2010年06月05日

置き場がない!

もう情報の発表当時から死ぬほど楽しみだった、今年の上半期の生き甲斐になっていた作品です。


シナリオ(27/30)

 命を守るということは。


 主人公は温和な学生、学園では園芸部に所属、普段は幼馴染の恋歌(実家は町の名士で大金持ち)や銀ちゃん(本名が銀行みたいなので銀ちゃん、たぶんに語呂の問題。。。)と楽しく過ごし、生徒会長の天音やクラス担任の鳩子とも交友があって、基本的に大きな変化のない穏やかな日常を過ごしていました。

 そんなある日、幼馴染三人で恋歌の実家の所有する裏山に登ったとき、なんと突然空から巨大ロボットが降ってきます。
 そのロボットは全長20mあまり、しかしその巨体と外見に似合わないコミカルな動きと人間くさい表情から、主人公はすぐに彼とは友達になれると確信し、危険だから止めようと止める恋歌を差し置いて近づいていきます。
 彼は会話こそ出来なかったものの、ボディランゲージなどで意思の疎通は出来、結果として彼が宇宙で事故にあって地球に墜落し、そしてしばらくは帰れないということが判明します。そんな彼、銀ちゃんによってヤルセナイザー(やるせない顔でたそがれていたから)と名付けられたロボットを助けるべく、主人公は奔走を始めます。

 実は主人公には、幼い頃に近所で拾った小さな犬をすぐに死なせてしまったという体験があり、その時の反省と後悔から、決して困っている人や動物を見捨てることなく、そしていざそういう場面に出くわしたときには、普段の温和さをかなぐり捨てて果断に必死に奔走するような性格が形成されていたのでした。

 とはいえ一介の学生である主人公に大きな力があるわけもなく、とりあえず自宅へ連れて帰ったものの、当然のように母親から大反対を食らいます。常識的に考えても、ヤルセナイザーの巨体は狭い日本の住宅事情には全くそぐわず、そのこと自体は納得した主人公はしばらく家にヤルセナイザーを置いて、彼の置き場探しに奔走するのですが、その途中でヤルセナイザーが家から動いてしまって大騒動、危うく警察沙汰になりそうになってしまい、ヤルセナイザーと合流した主人公は慌てて逃げ出します。
 なんとか目立たないところに隠れたものの今後の先行きが経たず、でもヤルセナイザーを見捨てたくない主人公、そんな主人公の頑固さと優しさを誰よりも知っている恋歌が折れ、彼が落ちてきた実家の裏山に住んでいいと約束してくれます。
 その恋歌の温情に感激して、土下座せんばかりに頭を下げたヤルセナイザー、するとそのはずみに、今まで墜落のショックで歪んでいて開けられなかったコックピットへのハッチが開き、その中から小柄で可愛らしい女の子が飛び出してきます。

 出てきた女の子は普通に会話することが出来、自分はヤルセナイザーの有機的生態コンピューターで、妹のような存在であると名乗り、今までの経緯も全部知っていて、主人公たちに深い感謝の念を示します。とりあえず彼女にもシャノンという名前をつけた主人公たちは、ヤルセナイザーを裏山に隠し、シャノンを連れて主人公の家に戻ります。
 事情を話して、今度はシャノンを家に住まわせてもいいと母親の了解を貰い、あらためてここまでの経緯をシャノンの口から説明してもらいます。それによると、彼らは宇宙の調査任務からの帰還途中に隕石にぶつかるという事故に遭いこの地球に墜落してきたこと、そして事故修復機能を駆使しても完全に治るには数ヶ月単位の時間が必要なことになります。
 当然そんな境遇にある二人を主人公が放っておけるはずもなく、修復が完了するまでは二人のことは守ると宣言し、その温情に感激した二人は、地球での生活のサポートとして主人公をパイロットとして登録し、かくして新たな友人二人を加えた生活がスタートします。

 巨大ロボットというイメージから大きく外れ、ヤルセナイザーとシャノンはとても温厚で平和主義者、そして好奇心が強く、そんな彼らの感性は主人公にぴったりマッチしたこともあって、急速に仲良くなって生きます。時にはヤルセナイザーの持つ巨大な力が、意図しない形で周囲に迷惑を振りまいてしまったりと騒動も起こりますが、少しずつ経験から慎重に行動することを覚えていき、二人の存在は地域住民にも馴染み始めます。
 しかしその存在が明らかになるにつれ、その巨大な力に目をつける人も現れます。最初は生徒会長の天音、次いでその姉である春菜、更にはクラス担任でいくつもの博士号を持つ科学の申し子の鳩子などが、主人公とヤルセナイザーの力を狙って色々と画策、おかげで主人公の身の回りは日々騒動が絶えない事になってしまいます。
 果たして主人公は、修復を終えて宇宙へ帰っていくその日まで、ヤルセナイザーとシャノンの平穏を守ることが出来るのか。これはそんな、強大な力を前にしても、それ以上に大切な絆を守るために一本気を貫く主人公の物語です。


 あらすじはこんなところですね。
 今までの健速作品とは違ってコメディ風だと聞いていた割に体験版は普通だったからどうなのかな〜と思っていましたが、確かに今までより柔軟性のある部分やコミカルな描写は増えたものの、基本的にはいつもの健速節が炸裂していて、個人的にはそれで大満足ですね。
 全体的にコメディというよりは漫談、といったほうがしっくりくるようなお約束的笑いを引き出してくる場面が多かったように思いますが、笑いをまぶして薄めていても、あくまでもシナリオの根幹となる部分には揺るぎがなく、そのあたりのバランスもきちんと配慮されている感じで、読みやすくわかりやすく出来ていると思います。
 
 主人公は相変わらずの健速主人公としか言いようがない、理知的で温和で、でもやるときはやるタイプですね。トラウマ持ちの部分は今回は味付け程度、振る舞いも時には力に惑わされてブレたりと、シナリオのテンションを壊さない程度には弱体化(という言い方もどうかと思うけど)していて、いわば健速主人公見習いみたいな感じですが、シナリオを通じて成長していきます。
 この作品の一つの大きなテーマは、強大な力の揮い方と、そして力を揮うことに対する気配りと覚悟の心構えを説いていて、それをヤルセナイザーの行動の指針を与える場面で選択肢として読み手に選択させることで、主人公の成長度合いを変化させ、またその結果として大きくかかわることになるヒロインを変化させます。

 この作品の選択肢は、力の振る舞いに対するモラルに関するものと、普通にヒロイン選択のものが交互に出てくるのですが、実はヒロイン選択のそれはダミーで、そこで何を選ぼうとも、結果としてモラルの水準によってヒロインが取捨されることになります。
 このあたりの構成は、恋愛関係の成立に必要な要素を現実的に意識したものだと解釈しています。普通この手のADV作品は、とにかく一緒にいる時間を長くすればそれだけで関係が成立してしまいますが、現実的に考えると、いくら一緒にいたとしても、そこから恋愛関係に至るにはきっかけが必要なのは当然で、まあそれは一緒いる時間が多ければそれを得る可能性も高いのは確かですが、単純にそれが全てというわけではありません。
 だから、というべきか、ADV作品の幼馴染という関係は、本来一緒にいればなんとかなってしまう関係に一つアクションを加えないと物語が進展しないという難しさがあり、それが幼馴染シナリオを平均的に凡庸にしてしまう一つの本質的要素だと思っています。

 閑話休題。

 とにかく、恋愛関係に至るもっとも大切な要素の一つは、共感、なんですよね、きっと。
 相手のことをわかった、あるいは自分のことをわかってもらえた、そういう互いを受け入れられた感覚があって初めて、相手のことを他人とは違う大切な存在なのではないかと意識し始めるわけで、勿論それだけでは友情とも変わりはないので他にもいくつか要素はあるでしょうけど、この作品で重視されているのはそのきっかけの部分になります。
 というのも、基本的に主人公は最初からモテモテですし、だけどみんな自分から強気にアプローチしてくるタイプではないから、おのずと主人公の意識の変化に関係の変化が委ねられているわけですね。そして、共通のシナリオの中で主人公の力の揮い方に対する意識が選択肢の差異によって微妙に変化し、その感性をヒロインと共感することがきっかけで恋愛関係に発展するきっかけとなる、というのがこの作品の意図するところなんだと思います。

 力を不用意に振舞うことの怖さで共感した鳩子シナリオ。
 力を揮わないことも選択肢の一つで、それをみんなで考えようという天音の思想に共感した天音シナリオ。
 力を敢えて揮わないという選択を自己で成し得たことによって精神的に成長した主人公の在り方に共感した恋歌シナリオ。
 そして、力を揮うことで引き起こすマイナスの要素を全て受け入れてでも、心のままに大切なものを守るためだけには力を揮うという決意に共感したシャノンシナリオ。

 これはあくまで私の解釈ですし、単純にシナリオに内包されている要素はそれだけではないのですが、少なくとも選択肢の意義に関する考え方はこれで間違っていないと思うし、そこまで綿密に構成されていることがもうさすがとしか言いようがなく、実に私の感性にぴったりくるんですよね〜。
 そして、もう少し単純に考えれば、

 ・力は持っていても揮い方を知らず、常に孤独だった鳩子シナリオ=主人公と鳩子の関係が中心のシナリオ
 ・生徒会という枠、つまり仲間を守るというスタンスの天音シナリオ=学園生を中心としたシナリオ
 ・二人に良くしてくれた町の人間と、最後まで平和に過ごす恋歌シナリオ=町の人間を中心としたシナリオ
 ・困っている人を救いたいという思いが、世界の危機に至るシャノンシナリオ=世界を中心としたシナリオ

 という感じで、主人公の力の揮い方に対する覚悟の度合いによって、守ることの出来る範囲が拡大され、そしてそれはそれぞれのヒロインの立場ともフィットしているということになります。
 こんな感じに、とにかくこの作品は枠組みの部分でものすごく考えられていて、その分余計な説明や展開が不要である分やや淡白な印象もあるものの、語るべきことはきちんと語っているという、すごく効率のいい作品になっています。

 とまあ、構成に関する賛嘆はこのくらいにしておいて、個々のシナリオについても少しは語っておきましょう。
 上で書いたように、構成段階で関係性と意識水準がある程度決定されてしまっているため、個別シナリオにだけ関して言えば出来の差は厳然としてあります。私の評価としては単純にモラリティの高い順、ということになりますが、しかしシャノンシナリオだけはやはり別格でしたね。
 シャノンについては後で語るとして、他三人をサラッと書いてしまうと、鳩子シナリオに関しては流石に主人公・ヒロインとも子供っぽさが強く出ているシナリオだなあと。
 おそらくこの作品は意識的に、実年齢と精神年齢を等差的に反転させているのでしょうし、そこには色々と言葉でははっきり語りにくいメッセージが込められているようにも思えるのですが、それはともかく、基本二人の関係の殻に閉じこもってしまうし、くっつくまでの展開も後半の展開もやや強引さが目立ちました。
 天音シナリオは、力を揮うことに対しての二人三脚の前提がまずあって、そうやって足並みを揃えることで二人の意識も揃っていく、という過程がまず卓越しており、 一貫して最後までそれが生きているのがいいですよね。
 恋歌シナリオはまず、上でチラッと書いた幼馴染シナリオの弊害を、ヒロインの意識でなく主人公の意識が変化するという方法論を明確に打ち出すことで、その流れとしてわかりやすく解決しています。そのための伏線もきちんと序盤から引かれているし、まずここで一つ膝を打つこと疑いなしですね。
 そしてこのシナリオは、とにかく“何もない”ことが一番大切で幸せなことなんだというのを体現しており、だからこそラストでは、前二人のシナリオでは慌しかったシャノン&ヤルセナイザーとの別れをしっかりと書けており、そこに至るために特別何をしたわけでなくても、力を揮わないという意識的な選択が最後まで平穏を維持できたというイメージがすっきり伝わってくる名シナリオです。

 そしてシャノンシナリオは神でした。
 この作品、結構な部分で語られない伏線、ってのがあるんですよね。
 それはあくまで、健速さんが書いているんだから、意味のない記述や理由のない出来事はないはずだという信頼の目を持って初めて見えてくる部分でもあるかと思うんですが、そうでなくてもふっと疑問に思うことはあると思います。
 例えば、なぜシャノンはいきなりこの国の言葉を喋ることが出来たのか。なぜ絶対服従という制約があるパイロットシステムを不用意に選択できるのか。また天音シナリオにおける突然の回復の謎や、助けに来た宇宙船の存在など、とにかく作品全体を通してみるといくつも不可思議な部分はあるんですよね。
 だから当然、そう言う部分に答えをもたらした上で、本来ならば別れを前提としているシャノンとの関係をどうにかする展開が待っているんだろうと期待していたんですが、それに予想以上に素晴らしく応えてくれました。
 シャノンとの関係を進展させる展開、覚悟して力を揮ったとはいえ、予想以上の波紋に翻弄される中で、それでも本当に大切なものだけはなんとしてでも守ろうとする崇高な意思、そして全地球規模にまで発展した物語と解決、どこをとってもエンタメとして、恋愛ものとして、友情ものとして、最高水準の出来でした。元々私はシャノンに一目惚れした経緯があるので期待は大きかったですが、一番好きなヒロインで最高の物語を展開してくれる、これ以上の至福はないですね。

 ともかく、ぶっちゃけシャノンシナリオだけで満点でもいいんじゃね?とは思わなくもなかったんですが、構成的なイメージを重視したからとはいえ、やはり天音と鳩子、特に鳩子のシナリオに関してはちょっとどうかな〜と思ってしまう部分もあったし、敢えて言うならそこだけが減点対象かな、ってところです。
 まあ信者補正がかかっているのは自分でも否定は出来ないんですが、ボリューム的にもそこそこコンパクトだし、真面目一辺倒って感じでもないし、今までの健速作品よりは間口が広いんじゃないかなと。それでいて従来の信者も唸らせる斬新な手法といつもの健速節も健在ですから、まあ褒め称えるしかないよなあと。。。
 あ、書き忘れましたけど、シャノンは絶対ラストにプレイしたほうがいいですよ。というか、シャノンを最初にやったら他のシナリオ出来ないよこれ(笑)。


キャラ(20/20) 

 あああああシャノン可愛いよ可愛いよシャノン。。。
 体験版で寸止めを食らったせいもあって、この一週間というもの頭の中がシャノン一色です。もうとにかく可愛くて可愛くて仕方がないです。明るくて前向きで好奇心が強くて愛らしくて一生懸命で健気で優しくて芯が強くて、でもそんな記号的な言葉の羅列では表現できないくらい、一挙手一投足の機微がもうぐあああああああ脳がとろける〜〜〜〜〜、って感じです(笑)。現時点で確定は出来ないけど、歴代トップ5に入るんじゃないですかねこの魅力は。
 そして共通や他ヒロインのシナリオでも充分すぎるほど可愛いのに、自分のシナリオの愛らしさときたらまた三段くらいブーストがかかっていて死にます。「ましゅたぁ・・・、わたしのましゅたぁ・・・」とか囁かれたら死にます。OP画面で「もらってください、マスター♪」と言われるだけでときめいて、これを聞かないと家から出られません。。。
 とにかく、キャラデザインからして一目惚れ、性格も最高、シナリオ補正もこれ以上ない水準ですからね〜。もうシャノンに出会えた幸せだけで今年一年は生きていけそうな気がします(笑)。本当にごちそうさまでした。

 そしてヤルちゃんも最高ですね〜。こっちもかっこいい男キャラ筆頭候補です。
 基本的にみんなを見守る立場ですが、とにかくお茶目で好奇心が強くて挙動が一々面白かったですね。主人公との関係、シャノンとの関係、どちらもすごく居心地の良さを感じる柔らかさと暖かさに満ちていて、シャノンに怒られてしゅんとしているところとかコミカルで可愛すぎるでしょ、って感じです。
 当然彼もやるべきときにはやる男ですし、シナリオの要所要所での活躍はすごく目を見張りました。主人公と違って能動的にはなれないというだけで、すごく一心同体な印象があり、むしろ主人公がシャノンに対して感じていた服従の壁を全く感じさせないシンクロニティが彼の真の優しさだと見えたときの感動は一入ですね。

 他ヒロインでは恋歌と天音が同じくらいに好きかな。どちらも恋に臆病なところを強気の仮面で隠していて、それでいながらすごく女の子然としていて魅力的でした。
 銀ちゃんなんかは、この人の作品では珍しい、かなり三枚目に徹したキャラですけど、単に物語の盛り上げ役というのではなく、きちんとそこにいる確固たる理由があるし、どうしてもテキストから滲み出てしまう生真面目の雰囲気を上手く払拭するのに大活躍でしたね。


CG(20/20)

 ヤバイ、超出来がいい。元々有葉さんの絵は大好きだけど、手が速い分か結構ムラはあるほうだと思っているので、この水準の高さは感動的です。特にシャノンの出来が凄まじいのが私にとっては涙が出るほど嬉しい。。。

 立ち絵に関しては申し分なしですね。とにかく差分は多いし、一つ一つの表情も出来がいいし、漫符をふんだんに使ったコミカルなものも充実していて、とにかく眺めているだけで飽きないレベルの愛らしさです。
 そしてシャノンの可愛さはこれはマジでヤバイ。ぶっちゃけどれが可愛いとかいうレベルではなく、全てがアルティメットに可愛いと言っていいんじゃないかってくらい好みです。その中でも特に厳選して、って言うなら、口元だけ笑えてない苦笑顔、漫符つきの大激怒、><での泣き顔、☆マーク入りのキラキラ笑顔あたりですかね。
 その他では、恋歌は優しげな笑顔、半月目での怒り顔、キラキラ照れ顔、大泣き顔、天音はたくらみ顔、横向き笑顔、蒸気の出ている照れ顔、焦り顔、鳩子は鳩ちゃんバージョンの笑顔、おねだり顔、銀ちゃんの顎に手を当てての男の生き様顔(笑)、まりあちゃんのイタズラ顔、あとフェイスウィンドウだけだけど、ヤルちゃんのびっくり顔、落ち込み顔、キラキラ笑顔、冷やかし笑顔あたりは好きですね〜。

 一枚絵も水準が高いです。ロボ絵もそれなりにあるせいか全体の枚数もかなり多く、それでいて質が素晴らしいので大満足です。
 抜群のお気に入りは3枚。いや、全部シャノンなんですけどね(笑)。
 一枚目は別れを告げる最初で最後の命令シーン。あのシーンの全身全霊で愛情を伝えて引き止めようとする必死さがビンビンに伝わってくる、想いが一点だけに集約された澄み切った美しさを兼ね備えた悲しみの表情、これは素晴らしいにも程があるって感じです。もう切な過ぎる。。。
 二枚目は、無人島での焚き火のシーン。地味なんですけど、このシーンに塗り込められたやるせなさ、切なさ、愛おしさは並じゃないですね。特に主人公の肩に顔を持たせかけているシャノンの、喜びと切なさが入り混じった表情は、その寄り掛かっている角度の絶妙さと相俟って最高です。
 三枚目はシャノンとの初Hシーンの一枚目。こぉのシャノンはもう、か〜わ〜い〜い〜としか言いようがない。この本懐を遂げた清々しさと、それでも隠し切れない羞恥、そして何より滲み出る喜びの感情が一体となっていて見ているだけで幸せになれます。その上ボディラインの造形が完璧に過ぎる。あまりに私好みの完璧さに眩暈がしたくらいです。

