2012年10月04日

Re:birth colony −Lost azurite−

 何の気なく体験版やってみたら物凄く面白い上にセルリアが尋常でなく可愛くて、その後にこの作品の前編であるフェイクアズール・アーコロジーもプレイしてこれもかなり面白かったので、今月一番の期待作として楽しみに待ってました。


シナリオ(26/30)

 自由に生きる、為の。


 海上都市アクアリウス。
 かつては国際中立の研究機関として、世界最先端の技術を手がけていた都市でしたが、スターレインの到来により、ほとんどの研究は生き延びるために不要と凍結されてロストテクノロジーと化し、そして研究の一環であったアーコロジー循環システム、そのなかでも最初期のタイプであるラピスラズリタイプを根幹として、都市そのものをアーコロジー化することで何とかスターレインの襲来を凌ぎ、そしてそれ以来研究都市としての面影は薄れ、時が過ぎていきました。

 そして、アーコロジーとして孤立して間もない時期に、人の手では裁断しきれないほどの政治的動乱が発生し、その時にラピスラズリタイプの対人インターフェイスを『女王』として祭り上げ、公明正大でされど冷徹で厳格な采配を政治基盤の中心に据えることで何とか解決します。
 しかし、その時に『女王』擁立に動いた面々が、やがて自分たちも貴族を名乗りはじめ、そして最低限のインフラは女王が統治しているのをいい事に、君臨すれども統治せず、を悪い意味で実践し、結果として中央区と外周区という、生活水準、帰属意識、果ては一般常識まで大きくかけ離れた完全なる隔離社会、二重社会を構築してしまい、しかし女王のおかげでそのシステムは500年もの長きに渡り機能してきました。

 主人公はそんな都市の中で、ほとんど最底辺に近い環境で孤児として生まれ育ち、そして幼い頃の事件をきっかけに、外周区最大の犯罪結社であるゲンチアナのボス、藍玉の養子として、同じ孤児院にいた瑠璃とともに迎え入れられ、その事で生活水準は大きく改善したものの、その恩義に報いるために、生涯藍玉のために生きることを半ば以上決定付けられていました。
 そして現在、主人公はケーラムという貴族の養子となり、中央区で働いていくための資格を得るために、その都市で最高峰の学園に通っています。それは当然、将来的に中央区に食い込んで、外周区、とりわけゲンチアナの便宜を図るために打ち込まれる楔の役割を期待されているからでした。

 そうした生まれによるシニカルさと、引き取られてからの生活基盤が娼館だったことで、女性に対する意識がやや偏って、かつすれている主人公は、ある日、藍玉に呼ばれて、外周区に本来手を出してこない中央区の騎士団が入り込んでいる件の調査の最中に、同じく外周区に入り込んでいる貴族のお嬢様と出会います。
 彼女は現アクアリウス議会の議長という、人間の中では最高位を極めた存在、べレンス・セレスタイトの孫娘、セルリアであり、元来表に出てこないとされていた少女が何故こんなところにいるのかいぶかしむものの、彼女もまた同じ目的でこの場所に来たことが判明します。
 手を貸して、と屈託なく言ってくるセルリアに気圧され、逡巡しているところで、突然主人公の視界が青に染まり、そして目を開くと、そこには10年前の事件の大恩人の姿がチラッと見受けられ、当面の問題を差し置いて主人公はその影を追って走ります。

 そして辿り着いたのは、一般的な地図には載っていない謎の区画でした。主人公がそこでかつての恩人の名前、アズライトという名を叫ぶと、突如周囲の機械が稼動を始めます。何故か後を追ってきたセルリアとその御付きのシアンとともに調べていくと、やがて1つの装置が動き、そしてその中から、そのアズライトに姿が酷似した少女が現れます。
 それが自分の恩人なのか確かめようとする主人公ですが、彼女は自身をアズライトと認識している以外は記憶を失っており、そしてそこに、突如騎士団が乱入してきて、主人公は狙撃されます。しかしその窮地は、アズライトが不思議な力を揮ったことと、その場にいたセルリアの存在によって何とか解決され、主人公はその場で気を失うのでした。

