2012年09月10日

中の人などいない! トーキョー・ヒーロー・プロジェクト

 ALCOT本家のパロディシリーズ第3弾、前作の鬼ごっこが好きだったし、今回は更にテキストが面白く、キャラも全員、特に絢乃が頗る可愛かったので迷わずに購入。


シナリオ(23/30)

 ヒーローとは、想いを力に変えるもの。


 通称THP―――トーキョー・ヒーロー・プロジェクト。
 それは2年前から統京都で実施されている、23区それぞれにご当地ヒーローを配置し、治安維持と地域振興の為に、ヒーローとしての知名度と力を使って貢献するというものでした。

 そんな統京に、主人公は単身で地元の離島から進学の為に上京してきました。
 昔から都会に憧れていて、都会に出てくれば何か大きな夢が見つかるかもしれない、そんな大志を抱いての行動でしたが、現実はそこまで甘くなく、学費&生活費自分持ちのため日々バイトに明け暮れなくてはならず、しかも生来の赤髪&三白眼のせいで周りから不良と見做され、親しい友人もほとんど出来ない、それでも明るく前向きに日々を過ごしていました。

 ある日、深夜に工事現場のバイトを終えて帰宅する途中、主人公は裏路地から聞こえる物音が気になって覗き込みます。するとそこで、猫の着ぐるみとご当地ヒーローの1人がガチでバトルしている光景を目撃してしまい、そのドサクサの中で巻き込まれていた1人の少女をヒーローから託されます。
 表通りまで引っ張っていってみると、それはクラスメイトかつ、元都知事の孫でもある佐緒里で、彼女は主人公に助けてくれたお礼を丁寧に言い、迎えの車に乗って夜の闇に消えていきます。
 今までのことが本当のことかイマイチ信じられない主人公は1度現場に戻ってみますが、確かにそこには激しい戦闘の爪痕が残っており、しかし主人公は2年前の自身の体験から、或いはそういうこともあるのかなとなんとなく納得します。

 次の日、学校で唯一の親友である延彦と会話しているところに佐緒里がやってきて再びお礼をされ、お昼に誘われたのを向こうの体面を考えて断ったのですが、騒ぎを避けて屋上に行くと、そこには主人公の住むアパートの大家の娘で、同じくクラスメイトでもある絢乃がいました。
 彼女はそこで親友の佐緒里を待っていて、結局鉢合わせしてしまったことで、延彦も含めての4人でお昼を取ることになります。そこに、昨日の事件でバイトがなくなってしまった連絡が来て消沈していると、延彦が自分と同じバイトをして見ないかと誘いかけてきます。

 放課後、延彦と共に面接に向かった主人公は、西園寺と名乗る紳士に一服盛られ、眠っているところを地下に連れ込まれ、目が覚めると突然自分がゆるキャラ怪人の中の人になっていて、昨日の猫と戦うことを余儀なくされます。延彦を人質に取られて友情パワーを爆発させ対抗する主人公ですが、力及ばすやられてしまいます。
 すると突如世界が切り替わり、主人公が立っていたのは秘密基地のような場所でした。
 そして、主人公の正面に座っていた少女が、天元ルイと名を名乗り、自分が悪の計画であるTHPを阻止する為に戦っている秘密結社、BO団の団長であり、主人公に是非仲間に加わって欲しいと懇願してきます。

 ルイの話の骨子、それはこんなものでした。
 THPを進めるグループと自分たちは元々1つのグループで、地球の文明を守る為に地球外からやってきた宇宙人。しかしその方法論で仲間割れし、今では積極的に国事に介入して人類を導こうと考える急進派と、無闇に手を出さずに見守る姿勢を崩すべきでないという穏健派に分裂してしまったとのこと。
 そしてTHPは急進派の進めるプロジェクトであり、その内実は、ヒーローのほとんどが混血の超能力者であり、その力を濫用してのかなり強引な取締りや差別などが横行するもので、穏健派としては自身たちの存在が暴露する危険性も含め看過できないと考え、平和裏に解決する為に都内に潜伏して、自衛や妨害の為にゆるキャラスーツによって対抗しているらしいのです。

