2012年10月29日

ルートダブル −Before Crime*After Days−

 元々絵的にもスタッフ的にも内容的にも興味はありありのタイトルだったのですが、携帯機じゃなあ・・・、と敬遠していたところ、結構早くにPC版もリリースしてくれたので喜び勇んで購入。


シナリオ(26/30)

 辿り着くべき可能性の先取り。


 時代は近未来の2030年、しかしこの世界の科学の分野においては2014年に、人類の在り方そのものを覆すパラダイムシフトというべき発見が為されていました。
 それは、BC(Beyond Communication)粒子と呼ばれる、人間の精神活動にまつわる情報を介在する粒子が発見されたことで、その発見により、今までオカルトの分野でしかなかった言葉を使わずに意志を伝えるテレパシーや、逆に相手の心の中を覗くエンパシーと言った能力の存在が科学的に立証されたのです。

 そしてその発見を境にして、世界中の特に若年層においてその能力を使える人間が多数発生し、彼らは人括りにコミュニケーターと呼称されるようになります。
 しかし、いくら科学的に解明できるといっても、その調査は端に発したばかり、まだまだわからないことも多い中で、その能力は社会の中では恐れられ、忌避され、実際初期にはいくつかの軋轢も表面化しました。
 けれども、国際的な社会全体の意志での庇護もあり、コミュニケーターと一般人類は今のところ穏やかな共存の道を探るべく、互いにその能力の解明を急いでいる、というのがこの世界の現状です。

 そんなBC研究に世界に先駆けて国家的に熱心に取り組むようになった日本は、各地に研究の為の機密都市を作り、そこに数多くのコミュニケーターを集めることで、研究と安全の確保、一般社会からの隔離という何重もの難しい問題を一先ず噴出させずに収めていました。

 しかし、それらの都市の中の1つ、鹿鳴市研究都市において、2030年9月16日午前6時19分、クライシスが発生します。
 それは、街の郊外に鎮座していた原子力・生命学研究機関において発生したもので、施設内の複数箇所が爆破されることで始まった事故は、やがて施設内の原子炉にもその被害を及ぼし、メルトダウンが発生したことで地上と地下を繋ぐ部分の隔壁が全て閉ざされてしまうというものでした。

 主人公の1人、笠鷺渡瀬はこの都市の特殊レスキュー部隊、シリウスのAチームの隊長を務める立派なファイヤーマンでしたが、今回の事故による救出活動中に頭を強く打ったのか記憶を失ってしまい、閉鎖された施設の中に閉じ込められてしまいます。
 同僚で部下の女性隊員、風見と洵に発見されたものの、かつての記憶は思い出せないまま、けれど使命感に突き動かされて彼女らと文字通り命がけの救命活動に奔走することになる渡瀬は、いくつもの危機を乗り越えつつ、悠里、恵那、宇喜多といった要救助者と合流することに成功しますが、施設内にはあと3人の学生が取り残されていることを知り、彼らも助けて自分たちも含めて9人、全員で無事に脱出するのだと心に誓います。

 もう1人の主人公、天川夏彦もまたその頃、幼馴染のましろや悠里、そして最近友人になったサリュの4人とこの施設に閉じ込められてしまいました。
 彼らはこの鹿鳴市のコミュニケーター育成専門の学園に通う学生であり、本来この施設には、夏彦の母親が働いている以上の縁はなかったのですが、ふとしたきっかけから事前にこの施設に発生する危機を察知し、それを食い止めるべく奔走したものの、力及ばず巻き込まれてしまったのです。
 隔壁が封鎖され逃げ場のない状況の中、夏彦は度々直近の記憶を追想します。まるで、その過去の中に真実と、ここから脱出する術はあるといわんばかりに。過去に潜んだ想いと絆を確かめつつ、現状に立ち向かう少年少女たちの行く末は―――。

 かくして、今までまるで接点のなかった2人の主人公が、この事故を契機に遭遇、接近することで、事態は大きく動き出します。
 施設内のコンピューターがもたらした情報によれば、隔壁が開放されるのは午後6時16分、およそ半日に及ぶ、徐々に放射能汚染が進む隔離された施設の中で、彼らは果たして生き残る術を見出すことが出来るのか?そして、この事件の真実、この研究所の真実、その陰に隠された悲しい真実を全て認識したとき、彼らが選ぶ選択とは―――。
 これは、危機の中に落としこまれた社会の縮図を打破し、未来への道を紡ぐ物語です。


 あらすじはこんな感じですね。
 大枠としては、閉鎖された、すぐ側に命の危険がある空間の中で、少しずつ見えてくる真実の形に皆が翻弄され、時に疑心に駆られたりパニックに陥ったりもしつつ、常に前を向く2人の主人公を筆頭にして、皆の力と信念をいつしか1つに纏め上げ、そして真相の究明と揃っての脱出を為し遂げる、とそういう流れになります。
 
 テキストは全体的に凄みがあるわけではないですが、とにかく一つ一つの描写がとても丁寧で、状況に対する説明に厚みがあり、とかくそれが冗長に思える部分も無きにしも非ずですが、それらが特に終盤においてきちんと効果的に作用しているのでその点は素晴らしいですね。
 無論小難しい専門用語やBC解説などにも多くを割いていて、かつ出来るだけわかりやすく例えようと努力している感はあり、多少面倒でもきちんと理解しておけば終盤の共感度がだいぶ違う印象です。それでも読みやすいか、と言われると頷きがたいんですけどね。。。

 ルート構成は基本的に一本道です。意志の介在の仕方によってかなり多くのバッドエンド分岐がありますがそれは進行そのものには影響なく、ルートAとBをクリアするとCが開放、それをクリアするとDが開放、と続いていきます。
 Aルートは渡瀬視点、Bルートは夏彦視点で物語が進められ、彼らが本格的に邂逅するまでの道筋を辿る話になります。これはどちらからでもクリアできますが、個人的にはアルファベット順推奨です。理由は後ろのほうで。

 そしてこの作品は選択肢の代わりに、センシズシステム、というものが採用されています。それは特定の局面において、誰の言葉を信頼し先行きを預けるか、という感情を数値化して発露するもので、当然それが失敗すればバッドエンドになります。
 1回の操作において操れるセンシズは、それこそ最重要な局面を除けば多くて3人くらいなので、基本的には数値を横並びに設定しておいて、要所でそれを増減する、という形が正攻法ですね。
 発現するセンシズには青、黄色、赤の三種があり、その順で直後の展開の危険性も強くなりますが、しかしその場では安全な青にしても、きちんと意志を示してヒロインの好感度を稼いでおかないと後々駄目になるパターンも多く、かなり歯ごたえのあるシステムになっています。

 全体の構成として、基本的にはこの閉鎖空間の危機に凝縮されていますが、背景的に、そして事態を解明、解決するのに大きな役割を果たすのがBC能力になります。
 能力設定そのものはテレパシー・エンパシーという部分に象徴されるように空想科学的色合いは強いのですが、例えば近年でもヒッグス粒子のような未知の粒子が発見される事例もあるように、現代科学の志向性の先に発現したものとしての位置付けを明確にし、かつその能力の個々のレベル差、そして出来ることと出来ないこと、更にその例外に当てはまるいくつかの説明を怠りなくきちんと事前に内容に組み込んでいます。
 そのため、この危機的局面において、その力がもたらした悲劇や、あるいは解決に向けての活用なども一定以上の説得力はきちんと有している、と言っていいと思いますね。

 そして背景的な部分においても、BCの発見によって誰もが少なからずその人生の経路に影響を与えられたのがこの社会ですが、特にここに集った9人は悲劇的な運命を背負わされていて、それがその後の人生において確固たる生きる指針となって色濃く根付いており、その信念ゆえに対立することはあるのですが、それすらもBCの介入において一定の相互理解に導いてしまうんですね。
 そして、その信念を垣間見る部分への流れも、きちんと話の流れの中に上手く盛り込まれていて、そのあたりの構成力は素晴らしいなと感嘆しました。また、話が進むにつれて見えてくる、この9人の背景的な関係性、そして事件との関わりもかなり複雑ながら、終わってみればすごくスッキリした構図にまとまり、そこまでで死んでいったキャラにもきちんと物語が構築されていて、それも重みを与えています。

 そのあたりを踏まえてシナリオですが、基本今回はネタバレなしでいこうと思っているので、そう構えるとそこまで書けることもないんですよね。。。
 
 まず攻略推奨の点について触れておくと、時系列的にはB⇒Aの順なんですが、物語の緊迫感と没入度の高さという意味では圧倒的にAルートのほうが色濃く、先にBルートをやってしまうと、そのあまりに平凡に過ぎる日常風景が、実は如何に大切で煌いていたものだったのか、という部分の心理的共感が薄まってしまうと思うんですね。
 また、読み物の出来としても、Bルートの時点、特に前半部ではキャラの背景的な深みにはそこまでは触れていけないので、どうしても行動や言動の印象が軽く感じてしまうのも勿体無いところです。無論後半やその後の物語でそれは補填されるので、多分もう1周プレイすればだいぶ印象は違うと思うんですが、ここをいの一番にやるのは作品の底の深さを見誤る可能性を含めてあまり推奨できないなと。

 Cルートは、A、B両ルートでの事例をまた違う側面から見た物語と、そしてDルートへの繋ぎ以上の印象はなく、やはり大本命はDルート、このルートの密度の高さは凄まじいですね。何しろゲーム内進行時間より、プレイにかかる時間のほうが3倍くらいかかるって、設定部分で説明のつくところもあるけどそれにしても、とは思います。
 そしてこのルートで、それまではあまり多くの場面では直接介在しなかった2人の主人公が力を合わせ、渡瀬の行動力、夏彦の能力、そして2人の意志が1つになることで皆の意志も糾合し、解決に導く心理的、物理的土壌が形成される、という流れはやはり王道ながらすごく面白く読めました。
 
 描写がすごく丁寧なことの弊害、とまでは言わないですが、先の展開と行動論理が読みやすい、という部分はあって、その分ぐわっとくる感動や思い入れはそんなになかったんですが、じわじわと心に響く展開が続く感じの内容になっていたと思います。ただ個人的には被験者Nにだけ気付けなかった。。。あれはAルートのミスリードが上手いなあと感心しましたね。
 無論ラストもきちんと全ての問題に決着をつける形のエンドになっていて、読み物としての完成度は非常に高いと思います。

 テーマ性というか、メッセージ的な部分を紐解いていくと、異端の力であっても結局力は人の使い方次第であり、正しく使う意志が一番大切なんだ、という部分がまず1つ。
 そして、社会論理として、世の中に、特に日本的な社会の歯車の内部において絶対悪は存在せず、社会に住む全員の悪意が少しずつ少しずつ煮詰められて、その蓄積されたものが堰を切って今回の事件という形で噴出したことをまず表の位置付けとし、そしてその社会性を内部の事件に重ね合わせて凝縮しているところに凄みがあります。

 これはちょいネタバレですが、結局のところ施設内での事件は、BCによってその凄惨さが加速させられ、そしてBCによって解決されたと言えます。そしてBCは人の心に介在する能力であり、その潜在能力は世間に膾炙している部分だけでは語りえない、という点が肝になるのですが、けれど結局、人の心を変える、或いは意志を疎通して共有する、というのは日常の人間の在り方でもあるわけです。
 つまり、本来人が胸襟を開き、色んなことを話し合い、触れ合って解決していくべき問題を、BCという能力は良くも悪くもショートカットしてしまった、と言えるわけで、それを認識した上で、使い手である夏彦のほうから、本来それは誰でも出来ることなんだと定義して決着するのは見事な構成だったなと。

 とどのつまり、誰もが生きる上でそれぞれの正義を抱える中で、自分にわからないものをわからないままにせず、少しでも理解を深める努力そのものが、心のすれ違いから無意識的に生まれる社会悪の種を根絶していく為の、小さくても大きな一歩になる、という指針を圧縮して形にした物語だったと思うわけです。


 全体として、やはりちょっともったりした部分はあったり、立場上はともあれ白々しいまでの善的思考にうそ寒くなったりもしなくはなかったですが、非常に緻密に構成され、綺麗に収束させた物語であり、個々人の背景に至るまできちんと説明しきっていたので、その点では非常に私好みの作品でした。本当にこれで爆発的な感動とかがあったら神作レベルに至れたんですけどね。


キャラ(20/20)

 1人として捨てキャラがなく、それぞれが確固たる社会正義と信念を胸に行動する姿は、ときに事態に翻弄され、悪意に蹂躙されて想いを踏み外したとしても、その本意の輝きを失わせるものでなく、むしろ引き立てるものとなっていて、キャラの魅力をこの舞台において書き出せたという意味では十全に近かったと思います。

 そんな中でやはり一番好きなのは悠里ですね〜。
 立場的にも謎と鍵を抱えている少女ですが、まず単純にその見た目と性格が恐ろしく好みでしたし、そしてここまで抱え込んできた想いの切なさがやはり際立って素晴らしかったなと。
 異端として誰にも理解されなかったところでの夏彦との邂逅、その心に触れたことによるたった1つの存在への昇華、そして2人を引き裂く運命の中で、そのたった1つを胸に自分の幸せを仕舞いこんで献身する愛情の深さ、コミニュケーターとしての悲哀と女の子としての悲哀を一身に背負って生きてきたここまでが本当にいじらしいんですよね〜。
 無論ましろやサリュも好きなんですけど、やっぱり夏彦には悠里と道を歩んでいってもらいたいなと思わせるだけの魅力はありましたね。

 ましろも当然その思慕の強さは理解できるし、サリュも立場から来る、ある意味悠里とは数年遅れでのたった1つ、と見做せばそれも重いものではありますが、やはり総合的に見ると悠里には届かないかなと感じてしまいます。

 Aサイドだと洵が好きですね。その明るさの裏に秘めた想いと決意、真っ直ぐ佐賀この局面においてはすごくプラスに働いていて輝いて見えます。風見の弱さも、恵那の強さもそれぞれ特色がきちんと出ていて理解できるし、こちらも文句ないところ。

 主人公的には渡瀬のほうが好きかな〜。記憶喪失と危機的状況の中、あれだけ人の為に真っ直ぐに動けると言う本質が、彼の本来の記憶と行動を凌駕して人格として確立している感はあり、物語の牽引役としての力強さは最後まで目立っていたと思います。
 無論夏彦の純度もいい資質だと思いますし、迷いの中でも正しき道を諦めずに模索する意志は、周りの女の子たちに少しずつ与えられたものだとしても、それを最重要な局面で使いこなせているのはやはり本来の資質なのだなと思わせますしね。

 外側の人間だとやはり美代子に尽きるかな〜。母は強し、と言わざるを得ませんね。


CG(19/20)

 質・量共に申し分ないですね。絵の質としては可愛いに寄っている中で、それでも凛とした清冽な部分や、恐れに立ち向かう強さをきちんと投影できていてすごく好みです。
 ・・・ぶっちゃけた話、この人の絵柄の可愛さって、エッチいシーンの雰囲気と両立しない気がするんですよね。まあまなよるの印象が強すぎってのもあるかもだけど、個人的には全体の質、安定度という意味で、こういう作風のほうが合うんじゃないか、と前々から思っていた部分もこの作品に興味を示した大きな要素だっただけに、その点正解を引けたので大満足なのです。

 立ち絵に関してはそれなりに豊富ですね。
 ポーズパターンはメインキャラで3種類ずつかな、基本2種メインで1つは特定の場面で、という感じで、特にキャラ性を色濃くしたわけでもないごく普通のポーズでしたが、作風を踏まえれば充分かなと。
 お気に入りは悠里正面、横向き、ましろ横向き、サリュ見返り、正面、洵正面、恵那やや横向き、子供悠里正面、子供ましろやや横向きあたりですかね。

 服飾は多くて3種類くらいですが、これは必要充分ですね。きちんと閉鎖期間中のボロボロ風味とかあったり、必然性の備わった形に合わせていますので文句はないです。
 お気に入りは悠里私服、寝巻き、ましろ制服、サリュ制服、私服、子供悠里私服、くらいですかね。

 表情差分はそれなりに多く、可愛いものから明るいもの、恐怖や嫌悪に至るまで幅広く用意されていて、きちんと場面に応じて使い分けられているので文句はない出来です。
 お気に入りは悠里笑顔、ほっこり、憂い、怒り、怯え、我慢、ましろ笑顔、ドヤ顔、にやり、悲しみ、サリュ困惑、にっこり、しょんぼり、洵笑顔、叱咤、混乱、泣き睨み、恵那笑顔、真剣、風見不安、憂い、怒り、渡瀬怒り、困惑、夏彦怒り、歯噛みあたりですかね。


 1枚絵は全部で134枚かな、実にボリューミーで、かつ質も大変に安定していて素晴らしかったですね。

 特にお気に入りは2枚。
 1枚目は洵が悠里を火の海から助け出すシーン。最序盤において、この切羽詰った救出の風景はすごく物語に引き込む上で印象深く、また2人の表情の出来が素晴らしかったと思います。
 2枚目は薄れていく悠里。この場面での最後の役目を果たすべくそうしている悠里の切な過ぎる雰囲気が、幻想的な美しさと相俟って相乗効果で素晴らしいことになっていますね。

 その他お気に入りはページ順に、2人の隊員、炎の中のサリュ、しばしの歓談、悠里を背負って、恵那を背負って、悠里を庇い瓦礫に、抱擁、洵の古傷、渡瀬の意志、恵那のキス、洵を抱きしめ、風見とキス、立ち上がる夏彦、瀕死のましろ、目覚めの悠里、ましろの料理、ましろテレパシー、炎の中で泣く子供悠里、ましろの怪我、サリュの体操、着せ替え、名探偵ましろ、バスでの語らい、サリュの想い、子供悠里との語らい、ましろ寄り添い、ましろの肩を掴み、ましろを抱きしめ、悠里との約束、ましろとキス、悶絶する渡瀬、囚われの悠里、運命の再会、傷ついたましろ、力を合わせて、助け出される子供洵、3人姉妹、背負われる洵、Nの悲哀、爆散、最後の対峙、エピローグ全員あたりですね。


BGM(17/20)

 量は平均的ですが、質は全体的に高く、緊迫感の中にも前向きさがきちんと反映されていたと思います。

 ボーカル曲は2曲。
 OPの『Dubble Bible』は疾走感と危機感が程よくミックスされていて中々にいい曲ですね。特にサビの歌詞が終わってみると心に響きます。
 EDの『Rondo Carrousel』は柔らかく透明感のある中で、ただ安楽を示すのではなく、人が生きる限り生まれる業の深さを噛み締めつつ、それでも前に進む強さと愛おしさを謳い上げた印象で、サビの広がりは中々に聴き応えのある曲に仕上がっていると思います。

 BGMは全部で30曲、日常と危機と感動のバランスも取れていて悪くない出来ですね。
 特にお気に入りは『The Brave Decision』。諦めない意志と勇気をそのまま曲に乗せて駆け上がっていくような出だしの雰囲気が最高で、この曲が流れると、あ、きっと盛り上がる場面だ、と思わされるくらい、必殺的な使われ方をしていたと思います。

 その他お気に入りは、『Individualist』『Loyalist』『Anxious Time of Rokumei City』『Words of Healing』『Mement Mori』あたりですね。


システム(8/10)

 演出は、移植作ゆえか全体的に重い気はしますが、それでもきちんと迫力のある仕上がりになっていると思います。キャラはそこまで動かないけど、背景効果とそれに伴う演出効果はかなりきっちり組み込まれていますね。
 ムービーはかなり印象的な構成で、パッと見だけでもいくつか見るほうに疑問を突きつけつつ、後々になってみるとかなり全体の作り込みに意味合いを持たせていつつもそれに特化しすぎていない感があり、バランスのいい出来だと思います。

 システムは良かったり悪かったり。これまた移植作ゆえに色々足りないのは仕方ないのかなと。
 ただ、スキップがそれなりには速く、センシズで進行が止まるのでプレイはしやすかったです。あとクイックセーブが100個もあるので、ついセーブし忘れてバッドにはいってもリカバーが効くのはありがたい仕様でしたね。


総合(90/100)

 総プレイ時間、回収なども含めて32時間くらい。クリアだけなら、Aが8時間、Bは7時間、Cが2時間にDが10時間くらいの印象ですね。ただまあ、一発でクリアできるような簡単な内容ではないので、試行錯誤も含めて楽しめるゲームですし、この時間を費やしてもセンテンス達成率は95%くらい、CGだけは全部埋まったけど、というところなので、全部完璧にしようとしたら更にかかるかも。

 一時原発問題で開発が中止になりそうだったという話ですが、この内容だとそれで中止になっていたら色々といたたまれないですね。。。どちらにせよ、危機に対する警鐘という視点では意義ある読み物に仕上がっていると思うし、天才的な面白さや奇抜なトリックは用いられていないものの、とにかく丁寧に、堅実に作られた作品だと思うので、プレイする価値は充分以上にあると思います。
posted by クローバー at 06:08| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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