2014年12月22日

ハロー・レディ! New Division

 本編で美鳥が攻略できずに血の涙を流した身としては、わざわざルート作っていただけただけでも有難くて五体投地ですよ(笑)。
 後今回の感想は、単体で評価するにはボリュームが少ないので、本編の付属としてどれだけハロレの世界観を盛り上げてるかな、という視座での加点式で書きますので。


シナリオ(27+1/30)

 本作は2014年3月発売のハロー・レディ!の、ベクトルの違う外伝、という感じですかね。

 元々本編は、あくまでも朔シナリオで全ての伏線が炸裂するような、絶対性の高い構造で組み上げられていて、その本軸の部分に余計な後付けを持ってこれる余地はほぼなかったので、どうしても今回の菱吾、美鳥シナリオにしても、その前提は脅かさず、菱吾のようにあくまで影に徹するか、それとも美鳥のように違うベクトルでの謎を提示しつつの物語にするか、という苦慮が垣間見えます。
 その意味で、本編の朔以外のヒロインシナリオが、こういっちゃなんだけど前座的であるのともまた一線を画した、やはり外伝、と評するのが一番適当かなと思います。
 まあ読み口としては実にハロレらしい世界観と突飛さと息苦しさ、痛々しさを内包しているのは変わらず、洗練と誇張の度合いも程よく、この雰囲気が味わえるというだけでも、本編のファンなら買って然るべきでしょう。

 個別としては、菱吾は侍女という立場的に、主人の意向が第一でありつつ、自身の意志もそれにそぐわったものなのだという色付けの中での関係性の再確認作業、という感じ。
 元々互いに対する好意は当然にあるし、だからどうしても、それ以上に思い入れる相手が・・・的な穿った見方は出来てしまうんですけど、それはやはり土台の部分での、そうなるべき必然に寄る選択肢を提示しえない構造上仕方ないのかなと。一応おざなりに、菱吾を選んだんですよ〜、的強制選択肢はありましたけどね。。。

 そのスタンスが定まった上で、シナリオとしては朔ルートの流れ、つまり主人公が完全に本懐を遂げる流れに沿いつつ、余計なパンドラの箱まで開かれるのを、最終決戦の動き方の差異、菱吾に対する信頼と思い入れの強さがもたらす変化によって防いでいる、という格好です。
 これはこれで当然面白いし、ラスボスのおっさんは相変わらずえぐいなぁ・・・と手に汗握ってしまうわけですが、素材としてはどうしたってもうすべて晒されたカードを用いて、になってしまうので、むしろ事前にリプレイしないで、ああ、そう言えばそういう流れ、設定だったなあ、と思い出しながらプレイしたほうが面白かったのかも。。。

 また、これは美鳥シナリオにも言える事ですけど、どうしたって未来に対する軸線の中で新しい要素は打ち出せない、それは朔シナリオで完璧に極まっているのだから、もう少し過去に対するベクトルを強めて、そこに必然を求めるような形を深めても面白かったのでは?と思います。
 無論それ一辺倒では駄目だし、それなりに過去には触れられているのだけど、どうせなら、って思っちゃうのは野暮なんですかね?

 美鳥シナリオは他のシナリオとはかなり独立した内容であり、美鳥がオンスロって間引かれる展開そのものを操作は出来ない以上、そこからの救いと、解決に向けて奔走する流れになるのは必然であり、まあぶっちゃけ30%の危険を冒してでも朔にザクッとやって貰えば解決じゃね?という身も蓋もない話はありつつ、あくまで主人公と美鳥の足掻きの物語として構築しているところは芯があります。
 また、美鳥の症状と向き合う中で、そもそもハローとはなんぞや?という根源的な疑義に対するある程度の回答を仄めかしたりと、作品の世界観の下支えを重厚にする役割も果たしている流れで、その淵源に触れつつも、あくまで今確立している自分を失わない誇りと強さを抱え続けていく不器用さと真っ直ぐさに惹かれますね。

 美鳥にかまければ流れ的に復讐そっちのけになってしまうのは仕方ないし、他のエトワールメンバーとの関係性もほぼ立たれてしまうのはかなり寂しいところではあり、それこそifでもいいから、またみんなで仲良くワイワイやってるの見たいなあ、とも思ってしまいますが、その不可逆性こそが、今を生きる輝きの大切さを逆説的に示しているのかなとも。
 美鳥を救う為の手立てとしてはかなり理屈として強引な気もするけれど、おおよそとしては、真理も淵源に触れて予備軍になる⇒その恩恵で自身のハローの真価に辿り着く⇒その特性を生かして、潜在しているオンスロの表層化を、美鳥ともどもに固着させて防ぐという解釈でいいのかな?五人目、ってそういう事だよね多分。

 そして、それを為し得るには当然、互いの深い信頼と、何よりも生きたいという意志あってこそだと思うし、幾度も絶望の波に攫われそうになる中で、特に美鳥の心境としての接近は実に必然かつシンプルな本能に基づいている感じで、話の説得性という意味ではこっちのほうが好きですね。
 まあ無論、そもそもどうしてあそこを通りかかった?という土台の部分に都合の良さは出ちゃいますけど、それは仕方ない部分でしょう。せめてもう少し、スクールに、朔に対する美鳥側の愛着の部分を深く掘り下げて、屁理屈的にでも保管してくれれば万々歳だったんですけども。増上慢美鳥もあれはあれで可愛いと思うんだ私。
 ・・・や、本音としてはもっと朔の出番下さい、に尽きるんですけども。。。


 以上、トータルとしてはそれなり以上には面白かったし、特に美鳥シナリオはあれこれ考える余地もあったけれど、本編の完成度が素晴らしいせいで、そこに罅を入れるような無粋や蛇足は当然できないから、どうしてもシナリオの方向性に置いて制約はついてしまうし、むしろその中で良く作ってくれたなあとその点は感謝しきりでございますが、評価としてはそれなりに落ち着いてしまうところで。
 元々本編にこれがあったら・・・という過程での1点追加、だけど、そもそも朔シナリオだけでも28点の価値はあるんじゃないかな、と今更に思っている部分もあるんですよね〜。少なくともこの2シナリオは、朔シナリオの根幹に影響があるわけではないから、その視座だと・・・ってのはあるし、こもごも含めての加点です。


キャラ(20/20)

 や〜、美鳥さん可愛かったですねぇ。
 どうしようもない浸食に怯え、のたうちながらも、決して自分を乱さず、それでも自分であるうちに・・・・という諦観を叱咤されて、生きることにひたむきに向き合う中での思慕の発現まで含めて、実に挙措というか、その気配が美鳥らしいつくりだったと思います。
 ぶっちゃけごく普通の関わり方で簡単に落ちてくれるタイプでもないし、その意味ではこの特異性はいい味付けになってるし、どこか吊り橋的な危うさもありつつ、けれど軸は見失っていない強さも感じさせるバランス感覚が素敵ですね。

 菱吾も本編の延長線上のキャラでいつつ、そこかしこでほんのりとでも想いが、執着がひらめいて、その小さな積み重ねが今の関係を作っているのだなとしみじみわからせてくれるし、きちんとその献身が主人の本懐に対する万全のアシストになっているあたりは実に完璧な侍女ですね。。。

 そしてもっと朔の出番欲しかった・・・。
 そりゃ出てきて本気だしたら・・・、っていう身も蓋もなさはあるけれど、基本的にハローの行使を躊躇うところで立ち止まっている状況ならやりようは・・・、ないかなぁ、朔なら自分の為でなく、誰かの為である限りはどこまでも果敢になれちゃいそうだし。
 となるとやはり過去だよね。美鳥との馴れ初めだけでなく、そこからのイチャラブが見たかったなあ・・・。


CG(18/20)

 完全新規のCGは12〜3枚ですね。元々本編もそこまでCG多くはなかったし、外伝的な扱いの中ではそれなりに頑張っているのかもしれないけれど、個人的にはCG以上に、せめて立ち絵に味付けが欲しかったなあと。それこそ変装の為にでも私服に着替えるとか、それくらいは出来そうな気がするのですけども。美鳥の私服、見たかったなあ・・・。

 1枚絵としては出来は当然安定してるし、どれも雰囲気があっていい出来でした。
 そして私は敢えて言う、美鳥の胸はそれで完成でいい、約束された豊満などうっちゃってしまえと(笑)。
 お気に入りは菱吾デート、銃口、お姫様抱っこ、騎乗位、美鳥揉みし抱き、愛撫、正常位あたりですかね。

 ともあれ、悪くはないけど総合的に加点するほどのインパクトはなかったのは確かかな。立ち絵大事。。。


BGM(18+1/20)

 こちらは新規BGMは3曲とかなり少ないのですが、その出来はかなり良かったのと、あと元々ここももう1点あげてもいいかなあ?と思う項目なので、いい意味で踏み切る機会になってるかなと。

 それにしてもやはり『Truth and Light』は神曲中の神曲。今年のトップ5には確実に、トップ3にも入ってくるかな?と思うくらいには好きですね〜。
 そしてそのアレンジの『最後のワルツ』もすごく好き。ちゃんとワルツの三拍子のリズムにアレンジされて、勇壮に孤高の荒野をひた走るような雰囲気がより一層先鋭化されて、それはいい追加曲です。
 『どこへ行きたい?』も『不撓不屈』も好きだし、全体としてもやはりいい曲多いですね、というあたりで文句なくこの点数には出来ますでしょう。


システム(9/10)

 本編準拠。仕方ないとはいえ、ムービーの使い回し感が。。。


総合(92+2/100)

 NDプレイ時間は6時間くらい、本編の個別よりは短く、ある程度前提を読み手が理解している上でのショートカットも多いので、当然ながら本編完全クリア済みは必須ですね。
 本編共通の復讐値などの要素での結ばれの理由づけがどうしてもできない以上、土台の部分でのif感はどうしようもないし、朔ルート以上になんてなれるわけはなく、どうしても見ておかねばならない新機軸を打ち出せてもいないので、あくまでこの二人が好きならば、という動機は必要かも。
 無論そうでなく、純粋にこの作品の世界観が好きだ、でも楽しめますが、やはり思い入れがないと薄味に感じてしまうかなって思いますね。

 ダウンロードだと1800円くらいで、それは値段相応って感じ、私はパッケで買ったのでもうちょいお高いですが、VBはもう少し、クリア後に見るならではの深い説明があればなお良し、って感じですかね。特に変な拘りがないなら無理にそっちを買ってのお得感はないかなと思います。
posted by クローバー at 05:13| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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