 簡単に鵜呑みには出来なかった主人公ですが、実際能力が使われる場面を何回も目撃していて、かつ強引な取締りの実体を目の当たりにすることで、ルイの仲間に加わることを決意します。
 とはいえ最初は新人、ねこにゃんの中の人である優香の特訓を受け、来るべき戦いに備えて自身を鍛える日々。果たして主人公たちは、悪の計画であるTHPを挫き、都内に平和をもたらすことができるのか?そしてその活動の中で触れ合うことになっていく佐緒里や絢乃を含め、どんな未来が待ち受けているのか?
 これは、それぞれの正義を貫いた先にある幸せを掴む為の物語です。


 あらすじはこんなところでしょうか。
 世界観は前2作のものを踏襲していて、宇宙人設定などもそこから敷衍されているものになりますね。主人公の出身が前作の舞台だったりと、知っていればニヤリと出来る情報が散りばめられていたりします。無論そうでなくても楽しめますけど。
 大枠としては、THPプロジェクトの全貌を暴き、THPを推進する都知事とその配下のキャサリンの真意を探り、不穏な計画を叩き潰す、そういう過程の中でヒロインたちと仲良くなっていき、誰と仲良くなるかで状況もそれなりに変化していく、という形式です。ヒーローものだけにひたすらお約束が幅を利かせていて、特に終盤はそんな展開が目白押しですね。

 テキストは更に独自に進化、洗練されている印象。
 舞台設定からパロディが取り入れられている上に、テキスト構成においてはとにかく、時事、パロ、名言、迷言、キャッチコピーに至るまで、ありとあらゆる面白ネタを文脈の中にナチュラルに組み込み、その全てを笑いに繋げてしまうという力技を披露してくれます。
 本当に息をするかのごとくに、テキストにネタが組み込まれているので、笑うと同時にそのセンスの秀逸さに色んな意味で感心させられます。Hシーンに至るまでそれが敷衍されているのである意味隙がありません。無論それで会話のテンポやノリが阻害されることもなく、あくまでキャラの魅力を発揮することを大前提に作られているので、実に楽しく読み進められます。

 それでいて、きちんと締めるところは締める、というやり方は統一されていて、多少個別に入るとその割合に差異は出てくるものの、全体として基本笑えて明るく楽しめ、要所でホロッとさせられる、或いは今回はヒーローものなので、熱い展開に心震わせる、という、絶妙にバランスの取れた読み口であることは疑いないですね。

 ルート構成としては特に難しいことはなく、2択の選択肢×2で4通りのパターン変化するだけです。
 全体構成としては、ある程度シナリオの方向性は定まっている為に、そこに主人公たちの関係性を含むちょっとした変化が加わることで、主に悪役の側の活動方針が変化していき、絢乃と優香シナリオでは基本元々のプロジェクト推進、佐緒里とルイシナリオではより直接的な新しい方針に切り替え、という形で、終盤の展開にバラエティをもたらしています。
 まあやることは変わっても黒幕は基本一緒で、その野望を挫く為に、そして自分たちの願いを叶える為に主人公たちは一生懸命戦うわけですね。

 全体のシナリオ評価としては、ヒーローもののお約束である、愛・希望・挫折・友情・勝利がたっぷりと詰まった内容で、見た目やら何やらで元々プレイヤーには敵役の事情も透けて見える部分が多々あり、逆に展開が読めることでお約束を踏襲するに違いないという安心感がある設計だなあというのが1つ。
 
 そして、全体に共通するマイナス点としては、敵役の思想の軽さ、薄っぺらさが半端ないところが挙げられます。基本的に楽しく読み進められる作品の中で、彼女の行動だけが飛びぬけて不快感を醸しだす要因になっていて、無論対立軸としての悪は必要ですが、その行動原理があまりに幼稚すぎる為その不快感を中和できないんですね。
 なので、作中の主人公たちと同じように、彼女の行動、思いも理解できるよ、的な認識には到底辿り着けず、その温度差がまた作品の盛り上がり、読後感の良さを削いでしまっている原因になっているなあと思います。せめてもう少し、大人の事情を添付しても良かったんではないかと感じました。

 個別については、絢乃>>>優香>>ルイ=佐緒里という感じですね。
 全体として王道的な作風なのは間違いないんですが、その王道度合いの差がそのままシナリオの評価にも繋がっているかなと思います。どちらかと言うとやはり、ルイと佐緒里、敵役が新プロジェクトに乗り換えるシナリオのほうが、そこまでの背後関係の重みが薄い気がしました。まあこの2つがテキスト的にも笑いに比重を置いていて、シリアスとの温度差が出ているのもあるでしょうが。

