2010年02月03日

星空のメモリア Eternal Heart

 夢とメアのアフターと言われたら、いくらコンテンツ不足だろと思いながらも買わざるをえないよなあ。。。


シナリオ(24/30)

 望まれていた、結末。


 この作品は、夢とメアのアフターストーリー、そして他ヒロインのショートストーリーで構成された、星空のメモリアのFDになります。特に余分なコンテンツは何もなく、ショートストーリーはホントに短くて、本編で紡いだ絆を再確認するという内容でしかないので、基本的にはアフターストーリー二本で勝負、という形の作品ですね。
 最初はメアと夢のアフターしか選択できず、どちらかをクリアするとショートストーリーがクリアできる仕様になっていますが、内容的な部分も考えると、メア→ショート→夢の順番を超・推奨しておきます。

 んでまずはメアシナリオですが、これは本編で唯一とっていいくらい投げっぱなしにされた、飛鳥妹を巡るシナリオを中心として、あらためて二人の絆、周りの大切な友人たちとの絆を確かめる内容になっています。基本的に星天宮寄りの話なので、こももとこさめ、それに雪那の出番がやや多いかなって感じですね。
 相変わらず主人公の周りに集まってくる人間達が織り成す雰囲気は素晴らしく温かいものがありますし、恋人関係になってもメアのあまのじゃくさは中々治らずにもよもよするところとかも楽しいですが、やっぱり白眉は未来と伊麻の再会シーンになりますかね。
 そこに至るまで、如何にもこの主人公らしく理知的に事態を把握し解決に尽力してきて、それでも最後には当事者の想いに託すという流れが実にこの作品らしいところで、計りきれずに行き場を見失った想いが、唯一の還る場所にギリギリで辿り着いた顛末がしっかりおとぎ話である形式を踏襲していて、ここまで土台を固めてくれればそういう部分が鼻につかない、というお手本のような構成だったと思います。まあ手法そのものは本編のそれと変わらないので新鮮味はないですが、この世界観が大好きって人なら間違いなく共感できるでしょう。

 ショート五本はまあ、変わっていく環境や、振り切ったままではいられない想いに対して、改めて二人の絆を確認した上でしっかり前を向いて進んでいく、どれもそういう意味合いの短いシナリオですね。きちんと本編の個別ルートの流れから違和感のない展開になっているし、それはそれで面白いんですが、やっぱりもう少し尺は欲しかったなあと言うのが正直なところですね。
 ちなみに、こさめシナリオは夢の伏線?とかちょっと思ったけど、よくよく考えれば天体活動と太陽の活動は別物か。。。

 そして大本命の夢シナリオですが、これは本編のほうでエピローグという形でだいぶ未来の話が語られているため、内容的にはアフターと言うより、書かれていなかった時期の出来事を綴るストーリーになっています。構成面で言えば、その話は成長した二人の娘・芽愛に対しての昔語りという手法が取られていて、これは既に本編で結末が語られていることを逆手にとっての、最初に安心を提示した上での筋立てであることを敢えて露呈することで、内容に対する説得感を高めているイメージですね。
 要は、ハラハラさせて大団円、ではなく、大団円であることを前提にして、その上で二人の歩みと努力と周りの人たち全ての想いを味わってくださいと言うことだと私は勝手に解釈しました。。。

