2015年08月05日

ソーサリージョーカーズ

 体験版がそれなり以上に面白かったし、他に買いたいものもなかったので購入。


シナリオ(23/30)

 信念が切り拓くもの。

 十数年前、この世界に突如として現れた力、魔法。
 それは世界の在り方を一変させ、様々な科学技術との融合によってさらに発展しつつ、その一方で無知や偏見がもたらす悲惨な事故や事件も多発して、未だ社会の中で、魔法という力の落としどころがはっきりしていない揺籃期にありました。

 魔法のエリートを育てるためのアカデミーで学ぶ少年・陽斗は、正義感が図抜けて強く、目の前で起こる不条理や非道を決して見逃せない性格であり、自身の中の羅針盤でフェアでないと思ったことにはどんどん首を突っ込んでいってしまいます。

 魔法社会のルールから外れた存在、野良魔法使い(アウトキャスト)である青年・通称センリは、持ち前のスキルと卓越した精神性を武器に、様々な危機の中に潜り込み、自らが必ず果たすと誓った報復に対して、深く静かにひそやかに牙を研ぎ続けています。

 時を同じくして胎動する、社会そのもののルールを覆しかねない計画。
 その伏流として巻き起こる事件に、二人はそれぞれの立場から巻き込まれていきます。
 その中で陽斗は、自らに試練を課し、それを克服することで夢の国に行けると信じる少女、あさひや、暴走するアウトキャストを狩り続けるコレクターと呼ばれる少女、凛久との関係を深め、その繋がりが余計に彼を深みへと引きずり込んでいって、その結果、今まで全く疑ってこなかった自身のありようを覆される残酷に直面することになり。
 センリもまた、様々な角度から、今後起こりうる事象と、その背景にいる、かつての変革にも一枚噛んだはずの黒幕の存在を感知しつつ、どうしても独力であるが故に後手後手に回り、あと一歩のところでその野望を阻止できずに。

 一年後の冬、自身の存在理由を見失った陽斗は、陽だまりの立場を捨てて報復の道を選び。
 センリも雌伏の時を経て、新たに実行されるであろう計画を暴くべく牙を磨き、その過程で、ロストと呼ばれる少女・ノアや、陽気なシスターの仮面を剥がしたフィオナと対峙することになって。
 それぞれの繋がりが因縁を呼び、その対峙が新たに覚悟を、信念を宿すための力となって。

 この世界に魔法が存在する理由とは?
 世界の裏側で跋扈している策謀の根幹は、その理由は何なのか?
 大きな謎の先で、果たして彼らは自らの運命を捻じ曲げたものと対峙し、それに打ち勝ち、精神的な意味での春に至ることが出来るのか?

 これは、魔法という不可思議に踊らされている世界で、確固たる信念を確立し、人として篤実に変化と向き合いながら、決して穢されてはいけないものを守るために抗い続ける物語です。


 ざっと粗筋はこんな感じでしょうか。
 大枠としては、二人の主人公を軸に、それぞれに展開する物語が、いずれ一本の線となって大きな陰謀を暴き、挫くための力と連鎖していき、その中でそれぞれのヒロイン達と想いを育みつつ、より明確に信念と意志を貫くための原動力になっていく、という流れです。

 テキストは上手くメリハリがついていて、バトルものらしい重厚感や文飾過多の要素は色濃いものの、決して読みにくい程ではなく、丁寧に綴られているという感じ。
 全体的に繰り返しの文言が目立ち、特に印象的なのはフィオナはここまでやるとか、あさひは委縮しないとか、キャラの個性を明確に確立しつつ、状況に応じて少しずつニュアンスをずらすことで、その変化と成長を浮き彫りにしていくやり方ですね。
 そのあたりの用い方が構成とも上手く合致しているし、キャラの個性を極端に振り分けている分だけ読み口も振れ幅が大きくて飽きない感じはあるのかなと思います。

 ルート構成は完全に一本道。一応どのエピソードから読むかくらいの幅はあるけれど、その差異が展開に影響はもたらさないし、選択肢も一切ないので、ゲーム、としては面白味はないですね。
 また、基本的にEDまで、黒幕の陰謀を阻むためのあれこれに尺が割かれていて、ヒロインとの関係は後日談に切り分けられているので、そのあたりのはっきりした構成も特色と言えるでしょう。


