2015年04月07日

花咲ワークスプリング!

 体験版ちょい引っかかるところはありましたが、サガブラの新作ですし、とりわけ今回はキャスティングが神だったので、買わない理由が微塵もなかったですね。。。


シナリオ(20/30)

 桜の樹の下で立ち止まってはいけない・・・。


 主人公はグータライフを標榜する平凡な学生。
 過去への未練を引きずって、どこか生きることに対し無気力であり、誰も来ないはずの秘密の場所でぼんやり桜を眺めていたある日、突如現れた美少女に声をかけられ、そして彼女が立ち去るときに響かせた音に覚えがあって、彼女の後を追い学園へと向かいます。
 その捜索行の中、使われていないように見えたプレハブで一休みした主人公は、不思議なチラシを拾います。それは「幽霊部」という、未練のある人しか入れないという謎の部活の勧誘のチラシであり、そのコンセプトには共鳴した主人公ですが、その時点では関係ないと思っていました。
 結局探し相手は見つからず、代わりに親友の若葉やアクターから、それが噂の雪女なんじゃ、なんて話を聞きつつ帰宅して、家では妹のののかにいつも通りお世話してもらってまったりと過ごします。

 新学期になって進級した主人公は、いきなり様々な出来事に巻き込まれます。
 プレハブで休んでいたら、実はそこが幽霊部の部室で、唯一の部員で超留年生である彩乃に熱烈に勧誘されたり、下駄箱にラブレターが入っていて、ほとんど初見の愛らしい後輩のヒカリに告白されて咄嗟に断わってしまったり。
 そんな落ち着かない日々の中で、ついつい足を運んだ幽霊部には、何故かヒカリまで入部していて、ヒカリの純真な想いと、彩乃の策略に屈する形で入部した主人公、しかし部活存続のためには五人が必要だと、部活の統括に従事する仕分け委員会のエースである若葉から忠告されて、いきなり廃部の危機の中部員探しに奔走することになります。

 とりあえず身近なアクターで一人補充し、けれどもう一人はなかなか見つからなくて。
 しかし主人公は、春休みのあの日、雪女が未練を抱えていると吐露していたのを想いだし、どうやら体験入学生で神出鬼没な彼女を仲間に引き入れようと奮闘をはじめます。
 最初はにべもなく突っ撥ねられ、刺々しい罵倒まで貰う始末ながら、彼女が見せる雰囲気にどこか放っておけないものを感じた主人公はしつこく付きまとい、いざ部活が危機に瀕したところで根負けしたかのように、雪女、改め祈が入部してくれて。

 ここに新生幽霊部が発足し、けれどそのコンセプトに忠実に、敢えて何かを為そうとはせずに、無為な日々の中でそれぞれの未練を少しずつ溶かしていく日々。
 けれど、誰かと触れ合っていること、それはある意味どうしようもなく状況と心理の変化をもたらして、やがてそれは恋情へと発展していきます。
 それぞれの未練を抱えたままに、恋という強烈な感情に囚われて、前に進むべきか立ち戻るべきかの葛藤に揺れ動きながら、彼らは少しずつその未練に対する想いを鎮め、流れうつろう時に適応しようとしていって。
 これは、恋を契機に新たな生き甲斐を見出し、それを信じられるように心に折り合いをつけていく、人の繋がりの尊さと、そして一人の弱さを綴った物語です。


 あらすじはこんな格好ですね。
 大枠としては、本質的にみんな未練はありつつ、程度の差はあれ集った時点でそれはおおむね回復傾向にあって、それだからこそ改めて誰かと繋がりたいという希求があり、とりわけ恋という一番根源的で強い感情をスターターに、ときに未練がもたらす傷や自責に揺り戻されながらも、愛の力、そしてかけがえのない仲間の助けを経てそれを克服していく流れになります。

 テキストは全般的にノリは良く読みやすいですが、結構キャラの見せ方がきついというか、コンセプト的にこう、まず咄嗟に感情的な反発をしちゃってから、少しずつ理性に包んで、っていう、生々しい人間の平均的な反応を露骨に写生しちゃってる感じで、故に日常の取り繕い感が強く感じるところもあります。
 当然それでも、マイナス面を補って余りあるキャラの魅力や青さ、弱さもしっかり補填しているし、そういう機微を的確にシンプルに描写できているから、読み口そのものはいいと思います。ただし構造的な面では結構軽挙なところもあるので痛し痒しですかね。

 ルート構成はかなり特殊で、まずメインヒロインの四人が攻略でき、それをクリアするとアフターが出てきてサブの二人、その後にトゥルーがきて、最後にメインヒロインのアフターHが解放されるという結構窮屈なつくり。
 当然そういうつくりにするだけのテーマ性、それに即した構造の意図はすごくわかりやすいですが、意図に反してその順番が作品の深みを高めていく効力を十全に発揮しきれていない、という点もあって、やはり窮屈な面が前にきちゃうかなあと。
 メインヒロインの選択肢はマップ移動で好きな子追いかけるだけですが、元々の好感度によって選択回数に調整がされていたり、そのあたりの配慮はいいと思います。