 数日後、主人公は学園に御付きのメイドとしてアズライトを引き連れていました。
 それはあの事件のあと、アズライトが主人公の側にいなくてはいけないと主張したことを汲んでのもので、藍玉の権力と主人公の学園での貴族という立場をフルに活用した、当面の問題を棚上げして長期的に調べるための措置でした。
 しかしその日、これまた突如セルリアが学園に編入してきて、アズライトに関心があるから預けてくれないかと持ちかけられます。腹の探りあいの結果、互いに利用できるところは利用するという協定を結んだ2人は、学園生活という仮面の裏で、あの日進行した事件の顛末、そしてアズライトの出自、そして能力の調査を始めます。

 時を同じくして、外界のアーコロジーであるステルングローブから、技術的相互間協力という名目での外交・調査にやってきたノイエという少女が学園の学生兼技術担当講師として現われ、必然としてセルリアの存在に目をつけます。二国の技術力の差異から、基本的な秘密は筒抜けになってしまい、結果としてノイエも巻き込んで、このアクアリウスというアーコロジーそのものに存在する謎にまで話は進んでいきます。
 いくつかの事件を経て、歌手としていわば別世界にいたはずの瑠璃までもがこの集団に巻き込まれていき、そして巷に、なんでも願いを叶えてくれる青い少女の噂が蔓延していきます。それはアズライトの見た目と酷似した存在であり、なんらかの関係があることは明らかで、全ての問題がそこに直結しているのではと主人公たちは重点的に調査していくことになります。

 果たして彼らは、アズライトの真実を、アクアリウスに蔓延る闇の現実を突き止め、そしてそれを解決に導くことができるのか?そしてその結果として、この社会に蔓延した退廃と停滞を打破し、大切なものを守り通して生きることが出来るのか?
 これは、閉塞した社会の中で、自分らしく生きることを貫き、世界を広げていく青年たちの物語です。


 あらすじはこんなところでしょうか。
 大枠としては、アズライトと、その覚醒によって主人公にもたらされた、電脳上の特殊な力を利用して様々な調査を進めていくうちに、深部の問題にまで直接手を突っ込んでしまって、しかも解決に導くにはその特殊な力が必要になるという引けない状況になり、その中で各々のヒロインと結びつきつつ、一番大切なものだけでも守るために、アクアリウスの基盤を揺るがす大問題に向き合っていく、という流れです。

 作品の位置付けとしては、フェクロジと世界観を同一にする物語ですが、あちらは青春群像劇という色合いが強くて、社会の閉塞という観点は、主人公の空を飛びたいという意志に集約させて語っていた部分が大きく、それに対して今回は、社会全体の閉塞と、そしてそれによってもたらされた歪みに直接突き当たっていくイメージですね。
 
 その分作品全体のイメージがだいぶシリアスによっていて、SFサスペンスヒューマンドラマのような緊迫感のある展開と、緊張感のあるやり取りが多く、ただ個人的には世界観のイメージにはこちらのほうが親和性が高くていいなと思いました。人類の黄昏の中で機械に支配を依託し、緩慢な退廃と思考停止の中に沈む社会を、若い意志で打破する、そういう色合いが強く、それがまた老人と青年の対立という形でも示され、いい意味でメッセージ性とエンタメ性を両立させていると感じましたね。
 
 無論、美少女ゲームらしいコミカルな展開や萌え、ほのぼのするやり取りも随所にあり、そしてシナリオの流れに必然性を感じさせるエロスも内包しているので、1つの作品としての完成度が高いです。
 ただし、続編としての色合いはそこそこ強く、細かい設定なんかは前作でやったからいいよね、的な割り切りがあり、この作品においてはそれは3分ハッキングコーナーでの紹介に留まるので、それが逆に最序盤からの密度の高い展開を許容している部分はあるものの、やはり知っていると知らないとでは没入度に差が出るかなと。
 後半部や、ノイエという存在との絡みも考えると、やはりフェクロジを未プレイだと、この作品の本来のポテンシャルの85%くらいしか楽しめないのではないか、そんな気はしましたね。

 テキストに関しては、ライターの中でもう完全に世界観のイメージが固まっているのだろうこともあり、場面ごとの言葉の選択に至るまできっちり固さと緩さを上手く使い分けていて、読み口としてすごくメリハリがあると感じます。特に、腹の探りあいに似たやり取りに関しては実に巧みに料理していて、その会話からキャラの魅力がきちんと浮き立ってくるのもポイントが高いですね。
 まあ前作を踏襲して、と言ったらあれなんですが(笑)、今回も若干誤字が見受けられるのは勿体無いところですね。ただまあ、本当に今回は若干ですし、前作に比べると主人公の性格からしてだいぶ真面目に寄っている為に、大人びた、というとまた少し違うかもだけど、格調の高いテキストの仕上がりになっていると思いますし、間違いなく私好みではありました。

