2010年11月07日

キサラギGOLD★STAR

 ナツユメがとても面白かったのと、さやえんどうに絶賛一目惚れしたので、とても期待して待ってました。


シナリオ(20/30)

 変わっていっても、変わってはいけないもの。


 とある長屋に居を構える、六人組の幼馴染のグループがありました。
 普通は年を経ていくごとに疎遠になっていくのが普通の幼馴染の関係、しかし彼らはずっと昔から今の今まで、いつも一緒に行動し、笑い、時には喧嘩しながらも過ごしてきました。
 いったんは上の学校に上がるときに離れ離れになりかかった六人ですが、主人公が通う更衣学園が一芸による特待生を募集することになり、それぞれが芸術肌で得意な技能を持つ他の五人が編入するという形で、また六人の絆はつながれていったのです。

 声楽の道を志す沙弥。
 奏楽の道を志す翼。
 剣道の道を志すいちか。
 美術の道を志す命。
 服飾の道を志す瞳。

 彼らはそれぞれ、その才能と夢の眩しさによって良くも悪くも人を惹きつける存在であり、それは本質的に伝統を重んじる更衣学園の学風にそぐわないもので、そうした風当たりはいつしか六人のまとめ役と衆目一致している主人公に向かってくることになります。
 彼ら五人とは違って、特に夢も将来の希望も曖昧な主人公は、周りのみんなをフォローすることで充足しており、いつまでもこの関係が続けばいいと漠然と考えていますが、しかし特待生という立場は危ういもので、今年度から特待生制度と合わせて大々的に開催されることになっている月詠祭で目立った結果を残さなければ特待生資格の取り消しも有り得ると担任に仄めかされます。

 時を同じくして、主人公たちの身の回りにもちょっとした問題が持ち上がっていました。
 これまで六人の絆の証として、いつ手に入れたのか漠然としていながらみんなが大切にしていた腕輪が、主人公のそれを除いて突然発光するなどの現象を発生させ、大切なものとはいえ全くルーツがわからないのも気持ちが悪いと、主人公は率先してその不思議な腕輪の出所と効力について調査することになります。
 調べを進めていくうちに、それは過去の記憶のどこかに眠っていると主人公は確信を強めるようになり、そのキーとなるのが幼い頃に埋めたタイムカプセルにあるのではという印象が強くなったため、当時の足跡を辿って、街の川向こうにある謎の施設の敷地に六人全員で向かうことになります。
 そこで六人が見たものは、池の中に影を落とした月の中から出てきたような、古風な格好をした謎の女性でした。
 彼女は六人との再会を懐かしみ、そしてかつて六人に託した腕輪の効力がもうすぐ、具体的には次の十三夜の夜までには切れること、しかし幼い頃に腕輪に託した願いを、今度は自身の力でしっかりと掴み取ることが出来れば、その輝きは一際強くなること、そして六人全員の願いが叶ったときには、六人の絆も決して途切れない強固なものになるなど、様々な謎掛けのような台詞を口にしたあとに、また忽然と空の中に溶け込むように消えていくのでした。

 謎の女性と再会したことで、確かに幼い頃、タイムカプセルを埋めにいった頃に彼女と会っていて腕輪を貰ったことをなんとなく思い出す一同ですが、やはりその印象は漠然としていて、詳細は曖昧なままです。
 とはいえ、彼女の残した言葉は何故か説得力があり、六人はそれぞれが抱えている問題に、原点に立ち返ってしっかりと向き合うことを考え、そしてさしあたりそれを主人公は全力でサポートしていくことで、一先ずの結論とするのでした。
 果たして彼らは奮闘の末、本物の輝きと絆を手にすることが出来るのでしょうか?


 と、あらすじはこんな感じですね。
 ここまでが体験版及びプロローグ部分で、以降は主人公がヒロインを手助けをしていく中で関係性が進展し、そしてそのヒロインが抱える問題と対峙して・・・的な普通の物語になりますが、マップ移動選択型のシナリオにきちっと即する形で主人公の行動がリンクしているのは心情的にもわかりやすく、メリハリのある作りになっていると思いました。