 その他も、特別水準で取り上げてもいいかもってくらい可愛い絵柄は沢山あって、むしろ書き込むのが大変なくらいですね〜。
 とりあえずページ順に列挙すると、正座するヤルちゃん、シャノン初登場、椅子に座る不適な天音、ヤルちゃんの崖掃除、たい焼きを頬張るシャノン、空を飛ぶ銀ちゃん、だらけるヤルちゃんとまりあちゃんと怒るシャノン、コックピットの凛々しいシャノン、胸に飛び込んで愛情を示すシャノン(布団に潜ったとこが特に好き)、スク水でお風呂、スク水騎乗位、必殺技ヤルちゃん(必死な顔が最高)、永遠の別れを前に、シャノンの慟哭、再会の抱擁、寄り添って帰還、れんちゃんと初H正常位、体育座りのヤルちゃんと真面目顔シャノン、みんなで山登り、銀ちゃんとヤルちゃんの野球対決、激怒する主人公、主人公とヤルちゃん最後の語らい、天音と水着で抱き合い、水着で膝枕、天音とキス、海上救出するヤルちゃん、大漁旗を纏ったヤルちゃん、天音と初H一枚目、ヤルコレ腕相撲、鳩子の浴衣、緊縛ローションH1、2枚目、二人三脚でヤルちゃんと対決、ヤルちゃん&シャノンとの別れあたりですね。うわなげぇ。。。


BGM(18/20)

 数が多くて玉石混交ですが、飛びぬけていいのはなくても平均的に聞き応えのある出来かなと。
 ボーカル曲は3曲。
 OPの『獣になれ!』はわかりやすく熱い名曲ですね。イントロとか、サビへの繋ぎとかの音の使い方が無茶苦茶かっこよくて、メロディラインも力強さが前面に出ていて、かなりお気に入りです。
 EDの『一番星と君と』もなかなかいい曲ですね。いつまでも寄り添って歩くんだってイメージが、サビの膨らみでしっかり増幅されたまま余韻となって流れていって、すごく清々しい曲です。
 ヤルセナイザー音頭は・・・、特にコメントなしで(笑)。

 BGMもそこそこ好きだなってのが結構いっぱいあります。
 地味だけど好きなのが『宇宙を目指して』。宇宙という空間の神秘性と無限の広がりがイメージできる曲で、だいたいコックピットのシーンで使われるんですが、普段惚けた感じのヤルちゃんの本当の在り方と力を意識させる点での怖さも感じさせる曲ですね。
 あとこれも曲としては地味なんだけど、『銀の河を越えて・・・』はかかるシーンがすごく印象的。シャノンとの出会いのシーン、通じるはずのなかった想いが伝わったシーンなど、特にシャノンに関する場面でよく出てくるので、その分割り増しされているかもしれませんが、遠いところからゆっくり手を伸ばしているようなイメージがすごく好きです。
 その他では、『守衛の傾き』『青の架け橋』『うぇ〜いくあ〜っぷっ!!』『Previous Notice』『諸手を挙げて』『ダッシュ―奪取』『天の川』あたりが好きですね。


システム(8/10)

 演出は相変わらず水準は高いですし、その中でも少しずつ進歩もみられていい感じです。
 特別これだって感じのものはないんですが、きちんとシナリオをサポートする形で動かしていて、カットインなども多用して難しいバトルシーンなどもわかりやすくまとめられていると思います。

 システムも特に問題はないですね。
 全体的に少し軽くなったのは作品のボリュームの関係ですかね?スキップもそこそこ速いし、後ろ向きだけとはいえ選択肢ジャンプもあり、何気にジャンプしたところからもう一つ戻れる機能は嬉しい限り。


総合(93/100)

 総プレイ時間20時間弱。共通が5時間ちょっと、個別がシャノン以外が3時間、シャノンが5時間というところですね。
 印象としては、とにかく無駄がない。語るべきことはしっかり語っているのに、無意味に尺を引き伸ばしたりせず、ポンポンとシナリオが展開する上、構成が滅茶苦茶しっかりしているのでとても読みやすいです。それでいていつものように強いメッセージ性は健在、その上で強い感動を引き起こす手法も健在と、ますますストーリーテイラーとしての手腕を高めたのではと感じされる秀作ですね。
 どうしても本質的な部分で噛み合わない人はいるでしょうし、いつもながら万人向けとは書けないんですが、個人的には大絶賛の内容でした。
posted by クローバー at 06:21| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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