 シナリオに関しては、間違いなく面白いし熱中度は高いんですが、粗も多いし構成的に不満な部分も結構目立つ、という感じで、かなり評価に迷うところです。
 立場的に二人の主人公が、一人は完全に信念を確立していて、邪魔立てするあらゆるものを踏みつぶし、利用しながらも、確実に道を切り拓いていくのに対し、もう一人がいったん完全にアイデンティティを踏みつぶされ、全ての矜持と信念を失ったところから取り戻していく、という過程を紡いでいて。
 その対比性と、その交わり難い線が交わるまでの連環、それを支えていく思想の輪郭の差異などには見所がありますが、その分道中のイメージは全く別物になっていて、いい意味で一粒で二度おいしい、悪く言うと足並みが揃っておらずに、どうしても読み手の関心が一方に偏りやすい弊害も出てきそうな感じです。

 個人的には、ヒロインとしては陽斗編の二人の方が好きなんだけど、物語や思想性としてはセンリ編のほうが断然好きで、というちぐはぐさが、完全に前のめりにさせてくれない微妙な小骨のようなつっかえを生じさせてしまったかな、という違和はあり。
 特に気になったのは、どうしても陽斗編はヒロイン含めて、外的な要素がない限りしっかり前に進んでいく気概を打ち立てる方向に意識が向かず、故にあのタイミングで敵役であるはずの存在にああも気を遣わせる、といったら変かもですけど、目的の為に邁進する強い存在であるはずなのに、それを挫くような見せ方をしないと克服できなかったところに不自然さはあって。
 翻ってセンリ編だと、対になるフィオナの話が、その前段からの流れと認識を追い詰めていく過程に至るまで非常に緻密に、かつ確信的に築かれていて、情理で言えば理が勝っている展開が、対比として情に勝った展開の不自然さを更に誇張してしまっていないかと思ったりもしました。

 またその過程を経ての、それぞれに信念のある、けれど打ち勝てる範疇にいる敵との対決を迎え、それを克服することで自らの信念も確立させていく在り方はいいのですが、その二つの線が糾合する部分でも、最終的に少しずつ位相はずれたままで。
 その結果として、というべきか、最終的な黒幕的立場の強さが、力としては図抜けている、けれど信念は確固としていないという半端なスタンスとなり、それぞれがその隙を掻い潜って打破していく流れになってしまっていて、その分だけ盛り上がりには欠けるというか、折角そこまでに紡いだ重厚さを台無しにしてしまっているきらいがあるんですよね。

 大ボス二人に結望あたりはどうにも、メンタリティの上でとことん自己本位でどうしようもないキャラクターとしての割り切りが顕著だし、いわばその油断と、裏打ちするもののない薄っぺらさに助けられての勝ち、というイメージが付随しちゃうんです。
 無論主人公たちのサイドから見ていけば、そうであろうと強大なのは事実で、けど自分に出来る限りの可能性を求めて最後の最後まで足掻いたからこそ、その針の穴を通すような奇跡的な打破を必然と出来た、という観点は持てるのですけれど、じゃあなぜそれを呼び込めたか、という視座で見てしまうとかなり色々とグダグダで。

 とりわけラスボスの思想性の大仰さと、無駄に溢れたありようはなんだかなぁ、ってのはあって。
 事件の展開の背景的な観念を鑑みるに、正直かなり大雑把と言わざるを得ないし、もっと明確に目的に対して強い意識を持って臨めばいいのに、余計な美学を振り回してわざわざ面倒な方向に進んで、挙句にその過大な自信を砕かれてちゃ世話ないでしょ、みたいな状況なんですよね。
 例えばノアの意識の変化や、陽斗の覚醒などは、本来的な意味でその計画を進めるのに必要不可欠、ってわけではないと思えてしまったし、なのに大仰に、敢えてそれを待ってた、みたいなスタンスで、それは当然、必ずやり遂げる、その為に手段は選ばないし、自分をとことん磨き続けるという、人としての基礎的な信念から乖離し、魔法の力に溺れた愚か者のありようでしかなくて。

 そのあたりのひとつひとつの要素が必然に昇華する意味付けをしっかりした上で、ラスボスの信念も何がしかの悲嘆の過去に裏打ちされたものとして、その上で二人の主人公の力がより現実的にリンクしての打破に繋がる、という形であれば、そこまでに踏み越えてきた屍が抱いた信念も浮かばれるイメージなんですが、そうなってないのが勿体無いなあと。
 まあもっとも、これはこれで面白いんですし、特に最後のフィオナのやり口なんか見事な結実だと思いますけど、ただそういう敵役の油断、或いは憐憫が明確な分だけ、構成の上でそういう状況を見せたいからそうした、という、物語としての流麗さが少しばかりぎくしゃくしてしまう気配を読み手に悟らせてしまっているのではないかとも思うのです。
 それが特に陽斗編では顕著に出てしまっているし、その分だけ名作と評価するにはためらいがある、という感じですね。