 この物語においては、御伽噺のかぐや姫のような、月の世界の住人が存在することを想定しており、幼い頃に彼らが遭遇したのもその一族という設定になっています。そして六人が当時に貰った腕輪は、それそのものには大した力はないものの月の力が宿っていて、当人の強い想いを後押しする役割を果たしてきました。主人公を除く五人がそれぞれ芸術肌の才能を開花させているのも偶然とは言いがたい一致であり、本人達もそのおまじないめいた効果をどこか信奉しているところがあります。
 故にその効力がもうすぐ切れると言われて心穏やかではなく、またそれぞれが特待生という立場で抱えている問題と相俟って、一人では抱えきれないほどの大きな問題になっていく中で、主人公との助け合いを通じて新たな一面を見出し心惹かれていく、というのがシナリオの基本パターンになりますね。

 なので、程度の差はあれどのシナリオもファンタジックな要素が盛り込まれていますが、あまりそれを乱用せず、出来る限りは人の力で問題を解決できるように自制している雰囲気のあるシナリオで、逆にここぞというところでだけそれを使っているので印象は良く、全体的に良くまとまっていると思います。
 
 個別シナリオで一番良かったのは命ですかね。
 ずっと色々なものを抱え込んできた命の想いをずっと見守り続けてきたもう一つの想い、その有り処を巡っていくのと関連して表沙汰になる真実、そういった諸々としっかり向き合うことで、本当に欲しかったものを手に入れるという形式は、まあパーツとしてはありがちなんですがすごく構成の順序が良くて面白かったです。
 
 翼はヒロインの中で唯一最初から主人公にぞっこんラブなのを表に出していたので、関係性の構築という意味では一番しっくりくるキャラですし、イチャラブの濃度の高さは屈指で、絵の愛らしさとの相乗効果でなんかすごいことになってました。。。
 物語としては、才能の置き所が一つのポイントなんですかね、公の栄誉と本当に守りたい大切なもの、それがどうしても両立できない場面において、原点に立ち返った選択をするというのは中々難しいことだとは思いますが、その辺を腕輪の問題と絡めて上手く処理していると思います。

 いちかは存在からして一番月の力の恩恵を受けているため、沙弥とは別の意味でファンタジックな要素が強いシナリオになっていますね。これも義理の兄妹のシナリオとしてはオーソドックスな、兄妹・家族としての絆を壊してまで関係性を進展させていいのか、という躊躇の部分に比重がかかったシナリオですが、その想いを支えているのが自身のそれだけではないという状況で、変わっていく想いと変わらない想いの相克を擬人化して綺麗にまとめていると思います。

 沙弥についてはそもそも存在そのものが・・・、的な流れのシナリオです。まあぶっちゃけ、最初にでも攻略しない限りほぼ正体まるわかりだったりします(笑)。なので、インパクトを求めるなら最初に特攻もアリなんでしょうが、その存在の神秘性と説得性を心情面でフォローすると言う意味で、出来れば四人の中で最後に回したほうがいいキャラだと思います。
 とにかく序盤から中盤の、無邪気ながら男女交際的なことにはやたらと奥手で恥ずかしがりの沙弥と関係を深めていく流れでの悶絶感はやばいです。
 シナリオのキーとして回っていくのは、歌が持つ力になりますね。元々歌うことが持っている力を特化させているのがとある一族(バレバレ。。。)であり、しかしながらその力の面だけに溺れることなく、もっと本質的に、人の心に訴えかける力の大切さを、シナリオの流れで増幅させて上手く最後に集約しています。

 サブヒロインシナリオについては、それなりに物語の根幹に関わる部分もあるけどまあ基本的にはおまけですね。それでも奈々子や雪理なんかは短いながらもきちんとキャラの魅力を引き出せていて面白かったです。そして月詠の四剣士実にノリノリである(笑)。

 四人+αのシナリオをクリアするとプロローグに選択肢が増え、トゥルーシナリオに進めます。
 最初にプロローグを進めたときに何気なくスルーしていたちょっとしたイベントなんかがきちんと伏線になっていたりと完成度が高く、主人公の腕輪だけが今まで光らなかった理由、そして実はもう一人、腕輪に託した夢を失っていた人物の問題、それらをクリアして六人の腕輪の輝きを取り戻すことで得られたもの、ここまでのシナリオの中で漠然としていた環境なども明らかになり、トゥルーらしい明快な内容の好シナリオになっています。
 イメージとしては、夢を叶える過程ではなく、その夢を胸に抱いた瞬間の気持ちを大切にすることこそが夢を叶えるためには絶対に必要なものであることを主張している感じですね。主人公のそれは月にまつわるもので、その純粋な想いが月の住人の琴線に触れることで増幅・記憶され、どうしたってうつろいゆくあらゆる事象から、その原点を手繰り寄せて引き上げるよすがになっているという構成は見事だと思います。