 無論それはそれで面白いからいいんです。終盤が若干茶番めいた雰囲気になってしまっていると言っても、それは決して悪い意味ではないつもりですが、やはり話の飛躍っぷりの大きさから、地続きで共感できるかと言われるとちょっと・・・という感じなんですよね。

 その点、優香と絢乃シナリオだと、敵役の方向性も地に足がついていますし、そこでの余計な展開がない分、心理的葛藤の解決やら成長やらに尺を広く割けていて、終盤もその流れのままに進んでいくので、上2つに比べると地味ではありますがいい話に仕上がっているなあと感じましたね。
 2つのシナリオの差としては、優香シナリオはしかしどちらかと言うと覇道寄りの内容、あくまで自己の問題を中心とした物語であることが1つ、もう1つはむしろ絢乃シナリオにだけ感じたプラス点ですが、かなり早い段階で主要キャラの思惑が一致して、敵方に絡め取られたりという心象の良くない展開がない、という点です。優香シナリオも好きではあるんだけど、やっぱり俺のあやのんになにすっだ〜的不快感が・・・ねぇ(笑)。

 そして絢乃シナリオ、これぞ正に王道中の王道でしたね。
 他シナリオが、読み手にはなんとなくわかっている部分なんだけど、かなり終盤で敵の正体が判明したり、急展開が発生したりで、そこでの、な、なんだって〜!?的なノリにちょっと苦笑してしまう中、絢乃シナリオはそもそも体験版の時点で絢乃の探し人バレバレ状態なんですよね。。。
 
 だから、それを変に引っ張られてもな〜と思っていたんですが、他に比べると比較的早い段階でそれが開示されたのがまず良かった点。
 そして、その展開を含めて、絢乃が真っ向からヒーローの在り方、力の意義に対して煩悶し、悩みながらも友人や家族の力も借りて一歩ずつ進んでいき、それに寄り添う形で主人公との関係性も進展するという、その地味だけどとても丁寧で、かつ確実に答えに近づいていく構成がすごく好みでしたね。
 そういう方向性を汲んでいるのか、他シナリオに比べてテキストのギャグ混入率も低く(あくまでこのゲーム平均ですが。。。)、それだけに純粋に絢乃の魅力とその思想の健全性、尊さが光っていて、それがラストシーンのお約束を、きちんと王道に昇華出来ていると私には思えました。

 その上で、他ヒロインの内在論理などもきちんと丁寧に反映されているし、全体構造としてこの解決が1番紛れなくハッピーエンドに感じられるので(他ルートだとVのその後、ちょっと不安ですよね。。。)、個人的には絢乃シナリオを最後にプレイするのをお勧めしますね。
 ぶっちゃけこのシナリオだけで+4点したくらいで、他シナリオがどうしてもパロディの部分に引きずられた印象を拭いきれなかった中で、鬼ごっこのときにも評価した笑いと感動の両立が1番良く出来上がっていて、実に好みの内容でした。


 以上、全体評価としては、メーカーとしての方向性はしっかり維持し、その中での試行錯誤、挑戦のビジョンもしっかりと投影されていて、まあ若干そこで失敗しているきらいもあるけれど、総合して外れシナリオのない、安定したクオリティだったと思います。
 相変らず、面白い印象は残っても、半年経ったら内容そのものは忘れてしまいそうな(笑)、キャラ中心のテキスト重視の作りではありますが、その中でも常にきちんと一定以上のシナリオに仕上げてくるのは流石だと思うし、このシリーズが好きな人は勿論、やったことない人にも楽しんで欲しい作品ですね。変にシリアスで固められるよりは、このくらいのほうが王道やお約束も受け入れやすいって印象もありますし、間違いなく楽しい時間は提供してくれると思います。


キャラ(20/20)

 もうこの点は文句なしですね。方向性としてはあくまで二次元なりの、お約束のヒロインの可愛さを先鋭的に追及した感じで、等身大の雰囲気とは遠いですが、その、これでもかとばかりに繰り広げられるエロゲー的展開や萌えイベントが実に安定していて、脇キャラに至るまでそれが徹底されているから安心して楽しめるクオリティです。
 まあシナリオでも書いたように、約一名だけ不快感しか先立たないキャラがいるのが残念なポイントではありますが、しかしそれで減点するにはヒロインが可愛すぎるのでした。。。

