2014年10月21日

なないろリンカネーション

 絵柄とヒロイン的にだいぶん好みから外れていたので、界隈で人気故に気になってはいたけれど発売日はスルー、でもやっぱりかなりよさげなので折角だから乗り遅れないどこうと購入。。。


シナリオ(25/30)

 それぞれの幸せの在り方。


 主人公は祖父の遺言で、幼い頃にはよく遊びに来ていた祖父の家と遺産を継ぐことになります。
 かつては沢山のお手伝いさんがいて、幼い自分と遊んでくれたちょっと年上の憧れのお姉さんがいて、今はその面影なくガランとした家を見るに、時の流れの切なさに感じ入っていた主人公ですが、その眼前にひょっこり、かつての憧れのお姉さん、伊予が、当時の姿のままで現れます。

 驚愕する主人公に、伊予は自分が座敷童である事、そして主人公の家系には代々人ならざるものを見る能力が備わる場合があり、その力を持つ者が「お役目」と称される、この地の彷徨う霊魂を安らかにあの世に送り届ける任についていることを説明されます。
 祖父がそれを伝える為に残した鬼である桔梗も加わっての説得にどうにか納得し、まずはやってみようと街を巡回する主人公は、そこで自分の愛犬を探す少女、琴莉と出会います。

 琴莉の一生懸命な様子に、街を回るついでに犬探しを請け負った主人公は、しかしその日の夕方、琴莉と愛犬が一緒にいるのに、琴莉がその存在に気付いていない事実から、今の犬の境遇を知り、そしてその未練を知るために、残留思念を読み取れる特殊な力を持った自分だけの鬼、葵を生み出します。
 
 その力を借りて知った真実は、とても、とても重くて。
 その想いを受け取った主人公は、自分のはじめてのお役目として、この一件に深くかかわることを決意します。
 真実を告げられた琴莉は、号泣しつつも、愛犬の末路を知れたことを主人公に感謝し、そしてその墓前で、主人公の仕事のお手伝いをしたい、と申し出てきます。琴莉にも、主人公を介してなら霊を見る力が備わっており、それもあって主人公はその希望を汲み、琴莉を助手にして本格的なお役目がスタートします。

 やがて、街中で偶然再会したかつての恋人の由美や、お役目を果たすためにかねてから連携している警察の新人である梓とも関わりが出来、それと関連する形で仕事も増えてきて、それを解決するために新たな鬼である芙蓉やアイリスを生み出し、胸が塞ぐ事例にいくつも直面しつつも、主人公の周りは、家は、いつもわいわいと賑やかな日々。
 
 それが仮初の様なものでも、確かにそこには家族の肖像が根付いていて。
 これは、様々な立場での、それぞれの幸せの在り方、絆の紡ぎ方を描いた切なく愛しい物語です。


 あらすじはこんなところでしょうか。
 大枠として、物語の本筋はどのルートでも共通して一本道ですが、どのヒロインと一番関わりを深くするかによって少しずつアプローチと、そして事件の本質を知った上で発生する事象に対する向き合い方が変化し、苦悩と悲しみの中で、それぞれの在り方を守った上での最善を求めていく流れになります。

 テキストは非常に簡便かつ洗練されており、とても読みやすいですね。
 雰囲気としてすごく地に足がついているというか、内容にしっかり実があり無駄がなく、それでいてシリアスとコメディのメリハリもはっきりついていて、キャラの感情表現なども丁寧なのですごく移入しやすいテキストです。個人的には〜の使い方が、特に琴莉というヒロインを生かすうえでえらく秀逸だなと感じました。
 しかもそれでいて、物語は何気にトリック仕立てになっていて、その設定に対する違和感や齟齬を全く感じさせない巧みさも兼ね備えていて、無論仄かに推察できる部分は沢山あるにせよ、その説明し過ぎない、けど嘘はひとつもついてない匙加減が素晴らしいなと。
 やっぱりこういう構造だと、このくらいの素っ気なさのほうが物語として確実に引き締まりますし、読み手も先を気にしつつも楽についていけますし、二周目をプレイしても別の味わいがありますしね。