 とまあ、全体的に特に不満はない作品だったんですが、ただ突出してすごくいいってポイントもなかったんですよね〜。全体的にもう少しシナリオの肉付きが良くてもいいなあと思った部分は結構ありますし、トゥルーシナリオも綺麗にまとまってはいるけどあっさり終わりすぎじゃない?とかは思っちゃいました。
 なので、点数としてはこの辺が妥当かなと。シナリオもキャラもそれなりのレベルで安定しているので、お勧めは出来る内容なんですけどね。


キャラ(20/20)

 簡素な中にもキャラの魅力はギュッと詰まっていて、特にネガティブな方向にも発展しないので、すごく精神的に健全で気分良く相対できました。

 一番のお気に入りはやはり沙弥ですね〜。
 元々沙弥に一目惚れして買う気満々になった経緯もありますが、まあ可愛いこと可愛いこと。謎の口癖や一人称に関しても実はきちんと設定に沿ったものであり、それそのものが彼女の生きた証と絆であるという一面が見えてからは、より愛らしく感じましたね。
 基本的に天真爛漫で、ちょっとお馬鹿なところもあるけど人の気持ちに敏感で、本質をしっかり理解してくれる得がたいパートナー的な立ち位置と、自身の個別のときの恋に奥手な小動物めいた愛らしさとのギャップもまた素晴らしく、強いて言うならトゥルーでもう少し見せ場欲しかったなあってトコですかね。

 そして単純にキャラの好き嫌いで言うなら、二番目に来るの奈々子だったりするんですよね。。。
 日記にもチラ書きしましたけど、天神の渉と鬼のようにキャラがかぶっていて、元々あっちがかなり好きなキャラなのに非攻略でやきもきしていたところに降って湧いてきたので、そこに引きずられているのは確実なんですが、年上なのに可愛い、ってのが時たまツボに入ることもあるんですよね〜。
 ただたぶんこれは絵の力も大きいかな。ベースがロリ可愛い方面の絵柄で、なおかつ質が高くないと、なかなかこういう反応はしないはずですから。
 とにかく、お姉さんぶろうとしつつもすぐに諦めて素直に甘えてくるあたりとか滅茶苦茶ツボでした。まさかルートがあるとは思ってなかったので本当にご馳走様でしたって感じです。

 その次が翼と命ですかね。
 どちらも最初のイメージを裏切らず、それでいてきっちりそこに魅力をたっぷり上乗せしてきて素晴らしかったです。特に翼のイチャラブにはかなりやられたなあ。
 いちかも当然好きなキャラではあるのですが、上位陣が強すぎて、ふーりん補正アリでもこの位置になってしまいました。しかし何故かサガプラのふーりんキャラはツボに入らないな・・・。


CG(19/20)

 とにかくほんたにさんの絵が可愛すぎて萌え死にます。。。
 他の二人も水準以上の出来ではあるんだけど、やっぱり私の目には群を抜いて可愛く映るんですよね。ほんたにさんの絵だけなら間違いなく満点つけちゃうくらい好きなんですけど、全体評価としては一点マイナスくらいになるかなって感じです。

 立ち絵に関しては、ポーズや表情、服飾などの差分量に関してはまあ水準程度ですかね。個人的にどうもいちかの立ち絵だけ違和感がありました。
 お気に入りは沙弥全般、特に正面向きのきょとんとした顔と照れ顔、膨れ顔あたりが劇的にツボでした。指をL字に構えてのポーズの笑顔とかしたり顔とかもかなり好きですけど、って書き連ねてたら収拾が。。。
 あとは翼のおすまし笑顔、ブラックモード第二段階、奈々子のウインク顔、困り顔、命の三白眼と後ろめたい顔、雪理の沈み顔あたりですかね。

 一枚絵は質はほぼ文句なし、こっちはいちかも可愛いんですよね。量もまずまずです。
 しかしぶっちゃけ、お気に入りは、って書き出すと沙弥なんかほとんど全部に近いんでどうしたものやらって(笑)。
 まず抜群に好きなのが、商店街での歌対決、あの可愛さと充足感溢れる雰囲気はすごい好きです。あと沙弥を膝元に抱えてのイチャイチャもすごい好き。赤面沙弥がも死んでもいいってくらい可愛い。。。あと翼のお料理百面相もめちゃくちゃに可愛くて最高です。

 以下は簡略に抜粋しますね、沙弥がベランダ、ギター、店番、部屋でまったり、土手でダンス、お風呂帰り、初H123、つきをバックにH12、メイドH12、教室で抱きつき、翼が商店街で抱きしめ、屋上で告白、お風呂除き、公園でこっそり・・・、初H、制服Hパイズリ、デートで食事、ハダエプH12、一緒にピアノ、保母さん、命がバイト、告白とキス、初H騎乗位、窓越しの電話、バイト服フェラ、野外で背面騎乗位、いちかが寝る前に語り、スク水でお風呂、剣道対決、病床にて、家族の約束、制服Hフェラ、その他が奈々子のキス、初H12、みんなで御飯あたりですね。


BGM(20/20)

 個人的にボーカル曲もBGMもめちゃくちゃ嵌りました。
 ボーカル曲は・・・いちおう4曲?ぱぱら〜はボーカルに入れていいのか悩む(笑)。
 OPの『Rooling Star☆』は、この手のゲームにしては珍しい、テクノっぽくてすごくノリのいい曲ですね。基本三音節ごとに区切られていて、少しずつ音階がずれていくのがとても印象的かつ好みです。一転してBメロの伸びやかなところから、サビの前半の部分の歌詞、特に届け、届け、の部分が大好きで、つい日々口ずさんでしまうくらい。完成度の高い曲だと思います。
 挿入歌の『as always』も名曲ですね〜。実にWHITE LIPらしい、高音域の使い方がとても透明感があって印象的な、すごく切ない雰囲気が素敵な曲に仕上がっていると思います。特にBメロの前半の柔らかさが大好きです。
 もひとつ挿入歌の『狼男が恋をした』、まあこれはぶっちゃけ曲としては明るくていい曲ではあるけどシナリオのネタに近い部分はあるので・・・。
 EDの『Like a star』は他に比べると落ちますが、それでも中々いい曲。前に進む気持ちが独特なリズムの中に押し込められて、明るいテンポが作風に良く似合っていると思います。

 BGMはかなり神。
 特にお気に入り、というか体験版プレイしたときから頭を離れないのが『ぱぱらー』とそのアレンジの『秋桜荘』ですね。なんか物凄くシンプルな曲調なのに、すごくリズム感が卓越していて、聴いていてどんどん気分が上向きになる曲です。
 次に『朧』、この幻想感とどうしようもないほどのやるせなさと切なさはすごいですね〜。
 あと『俺の歌を聴け』、狼男のアレンジっぽいですが、サビの部分以外はアレンジされすぎていて同じ曲には聞こえません。。。しかしフォークギターの走るような旋律がものすごくかっこいい名曲だと思います。

 その他もかなり質の高い曲が揃っていて書くのが大変です。。。
 『新田さん家の朝』『涼風』『夜の池』『6人』『月光』『誰も知らない二人』『十年後のあなたへ』『answer』『名月』『羽音』あたりが好きですね。


システム(8/10)

 演出はまあ水準程度かな。
 特別にすごい部分もないけど、これはちょっとってのもない、実に安定した出来だと思います。OPムービーも普通だしね〜。

 システムも水準ではないかなと。
 VAのシグナス実装作品の商品化は初ですかね?プレイそのものはリライトの体験版でやったけど。必要な機能はまず揃ってるし、スキップがやや遅いのだけ除けば問題ないですね。ワイド対応の大画面は綺麗でありがたいです。


総合(87/100)

 総プレイ時間20時間ちょいかな。
 プロローグが3時間、ヒロイン四人の個別も3時間ちょいずつ、サブヒロイン系が合計して2時間くらい、トゥルーが2時間ないくらいです。総合的なボリュームとしては水準なんですけど、結構手広く話を広げているため、一つ一つの密度という意味合いで物足りなさがあったかなと。まあそれだけ楽しかったから、もっと長くプレイしたいって言う贅沢な話を言ってるだけですけど。
 期待していた作品ですが、まあ期待通りの面白さではありました。
 ナツユメは羊シナリオという突出したシナリオがあったわけですが、今回はそこは物足りなかったけど、全体的な安定感は更にレベルアップしていて、特に音楽の出来の良さには感服しました。今後もすごく期待できますね。

 この作品に直接関係ないですが、記念すべき200件目の感想です。それがお気に入りの作品であったことはすごく嬉しいですね。
posted by クローバー at 06:32| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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