2012年02月07日

真剣で私に恋しなさい!S

 本編も素晴らしい出来でしたし、当然これは買います。


シナリオ(22/30)

 無限の未来へ。


 この作品は、2010年8月発売の真剣で私に恋しなさい!のFDになります。
 とはいえ、まず値段から見てわかるように(笑)、そんじょそこらのFDとは一線を画した、実に豪華かつ多彩なコンテンツを組み込まれており、単純にFDというよりは、世界観を踏襲した別の時間軸の作品+α(ここがアフター部分ね)と言ったほうがより正確かもしれません。
 主要なコンテンツは、まず新規登場ヒロインが松永燕と九鬼紋白の2人、前作サブキャラからのヒロイン昇格が心、マルギッテ、辰子の3人、その他にも本編程度のおまけ的攻略キャラが数人いて、勿論本編メインヒロインの5人はイチャラブ満載のアフター搭載、それら全てを攻略することで最終ルートに突入と、プレイ時間的にも、キャラ的にも、エロス的にもとってもボリューミーな内容になっています。

 この作品の主となる時間軸は、前作ヒロインと誰も恋仲にならないままに夏を迎え、それと機を同じくして九鬼財閥の新プロジェクト・武士道プランが発動し、そのことで今まで以上に多彩なキャラとの交流が発生、本編がどこまでいっても基本的には風間ファミリーの内部で完結していた物語だとするならば、今回はそこから脱皮し、更なる無限の可能性を追究した物語と言えるかもしれません。
 テキスト的には相変わらず軽快で読みやすく、また本編同様に主人公以外のキャラの内面描写も多いので、キャラの行動原理が非常に理解しやすいところは健在ですね。
 今回は本編に増してそういう部分から伏線的要素に対するヒントが多かったので、シナリオ展開に対する心構えが醸成しやすく、その分衝撃性やシリアス感の度合いにおいては本編に届かないものの、FDらしくエンタメ性という視点では少しやりすぎなくらい突き抜けており、徹頭徹尾楽しめる仕様になっていると思います。
 特に最終盤の展開とか、ド○ゴンボールかよ、と突っ込んだのは私だけじゃないはず(笑)。つかこれ同一世界観で物語積み重ねていくうちに強さがインフレして、鉄心あたりが亀仙人ポジションになりそうで怖いわ。。。

 シナリオに関して。
 アフターに関しては当然ヒロインとのイチャラブオンリーで、基本ファミリー内の行動が多かった本編と一線を画する部分も含めて、2人っきりというシチュに拘っていたようにも思えますね。性格面においても、新たな魅力を発掘と言うよりは、既存の魅力を更に深化させる方向だと思います。まあ武士娘としての性格付けを極端に崩すわけにはいきませんし、初期のバランスがとても素晴らしいキャラ群ですからこれで正解だと思います。
 
 新規ヒロインについて、燕と紋白は後述するとして、他3人は基本的にアフター同様の方向性ですね。特にシナリオと構えて語るほどのものはなく、ただ間にしがらみやらクッションやらを挟まずに真っ直ぐ向かい合った結果として好き合い、付き合っていくという、こちらも既存の性格付けをいじらずに恋愛に昇華させた形です。
 その分、恋愛に至る過程において、本編ヒロインに比べるとだいぶ弱く感じてはしまいますが、恋人になってからの物語が淡白ではないことで補完できているのかなと思います。まあ何がって、ぶっちゃけエロス的になんですが。。。
 だって今作も相変わらずエロ軍師が鬼畜過ぎるんですよ。ちなみに総シーン数は48個と中々に膨大なんですが、1/3くらいシリアナード・レイモードに持ち込んでるんじゃないかってくらいで(笑)、どんだけお尻好きなんだよと。。。どちらかと言えば膣至上主義である私にとってはそこまで歓迎できる芸風ではないんですが、ここまでブレずに主義を貫かれると、逆にそれがないと不自然に思えてくるから不思議だ(笑)。

 なので、この作品でシナリオと胸張って銘打てるのは3ルート。
 まず紋白ルートから書くと、これは本編が仲間との絆を描くストーリーだったとするならば、それとはまた種類の違う、家族の絆にスポットを当てた物語ですね。九鬼一族という、能力的にも性格的にも一筋縄ではいかない一族において、紋白という存在の置き場を懸命に掴み取ろうと真っ直ぐに努力する、今作における感動部門担当といっていいシナリオです。
 新規キャラだけど、九鬼一族というファクターからキャラに対する読み手の認識はすぐに追いつくし、展開的にも主人公と距離を縮めていく過程がすごく自然、かつ主人公の一番得意とする分野で勝負できているので、その他のルートであまり活躍できない分、(エロ要素以外での)主人公らしさはここが一番だと思いますね〜。
 まあ流石にワン子シナリオの積み重ねに裏打ちされた感動には及ばないものの、良シナリオだと思います。

