2015年12月08日

ここから夏のイノセンス!

 まあクロシェットで保住さんメインのシナリオとなればそれだけで、ってところだし、体験版もやはり素晴らしくニヨニヨできる素敵な雰囲気で、キャラ全て、とりわけいろはとユノがめっちゃ可愛かったので超楽しみにしてましたね。


シナリオ(23/30)

 恋の多様性、そしてそうであることの意義。


 主人公は、何事も効率主義が蔓延り世知辛くなっている未来の世界において完璧な落ちこぼれでした。
 未来においてはそれまでの婚姻制度に変わり、少子化対策としてエンゲージという制度が確立されており、恋愛感情でなく単純に相手の能力に基づいての子作りが可能になっていて、その行き過ぎが純粋な恋愛を絶滅危惧種にまで追い込んでいたのです。
 そんな時代において、本当に珍しく恋愛結婚・自然出産によって生を受けた主人公は、だから生まれた時から異端児であり、そのせいか様々な嗜好や考え方も周りと合わず、自分の趣味に閉じこもるように生きてきた結果として、必然的に社会から取り残されていったのです。

 けれどある日、そんな主人公の運命が一変します。
 未来においては限定的な過去渡航のシステムが発明されており、温故知新、過去の事象を学ぶことで今後の生き方をふくよかにするための、プロムナードと呼ばれる卒業試験が、とりわけ優秀な学生には課されることになっていました。
 そして主人公のクラスメイトで一番の優等生であるアリカ、その妹でやはり規格外の才能を持つユノの二人が過去渡航することとなり、過去への憧れからその壮行会に出席した主人公は、好奇心のままに渡航の為のゲートに近づき、何故か開いていたゲートに飲み込まれて、二十世紀後半の鄙びた山村である晶生村にやってきたのです。

 渡航直後、いきなり夜の山中で遭難しかけるものの、蛍の導きによってこの村の象徴的な存在であるいろはと運命的な出会いを果たし、煩雑な手続きこそあれ、概ね現地人、特に村長とその子供である篁と寿、そして渡航のサポーターとして現地滞在している未来人のクラレッタの好意によって、主人公はアリカとユノのサポート要員という形で、プロムナードが終わるまでの期間をこの地で暮らすことになります。
 未来とは何もかもが違う生活の中で、主人公は本来秘めていた好奇心や活力を存分に発揮し、逆に未来のように何もかもを上手く進められないアリカ達のサポートをすることによって一目置かれるようになり、いろはや寿とも仲良くなり、様々な鮮烈な経験をみんなと共に重ねていく中で、もっともっとこの世界で暮らしていきたい、そして未来では夢見る事すら許されないと思わされていた恋愛、というものを実地に体験してみたいと切に願うようになります。

 その願いが通じたのか、いくつかのトラブルや思惑が重なった結果として、プロムナードが終わってもまだ未来に戻ることができなくなり、主人公たちは滞在を延長することになって。
 一度は別れを覚悟したところに更なるチャンスを貰えたことで、開き直りに近い進境で、どうせなら出来ることを、やりたい事を全てやり尽くしていきたいとより強く熱望するようになって、特に気になった相手と共に過ごす時間を増やすことで、それは本来人が持つ当然の本能に導かれる形で恋の形を彩っていって。

 未来とは何もかも違う時間の中で、果たして彼らの恋はどのように結実していくのか?
 そしてその恋はきちんと過去と未来、両方の世界に受け入れられていくのか?

 これは、恋する気持ちの尊さをまっさらな所から洗い直すと同時に、二人にとっての最善の形を模索していく過程で恋の多様性とその意義を見つけ出し、過去と未来の世界に共に良い影響を与えていく為の推力と為していく、純粋無垢な恋と、それがもたらす人としての成長、信念の醸成を綴った心温まる物語です。


 あらすじはこんな感じですね。
 大枠としては延長戦が発生したことで、無理に抑え込んでいた気持ちの箍が外れて、様々な柵を跳ね除けてでも生まれた恋を大事にしたいという強い意志が芽生え、その意志を伝える為の悶着や、或いは外的な思惑による干渉を受けつつ、全てが丸く収まる為の、自分達なりの恋愛のかたちを模索していく、という流れになります。

 テキストはつくづく保住さんだなぁ、という感じで、とにかく根本的な所で人の善意・善性を大前提としつつ、その中での感情の機微を非常に緻密に、丁寧に追いかけて、染み入るような納得と共感をもたらすと同時に、その読み口が非常に温かい世界観を生み出していて、いつまででもこの世界に浸っていたい、このキャラたちと戯れていたいという気分にさせてくれます。
 今回は舞台設定や方向性からしてその純度がより高いのもあり、また各個別ルートに入ってもそのエッセンスがきちんと踏襲されていて、それなりに複数ライターだけれど極端にルート毎で温度差がある、読み口に違和感がある、という事が少なかったのがなお良かったですね。

 ルート構成は特に難しいことはなく、単純に好感度選択肢でプラスを選択しつつ、要所で大枠的な過去未来分岐、更にそこからの個別分岐選択をしていけばOK、という構図。
 まあゲーム性や、想いを寄せていく過程を示唆する上で最低限の積み立てはされているかな、というところですし、共通の段階ではあくまでも未来人が過去の様々なありように影響を受けて意識改革をしていく部分が主題となっていて、恋愛模様に関しては個別に入ってから改めて、という構造でもあるので、その最低限でも不自然さはなく仕上がっているかなと思います。

