次に真雪、の前に一応アヤヤにも言及だけはしときますと、これはあからさまにおまけ扱いで、アバター関連の問題もほぼギャグ一辺倒、ある意味一番普通に恋愛しているシナリオではありますが、最終ルートで重要になるとある人物の紹介くらいしか全体的な意味合いでの繋がりはないんですよね。一つ言えるのは、どこかでのアヤヤの台詞、日常は非日常の間の凪である、という部分、これはこの作品に当てはめてみると、アヤヤシナリオこそが唯一この狂った世界で日常を堪能できるという意味をも暗喩しているようですねってくらいです。
 真雪シナリオも大きな意味での作品のテーマ性からは外れているということでは一致しています。おそらくこの二つがサブライターさんの担当部分なんでしょうね、雰囲気や事象の問題にはしっかり整合性が取れているあたり、監修はきっちり入っているようですが、やはり受ける印象はちょっと違いますかね。
 でもアヤヤと違ってさすがにこっちはしっかりとしたシナリオを組み上げていますね。真雪の隠されたもう一つの顔、なんてのはある意味バレバレではあるんですが、その立場そのものが更に本当の真雪を覆い隠す仮面であるというあたりの設定がかなり上手いです。また、真雪の周辺の問題を、少しずつながら上手くコミュ世界へと繋げていく流れ、そしてそこから得られた残酷な真実と、それでも前に進んでいく世界の描写、テーマはかなり地味でやや偏っているとは思いますが、少なくともこの手の作品やっている時点である程度共感できる部分はあるに決まっているし(笑)、なかなか上手いシナリオだと思います。
 まあ最後以外ほとんど真雪以外のコミュメンバーが活躍しないのが物足りなくはありますが、普通に面白いシナリオだと思います。そして、素晴らしくロリコンに偏愛した雰囲気がテキストの端々から伝わってくるので、その手の愛好者には更に楽しめること請け合いですね(笑)。

 んで次に、一周目では登場すらせず、二周目以降に不思議な転校生として登場する密シナリオ。一周目に出てこなかった理由は明白で、もし彼女が身近にいたら、絶対に主人公は紅緒に靡かない。。。なぜなら、紅緒のありようは主人公の心のトラウマをつつく錐であるのに対し、密のそれはトラウマを包み込み心の隙間を埋める無色の綿であるからですね〜。最終的にどう変質するかはともかく、最初の時点では多分勝負にならないんだと思います。この辺の設定はちょっとずるい気もしますが、まあそれ以上に密という存在のあり方が抜群に気に入っているのでまあいいかな、って(笑)。
 もし人間の感情に器があるとして、器である以上はその内部に優先順位が作られ、必要ないもの、古くなって磨耗したものから廃棄されていくことでその破裂を防がれているとした場合、トラウマってのはその器の壁に決して剥がれないようにこびりついた汚れであり、普段は意識しなくても、無意識に類似した感情を引き寄せてしまう性質の悪いガンであるといえます。そのガンが引き寄せる唯一の特効薬は、共感という悲しく歪んだ想いだけであり、それでも特効薬であるだけに感情の器の中では優先順位の高いものになるのは必然でしょう。
 また、その器の中が一度リセットされてしまった場合、新しく吹き込まれる感情はそのパーセンテージにおいて圧倒的であり、やはり優先順位はかなり高くなると考えられます。
 とまあ、この二人についてはこの説明だけで充分な気はしますね。ついでに書いておくと、主題歌の『内なる雨』が二人のテーマソングとして完璧にリンクしずきていて、聴くたびに頭の中で密の飄然と弧絶した立ち姿が浮かんできてしまいます。。。
 シナリオとしても、紅緒シナリオからよりコミュ世界の深部に入り込んでいき、立場が変化したことで直接敵対する勢力にも変化があって、その辺のメリハリはさすがですし、カゴメと敵対してでも密を救おうとする珍しい主人公の一途さがみられるシナリオなので、個人的にはかなり好きです。