 夢シナリオを本編から繋ぎ合わせてみると、ストーリーの折り返し点が本編のほぼラストシーンであるメアが還るシーンとなり、すごく大雑把に言うならその部分までは、その比類なき優しさと強さで最後まで主人公を拒絶しきった夢を、主人公とメアが力を合わせて救う話であり、それに対してこのアフターで語られるのは、力を還していなくなってしまったメアを、主人公と夢の二人三脚で取り戻す話となります。
 よって、本質的なテーマ性そのものは変わらないものの、シナリオとしてのスタンスは若干違ってくる部分があり、確かにそれは、本編で一緒くたにして語るには、ボリューム的にもイメージ的にもちょっと荷が重い部分ではあるのかな、という印象です。
 そういう部分がまず如実に現れているのが夢の在り方そのものであり、アフターが始まってすぐの退院のシーンで、自分が生きていることを主人公の胸に抱きとめられて強く実感して涙するシーンは、本編の最後近くで、全てを終わらせて一人病室で慟哭する夢の姿をまさしく裏返しにしたかのような印象を受け、ああ、確かにここからは新しい想いをも内包しての物語なんだと強く感じられます。夢の繰り返しの口癖も、本編では基本的に拒絶的な反応のときにしか使われなかったのが、このアフターでは二人でしか出来ないこと、感じられないこと、二人であることを実感できることに対してしか使っていないというのが、その心情の変化を見事に表しています。

 そういう心情面も踏まえた上で、いきなり感涙の退院シーンにパーティ、そして展望台でのプロポーズと、スタートからググッと惹き付けて止まないシナリオなんですが、内容的には本編のラストで提示される情報の通り、まずメインとなるのはメアの隕石探しになります。メアの存在に対して計り知れない絆を感じている二人が、初めて足並みを揃えて行うに相応しい作業は、作品の内容からして確かにこれしかないですし、二人が本当に幸せになるには、その忘れ物を手にしなければならないという意思の強さは二人共通で、それでいて尚、絆は確かにそこにあると信じて歩める二人の自然体な雰囲気がものすごくしっくりくくだりですね。
 そして、沢山の人たちの支えを経て、努力できる範囲ではこれ以上ないほど努力して、最後の最後にはやはりおとぎ話に回帰して、ようやく隕石を発見することが出来たことで、二人の関係も少しずつ前に進めるようになります。結婚式、妊娠、出産と、言葉にしてしまえば簡単な事柄が、そこまで積み重ねてきたシナリオに内包された想いの分だけ温かく胸に響き、そして、あらたな絆を経て産まれなおしてくる芽愛の存在に辿り着くまでの過程が素晴らしく美しいですね。
 まあ七夕生まれとか出来すぎにも程がありますが、そういう作為的な美しさを許容するからおとぎ話なのであり、けどそれは数多くの人の努力と願いと想いに支えられての奇跡だと理解できるから、読み手としても素直に受け入れられるわけで、そういう土壌を作り上げるのが実に上手いライターさんだと思います。
 ・・・もっとも、芽愛にわざわざ否定的な印象を吐かせているあたり、自分でも綺麗にまとめすぎたとか思ってるんでしょうか(笑)。
 ともあれ、主人公と夢という、数多くの人たちの想いを糾合し内包して、かつそれに潰されずに強さを与え合って生きていける二人が物語の中心に立つことで、初めてこの物語はその本質が求めていたものを形にできたと言えるのではないでしょうか。それはあるいは、本編で求められていたテーマ性の枠を物語が超越して生み出していった部分であり、それをFDという形で補完出来ているのは物語にとってもユーザーにとっても実に幸せなことだなあと個人的には感じましたね。
 
 作品全体としては、どうしたってFDなのでボリューム的に寂しいのは否めませんし、あくまで本編ありきの内容から逸脱するわけではない以上、点数としてはこれくらいに抑えておかないとバランス取れないですかね〜、という判定です。心情的にはもう少し点つけてもいいくらいなんですが。。。
 あと、本編の感想で最後のメアシナリオに蛇足感があるみたいに書きましたけど、あれはあくまでシナリオの完成度の観点から見た意味合いで、心情面では納得できている部分なんです。メアが絆を形にしたいと願ったときに、もっとも強くイメージしたのが家族の絆である以上、メアの立ち位置が家族の中でどの部分に位置づけされるか、あるいはその全てを自分で独り占めしたいという心情は、あるいはメアが夢に対して感じている想いとは相反するのかもしれませんが、それはそれで一つの想いの形だと納得していると言うことです。
 そういう部分は今このFDをプレイしていても強く感じた部分であり、それに改めて思いを馳せたとき、全然関係ないけど「愛してください、あなたに出来る、全てのやり方で」というかにしのの殿子の台詞が頭をよぎって、なんとなくその贅沢さが初めて実感できた気がしました(笑)。