 んで、ここまで書いてきた部分では、特に触れなかったおまけ要素的シナリオも含めて、キャラ性の核となる武の要素がほとんど内包されていないんですが、それは残り2ルートにおいてしっかり展開されます。
 Sのメインヒロインである燕ルート、これは恋愛要素もそれなりに豊富ではあるけれど、むしろそこに至るまでの経過が一番楽しいシナリオですね。
 燕は、今までの武士娘にいなかった、武力と知略の両面を高い水準で携えていて、飄々として掴みどころのないキャラの裏で様々な計算と策略を駆使し、戦う前に勝つ、を信条とするタイプであり、柔よく剛を制すと言えば聞こえはいいですが、ぶっちゃけ勝つために手段を選ばない人です。。。
 特に、完成された武に対峙するに当たっての最大の弱点を心の部分と見抜き、躊躇はあっても勝利のために絶対に必要なピースである場合は容赦なくそこを突いてくるあたり、彼女に対する評価を左右するほどえげつないんですが、基本的にネアカで前向きで、そして不必要に人を貶めたりはしないギリギリの高潔さも併せ持っているから、上手くバランス取れているのかなと。

 まあ正直、武力的には四天王に匹敵し、知略において主人公を翻弄するほどの才覚がここまで埋もれていたというのは不自然にも程があるんですが、それくらいでなければ、この作品における武の二大巨頭に対しての大物食いなどは出来ないですからね〜。そして最終兵器はもう武力じゃなくて財力だろと(笑)。
 個人的に、きちんと計算された美しい戦略によって強い相手を翻弄していく展開はすごく好みなんでそこはいいんですが、燕の知略ぶりをクローズアップさせるためなのか、どちらかと言うとその他のキャラの戦いぶりが、特に本編に比べてやや単調に感じてしまう部分があったのがちょっとだけ物足りないところでした。

 そして、燕だけ恋人関係になってからのルートが2つに分岐するんですが、これはシナリオ部分においてはほぼ消化試合的味付け程度で、2人の関係性におけるイニシアチブの取り合いが見られます。要は2人ともドSだから好きになった相手を尻に敷きたいがゆえ、どちらがよりドSか普段の触れ合いからHに至るまででいちいち張り合うわけですね。
 とはいえ、最初の分岐の部分で未来の形は決まってしまっているのですが、知略キャラとしての矜持を感じさせる選択なのが乙ですね。個人的には尻に敷きたいタイプなので、最初に負けておいてから勝ちに転じると、より組み敷いた感が強くて盛り上がりましたが、ここは嗜好に合わせておくといいと思います。

 そしてラストルート、ヒロインは小雪で、これは小雪を巡る過去に対する選択から進展した、別の時間軸の更にちょっとだけ違う未来の物語になります。まあ基本的にはSのメインシナリオの流れで、ただ小雪との関係性が幼馴染的友達レベルで推移していることになってます。
 シナリオの展開としては、本編のカーニバル的な、街全体、今回においてはプラスアルファとして世界各地からの兵も呼び込んでの一大決戦になります。武士道プランに秘められた真の目的がつまびらかになり、それを阻止するために風間ファミリーを軸としたメンバーで挑むという中々に熱い展開。
 ですが、今回の場合はその裏事情の部分が、ここまでプレイしていると見えてくるキャラの性格付けの部分などから概ね推測がついてしまうのもあり、カーニバルのときほどの悲壮感や緊迫感はなく、バトル的にもややエンタメ性に凝り過ぎた分の弊害か、重々しさとか信念に基づいた力とか、そういう部分がイマイチ感じられない、せいぜいワン子くらいかなあと言うのが勿体無いと言えば勿体無い部分。
 勿論充分に面白いですし、燕シナリオ、小雪シナリオと武士娘にはきちんと全員能力に応じた見せ場があって、完成度は高いと思います。本編と違って後に遺恨や傷跡を残さないと言う部分でもFDらしい清々しさですが、その分シナリオ評価としては本編に及ばなかったかなあと言うのが正直なところですね。

 以上、まあ色々書きましたが、難しいことは考えずにシンプルに楽しむのが一番の作品だとは思いますし、読み手がこの作品に期待していたことはしっかり詰め込まれているので良かったんじゃないかと思います。


キャラ(20/20)

 これだけ多彩なキャラを登場させておいて、一人として出てきた意味ないんじゃ?とか、終わった後にこんな奴いたっけ?と思わせない肉付けが本当に素晴らしいと思います。勿論多少の優遇・不遇はあるにせよ、それすらもキャラの持ち味に昇華してしまったいるあたりが食えないですよね〜。

