2011年02月25日

ななついろ★ドロップス

 購入動機は・・・雰囲気かなあ?発売日に買うのやめて、でもやっぱり気になって一週間後くらいに買った記憶がおぼろげにあります。ちなみに買った時点ではふーりん信者でもありませんでした、というか、半年後に青空の見える丘買ってはじめて意識して、その流れで、えっ、あれってそうだったの?って気付いたくらい(笑)。
 前置きにしちゃどうでもいい話ですね。。。


シナリオ(24/30)

 純愛の王道。


 主人公は朴訥としていて、人間関係に非常に不器用であり、学年が上がってクラス替えを迎えて一月以上経った今でも、どこかクラス内の空気から浮いており、元からの友人たちに心配されたりしています。
 もっともそんな自覚のない主人公は特に焦ることもないのですが、そんなある日、校舎裏でクラスメイトの秋姫すももに如雨露の水を掛けられるところから彼の運命は急展開を迎えます。
 突然の事態に泣き出してしまったすももと、その親友である撫子のいわれなき怒りに対処しているうちに、二人が所属する園芸部の顧問である如月先生の仲立ちによって園芸部の手伝いに借り出されることになった主人公、ほとんど喋ったこともない二人のクラスメイトとの作業はなかなかに気まずいものでしたが、持ち前の誠実さで与えられた仕事を懸命にこなします。

 そうして過ごした夕方、喉が渇いた主人公は自販機で手にした飲み物を、突如ぶつかってきた不審者のものと取り違えてしまい、それを口にした途端、いきなりぬいぐるみの姿に変身してしまいます。
 自力では動けず声も出せないところを助けてくれたのは如月先生、不思議な薬を調合して行動と発声の自由を取り戻してもらった主人公は、何故こんな事態になってしまったのか説明を求めます。

 如月先生曰く―――。
 この世界の空の向こう側には、鏡のような形でフィグラーレと呼ばれる世界が存在すること。
 そこでは、こちらの世界では一見魔法のように見える体系が発達していること。
 その魔法の元になるのが星のしずくと呼ばれるもので、それを集めるスピニアという職業が確立していること。
 存在自体が本来はこちらの世界の人間には秘密で、それに触れた人間は大変なことになってしまうこと。

 つまり、主人公が間違った摂取した飲み物は向こうの世界の変身薬であり、こちらの世界の主人公が摂取したことで必要以上に劇的な効果を発揮してしまったということらしく、結果として昼は普通の人間、夜はぬいぐるみの姿になってしまうのでした。
 そしてそれを治すには、星のしずくがななつ必要であり、それを集められるスピニアの素質がある相手として主人公がぬいぐるみの姿のままで送り込まれたのは、なんとクラスメイトのすももの元だったのです。
 恥ずかしがりで不器用だけど、誰よりも純粋で心優しいすももは、主人公のファンタジー満載な胡散臭い(笑)説明をすんなりと受け入れてくれましたが、彼女にも主人公にも星のしずくを集めるノウハウなどはまるでなく、かくして一歩ずつゆっくりと、二人の二人三脚による星のしずく集めがスタートします。
 その途中では、本来その行為を知られてはならない撫子に気づかれてしまったり、星のしずく集めのライバルキャラであるプリマ・アスパラスことノナが転校してきたりと、全く持って落ち着かない日々が繰り広げられ、そして主人公自身は、クラスメイトのときに見せる秋姫と、ぬいぐるみのときのすももの違いに戸惑いながらも、一つずつ、不器用なりに、自分に出来ることを模索していくのでした。


 と、あらすじはこんな感じですね。
 導入部に関してはやや強引さはあるものの、むしろ強引なくらいに最初に説明という形で世界観設定を規定しておくことで、以後はその範疇から大きく逸脱したり、ウルトラC的な展開の存在を許さず、あくまで人間関係を基軸とした物語を構築できている、というのが大枠に対してのイメージです。
 ブロッサムの特色ともいうべきか、色気のない中性的な主人公像は今作にも当然当てはまり、ユキちゃんというぬいぐるみとしての存在感もあって、全体的に少女漫画(の表面)的な和気藹々とした雰囲気があります。もっとも、裏面的な毒々しさは最後まで全く出てこないので、あくまで雰囲気だけの話ですが。
 ただし、主人公とメインヒロインであるすももが二人とも、人間関係に不器用で思ったことを上手く喋れない様な性格なので、周りのキャラ含めてどことなくハートフルではあっても、日常シーンにおいてのメリハリや面白みという点ではあまり期待できず、あくまで後半の展開に対する伏線的要素と認識しておくべきかなあとは思いますね。

 一応ヒロインは三人ですが、敢えて言い切ってしまえばこのシナリオはすもものためにあるといっても過言ではないでしょう。それくらいシナリオの存在感は隔絶しており、それにそもそも伏線的要素としての恋愛フラグはほぼすもものためにあるので、あくまで撫子とノナのシナリオはおまけ程度であると思っていたほうがいいです。
 ただ、すももシナリオにおけるネタバレ的な設定も二人のシナリオには散見するので、果たしてすももを最初にやるべきか最後にすべきかは議論の分かれるところではあるかなあと思いますが。

 無論、撫子とノナのシナリオも悪くはないのですが、どうしても恋愛的要素から見ると繋がりが薄い気はするし、展開的にも力技が多く感じられるので、いわばあるべきところにそれがない、的な印象を受けてしまいます。最も初回プレイならばその限りではないかもですが、それでもすももシナリオやってしまうと蛇足感を覚えるのは間違いないかなと。
 どうせこういう蛇足感を出してしまうのならば、敢えて星のしずくに関連するヒロイン三人だけに絞らず、フローラ筆頭に魅力的な脇キャラも多いんですからもう少し手を広げてしまうか、あるいは思い切ってすもも一本道にしてしまったほうが、とも思わなくはないんですよね〜。

 まあしかし、そんな不満も全てかき消してくれるくらいにはすももシナリオの出来は超抜だったりします。
 二人の恋愛模様でまず面白いのは、ある程度主人公はユキちゃんとしてすももの想いを知っている、ということ。この要素は、普通ならば打算的要素などに持ち込まれてしまう可能性が高いのですが、二人の性格を敢えてこう規定しただけのことはあり、むしろその要素がなければ進めない関係、そしてそれを知っても真っ直ぐ純粋でいられることにきちんと説得力を持たせています。
 また、脇キャラもこのシナリオにおいてが一番、あるべきスタンスに落ち着いている印象は強く、その分二人の慎ましく初々しい恋愛模様を大切に育み見守っているという形がしっくり嵌るんですよね。フローラのキラーパスを筆頭とした表立って裏立ってのお節介によって、少しずつ二人が二人でいられる強さを確立していく、そんなイメージなんです。
 そして勿論、序盤からばら撒かれた異世界的伏線要素もきっちりシナリオに反映されていて、でも上に書いたとおりそれを無理矢理に解決するのではなく、あくまで最後には二人の想いの強さによって為し得た決着に辿り着いているのが、ここまで堅実に歩みを進めてきた二人らしくて、すごく居心地と読後感がいいシナリオに仕上がっていると思います。

 まあ全体的に、色合いで言えば薄いピンクみたいな、毒素のない純愛真っ向勝負の作品なので、どうしても食い足りないと感じる人はいるかもしれませんが、昨今こういう作品は少ないですし、たまには甘い砂糖菓子のような雰囲気の世界に浸ってみるのもいいんではないかと。個人的にはやはり大好きな作品であると言い切れますね。


キャラ(20/20)

 テキスト的に人間性を窺わせる絡み方が多いのもあって、それぞれ脇キャラまでしっかり個性がイメージ出来ますし、主人公とすももの二人に関しては繊細で巧みな心理描写のおかげでかなり感情移入できるので、インパクトは薄くても満点の出来です。

 やはりヒロインではすももが隔絶しているなあと。
 最初は本当に弱々しい子なのに、星のしずく集めを介して少しずつ、本来の芯の強さと純粋で心優しい性質が表に出てきて、ホントギュッと抱きしめて頑張れって励ましてあげたい子です。見た目ロリっ子なので一般的にヒロインとしての食いつきは微妙なのかもだけど、まあ私にはその点問題ないし(笑)。
 初プレイ当初からかなり好きなキャラではありましたが、現時点ではふーりん要素とリプレイ補填も含めて殿堂入りも検討できるレベルで好みですね〜。

 撫子はこういっちゃなんだけど、すももの幸せは私の幸せとばかりに屈託なくニコニコしているときが一番可愛い気がします。私が、すももを気遣って痛々しい撫子のシナリオをあまり好きになれない理由もそこにあるかなあと。まあヒロインとしてのポテンシャルはかなり高いと思うんですけど、そこはシナリオに殺されたといえるかもしれませんね。