 ルート構成は、章の合間にサイドストーリーで選択したヒロインのルートに入る、という形式なんですが、アズライトだけは3人クリアしないと共通ルートの先には進行できない仕組みになっています。仕掛けとしては、他3人の内容で、青い少女の目的という視点での失敗の履歴でデータを埋め尽くすことで、ってことになるみたいですね。
 そして設定としては、もうこれは全てのルートで起こる事件そのものは共通していて、どのヒロインを選んだか、で解決へのアプローチが変わってくるということになります。

 ここで弊害になるのは、主人公がそのヒロインを選んだ理由付け、の部分ですね。
 一応プレイヤー視点では、サイドストーリーを追いかけたから、ということにはなるのですが、実際のストーリー展開においては、全てのサイドストリーリーを通過しているという扱いであり、無論それぞれのヒロインと、観点は違っても共通の流れの中で想いを寄せるに足る関係性を築いているのは確かですが、だとすると、じゃあ1人に選ぶ際の最後の決め手はどこかって思うんですよね。
 共通最後の事件を経て、主人公の扱いが微妙に変わってくるその理由付けが曖昧に感じたのが、この作品唯一に近い瑕疵(前作との繋がりの部分は置いておいて、ですが。)かなと感じました。

 あと、強いて言えばノイエだけはやはりくっつく理由付けが薄いなあと。このあたりもある意味フェクロジとの繋がりの弊害というか、ノイエ的存在にまつわる苦悩とかはレティで大体消化してしまった為に、他3人がそれぞれこの舞台での個としての悩みを抱えているのに対して、ノイエだけはそれが少なくとも表には出てこないので、上で書いたような横並びの状態から選択されると、他のヒロインに対して、という意味でやはり飲み込みにくいかなと。

 このあたり踏まえてシナリオですが、個人評価としてはアズライト>瑠璃=セルリア>>ノイエくらいです。といっても、一番下のノイエシナリオで水準の2枚上くらいの出来ではありますが。
 無論、どのルートでも同じ事件という部分で、1周目のインパクトが1番強くなるのは仕方ない部分もありますが、きちんとヒロインの立場・能力を反映した差異感はしっかり打ち出せているので、その部分は私にとてはマイナスになりませんでした。

 ノイエの評価が低いのは、上の理由に加えて、どちらかというと主人公と2人だけで解決してしまった感が強いからですね。その作品の肝とも言える、立場は違っても意志は一緒、という風な、主人公とヒロイン達の連帯感、信頼感が1番表立って出てこなかった分だけ、あっさりした印象だったと思います。
 
 セルリアシナリオは作りとしては1番平凡だと思うんですが、それゆえに個の魅力が際立っていて、その辺はセルリア好きだからって色眼鏡もあるのでしょうけど、他のキャラの動きも含めて1番自然な流れの中で展開されていたと感じられたのでこの評価ですね。

 瑠璃シナリオはおそらく最初に攻略可能な3人の中では1番インパクトの強いシナリオですね。瑠璃がずっと求めていた親探しの観点と事件がリンクして、その中で出口のない残酷な状況に煩悶し、憤り、どうにかならないかと足掻いて、ひたすら生き足掻いて、という人間味溢れる描写がすごく重々しくて迫力があったと思います。
 ただその分、他要素との絡みが簡素で、かつ唐突だったのはあり、これが1周目だったことを踏まえるとこの評価かなと。

 そしてアズライトシナリオ、の前に前提として語っておくべきは、この作品は決して全方位ハッピーエンドの物語ではない、ということです。
 ここまでのシナリオにおいても、主人公が一番大切と思ったヒロインとの道行きだけはちゃんと守られますが、逆に言うとそれ以外の要素は容赦なく切り捨てられているわけで、その悲しみと苦悩の先にある、選び取った自由、幸福、という観点が浮き彫りになります。

 メッセージ的な意味合いで紐解けば、生きる、と、生かされる、の差異、そして自由や幸福という概念が、状況でなく意志を指し示す言葉であることが見えてくる内容で、選択の先にあるものの崇高さ、価値を明確にしているんですね。
 そして、それを全体像に当てはめて具体的に言えば(微妙にネタバレですけど)、他ルートではアズライトは助けられない、そしてアズライトシナリオにおいても、アズライト以外のヒロインに完全な救いと幸せはもたらされない、ということになります。