 またやはり全体構成の中で、ヒロインとのイチャラブが完全に後日談に切り分けられていること、かつその内容が肝心な部分を端折ってのお茶濁しになっているのも、まあきっぱりしたスタンスだとは思いますけどやっぱり不満ではあって。
 とりわけ、こういう特異な環境下で育まれる関係性と情念は、ファンタジーでしか見られない特別な繋がりの意識とその吐露を打ち出せる稀有なファクターでもあるわけで、その集大成的な告白やはじめて、その辺をまるっとオミットしてくれちゃって、取ってつけたようにCGも少ない、尺も軽いその後のHシーンだけサラッと組み込んで終わり、というのではねぇ。

 無論これ買う人で、その辺の充実を切に求めている人は少ないかもしれませんが、それでも最低限、という部分はあるし、またそうして切り分けているようでいて、中途半端に本編内でもお色気シーンはあって、けれどそれがシナリオを動かしていく上で必須の潤滑油か、と言うと決してそこまででもないという部分にも、仕方なく組み込みました感が滲んでいて微妙なんですよね。
 確かに作品としての尺は充分だし、蛇足にはならずとも、そのあたり全部網羅したら相当のボリュームになってしまって厳しい、その取捨選択が必須の中で、敢えて書きたい部分を強く打ち出しましたと言う意識はわかるし、まあしかしわざわざ18禁で出す以上、それでよし、とは言いたくないです。


 以上、基本的にすごく面白いだけに色々と勿体無い作品でしたし、結局私のスタンス的にも、情理のバランスの中でなら、理が少し強く出ているほうが好みってのもあって、けどこの作品は収束的な部分で情の見せる脆い幅に活路を生んじゃってる、というのが絶賛しきれないところかなぁと。
 今年のバトルものだとヴェンデッタなんか、確かに情熱過多ではありつつ、それが決して弱味になっていないし、だからこそそれを突き崩すのに徹底した理の観念が必須になっている部分で私好みだったから、その辺の差かなあとは思います。
 ともかく、嵌る人には嵌るだろう、重厚感と悲愴、そこから立ち上がるヒーロー性はたんまりこめられていていい作品ですけど、評価としてはこのくらいで留めておきたい感じですね。


キャラ(20/20) 

 正直全体的にみると、かなりキャラの優遇度というか、話の構成上そうならざるを得ないポンコツと、立派な信念を確立した存在との対比ぶりが露骨でアレなんですが、それを加味しても、テキスト力含めてのキャラの個性の先鋭化と印象付け、そこからの成長と想いの変遷の綴り方は悪くなかったし、減点するほどじゃないかなと。

 ヒロインではあさひが一番好きかな。
 まあ正直電波的な子ではあるけれど、その清々しいまでの真っ直ぐさと、心底に潜ませた悲しみの重さのバランスに危うさがあって、その強さ、眩しさに触れつつも支えてあげたい想いを覚えさせる造詣が良かったですね。

 凛久もいいツンツンぶりでしたし、ただどうしてそこまで捻くれた精神性を育んでしまったのか、その背景の部分をもう少し確立して欲しかったなというのと、根本的に登場人物の中ではかなり弱い類に入ると思うんで、その辺でなんともって感じ。正直陽斗編においては、あさひのヒロイン力に押されて目立ってない分、いざエピローグで何の脈絡も見せないところからくっついててもあれ?みたいなね。
 あと、記憶奪われてお嬢モードの時の自分を省みて煩悶するシーンとか欲しかったです。

 フィオナはまあ間違いなく一番ヒロインでは目立ってたなあと。。。
 かなり振れ幅が大きい中での、危険と隣り合わせの中で薄氷を踏むようにその精神性を塗り替えていく過程での煩悶や羞恥、それを超えての矜持などが実に華々しくて、やるならとことん、という残忍一歩手前のありようもすごくインパクトを感じさせて。
 特に不殺不傷を誓ってなお、ああいうラスボスに対する悪辣な報復を考え付くあたりの精神性はまあ、怖くて好きにはなれないけどかっこいいなとは思いましたね。

 ノアは逆に、立ち位置としてはかなり曖昧で。
 どうしても根源的な異能に対する納得感が薄い分だけ、その存在意義やらは弱くなるし、育んだ観念も元が元だけに強さを示すほどではなくて、そういうのわかってるからああまで極端に口癖でキャラづけしたんかなぁ、と思わざるを得なかったり。。。げにいとおかし、あなかしこ〜。

 そしてルゥがうぜぇぇぇぇぇぇ(笑)。
 テスタメントでもめんどい敵役の声やってたけど、しかしこの粘着感が嵌り過ぎというかね。敵役として存在感ありまくりではあったし、結果油断キャラではあろうとその快楽主義的な部分も含めて、ラスボスの陶酔に比べるとまだマシかなって思える・・・のはやっぱり外見美少女だからなのかしら。。。

 主人公的にはセンリ超好き。あの情熱をくるんでのクールさ、常に活路を見出し、先を見据えて袋小路に陥らない用心深い立ち回りと、その上で得るべきものを得る為には虎穴に突貫するのも省みない勇壮さ、そしてそれを一貫して支える信念の強靭さ、実にバトルものの主人公らしい素敵さでしたね。
 どうしても現在進行形で運命に翻弄され続ける陽斗の弱々しさとの対比で余計に、って部分はあるだろうけど、かなり気に入りました。

 あとは陽斗の親父が中々かっこよかったなあ。
 自分の立場や正義感、信念に対してすごくギリギリの立場での煩悶を繰り返しながら、最後まで諦めることも投げ出すこともなく正しい道を模索し続けている強さが、ちゃんと陽斗の心にも届くシーンの価値は高いし、逆に陽斗にしてみると、それを為し得るのに外的必然、しかも繰り返しなんてウルトラCが必要なんだから弱いよなぁ、とは思っちゃうわけですけど。。。
 そしてもっと緋奈ともイチャイチャしたかったです(笑)。外見的にはあの子が一番好きなんだけどなぁ。


CG(17/20)

 基本的に可愛いし、バトルの上でも感情表現が多彩で迫力はあり、総合的にかなりいい出来だ、とは思うんですが、やや単調さが目立つことと、あとデザイン性の部分でどうにも作品内容と合致しない部分が気になってしまって、迷ったけど一点引いた格好ですね。

 立ち絵に関してはやや少ないかな、くらい。
 ポーズはヒロインで2種類、サブで1〜2種類とそこまで多くはなく、ただ結構個性ははっきり表に出てくる感じですね。
 お気に入りはあさひ正面、凛久左向き、フィオナ正面、ノア正面、斜め前屈み、ルゥ正面、緋奈正面あたりですね。

 服飾はヒロインでも2種類、サブはほぼ1種類と、まあ設定上あまり多くを必要としないとはいえ流石に少なめですね。つか1枚絵で寝間着あるなら立ち絵にも反映させようよと。。。
 そして服飾最大の問題は、冬が舞台の作品なのにめっちゃ薄着だという事だわ。。。寒い、とか描写されてるのにほぼ水着紛いとか空気読め、ってなるし、ノアをわざわざ着替えさせて肩丸出しだった時にはオイ、ってなったわ(笑)。
 別にデザインそのものは悪くないんだけど、作品内容と噛み合ってないのは些か以上に不満ですし、その服を着ることに必然性があり、かつそれ以外のシーンでは普通の服装が用意されているならともかく、この量でこれだとね、という意味で一番の減点対象。
 お気に入りはあさひ制服、凛久制服、フィオナシスター服、ノア私服、緋奈制服くらいかな。

 表情差分もそこまで多くはなく、遊びの要素も少ないのであまりインパクトはなかったかな。
 お気に入りはあさひ笑顔、膨れ、半泣き、怒り、照れ上目、凛久ジト目、怒り、諦め、微笑、笑顔(お嬢様時)、フィオナ真面目、ニヤリ、怒り、ノア笑顔、きょとん、悲しみ、ジト目、緋奈笑顔あたりですね。


 1枚絵は全部で115枚、ただしカットインとかもあるし、その辺のバランス加味するとまあ水準かなとは思います。
 シナリオ項目でも指摘したけど、基本的にえちぃシーンとそれ以外のバランスが逆の意味で悪いというか、シーン回想とかかなり水増しした上に1シーン1枚だからね、ちと寂しいね、ってのはあります。まあその分バトル関連においては不足感なく描かれていると思いますが。

 お気に入りはページ順に、フィオナとジャム、センリ攻撃、射撃、ルゥと兵器、キャッチボール、壁に嵌ったあさひ、お姫様抱っこ、凛久と木陰、お風呂バッタリ、あさひ添い寝、奇襲、真実との対峙、ノア馬乗り、フィオナ夜這い、進撃、パイズリ、再生、道を探して、あさひとの再会、手淫、サンタ、凛久の魔法、謝罪、立ち上がれ、残忍な運命の駒、戌亥構え、ノアデート、悲しみを知って、あさひキス、抱きしめ、フェラ、涙、天を射る、巻き戻り、消滅の槍、神父の跡継ぎ、選定者、勝利者との対面、フィオナマッサージ、正常位、ノアバック、フェラ、あさひバック、正常位、凛久フェラ、対面座位、背面屈曲位あたりですね。


BGM(18/20)

 全体的にとても神秘性に溢れていて、フッと思い当たったイメージが聖剣伝説っぽいな〜、みたいな。。。戦闘曲もいいけど日常曲も中々素敵で心に響く楽曲群だと思います。

 ボーカル曲は3曲。ただし回想に入ってないからあんまし聴き込んではない。
 OPの『unreal colors』は、始まりを感じさせるスピード感と高揚感が上手く噛み合った感じですが、サビが少し弱くてメロディ的にも調和がもう一歩かなと感じてそこまでではなかったですかね。
 2ndOPの『crystal of beginning』は、緊迫感をツインボーカルの重厚さで補いつつ、世界の混沌と悲嘆を綺麗に謳い上げていて、最初の曲よりは好きですね。
 EDの『Thaw song』は非常に安らかさと透明感に溢れた、伸びやかさの中に未来の希望が垣間見える綺麗な曲で、完成度的にも好みとしてもこれが一番好きですね。

 BGMは全部で34曲と水準は楽にクリア、内容的にも奥行きがあり、突き抜けてすごいというのはそこまでないけどかなり好みですね。
 
 特にお気に入りは2曲。
 1曲目は『予兆』、この神秘性と繊細な切望、欲求の在り処を淡々と示すようなメロディの親和、透明感がとても気に入りましたね。
 2曲目は『融ける想い』、EDのインストではありますが、曲のイメージを更に研ぎ澄ませ、流麗に仕立てた感じで凄く耳に残る、優しく温かい曲だなと思います。

 その他お気に入りは、『魔法のある世界』『鳥籠の日常』『探究者の足並み』『慌ただしく過ぎる日々』『清く正しい行い』『春風』『想いを寄せて』『真実はどこへ』『Battle theme T・U』『Counter rockets』『Run as fast』『Impatient.』『Face a crisis』『Fight of flight』『暁光』『起源』あたりですね。


システム(8/10)

 演出はまずまず、特にバトル関連は流石に頑張ってはいますね。
 カットインを多用はしてるけど、それ以外にも多彩な演出で戦闘の迫力はそれなりにしっかり引き出しているし、極端に間延びした感じもタイミングの悪さも感じなかったから良かったのではないかと思います。
 ムービーはあまり惹かれる要素がなかったかなぁ、どちらもあまり独自性やテーマの練り込みを暗々裏に組み込み切れていない感じで。

 システムは必要最低限、ルートジャンプはあるけれど基本的に必要になる場面少ないし、ちょっとセーブロードが使いにくいのと、あとコンフィグの字が小さすぎるのを除けば取り立てての問題はないかなと。
・・・あ、いや、ディスクレス不可だけは超めんどかった。これはなんとかして欲しい。


総合(86/100)

 総プレイ時間24時間くらい。結果以上に過程を重視しているというか、特に信念の確率過程における描写は秀逸で、けれどその蓄積がラストにおいて更に一段昇華する、という印象でもない分、実際的にフィオナ・凛久関連の話あたりが一番盛り上がっていた気もしなくもなかったり。ラストちょい前もそのリフレイン気味の展開で引っ張ってたしねぇ。
 エピローグは一人当たり30分もないくらいの尺なので、ヒロインイベントは本当に乏しく、そのあたりのバランスは完全に割り切ったつくりになっている感じ。
 イチャラブを期待すると裏切られるのでその辺は加味しつつ、それでも魔法バトルものとして、しっかり社会情勢の揺らぎに対する検討を含みつつ、キャラそれぞれの物語の中に無理なく落とし込んでいる格好は見事だし、どうしても作り物めいた、必然から一歩はみ出した恣意的な感覚は付き纏うものの、重厚感ある醍醐味の多い作品だとは思います。
posted by クローバー at 05:20| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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