2016年04月22日

あけいろ怪奇譚

 初見のイメージ的にはかなりヒロインに惹かれなくて躊躇ったんだけど、体験版やってみたらイメージも良くなり、なにより話が面白くて、なないろの続編的立ち位置でもあるし買っておこうと。


シナリオ(26/30)

 危機の中で試されるもの。

 主人公はある夜から、不思議な夢を見るようになります。
 夜の屋上で、黒セーラーを身につけた少女に呼ばれる夢。ただそれだけの、神秘的な、けど不気味な夢。

 それと同時期に、学園ではまことしやかに七不思議が語られ始めます。
 それは二か月ほど前に起こった、最上級生四人の連続飛び降り自殺に端を発するもので、学園全体が一種のホラーブームのような状況に陥り、図書委員の主人公は、クラスメイトで最近ちょっと仲がいい女の子の佳奈とともにホラーコーナーを作成することになって、その風潮に行き過ぎと危うさを感じつつ、仕事は仕事として粛々と進めていきます。
 そんな仕事で学園を出るのが遅くなったある日、佳奈が職員室に行っている間に、突如廊下の電気が消え、そして闇の中から件の夢の少女が浮かび上がってきて、一緒にいきましょう……とそのままその世界に引きずり込まれそうになります。

 それを止めてくれたのは、先日ちょっとした縁があった不思議な銀髪少女、ベルベット。
 彼女はふらふらと吸い寄せられる主人公の魂を現世に引き留め、そしてこう言います、「あなたは呪われている」と。そしてそれが契機となり、主人公は学園で起こっている怪奇に深く巻き込まれていくことになり、ベルベットの上司で霊能探偵をしている葉子の話で、主人公自身の霊媒体質、それによって普段から体調を崩しやすく、同居している姉代わりの美里に心配をかけ続けてきたことや、佳奈がそれを案じていた霊が見える少女であることなども発覚して。
 そして主人公を呪っている霊が、以前に四人の少女を立て続けに殺した強力な怨霊であることも知らされて。
 自らの命を座して投げ出すわけにはいかないし、その危機を見て見ぬふりは出来ないと、親友の中島も巻き込む形で七不思議の調査に乗り出した主人公達は、しかし最初の夜にその怨霊、朱子に遭遇してしまい、手も足も出ずにかろうじて葉子に助けられ、自分たちの無力を痛感するとともに、皮膚感覚で命の危機の重みを知ることになります。

 これではいずれ餌食になるだけだ、と思った主人公は、佳奈と葉子の間に霊の対処における思想の大きな隔たりがあることは承知で、少しでもその危機に対抗できる力を得るために葉子の門を叩き、鍛えてもらうことに。その上で、自らの胸に一々問う形で、その後の調査方針を決定していくことになります。
 これは、主人公が思っている以上に跋扈している様々な怪異に対面し、対処しながら、主人公はその危機感の中で自らのモラルを問い直され、精神性を変貌させながら前に進み、その気質に見合うヒロインとの距離を縮めながら、問題の根本的な解決を目指していく、成長と絆と慈悲の物語です。


 あらすじはこんな感じですかね。
 大枠としては、本丸である朱子の霊に対抗するために様々な方策を打ち出していく中で、主人公自身が霊に対する一種の力を備えるような展開があちこちに用意されており、それをどのくらい自分のものにしていくか、どういう風に用いていき、最終的な着地点をどうイメージするかの差異で、選択されるヒロインも、その話の流れも少しずつ変化していく、というつくりになっています。

 テキストはやはり非常に簡潔明快で歯切れよく、ノリは多少独特な部分はあるものの本当に読みやすくて楽しいなと感じます。
 雑談のテンポの良さと、シリアスな雰囲気の差異の重さのバランスが精妙に仕上がっていて、その分だけ読み手の印象としても、実際のテキスト量とは別個に、しっかり物語の比重がどこにあるのか、ってのを無意識的に感じされるようなつくりになっているし、設定的にもヒロインとの関わり方などテンプレ的なものはあまり踏襲せずに、それぞれのらしさをしっかり流れの中で丁寧に引き出している感じで、すごくキャラが生きている、生かしているテキストだなと思いますね。

 ルート構成はかなり難解ですね。
 後で詳しく書くと思うけど、ざっくり言ってしまえば、色んな事件に対処する上で直面する問題にどういう答えを出していくか、その蓄積による主人公の精神性の変容が、結果的に親和性の高いヒロインに寄り添っていく流れと合致していくという形です。
 その要素も単純ではなく、いくつかが複層的に絡み合っていて、だからかなりフラグ管理は難しいですね。ただフローチャートが用意されているので、どこからどう分岐するのか、その前提で何が必要なのかは推察しやすく、そこらはゲームとしてのやり応えもある、と見做せる要素ではないかと。
 そして全員をクリアした最後に、トゥルーへの鍵が解放され、それをクリアすればコンプリート、という構図です。

 シナリオとしては、なないろとはだいぶ毛色が違い、あちらはミステリーとしての要素に怪奇要素が付随している、という印象で、かつダイナミズムの粋を一転特化し爆発させているような構造だったのに対し、こちらは怪奇要素がメインでそこにミステリー要素も付随する、というイメージ。
 その謎解きにも極端な驚きはなく、緻密に丁寧に一つずつ真実を暴いていく中で、その真実の哀しみ、やるせなさに共感を呼び起こしつつ、けれどそこから前を向かなきゃいけない、という高潔な精神性をいかに引き出していくか、或いはそこまで辿り着けるのか、というのが肝となっていて、ダイナミズムではなないろには届かないものの、非常に洗練された緻密な構造であり、特に精神面の些細な事象での変容とその影響に関しては絶妙なつくりになっていて、私的にはこういう理屈できちんと読み解ける構造は大好物、といったところ。

 その上で物語としても、それぞれのヒロインの根源的な精神性に寄り添う中で、その思想に準じた解決の方策が見いだされていき、それが本当に正しかったのか反芻しつつも、二人でその重荷を背負い、愛を語らいながらともに前を向いて進んでいくという色合いはかなり強く出ていて、その蓄積が最後のトゥルーに至る内在性をしっかり担保してくれていて、すごく読後感のいい仕上がりになっていると思いますね。
 どちらかというと、個別ルートそのものというよりルート構成の妙に価値を見出すタイプの作品なので、感想としてもそちらに紙幅を割きたく、その分個別そのものへの言及ははサラッと、そちらの説明に付随する形で触れる程度に留めておきますが、一応の評価としては、トゥルー=ベルベット>佳奈>>るりるか>美里>葉子くらい。これは結構そのまま、構造がもたらす主人公の精神の質に直結する評価でもあり、その辺も含めて実に納得がしやすいというか、私としてはわかりやすい作品です。

 一応この先はネタバレ色がかなり強いので白抜きにしておきますね。

 で、その主人公の精神性を構築する部分を鑑みる上で、まず大前提となるのが、主人公が自分の命を狙われている、という自覚を持っていること。
 不用意なことをすれば、或いは甘んじて流れに身を任せれば死、という現実に直面し、回避できないと悟ったことで、それに対し自衛を図らなければならないという覚悟が定まるわけで、その危機感にある程度共感しつつ読み解かないと、一方的にその精神性のブレを裁くような嫌味な解釈になってしまいかねないので、その辺はきちんと考慮しつつ進めていきたいなと。

 そしてその中で、主人公の精神性を規定する大きな柱はふたつ。
 ひとつ目は霊に対するアプローチの方向性で、一方は佳奈=前作の主人公の家が継承しているお役目に通じる、出来る限り霊自身に納得して成仏させてあげたいという観念、もう一方はベルベット≦葉子が内包している、害をなす存在ならば力で容赦なく排除することも厭わないという理念で、そのどちらにより親和的な行動を取るか、これはかなり序盤の段階で、ベルベットと佳奈、どちらと行動を共にするかという部分である程度規定されていきます。

 もうひとつは、霊に関わる中で偶然に主人公が獲得していく可能性を秘めている、霊を操る力に対するアプローチで、これは更にふたつに分けて考える必要があります。
 葉子に対し、自衛の為の力が欲しいという意思は示したものの、具体的にそれを葉子が与えられるわけではなく、またその流れの中で葉子の力をまざまざと見せつけられる過程もあり、どうしてもそこには、いざとなれば守ってもらえるのでは、という甘えが生じかねない要因にもなっていて。