 その視点を明確にした、という意味合いでも、場面の仕上がりとしても、やはりアズライトシナリオの白眉はべレンスとセルリアの対峙シーンだったと言わざるを得ないんですよ。。。
 この作品のヒロインはそれぞれに重い設定を背負っていますが、わかりやすくそれが作中で多様性をもって加速していくのってやっぱりセルリアが一番かなと思うし(瑠璃もアズライトも重いけど、それぞれ単発だから積み上げという意味では負けるかなと)、このシーンはその中でも屈指ですよね。
 自分らしい自由、生き様を守るために、貫くために、決別しなくてはいけないもの、犠牲にしなくてはならなかったものがあまりに重過ぎると思わせ、その上であの台詞はもはや反則に近い破壊力だったと思います。正直感情の上では、このシーンひとつで名作判定出してるくらいのつもり。

 そしてその後の展開も熱いんですが、こここそフェクロジの色が1番強く出ているので、ノイエが突如としてあれを持ち出したときにテンションに乗れるか否かは分水嶺、というか危険な賭けのような気もしましたね。無論私は最高に楽しめましたけど。
 ま、あと強いて言えば、アズライトの設定そのものの色付けが理に寄っていなかった部分だけは気になるといえば気になるけど、それは仕方ないかなと思いますし、私的にはどの口で言うか状態なので。。。


 以上、全体的にボリュームがあり、けれど密度も高くて重厚感があり、話としては一本道なのに全く飽きさせない力強さのある作品でしたね。これ単品でここまでの迫力だったらもう1点プラスしても良かったんだけど(というか実際昨日1日相当に悩んだけれど。。。)、やはりフェクロジとの関連性が色濃いこと、そして構成面でのちょっとしたマイナスを諸々含めると、この点数が妥当かなと思いました。
 連作的イメージ、単純な萌えゲーとは一線を画したシリアスなシナリオと、微妙に敷居の高い作品ではありますが、フェクロジの、キャラ性含めた世界観が面白いと感じられた人ならば、間違いなくより一層楽しめる作品ではあったと思います。


キャラ(20/20)

 それぞれヒロインの個性が、シナリオとも密接にリンクして実に鮮明に際立っていて、そして社会に蔓延る退廃、諦観への対立軸として、あくまで若者らしい溌剌さと理想と信念を持って前に進み、時には大きく傷つきつつもその自由を、生き様を貫き守っていく様は本当に心に響きましたね。
 そして、結果として対立する形になったとしても、本質的な意味で悪の存在はどこにもいない、というあたりが、作品の切なさを加速すると共に、その不条理の中で歯を食いしばって生きる在り方が余計に輝いて見えるという寸法です。

 1番好きなのはもうダントツでセルリアですね〜。殿堂入り確定です。
 過去にも今にも様々に重いものを背負っていながら、自由闊達で公平で純粋で、それでいてきちんとノブレス・オブリージュは体現しているという、ちょっと理想的過ぎるんじゃないってくらい人間としての格が極まっているスーパーヒロインだったと思います。
 アズライトシナリオでの後日談が、さもありなんと感じさせつつ、それを選ぶに至る過程での悲しみを、強さを透けて見せていて、本当に素敵だったなあと。
 
 平常的には、オンとオフの切り替えがしっかりしてて、女の子らしい側面もきちんと沢山見せてくれるし、自分のルートでは唯一寄りかかってくれるし、でもそれが共に戦うためのパートナー、という位置付けなあたりは本当にらしくて、驥尾に附してでもついていきたい、と思わせる子でした。Hなシーンとかも品は残しつつらしさが出ていて素晴らしかったですし。
 そして当然、スイッチがオンになったときの果断さ、手段を選ばずに理想に邁進する在り方、そして責任を決して人任せにしない強さなどは、自分のシナリオに限らず作品全体に敷衍していて、存在感という意味では間違いなく一番のキャラではないでしょうか。

 次点は瑠璃かなあ。
 背負っているものの重さがある分、その思考の重さってのがそんなに色合いとしてきつくなくて、むしろ唯一絶対の拠り所としての求めがすごく心に響いてくるキャラでした。そのあたり、莉音と似ているようで一線を画せているのではないかと。
 事件そのものには1番関わってこないキャラですけど、立ち位置や思考の在り方、その覚悟がすごく作品全体を締めていて、そして歌手として発信する想いの部分に色濃く作品のイメージが染み付いていて、その辺含めてすごく印象的でしたね。

 んでアズライト、でしょうか。
 最終ルートまで本当の立ち位置が見えない分の出遅れ感はあるけれど、その一途な想いと献身は確かにすごく魅力だし、小さい子大好きな私としては当然好きな子です。ただやっぱり、特に他ヒロインの個別で重要な役割を果たすとはいえあまり出番がないのが、印象の意味で他に負ける原因にはなっているかなと。

 ノイエも好きですし、可愛いと思いますけど、やはりイメージ的には電脳面での切り札、事態を切り開くキーパーソン的なものが強くて、個別シナリオでもその色合いが強調されたことで、やはり隔絶感が少しあったかな、それが印象にも影響してるかな、ってところですね〜。

 他にも藍理や女王、最後にミソつけたとはいえべレンスなど、それぞれの立場の差異による理念の差はあっても、真っ当な大人が道行きを支えてくれる部分はいいなと思わせたし、言動に滋味と凄みがあって作品にいい影響を与えていたなとは思いますね。

 主人公に関しても、最初はシニカルかつ悲観的な部分が目立つ中で、他ヒロインとの出会いによって影響を受け、前向きに、そして自分の意をしっかりと押し通せる好青年と成長していく感じが良く出ていて良かったですし、キャラ面ではほぼ文句なしですね。
 しかし、共通での状態を見るに、どうにもセルリアとの波長が合いすぎていてそれが王道だろ、と思ってしまうのはやっぱり贔屓目なんでしょうかね?


CG(19/20)

 実に丁寧で可愛らしい絵柄ですが、塗りや背景の雰囲気とあわせて、時にサイバティックだったり、あるいは世界観の雰囲気に合わせて退廃的だったり、そういた雰囲気との重ね合わせが非常に上手くいっていることで、ただ可愛いだけでない存在感を絵の方面からも示せていましたね。

 立ち絵はまあ水準くらいでしょう。
 ポーズはヒロインが1人3種類、それ以外は1〜2種類だと思います。個性と品位をしっかり意識したデザインであり、奇抜さはないものの堅実に仕上がっていて良かったと思いますね。
 お気に入りはセルリア全部、アズライト正面手かざし、やや横向き、瑠璃横向き、ノイエ見返り、藍理前かがみ、べレンス正面あたりですね。

 服飾はヒロインが1人3種類、それ以外は1種類です。やや少なく感じますが、シナリオの流れの必然を壊さないために敢えて増やしていないというイメージは強いので、私としては文句はないところ。
 お気に入りはセルリア正装、制服、私服、アズライトメイド服、電脳服、瑠璃舞台衣装、制服、ノイエ制服、ソア電脳服あたりですね。

 表情差分は多彩とまでは言えませんが、必要充分には揃っていて、個性もきちんと出せているのでまず問題はない出来だと思います。
 お気に入りはセルリア笑顔、ジト目、ニヤリ、目逸らし、照れ困惑、照れ怒り、怒り涙、しょんぼり、><、アズライト微笑、不満、きょとん、照れ、照れ目逸らし、パニック、瑠璃怒り、照れ、真面目、半泣き、激情、諦観、ノイエ焦り、笑い、照れ焦り、苦渋、溜息、藍理ウインク、ニヤリあたりですね。


 1枚絵は通常のものが94枚、SD7枚の計101枚。シナリオ展開上その他の振り分けが多く、ヒロインあたりとしてはもう1歩ですけど、まあそれはHシーンがそこまで多くない分でもあるし、出来に関してはほぼ文句なし、素晴らしい可愛さと印象だったと思います。

 特にお気に入りは3枚。
 1枚目はセルリア着替え。このボディラインの綺麗さは完璧で、そこに呆気に取られた表情があどけなさを味付けしていて、すごく可愛らしい1枚ですね〜。
 2枚目はセルリアパジャマトーク。これまた素晴らしい可愛さですが、これは特にコロコロ変わる表情が最高に魅力的ですね。
 3枚目はアズライト膝枕。色彩感と、小さく縮こまり、困惑しつつも嬉しそうなアズライトの雰囲気が最高に好みでした。

 その他お気に入りはページ順に、アズライトお風呂、しばしの別れ、空で突き放して、再びあおい空へ、回想、初H愛撫、正常位、触手愛撫、夢Hバック、火照り解消、セルリアの挨拶、窓際での対話、議会、解決は次代へ、シアンとの思い出、初H愛撫、正常位、娼館Hフェラ、騎乗位、夢H愛撫、バック、瑠璃ステージ、手繋ぎデート、女王と対峙、号泣、帰還、初Hフェラ、対面座位、娼館H正常位、ノイエお風呂、電脳展開、初H愛撫、屈曲位、着物H正常位、バック、女王降臨、ボロボロの藍理、2人の姉、アービノスの意地、セルリアの慟哭、空へ、最後の問いかけ、藍理騎乗位、3PWフェラ、騎乗位2、シアン騎乗位、ドックファイトあたりですね。


BGM(19/20)

 近未来的な色合いも含みつつ、どちらかと言えば斜陽、黄昏、そこから引き出される切なさを色濃く盛り込んだ楽曲かなと。

 ボーカル曲は3曲プラス&。アンリミテッドはフェクロジのOPですね。
 OPの『Fractale Sequence』は、出だしから緊迫感と疾走感が色濃く、背後のピコ音が近未来感を醸しつつ、焦燥を駆り立てる雰囲気に仕上げていますね。曲としての完成度は高いですし、聞き応えもありますが、ややサビが甘いかなと感じました。むしろ最後のイントロが好き。

 挿入歌の『プレゼンシア−存在−』が私的には超神曲。曲の作りとしてはとてもシンプルなバラードなんですけど、そこに内在する切なさ、悲しみ、切望、意思などが、すごく作品のキャラの在り方とシンクロして、その補正値が凄まじいことになっています。特にあのセルリアの慟哭に合わせられたのは反則級の破壊力でした。
 無論曲そのものとしても大好きです。特にBメロからサビへの繋ぎと、歌詞の色合いが本当に切なくて、だけど下手に言葉を費やす以上に、音がその叫びを届けてくれる、そんなインパクトのある曲ですね。これも今年の殿堂入り確定の1曲です。

 EDの『眠れる明日へ』も哀愁を漂わせつつ、失ったものに想いを馳せながら前を向いて歩くねそんなイメージがしっかり打ち出せていて、上2曲に比べるとインパクトは薄いですが、特にサビの広がりなどは清々しくてかなり気に入ってます。


 BGMは全部で30曲と水準、出来は飛び抜けて、というのはなかったけどかなりいいですね。特に緊迫のシーン都感動のシーンは、出しゃばり過ぎない程度にいい色合いを出せていると思います。
 お気に入りは『対峙』『重ねあう』『アーコロジー』『絆と心』『Antibody code』『記録と記憶』『現実』『決意』『想いの果てに』『青い世界の向こう側』あたりですね。


システム(9/10)

 演出はかなり進化しましたね。
 立ち絵同期、感情アイコン、出入りの多彩性と奥行き、影の演出、光源演出、構造体などの電脳演出、どれも高い水準で組み上げ、組み込まれていて、見栄えという意味では実に印象的でした。
 そしてムービーも、サイバティックなデザインの中でスタイリッシュに、コンパクトに纏め上げられていて、曲の疾走感と相俟って中々に印象的だったと思います。かなりお気に入りですね。

 システムは水準には届いていますが、気になる点もありつつ。
 とりあえずシナリオセレクトはあるものの、区分けが大まか過ぎてあまり役立たない、そして選択肢ジャンプがないので2周目以降がちょっと面倒、ってのはあります。あっぷりけだと大抵フローチャートのイメージだし、一々お気に入り場面でセーブしなきゃならないのは不便に思えてしまいますね。
 まあスキップはそこそこですし、機能性もデザインも好みではあるので、この部分でマイナスすべきかもちょっと悩んだけど、こっちは甘めにすることにしました。


総合(93/100)

 総プレイ時間25時間くらいですね。共通が10時間弱、個別がサイドストーリー込みで3,5〜4時間程度の計算です。共通が長くて一本道の割には個別も長く、それでいて冗長にはならないあたりは見事な出来ですね。

 全体的にこれまた人を選ぶ作品ではありますが、ギリギリまで理を貫く、という姿勢は私が好むところですし、設定をファンタジーに依存しているにしても、前作からの流れと膨大な状況、心理描写でそれをプラスに転じているあたりは理想的な作り込みだと思うので、私にとっては間違いなく名作、傑作でしたね。
 ただ、興味を持ったとして、やはりプレイするならフェクロジを先にやっておいたほうがいいことは重ねて言及しておきます。
posted by クローバー at 05:19| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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