 シナリオは非常に評価の難しい作品。毀誉褒貶の幅が広いというか、プラス面も多いけどマイナス面もかなり目立ってしまっていて、そのバランスをどこに落ち着かせるかがね。

 基本的にこの作品は、不思議要素は一切ないすごく生真面目な内容で、未練の解消が概ね個別の主題にはなってくるのだけど、理屈でどうあるべき、っていうのと、感情でそうしたい、っていう部分の切り分けがはっきりしていて。
 特に恋愛に関しては、最初のマップ移動での触れ合いのみである程度それが萌芽している設定になり、その情動に突き動かされるように恋愛関係を紡いでしまってから、改めて未練がもたらす引き戻し、かくあるべきとの折り合いの難しさに呻吟する、という流れになっています。

 なのである意味、彼らが集った時点で未練の傷そのものはある程度時間の経過によって癒されている部分があり、そうでなければ流石に人との繋がりに、とりわけ一番コアな恋愛に踏み出そうという前向きな想いは醸成できないはずで、幽霊部という箱がそこにあることで、誰しもが仄かな、潜在的な期待を抱いて集ったのだ、という観点で捉えられると思います。
 それだけ恋する気持ちにはどうにもならない引力がある、という部分に加えて、主人公の適性的に、それぞれのヒロインに少しずつでも共鳴できる部分を抱いていて、それが最初は上手く噛み合ってしまったけれど、後々齟齬や軋轢が生まれてきて、ってことですね。
 その上で、なにもかもがうつろっていく、変わらないものはないのだから、その変化がもたらす答えのない面倒さに向き合っていかない限り、そこに内包される人としての輝き、生きる意味、歓びは手に入らないのだというテーマ性に繋げるために、未練に囚われているところからの一歩目の脱却をもたらしていくのが、どのルートでもある程度共通する構造です。

 個別評価としては、祈>彩乃>ヒカリ>ののか=トゥルー>柑南=若葉くらいのイメージですかね。ぶっちゃけ祈が終わった時点では、かなりアクは強いけど、構造と心理的な掘り下げの丁寧さはかなり私好みだから22〜3点つけてもいいかも、とか思っていたんですが、御覧の通りのトゥルーの評価で、あれがどうにも引っかかるところが多くて擁護しきれんなぁ、みたいな感触。
 あと共通で、キャラの個性を色濃く見せるために、安易に外的要素での悪っぽさを演出しているのは正直辟易だったかな。脱ゆとりとか結局その後なんの影響もシナリオに及ぼさなかったし。。。

 ざっと下から触れていくと、まず若葉は、唯一の幽霊部員でないヒロインでもあり、楽天的な気質が共鳴ポイントでもあるために、非常に展開が情動的というか本当に適当で、全体のコンセプトとしての一貫性はあるけれど、やはり単体シナリオとしての深みはかなり薄いと言わざるを得ないなって。
 トピックそのものとしても少ないし、その分妙なところでの水増し感が強いってのもマイナスだし、彼女の抱えている未練に近しいものも、ある意味では贅沢な話ってことにはなるし、解決そのものも主人公がそこそこ独力で何とかしちゃうのが、主人公の在り方、本質からするとやや違和感で、要素そのものはこれでいいとしても、もう少し全体に繊細さが欲しかったなと。他ルートでは見られた、ヒカリへの配慮も欠けていたし、雑、というのがどうしても率直な感想になっちゃいます。
 若葉自体はすごく可愛いし、この作品では数少ない爽快感のあるヒロインだったので惜しいですね。

 柑南はまあサブなので軽いのは仕方ないところ。ののか共々、アフター時系列でなくては、恋愛に展開する取っ掛かりが紡げない、というつくりそのものは悪くないですし、その一年の幽霊部での触れ合いが、主人公の潜在的な欲求をなお色濃くしているからの傾斜、という見立ても出来るから、柑南のほうがちょろ過ぎるのを除けばまあ、って話(笑)。
 ただ彼女の過去と、それにまつわる今に対する想いはかなり手つきが荒いなあと。特に過去の花森家との関係はいくらなんでも懐広すぎじゃね?その噂広まって続々、ってなったらどうすんのよ?とか不要な心配しちゃうほどに軽かったのでアレだし、若葉はいい子だけどいい子過ぎるのも問題だなあと思ったりね。

 トゥルーはネタバレでみっちり書くのでここでは割愛。とりあえずここで言えるのは、見せたいものに対して状況を都合よく使い過ぎ、かつ粗忽なミスが多過ぎ、って感じですね。