 シナリオに関しては、まず共通がかなり面白いですね。
 未来と過去の価値観のズレを丁寧に埋め合わせていく過程において、無理や不自然さがない程度に、それぞれの個性が導く形でトラブルも発生させ、体感的にその時代の風土を咀嚼していくことで、特にアリカの考え方の変遷の劇的さと、その変化を一々嬉しく、やはりそうなんだと自身を得る形で噛み締めていく主人公の在り方が印象的です。
 その中でもやはり白眉というか、構図として見事だなと思ったのは出産シーンの使い方ですかね。生命の神秘とその感動が入り口にあればこそ、性愛という行為に抱くマイナス面の印象が根付く余地もないままに、プラスの意義のみを見据えて意識するようになる、という構図は、やはり善性が土台にあればこそではあれ、実にらしくも美しい見せ方だったと。

 そういう下準備の上で、どうしてもその出自とか立場とかで、恋愛に及び腰だったり、或いは無知だったりするヒロインと主人公の間で紡がれる、初々しく、たどたどしくも甘酸っぱい恋愛模様、そういう発端だからこそ純粋でありつつ濃密なイチャラブを思う存分に楽しめる、という部分だけでも大きな価値のある作品になっていますかね。
 かつ未来、という相対的な価値観を提示することで、改めて恋愛の価値というか意義というか、そういうものを意識的に掘り当てつつ、けれどそれは決して画一的なものでなく、男女の組み合わせ(ここでは同性愛とかの特殊な恋愛観は省いてしまいますが)の数だけ恋愛のかたちがあり、その二人に相応しい在り方も違ってくるのだ、というところを、いずれ未来に帰らなくてはならない立場にある主人公を軸にして見出していくことになります。

 全体像として、どうしてもその恋愛観の抽出に重きを置いている分、時間遡行がもたらす様々な歪みとか、いわゆるタイムパラドクス的な観念、時間の進行そのものは並行していくというこの物語独特の遡行理論の裏付けなんかはかなりなあなあであり、その辺が物語にがっつり介入してくることを期待した人にはやや肩透かしな内容でもある、とは言えますが、元々作品のアナウンスとしても過去に戻っての純朴な恋愛を楽しもう、ってところが最大のコンセプトになってるわけだしまあそれは仕方ないのかなと。
 無論その要素が完全にオミットされているわけではなく、色々な部分で影響は及ぼしてくるのですが、その範疇と関わり方次第で少しばかりシナリオの見せ方にも難しさはあったのかな?と思わせる要素もあったりなかったり。その辺はネタバレで詳述します。

 とりあえず個別評価としては、アリカ>いろは>ユノ>寿くらいですかね。サブ二人も一応攻略できますけれど、シナリオ、として評価するには値しない尺と展開ではあったので割愛。本当にえっちぃこと出来るだけラッキー、くらいのスタンスで見てあげてください。。。
 特にシナリオとしては当たり外れが大きくはなく、どれも水準以上の出来にはあって、ただ作品の根源的なテーマというか、タイトルにも綴られているイノセンス、無垢性をより深く抽出している、という意味ではやはりアリカといろはが純粋に一段抜けているつくりになっているとは思います。
 どうしてもユノや寿は耳年真だったりムッツリだったりで、本質的に恋という感情を知らない、性愛の在り方も知らない、という立場ではないし、無論それはそれでこの条件下で特異な恋愛観を見せてくれていて面白いですけれど、一面的にはアリカといろはの純粋性の引き立て役、みたいな感もありますからね。

 ざっと下から見ていくと、まず寿はその個性がしっかり生かされているというか、この過去の時代においてもむしろ古風に育てられた、という在り方が、大和撫子然とした外面と、けれどそれによって長年抑圧されてきた本能的な部分の乖離を生んでいて、その内面的な部分が主人公という触媒を得ることで発芽していく、という見方がすんなりくる感じですね。
 恋愛の展開としては丁寧ではあるけれど特筆するほどでもなく、まあいかにも寿らしいな、と思わせる進展の中で、どうしてもそれぞれの立場から、その恋愛を深めていっていいのか逡巡し、周りの反応を危惧する中で、特に父親との関係に象徴される様な、温かく善意に満ちた世界観が綺麗にそれを払拭してくれている格好です。
 また未来との関係としても、寿がそう育てられていた、すなわち女はいずれ家を出て外のものに嫁ぐものだ、という古風な価値観があればこそ、それが自身の志望とも一致してすんなりとああいう形に決着できたし、それ自体が未来側の思惑にも合致する形だった、というのは幸福でありつつ運命的でもあるなと感じますね。

 ユノは主人公が恋愛を育むうえで一番ちょろい・・・もとい適切かつシンパシーを感じられる相手、としての立ち位置が明確に確立していたなというのが素直な印象。
 それは共通で見せた、ユノがプロムナードにこの地を選んだ理由と意味、そしてそこに不確定要素として飛び込んできた主人公との価値観の共有の過程においても充分に担保されているし、個別の出だしで明言されているように、二人の関係性が同好の士的な部分からスタートして、それは一番恋愛関係への飛躍という意味では容易い立ち位置ではあったろうと。