 その心理が、初手からの霊に対する対処の慎重さ、という部分で差異となって表れるのが、最初の花子さん問題への対処の選択で、そこでいざとなれば助けてもらえると軽々に突っ込むのか、それとも自分達に出来る限りの下準備を備えてから挑むべきと自制するのか。
 最初に触れたように、自分の命がかかっている以上、一刻でも早くそのプレッシャーから逃れたい、という心理はある中で、その恐怖を理性で抑え込んで、あくまでも自分の問題である以上は、自分の力で可能な限りは、という自覚、覚悟をより強く持てるかがここでは問われていて。

 その結果として現れるのが、花子さんの対処を最終的に葉子に委ねる形になってしまうのか、自分達で解決した上に、偶発的に花子さんを自身に取りつかせ、その力を行使できるという主人公ならではの力の存在を自覚する流れに繋がっていくのか、という点になります。
 そこにあるのは、あくまでも最低限の抑止力は持っていなければ、自身に出来る具体的な事のイメージが出来なければ、物理的にも精神的にもしっかり対処していくだけの土壌を得られないという冷徹な現実の一端であり、実際にこの部分で葉子に頼る形で解決してしまうと、その後も力を獲得できる可能性を秘めた場面でその選択がスルーされ、結果的に終盤で力が足りずにバッドエンド、ということになってしまうわけですね。

 その一点目の慎重さをクリアした上で露呈するのが、いざ力の在り処を知り、それを用いることによる万能感を得て、その上でどれだけ力に対する畏れを抱けるか、という観点になります。
 やはりここでも、それまでただの人であった主人公が、いきなり漫画の主人公みたいな特異な力を得て、それで自分の問題も解決できるかもしれないという希望を感得する中で、中々にブレーキの利きにくい部分ではあるのですが、何事も力による解決は反動と代償をもたらすものであり、そこに対する配慮を抱けずに力に溺れていくか、それとも自制できるかによって結果が大きく変容していくわけですね。

 具体的には、この作品で主人公が獲得できる霊能力は四つあり、それをいくつ獲得したかによって対象ヒロインが変化していき、またその結末も力政的な色合いが強くなっていく、という形です。
 佳奈とベルベットに関してはその点では同等の、上で触れた最低限の自衛力である一つ獲得になり、そして上で書いたシナリオ評価順にその数が増えていくわけですが、ここで面白いのは、それが膨らむだけ依存度が強いヒロインが選ばれていく、というところなんですね。
 神様であるるりるか、そしてずっと自分を守ってくれていた美里、絶対的な力を持つと思わせてくれる葉子、その誰に寄り添うかで段階的に主人公の自立心も薄くなり、依存心が強くなって、けれど結果的には依存が強くなればなるほど悲しい結末が見られる、なかんずく葉子シナリオの、力のみに頼り、過信した結果の大失態が顕著だなあと思います。

 ここで面白いのは、第一の観点である、霊の浄化に対するアプローチの差異の選択よりも後に、ひとつめの力の獲得の可能性を問う選択があることで、そこに垣間見えるのは純粋な理想主義、佳奈が初期に抱いている幻想的な解決法の否定であり、実際それは獲得0だとバッド、というところで証明されていて。
 その意味で最初の選択は、佳奈とベルベット、単純にどちらの考え方のほうが好ましいか、という意味合いも含んでいるとともに、とりわけベルベットシナリオに関しては、その頑なな意思を覆すためには多少ならずの強引さ、力政主義的な意思を持たないとどうにもならない、という特異性を秘めています。

 ベルベット自身はいざとなれば力を行使することをためらわない気質、ではあるものの、しかしその力そのものを肯定的に捉えていないという複雑な内在性に親和的に寄り添うためには、理想主義は最初に否定しつつ、けれど暴力主義にも与しない、望まない力を過度に抱かされた存在の悲哀をベルベットから読み取ることによる自制、という、多分一番難しい精神の構え方が必須になっていて。
 佳奈ルートにせよベルベットルートにせよ、頼ることと甘えることのギリギリの分水嶺である、前作主人公チームを餅は餅屋、として、霊の浄化の為に協力してもらい、その観念に親和していく過程が組み込まれていて(逆に葉子の力に依存するのは甘え、という解釈)。

 それは必定、にわか仕込みの力の濫用の危険性をきちんと理解し、自分で守るべき範囲を明確に定める、客観的な視座まで要求されているのだから余計に難解ではありますが、そこまででないとベルベットの絶望は、世捨ての精神は覆せないわけなんですよね。
 その意味で私は、精神的な親和のみですんなり寄り添える佳奈ルートよりは、その反転の切実さと、そこからの反動的な情念の発露が生々しくも愛おしいベルベットルートのほうをちょっと高く評価している、というわけです。そしてそこにある、土台は力政主義でこそあれ、自分の全てをかけて大切な相手を救う、という崇高な覚悟の在り方が、トゥルーで見せた精神性も状況次第では発掘されるべき概念なんだと規定してくれているわけですね。

 とにかくほんのちょっと差異がそこに至れるかどうかを規定するし、そのあたりの状況フラグ管理の精密さもこの作品の素晴らしいところではありますが、その中でもベルベットルートの構成は白眉だな、と感じています。
 当然佳奈ルートも面白いけど、少しマイナス点が大きいと思うのは、やはりどうしたってこっちはより前作、なないろリンカネーションとの関連性が強くなってしまう、というところと、後は結局、佳奈という一番に守るべき大切な存在が規定されてしまうことで、逆に純粋な形での朱子の霊に対する浄化のアプローチへの道を閉ざしてしまっている、という部分ですかね。まあこれはこれで十分面白いんですが。
 
 そしてトゥルーに関しては結果的に言えば、佳奈に親和して獲得した理想主義的な観念と、ベルベットルートで垣間見せた自分の全てを投げ出してでも相手を救うという犠牲的・献身的な精神性の合致によってなされている、と言えるでしょう。
 分岐自体も佳奈ルート派生で、佳奈と恋仲になる直前、というタイミングであり、ただその時点ではまだ決定的に、守るべきもの、という意識が成立し切ってないからこそ、朱子=望の意識に、想いに触れて、自分の全てを傾注しても救いたい、という高潔な信念を抱ける余地が存在しているわけですね。

 ここでロックを解くのが朱子というのも象徴的というか、霊の存在がどこまでご都合主義的なものか、ってのはあるにせよ、一連の事件の関係の中で、全ての可能性を俯瞰的に見つめ、本来不可逆的な部分を遡行できる、そういう不可思議な存在である、と定義するならば、朱子自身が主人公の全ての可能性を見つめた上で、自分達をその復讐の煉獄の檻から救い出してくれるかもしれない、という希望を見出した故、と捉えることができるかなと。
 実際にトゥルーではその期待に応える形で、本来の加害者側の悪性と、被害者である朱子と望の善性を対比的に上手く示しつつ、怒りに身を任せて復讐に身を投じてしまったことに対する苦悶、良心の呵責を解消させる、復讐の連鎖を断ち切ることで綺麗に成仏させることに成功していて、そこには復讐と報復の線引きの難しさ、現世の生々しさと生きにくさが如実に滲みつつ、それでも、という清々しい読後感が漂っています。

 死は誰にでも平等で、生は不平等だ、という独白めいた文章がエピローグにありますけど、実際物語の構図としては生の不条理を、人の儘ならなさを一貫して描いており、人が人を裁く怖さ、それを力に依って為そうとするなら尚更に、というイメージはしっかりと打ち出しつつ、そうでない生き方が不幸をもたらす以上、それに備えて無防備ではいられないという悲しみも内包しており、実に奥行きのあるテーマだなと。
 そうであればこそ、話し合うこと、想いを通じ合わせること、絆を育むことの素晴らしさ、大切さがより顕著になるし、そういう自分になるために、一つ一つの生き方の切所での前向きな選択の積み重ねが大切なんだと、それが答えそのものにはならないにしても、そうする以外に仕様がないんだと、その余韻をしっかり死者のラストのありようでも見せていて、本当に絶妙に理路が整っていつつも、そこにしっかり感情面での納得も組み込まれた名作だったなと思います。