 ルート構成は確実に調べてないけど、多分ルートロックはなく、最初から全員のルートに入れると思います。
 選択肢も王道的に、個々のヒロインの心情の深い部分に触れていくか、それを否定するかというものですし、苦悩や辛さを孕むお役目の日々の中で、少しでも心が通じ合う過程を経て好き合っていく、というのは実に無理のない構成です。
 また、ヒロイン的にどうしても琴莉がメインになってしまうのはありますが、それでも琴莉とすんなり関係を深めるのを躊躇させる阻害要素もちゃんとあって、他ヒロインとの結ばれ方が不自然、ということもないので、本当にバランスに配慮された作品だと感心します。

 シナリオに関しては、圧倒的なスケール感こそないものの、舞台と物語の設定はとてもよく練り込まれており、しかもそれをそういうものだと放り投げる度胸の良さ、割り切りの良さが物語のリズム感を軽快にしていて、非常に無理、無駄、ムラの少ない秀逸な出来ですね。
 ひとつ物語には大きなトリックが仕込まれていて、それ自体が作品の根幹にも大きく関わってくるので、個人的には最初の一周に一番好きなキャラを持ってくるべきだと思いました。まあ私のプレイスタイルだとそうはいかなかったのですが。。。

 ジャンルとしては幽霊譚をメインにしつつ若干ミステリー要素も加えて、となりますが、以前どこかでも書きましたけど、ファンタジーの中でも幽霊譚は日本人の感性にわけもなくフィットしやすい、という部分、そして舞台設定とそこで繰り広げられる日常の土着感、素朴さとの親和性がとても高く、との切り口から見ても中々に上質、と言えるでしょう。
 どうしても方向的には同一だから個別の厚みがやや薄いとか、幽霊譚としては実に王道的な展開での解決ばかりなのでその点で新味がないとか、あらを探せば全くない、とまではいいませんが、少なくともこの尺で、これだけわかりやすく、かつ説得力のある物語に仕上げるというのは並大抵の才能では及ばないところなので、私としてはそこを二番目に評価しています。

 そして一番評価しているのは、この作品が、ルート毎にそれぞれの幸せを、その舞台の登場キャラの感情に即した形で丁寧に追及し、そしてそれの是非を全く裁いていない部分です。

 ここからは本編ネタバレも含むので白抜きにします。

 この作品の幽霊譚として珍しい部分は、大概幽霊ものって元々主人公に近しい相手が幽霊になってしまって、というパターンが多いなか、メインヒロインである琴莉とは、この街に来てから知り合った、しかも知り合ったときには既に幽霊だったという関係にあるかなって。
 
 定番的な幽霊譚の場合、かつての想い人に心を寄せる、というのは、どこか未来を生きていない感覚で、私の感性としては少し否定したいものがあり、丁度この前菜の花びよりという幽霊譚に程近い作品でも似たようなことを書きましたが、その喪失の痛みを克服して、今生きている人との未来を生きる方向性をメインに持ってくる(=あの作品の場合ルートロックをかける)ほうが好き、なんですよね。
 でも、幽霊になってから知り合い、駄目と理解しつつもどうしようもなく惹かれていく、という構造であれば、そのイメージはある程度払拭されますし、かつてを取り戻す、というイメージに引きずられることなく、今の関係の中での最善を求められるのかなと。

 そして、人にはそれぞれ生き方や領分というものがあって。
 色んな人と関係し、連関し生きていく中で、それを曲げては自分ではなくなってしまう、という何かを誰もが胸の内には、明確か漠然かはともかく抱えていて。
 どうしてもこの作品で琴莉以外のヒロインと結ばれる場合、報われなかった琴莉もの想いをどう受け止めていくか、が課題になり、それぞれのカップルなりのやり方でそれを実現していくわけですね。
 
 個人的に一番好きなのは伊予ルートになります。元々伊予という存在が持つ、何時までもそこに在り続け、そしてお役目という、時に気の塞ぐことも多い仕事に従事する者が決して挫けないよう、励まし、笑い、理解を示すことの価値、それを端的に示すラストの一枚絵の美しさにすごく惹かれるものがありました。
 由美ルートの三人の特異な関係の紡ぎも、それはそれでいいなあと思う部分。こういう、琴莉にとって最善ではないけど次善、そして主人公と由美の感覚の中での最善を、というバランス感は好きです。ウィッチズガーデンの涼乃シナリオなんかと決着の雰囲気は良く似ていて、まあヒロインに対する愛着度が全然違うから、こっちはそこまで思い入れるシナリオではないんですけど(笑)。
 梓は一番シンプルで、でも慈愛を感じさせるラストは良かったと思います。

 琴莉ルートに関しては、実に幽霊譚として王道的な二つの可能性が提示され、どちらにせよ一縷の悲しみは孕みつつも、すごく前向きな決着にはなっていて、やはり他ルートと同様、二人にとってどちらにせよ幸せのかたちではある、という見せ方で終始しているなあと。
 その分驚きはないし、やはりこの作品のハイライトは事件解決のあたりになっちゃうから、一周目に琴莉をやってしまうのが一番感情的には盛り上がっていけるとは思うんですけどね。それをすると、感覚的に他ヒロインが回収プレイになりかねないのも痛し痒し、ではあるのですが。
 あと少し話ずれるけど、強いて言えば、の瑕瑾ですが、流石に夏休み過ぎて琴莉が学園に行かないと、その界隈で親も含めて問題にならなかったのかなあと。或いはそうなってても耳に届かなかった、琴莉を慮ってあえて触れなかったという免罪符はありますけど、流石に半月も経てば警察の方にも話届きそうだよね。もしくは、一課は知ってても十三課には回ってこなかったとか?その辺は少しだけ引っかかりました。

 と、一通り見てきて、やっとこ最初の話に戻りますが、この作品はルートロックもなく、どのルートであろうとそこにある本人たちの幸せは特別なもので、衡量すべきものではない、という信念が貫かれてると私は思ってます。
 
 だからこそ、タイトルが「なないろ」リンカネーション、なのでしょう。
 琴莉の転生の在り方がそれぞれの幸せに深く食い込んでいる、その方法は様々だけど、一概にどれが一番、という裁きをせず、それぞれの関係性の中で、結びつきの大きさの分だけ幸せは数多く存在するのだと、そしてそのどれもが、色合いこそ違え同様の輝きを、虹のようなきらめきを放っていると、その俯瞰的な立ち位置を保ち切ったところがこの作品の真骨頂ではないかと思うんですね。


 と、テーマ的にもすごくシンプルでわかりやすく、その意味ですごく今の時代のニーズにマッチした作品ではあったなと思います。
 けど、細かく掘り下げようと思えばまだいくらでもそれが出来る深みは備えているし、作品構造としてどうしても一周目がクライマックス、にならざるを得ないのは仕方ないとしても、充分に意欲作であり傑作であると評価できますね。
 
 ただどうしても、決着に関しては王道的というか、過去の類似作品で出尽くした部分ではあるので、見せ方が上手いから説得力はあり、納得は出来ても、手放しで感動する、というほどには至らなかったのは、いい加減私もすれてきてるのかなあと切なく思ったり。。。
 なので、最近この手のゲームやりはじめましたよ〜、って人にこそお勧めかなって思います。テキストのとっつきやすさ、紙芝居ゲーならではのトリック要素、感情表現の上質さと無理のなさ、王道的な感涙要素、どれもが高いレベルで備わっていてバランスも取れている名作でした。


キャラ(20/20)

 あくまでシナリオゲーである分、あざといキャラの個性や萌え要素は薄いですけれど、とにかくこの作品はそれぞれの個性の中で、さもあろう、と読み手に思わせる感情の動き、反応の見せ方が素晴らしく秀逸で、独特の文飾効果もあって、凡百の萌えゲーとは一線を画した、すごく立体感のある可愛さ、身近さを感じさせてくれる稀有な作品だと思います。
 それでいてきちんとエロゲとしての必要素も、その感情のベクトルに忠実に展開してくれているから、色んな意味で満足度は高いですね。

 一番好きなのはやっぱり琴莉になりますね。個人的にこの作品唯一の適乳だし(笑)。
 色々と不憫な役回りではありますが、常に明るく前向きで献身的で、それでいて日常の些細な幸せにも飢えていて、そういう細やかな感動や情感がすごく丁寧に紡がれているのが思い入れを加速させますし、どうしてもこの面々だとマスコット的であるので、一々からかわれ揺さぶられてわ〜きゃ〜してるのがとっても平和で、愛らしく、だからこそ切ないという特別な味わいがあったなと。
 色々シナリオ的にも振り回される部分はありますが、どれだけ傷ついても、最後はやっぱり、ああ琴莉だなあ、と思わせてくれる優しさが備わっていますし、特に他ルートで読み手にマイナスのイメージを背負わせることなく綺麗にその想いを昇華できているのは素晴らしいと。

 次いで、ヒロインだと由美ですかね。
 まあ魔乳過ぎるのが玉に瑕ではありますが(笑)、性格的には引っ込み思案だけど想いは強く、自分を曲げない強さも真には備わっていたりで、待ち体質だけに色々損も被ってるけど、それ含めて全部飲み込んで幸せと言い切れる度量には惹かれるものがありますね〜。
 梓も嫌いじゃないけど、大人としてその軽さはどうなんだと思う部分もあったりなかったりで、最後はかなりいい感じで締めてくれましたけどね。

 伊予に関しては、ヒロインとしての位置付けは難しいものがありますが、少なくとも主人公の心情としては、最初のお役目を受け入れた時点である程度、ってのはあるし、この子のシナリオとして、生きる時間のすれ違いが変に問題にならずに、あくまで自分の領分の中で最善を、という枠組みで語られていたからこそ、その存在感が超越的で、揺り籠の様な深みを備えたままに終われたのかなと。
 にしても、普段の悪態のセンスはすごいよね。。。

 鬼達だと断然アイリスが好きかな。やっぱりああいう控えめでありながら、仕草や気配で本音が漏れてる愛らしさはたまらんのですよ。

 主人公も癖のない好漢だったし、人間味があって印象深いですね。


CG(17/20)

 絵柄としては蠱惑的、肉感的な要素が強く、造型的にもきちんと実写的でありつつ要所の凹凸は目立たせて迫力を出す、という感じで、やはり可愛い、というよりは綺麗、淫靡って雰囲気なので、上手い、とは思うけど単純な好みで言えばそこまでではないです。
 そして素材量としても横の比較でみれば物足りない部分はあって。

 ただこのあたりの評価の仕方は、少なくともこういう、あくまでシナリオありきで、シナリオに必要なものを過不足なく用意した、という場合に、杓子定規に平均と比較すべきでもないのかな、と思う部分もあって。
 そのあたりがせめぎ合ってのこの点数、と思っていただければ。

 立ち絵に関してはやっぱりもう少し賑やかさ、華やかさは欲しいとは思ってしまいます。
 ポーズはヒロインでも一種類、腕差分はそこそこあるし動きは感じるけど、やはりメインが感情表現で、しかもそれをテキストで上手く出来てしまっている分、立ち絵の動きに多くを頼る必要がない、と思えば仕方ないのかなとも。
 お気に入りは琴莉、アイリス、由美あたりかな。

 服飾もヒロインで2種類+α、サブだと1種類+αとかなり少なく、ただ物語の展開的にそれ以上は必要としないのは間違いないですね。
 お気に入りは琴莉制服、寝間着、由美ウェイトレス、伊予座敷童、アイリス、葵あたりですかね。

 表情差分も当然多彩ではないけれど、感情の襞というか、すごく独特の味わいのある雰囲気と、テキストが醸し出す雰囲気とがすごくマッチしていて、そのあたりの摺り合わせは非常に上手いなと思いました。
 お気に入りは琴莉笑顔、張り切り、拗ね、困惑、困り笑い、あわあわ、怒り、由美笑顔、目そらし、照れ慌て、梓苦笑、真面目、伊予真面目、小ばか、しゅん、アイリス照れ、にっこり、あわあわ、葵にししあたりですね。


 1枚絵は全部で80枚と量的にはギリギリ水準、ただシナリオとして必要な部分にはきちんと絵があるし、ヒロインごとのバランスとか全然気にせずではあるので、過不足感はほぼ感じなかったし、質も安定していて情感のしっかり伝わってくる絵だったと思います。
 
 特にお気に入りは2枚。
 1枚目は伊予と子犬、このシーンでの伊予のしんみりと、しみじみと幸せの欠片を噛み締めているような雰囲気はすごくインパクトがありましたね。
 2枚目は琴莉騎乗位、うんやっぱりちっちゃめな子のペタンと腰を落としての構図、そして胸のラインの美しさと艶めかしさ、あと腰のうねりは素晴らしいですね。

 その他お気に入りはページ順に、祖父の家、琴莉と子犬、葵の力、子犬を抱いて、食事風景、アイリスの力、琴莉とお風呂、梓正常位、アイリス背面騎乗位、アイリス手コキ、正常位、影から覗くもの、琴莉キス、愛撫、フェラ、幽霊のお遊び、伊予バック、琴莉の納得、正常位、ジェットコースター、メリーゴーランド、手紙、転生、対面座位、3人で寄り添いあたりですね。


BGM(17/20)

 全体的に派手さはなく、すごくしっとり、郷愁や哀切を漂わせた曲が多かったかなと。特にすごく感じ入る部分はなかったけど、作風にはしっくりマッチしているし悪くないと思います。

 ボーカル曲は2曲。
 OPの『リンカネーション』は悠久の深みと広がりを感じさせるゆったりした曲で、作品の雰囲気にばっちりだし、Bメロからのひそやかな、だけど確実に力強さと前向きさを感じさせる変転はかなり好きですね。サビの柔らかさと力強さのバランス感は見事だと思います。
 EDの『your ray send me』もすごく浮遊感があり、彼岸と此岸のあわいでたゆたい、傷つきながら前に進んでいくイメージが綺麗に投影されていて、その涼やかさと寛容を感じさせるサビの膨らみがいい感じだと思いますね。

 BGMは全部で30曲ほど、インストも結構あるのですが、まあ水準は確保できているし、切ないシリアスとコミカルな日常どちらもわかりやすく雰囲気を出せていて必要充分かなと。
 お気に入りは『silent night』『気儘』『going out』『傷心』『哀情』『真摯』『温和』『sentimental』『リンカネーションM2』『your ray send meM1』あたりですね。


システム(8/10)

 演出はまあ、この作品なりの見せ方はしっかりできているのかなと。
 スクリプトバリバリでぎゅいぎゅい動くようなのとは無縁に近いつくりですが、それでもキャラの動きと雰囲気は、最小限の中でテキストとの連動性で安定して担保されているし、要所での1枚絵の見せ方、雰囲気の紡ぎ方はすごく上手く、特に怖さの演出は変に気取るよりもこういうストレートなほうがいいのかなと思わせますね。
 ムービーはすごくゆったりした動きの中で、華やかさは薄いけど、運命の輪廻に囚われつつもそこで輝かしく笑っている雰囲気が良く出ていて悪くないと思います。

 システムも必要なものは揃っているかなと。
 特にほぼ一本道の作品なので、きちんと既読判定しつつの前ジャンプ搭載はとても有難く、かつ日付区切りでストップもするので、読み返しするのにも便利と思いましたね。普通にプレイしていると、何箇所か改めて序盤確かめてみたい、って思う部分絶対あるだろうし、そういうニーズを意識した上でのシステムになっているんじゃないかと。
 個人的にはフォント変更は欲しかったですけど、まあ取りたてて問題ではないかな。


総合(87/100)

 総プレイ時間17時間ちょい。
 共通がトータル10時間くらい、個別部分が1人あたり1〜2,5時間くらいとかなりばらつきはありますが、シナリオとしての必要は満たしての構造なので取りたてて文句もなく、すごく密度のある内容だったと思います。

 とにかく、非常にシンプルなテーマ、シンプルな構造を、シンプルなテキストで綴り切ったわかりやすくて面白い作品ですね。
 どうしても一本道の分、2周目以降に多少面白さが漸減したりはするし、ファンタジーゆえの都合の良さは多少あるし、王道ど真ん中で奇を衒う部分はほとんどない故に、打ちのめされるほどに感動、というわけではないんですが、とにかくつくりとして見事、完成度という意味では今年屈指ではないかって思うくらい。
 そのあたりを評価しつつ、まあどうしても好みから外れる部分はあるからこの点数、ですけど、誰がやっても一定以上に面白く、かつ嵌る人にはスコンと嵌る奥深さもある程度は備わっていて、私みたいに好みじゃないな、と思っててもプレイする価値は絶対にある作品だと思います。
posted by クローバー at 04:25| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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