キャラ(20/20)

 ヤヴァイです、夢の可愛さが神降臨なんですけど。。。
 本編ではほとんど泣き顔を見せなかった夢だけに、もう出だしの嬉し涙のシーンで心を鷲掴みにされ、そこからはコロコロと変わる奔放な表情と、時折垣間見せる切ない心情のギャップに踊り狂わされ、おまけに普段はすごく清楚なのに結構Hに積極的で妖艶さまで見せてくれるとか、どんだけ破壊力があると言うんでしょうか。もう笑った顔も怒った顔も恥らっている顔も苦笑いも泣きそうな顔も何もかもが可愛くて仕方ないです。
 勿論本編でパーソナリティの半分以上を抑えこまれていた反動的な可愛さもあるのでしょうけど、それにしたってこれは間違いなくSSクラスの心の震えですよ。流石に衝動的に加えるのはやめたけど、どうせ今年のキャラランキングにはルール上エントリーできないんだし、しぱらく他のゲームやってから舞い戻って、まだこのときめきが持続しているようなら間違いないと踏んで殿堂ヒロイン入りさせることにします。。。

 いや、メアも可愛かったですよ、相変わらずあまのじゃくで背伸びしてばかりで、でも甘えん坊で、それでも少しずつ成長していってる過程も見られましたしね。でもごめん、全て夢に食われてしまいました。
 明日歩も犬っぽさは健在で、みんなの愛玩キャラの立ち位置は相変わらず、それでも天クル部長として立派に務めているシーンも多くて、その一生懸命さがやっぱり一番の魅力だなあと再確認しました。
 そしてやっぱり姫榊姉妹もいいキャラですよね〜。流石に一作品から五人もエントリーするのどうかと去年のキャラランキングでは自重してしまったけど、妙にこの二人は気に入っています。スタンスは違えど、二人とも友達思いの意地っ張りですから、すごく立ち位置的にも天クルという集団でバランスが取れていますよね。
 ちなみにやっぱり千波の声変わったみたいです。ウザくない千波は千波じゃない気もするし、これはこれで可愛いからいいかと思わなくもないし、どちらにせよ途中で変更ってのはキャラにとってはあまりいいことないですねぇ。藤森さん結構好きだから私は割り切って楽しんだけど。

 大人たちもそれぞれが自分の大切な思いを子供達に託して見守るスタンスを変えず、自分たちでは駄目だ駄目だといいつつもしっかり大人の責任は果たしているから、シナリオに安心感があるんだろうなと感じます。そして初登場の姫榊パパかっこ良過ぎ。。。
 この作品のキャラを本当に大きく括るなら、天クル、という部活をくびきとしたつながり、と考えるのが一番自然で、そう考えると本編共通ルートが廃部阻止の話であったのも、図らずも絆を繋ぎとめるための行動という観点で見ることが出来て、けどそれを主人公が行動に移すための根本的な部分は夢との交流にある、というのがこのシナリオの人間相関図の最大のミソですよね。


CG(18/20)

 まあ正直枚数的には物足りないですし、新規立ち絵とかもメアと夢以外には用意されていませんし、本編と同じ点数つけるのはどうかな〜とも思うんですが、でも夢の出来が抜群すぎるんです。。。夢だけで判定するなら満点なんです。だからまあいいかなって(笑)。

 ちなみに立ち絵については、メアと夢の新規分ってのが、単純に使われてなかっただけなのか書き下ろされたのかはわからないですが、いくつか見たことないのがあったのは確かですね。
 キャラ感想で書いたとおり、夢の立ち絵はどれもこれもが可愛すぎて困っちゃうんですが、本編であまり見なかったという点を踏まえると、泣き顔、恥じらい顔、苦笑いあたりが特にいいですね。笑顔についても、特に絵そのものには変わりはないんでしょうが、本編での如何にも張り付いた笑顔という印象が、今回は心からの笑顔に見えてくるのが不思議ですよね〜。
 メアの立ち絵の可愛さも相変わらず絶品ですし、個人的には明日歩のギャグ泣きが何回か出てきたのでそれも満足です。