 実際意識が深まり出してからの進展は一番早かったと思うし、恥じらいがないとは言わないけれど、同じように性愛に関する知識が深い、別ルートで識者(笑)とまで崇められる寿に比べると、より好奇心が強く出る形で紡がれていて。
 体躯的には一番幼いユノなのに、いわば精神的な部分での無垢性においては一番欠損、という言い方はひどいかもだけど、ませている部分が強く出ていて、そのギャップ的にもすごく可愛かったし、そうなった上で、二人のこれからを考えた時に残りの時間で何を為すべきか、という展開も自然だったと思います。

 二人が本来の未来人の性向からするとあまりに特異、かつ親和的であることが、かえって閉鎖的な観念を生み出さないかと憂慮されたりして、外的な部分から二人の関係性に疑義がもたらされるものの、けどそれも、この村で過ごして、そのおかげで育まれた恋愛、という意識の中で培った、二人ならではの恋愛観の発露でしっかり払拭する、という構図も説得的です。
 その上で実にこの二人らしい、エンタメ的なテンションでのプロムナードの結実が、未来への影響力を駆使するにあたってのヒントに繋がっていくのも面白かったですし、他ルートで見られるほどの純度の高い恋愛模様、という方向性とは少しずれているけれど、これはこれで確かにユノらしい、と思える内容に仕上がっていて、寿よりは好きかな、と感じましたね。

 いろはに関してはすごく評価に悩みました。なまじ考える時間がたっぷりあっただけにかえってこんがらがってしまった部分もあるのですが、少なくとも確実なのは、作品のテーマ性において一翼を担う立ち位置であることと、その在り方を見せる過程においてのシナリオはすごく丁寧で綺麗に、胸を打つ形で仕上がっていたなと。
 アリカとは違う形で、そういうことを知らない、知ってはいけないという驥足の中に囚われていたいろはを、過去の伝承になぞらえる形で現れた主人公が少しずつ変えていく、という枠組みは本当に神秘的かつ運命的であり、その蓄積と影響によって派生した展開の中で、やはり白眉はあの縁側での語らいによって、いろはが大人になる決心を抱くシーンに尽きるのかなとは思います。

 その感性の飛躍自体の幅は大きいものの、アリカとは違ってそれが本人にとって全くの未知というわけではない、少なくとも自己の経験としてはないにせよ、周りとの触れ合いの中でそういうものだ、というのは強くわかっていて、その美しい部分だけを抱きしめ、憧れ続けてきたような在り方が、ああいう躊躇いない振る舞いに至れる強さと純粋さ、健気さを担保しているあたりはやはり流石の一言。
 ただその感性の斬新さ、という観点においてはややアリカに劣るかな、って部分は流石に出てくるし、加えてやはりこのシナリオは終盤の諸々が非常に解釈、というか、感じ方の中でどこまで綺麗なままに飲み込んでいいのか躊躇しちゃう部分が大きかったんですよね。

 いい意味でも悪い意味でも冒険的というか、他三人が結果的にそうしたい、という在り方に対して世界がそれを受け入れてくれた、という構図であるのに対し、いろはシナリオはどうしてもそこで悶着が起きて、そうするためにどうするか、どうしたいかというもう一段階の飛躍が必要になっているわけで。
 その結論に至る経緯やらなにやらはどうにも胡散臭さが付き纏うし、結論そのものに関しても本当にそれでいいのかなぁ?という想いもあるんですよね。この辺もかなり深いネタバレになるので後で、にしますけど、間違いなくいろはシナリオがこの作品の主題に最もふさわしい内容ではあった、けどそれ自体が逆に難しさを生んでいるなぁ、ってのが率直な感想で、全てにおいて筋がしっかり通り、綺麗にまとまり切っているアリカのほうが好き嫌いで言うと、って評価に落ち着かせたという感じ。まあそれで本当にいいのかまだもやっとするところはあるのですけど。。。

 アリカに関しては本当に、望まれる枠組みの中でビシッと綺麗にまとめ切った感じで、その上に感性として想像力が試される部分での素晴らしい深み、そしてその産物がもたらす感性が、二人が関係を紡ぐ上で障害になっていた(少なくともアリカはそう信じていた)ものを、前もって想定させるよりも一段と高潔な精神性で彩り、解決に導いているところが素晴らしい、と感じましたね。
 共通で醸成された、性愛に対するプラスの感性を土台にしつつも、しかし恋愛感情というものがいかなるものか、を全く知らずに生きてきたアリカだけに、意識よりも先に本能が、身体が反応する変化に一々戸惑い、怯え、立ち止まっては教えを請い、ひとつひとつ丁寧に大切に噛み締め、抱きしめながら、主人公への想いを深めていく過程は、エンゲージ世代の恋愛観、という、全く未知の感性の変化を非常に綿密に考察し、落とし込んでいるなあと。
 ともすればそういうところでサラッと飛躍しちゃうことで説得性を欠損する場合はかなり多いだけに、やはりその恋愛観に対する考察の機微の細やかさ、それを無理なく自然にシナリオに落とし込んでくる構成力は素晴らしく、真骨頂だよなあとつくづく感じ入りました。

 そういうスタンスだからこそ、恋愛に関しても、そこから派生する欲望に関してもとにかく誠実に、純粋に向き合う姿勢が本当に美しいんですよね。
 そして本当の恋愛を知ることで、エンゲージという制度の潤いのなさ、そこに秘めた想いの色合いの違いをはっきり認識すればこそ、そしてそのアリカの高潔な意識の芽生えを、在り方を誰しもが好ましく、尊重すればこそ、ユノとの関係がああいう形で決着したというところは、地味ではあるし、前もってユノの本意がどうか、ってのを読み手含めて知っていればこそ意外性もないのだけど、だからこそ逆に、その想定の一段上を紡いでくれた、という部分に感銘を受けるのです。
 更にはそんなアリカだからこそ、性に翻弄されて、けどそれを好きな相手がくれるものだからと、性愛に対する余計な不純物、寿的な潔癖性がもたらす忌避感が意識に混濁していないが故の一途さ、純朴さで受け容れていく過程なんかは本当にグッとくるものがありましたね。