 そしてラストのカゴメシナリオ、流石に圧巻でしたね。
 ここまですべてのシナリオのいいとこ取りをして紡がれた序盤から、繋がりを広げたことでより多層的に発生する問題、そしてここまでのシナリオでさんざん語られた、カゴメの美少女ガーディアンという台詞にこめられた本当の意味がわかったところで急落的に変化する物語、と、エンタメとしての醍醐味をギュっと詰め込んだ贅沢なシナリオになっています。まあテーマを絞り込んでいない分、やや手に負えていない部分も見受けられますが、その辺も圧倒的なボリュームで何とか力押しでねじ伏せ、実に意欲的なシナリオだと思います。
 上で書いたように、主人公の性質からして普通にしている限り、どうしても惹かれていってしまうのは密であることは疑いなく、あからさまに排除すべき存在であると確定した後でもなんとか助けられないかと足掻く主人公の姿はまさしく道化そのものであり、しかもそれを含めた全てが実は守られた世界での煩悶であるという事実を、密の死とカゴメの真実を並列に存在させることで引き出すというダイナミズムは素晴らしく、故にすんなりとカゴメを中心としたシナリオへシフトできているのだと感じましたね。
 明らかになった真実からして、最後の展開はもう約束されたようなものでしたし、果たしてどのように解決するのかな〜とは楽しみにしていたんですけど、でも正直その時点ではこのシナリオの点数24〜5点にするつもりで、まあおそらく最後の展開だけで変化はしないだろうと踏んでいたんです。深層世界とかどうにもご都合っぽい流れになって、ああやっぱりと思っていたんですけど、最後の最後、あの密の使い方は個人的に神過ぎました。。。確かにそれはご都合的ではあるけど、決して何もないところから生まれたものじゃない、そしてそれをなんの衒いもなく体現してくれた密があまりにも神々しくて思わず震えましたね〜。このシーンだけで+3点しちゃいました(笑)。

 だいぶ長くなりましたが、まだ書き足りない印象すらありますね〜。この作品がエロゲ向きの題材でないというイメージは今でも変わりませんけど、でもエロゲでこれをやったからこそ価値があるとも思えてしまって、まだどこかに揺らぐ自分があるのを感じます。時間さえあればもう一周くらいしてから感想書きたかったほどですが、まあいいでしょう。
 決して万人に向くテキスト回しではありませんし、テーマ性も重く、基本的にペシミズムに染まっていてご都合主義を口では否定しながら、結果的に主要なキャラは誰も死なないというお約束を維持してしまっているあたり、批判の切り口は沢山ある作品だとは思いますが、私はこういう作品大好きです。。。

キャラ(20/20)

 シナリオに時間取られすぎたので(笑)、ちょっと控えめにしときましょう。。。
 まあ上を読んでくれれば大体わかると思いますが、一番好きなのは密ですね。何よりその在り方があまりに純で、圧倒的なシナリオ補正あってこそのキャラですが、その噛み合い方が絶妙すぎて印象に焼きついています。その上で、普通にヒロインとしてもかなり可愛いんですよね〜。惜しむらくは、もう一回Hシーン欲しかったなあ・・・。

 真雪もかなり好きなんですけど、どうも真雪が好きというより、テキストから滲み出るロリコン偏愛補正と、ロリアイドル補正のほうが強く効いている気がしなくもないんですよね〜。とはいえ、全てをさらけ出して残った本当の真雪の部分も相当に可愛いですし、普段の捻くれた言動も愛嬌に見えてしまうのが補正の底力。。。

 紅緒はたぶん普通のエロゲだったら一番好きになっていたでしょうね。こういう裏表がなく、真っ直ぐでウブなヒロインとかすごい好きですし、この作品でも当然そういう部分はいいんですけど、ある意味一番テーマの重さに振り回されちゃっているだけに割を食ってしまっている印象です。
 この作品は、普通のエロゲっぽくない明け透けトークが結構あるので、そういう場面での反応の可愛さといったらなかったですけどね(笑)。

 カゴメはパーソナルイメージと裏でやっていることの差異が激しいですよね〜。真実に気付いたとき連想したのはいつ空の此芽で、実際自分の命を削ってまでも裏でひっそり好きな男を支えるとか、ものすごく好きなシチュエーションではあります。けどねえ、どうしても最初のイメージから、そのキャラ設定に合わないんだよなあ・・・。シナリオの色づけとしては完璧なんですけど、それで即ヒロインとして見られるか、と言われると微妙だったりします。まあ嫌いじゃないですけど、当然。

CG(18/20)

 相変わらず癖は強いんですが、るい智のときに比べてかなり上手くなった印象があります。まあまだ時々バランスが悪いのは見受けられるんですけど、はっとするほど可愛いのもかなりあってこれはうれしい誤算でした。特にHシーンの出来がことのほかいいんですよね〜。

 立ち絵はバリエーションも多く、いちいちキャラの反応が面白いです。特に紅緒と夜子は反応が顕著で可愛かったな〜。お気に入りは紅緒の三白眼の怒り顔、白い目、照れ笑顔、真雪の照れ顔、口角あげてのしたり顔、夜子のまん丸目玉の焦り顔、ロンドの自慢顔、アヤヤのデフォルメ凹み顔、密の照れ笑顔あたりでしょうかね。
 一枚絵はデフォルメ・カットイン・アバター含めて140枚弱、それなりの量ですね。
 お気に入りは、廃墟の上で佇むカゴメ、伊沢を熨して勝ち誇るカゴメ、カゴメのお風呂場H3枚目、紅緒の不意打ちのキス、紅緒のHシーンほぼ全部(笑)、特に二回目Hのバックはかなり好き、暴走主人公をビンタで止める紅緒、真雪の正体発覚、真雪を抱き寄せてキス寸前、結奈モードH1、2枚目、密とのキス、Hシーン1、2枚目、みんなでメイド、みんなで飲み屋、我斎を背中から抱きしめる夜子あたりですかね。アバターの中ではエル=アライラーが一番好き。