 ノナも嫌いじゃないけど、立ち位置的にも性格的にもどうしても素直になりきれない部分があるので印象としてはイマイチかなと。自分のシナリオでそれがわかりにくい優しさであるとは補填されていますけど、やはり基本ライバルキャラでいてほしいという私の投影は一方的ですかねえ。

 サブではやはりフローラが大好きですね〜。ビジュアル的には作品内で一番好きだし、性格的にも飾らず誠実で女の子らしくて、こう普通形ヒロインとしてのポテンシャルがかなり高いと思うんですが。すももシナリオでのキラーパスは神ですし、例え恋人でなくとも、こういう子が周りにいたら楽しいだろうなあというのはあります。

 あとは秋乃がちょー可愛いんですよね〜。あのおどおどうるうる感と、時折見せる無邪気な笑顔がすごく胸をつきます。


CG(17/20)

 まあエロゲとしてはどうなの?って画風ですが、少女マンガ的イメージとしてはこの淡くて繊細なタッチはぴったりでしょうし、出来そのものも悪くはないと思います。

 立ち絵に関しては、差分こそあまりないものの、きちんとヒロインの特色を取り込んだものが多くて、イメージしやすいなあと。
 お気に入りは、すももの笑顔、おろおろ顔、半泣き顔、ギャグ泣き顔、キラキラ笑顔、怒り顔、撫子の照れ顔、優しい笑顔、アスパラスの不敵な笑顔、呆れ顔、照れ顔、秋乃のびっくり顔、照れ顔、楚々とした笑顔、しょんぼり顔、フローラの興味津々な笑顔、拗ね顔、驚き顔あたりですね。

 一枚絵は量はそれなり、質は所々(特に横顔)微妙だけど基本的には愛らしくて好みです。
 お気に入りはページ順に、プリマ服を貰って感激するすもも、パジャマパーティ、プールで髪を解いた撫子、水の中を進むすもも、入学式に手を引かれて、みんなでお茶、すももと一緒にお風呂、空飛ぶすもも、勉強会、二度目の告白、想い通じて・・・、待ち望んだ契り、アスパラさんに襲われて、愕然とするアスバラス、三人での帰り道、撫子を後ろから抱きしめてあたりですかね。


BGM(18/20)

 全体的にキラキラした雰囲気の曲が多く、すごく雰囲気にマッチしていて好みの楽曲です。
 ボーカル曲は2曲。
 OPの『コイスル★フローライト』は幻想的な雰囲気を持ちながらも、明るくポップなイメージの強い素敵な曲ですね。Bメロからサビへの繋ぎが特に気に入っている、曲としてのポテンシャルはともかく個人的には相当に好きな曲です。
 すももEDの『虹色のルシア』も、穏やかな中にも芯の入った強さを感じさせる、そしてそれがきちんと二人の軌跡に裏打ちされたものだと思わせてくれる、優しいバラードですね。これも結構好きです。

 BGMは曲数は多くないけれど、きらりと光るものが多かったですね。
 特にお気に入りは『airy』。タイトル曲でもありますが、この曲の爽やかさと透明感は正に作品のイメージにぴったりで、あるべき穏やかで楽しい日々を彩る曲としても秀逸な出来だと思います。
 その他お気に入りは、『苦悩』『Geometrical grouth』『星のしずく』『あなたが・・・いない。』『light★wind』あたりですね。


システム(8/10)

 演出は、まあ当時としてはそれなりの水準でしたし、特に星のしずく関連のイベントに関しては美しさをしっかり意識しながらも動きもしっかりと演出できていたのではないかと思います。あとは全体的な雰囲気作りも悪くなかったですね。OPムービーも結構好きです。

 システムはもう一歩かな〜とは思います。
 とりあえずスキップが遅すぎるのは減点材料。これだけは何とかしてほしいですね。あとはまあ最低限揃ってはいるし、不便というほどではないんですけどね。


総合(87/100)

 総プレイ時間16時間くらいですかね。共通5時間、すもも5時間、撫子とノナが3時間ずつくらいのイメージです。ただ、撫子ルートに入るにはほぼ最初からやり直しなので、そこからルートに入るまでのスキップで普通に30分くらいかかるという。。。
 ぶっちゃけエロゲで作る必然性の薄い作品ではあり(そしてエロ成分もかなり薄い)、故にPS2版、アニメ化と多様な展開もしている作品ではありますが、どの媒体であってもすももルートの素晴らしさをきちんと見せられているという意味では共通していますので、気になるならばそのどれか一つでもやってみる価値はある作品です。
posted by クローバー at 06:36| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: