2015年12月10日

果つることなき未来ヨリ

 グリザイアスタッフの作品ですし、世界観も壮大で、体験版も簡素ながら面白くなりそうな雰囲気は感じられたので購入。


シナリオ(22/30)

 理不尽に立ち向かう意志。

 
 主人公は敗戦間近の大日本帝国の海軍軍人で零戦乗り。
 数多の戦闘、不条理な現実によって南海に沈んでいった同胞たち、とりわけ一番の親友の死への報いと、ただ一人生き残ってしまったその妹が安心して生きる世界を紡ぐ礎となる為に特攻に志願し、銃弾の雨を掻い潜り敵艦に体当たりしたところで意識が途切れます。

 気付いた時、主人公は灼熱の砂漠の中に一人、零戦と共にありました。
 なぜそうなってしまったのか、自分は一体どこに来たのか、全くわからないままに、それでも国に戻って命を捧げねばならない一心で歩き続け、飢え死にに至る寸前で、ユキカゼと名乗る、竜に変身する少女に出会います。
 彼女に命を救われ、噛み合わない会話を繰り返す内に、ここが主人公の世界とは別次元の世界であること、そしてここでは人間とは別に、主に竜族、犬族、猫族、人魚族、ゾンビなど多種多様な亜人種が共存していた世界であること、そして今、その共存を一方的に人間族であるヴィスラ国が蹂躙しようとしており、それを対抗する為に、竜族の姫だったユキカゼは国を飛び出し、種族の壁を超えた反抗勢力・バラウールを生み出すために奔走していることを知ります。

 この世界の伝承において、およそ600年ほど前に主人公のような異世界漂流者がやってきて、そのもたらした技術によって大戦争が引き起こされたというものがあり、そして今回の戦争でもヴィスラはその過去の遺産、いわゆるマジーの遺産と呼ばれるものを駆使しており、けれど亜人種の側にもそれぞれの種族毎に怨恨が積み重なっており、それを解消しない限り太刀打ちできないとユキカゼは考えていました。
 そして主人公は、命を助けられた恩を返す為と、そしてかつての漂流者がその大戦争の後元の世界に召還されたという話を、自身が元の世界に戻る微かな縁として捉え、そのレジスタンス活動に協力する代わりに、各部族に眠る伝承を集める手伝いを彼らに要請し、受け容れられます。

 果たして主人公は、各地でそれぞれの種族が抱えている火種や確執、そして実際に起こり始めた紛争を掻い潜り、各部族の大同を成し遂げ、この戦争に勝利をもたらし、願い通りに元の世界に戻ることが出来るのか?
 これは、元の世界で死に場所を求めていた主人公が、改めて戦争の惨禍のプロセスを辿り、様々な想いに触れる中で、戦争の理不尽に立ち向かう意味と意義、そしてその中で幾度も心を折られながらも雄々しく健気に立ち上がる人の強さを改めて知っていく物語です。

 あらすじはこんな感じですね。
 基本的にいくつかの有力部族を回り、それぞれの問題と蟠りを解決して仲間に引き入れるまでが長い共通で、そこからも本質的には一本道の中で、どの部族のヒロインに寄り添うかで戦争への関わり方と、それぞれの生きるべき場所での戦いの真相、その意義を噛み締めていく流れになります。

 テキストはいかにも戦争ものというべきか、角張って雄々しく、硝煙の香りが読み口から漂ってくるような殺伐さも湛えながら、それでも日々必死に生きる民衆の中に芽生えるささやかな笑い、救い、そして哀しみをも掬い取り、それをバランスよく配置して重厚な世界観をしっかり紡げているかなと思います。
 正確にはわからないですが、概ね各部族ルート毎にライターが振り当てられている感じで、それ故にどうしてもその奥行きや重み、空気感の凄味に差は出てしまっていますが、極端な齟齬はないし、主人公の気質はとことんまで一貫しているから、その点ではそこまで不満はないですかね。充分面白かったです。

 ルート構成は特殊で、一周目はユキカゼルート限定となっており、あくまでもこの戦争の根源的な闘争の経緯を追いかけていく格好になります。そしてこのルートのみ、ラストに帰還か永久移住かの選択肢が出てきて、一応公式的にもこれだけ別扱いというか、色んな角度から見てもここが正史ですよ、的な見せ方にはなっているかと。
 その後二周目以降は、本格的な戦争の勃発の前にルート分岐が発生し、アイラ、メルティナ、リアの三人のルートに進むことができます。その場合も戦争の経緯自体は変わりませんが、三人の携わる部族にはそれぞれの矜持と役割があり、本筋の戦争は人間族vs竜族で行われる中でその支援を行う、その経緯を詳らかにしつつヒロインとの関係性、またその部族にまつわる、共通から派生した謎に迫っていくような形になっています。

 シナリオとしては、まあ面白い、は面白いんですが、何か色々と勿体無かったり、残念だったり感じる部分が結構多かったなあ、というのが正直なところですかね。
 上で触れたように、まず構成としての自由度がかなり低く、基本一本道の物語の上に、特にユキカゼ以外のヒロインルートは齟齬が出ないように話を添付していくような色合いでもあり、その匙加減にルートによっては少し失敗してないかなぁ?と思う部分もありました。
 かつなにより、正史であるユキカゼルートの出来が、まあいいところもいっぱいあるんですけど、色々とお粗末に感じる部分もかなり多くて、私が細かいことに拘り過ぎるダメ人間なのを差し置いても、全体構成含めてもう少しなんとかならんかったかと思ってしまうんですよね。

 そしていい意味でも悪い意味でも、共通部分からルルカリオン編だけ異色で、正直読み口としても物語の構成としても圧倒的に面白くて、純粋にこれがなければもっと点数は下げてた、とは思うんですが、逆に世界観の統一、という意味合いではどうしてもこのルートは、かなり好き勝手やらかして台無し、とは言わないけど、本筋を食っちゃってる感は否めないんですよね〜。
 無論大筋とのすり合わせという意味でも、他ルートとの整合性という意味でも、実はこのルートの方がメルティナやリアよりは、ギリギリのところで踏みとどまってる優秀なつくりでもあったりするところが、逆に余計に解離性を感じさせたりしちゃって、まあそれはメルティナとリアルートの出来の方に問題があるわけなんですけども。。。
 なので個別評価としては、アイラ>>ユキカゼ>>メルティナ>リアくらいのイメージですね。

 ざっと下から拾っていくと、リアは正直種族的にもオミソな感じはあるし、あくまでも根本的な戦争の外側にずっと立たせられていて、それでも知ってしまった思慕と、自分の命の使いどころを思ってその渦中に踏み込んでいく、その辺の機微にしてももう少し書き込んで欲しかったし、単純にルートに華やかさが足りないよねと(笑)。
 その上でラストがああいう決着、というのは、正直一本道で建前上どのルートを通っても同じことが起きますよ〜、的なスタンスの上ではあまりにもの悲しいものがありますし、正直禁じ手、というイメージすらありますかねぇ。その割にどうしても積み立てが足りないから心に響いてこないし、またここも上の建前を順守するとしたら阻害要因になる展開が多くて、色んな意味で一番好ましくなかった話ですかね。

 メルティナルートは、種族の特色と、そこから更に一歩踏み込んだメルティナ独自の感性が少しずつ主人公にも浸透していく流れの中で、二人が寄り添ったゆえの成長や展開、というのを結構大胆に行使していて、その分話の膨らみや盛り上がり自体は結構ちゃんとしてる、とは思うんですよね。
 終盤の展開にしても、ええっ、そこでのこのこついていくんかい!?みたいな感じに、色々と甘いところは多いんだけどそれなりには白熱するし、その中で懸命に培ってきたものが開花して、守りたいという意志がしっかり世界に根付いていく過程は良かったし、そういう変化があればこそ主人公もまた、という部分には説得性があったと思います。

 ただやっぱり色々自由にやり過ぎたというか、最終的な目的が他ルートでも変化を許さない中で、じゃあここで主人公がいなくてもメルティナは同じように力を行使出来たの?と問われたときに、正直このルートが一番その可能性を感じさせないのが一番の問題ですね。リアルートもその意味ではいい勝負で、だからこそこの2ルートはあまり評価できないんですけれど。
 特にラストの、戦争に勝つために必須の遺産の封印解除にまつわる展開なんかは、完全にメルティナの能力覚醒を前提に構成しちゃってるものだから、この物語単品としては盛り上がっても、総体的に見た時、それこそ主人公が複数いなきゃ他ルートでは無理じゃね?となっちゃうよねと。
 オカマ軍人との対立にしても、アイラルートのダモンと違って、そこまでの経緯で直接的な因縁なんてものはない以上、そこに主人公がいたからそういう展開になった、という見方を持ち込むのはかなり恣意的になっちゃうし、概ね共通の展開からネーレイス関連のシナリオは色んな意味で甘さが一番目立ったかなと思います。