 その上で二人が二人らしくあるための居場所を定めるにしても、本質的に二人が両方ともに未来人ではあり、まずそこで何かしらの成果を見せなければそうは出来ない、という意識を共有していればこそ、それが未来の思惑にも抵触しない範囲で為せる要素になっています。
 逆に言うと未来との関係性は利用価値を示す、という範疇で制御できる着地点でもあるから、向後この二人はこのままでいけるのだろうという安心感があるし、読後感もいろはに比べるとわかりやすくすっきりしてるなあとは感じられ、その辺の完成度の高さを踏まえて、いろはシナリオより上に評価しました。

 以下は諸々考察とか含めて完璧ネタバレなので白抜きにします。

 この物語は、ひとつのファクターとして恋愛の多様性を明確に示す、という部分において、それぞれのヒロインと主人公にとってのかくあるべき地点に四者四様の落としどころ、区別をつけていると思います。
 それは図式的にすれば、未来人同士のカップル、未来人と過去人カップルそれぞれが、未来と過去どちらに軸足を置くかというスクエアパターンになると思いますが、その中で明確に未来の思惑との軋轢が発生するのはいろはシナリオのみ、すなわち未来人と過去人が結ばれ、そして過去での生活を選択した時のみになるわけですね。

 それを踏まえた上で改めて考えておきたいのは、主人公が未来から思惑を持って送り込まれた存在である中で、じゃあ実際にどういう立場を求められているのか、という部分で。
 他三人のシナリオにおいては、経緯の差異はあれ、小萩のプロデュースの方向性と添わせる形で過去のコンテンツや、旧態依然の恋愛模様を未来に配信する、という形で折り合いをつける格好になっていますが、その中でいろはシナリオだけは、未来と過去の相互交流を可能にするための土台作りを為す、というところで一応主人公たちの望む形が手に出来ている格好なんですよね。
 ただよくよく考えた時に、かなり即時性が高く、影響力も大きい他三人のやり方に対して、いろはシナリオでの迂遠で色々と危険や困難も伴う着地点が本当に誰しもが納得する着地点なのか?って部分でどうしてもスッキリ飲み込めないところがあるなぁ、ってのが素直な所感だったりします。

 そもそもからして、どうしても過去と未来の関係性、時間遡行にまつわるSF的観念の明確な答えが見えない構図の中で、じゃああの小萩の持ってるダイバージェンスメーターだかに信憑性は置けるのか、本当にその数値次第で上を説得できるような効用を持つのか?って疑問があります。
 いわゆるバックトゥザフューチャー2的な解釈を援用すれば、過去での事象を変化させることで未来にも変化が起こる、という展開、いわゆるタイムパラドックス的な観念は一般的だと思いますが、この作品においては、その点での防護措置というか、その辺がかなり曖昧な気はします。
 一応小萩の説明からして、大きな歴史の流れには収束力があり、小さな揺らぎが多少重なったくらいではビクともしない、という保険はかけてありますが、にしたって未来人が平然と過去で未来技術を濫用したりするのはいいのかなぁと。当然そうしても平気な立地、という意味で、閉鎖性の高いこの片田舎が選ばれている、ということでもあるのでしょうけど。
 
 まあ少なくとも、実際に小萩がメーターを「振り切らせた」という言及もあったように、実際に歴史の分岐点になるような地点で、その機械にちゃんとそれを測定した実績があった、だから説得材料になるのだという可能性こそあれ、ここでの主人公の思い付きそのものが歴史を動かすほどの牽引力を実際は持ち得ていないことは明白で、となると、何をもって主人公の立場がそれで良し、とされたのか?
 畢竟それは、主人公が主体的に、自分でそうしたい、と望む形で、未来との繋がりを途切れさせずにいる、という精神性そのものなんだろうなあと思います。他ルートではたまさかそれがやりたいこととほぼ一致した、或いは阻害要因にならなかったという点で露呈しなかったけれど、元々主人公一人に未来の変化の全てを託すような暴挙を為すわけもなく、ロングスパンで見て未来を変えていける一要因としての継続性、自主性が発現されればそれでよし、だったんじゃないかと。

 また、その視点で見た時に、やはり引っ掛かりを覚える部分は、その発想に至る契機となった蛍の不自然さなんですよね。
 少なくとも二人の印象をそのまま信じるとして、蛍はゲートに導かれ、そしてそこでゲートに「飲み込まれて」姿を消した、という点は、少なくともその時点で極秘裏に、気付かれない程度の規模ではあれゲートが作動していた、ということを示唆してはいないかと。

 このルートでは、小萩にさらに延長期間を貰っている分だけ、ゲートの充填率には余裕があるはずで、多少ゲートを使ってもその後の帰還には影響を及ぼさない、という部分も含め、その場合に実際ゲートを動かせるのは誰か?となると、それはどうしたってクラレッタしかいないわけで。
 元々彼女はこの世界において蛍の研究を進めてきて、そしてその成果はほぼ思った通りだった、と口にしているように、ユノシナリオでまことしやかに語られた、ほまとい様未来人説、晶生の蛍は未来技術の結晶だった説はある程度真実に沿っているのだと思われます。
 そして蛍が源泉の匂いに惹かれる性質を持つこと、またなんかやたらとハーブの生育場面を強調して、匂いの研究でもしてたの?と思わせるところなどを糾合すると、穿ってみれば蛍を一時的に思い通りに引き寄せるくらいの事は出来そうだなぁ、って思わなくはないんですよね。

 そうだと仮定した場合、小萩とクラレッタは、ある程度上の思惑を理解した上で、二人が二人らしくいられる為に可能な落としどころは何かを忖度し、それぞれの立場で出来ることをした、それを最後に確認し合って共犯者だと含み笑っているわけで、彼女達なりの善意に基づいていることは疑いなくとも、やっぱり結構な食わせ物だよなぁ、って。。。
 しかももしそれが正しいとした場合、もっと大枠的な部分でもひとつ、なんというかロマンのない答えが導き出されるところもありまして。

 それはすなわち、一番最初のいろはとの出会いが本当に蛍の導き、偶然だったのか?って部分です。
 どこだかでクラレッタ自体は、その思惑はともかく、アリカとユノ以外にもう一人送られてくることは知っていた、的な言及がありましたし、そもそも結構重要な思惑を持って意図的に送り込まれた主人公が、下手したら誰にも気付かれずに山中で野垂れ死にしかねない状況に放り出された、とは考えにくいんですよ。
 別にこの時代で生きていく為のサバイバルを学ぶ必要なんてないわけだし(笑)、いくら知識があってもそれを実践できるかは未知数なんですし、そんな危険を冒させる必然はないのだから、実際は裏で糸を引いている存在がいても不思議はないと。

 クラレッタは主にユノの、主人公に対する謎の問いかけに対して全て玉虫色にしか返事してないし、それでいて主人公に、他の二人と同列に扱うわけにはいかない、と明言しているように、あくまで自主的に主人公はここにきた体にして、その上で過去に溶け込み、未来にとって役立つ何かを自主的に発現させてほしい、というのが、オーダーとして事前に通達されていた可能性もあるんじゃないかなと。
 そのしちめんどくさい要求に対して、すんなり村に溶け込ませるための最適な方法として、姿を消して見守りながら蛍を操作し、主人公といろはの、伝承になぞらえた出会いを演出した、と考えるのは穿ち過ぎですかねぇ。実際ロマンの欠片もなくなるわけだし。。。

 例えそうだとしても、あくまで運命を感じ、その中で自分達のあるべき道を真っ直ぐに貫いていく主人公といろはの在り方が毀損されるわけでも、色褪せるわけでもないし、むしろその真実を知ったところで二人は感謝するだけとは思います。
 ただこのシナリオにおいて、そういう観点での解釈もできる、という部分が、ラストの二人の未来との関わり方の選択にも関連しているというか、実はそれ自体が密かに裏側のテーマとして見せたかった部分なのかもしれないなぁ、というのはあります。

 基本的にこの世界観は、善意を前提として成り立っている部分は色濃いです。
 特に主体となる登場人物、立ち絵のあるキャラは当然として、枠組みとしてはこの村の住人までが、その前提ありきで生活を、結びつきを為していると見做すことができます。
 しかし、世の中は全てが善意で出来ているわけでは当然なく、様々な思惑、打算、収奪なんかがむしろ蔓延っているのが現実であり、どうしたってそれと折り合いをつけて生きていかなくてはなりません。
 他三人のルートでの未来との関わり方というのは、その観点において、その通り折り合いをつけ、未来にとっての利用価値と、自分達の志望の妥協点を見出している結末だと思うし、上で触れたクラレッタや小萩のやり口も、その折り合いのかたちでもあると言えるでしょう。そこには、どうしたって生身の在り方で、未来そのものに過去の思想性の良さを、この場合は善性で紡がれる風土をそのまま押し付けていくような強さは孕んでいない、とも感じます。

 けどやはり、いろはシナリオの着地点だけは色合いが違うんですよね。
 互いに交流を深めて、互いに益になるように、かつ大切な想いが共有できるように、というのは、究極的に見て、閉鎖性の中で保たれていた善性を外の世界にも波及させ、その色に染めていこうとする強さを備えた判断だと思うし、思想性としてもより理想的な形を模索するスタンスなんだろうなあ、とそこは理解できるのです。自分達の大切なものを、真に理解してもらいたい、そしてそれを連綿と、村の存続を象徴として息づかせていきたい、その意志は崇高だとも思います。
 ただやはり、あくまで個人的に、ではあるのですけど、善性に基づいた世界観で統一されていた物語に、外の不穏な思惑が波及してくる可能性、危険性と、対峙した際の折り合いをつける難しさなんか諸々考えてしまうと、どうしてもその物語性の中にその要素は親和性がちょっと足りないんではないかなぁ、って、感じてしまうんですよね。

 同じく保住さんシナリオでの、ウィッチズガーデンの真あやりシナリオなんかもその色合いが濃くって、風城という閉鎖空間に根付いた精神性でのみ認められていたものを、そこから外に積極的に認知させていく、という構図と、それを街の人みんなに納得させる図式にどうしても少し、言い方は悪いけど善意の押し付けというか、同調圧力というか、性善説に基づいての、訴えによる目覚めに信を置き過ぎてるきらいはあるなぁって、その辺があのシナリオをそこまで高く評価できなかった一因なんですよね。
 ただあやりの場合は本人にとってはそれがやはり一番の幸せな形ではあろう、という部分もあるし、外と向き合う難しさはあっても、その矢面に立つのも当人達だから、きっとなんとか成し遂げてくれるのだろう、という部分での納得はなくもなかったんです。

 ただこのいろはシナリオの場合、結局矢面に立つのって二人の子供、ってことになるわけで、それはある意味で価値観の押し付けじゃないのか?って疑問はどうしても出てきちゃうんですよね。自分達が一番ありたいように生きる為に、子供の主体的な生き方の幅を狭めるようなことにはならないのか?って。
 少なくとも内輪で見た場合に、それは理想的な在り方ではあるのだろうし、そう在って欲しいと思える未来なのは否定しません。でもやはりそれだけだとどこか信仰的というか、正しさを一元的に決め付けているようで、危うさを感じざるを得ないんですよね。

 まして対峙するのが未来の存在、という部分もそういう懸念に拍車をかけます。
 基本的に未来側としては、徒に未来の形を変えてしまいかねない、未来技術の継続的な流出や、その技術を土壌にしての発展、進歩が過去で為されることは認めがたい事だとは思うんですよね。
 あくまで過去の良さを学び取る為の実地研修の場としての、過去でさえ社会から隔絶された村を選択して繋いでいるのもその前提があるからでしょうし、相互交流の提案はその理念に真っ向から立ち向かい、過去側がその技術を絶対に悪用しないという善意前提のシステムを信頼させてはじめてまともに機能するわけで、それがどのくらいの難易度か、ってのはちょっと考えただけでもわかります。

 無論アリカみたいな人間を筆頭にしてサポートは手厚くなるとはいえ、畢竟最終的に未来人の意識そのものを動かすに足る成果を出さなきゃいけないのは、その留学生に選ばれた子供たちに他ならないと考えた時に、やっぱり当事者が全て背負う、という構図でないのは心許なさがあるし、子供達にとってもそれが本当に幸福に繋がるのか、という部分で納得しきれないものがあるのです。
 ネタバレなしの感想部分でも書いたように、本当の意味でのテーマ性はこのいろはシナリオに凝縮されている、とは思うし、その思想性も理解は出来るのだけど、この文脈でこの着地点となったときに、それが本当に成しえる事か、だれにとっても正しく幸せなことか、という部分で感情がすんなり納得してくれなかった、その違和感が読了当初から付き纏っていたのが評価を少し下げた主因ですね。



 以上、また無駄に長くなり過ぎましたが、基本的にこんな裏読みしなくとも、素直に目の前の幸せの形を堪能するだけでも十二分に楽しい作品ではありますし、ただやはり私としてはそれだけではない、という部分をしっかり読み解きたかったし、その結果として評点そのものは少し割り引く形にはなったけれど、それでも非常に雰囲気が良く、気持ちのいい作品であったことには違いないですね。


キャラ(20/20)

 上ではグダグダ言いましたが、やはりこの善意に裏付けられた世界観の素晴らしさは今更ですし、かつ今回は非常に全ルートでの整合性や雰囲気の統一感も高く、ヒロインも誰しもが素晴らしく可愛くて、満点でも足りないくらいに満足しましたね。おそらくキャラのみで言えば今期三指には入ってくると思います。

 一番好きなのはやはりいろはでしたね。
 兎に角純真無垢で気持ちの表現が真っ直ぐで清々しくて、ひたすらかわいいかわいいと目出度くなるのもむべなるかな、と全力で共感できる子だったです。子供と大人の端境期に見せる独特の色気とかのびやかさとか、そういう細かな機微も非常に丁寧に汲み取っていたし、その上でこの村における独自の出自とここまでの境遇が育んだ特殊な観念に綿密に裏打ちさせた思想、そこからの脱却のプロセスなんかも本当にいろはらしい前向きさと誠実さに満ちていて最高でした。
 恋愛を意識してからもいろはらしさは失われずに、恥じらいはありつつもそれ以上に求められたい、してあげたいと全力でイチャラブに取り組む在り方はいかにも、だったし、そうであればこそもっともっと、と、とこまでもこの子との時間を過ごしていたい誘惑に駆られますね〜。
 殿堂入りさせてもいい、ってくらい好きな子ではあるのですが、僅かに引っかかるのはやはりシナリオ構造の中で、二人のその後の様々な困難に際して、いろは自身がどこまで実際的に影響を及ぼせるのか、って思ったときに、精神的支柱としてはともかく、ってのはあるかなぁ。主人公の決断を誘うにしても実際的な意味では役に立ってないわけだし(笑)、だからろいは、と言えばそうなんだけど、もう一歩何か欲しい気もしたのは確かです。贅沢な話ですけどね。

 次いでは迷ったけどアリカのほうかなぁ。この子は本当にプレイしてどんどん株が上がっていった感じ。どのルートでも誠実さに煌めいているし、いい意味で純朴すぎるからか、過去のあれこれに一切否定的な想いを抱かずにいてくれる、というのは色んな意味で輝かしいものがあったと思います。
 ヒロインとしても本当にオンリーワン的な、この条件下ならではの特別さをしっかり打ち出していたし、それを表層でなく本質的な可愛さにしっかり繋げてくる緻密さも流石で、この子とのえっちぃシーンは本当に楽しかったし心に染みたなあと。

 ユノも当然めっちゃ好き。アリカに比べると総体的に見た時に活躍の場面が前半に偏ってるきらいはあるけれど、それでも彼女がいればこそ、って部分は特に序盤でかなりあったし、ユノめぇ〜〜〜っ!って半笑いでその奔放さを楽しみつつ、その影に潜む誠実さや真っ直ぐさ、好きな相手に対する献身性が煌めいていて、すごく魅力的でしたね。
 その上に恋愛模様においてはめっちゃ小悪魔的な可愛さを演出してくるし、ちっちゃいのに精神的には誰よりも成熟してる、ってあり方はぞくっとさせられました。総じてこの子のフワフワ感ホント好き。

 寿もこれだけの面々の中でだとラストにはなってしまうけど、それでも普通のもえげー水準のキャラだったらトップ取れるくらいには好きなんですよねぇ。まあ無論圧倒的なCV力も加味してではありますけれど、誰よりも冷静そうに見えつつ、本質的にはかなり感情豊かで乙女チック、という部分のギャップは本当に可愛かったですし、自身の二面性をどこか疎んじていたのが、恋愛込みで認められて花開き、それありきでより魅力を上増ししていくあたりは最高だったなと。

 レッタや紅緒も可愛かったし、あと小萩の衣装はエロすぎやしませんかね(笑)。少なくとも自然分娩でまともな恋愛観持ってて、なのにその格好で平気なんかい!と全力で突っ込みたくなる。。。
 あといろはのばあちゃんはいいキャラだったなあ。アーバン篁も特に寿シナリオなんかでは存在感あったし、いい脇キャラでした。


CG(18/20)

 相変わらず可愛いけど目が大きい、でお馴染みではありますが(笑)、全体的にその特徴がマイルドになってるというか、クロシェットらしい絵柄に少し寄せてる感じはしましたかね。その分や塗りの印象度も含めてかなり美麗だったと思うし、これはこれで好きでした。
 ・・・というか、この人単独の原画作品ではじめてまともなシナリオだったように思う(笑)。そういう相乗効果的な印象も含めてまあこの点かなあと。

 立ち絵に関しては水準は軽くクリアしてるかなって思うし、見せ方が素晴らしいってのもあって本当に伸びやかで愛らしいヒロイン像が確立されていたと思います。
 ポーズはヒロインが3種類にサブが1種類、腕差分なんかはないんだけど、演出での動きがかなり多彩だから臨場感、立体感はすごくあったし、ポーズそのものにも個性がしっかり出ていて良かったと思います。
 お気に入りはいろは正面、左、右、アリカ正面、左、ユノ正面、左、やや右前屈み、寿正面、右、紅緒、レッタ、小萩あたりですね。

 服飾はいろはの帽子差分は別にすると、ヒロインで4〜5種類、サブで1〜3種類ですね。多彩ではないけれど舞台設定的にはこんなものだろうし、正直素朴な田舎娘にしちゃ華美過ぎるくらい(笑)衣装は可愛かったと思います。
 特にお気に入りはいろはの制服とパジャマかな。どちらも本当に涼しげで愛らしくて、いろはらしい元気さを損なわずに女の子らしい可愛さも引き出していて大好きですね。
 その他お気に入りはいろは水着、私服、ほまとい様、アリカ制服、私服、水着、ユノ制服、私服、未来服、寿制服、和服、紅緒制服、レッタ私服、小萩未来スーツあたりですね。

 表情差分はキャラモードで見る限り、頬差分でほぼ半分と見做せるとはいえかなり多彩で、遊びも多いし細やかな機微も丁寧に掬い取っている感じで、ここはまあ流石の出来の一言ですかね。本当に可愛かったです。
 特にお気に入りはいろはの目逸らし思案とジト目ですかね。基本笑顔がデフォのいろはなので、たまに見せる思慮深い感じとか、ジト目で膨れてる感じとか鬼のように可愛かったと思います。
 その他お気に入りは、いろは笑顔、焦り、微笑、半泣き、拗ね、照れ焦り、照れ笑顔、ギャグジト目、アリカ笑顔、思案、真面目、照れ笑い、照れ困り、焦り、苛立ち、ジト目、ユノニヤリ、笑顔、ジト目、困り笑い、照れ拗ね、照れ怒り、ご機嫌、半泣き照れ、寿澄まし、照れ焦り、微笑、苦笑、大慌て、拗ね睨み、上目遣い、悄然、悲しみ、紅緒笑顔、焦り、レッタ笑顔、思案気、照れ、小萩焦り、真剣あたりですね。


 1枚絵はアイキャッチ系込みで85枚、SDなどはないので、枚数的にはギリ水準か気持ち欲しいな、くらいの感じ。ただいつもながら塗りの素敵さや差分の多さは特筆できるし、ちゃんと毎回シーンごとに下着が違うとかそういう丁寧さ踏まえれば充分かなとも。
 出来そのものはキャラによってややムラはあるかな、とも思うけど、元々好きな絵柄でもあるし概ね可愛かったと思います。基本的にアリカの出来がすごく良かった気がする。
 
 特にお気に入りは2枚。
 1枚目はアリカと雨宿り、アリカの弱さが色々な意味でしっかり投影されている1枚だったし、その雰囲気がすごくツボでしたね。
 2枚目はいろはとの出会い、やはり一番この作品でキャッチーな絵だと思うし、この透明感と純朴さ、神秘性のコラボ感の中でのいろはの可愛らしさは最高だなと。

 その他お気に入りはページ順に、アリカ重力操作、水辺で、添い寝、伝承になぞらえて、子供と、フェラ、愛撫、対面座位、立ちバック、パイズリ、背面座位、69、正常位、騎乗位、ユノアイス、水着、抱きつき、対面座位、いってきます、秘境探索、騎乗位、水着愛撫、屈曲位、立ちバック、背面座位、いろはしーしー、抱きつき、縁側、今度こそ、膝枕、走りゆく未来、バック、フェラ、手コキ、69、騎乗位、対面座位、正常位、寿押し倒し、お弁当、執筆、和装で居住まい、腕組み、パイズリ、屈曲位、背面座位、バック、紅緒騎乗位、レッタとの朝、バックあたりですね。


BGM(18/20)

 全体的に軽やかで明るく牧歌的なイメージですが、今回は結構神秘的な決め打ち曲が多くて、その出来がかなり良かったのでそこでかなり惹かれてますね。逆にボーカルは歴代に比べると今一歩だったかなあ。

 ボーカル曲は3曲。
 OPの『君とつくるもうひとつの未来』は、爽やかで透明でいかにもって雰囲気の中に、徐々にリズミカルに盛り上がりを付与していく感じで綺麗にまとまった曲ですかね。ただやはりそこまでサビでガツンとこなかったし、すごく好きねというほどではないかな。
 EDの『Innosent Summer』もタイトルのイメージ通りに澄みやかで真っ直ぐで、Bメロの入りのメロディが柔らかくて好きだけど、総合的にはまあそこそこ、かなあと。
 EDの『夏空』は見上げた空の広がりと、通りのいい呼吸のイメージで、少しだけしんみりした雰囲気の中にそれでもという歓びが滲んでいる曲ですかね。この作品のボーカル曲の中ではこれが一番好き。

 BGMは全部で28曲と量は水準、全体的に凄く耳触りのいい曲が多いし、感動・哀愁のシーンでの決め打ち曲がかなり素敵だったので高評価。
 特にお気に入りは2曲。
 『涙ばかりじゃない』は情緒を引き立てるバイオリンの旋律と、滴る哀しみをイメージさせるピアノの旋律の噛み合い方が素晴らしく、非常に情感を揺さぶられる神曲だったなと。
 『神様、今も、ここに』は悠久の歴史の中で連綿と紡がれてきた大切な何かを受け止め、噛み締めるような空気感、柔らかさと僅かな寂しさ、その雰囲気が非常に秀逸に紡がれていてとても好きです。

 その他お気に入りは『予感のリズム』『彼女の清々しい佇まい』『一緒にはずむ足取りで』『水面をはじいて駆けていく』『胸が自然と高鳴るように』『ほたるがたり』『静謐な覚悟』『お願いだからそんな顔しないで』『それはとけあうたいおんの』『きっと未来まで届くよ』『よろこびの音色』『ずっとふたりで、ね』あたりですね。


システム(10/10)

 演出は非常に多彩で素晴らしいですね。
 立ち絵は本当に細やかに動くし、表情もコロコロ変わる、感情アイコンも多彩だし、また立ち絵の角度や建造物との並びで躍動感を出してくる演出もかなり効果的に取り入れ、光源もSEもしっかり仕上がっていて、およそ基礎的な立ち絵モーションで出来る演出はほぼ完璧に網羅し、十全に使いこめているのではないかと。
 CGでもコロコロと表情が変わったりするのはいつも通りとはいえ頑張ってるなあと思うし、総じて雰囲気づくりの面では素晴らしくコミカルで楽しい、シナリオの世界観ともしっかりマッチしたものを作り上げてくれたのではないかと思います。本当にプレイしてて、キャラが動くの見て楽しかったですし、その分だけ台詞も最後まで聴いちゃうしね。。。
 OPムービーも曲の雰囲気に合わせつつ、あまりゴテゴテさせずに空気感を前面に押し出すような、シンプルな中にもセンスの感じられるつくりでかなり好き。なんかSMEEっぽいムービーだなあと思ったけど、作風にもマッチしてるしかなりお気に入りです。

 システム的にも基本・応用込みでかなり色々揃っているし、ジャンプ系も以前より細かく整備されていて便利だし、今の時点で特異なことをしない範疇でではほぼ最適解に近しい仕上がりではないかなと思います。


総合(89/100)

 総プレイ時間22時間くらい。共通6時間、個別が3,5〜4,5時間、おまけシナリオはそれぞれ20分くらいかな。まあ他の作品に比べてじっくり立ち絵演出眺めながら最後まで音声聴いてる分の膨らみもあるんだけど、クロシェットにしてはスマートにまとまっていつつ、必要素はしっかり重点的に塗していて、バランスはいい出来じゃないかなと思います。

 女の子が可愛い、というだけでなく、世界観の雰囲気的にもやはり癒しの要素はかなり強い作品だと思うし、極端な山谷とかダイナミズムとかそういうのは薄目ではあるけれど、本当に丁寧に情緒を揺さぶってくる構成にはなっていて、あまり人を選ばずに楽しめる作品には仕上がっているかなと。
 あくまで個人的に、あれこれ考え過ぎてかえって、ってところはあったんですけれど、正直あんなところまで気にする人の方が少数派な気はするし(笑)、むしろ気にしない方が楽しめるとは思うのです。。。ともあれ、期待以上にキャラが可愛く、プレイしていて幸せな作品でした。
posted by クローバー at 07:02| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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