 ののかはとりあえず鬼のように可愛かったのでそれでいいか、みたいな部分はあるけど(笑)、シナリオとしては変哲のない妹らしい真っ直ぐな求愛シナリオでしたねと。
 ののかの願掛けが後付けではあるので、どこまで強制力があるのか、他ルートでの振る舞いの立派さを思うにしんみりしちゃうところはあるけれど、それも含めて、同じ学校に上がって、年齢的にもそれが許されるところに辿り着いて、かつ主人公が特定の相手を作らないでいてくれた、それら全てが、ののかに今しかないと思わせる吸引力を内包しているのは納得できるところ。
 そもそもの主人公のここまでの復調にしても、ののかの献身あればこそだけに、その想いに報いる為、ってのは克服の過程としては実に家族的な素直な構造で、これはこれで必要充分、なのは間違いないと思います。にしてもののちゃん可愛過ぎる〜〜〜。

 ヒカリは基本的に周りの空気に敏感で気遣いも出来る子なのに、あの物言いのバランスの悪さが単なるキャラづけ、天然だったらどうしてくれようと最初から思ってはいたので、それがきちんと伏線になってる構造だったのは一安心、けど見せ方としては露骨だし、繊細さは感じなかったなあと。
 ただヒカリ自身の愛らしさとひたむきさだけでも充分に楽しめる要素としては大きいし、後述する二つがどうにも、当事者たちを好きになりにくいシナリオだったから、余計に癒され要素としてのこのシナリオの価値はあると思います。
 ヒカリが抱く未練というか恐怖というか、それ自体はどうしたって本人にしかわからない機微はあると思うし、それを細かくフォローするのでなく、大枠で鷲掴みに全て抱き止めるようなつくりで押し切ったところは個人的には好きですね。

 彩乃はシナリオそのものの出来は実に緻密で面白いのですが、いかんせんこのルートの主人公と彩乃の在り方、とりわけ道中のベクトルのひん曲がり方はうわぁ・・・って感じで、本当に仲間の助けがないとどうにもならなかったシナリオだなあと思います。
 構造に関してはあとでネタバレで祈共々掘り下げたいですが、なまじ彩乃が天才なだけに、いざそうしたい、と思ったことに対して完璧に、それこそ人の心相手であってもあっさりやり遂げてしまうあたりの怖さというか、それこそ年の功じゃね?とは突っ込みたいのだけど(笑)、それにどうしようもなく飲み込まれてしまう主人公もだらしないなあと。無論そこに共鳴する精神性も有してるから仕方ないとは思いますけどね。
 そこからの脱却に関しては綺麗なつくり、ではあるものの、その条件で、一切主人公が自身の葛藤や未練を刺激されている雰囲気がない、ってのも些か不自然ではあり、そのあたり含めて祈よりは完成度に劣るかな、というイメージです。

 祈もまた、ヒロインとして好きになるためのハードル高い子だなあ、と思わせてくれちゃうシナリオではあるのですが、これもある意味主人公と祈の気質、そして抱えている未練の形、その根幹の本質をしっかり考えていくとさもありなん、というつくりにはなっていて。
 とりわけ、祈の未練の源泉のありようが、一際に反発的、感情的な反応をもたらしてしまうものだけに、うわ、この子度量狭いなぁ・・・、沸点低いなぁ・・・、って場面は多々あって、そこまで拗らせているからこそ、周りの助けと、そして主人公自身の、彼女と共にあるならまずは自身の、という覚悟を引き出すことに繋がっているから、本当に構造としてはすごく見事なんですけどね。。。
 彩乃と違って、未練の苗床そのものは一緒でも、向き合うベクトルが違う故の解決、かつ主人公のそれもしっかり解消への一歩を踏み出していると納得できる構図は綺麗ですし、そこまでしてようやく本格的に心を許してデレてくれる祈のタメ語が鬼のように可愛いので、報われた感はすごく強いけれど、それでそこまでのマイナスを完璧に払拭できるかは・・・、この子への愛着次第かなと思わざるを得ないですね。


 以下はあれこれネタバレで考察や、トゥルーの問題点の洗い出しなど。

 上でもちらっと触れましたが、未練や心の傷というのは、ある程度は時間の経過で癒されていくもので。
 無論それにも条件はあり、その後の生活でより一層その傷を抉られるような状況が続けば、当然それは治ることはないし、自身でそれに拘り過ぎてしまう、この作品の文脈でいくと、散った桜の下に佇み続けてしまうと治りが遅くなる、というのはあるでしょう。

 そしてこの作品の場合、特に主要な未練キャラである主人公、祈、彩乃の未練の源泉は飛鳥の死にまつわる諸々になるのですが、なんだかんだでもうその事故からは相当の時間が経ってはいるのですよね。
 正確に判定は出来ないですけど、事故が起こったのは飛鳥達が二年生の時で、久美の立ち位置からすると、そこから普通に大学に通って教員免許取って、生徒との関わり方から新任、ってことはまずないから二年目と一番短く仮定しても、七年近い過去の話、ということになります。

 飛鳥の死は、それぞれに重いトラウマと未練をもたらしたのは確かですが、しかしその後の生活において、主人公はののかの献身と過去への逃避で、祈は両親の変容で、彩乃は本来の撞着でもあった子供らしさへのしがみつきによる逃避で、少なくともそれ以上傷を抉られるような状況ではなかったわけで。
 故にこそ、今まで彩乃一人でひっそりとやっていた幽霊部に人が必要となる瑕疵が発生したのも、そのコンセプトと触れ合いに惹かれた主人公も祈も、いい加減前を向きたい、怖さはあるけどそれ以上に誰かと触れ合い繋がって、生きている実感を味わいたいという潜在的な欲求が未練の影から顔を出してきていた、すなわち恋情を紡ぐのに妨げにならない程度の快復は既にもたらされていたのでしょう。

 作品のコンセプトとしても、未練そのものの解消でなく、あくまで恋情の増幅に伴う、未練との天秤による二律背反的な立ち位置からの踏み出しをメインにしていると思うし、加えて言えば、そのありようを根源的に覆すのでなく、未練や傷が紡いだ人間性の多様さ、複雑さも全て個性としてあるがままにまず受け容れるという枠組みがあって。
 けれどそういう自分を好きになれないキャラに対し、まず自分のありようの全てを認め、その上で自分に出来る範囲で社会的な関係性へのアプローチを紡いでいく契機を作る、その一歩目の部分に重点が置かれているかなと思います。
 だから、最近の例だと、ハルキスの伊月と主人公みたいに、一方の健全な精神と誠実さで引っ張り上げて救う、というイメージではなく、だからこそ祈や彩乃シナリオにおいては、当事者だけの関係だとベクトルが歪んで袋小路に陥っていって、外部の助けが必要となる、という展開に蓋然性がある構造になっているんでしょう。

 ただひとつ、改めて踏まえておきたいのは、祈の未練の根源の感情と、主人公・彩乃のそれはちょっと違うものであり、だからこそ二人の在り方にも違いがくっきり出ているところですね。
 
 まず主人公たちは、根源的には飛鳥の死に対する自罰的、内省的な要因が主となっていて。
 ただ、もう事件から七年も経ち、そしてそこに留まり続ける、そして自身を傷つけ続けるという在り様には、本来人に備わっている自衛能力、復元力に逆らう必要があるため、そもそも莫大なエネルギーと意思が必要で、二人とも決してそこまでは強くないから、基本的には忘却、逃避、回避的なスタイルで対応している内に少しずつ風化していっている、というのが現状ではないかと。

 対して祈は、根源的に飛鳥に対する愛憎が未練の主因なんですよね。
 つまりそれは外的な要素であり、そしてその想いをぶつけ解消させる先は失われていて、その晴らしようのない外面への鬱屈は、決して自分自身を直接的に傷つける要素ではないからこそ制御も難しいと。
 愛憎は、人間が抱く中で最も風化しにくく、膨張もしやすい感情だとよく言いますし、祈の中でも時間の経過で風化した部分はあれ、それを向き合うと自身が壊れる、という切迫感は薄い分、ちょっとしたことで衝動的、反発的にそれが表面化してしまう、というのが、祈のあたりのきつさに示される精神性なのだと思います。

 故に、祈も彩乃も、自身の中に膨らんだ恋情そのものを撥ね付けることはしないけれど、自身の未練の芯を壊さない範疇でしか触れ合おうとはしなくて、けれどその本質の差異が、ありようの選択として真逆に表れているのは面白いところ。
 祈はあくまで依存しないし、させないのが基本スタンスで、彩乃は逆に、依存するし、させる、というのが基本で、それが主人公のありようと噛み合ったときにそうせざるを得ない形だってのは理屈の上でも感情面でも実に説得的だったなあと。

 そしてこれは、一見対等な関係に見えても、実質的にそのルールそのものの舵を握っているのが誰か、という点で非常に一方的な関係でもあり、かつ祈は脅しや反発で、彩乃は安逸のコントロールで、それを固着化させようとしてしまっていて、主人公もそれになまじ共感できる部分があるから撥ね付けられずに袋小路、ってのが、この二人のルートで当事者を好きになれない大きな要因になっています。

 無論そういう性質の根幹は、飛鳥の事件以前の愛着形成の段階での問題で。
 彩乃は天才ゆえの疎外感、子供らしい感性の欠落に対する撞着なのは見ての通りだし、祈も厳しい両親と兄との対比による抑圧と不信が根源で、それを飛鳥の事件が決定的に固着させて、いくらその後の生活で改善があろうと、へばりついて簡単には剥がせないものを築いてしまったと見るべきで、そこには同情の余地は大きいです。
 とりわけ祈は、兄と七つ以上離れていて、そして初めての子育てであまり理想通りには育たなかった飛鳥の存在がはっきりあればこそ、より一層祈に対する躾に厳しさをもたらしたんだろうなあと思えば不憫極まりないし、そういう適当さに対する厳しさを抱くのもまあ、とは思います。