 ユキカゼルートは流石に本筋の戦争を一番濃密に追いかけているだけあり、その方面での面白さは群を抜いていたかなとは思います。特に最初は兵隊として規律がなく、ポンコツだった384飛竜隊の面々が、主人公の渾身の教えを受けて成長し、やがてそれを自分の部下たちにも波及させて、組織として一元化し強大な敵に立ち向かっていく構図なんかは痺れますし、そこから生まれる固有のエピソードもいい味出してるなあと。
 それに当然一周目だけに先の展開が読めない中で、イルクージカの顛末なんかはかなり衝撃的に書けていたし、その挫折と、不条理にこちらに向かってくる敵意の嵐の中での選択、そこからの不屈の在り方なんかはやはりインパクトが強かったと思います。

 ただやはり、これが本筋だ、とした上で不満が出てしまうのは、結局のところおおよその所で戦争の形が人間族vs竜族に特化しちゃっていて、びっくりするくらい他ルートのヒロインが全く顔を出さないし、最終的に陰ながら役に立っているとはいえ、その決断に至った経緯に関しても完全に各ルートに丸投げというか、結果だけ享受して後は知らん、的なつくりになっちゃってるのが寂しいよなぁとは思いますね。
 かつそういう横の連携や種族を超えた絆、という部分の盛り上がりをオミットした上で、このルートに取り込んだ人情譚的な要素である、ユキカゼとセツナの確執、対立の構図、その土台の部分の物語性があまりにもお粗末というか、無理矢理というかで、本当にそれ必要なの?と思わざるを得ないくらい場違いなんですよね。。。

 しかもその関係性の中で物語を盛り上げる為か、お約束的な一時的敗北からの立ち上がりなんて要素まで組みこんじゃってるのが、しかし他ルートだと主人公抜きであっさり退けてるじゃん、みたいな虚しさを呼ぶし、そもそもからして徹底的な人種主義の敵のボスが、いくら利用価値があるとはいえ、セツナをどうしてあそこまで重用するのか?って部分でも納得いかない部分はあるしで、正直このセツナ絡みのあれこれがこのルートの癌だった気はするのです。
 そのせいもあり、最終決戦の諸々なんかも全体的に迫力に欠けている感もありで、どうしても手放しで褒められない話という位置づけになっちゃいましたね。

 アイラルートは物語としては二枚くらい、全体の構成力とその整合性という意味でも他ルートよりは一段上のつくりになっていて、ある意味ではこの物語の救いでありつつ、見せる順番がああいう風に固定されちゃってる分も含めて、印象度で本筋を食っちゃってるよなぁ、って所感はどうしても出てきちゃいますね。
 共通の段階から、話としてはかなり特異で、寓話性が強く神秘的で、それでいながら要所で生き物がましい生々しさ、理不尽に至る経緯のどうしようもなさと、それを飲み込みきれずに前に進めず足掻く生者達の煩悶、生き損ないの在りようを情感たっぷりに綴っていて、胸に迫るという意味ではやはり圧巻のものがありました。
 一方でかなり過去の伝承に基づく不可思議展開や設定も恣意的に持ち込んでいて、全体像で見た時にその部分が他より突出していて、ただそのファンタジーがもたらすマイナス要素を捻じ伏せるくらいに、各々の生き様や覚悟の示し方で帳消しにしているのも事実なのでなんとも、ってところ。最終的には好き嫌いの分野になってきそうなつくり、読み口ではあります。

 個別に入ってもまだその共通での痛恨、悔恨を主要なキャラ達は引きずりつつ、それでも託された想いを胸に、自分達が拠って立つためのなにかを紡ぐために、自分達なりの戦いを企図し、その在り方が竜族の戦いの意図ともシンクロしていく、という構図は、きちんと制御されてるなあとは思う次第。
 個人的にはアイラ以上にリースの成長物語的な色合いが濃いなあと思うし、リース大好きだから活躍が多くて超嬉しかったです。ただ、必ずメインルートの後に読まれる、という構成を逆手に取っての、あの危機感の煽り方はやってくれる・・・っ!って感じでしたけど。話の枠組み的に流石にそれはない、と理性的には信じられても、やはり感情的に一抹の不安が拭えなくって、久しぶりに読み進めるのが怖い、という感覚を味わいましたよ(笑)。

 穿ってみると、他ルートではその展開に忠実に、そこにルートの転機となる哀しみの核を植え込んでいるけれど、敢えてそれに距離を置く書き方をする為にああいう構成にしたのかな、とも思えますね。それは神との対峙の場面をそのまま流用せずに、独自の見せ方で、その語り合いを前提としての彼ら種族なりの覚悟を色濃く見せる大切な要素にもなってますし、そのあたりのバランスの取り方は実に秀逸。
 その上、他ルートでは少しばかり、もしここに主人公がいなければ、という前提で考えた時に矩を超えた展開を組み込んじゃってると思うのですけど、このルートはそこもギリギリの荒業で乗り切ってるかなあとは思うんですよね。

 少なくとも彼らと行動を共にしなければ、あの場所で奴には出会わなかったこと、そして奴とはそれまでの経緯で深い因縁が出来ていて、その後の戦争の美学を踏み躙るような蹂躙を経て、その大義を見失っている中で、言葉と想いの通じる闘争が叶う相手、として見込まれ、その為に本来なら引き出されなかったはずの切り札まで投下される、という、内的要因が呼び込んだ構図がこのルートの終盤にはあって。
 もしそれがなければ、投入されていたのはごく一般の兵だけであり、それならばアイラの禁断の力の解放や、リースが受け継いだ力の覚醒という展開を経ずとも、彼らの団結力と力だけで充分に退ける事が出来る、という免罪符はしっかり担保した上で、あくまで主人公がここにいればこそ、ここまでの激戦になり、その結果としての展開と結末がもたらされた、と見做せるところも、このルートの凄味のひとつだと思いますね。

 まあ本来全体構造を考えれば全ルートそうであるべきであり、でもリアとメルティナはそれが不十分だ、というのが私の解釈で、強いて言えば全体構造としても逆の方が良かったんじゃないかなとは思います。
 アイラルートのような、もし主人公がいなくても同様の結果を引き出せる、という納得を土台に引いたうえで個々のルートを展開し、かつそのぞれぞれの想いをより密接に糾合した上でユキカゼルートにぶつけたほうが、最終的な盛り上がりとしても、全体の説得性としても良かったとは思うんですよね。
 その場合中間のイルクージカ関連での衝撃が分散してしまうなどのデメリットもありますけど、結局物語である以上ラストが一番盛り上がればそれが評価にも直結する、という側面はありますし、この構造だと最後の選択肢の有無も含め、他三人のヒロインルートはあくまでおまけですよ、一番盛り上がって欲しいのはユキカゼルートのラストですからね〜、的なメッセージは顕著で、だのに実際の盛り上がり度合いではアイラルートに遜色があるというあたりで、まあホント勿体無いつくりだったんじゃないかなと。

 以上、結局物語としての盛り上げるべきところでのバランスが良くなかったなあ、ってのが正直あるし、どうしてもこういう構造だと個別ルート、という概念は弱くなっちゃってヒロインに対する愛着も醸成しにくいし、というところで、その中で本来脇の一部のはずのアイラ関連の諸々が、絶対的に印象度で強く作品を染めてしまっているのも評価を難しくするところかなあと思います。
 まあアイラルート抜きでも水準よりは上の面白さはあったと思いますし、アイラルートは本当に面白いんだけど、その組み合わせ方が下手だったので全体の点数としては相乗効果をもたらさず、むしろ足を引っ張っちゃったかなぁ?というイメージですね。

 最後に、しかしインアルのキャラデザとCV、あからさまに狙ってるとしか思えないよね(笑)。まああの人がそうだ、と言われると納得できちゃうのが笑えるところですけど。。。


キャラ(19/20)

 物語としての重厚感はあるのだけど、どうもこの作品はキャラそのものに対する食い込みが多少足りてないかなぁ、と思う部分はあって、どうしたって恋愛メインの作品じゃない、ってのもあるけれど、基本的にヒロインが突出してヒロインしてる感覚がないんですよねぇ。。。
 むしろ脇キャラの方が目立ってる場面が多かったりするし、それぞれの生き様や信念をしっかり書いているところは悪くないんですけど、やはりトータルで見た時にキャラに対する愛着がかなりぼやけているなあ、ってのがマイナスした要因ですね。

 なんせ断然一番好きなのがリースなんだもんなぁ(笑)。
 いやもうキャラデザ的にも性格的にもドンピシャで好み、ってのはどうしたってあるし、その上でシナリオ上でも非常に重要な立ち位置で、ヒロイン以上に彼女の煩悶と成長は目立っていたなあって思うのですよ。ホントにモフモフしたいし、ルルカリオン的な観念ならハーレムいけそうじゃね?追加パッチマダー?と言いたくなるくらいには可愛かったです。

 次いで、ヒロイン勢での一番手もやはりアイラになっちゃうなあと。数少ないヒロイン的なイベントの中でも一番情味の演出が良かったと思うし、そうなる経緯の重さにしてもやはり他ヒロインより説得性は強いんじゃないかなとは思うんですよね。
 その上でああいう気質でありながらも結構初心だったりするし、色々と煩悶を抱える中で悲しみの数だけ優しさを纏っていくような雰囲気はかなり好みでしたね。

 その次がカーマイン、になっちゃうんだよなぁやっぱり。
 まあわかりやすくツンツンしてるというか、色々なものを背負って意地を張らなきゃいけない中で、それでも少しずつ命を預ける相手としての信頼や、そこから派生する覚悟、信念の色がくっきりしてくるのがいい感じで、384の面々は誰しもそんな空気はあるけれど、特にこの子が好きだなあと思いました。

 ユキカゼも嫌いじゃないけど、共通からの流れの中で、彼女なりに主人公に拘泥する確固たる理由づけもないままにいきなり意識レベルが変化してるところがあれ?っだったし、その気質そのものは立派だと思うけどその分トラブルも多いし、なんか最後まで惹かれないヒロインだったんですよねぇ。
 メルティナはまあ普通に可愛いんだけど、普通に可愛いからこそ本来はもっとイチャラブがいるのにこういう話だから目立たない、ってジレンマがね。リアは正直好き嫌いを語る地平にすら立ってないくらいの印象の薄さではある。

 ファルはすっごい好きだったけどああいうオチだったし、ガレーネあたりも出番少ないからなぁ・・・。

 男キャラだと犬族の三馬鹿とか、アラインゾンタコンビとかは結構好きですね。
 そして当然主人公はかっこいいですけど、まあそもそもの思想性がかなり偏狭ではあるから、その中で世界観がこうだからマッチした部分は当然大きいですね。
 あとダモンなんかも、生き様には筋が通っていて、アイラルートの最期なんかは中々響きましたね。


CG(18/20)

 グリザイア同様の二人原画で、それぞれに特色は出しつつも世界観の中での相似性はそれなりに維持して、その辺はやはりしっかりしているなと。質量ともに水準以上にあるし、戦争ものとしての比重を含めてもかなり力は入っていると思います。

 立ち絵に関してはただ、どうしてもキャラゲーではないので少しばかり貧弱にはなってしまっていますね。
 ポーズに関してはヒロインで2種、サブで1種類、腕差分なんかでフォローはしてるけどやはり多いとは言えないし、それ自体でキャッチーさを出すというよりは、むしろキャラ性を抑制した部分は色濃い気がします。
 お気に入りはリースの頭抱え、アイラやや横、正面、メルティナ正面、カーマイン、フラン、プロート、ファル、ガレーネあたり。

 服飾もまあ種族的特徴をシンボリックに示すという意味合いが強いし、コロコロ変えられないのもわかるけれど、ですね。ユキカゼだけ4種類くらいあったけど、後は小物的な部分でチョイ変わるくらいで基本1種類、ってのはやはり寂しいは寂しい。
 お気に入りはリース、アイラ、リア、メルティナ、ユキカゼ寝間着、ファル、プロートくらいかな。

 表情差分もやはりそこまで多くはなく、印象度も総じて低めではありますね。
 お気に入りはリース笑顔、慌て、真面目、怒り、哀しみ、アイラジト目、半笑い、笑顔、メルティナ笑顔、睨み、拗ね、ユキカゼ怒り、照れ困り、リアきょとん、笑い、カーマイン怒り、不安げ、ファル笑顔、驚き、ガレーネ睨みあたりかな。


 1枚絵は通常100枚にSD15枚、戦闘関連で36枚と、合計すればかなりの量ですし、質も雰囲気の統一感などはしっかりしていて悪くないと思いますね。
 特にお気に入りは、客を迎えるアイラとリース、かな。あのシーンに籠められた情味は本当に複雑でありつつ、それを完璧に受け止めながら、哀しみを孕みつつも進んだ未来の形をしっかり見せてくれていて印象深いです。
 その他お気に入りはページ順に、ユキカゼ登場、殴り込み、水辺、背中合わせ、飛竜の度肝を抜け、鍛錬、キス、バカンス、空を仰ぐ、膝を抱えて、温泉、キュリオ騎乗位、お風呂、食事、暴走、迎え、キス、語らい、光る穂の間で、抱きしめ、愛撫、正常位、フェラ、バック、死の意味、メルティナ爆破、人工呼吸、聖唱、泳ぎ、哀しみの湖、キス、正常位、囚われ、抱きしめ、母子、フェラ、騎乗位、リアお風呂、花壇、ウェイトレス、蹌踉、決意、フェラあたりですね。SDと戦闘関連は細かいので割愛、基本的にいい出来ですよ。