 以上、土台となっている物語も面白く、それを受けての主人公達の対処、変化の有様も多種多様で、様々な人間性をしっかり浮き彫りにしているところにこの作品の意義、というか、ホラー作品らしい思想性、危機においてこそ人の本質が抉り出されるという部分でのインパクトがあったなと。
 今回は物語としては非常に堅実な積み重ねであり、瞬間最大的な驚きこそないものの、じわじわと心に染み入る哀切と、そこからの救いの美しさに感銘は大きく受けたし、すごく構造的に理屈で読み解きやすい、矛盾もなくルート管理も状況管理もしっかりしているというところで絶妙に私好みのつくりだったし、名作だというのに躊躇いなく、かつなないろよりこちらの方が好き、という意味を込めて七色より一点上につけた感じですね。


キャラ(20/20) 

 単純にヒロイン的な視座のみだと食い足りない構成ではありつつ、ただ物語を通じてのそれぞれの成長や生き様の意味、抱えているものを切々と浮き彫りにしていく部分で、キャラがすごく生きているという感は強いし、その辺加味してみると、単純な好き嫌いを含んでも減点するほどではないなと。

 一番好きなのはベルベットですね。終わってみれば文句なしに可愛かった。
 どうしてもその来し方故に後ろ向きな部分が強く出てしまうけれど、だからこそ自分を脇においても大切な相手は助けに走るような、時に行き過ぎてしまうところはあれ情誼に厚くクールだけど優しいところは素敵だし、そんな彼女だからこそ、積年の心の枷から解放されて、恥じらいながらも本来の自分を少しずつ曝け出してくれる様は素晴らしい破壊力だったなと。
 とりあえずゲスいこと言えば、えっちぃことしてる最中に我を忘れて、その後自己嫌悪でずずーん、ってなるパターンはこういうキャラでこそ生きるよなあとすっごい楽しかったです。。。

 次いでるりるかかな。
 まあ基本的には不思議ちゃんでありつつも、その信念の重みと来し方の哀しみは、神様と呼ばれるだけに明快であり、だからこそあんな風にごく自然に真っ直ぐ懐いてくれるのは可愛いし、少しでもそこに幸せを感じてもらえたら、というのは間違いないですね。

 そして佳奈は本当にゲスいな(誉めてます)!
 取り繕った清楚花蓮の仮面の裏は……ってほど極端でもないにせよ、色々と生々しく感情に真っ直ぐ忠実な部分は強くて、それにしてもノリノリである、と突っ込みたい部分が多々。それでもお役目の部分に対する誠実さは本物だと思うし、性格的に好きか?と言われると微妙だけど、それでもいい子だったとは思います。
 というか、あの性格が元々なのか、あの家に居候してどれだけ助長されたのかは気になるね。。。でもアイリスがいつまでたってもピュアっピュアな様相の中でだと、環境依存説は強くは言えないか(笑)。

 前作キャラ達もそれぞれに相変わらず可愛かったし、私のスタンス的に葉子美里あたりはどうしたって好きにはなれないしなあ、ってところで食い足りなさはないでもないけど、ってところですね。


CG(17/20)

 ここも上手いなー、とは思うんだけど、趣味に合うかというとこの肉感的な濃密さはやっぱり好きではない、ってとこで、私の評価としては量も踏まえてこのくらいに落ち着いちゃうとね。

 立ち絵に関しては水準にはちょっと足りないかなあ。
 ポーズは基本一種類で、腕差分はそこそこあるけど流石に物寂しい。
 お気に入りはベルベット、佳奈、るりるかくらいですねぇ。

 服飾は佳奈とベルベットが4種類、後は1〜2種類とこちらも必要最低限。デザイン的にも目を見張るところは特にないかな。
 お気に入りはベルベット制服、コート、パーカー、佳奈制服、体操着、るりるかあたり。あと地味に朱子の制服のインナーがどうなってるのか気になる。。。あれ上のセーラーと下のスカート脱いだら全身黒タイツっぽくなりそうじゃね?

 表情差分もやはり少な目で、まあその辺は作風的に仕方ない部分でもあるかなとは思うけど。
 お気に入りはベルベット照れ、睨み、思案、微笑、佳奈笑い、拗ね、怒り、照れ焦り、るりるか歓び、不満げ、くらいかやっぱり。

 1枚絵は全部で93枚、ベルベット髪型差分もあるけれどまあどの道水準は水準かな。
 出来もやはりとても安定感はあり、どれも作風にマッチした迫力、生々しさはしっかり出せていていい感じですけど、ピンとくる素晴らしいのはなかったのと、どうしても好みそのものからは外れるのでね、と。
 お気に入りは朱子、登校、怨霊、るりるか登場、自撮り、浄化の祈り、るりるかの興味、磔、加賀美家の面々、隠れる、加賀美家の団欒、佳奈正常位、フェラ、69、騎乗位、料理、テスト勉強、バック、屈曲位、キス、ベルベット観覧車、正常位、手コキ、道連れ、覚醒、騎乗位、フェラ、寄り添い、出立、るりるかフェラ、貝合わせ、騎乗位、正常位、食卓、看取り、夢の中騎乗位、ゲーム、転生、仲間達あたりですね。


BGM(18/20) 

 曲は全体的に雰囲気も良く、作風にマッチした素晴らしい出来だったと思います。
 ボーカル曲は6曲、OPと個別EDでそれぞれ、って感じ。全員に、ではないあたりにちと拘りというか観念的な部分での差異性を感じさせるところでもありつつ、曲としては全般的にしんみりしっとりという感じでイメージにはマッチしていると。
 とりあえず好きなのだけ触れていくと、OPの『緋色の空』はすごく哀切さと透明感、奥行きがマッチして、ボーカルの沁みるような性質とも噛み合っていて好きだなと。EDは『青碧の向こう』と『Fictional Love』がそこそこお気に入り、まあどれもガツンとくるほど、ではなかったけれども。

 BGMは登録だけだと圧巻の60曲越えだけど、前作のBGMが15曲くらいにインストも多いので実質的には30曲くらい。でも出来は素晴らしくいいし使い方も安定していて、すごく作品の重く気味悪く、それでいながら静謐で澄みやかな雰囲気を下支えしていたと思います。
 お気に入りは『Morning scenary』『Serious night』『Bright mood』『Comical time』『Sorrow』『Sadness』『Earnest』『Beat』『Spirit』『Make out』『Moving』『Deright』あたりですね。


システム(8/10)

 演出はまあそこそこ。立ち絵はあまり動かないしその辺はアレだけど、1枚絵とか連動させてのホラーとしての雰囲気つくりは結構しっかりしていて迫力があります。ただゾンビ的なのがあーうー言ってるシーンのスキップ不可なのが全体的にサクサク進む作品の雰囲気を少しだけ阻害している部分もあり、トータルで見て感心するほどではなかったかなと。
 ムービーも曲に合わせて抒情的な雰囲気、質感も悪くないですけどまあ普通、ですね。

 システム的には必要なものは揃ってるし、フローチャートがそれなりに便利有用なのでプレイ感としてはかなり行き来を強いられるけど不便は感じませんでしたね。スキップやジャンプも既読判定がかなり精密に出るし、問題はなかったと思います。


総合(89/100)

 総プレイ時間22時間。どこが、と説明しづらいけれど、共通的な部分までが6時間くらい、個別はベルベットと佳奈は4時間ずつくらい、他は2時間ずつに、あとトゥルーで1時間ちょい、バッドなども含めてこのくらいのイメージですね。
 話としてはそこそこボリュームはあるけど緩みはほとんどなく、テンポも良くてかなり楽しめましたし、ホラーとして特別に怖かったり、ミステリーとして特筆ものだったり、みたいな明確なストロングポイントはなんいですけど、構造的にすごく骨格がしっかりしていて理解しやすく、読後感もいいので私としてはやはりこういうタイプの作品好きだなー、というところでかなり高く評価を見積もりたいと。
 勿論テキストや絵、キャラも全体的にかなり癖はあり、好き嫌いは顕著に出るかもなあとは思いますが、非常に示唆に富むいい話なので、どこか琴線に引っかかるものがあればプレイしてみて損はないだろうと思いますね。

 
posted by クローバー at 03:52| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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