 ちなみに主人公も、多分回想シーンの雰囲気からしても、どちらかと言えば親が適当、かつ守るべきののががいたから本質は自立的で、それだけに飛鳥という、はじめて自分の心の全部を委ねて不安のない存在に寄りかかり、だからこそ余計に傷が大きいというのはわかりやすい構図で、そこからののかの懐で涵養した適当さはある意味では後天的な気もしますけどね。

 ただまあ、彩乃にせよ祈にせよ主人公にせよ、今は決して不幸なわけではないし、だいぶ未練も風化しているのだから、踏み出そうと思えば出来ない事はないのに、過去の自分に留まったまま動けないのは、ってのはあるし、そうだからこそ本質的に自分の為にしか動けないっていうのが印象の悪さに拍車をかけてますよねと。
 一々具体例挙げてたらキリはないけど、特に祈はそういう傾向強くて、一番印象的だったのが、お泊りの誤魔化しの為にヒカリに電話するシーンなんですよね。
 いくら主人公を安心させるための建前とはいえ、臆面もなくヒカリを友達呼ばわりして、しかしまず相手のメリットを提示してしかる後に、というやり方は、ビジネス的な誠実さはあるけど友達としてはないわ〜、せめて切り出す順番逆だわ〜、って思わざるを得ないし、全ルートで見境なく盛るカップル達の余波で身悶えする不憫なののちゃん、という構図に隠れがちだけど、祈の駄目さが一番如実に見えるシーンだと思ってます。

 ともあれ、そういう毀誉褒貶はあれ、構造そのものの説得性は祈、彩乃シナリオは非常に優れていて、全体構造とヒロインの立ち位置としてもテーマ性に則っていて、ここまではそれなりに評価したかったんですけど、残念ながらアフター、とりわけトゥルーでの杜撰さが、個人的にどうしてもフォローできないところがありまして。。。

 まず何故そうなっているのか、ってのが、アフタースタートして、最初入学式なのに、次の日、ってテキストに書かれている部分の日付が5/9ってどういうことだよ!?と。
 単純にボーンヘッドだとは思うんですけど、ののかシナリオの記念日設定がその日付に準拠しているからそっちに引きずられたのか、ともかくここには敢えてそうする理由は見出せないんですよねぇ。

 そしてこのミスそのものはシンプルなんだけど、ただそのミスが波及させるテーマ性に対する軽薄さ、って部分がどうにも引っかかってしまって。
 ・・・いやだってね、五月になったら桜、散ってるでしょ。
 しかも一年限りの作品なら、寒い地方だから五月に咲きます、って言い訳も効くかもだけど、普通に前の年、春休みに満開になってる描写がある以上抜け道がないんてすよ。いくらなんでも一月以上咲き続ける桜なんて、枯れない桜のダカーポの世界でしかないよと。。。

 まして、桜が散る、というのは、作品のテーマである、変わらないものはない、どんなに美しいものでも、不気味なものでも、いつかはうつろっていく、という根幹の比喩に用いられている部分であって。
 美しさの再現性の連環にしがみつくところからの感性の脱却、すなわち桜は散るものだと認めて、尚それが美しいと思える健全な精神性へと踏み出す、それがトゥルーのみんなで桜を見上げるシーン、その後の未来で桜の元に集うシーンに象徴されているのに、どうしても、いやいやいや、まだ咲いてるのおかしいからっ、て思わされちゃうのはどうかって思うのですよ。
 加えて言うと、ぶっちゃけ祈シナリオのラストで殴り合いしてる時も背景に桜残ってて、オイオイ六月だぞとは思ったんですけど、そういう些細なところではあれ、でも根幹のテーマに密接する部分をないがしろにしちゃっているのは駄目だろと。祈的に言えば、お約束を守れないのは、それが本当に大事じゃないからだみたいな。

 そしてまだこれが、トゥルーという位置づけでなく、あくまで可能性のひとつ、という位置づけで留まっていればまだ流せたんですけどねぇ。
 しかしわざわざアフターでルートロックまで付けて、その一段高い置き方は、明らかにこれが一番見せたいものですよ、そしてそういう克服が、各々のヒロインルートでは恋愛感情を基軸になされていて、その上でああいう未来が待っているんですよという、解釈の余地の幅の狭い構図にはめ込んじゃってる以上尚更に、ってのはあって。

 その上で更に、あのタイミングで火事とかないわ〜、って。
 上で示した通り、主人公自身もある程度快復の過程にはいる、というのが私の解釈であり、その文脈でいくと、誰とも深い関係に踏み込むことなく、そして思い出のキーホルダーで傷を抉られて、かつ飛鳥と似たようなシチュエーションに放り込まれて、そこまでリフレイン展開でなければ傷の底にまでは落ち込まない、ある意味ではもうその程度の傷だ、ってところには納得がいくのですけど。
 でも、あのタイミングで、あの人気も火の気もない小屋において火事が起こる蓋然性があまりにもない。せめてそこに至るまでに、それを予感させる伏線を置いてくれればだけどそれもないし、いくらなんでも茶番過ぎると。