BGM(18/20)

 量的に非常に豪華で、世界の殺伐と不可思議などを全部ドッチャリ盛り込んだ迫力あるサウンドになっているかと思います。

 ボーカル曲は6曲。基本的にどれも悪くない出来ですけど、個人的に突き抜けて、ってのはなかったのでとりあえず好きなのだけ拾って。
 OPの『果てなき未来』は大空を滑空して世界を切り拓いていくような雰囲気と、世界の歴史を感じさせる悠久感が程よくマッチし、作品のイメージとも合致して中々いい曲ですけど、曲としてはテクニカルになり過ぎてスッと耳に残ってくれない感じもあり、ですかね。
 EDでは『アイオライト』はのびやかな響きの中に切なさと強さが滾々と籠っていていい感じですし、『世界が愛に溢れたら』はある意味この世界観とは少しずれた、ネーレイスならではの前向きさと幸福の在り処を切々と伝えてくるような雰囲気が好きですね。

 BGMは全部で51曲、インスト入れると57曲と素晴らしく豪華。
 質も全体的に高く、ただどうしても使用頻度でばらけてしまったりはするし、ここ一番、ってイメージでの相乗効果的な迫力がもう少し欲しかったし、特に、レベルで好きなのが出てこなかったので、点数的にここで落ち着いた感じ。
 お気に入りは『砂塵の荒野』『獣の咆哮』『BACK TO BACK』『バラウール』『ギヤマンの音色』『風なぐ郷里』『守りたいもの』『こぼれゆくカケラ』『月下の雲海』『未知への足跡』『共闘』『正念場』『際限なき猛攻』『愛ゆえに』『古き神々の遺産』『名も知らぬ一輪の花よ』あたりですね。


システム(8/10)

 演出はそこそこ、かなあ。
 戦闘シーンの描写はそれなりに迫力はあったとは思うけど、やっぱり大枠的な見せ方であって視覚的に臨場感を効果的に煽るほどではなかった気はするし、キャラ演出もそれなりではあれ強くはないから、全体的にもっさりしてる感じはあったんですよね。
 OPムービーも雰囲気はしっかり出ているし、全編アニメーションで力入ってるのは確かだけど、そこまで惹かれなかったかなあと。

 システム的にも最低限は担保されてるし、プレイしにくくはないし、はじめからで分岐選択までジャンプできるから不便ではないんですけどね。まあ物語性がメインの作品ではあるしこれは仕方ないかなとも。


総合(85/100)

 総プレイ時間27時間くらい。共通が全部で14時間くらい、個別は一部共通してる部分もあるのでそれはユキカゼに一括してカウントして、ユキカゼ6時間、アイラ3時間ちょい、リアとメルティナが2時間弱ってところですかね。
 流石に記念作品だけあり色々と力は入ってるし、総合力も高い、とは思うんですけど、個人的には色々とバランス調整や要所の見せ方なんかで勿体無いなあ、と感じる部分が多くて、ポイントポイントではグッとのめり込ませる力があるけれど、その配分がイマイチなので物語全体として尻上がりに乗っていけなかった感じです。
 あとやっぱりいい意味でも悪い意味でもルルカリオン関連が突き抜け過ぎていると。。。

 今回は敢えて感想から、イデオロギー的な部分はスルーしましたけど、改めて戦争の惨禍を振り返り、今の時代においてもその萌芽がある中でなにをすべきか、如何なる覚悟を備えておくべきか、という視座でも充分に楽しめる作品だとは思うし、特に原理主義的な存在が大量破壊兵器を持った時の世界の悲惨、という部分はかなり強くイメージさせたいところだったのかなとも。
 その辺含めて、決して前向きなだけの話ではないし、わざわざXレートでわけてるように、えちぃシーンは特に本筋に影響も与えずかなり簡素で、それ抜きにしてもヒロインゲーとしての期待を持つと肩透かしの部分も大きいですけど、決して悪くはない作品だったかな、とは思います。
posted by クローバー at 07:33| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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