 1番好きなのは文句なしで絢乃ですね〜。いやあホント可愛かった。
 やや趣味・嗜好に偏りがあるのは制作の意図上仕方ない部分で、それを要所に個性として生かしつつ、等身大の1人の少女としての悩み、願い、夢、恋情などをきっちり投影していて、その素朴さ、愛らしさ、手探りでも前に進み続ける強さ、特に人付き合いに色濃い、不器用ながらも一生懸命な姿などが本当に魅力的だったと思います。
 勿論自身のシナリオでそれが1番色濃く出ていたのは確かですが、他シナリオでもブレなくその良さは発揮されていて、佐緒里シナリオとルイシナリオではそれが顕著でしたね。それだけに、優香シナリオでのアレが口惜しい・・・ぐぬぬ。
 直前に真紅がいたせいで、脳が飽和して贅沢になっている部分を踏まえて冷静に見れば、この子もギリギリ殿堂に達しうるポテンシャルはあったかなと思いますね。本当に素敵で、大好きです。

 次いでルイですね。あの甘えっぷりは反則級の可愛さ。
 普段の毅然とした物言いと、甘えモードの蕩けっぷりのギャップの破壊力がすごく、そんなときでも一人称だけは余、だったりするのが妙にツボに嵌りましたね。異性に対する警戒心が薄いのもあって、すごく距離感が近いのも可愛いポイントで、他シナリオでもそれが発揮されていたので全般的に満足度は高いです。

 佐緒里も水準以上には可愛かったです。肉食系彼女いいわ〜(笑)。
 惜しむらくは1番シナリオ面においてシリアスがテキストに食われてしまっていること、あと他ルートでは活躍が陰に潜んでしまって、あまり個性が浮き出てこないところですが、それを補って余りあるインパクトが自身のシナリオにはありましたね。

 優香もこのヒロインに入ると一番下なんですけど、それでもかなり好きなんですよ。
 態度はともかく心根がすごく真っ直ぐで、大切な人に対する愛情がすごく溢れている感じで、それがシナリオにも色濃く出ていてよかったですね。意識の転換の過程とかも良かったですし、妹ちゃんも可愛いし、ホントこの子のシナリオ好きなんだけどなぁ・・・。

 そして縁の下の力持ちである延彦もいいキャラだったし、それに西園寺を筆頭とした、真っ当に子供と社会の幸せを願う大人たちが物語の脇を支えていて、実に私好みのキャラ設定だったなと思いますね。いやあ師匠おもろかった。。。


CG(18/20)

 ヒロインごとに原画が違いますが、さすがに長年やっているだけあってさほどに違和感もなく、このメーカーらしいちょっと淡くて可愛らしい、そんな雰囲気が今回も十全に生かされていると思います。

 立ち絵に関しては水準ってとこですね。
 ポーズはヒロイン1人2種、サブ1種とやや少なめ。腕差分とかもないので、この点では動きに乏しく見えます。出来そのものはらしさはきちんと出ていて好きですけどね。
 お気に入りは絢乃やや横向き、正面向き、佐緒里やや右向き、ルイ前のめり、美香正面向きあたりです。

 服飾はヒロインが5〜6種、サブにも2〜3種用意されていて中々に豪華。デザイン的にも可愛らしいものが多く、ヒーロースーツとかも無駄にエロ可愛くていいぞもっとやれな感じです(笑)。
 お気に入りは絢乃制服、新私服、パジャマ、佐緒里私服、パジャマ、水着、ルイ制服、私服、パジャマ、優香私服、真スーツ、美香私服あたりですかね。

 表情差分はだいたい1人20種くらいでしょうか?多くも少なくもないですが、内訳的にややデフォルメなものが多く、その分コミカル色が強めに感じられます。まあ全体的にとっても可愛いのは間違いないですが。
 お気に入りは絢乃笑顔、照れ、困惑、憂い、ジト目、線目、佐緒里笑顔、ニヤリ、困惑、怒り、ジト目イラッ、慌て、ルイにっこり、きょとん、半泣き、照れ目逸らし、ニヤリ、ウインク、優香笑顔、照れ、怒り、美香ウインク、ジト目、笑顔あたりですかね。


 1枚絵は通常が103枚、SDカットインが36枚、その他ヒーローカード閲覧が23枚ありますね。カードは特典でついてくるのと一緒ですけど。ヒロイン1人頭は22枚で、あとはヒーロー関連、全体的に質も量も充分で、まず文句のないところです。ただ、平均的に好きなのは多いんだけど、特にこれ!って言うのが今回なくて、それがあと1点上増し出来なかった原因ですね。

 お気に入りはページ順に、絢乃体育座り、携帯ゲームとキス、お風呂、満員電車、デート、添い寝、特訓!?、メイデンHバック、お風呂Hパイズリ、佐緒里下着ポーズ、デート、添い寝、お姫様抱っこ、和解、家族、正常位、パイズリ、優香着替え、妄想奉仕、なでなで、車椅子バスケ、うたた寝、キラキラ、一緒に未来へ、四角関係!?、騎乗位、座位、ルイなでなで、寝起き、肩揉み、アイス、キス、目覚め、誓いのキス、本心、抱っこ愛撫、背面座位、ペタ座り騎乗位あたりですね。


BGM(18/20)

 ヒーローものらしく、疾走感と爽快感、そしてお涙頂戴と正義の血潮、そういった要素がふんだんに盛り込まれて、実に質の高い楽曲だったと思います。

 ボーカル曲は2曲。
 OP&EDの『SHINE RING』は中々にいい曲ですね。すごく疾走感と華やかさがあり、それでいてきちんと曲としての盛り上がりと調和も取れていて、聞いていて清々しい気分になります。特にAメロが好みですね。
 第2OPの『Rebirth∞Impact』は、最終戦の前に流れる曲なのかな?最初の佐緒里以外流れなかった気もしたけど。こちらは主題歌よりも迫力と決意の色が強く出ていて、その分曲としてより色物っぽくはありますけど、サビの迫力とかは中々でかなり好みです。個人的にどこか恋色空模様の2ndを思い出します。。。

 BGMは全部で36曲、タイトル曲とCM曲で6曲あるので実質は30曲かな、量は水準ですし、質はかなり高くてお気に入りです。

 特にお気に入りは2曲。
 1曲目は『ささやかな夢』。この柔らかい出だしからガラッと切ない旋律に切り替わるところが超好みで、純度の高い想いを吐露するシーンに実に親和性が高くて、耳にも残るし印象も強くて大好きな曲ですね。
 2曲目は『星空へ紡ぐ道』。こちらはおよそ全て解決、という場面で流れる決め打ちの曲ですね。壮大なスケール感の中に、迫力と決意、そして未来への希望がギュッと詰まっていて、オーケストラ調の旋律がそれを一層引き立ててくれています。

 その他お気に入りは、『朝露きらり』『小さな体に大きな大志』『しずく、ひとつ』『右手の記憶』『帳が下りれば』『はじめの一歩』『それぞれの正義』『追いつめられて』『一発逆転!勝利を掴め!』『shining soul』あたりですね。


システム(9/10)

 演出は質が高く、かつ非常に効果的に使われていましたね。
 キャラの魅力、テキストの面白味を最大限に生かすべくの演出の方向性がもう確固たるものになっていて、その良い部分は踏襲しつつ、更により良く見せるための進化もしっかり組み込めており、とにかく全体的にコミカルかつスピーディーな仕上がりになっています。
 可変ウィンドゥというのもあり、背景効果などもより幅広く感じられて、本当に画面を眺めているだけでも楽しいですね。
 ムービーは2つとも中々に迫力があって、そのスピード感で押し切っている感はあるにせよ悪くない出来だと思います。

 システムも問題なく高水準ですね。
 欲しいものは不足なく揃っているし、前後にジャンプ搭載している&バックジャンプもあるのでうっかり予告カットしてしまっても安心設計、強いて言うなら、オートスピードがページ単位なのでやや使いにくいくらいでしょうか。


総合(88/100)

 総プレイ時間23時間くらいですかね。共通が3時間、個別が多少の前後はあれ5時間くらいと、かなり個別に比重を置いた設計で、その分キャラの魅力はきっちり表現し切れていますし、お約束とはいえ相互ネタバレなしで構成されているので誰が特に、という部分もない、実に正統派のキャラゲーに仕上がっていると思います。

 個人的に絢乃シナリオがツボに入った分と、音楽が好みだったので評価は高めになっていますね。もうメーカーとしては古参ですし、方向性が定まって安定したクオリティ・高い総合力はほぼ約束されているので、今後もこの良さを失わずに邁進して欲しいメーカーです。
posted by クローバー at 06:09| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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