 シナリオで書いたとおり、既存ヒロインに関してはより魅力的にはなったものの、方向性としては本編と変わらないのでここでは割愛。まあクリス可愛いよクリスとだけ言っておく(笑)。あと心の制服と私服はいいサービスでした。。。

 新規ヒロインではやはり燕が一番ですね〜。
 策略キャラだけど後ろ暗さがないというか、それをすることが正しい場合にのみ、きちんと信念の元でやりきっている部分は見受けられるし、基本的な性格もドSだけど女の子らしい可愛げも搭載していて、何というかやっとこ組み敷いたときの征服感が素晴らしかったですよ。。。

 紋白も、まあ正直攻略ヒロインでなくても良かった感はないわけではないんですが、家族のものとは違う愛の形を知ったが故の、あのラストの強さと考えると必然ではあるのかなと。高飛車ではあるけど高慢ではないし、性格はとっても素直で愛らしいので、特に仲良くなっていく過程は楽しかったですね。

 その他、新規非攻略キャラだと虎子・義経・林沖・焔あたりが好きですね〜。
 まあ虎子は完全に新規ではなく、新規立ち絵搭載キャラですが、まさか立ち絵がついてあんなに可愛いとは。。。喋りからくるイメージとはかなりのギャップがあって、まずそこでやられましたし、とにかく表情パターンが可愛すぎるでしょ。何気にラストルートでも活躍してましたし、インパクトでは一番でしたね。
 義経はとっても中性的というか、英雄と言う枠に縛られて個の部分があまり表に出てこなかったのは勿体無いなあと。どちらかと言えばヒロインと言うよりまだ子どもめいた雰囲気ですけど、ああいうどこか放っておけない雰囲気が強さのギャップと相俟って魅力になってます。
 林沖は立ち位置的に色々不遇でしたし、性格付けとかデザインとかCVとか私の好みの要素満載なので、またどこかで出番があることを切に期待しておきます。。。
 焔は見た目の可愛さに尽きる(笑)。

 男キャラでは、準は相変わらずいい味出しすぎだし、熊ちゃんのグルメ癒し力は半端ない。。。そして英雄がここまでいいキャラになるとは、本編の序盤プレイしているときには誰も思わなかったんじゃないかなあってくらい、今回もいいところでおいしい活躍してましたね。


CG(18/20)

 好みの絵柄かと言われればそこまでではないですが、作風にはすごく合っているのは間違いないし、本編のときよりも洗練されていると言うか私好みの構図と絵柄が多かったように思います。

 立ち絵に関しては人物多すぎて全部精査するのは諦めたので(笑)、印象に残った部分だけ。
 ポーズは2〜3種類ですかね。既存ヒロインにも新規ポーズが合ったようななかったような・・・。まゆっちが鯉口切っているところとかすごく好きですけど。心の横向き、燕の横向き、焔正面向き、弁慶前向き、清楚やや斜めあたりが素敵だなあと印象に残っています。

 服飾はそれほど多彩ではないですが、キャラ数が多いから仕方ない部分はあるかな。それでもメイン級は2〜3種類くらいはあったしね。
 お気に入りは心制服、義経制服、紋白寝巻き、くらいか?まあ基本みんな制服だし、新規の私服は燕と紋白くらいしかなかったから仕方ないか。

 表情差分は一人頭だとやはり多彩とまではいかないけどそれなりでしょう。
 お気に入りは燕含み笑い、笑顔、驚き顔、心ごまかし顔、照れ顔、清楚笑顔、義経おろおろ顔、弁慶からかい顔、虎子><顔、笑顔、紋白照れ顔、林沖困り顔、凛々しい顔あたりでしょうか。


 一枚絵は全部で127枚、FDとしてなら破格ですが、フルプライス超の値段考えればちょい豪華、くらいの枚数かなと。出来は安定して高く、そして本編よりも角が取れたキャラが多いせいか、表情が柔らかいのが私好みに思える一要因かなと。特にクリスは尖った目付きより丸っこい目をしているときのほうが断然可愛いなと思います。
 お気に入りはページ順に、百代と肝試し、キス、一緒に温泉、ワン子勉強、たくしあげ、金曜集会・夏、京コスH愛撫、一緒に料理、電車H対面立位、看病、まゆっちシャワーH立ちバック、影絵遊び、自慰、コスプレ、クリス添い寝、ジョギング、部屋H胸愛撫、屈曲位、お風呂H立ちバック、燕ご褒美納豆、キス、正常位、コス制服H愛撫、バック、紋白パフェ、添い寝、フェラ、心私服デート、キス、バック、胸愛撫、辰子背面屈曲位、添い寝、マルギッテ台所愛撫、伊予フェラ、弁慶キスあたりですね。


BGM(19/20)

 FDなのに全く手抜き感のない豪華絢爛なBGM群ですね〜。
 ボーカル曲は5曲。
 OPの『めちゃ真剣SSS!』は疾走感と迫力ががあって、それでも明るさが一番前にくる爽やかな曲ですね。個人的に本編のOPよりはかなりいい曲だと思います。
 挿入歌は、まあ納豆はおいといて、『BUSHIDO』も中々にかっこいい曲ではあるけど、出番が少なすぎるのと本編の『武士』に比べると若干迫力に欠けるかなと。
 EDは二曲とも神。
 紋白EDの『EVE』は柔らかい中に切なさと愛しさが満ち満ちた素晴らしい曲。特にBメロ後半からサビの中盤までのメロディラインは私の好みにジャストミートで、この繰り返し、想いがぶつかって拡散するような雰囲気がとても気に入ってます。
 通常EDの『未来自画像』も素晴らしい曲ですね。本編の茜色とどこか似た雰囲気があるものの、あれがクローズドな曲だとしたらこちらは広がりを感じさせる部分が如実な違いで、テーマとも合致していて実にいいなあと。メロディラインも全般的に好みで、特にサビのラストのほうは物凄く好き。あと何気にイントロの雰囲気も好きです。

 BGMはどどーんと50曲、まあ10曲は本編曲のアレンジなので新規では40曲ですが、それでも充分すぎる布陣。
 ただ、全体的な質は今回も高いんですけど、本編に比べて突出して素晴らしいってのがなかったんですよね。正直それが一つでもあればこの項目満点で良かったんですけど。
 お気に入りは『スポーティ』『男子かくあるべし』『ドイツの猟犬』『直江一族』『DANNOURA』『真剣勝負』『最強の名をかけて』『ギャッキョウブレイク』あたりです。


システム(10/10)

 演出は煌びやかで素晴らしいですね。
 なんといってもまず目に付くのは劇中アニメーションの豊富さと、そのクオリティの高さですね。主に戦闘シーンでの使用ですが、演出エフェクトだけでは表現しきれない迫力や能力の高さを要所で補っていて、またクオリティも高くて立ち絵との切り替えで違和感を感じさせないのがさすがといったところ。
 勿論それに頼りきりでなく、豊富な素材とSEに支えられた戦闘演出、日常演出、背景演出も高い水準で展開されており、昨今の流行で言えば唯一文中立ち絵同期が搭載されていないけど、基本会話のテンポがいいからそんなのなくても充分でした。
 OPムービーも本編の時と段違いの鮮明さと可愛さ、凛々しさでびっくり。本編だって悪い出来ではないので、如何にこれがすごいかって話です。構図的にもしっかり対決色は出しつつも、広がりを感じさせる構図が随所に見られて上手いなあと思います。

 システムはいつも通りですね。
 そろそろ戯画システムも時代の最先端とまでは言えなくなってきてますが、それでも利便性という意味ではまだ右に出るものはないかも。プレイ前の設定コンポートとかも地味に便利ですしね〜。
 唯一の欠点はワイド対応でないことですね〜。本家はホチキスから対応しだしたし、次は変わるでしょうけど、このクオリティの高いムービーを全画面で堪能したかったのは私だけではないはず。そもそもワイド用に作られているんだし、何とかできなかったのかなあと。
 ムービーカットできないのはパッチで対応されました。私としてはこのED曲大好きだから全部聴いてても苦にならなかったけどね。。。

総合(89/100)

 総プレイ時間25時間弱でしょうか。細かいのでどれが何時間とは言いがたいですが、おおよそアフター関連で8時間くらい、燕は全部で4時間ほど、紋白と小雪が3時間くらい、昇格ヒロインは1.5時間くらいずつ、その他諸々って感じかなあ。
 本編ほどのボリュームではないですが、値段には相応の中々のボリュームですし、フローチャートがわかりやすく話の区切りもしっかりしているので、一気に進めるにしろちょっとずつ進めるにしろストレスフルな仕様だと思います。

 FDらしくお祭り的な雰囲気は強く、シリアス成分は本編に比べると薄いですが、その分読後感はスッキリしていて、文字通り楽しかった〜と言える作品に仕上がっていると思います。まだまだ世界観的に膨らんでいく部分は多そうですし、今回クローズアップされなかったキャラにもいずれ日が当たることを期待しつつ、ですね。
 でもまず太陽の子何とかしてね(笑)。

 追記:シナリオ点からマイナス1点、2013/01/08。
posted by クローバー at 06:28| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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