 むしろ主人公が無意識的に全てを振り捨てたくて知らず火をつけた、ってほうがまだ可能性は高いんだけど、ただその捉え方だと、そこまで追い詰められてはいない、って部分との兼ね合いがどうかなって感じるし、どうあれすっきりそうなる必然を見出せる解釈の余地がないなあって。
 その辺私が読み込み切れてないというだけかもだけど、ともあれこの三点セットの瑕疵ゆえに、どうしてもこのトゥルーは評価できず、それはテーマ性にも傷をつけちゃっているので、全体評価としても少し落とさざるを得ないかなと。

 そして最後に、あの祈の帽子、気になるは気になるねぇ。。。
 とはいえ別に深入りするつもりもないし、そうであるなら確かに、と思えるくらいの、緻密だけど人の生々しさが痛いな〜、ってつくりは興味深く読めたのでそれでいいかと。
 


 以上、噛み砕くほどに甘酸っぱさもあるけど同様に苦々しさもある、そんなイメージの作品でしたね。
 私としては方向性はすごく好きなタイプの作品だったので、むしろ事前に思っていた雰囲気とは全然違ってその辺は嬉しかったのですけど、やはり大まかな構造の仕上がりはともかく、細部へのきめ細やかさが足りないってのと、かえすがえすトゥルーの出来だよなあと。コンセプトそのものは王道的でいいんだけどね・・・。
 好きな部分も相当に多いのでかなり迷ったけど、他の点数が高いってのもあり、でも流石にSには出来ないなあって感触に従ってこの点数にしました。


キャラ(20/20)

 基本的にはとても可愛い子揃いではありますが、正直キャラとしてすごく光っていたかと言われると微妙で、特に祈と彩乃はシナリオの性質上仕方ないとはいえ、結構めんどくさいドンマイな感じにはなってると思うんです。
 それでもその上での魅力、ってのは確かにあったし、それ以外の所で挽回しているというのもあって一応減点なしでもいいかなと。

 その主因は当然ののかに帰するわけですよ。いやぁ、最初から最後までののちゃん大天使過ぎて最っ高でしたね〜。ほんっとうに可愛くて、素直でしっかり者で誰とでも仲良くなれて、それでもきちんと甘え上手でもあって、なんでしょうねこの最高の妹は。
 CV的にも最強のチョイスだったし、結構あれやこれやと不憫な立ち回りも多いんだけど、それで影に籠らずにすごく真っ直ぐあってくれて。
 その根幹的な部分は主人公が守ってきた愛着だと思うけど、飛鳥の事件以降の関わり方でそれをしっかり還元してきたという所にこの子の真骨頂はあるし、本当に健やかで爽やかで、全体的にどこかもにょっとする部分の多い中、最高の癒しを与えてくれたと思います。

 んで祈さん、いや好きだよ、超好きではあるんだけど、この絵とCVでなかったら好きになれたか正直自信はない(笑)。
 いやもうやっぱりほんたにちゃん最高だし、遥そらさんもこれだけ情動の振れ幅の大きいめんどくさい子を、こうまで嫌味な部分をなるたけ打ち消しつつ完璧に演じ切っててまあ素敵だわと。めぐるとは違う意味ですっごいこの子の演技好き。基本的に可愛げがない分、要所での爆発力半端ねぇ・・・っっ。

 ただ気質としてはやはり、どうしようもない部分はあるにせよ、相手の為に何かする、という共振的なセンサーの鈍磨ぶりが酷くて、そのくせ自分の気に入らない領域に踏み込まれるとああだからなあ、ってのは思っちゃいますよね。いや、一人が好き、って感性そのものにはすごく共感は出来るんですけど。。。
 約束破り云々でも、畢竟自分の抱える怖さを解消するためにお誂え向きの瑕疵が転がってきたから、っていう反射的なありようがいかにもだったし、その杓子定規で自分本位な感性、文字通り最初の方で言及されてたけど、本質的にお姫様気質だよなあと。
 でも可愛いは正義。困ったもんです(笑)。

 ヒカリも期待通りの可愛さで満足ですね〜。
 時々前のめりになり過ぎちゃうきらいこそあれ、大切な相手の為にという心根の美しさと真っ直ぐさは、ののかと並んで年下二大天使と讃えたいし、気遣いが出来るからこそ余計に自分の未練を表に出せないという切なさにも、臆病とは思うけどすごく切々と伝わる部分もあって、他ではそれをおくびにも出さない健気さも含めて素敵でしたね。

 若葉もメインヒロインの中では突出して健全で前向きな感性の持ち主だったし、だからこそある意味ではあのメンバーと噛み合わない部分が出てしまうのも仕方ないんですけど、構図と位置付けとして必要な立ち位置だったし、必然シナリオが軽くなっちゃうのが可哀想ではありましたけどね。

 彩乃はごめんなさい、あの先手先手に堕落の道に引きずり込む手練手管を見ちゃうと好きになれませぬよ。。。


CG(20/20)

 質・量ともに全体的に抜群、と言い切るには多少違和感もあるのですけど、今回は個人的にほんたにちゃん絵がキレキレで沢山刺さったので満足度は非常に高く、まあ満点でもいいかなという感じですね。

 立ち絵は標準クラス以上には揃っていたと思うし、全般的に雰囲気が垢抜けていて華やかかつ愛らしく、素敵でしたね。
 ポーズはヒロインで2種類にサブが1〜2種類、ただそこそこ腕差分はあったと思うのでそれなりに躍動感出しつつ、個性もしっかり出せていて可愛かったです。
 お気に入りはののか正面拳上げ、やや横、祈正面手上げ、やや横、ヒカリ正面、やや横、若葉正面あたりです。

 服飾はヒロインで3〜4種類とそこまで多くはないけど、あまり学園生活にフィーチャーせずに日常的な服装に重点を置いているのはいい味出してはいると思います。服装に合わせて髪型があれこれ変わるのもいいですし、どれも似合ってて可愛いんですよね〜。
 特にお気に入りは祈のデート服と、ののかの附属制服かな。祈は普段の活動的な雰囲気からお嬢様然とした雰囲気へのチェンジが素敵だし、ののちゃんの制服はやはりあっちのほうが好き、ただ髪型は本校制服の時のアップのが好きなので、Hシーン合間の立ち絵でその両方を兼備してくれたのが結構快哉ものでした。。。
 その他お気に入りはののか私服、本校制服、祈制服、私服、ヒカリ制服、私服、デート服、パジャマ、若葉私服、デート服あたりですね。

 表情差分は結構豊富で遊びも多くて、コロコロ表情が変わってみていてすごく楽しかったし可愛かったですね。
 特にお気に入りは、ののかのもにょり顔、猫口、照れ拗ね、祈の微笑、照れ焦り、><舌出しあたりですね。まあ基本的にこの二人の表情はどれも可愛過ぎて死ねるのですけど、とりわけこのあたりは素敵でした。というか祈の舌出し1回しか出てこないレア顔だったので勿体無い、まあ性格的に中々ああいう表情しないとは思うけど鬼可愛いのに〜。
 その他お気に入りは、もうめんどいのでののかと祈は大概全部、ヒカリは基本的に目を細めている時が抜群に可愛くて、逆に目を開けているともう一歩かなと思う部分が多く、特に微笑と苦笑、照れ笑いは可愛く、若葉は快活、照れ笑い、しょんぼりと、喜怒哀楽がくっきりしていて好きでしたかね。

 1枚絵は通常94枚にSDが17枚の計111枚と水準は軽くクリアしているし、全体としてみても華やかで愛らしくていい出来ですし、まあでもやっぱり私としては祈とののかがヤバかったですね。可愛過ぎて死ぬかと、死ぬかと!

 特にお気に入りは7枚かな。
 1枚目は祈との出会い、この幽玄かつ神秘的な立ち姿と、冴え冴えとした美貌はすごくインパクトある可愛さだったと思いますね。
 2枚目は祈子供の頃、モノクロ的な回想ですけど、屈託ない笑顔と比例しての寂しげな拗ね怒りが可愛過ぎるなあと。
 3枚目は祈正常位、隠している表情が露わになるところかとすごく恥じらいと歓びに溢れていて、構図的にも素敵でしたね。
 4枚目は祈立ちバック、まあこのシーンそのものが好き、ってのもあるけど、どこか不安げでありつつ必死に甘えてる感じがいじらしくて大好きです。
 5枚目はののか腕組みデート、こんな無邪気に愛らしく上目で引っ付かれたら落ちるに決まってるわと、これは本当に超可愛いのです。
 6枚目はののか看病、しかしこの弱々しくも安心しきった雰囲気のののかがもっと可愛いというか、この作品でこれが一番好きですね、ベット周りの装飾の雰囲気とかも合わせてののからしさが出ていて素敵過ぎ。
 7枚目はののか正常位、どうやって胸はだけてるのとか、ショーツさすがに小さ過ぎね?とか無粋なことは突っ込まない、ののちゃんの恥じらいと快楽に溺れる気配だけで大満足です。

 その他お気に入りはページ順に、祈お昼、肩車、着替え、キス、夜景、添い寝、喧嘩するほど、初H愛撫、対面座位、脇舐め、背面座位、屈曲位、彩乃子供と、甘え、バースデー、お料理、正常位、屈曲位、パイズリ、ヒカリ告白、お掃除、お姫様抱っこ、受験、キス、ピクニック、しーしー、大泣き、もふもふ、愛撫、正常位、騎乗位、フェラ、立ちバック、がお〜、バック、若葉見参、圧し掛かり、キャッチボール、隠れ、カップルジュース、膝座り、過去のクラス、恋人兼親友、立ちバック、万ぐり返し、バック、背面座位、プール愛撫、柑南ショッピング、若葉と、正常位、ののかハンカチ、ぬるぬる、背中流し、寄り添い、愛撫、背面座位、足コキ、部室、お泊り、花見あたりですね。
 SDも愛らしくていいですね、特にののか絡みは可愛い。


BGM(19/20)

 勢いもある中、とても情緒あふれる楽曲が揃っていて、全体のバランスとしてすごく作風に噛み合っているし、出来としてもかなりお気に入りですね。

 ボーカル曲は3曲。
 OPの『Girl meets Love』はとても軽快で爽やかなノリの出だしから、少しずつ情感が増していって、サビの後半の刹那のしっとりした雰囲気がいいアクセントになりつつ、ラストも軽快に立ち戻ってくる感じが、完成度としてもいい感じで、存外聴き込むと味があって好きな曲です。
 EDの『ピース』も訥々とした中に煌めきと歓びを噛み締めるような雰囲気が交わって、EDらしいEDですね。アフターとだと歌詞の違うバージョンになるつくりも意欲的だと思います。
 グランドEDの『Precious time』は名曲ですねぇ。あ、fripだっ、て瞬時にわかる出だしの構成、どこか郷愁を漂わせつつも力強く前に踏み出していくイメージにつなげるサビと、すごく一体感が強くて、サビの後半とか、Aメロ後半とかのちょっとしたところのメロディラインの工夫が耳に切なく残る感じで凄く好きですね〜。

 BGMはインスト含めると全部で38曲と水準以上の豪華さですし、コミカルかつのぴやかな日常と、一方で未練がもたらす鬱屈、閉塞、悲しみなどとのメリハリがしっかりついていて、とても聴き応えのあるラインナップになってました。

 特にお気に入りは3曲。
 1曲目は『光の欠片(かけら)』、素晴らしく繊細で透明感のあるピアノの旋律がもう最高ですね、って感じだし、しんみりしつつもどこか喜びや楽しさが滲み出るような音の跳ね方が大好きです。
 2曲目は『赦しと痛み』、出だしから突き刺さるような痛々しい旋律で、恋々と後悔に打ち沈んでいくような気配を存分に引き出していて、胸が締め付けられるようなところからの後半の変転、膨らみがすごく素朴かつ鮮麗で好きですね。
 3曲目は『勿忘草の記憶』、これもいい感じに悲しみの情感を取っ掛かりで強く引き出しつつ、中盤以降の自責と諦観を思わせる階差的なピアノの旋律が最高ですね。

 その他お気に入りは、『昼下がりの羊雲』『朝影』『癒しの雨に包まれて』『noble actress』『凛として』『tiny hope』『優しき静寂(しじまょ)で』『消えない想い』『pole star』『桜の花の散る先に』『happy and lazy days』あたりですね。


システム(9/10)

 演出は概ね良好ではないかと。
 キャラのキャッチーな魅力を引き出すための演出はすごくしっかり組み込まれてて、とりわけ細かい動きと感情アイコン、あとSEの使い方が可愛くて好きですねぇ。全体的な部分でも、要所での雰囲気の作り方はしっかりしているし、見ていて楽しい出来だったと思います。
 ムービーはOPはすごくコミカルで愛らしく、爽やかな雰囲気が表立っていて、曲の雰囲気ともマッチしているし楽しい出来かなと。
 グランドEDムービーがすごく情感あふれてて、色使いとか1枚絵の見せ方とかかなりセンスがあって、こっちのほうが好きですね。

 システムは取り立てて問題はなし、強いて言うと前にジャンプ、がないのがちょい面倒だけど、バックジャンプ完備したし、サイドバーのセーブも使いやすいし、必要なものは完備されているので問題はないでしょう。


総合(88/100)

 総プレイ時間22時間くらい。共通が3時間、個別が3〜4時間、アフター入っての共通30分に個別は1時間ずつ、トゥルーもそれくらいかもうちょい短いかくらいですね。
 構造としてすごく挑戦的であり、見せたいテーマに沿ったわかりやすいつくりになっているのが、逆に解釈の余地を狭めて結果首を絞めた、って見立てになっちゃう作品ですかね〜。共通から全体的にアクは強いし、純粋に楽しいだけ、って感じの作品ではないですし、その分深みはあって、構成としても興味深くはあったのですけど。

 何をこの作品に求めるか、って、作る方としても難しさはあったと思うけど、もう少し要所での丁寧さは欲しかったです。決して悪くない作品なんだけど、どうしても構図的に先に悪い点が目につきやすいってのも惜しいところです。折角ヒロインめっちゃ可愛いのに、安心して萌えきれない、って場面が個人的には多かったですものねぇ。
 まあでも充分に楽しめましたし、総合力という視座ではやはり素晴らしいものがあるので、今後も依然期待したいですね。
posted by クローバー at 06:07| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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