BGM(19/20)

 作品の雰囲気にしっかりマッチした、素晴らしい出来。
 ボーカル曲は6曲、実に豪華ですが、きちんと使い方を考えられていて無駄打ちではないところがまたよし。
 第一OPにして主題歌の『内なる雨』が神。素晴らしくいい曲です。イントロの切なさ満載の出だしから、Bメロ、サビへの繋ぎが完璧で、特に一番のBメロ後半の歌詞が滅茶苦茶好き。何気に密のテーマ曲でもあり、密ED、カゴメシナリオ終盤の密の見せ場では別バージョンもあり、そちらも秀逸。とにかく魂が揺さぶられる名曲です。
 第二OPの『竜たちノ夢』はコーラスがすごく印象的ないい曲ですが、ややサビが弱い分切迫感が感じられないのが勿体無いですかね〜。
 紅緒EDの『その光』は、まさしく紅緒が最後に辿り着いた境地を綺麗に表現した落ち着いた雰囲気のバラードです。サビのどこか悟ったような印象が感じられる歌い方が上手いですね。まあ曲としては普通。
 真雪EDの『こころのプリズム』は、作中の内容ともリンクしていて、なんとも変身ヒーローものらしい作られたかっこよさを感じますが、それでいてきちんと真雪の心情の変化とも絡めているのが好印象。やや歌唱力が残念な感じですが、個人的にこういう歌結構好き。
 カゴメシナリオ挿入歌の『Live in Despeir』は『内なる雨』の次にお気に入りの、実に荘厳な雰囲気の曲ですね。エル=アライラー戦終盤でかかる曲ですけど、まさしくあの死闘にぴったりですし、歌詞に込められた疑問がそのまま戦っている意味へと繋がっていていい感じです。サビの力強さがお気に入りです。
 カゴメEDの『Run』もいい曲ですね。前に進まない限り、世界は変えられない。それはどんな絶望的な状況であっても変わりない、そんな残酷な世界の真実を、素直に曲に乗せていて、形だけでもご都合主義ではまとめ得ないこの物語の結末として上手く機能しています。

 BGMも戦闘を中心にいい曲が揃っていますね。
 一番好きなのは、『それでも俺たちは繋がる』ですね。散々作品内で使われてきた魔法の言葉、それでも。どんなに個が隔絶しているとしても、それでも繋がりを信じなければ動けないときもある、そういう覚悟めいた気概を孕んだ、すごく重々しい名曲です。
 その他では、『他人は他人』『ギグ』『不意打ち』『形勢逆転』『溢れる想い』あたりが好きです。

システム(9/10)

 演出は良好ですね。
 相変わらずキャラはクルクルと良く動くし、背景と合わせた視点の切り替えがスムーズなのでしっかり臨場感があります。バトルエフェクトはやや単調なものの、それなりの迫力は伴っていますし、まずかっこよく仕上がっているのではないでしょうか。

 システムも問題なし。
 シナリオが長いのでジャンプ機能はありがたい限りだし、概ね使いやすくわかりやすいです。シナリオセレクトが搭載されて、いつでも自分の好きなところからプレイしなおせるのもいいですね〜。
 何より、これだけサクサク動いてシステムも悪くないのに、フルインストール2.6GBで済むって、作品のボリュームも踏まえればすごいと思うんですけど。それこそマジ恋の1/3くらいで、同じくらいのスペックを発揮してくれていますからね〜、ここは評価したいところです。

総合(93/100)

 総プレイ時間、28〜9時間くらいですかね。
 カゴメシナリオだけ別格で長く8時間くらい、アヤヤは完全におまけで2時間弱くらい、それ以外は共通含めて全部4〜5時間くらいでしょうか。なかなかのボリュームで、それでいて展開にメリハリがあるので飽きさせません。
 テキストやテーマ性に圧倒的に好き嫌いが出る題材ですので、体験版プレイは必須ですが、そこで面白いと感じられるなら間違いなく名作になると思います。異色作ではありますが、たまにこういう毛色の違うのがあると個人的にはすごく嬉しくなるんですけどね〜。現時点で今年トップの評価にしてしまいました。。。
posted by クローバー at 09:23| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: