2013年10月08日

カルマルカ*サークル

 待望のサガプラ新作でしたので最優先での購入です。


シナリオ(20/30)

 『人は今しか生きられないし、生きてはいけないの』


 生まれ故郷の島に戻ってきて半年、いまだ主人公はこの新しい環境に馴染めずにいました。
 かつて暮らしていた場所で起こした、自身の粗野な性格に起因する事件に対する後悔と自責が重く心に圧し掛かり、積極的に他者と触れ合っていく志望を削がれ、強がりながらも常に自分の居場所を探しているような日々。

 しかし、その日々は突然に終わりを告げます。
 ほんの気紛れで、いたずらっ子に虐められていたカメを助けたところ、その飼い主の少女にいたく感謝され、そして軽く接触したときに、電気が走ったような不思議な感覚が芽生えます。
 その途端、件の少女はなにやら歓喜の雄叫びを上げ、そして主人公に言い放ちます。

 『貴方が、世界の主です!』

 そんな風にしてはじまったのは、星渡り同好会と呼ばれるサークルへの勧誘でした。
 この学園では、7つの大罪に準えられた魔可と呼ばれる不明瞭で不自由な力を持たされた生徒が、例年七夕に近い時期になると頻出し、その都度同好会を結成して魔可を消す為の活動、カルマルカと呼ばれる、過去と未来を思いのままに出来るという空前の存在に接触する儀式を行う、という説明を、同好会会長で生徒会長でもある暦から受ける主人公は、しかしあまりの眉唾な話に最初は拒絶します。

 けれど、既にそこに集っていたメンバー、主人公を勧誘した後輩で留学生のニコル、男嫌いのクラスメイトの晴、グータラな副会長の夕姫羽、男の娘の蓮などからは再三翻意を促されることになります。

 時期を同じくして、主人公にはもう1つの出会いが訪れます。
 ある日の帰宅途中、橋の上でひょんなきっかけで出会った少女。彼女と触れ合ったときにもニコルのときと同様の反応があり、すると突然少女の挙動がおかしくなります。
 その翌日、転校生として主人公のクラスにやってきた少女、奈月は、不思議な言動と行動で主人公を惑わせ、しかし色々な誤解が重なり一端はその関係は決裂します。

 平行して起こっていた勧誘に対しては、メンバー全員が真剣に取り組んでいること、そして暦に指摘された主人公自身に宿っていると目される魔可にも、薄々ながらも心当たりのようなものはあり、どうせ七夕の儀式までの関係だと割り切って入会することに。
 しかし、最初はそんな心積もりでも、活動を経ていくうちに人の輪の中で歓迎されていることの心地よさを思い出し、少しずつ捻くれ、いじけた心が前向きさを取り戻していきます。

 そして、儀式まで後1週間ほどの夜、彼らはこの学園の開かずの間として知られ、本番の儀式を行う場所でもある部屋に誰かが侵入しているのを目撃します。
 まだ入れないはずの部屋の鍵はかかっておらず、そして中にいたのは奈月でした。彼女はこの部屋の天球儀を目当てにやってきたらしいのですが、奈月がそれに触れた途端、主人公達の体から光が溢れ出し、そして、繋がった、という感覚が全員にもたらされます。

 このようにして集った運命の7人は、改めて心を1つにし、自身に宿った魔可を消す為に邁進していくことになります。
 果たして、彼らの罪とは一体何なのか?
 その罪を、首尾よく消すことはできるのか?
 その儀式の先に見える世界とは、如何なるものなのか?

 これは、純良な自責に押し潰されて前に歩む力を持てなかった少年少女たちの、救済と成長の物語です。


 あらすじはこんなところでしょうか。
 大枠としては、カルマルカへの接触に対し、眉唾と思いつつも、自身の背負うものを鑑みて一抹の期待を捨て切れない面々が、サークル活動を通じて改めて人との絆を紡いでいく事の素晴らしさと、それがもたらす力に気付き、超常的な力に頼らずとも自分の勇気と意志で、ささやかでも未来の姿を変えていけると証明していく流れになります。

 テキストは全般的には粗めというか、四季シリーズの流れを意識して構築された印象は結構ありますね。およそ世を拗ねたような厭世的な雰囲気の中に、日常の楽しさが塗され、徐々にそれを否定できなくなっていく、そういう機微の捉え方をテキスト面でも補完できている感じです。
 個別に入っていくと、純粋に読み口という意味での全体の統一感は薄れるのですが、個々ヒロインの性格や資質を鑑みたテキスト風景、奈月なら叙情的に、晴なら感性的に、暦なら理屈っぽく、ニコルなら二面性のギャップを押し出して、と、そういう視点での統一感はあって、その上で特に各人の性格面での齟齬が目立ったりはしないので、上手くまとめているのではないかなと。
 
 ルート構成はやや特殊で、最初にヒロイン4人+夕姫羽をクリアする事が出来、1人クリアするごとに魔法陣が埋まっていって、全員クリアするとカルマルカにアクセスが可能になるトゥルーが見られるようになります。
 構造的には、後で詳述する土台のテーマを踏まえての、個々のヒロインの問題と向き合った想いの形が、最後のルートで全て糾合され、より現実的な選択を迫られる中での覚悟と意志の示し方が綴られており、雑駁な部分は多いながらも綺麗な流れになっていると思いますね。
 なので当然全クリ推奨になりますし、トゥルーへの地続きを意識するなら奈月をラスト手前に、あと暦と夕姫羽は意識的に対にされているので連続してのプレイが好ましいかなと思います。

 シナリオに関しては、2つのテーマに沿った形での堅実な展開だなあというところ。
 1つは、魔可という不思議な力を目の当たりにしてなお、それに頼ることなく、人としての正しい力で、意志の示し方で、未来への道を切り開くことで、もう1つはそれぞれが背負った魔可の資質に依拠した心理的葛藤と変遷を基盤にしていることです。

 状況設定的に上手いのは、トゥルー以前のルートでは、カルマルカへの接触が断たれた中で物語が展開していくことで、そこでは夢想する未来の形というのはあくまで夢物語的にしか比重が置かれず、後悔と向き合って過去を変えたいと願うよりも、後悔を踏み越えてそうならない未来を掴む努力をしていく健全さが鮮鋭に引き立てられます。
 そうして、それぞれの成長を目撃した上でのトゥルーで、カルマルカの存在が現実に手が届くところに現れて、さてその時にどうするか、という葛藤を乗り越えていく構成になっているのですね。
 それはどこかしら帰納法的な、もしもの可能性に現実味を付与することで、それを最終的に忌避する選択に至る決断の重みと尊さを鮮明にする効果を放っていて、全体像としてのアイデアは中々素晴らしいものがあると感じました。

 ただ、どうしても個々のシナリオの出来や、流れの繋ぎの部分、或いは大元の設定で不備が散見してしまうのはありまして、手放しで褒められるほどではない、というか、そのアイデアが持つポテンシャルを十全にまで引き出せたとは言い難いかなあというのが率直なところです。

 シナリオ評価としては、トゥルー>暦>奈月=ニコル>晴という感じで、それほど波はないんだけど、代わりに突き抜ける素晴らしさもなかった、という印象。

 以下ちょっと具体的にネタバレが混じってくるので白抜き。

 日記でもある程度触れたけど、単純に個別のつくりで気になるのは、晴シナリオラストに象徴されるような、テーマ性に強くこじつけることで、かえってリアリティが薄れてしまう部分と、後はニコルシナリオに象徴される、外的要因との兼ね合いですね。
 もうこれは純粋に説明不足としか言いようがなく、晴の場合は当時の父親の立場と視点、そういう軽挙に走ってしまった理由付けになる心理的圧迫が必要だったし、ニコルの場合は、自国での政変を引き起こすに足るニコルの特別な行動要因が付加されていて欲しかったところ。
 別にトゥルーが存在しない、ニコルシナリオ単独であるならまだ許容できるのですけど、これだとトゥルーでの、政変が起きない理由、帰国しないでいい理由付けが曖昧すぎるんですよね。一応ニコルが積極的にカルマルカの謎に介入し、自国とも頻繁に連絡をつけていたのが敵方の突破口になった、という見方をすれば辻褄は合わせられるのですが・・・。

 ともあれ、両者とも本当に色々恣意的に都合よく解釈出来ないことはないのですが、それだとやはり読み手の感性に委ねるということで説得性は薄れるし、特にニコルのトゥルーでの決断に関しては簡単には納得しづらいところです。
 他のヒロインの問題は、きっかけさえあればある程度自分の力で克服していけるものであるのに対し、ニコルのそれは決意を持っても現状を大きく変えられるものではないから、その温度差を埋める何かはもっと明示的に欲しいなと思ったところ。

 個人的解釈としては、世界の主、という台詞をニコルに言わせている部分にそれを託しているのかな、とは思うのですが。
 外国籍のヒロインでもあるニコルなら、一神教的な概念により親和的だと見ることは出来るし、カルマルカという存在に一種の宗教的な啓示を無意識にせよ求めていたとするならば、はじめて自分が能動的に見出した仲間の存在に特別な、それこそ恋愛とは別次元での思い入れを託すことは有り得るかなと。
 故に、カルマルカの奇跡が現実に手の届くところに至っての迷いの中で、強く示された主人公の意志と前向きさに感銘を他ヒロインよりもより心の深いところで受けた、と見れば、その啓示的直感の裏打ちになるのかなと。でもやっぱりわかりにくいし、無理矢理理屈をこねくり回している感があってすっきりはしないですよねこれ。

 そして、そういう小さい齟齬が積み重なっているところに加えて、トゥルーが盛り上がりきらなかった最大の要因は、土台になっている魔可とカルマルカの存在定義がかなり恣意的であるところにあるかなと思います。
 七夕伝説に準えてはいるものの、カルマルカが生み出された事象は完全に創作だし、また、ベースが明らかに和的概念であるところに、いかようにして洋的概念の7つの大罪が結びついてきたのがもかなり不明瞭なんですよねこれ。

 結局あの文脈だと、純良な祈りを捧げたのがたまたま7人で、その根底の自責を宿した罪の形が7つの大罪と噛みあっていたからこそ、それが祖形モデルとして組み上がった、という偶然が必要で、あくまでその在り方に後々7つの大罪がそぐうことでこじつけられた、となるので、それはいかにも都合がいいよなあと。

 あと曖昧なのは、個々人に魔可の宿る条件の部分ですね。
 単純に考えられるのは、場所的要因、時期的要因、心理的要因の3つで、場所は最初に儀式の行われた場所、つまり今の学園にいること、時期に関しては未来が語っていたように、おそらく七夕を軸にして活性期と衰退期がある、そして心理面では、あくまで純良な自責の持ち主であることが要求されるのかなと思えますが、このあたりも作中で明示されているわけではないので難しいところ。

 場所的要因は、あのタイミングで奈月の魔可が目覚めたことも含めれば(多分手続きとかではじめて学園に来た後だと思うし)、ほぼ確定できると思うし、時期的な部分も多少魔術的ではあれ納得は出来ます。
 難しいのは心理的な部分で、どこまでが純良か、という線引き、それは若さゆえの一途な自責でしかもたらされないのか、学園には大人もいるわけで、そこに宿る可能性は絶対にないのか、そのあたりがわかりにくい。

 ただ、魔可が宿るには元々の資質が必要、という提示はあり、それを前提とすれば、そもそも7人、7種類の魔可が同時代に発生することが奇跡的であり、物語的であると言えるのかなと思うし、でもだとすれば尚更、それを明示的に含めてくれたほうが盛り上がるよなあって。

 ・・・まあ小難しくあれこれこね回したけど、明快に言えば、魔可に関する諸々がわかりにくくて都合よく感じるから、そこに引っかかって強く感動できない、ということです。。。
 あとおまけ的にだけど、未来の魔可だけやけに自分にデメリットがない設定じゃね?とは思ったり。そのあたりのバランスはきちんと取って欲しかったなあと。


 とにかく、私としては、個々のシナリオの評価に関して、どちらかというと中身の出来の評価でなく、全体のテーマ性との折り合いがどれだけついていたか、という部分で印象が動いている感覚ですね。
 その意味で奈月と暦は瑕疵がほとんどなかったと思うんですけど、といって、シナリオの基軸になっている部分に目新しさがあるわけではないので、どうしても突き抜けた評価にはなりにくいし、それが可能なトゥルーには積もり積もったものと、新たに積み上げられた瑕疵があって入れ込みきれなかったわけです。


 テーマに関しては、この作品における罪とは何なのか、という部分を切り口にあれこれと思索してみようかなと。
 というかぶっちゃけ、このテーマの考察を前提にした、自責、という単語を上でも頻出させてしまったので、本当は書く順番として逆のほうが親切なんですけどね。。。

 結論から言えば、この作品における罪とは、過去の事象によってもたらされた後悔や自責が足枷となって、今を見つめ、未来に踏み出す意志を削いでしまっている心のありようを示しているのではないかと思います。
 過去に縛られているせいで、今の自分がしたいことを明確に見出せずに停滞している、でも無意識的にその欲求は募っていって、それが形として現れたのが魔可であり、自分の心に背いている故の戒め、と見るべきでしょう。

 本来、過去というものは取り戻すことの出来ない事象であり、けどこの作品ではそれが可能である、という希望の形が提示されます。その希望に縋るのも1つの救済の形ではあり、元々のカルマルカの発生の由来はそこにあるのですが、しかしそれは自責の克服ではなく忘却でしかないんですね。
 あくまでこの作品のテーマは、自責の人為的意志と絆の力のみでの克服にあり、本来人にはそれしか選択肢が与えられていないところを、カルマルカという特異な存在が可能性を照らしてしまっていて、その光に照らされたときに浮き彫りになる、人の心の強さと弱さを引き立てる役割が与えられていました。

 未来が目指し、みんなが共鳴した決着の形はそのテーマ性にきっちり寄り添っていて、その信念は、冒頭に書いた未来の台詞に全てが現れていると思います。
 厳密に言うとあれは作中の台詞でなく、終了時のランダムボイスなんですけどね。。。だから聞けない人も多いと思うんだけど、こんな所にそんな重要な台詞詰め込むなよ、とかちょっと思います。
 本編中に組み込むと説教的過ぎて、その悟りに似た解釈が、彼らの生きる“今”の世界の温度とそぐわない、とでも判断されたんでしょうかね?

 ともあれ、彼らが背負った自責の根底にあるのは、決して彼ら自身の、法規的な意味合いでの罪ではなく、あくまで道義的な部分での、しかも生まれた環境に端を発するどうしようもないものでありながら、純良であるが故にそれを自身の罪だと錯覚してしまう悲しみであり、苛酷な現実なんですね。
 個人的に暦シナリオを一番評価しているのは、その部分の心の機微を一番上手く表現できていると思ったからであり、トゥルーにしても、やや強引さはあるとはいえ、きちんと全員の想いを前に向ける形を整えられているところに真骨頂はあるのだと、私は思っています。


 以上、総合的に見れば、骨格のアイデアの美しさに、付随するものがもう1つ足並みが揃わなかった、という感じですかね。
 数学の証明が美しさを信奉されるように、現実でない物語に関しても、全体像の美しさというのはすごく大切な要素で、けれどそこに行き着く方法論によってはその美しさを引き立ても、削ぎもする、ということでしょうか。

 とはいえ、あれだけ外注でライター使って、これだけ統一感を出せれば頑張ったほうだとは思うし、発想の良さを8割方は表現できているので、充分良作だと思います。
 ネタバレ部分で書いた不満点が解消されていればギリギリ名作クラスにはなれたかなと思うに多少残念ですが、でも事前の期待相応の作品ではありましたね。


キャラ(20/20) 

 魔可という設定ありきのキャラ造詣であり、そこに極端な突飛さはなく、芯のある中での健全で愛らしいヒロイン像、という感じで、それぞれに淡く塗された影の部分も含めて、惹き付けられる要素を強く持った出来だったと思います。

 終わってみると一番好きなのは断然暦でしたね〜。
 見た目的な要因も勿論大きいし、ただそれ以上にとても性格が好みでしたね。理性的でありながらも達観しすぎている風でなく、何事にも真っ直ぐで直向きで、それは本人が抱えている根源的な自責の表現形態とも繋がっていて、特に好きという感情の受け皿の中にあるものが少ないがゆえの傾倒の強さという部分に、悲しみの中に愛しさを感じさせて素晴らしかったです。
 
 思考的にもやたらと観念的であるかと思えば、普通の女の子らしい感性も備えていたりで、こういっちゃなんだけど存外簡単に主人公に靡いたよなあと思っちゃうところすらあるのですが、それも偏に個性に準拠しているから嫌味も無理目もなく、真っ直ぐ慕われているのがわかるだけにより可愛いなあと思えたりですね。
 彼女の拘りの部分にもたまたま親和性が高かったりで、こういう子を幸せにしてあげたい、なって欲しいと率直に思わせる魅力があったと思います。

 次いでニコルです。
 この子の場合は、被らなければならないと意識している仮面があって、けど本質的にどちらが仮面だったのか、という部分での葛藤や苦悩が実に純粋で愛らしく、そういう不安を抱えつつも普段はああも明るく、無邪気に、ちょっと我が儘にすら振舞える強さが魅力的でしたね〜。
 色んな意味でギャグ担当的な印象もありましたが、個別での重い葛藤と、その末に勝ち得た自己の望みの尊さと健気さはすごく輝いていて、それがシナリオの構成の若干の不備で翳ってしまったところは勿体無いなあと思います。綺麗という意味では一番綺麗なシナリオなんですけどねあれ。

 そして同率で奈月になりますかね。
 流石にメインヒロインというか、シナリオ面での優遇もあり、色々印象深いヒロインでした。喋りの無骨さとは裏腹に感情表現が多様で、基本的に情に脆く義に厚く、やたらとかわいい物好きで、そして優しすぎるが故に自身の志望を殺してしまうような繊細さも持ち合わせていて、その心の深いところを覗けば覗くほど素敵に感じるヒロインだったと思います。
 惜しむらくは設定がベタ過ぎたことによるイメージのぼやけと、トゥルーでの進展のあり方がやや強引だったところかなあ。それでもあのラストの告白は素敵でしたけどね〜。

 晴もいいキャラだとは思うけど、この面々の中では落ちるかなと。
 特に個別やトゥルーでのやたらと感情的で、その感性に固執したような頑迷さは、反転していく過程も素敵ではあるものの私個人の変遷の好みとは反対向きのベクトルで、個々のシナリオテキストがキャラ性に依拠しているとは上でも書いたけど、その部分で煽りを余計に食ったかなと思っています。
 逆にいえば、それがあったが故にこよみんにより傾倒した部分もあるので、私個人としては痛し痒しなんですが、晴というキャラとの相性で言うとマイナスでした。

 他キャラはそこまでの印象ではないかなぁ。
 杏は可愛いと思うんだけど、賑やかし以上に活躍しないし、蓮も無駄に可愛いけどやっぱり最後以外ほとんど実働的な意味で活躍しないし、未来もデレるのが遅すぎてアレだし、夕姫羽は暦シナリオとの対比で完全に割を食っていて可哀想だし。。。
 ノコたんは可愛いですね(笑)。あとアリスカフェの店長結構好きかも。


CG(19/20)

 まあ基本絵買いなのでここはガチなのです。今回も普段に変わらず、やや丸目と尖りの差異は出ているものの、全体的な印象度においては数を重ねるごとに親和性は強くなっていると思うし、とても可愛かったと思います。

 立ち絵は水準くらいの量で、質はかなり好みでしたね。
 ポーズはヒロイン1人3種類にサブは1〜2種類くらいでしょうか。結構個性が強く出るポーズを採用していて、多少バランスがどうかなと思うところもあったけど、概ねそれぞれの魅力を補助できていたと思います。
 特にお気に入りは暦のやや左向き。あの畳んだ手を頬に寄せている思案気なポーズが、いかにも暦らしくて物凄く好きで、特にあれで困り眉とかだと最強に可愛かったですね。
 その他お気に入りは、暦正面、やや右、ニコル正面、スカート裾持ち、奈月正面、右向き、左向き、晴前かがみ、杏正面あたりですね。

 服飾はヒロインが3種+αで、サブが2〜3種類ですかね。ヒロインは制服、私服、水着に加えて、ニコル以外は特殊衣装が1つあったはず。ニコルだけは1枚絵しかない気がしました。概ねデザインは可愛いですし、必要な部分には用意されていたからいいんですけど。
 特にお気に入りは暦の私服。あの涼しげで軽やかな着こなしと色合いのシックさ、それでいて意外と露出多目で活動的なところがすごく可愛いんですよね〜。とりあえずこの私服Hがなかったの結構痛恨なんですけど(笑)。ちなみに髪型もこの子は下ろしているほうが好きですね。
 その他お気に入りは、暦制服、カフェ服、水着、ニコル制服、水着(この絵の横ポニーは超可愛い)、奈月制服、私服、和服、晴私服、杏制服、水着、蓮私服あたりですね。

 表情差分は標準くらいの数に、それなりに個性が強く出た表情が多く搭載されていて、感情の変化がわかりやすくて可愛かったですね〜。
 特にお気に入りは暦のヘタレ困り顔。唇をヘナヘナさせてしょぼんとしている様はとてもとても可愛くて、全力でなでなでしてあげたくなりますね。
 その他お気に入りは、暦笑顔、照れ憂い、困惑、グルグル、キラキラ、不満気、焦り、凛然、拗ね、ジト目、ニコル笑顔、照れ笑顔、驚き、ジト目、半泣き、慟哭、悄然、不敵、奈月笑顔、きょとん、キラキラ、照れ怒り、暗澹、困惑、照れジト目、晴笑顔、焦り、照れ困惑、拗ね、杏ニヤリ、思案、焦り、驚き、蓮にっこり、半泣き、未来笑顔、夕姫羽半目瞑り、照れ焦りあたりですね。


 1枚絵は通常90枚にSDが15枚の全部で105枚。量としては標準だけど、原画さん一杯いるんだからもう少しあってもいいかなあと贅沢な期待はしてしまいます。メイン2人に関しては今回もとても可愛らしく、今回は暦にひたすら傾倒しているのもあり、これまでの作品よりは差を感じませんでしたね。

 特にお気に入りは7枚、かな。
 1枚目は奈月2人乗り、いかにも青春らしい構図と、爽やかに心開いた様子の奈月の表情がすごく好きです。
 2枚目は奈月エピローグ、気がかりが全てなくなって軽やかさと幸せを感じさせる様子がいいですね。
 3枚目は奈月トゥルー告白と抱き寄せ、この華奢なイメージと、最後の半泣きの可愛さが凶悪でした。
 4枚目は暦おんぶ、小ささを感じさせる構図と、照れつつ心地の良さに陶酔する暦の様子が最高に可愛いです。
 5枚目は暦初H愛撫、ちっちゃい子を膝で横抱きする構図は最高に好きで、不安と期待と歓びの入り混じった暦の表情も、はだけ具合とかも最高ですね〜。
 6枚目はニコルとアイス、この子の愛らしさと、コロコロ変わる表情の楽しさが一番綺麗に出ている一枚だと思います。
 7枚目はニコル騎乗位、煽りの構図の割に胸が綺麗だなあってのと、ペタ腰と、表情の愛らしくも艶めかしい雰囲気が好きです。

 その他お気に入りはページ順に、奈月出会い、星語り、塔の上での語り、初Hフェラ、バック、百人一首、背面騎乗位、後ろから抱き寄せ、正常位、お姫様抱っこ、鎖に繋がれ、晴暴食、テントで語らい、ラクロス、キス、着替え、教室H脚コキ、フェラ、対面座位、再会の抱擁、暦説明、居眠り、読書に夢中、和装、水着宙吊り、キス、初Hフェラ、立ちバック、順平と語らい、カフェHたくし上げ、お風呂H69、対面座位、夜明けの誓い、ニコル出会い、脱走、告白?、洞窟の中で、海辺の告白、初H愛撫、エプロンで料理、部屋Hバック、別れ、再会、みんなで海(特にニコル可愛い)、円陣、杏浴衣で花火、新生星渡り同好会(特にニコルと蓮が可愛い)あたりですね。


BGM(20/20)

 全体的に夏らしい爽やかさをベースに、哀愁と叙情感と奥行きを渾然と塗した実に印象的な楽曲で、物凄く私の好みにストライクでしたね〜。特にBGMは、プレイ中だと中々聴けないような後半部分にも丁寧さと深みがあって、聴けば聴くほどお気に入り度があがっていきました。

 ボーカル曲は3曲。
 第1OPの『Floating up』はかなりの名曲ですね。すこぶる全体のリズム感がよく、跳ねるようなテンポの中で伸びやかな声が踊っていて、それでいながら情感に一抹の切なさや郷愁がこもっている感じです。特にBメロの、サビに繋がっていく階差の部分のメロディと、繊細な心の機微を語った歌詞が物凄く好きですね〜。無論全体の完成度も高いですし、聴いていてとてもテンションの上がる曲です。

 第2OPの『find a piece』もとても疾走感があり、迫力があり、真実を前にして絆を武器に立ち向かっていく雰囲気としっくりそぐわって、これまたかなりの名曲だと思います。他2つが個人的に好きすぎるのでやや落ちるように感じますが。。。
 これもBメロの盛りあがっていく感じが好きだし、その勢いのままにサビも突き抜けているところが迫力があっていいなあと思います。

 EDの『I wish』は個人的に神曲。こういう淡々としたリズムの中で、少しずつ少しずつ想いを積もらせていくような曲を作らせると、WHITE−LIPSさんは本気で好みなんですよね。
 基本的に全体が好きだし、素朴でありながら切実に心をシクシクとこそばゆくさせてくれる歌詞も最高ですが、何が一番と言えばラス前のサビのバックギターと、あとサビのイントロが物凄く好き。淡々としているようでの1つのアクセントが、ガラッとその場その場での雰囲気を変えてくれて、曲本来の良さを完璧に支えている気がします。
 これは今年トップクラスに好きな曲になったし、この人達の曲としてはアララトに次いで好きですね。まあアララトは個人的エロゲ曲最強なので牙城が高すぎますが。。。

 
 BGMは全部で34曲と、量は標準ちょい上くらいで、しかし1曲ごとの完成度と好み度合いが半端なかったです。どれも音を重ねるごとに深みとふくよかさが増していって、決して明るいだけだったり、切ないだけだったりしない、喜びの中に悲しみが、苦しみの影に楽しみが、そういう複層感がビンビン伝わってきて超好きです。ぶっちゃけ好きな曲列挙するより、好きでない曲書いたほうが全然記述が楽なくらいなんですけど。。。

 特にお気に入りは4曲。
 1曲目は『見上げた空の白い雲』、そこまで変哲もない日常の爽やかな曲なんですけど、このちょっと独特のリズム感と軽やかさ、そして終盤でのまろやかさが物凄く気に入ってます。
 2曲目は『キミの記憶』、どっちかっちゅーとHシーンの曲だった気がしますが、この哀愁を漂わせつつのおっかなびっくりな感じの触れ合い、というイメージを増長させるピアノの単音が物凄く綺麗で、心がしめやかに、でも喜びを交えて震える感じですね。
 
 3曲目は『予感』、運命と言い切るにはあまりに残酷な現実を前にして、それでも強くありたいと必死に面をあげる、そんな生き様が途切れ行くピアノの単音のあとの余韻に十全にこめられていて、その強がりを支えてくれる誰かの存在に悲しみが崩壊していくイメージが後半の荘厳な膨らみの中に染み入っていて、すごく好きな曲です。 
 特に、暦と順平の語らいのシーンでの嵌り方は最高だったと思います。
 4曲目は『in the for future』、神曲揃いのBGMの中でも屈指の1曲ですね。文字通り望む未来を掴む為に、痛みも苦しみも全て真っ直ぐ受け入れて、それを踏み越えていく覚悟の様をこれ以上なく明確に切り取った神曲ですね。特に終盤の、一段と高らかさを増して繰り返されるサビの部分に、苦難を乗り越えた尊い意志の光を見るようで、最高に好きな曲です。

 その他お気に入りは、『夏空−メインテーマ−』『地平線のその先に』『てぃータイムパーティ』『街をはなれて』『風の道』『dear friend』『星づく夜』『彩り鮮やかに』『二人はいっしょ!』『のろのろ坂を登って』『まわるライオン』『浅き夢』『愛しさの在り処』『カルマルカ』『太古の祈り』『sorrow rain』『ひとり』『過ぎ去りし日々に』『木漏れ日のささやき』『ひかりの中で』あたりですね。。。


システム(9/10)

 演出は要所要所できちんと力を入れている感じですね。
 立ち絵はそれなりに動くし、台詞同期もするけど目立つほどではなく、その辺は普通ですけど、背景演出はかなり美麗で、あとは要所での恐怖を煽ったり、神秘を示したり、そういうところでの演出のセンスがすば抜けて優れている雰囲気がありましたね。
 ムービーは第1が曲調に合わせての軽やかで華やかな感じで結構好き、第2は立ち絵をアニメ的に動かしての印象付けと、明暗の使い方が上手く、またそれまでのシナリオを踏まえた構成になっているのでイメージの展開がすごく一貫していてかなり好きです。EDの光の玉の演出も綺麗だと思うし、概ね力の入った良質な出来だと思います。

 システムはまあ使いやすい、というわけではないんだけど、特に目立った不備もなく、というところですね。選択肢ジャンプないけど、スキップまあまあ速いからそこまで苦にはならないし。
 あといつも思うのは、システムボイスの選択はちょっと欲しいなと。大概それがあると、好みのキャラに設定しちゃう人なので。まあそれがあったら未来のアレ聞けなかったから難しいところではありますけどね。。。


総合(88/100)

 総プレイ時間20時間くらい。共通3時間、個別も3時間ずつで、夕姫羽と杏合わせて2時間くらい、トゥルーも3時間くらいですかね。
 多少なりとも個別の出来の違いと雰囲気の違いはあれ、特に中弛みすることもなくサクサクプレイできて、もう少し具体的な肉付けがあればより名作になったかなと思わせる部分はありますが、標準的な枠組みの中で綺麗にまとめた作品だと思います。

 しかしタイトルのアスタリスクは、星と乗算をかけているのですかね?最近こういう記号的タイトル多いけど、すっきり意味合いが多重性をもって理解できるのも珍しいなと。
 終わってみれば道中しんみりさせつつも、最後は大団円(というには一抹引っかかる部分はありますが)でまとめるあたりは、メーカーイメージに添ったつくりだったし、以前より更に華やかさは増して、バランスもいい構成になっているので、突出した面白さを求めないのであればかなり優等生的な作品だったと思います。
 シナリオだけ見るとこんな点数にはならないんだけど、しかしここの曲の個人的ヒット率は異常で、その分シナリオの印象にも補正がかかっている感じ。まあ、総合力の高さは当然美点ですし、それを期待していた部分もあるので、私としては満足度が高かったですね。
posted by クローバー at 06:31| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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