 一枚絵は、夢とメア以外はほとんどないに等しいですし、メアは伊麻のほうに枚数持っていかれている分少ないですし、全体的にもかなり少ないんですが、でも夢の出来だけはあまりにも素晴らしいと思うんですよね〜。
 どれがお気に入りって、正直これはイマイチ・・・ってのすら一つもないという奇跡的な出来事なんですが、その中から断腸の思いで厳選するなら、まずは退院のシーン、あの泣き笑いはあまりに心を揺さぶりすぎます。次に展望台でのプロポーズ、夢の表情も抜群ですが、個人的には背中に回された手の印象が、この華奢な背中を絶対に守っていくと言う強さを感じてすごく好きです。最後にエピローグの芽愛を抱いて微笑む夢、この一枚こそがこのシナリオの全てであるといてもいいんじゃない、ってくらい、絵から滲み出る雰囲気が最高です。
 ちなみにHシーンすら全部好きなんですけど。。。その中から一つだけ選ぶなら、やっぱり制服騎乗位かな〜。つか明日歩の借り物制服汚しまくっていいんですか、と突っ込みたくなるシーンですが、妖艶さと愛らしさを交互に見せる夢があまりにエロ可愛すぎます。

 その他夢以外では、プールで泳ぐメア、明日歩後背位、こさめ後背位、展望台で対峙する伊麻とこもも、未来と伊麻の再会あたりが好きですね。


BGM(15/20)

 BGMに関しては、元がいいのである程度の点数は保障されているわけですが、新規のBGMは新規ボーカルのアレンジしかないのでやや物足りないところです。
 新規ボーカル曲は三曲。
 OPの『Kaleidscope』は妙に明るい印象が強く、本編のOPに比べると玄妙さが大幅に失われてしまっているかな、って思うし、曲としてもそこまで好きにはならなかったですかね〜。まあ一面的にはFD的なイチャイチャらしさのアピールとも言えるのでしょうが、本質的にはやっぱりそうじゃないんじゃないかな〜と感じてしまいます。
 夢EDの『宙のヒカリ』は中々いい曲ですね。特に曲の最初と最後のしんみりした雰囲気が気に入ってます。全体的にはハッピーエンドの曲として明るさを基調としながら、時々ここまでの道筋を噛み締めるような感じがするのがらしくていいと思います。
 メアEDの『冬のダイヤモンド』は、追加シナリオの雰囲気にぴったりの入りで、雪と星空という基本的には相反する記号が同時に存在するという幻想的なイメージを上手く引き出している曲だと思います。まあ曲としてはそこまで好きじゃないですけどね。

 BGMについては書くほどのことはないかなあ。相変わらず『ふたりの未来』は神曲過ぎるんだけど、今回の内容だと使いどころがなかったってのが勿体無いところ。二回くらい使われてたけど、いや、そのシーンに使うのは少し違うのでは、とか思っていながら聞き惚れていました(笑)。


システム(9/10)

 演出・システムとも本編と変わりなし。起動するPC変えたから動作もスムーズだし問題ありませんね。


総合(86/100)

 総プレイ時間、9時間くらいかな。メアが3時間、夢が3.5時間、ショートが一人30分で2.5時間といったところです。まあ値段を考えるとコストパフォーマンスがいいとは絶対に言えませんが、普通のイチャラブオンリーのFDに比べれば質的な部分ではかなり充実していたとは思うので、個人的には大満足なんですけどどうなんでしょうね。
 点数的にもあからさまに信者っぽさが滲み出ていますが、仕方ないじゃないですか、好きなんですよ星空のメモリアワールド。。。まあ少なくとも、ファンの期待は裏切らない内容であったとは断言しておきます。
posted by クローバー at 07:54| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: