2016年05月10日

ワガママハイスペック

 このメーカーさんの作品は地味にはじめてなんですが、今回は体験版でコンセプトとキャラにかなり好みだなって思わされたし、絵も思った以上に可愛かったので買ってみようと。


シナリオ(22/30)

 共に在ろうとするならば。


 主人公は妹の兎亜と二人暮らし、ごく普通の学園生活を送りつつ、影で秘密裏に漫画の原作者いもさらだとしても活躍していました。
 ある日、PCのトラブルから手書きでネームを作る必要に迫られネタ帳に殴り書きしたところ、そのネタ帳を落としてしまいさぁ大変、方々探しても見つからずに挫けそうになったところで生徒会室から呼び出しが。
 行ってみるとそこには才色兼備を地で行く生徒会長のかおるこが待っていて、その手には例のネタ帳が。内容も確認されてしまったと知って主人公は冷や汗をかきますが、かおるこの反応は予想以上に好意的で、しかしその日は時間もなかったため、説明は後日となって解散します。

 翌日、改めて生徒会室を訪れたところ、副会長のアーシェの着替えを覗くなどというベタなトラブルを起こしてしまい、更に心証を悪くしたかと消沈する中で、しかしかおるこはそこで驚愕の事実を告げます。
 それは、主人公の漫画のパートナー、原画家のしかくんだった、ということ。
 それまでは互いに素性を知らずに活動してきたため、この偶然の出会いにとりわけかおるこは喜んでいて、それからもよろしく、という話の流れの中で、折角だから主人公も学生会に入らないか?という話に。この学園は二年前に共学になったばかりで女子の方が圧倒的に多く、今まで男子の役員がいなかったことでそちらの意見を吸い上げるのが中々難しかったから手伝ってほしい、と頼まれると無碍にもしにくく、自分でよければと承諾します。

 主人公が生徒会に入ったことで、兎亜の親友で主人公とも仲の良い、一年生の首席でもあり生徒会へ勧誘されて迷っていた未尋も参加することになり、そこから芋づる式に基本ものぐさの兎亜も加わってきて。
 それでも最初の印象が悪いアーシェには、別の事情もあり強い敵対意識を向けられていたので、それを解消するためにもまずは一か月のお試しという形で所属し、その間で基本能力が馬鹿みたいに高いヒロインの面々とうまくやっていけるか、仕事との両立が可能かを確かめることになります。

 かくして華やかに彩られた学園生活と、よりやる気に満ちる状況が整った創作の仕事。
 今までの生活を大事にしつつも、主人公は自分の精一杯でどちらにも出来る限りの力と誠意を注ぎ、その中でヒロインとの仲を深めていきます。やがてその気持ちはどんどん大きく、色合いの違うものに変化していって、それが私生活においても、創作活動においても様々な影響をもたらすのでした。
 これは恋愛を通じて経験の幅を広げ、それぞれのポテンシャルをより高いレベルに引き上げ、支え合っていく素敵な関係を紡いでいく、夢と絆の尊さに溢れた輝かしい青春物語です。


 あらすじはこんなところですね。
 新たな日常の中で信頼を損ねないように懸命に振る舞うことでヒロインとの距離を縮め、関係を深めることで、そのヒロインに恥じない立派な人間にならねば、という意欲を主人公は強く持つようになって、またそこにヒロイン側の思惑や立場も絡んで、それぞれのルートで二人ならではの未来を選択していく、というのが大まかな流れです。

 テキストは全体的にコミカルで、語彙のチョイスも平易で軽く、印象重視ですいすい楽しみながら読み進められる感じですね。基本的にネガティブな方向性はあっても軽く、基本明るく楽しくの路線が徹底されていて、その上でキャラクター性、ヒロインのスペックの高さと、それ故にごく自然に発せられる期待という名のワガママがいいアクセントになっている、というイメージです。
 流石に多少個別ルートで印象の差異は出てくるけれど、根本的な性格や考え方の質はきちんと共有されているので気になるほどではなく、むしろそれがどのヒロインと関係したか、という与件が示す変化くらいの楽しみ方が出来るのも好印象です。

 ルート構成は基本的に好感度選択をいくつか積み上げていって、一番になったキャラのルートに、というシンプルで王道的な構造。やや選択肢によっては、どちらが好感度が上がるのかわかりにくいのもあるけれど、本人の性格や選択肢後の反応で大体わかるし、前後ジャンプも充実しているから攻略としては面倒さはほぼないですね。
 特に誰がメイン、という贔屓もない構成なので、純粋に好きな順番でクリアしていいと思います。

 
 シナリオは基本的にはストレスフリーというか、重い話でも重くし過ぎずに、あくまでもヒロインとの関係性の楽しさ、歓びを前面に押し出しつつ、その感情の振れ幅を作るためにシナリオ要素があります、くらいの塩梅。
 ただその中でも、全体の設定がかなり巧妙に出来ているのと、概ねの場合で話の展開がそのヒロインと関係を深めた結果として派生する問題に集約されること、またそれに対する解決のアプローチにも一貫性が見られることは私的に評価の高い部分であり、シナリオ毎の出来不出来もそこまで大きくなく、それぞれが水準よりちょっと上、くらいできちんと仕上がっているなと感じました。

 まず全体設定として面白いというか、強く感じるのは、実に現代的なニーズの集約が意識的に為されているなと。
 ヒロインの造詣もそうだけど、舞台設定にしてもお約束的な部分は踏襲しつつ、少なからず新しい概念も取り入れていて、特に主人公とかおるこのお仕事の契機の部分や兎亜の才能の活かし方に関しては実に時代性と親和していて、読み手としてもそれならあるかもなぁ、と素直に引っかかりなく入っていける素地が整えられているのではないかと。

 結局エロゲ媒体である限り登場人物が十代をイメージして作られないとウケない、という前提があって、それ故に学生でありながら仕事を持っている、という設定は頻繁に見かけるものの、実際問題それくらいの年頃の才能が、旧来の人材発掘メゾットの中ですんなり開花する、という状況はご都合的なんですよね。
 どうしてもその辺は入口の部分でより権威的、形式的な観念による淘汰作業の洗礼を克服しないといけないわけで、才能そのものが本当に突出して優れていてもだし、ましてやその才能が半端なものなら尚更不自然じゃない?という印象は出てきてしまうわけで。

 けれど近年流行りの、ウェブ発のクリエイターという存在は、そういう旧来のフィルターとは別物の評価尺度で世の中に出てきやすい土壌が整ってきていて。
 そこでは純粋に、権威的で型に嵌った旧来型の恣意的な選考とは一線を画した、どういうものであれ純粋に面白さが問われ、それを支持してくれる人の数がそのまま価値へと繋がっていく観念が新たに醸成されていて、実際にマーケット的にもそこの評価と実際的なマーケットに乖離はそんなに起こらないから、クリエイターの背景、とりわけ未熟さは入り口では深く追及されずにいられるわけで。
 この主人公とかおるこにしてもそういう土俵からスタートして頭角を現している、という設定は、だからストレートに今にそぐわった才能の在り処を示しているし、勿論そういう風潮は創作面にとどまらずビジネス的にも波及していて、そのあたりを雰囲気的に上手く掬い取っているのが兎亜のアプリ制作、頒布によるプチブル化と言えるでしょう。
 要するに、確かにエロゲ設定として都合はいいけど、その年代であってもそれは決して才能があれば不可能じゃない道である、という部分をしっかり固めているので、そういう二足の草鞋的な大変さを描くにしても軽佻浮薄な印象は薄い、という点で素晴らしいつくりだと思うのです。

 無論全部のルートでそうというわけでもなく、例えばアーシェや未尋の才能は旧来的なアナログ感の中で展開されるものではあり、そのあたりのバランスも勘案されつつ、その上で一貫しているのは、あくまでも才能度合いだけで言えばヒロイン>主人公という不等式が成り立ち、ヒロインとの関係を深めて、そこに追いつくためにどういう努力やアプローチが必要になってくるのか、という部分を主人公が問い直し、生き方に反映させていく点です。
 それは当然タイトル通り、ハイスペックでごく自然にワガママ(というか無茶ぶり)を発してしまうようなヒロインに対するパートナーとしての資質を問うものでもあり、そこで主人公の性質そのものが作品全体を通してぶれていない、というのは結構高く評価していいなと。
 あくまで主人公は内在性の強い秀才型クリエイターで、外在的な価値観を飛躍的に集約させて価値を生み出す天才型ではない、という線引きがしっかりしていて、その創作においても、自分の経験知とそれに伴っての想像の範疇でなければ自信をもって書くことが出来ない、という限界の置き方が明確なため、じゃあそれに直面してどうする?というスタンスの中で、ヒロインとの関係性の双方向性が強調されていくところも、スタートラインがこの設定のクリエイターとして実に説得的だなと感じますね。

 と、ここまでの解釈を補助線に置いたうえでの個別評価としては、兎亜>かおるこ=アーシェ>未尋くらいですね。
 最初に書いた通り、どれも堅実に作られていて水準をクリアしている良質なものですが、設定を上手く生かしているか、という観点を付加した時にはやはり兎亜とかおるこの方がより鮮明にそれが表だっているかな、と思うわけです。

 下から順にサクッと触れていくと、まず未尋に関しては、やはりその才能のスケールはともかく、それを生かす舞台が非常に庶民的な立ち位置に留まっていて、かつそれは主人公の持つ才能とは別質のものなので、あくまでもその才能を横で支えていくために、自身の生き方のバランスをどう組み直していくか、という論点に直結していて、その分だけ主人公の苦悩は浅くて済む点は、そのままシナリオの深みの差にも影響していると。
 恋愛の契機としても実に素朴で無難な出来だし、元々のキャラ性がすごく柔軟軽妙陽気に振れているからそこを生かすだけで充分面白いし可愛いのだけど、シナリオとしては評価につながらないかなって。
 あと単純に構成的にも、勘違いからの隆盛の為の頑張りはありがちの上、明らかに齟齬があるとわかり過ぎてしまう構図でもあり、ついでに自宅兼職場だったらそうなるもっと前に準備とかいるから露呈するだろ、って無粋なツッコミも含めると上質、とは言えないだろうなって思います。ほんっとうに未尋は可愛いんですけどもね!

 アーシェはなんというか、この作品では珍しくコテコテの旧来的芸術肌の存在であり、従ってそこから派生する問題もまた旧来的な、外的要因の波及が否めないという部分で、ある意味異色の構成になっていると思います。
 元々一番好感度が低い中で、そのハードルを超えるためにそれなりの条件がいる、という点での意識はいいんですが、そのきっかけになる演劇関連はこの作品でほぼ唯一といっていい外的要因になってしまっているのが惜しいところ。そこからの展開の波及そのものは、ハイスペック過ぎだろ!と突っ込みたくはなるにせよ論理の飛躍はないだけに余計に勿体ないなと。

 このルートにおいては、アーシェと関係を深めることで新たな世界を知見し、それを創作にも反映できていたけれど、アーシェの才能の妨げにならないようにという決断がそれを萎ませる結果になって、かつそれはお互いにだったよ、という部分でベッタベタな構図であり、ベタだからこそその山谷で心を穿つものは確かにあるのは確かです。
 ただどうしても前提として、このルートの設定自体が作中でもリスペクト的に言及されているモデルに本気で酷似しているなぁ、ってのはあり、その元ネタを知ってるか否かでどうしてもインパクトや印象は違ってきそうなんですよね。
 少なくとも私はそれで流石に一段階は評価を下げなきゃ、とは思ったし、まあそこを潔く認めてるのは、しらっとスルーして、あれ?これって……と読み手に思われるよりはマシだとは思いますが、流石にここまでだとオリジナリティという点でも、引き比べてという意味でもプラスにはならないだろうと。

 かおるこに関しては、まず思うのはあくまで二人の関係性の再構築、という部分に物語を集約させた割り切りが、上で触れた現代的な自立のスタンスと親和していてなるほどな、と。
 主人公と兎亜のほうがもっと露骨ではあるけれど、かおるこも創作活動に従事する中で実家との軋轢を抱えてはいる、けれどそれを実績で糊塗出来るだけの立場をもう紡いでいるし、主人公達程冷徹ではいられないにせよ、その道を譲る気はもうないんだ、という覚悟は前提条件の中にすでに含まれているから、新たに踏み込んでいく必要性はない、というあたりに設定の巧みさを感じさせるわけです。

 そこを抑えた上で、しかしこのルートはかおるこのいもさらだ先生大好きモードが炸裂してる話というべきか、ああいう出会いがあって人格的にも好きになってしまう中で、才能に対する好きとの混在化、膨張化が著しく、その無垢の信頼に応えるために主人公が苦悶しつつ、自らの内在性からそれにそぐうものをやっとこ引き出してくるのは、実にワガママに振り回してる、という印象が鮮烈かなと。
 無論それでかおるこが嫌味なキャラになってることは微塵もない、そのバランスは見事であり、元の背景やそこからの関係も含めて結ばれることがすごく自然な二人でもあって、でもそういう複層的な繋がり方をしている二人だからこそ、この二人なりの支え合い方、頼り方を見つけるまでに苦労する、というのは実に説得的で、結果提示された答えも実に味わいがあって、すごく綺麗に纏まった話だと思います。
 そういう方向付けが出来るのも前提の割り切りあってこそなので、そこを含めて高評価ですね。

 そして兎亜に関しては、かおることはまた別のベクトルで絶妙に設定を上手く生かしていると思います。
 どうしても実妹シナリオとなると、まともにやろうとするなら家族の反対とかインセストタブー意識とかそういうしちめんどい条件をクリアしないといけないわけですが、この作品の場合、そのハードルをほぼほぼ前提条件だけで克服しちゃってる、というのが強みだなあと。
 なにしろこの手の話に付き物の、禁断の関係の成立が周りの理解と支えに預かっている、だから感謝していこう的な感動要素はバッサリポイして、既に金銭的にも生活環境的にもきっぱり親とは縁を断ち切って自立してます、だから二人きりの内的な世界に籠ったとしても委細問題ないし、そもそもその生活を二人で選択した時点で、関係性の進歩度合いはどうあれ、気持ちの上でずっと一緒にいる、というのは暗黙的に了解されていて。

 実際他のルートでも、元々三人、というスタンスが当然のように嵌っている未尋のみならず、元は一番関係性や観念的に遠いアーシェルートにしたって兎亜ついてく気満々じゃねぇか……!ってなってるし、そういうワガママを通せるだけの背景は既に構築し切っているわけなんですよね。言い方は悪いけど地獄の沙汰も金次第とでもいうか(笑)。
 ただ、そうすると決めてはいても、その関係が深まった時に世間的に異端と見做されるのはちゃんと理解していればこそ、そうなったら完全に世界と途絶する、みたいな悲壮感は一切感じさせなくて、しれっと未尋を巻き込み始めるあたり実に兎亜だなー、と苦笑いせざるを得ない。
 かつ何気に未尋もそれを満更でもない、くらいに思ってそうなのが面白いよねと。未尋ルートでももう自然に兎亜はオプションです、くらいの認識が自然に成立してたし、こっちはこっちで逆に自分からほっとけません!くらいで突っ込んできてくれるから、本当にいい子だなーって思うし、ぜひ側室3PルートのパッチかFDを作って欲しい。。。

 ちょっと脱線したけど、ともあれ妹ルートとしての難関をそういう形であっさりクリアしつつ、そこから二人の関係性が進展したことで波及する問題と、それがもたらす当事者意識の変遷に絞っているのも、かおるこルート同様潔いし綺麗な纏め方だなと。
 かつ奥深いのは、創作の為に改めて妹、という存在の価値を掘り下げていって、結果的にそれが関係性の壁を一つ壊すと同時に、創作面においても一歩超越的な地平に達することが出来ている、という部分なんですよね。

 最初に前提で触れたとおり、主人公はあくまで内在する観念しか自信をもって創作の世界に投影できないという不器用さを持っています。
 それはこの世界への入り口がこうであることとも相俟って、プロとしての引き出し自体は少ない、という状況下で、今までは書きたい素材に傾注し、かつ原画の魅力とセットでなんとかやってこられた故に顕在化していなかった欠点で。
 そして、主人公にとって妹への愛情、というものは、もはや改めて意識することもなく自然にそこにある、けれどここまでの生き方の中で最も尊く、輝かしく蓄積された財産でもあるわけで、すなわち現時点でのクリエイターとしての主人公がもっとも魅力的に書ける素材、と言っていいと。

 他ルートでも恋愛を知ることで、それが作風にプラスになっていく描写はあったけれど、でもそれは担当者に才能の開花を強く感じさせるほどセンセーショナルな変化ではなかったんですよね。しかし兎亜ルートではその分水嶺を突破するだけのものを作り出せてしまったと。
 その度合いはシナリオ評価とも連動する形ですが、凡そ兎亜>かおるこ>アーシェ>未尋くらいの塩梅で、逆に言うとなまじ自分の中の引き出しを深く掘り下げて良いものを提供できてしまったことで、その内在的な創作素材のストック自体は反比例的に枯渇しているのに、世間的な評価を反映して常にその水準のものを求められる様になってしまって、そのギャップが大きいほどに創作面で塗炭の苦しみを味わう、という構図が一貫している、そこが見事な統制だと思うのです。

 かつこのルートのきちんとしてるなって思うところは、かおるこルートまではかろうじてその期待に添えるだけの答えを提示できる余地があった、けどこのルートでは流石にその才能に対してキャパオーバーになっていて、その事実をしっかり見据えた上で現実的な立ち位置に回帰していく、それは一つの挫折ではあるのですけど、それは主人公が本物のクリエイターになる上で大切な糧となるものでもあって。
 だから他ルートとは少しスタンスが違って、その挫折を取り返しのつかないものだとしないために、という視点で双方向的な支え合いの在り方を再構築していくところに、どうあれずっと傍にいる関係であればこその区別が置かれていて、物語として派手さはないんですけれど、私としてはすごくいい話だな、と思えたので一番評価を高くしているんですね。


 以上、全体的にノリが良く、ストレスを感じさせずに楽しめるライトな出来、ではあるものの、その表面的な印象につられて見逃しがちな部分にさりげなく丁寧な配慮がなされていて、その徹底がこの無理のない面白さを担保しているんだろうな、というところで期待以上と言えたし、流石に名作、とまでは言えないけれど上質な良作、だったと思います。


キャラ(20/20)

 基本的にはシナリオも悪くないキャラゲー、では当然あるので、ワガママというステータスを顕在化させつつもヒロインを嫌味だったり高飛車だったり、負の印象を与えるような要素を極力排除し、ワガママだけど可愛い、という匙加減に落とし込む部分で非常に丁寧な仕事をしているなと思います。
 成長要素的な意味合いでは、どちらかというと元々ハイスペックなだけに、それに引き上げられた主人公が、という色合いが濃いのでさほどでもないけれど、基本的に自分の在り方に自信があり余裕があるという土台がヒロインの奥深さを引き出していて、少なくともヒロインに関しては文句はないですね。
 ただ相対的にサルあたりは特に馬鹿さ加減が露骨に浮足立っていて見苦しくもあったかな。気になったとすればその辺くらい。

 一番好きなのは終わってみると結局未尋のままだったなあ。なんか知らんがすごい好きだわこの子。
 基本的になんでもそつなくこなすし愛嬌も余裕も大らかさもあって、基本からかいから入ってくるのも親しみの表れであり、すごく気の置けない楽しい子で素敵だなあと。なによりそうでありつつすごく世話焼きで、それを重く感じさせないところが素敵で、兎亜を含めて三人、という括りがすごくしっくり嵌るつくりなのも私的に好印象。
 無論個別での恋愛まっしぐらモードも凄まじく可愛く、好奇心の赴くままに好きを深めていく、したいことにどんどん踏み込んでいくアクティブさと愛らしさも最高でしたし、あと個人的に兎亜ルートで二人の関係をすんなり受け入れ、かつ地味に本気で側室狙ってますよね?と言わざるを得ない、あっけらかんとした立ち位置で支え、祝福してくれるのが本当に可愛かったのです。兎亜ルートなのに兎亜より瞬間最大的には未尋にキュンキュンしてたね間違いなく。。。

 次いでは兎亜とかおるこが同率くらいかな。
 兎亜はやはりそれ以外のルートでの抑揚のないクールで自然なワガママイメージが、CV込みでの妹感とはちと乖離した妹様スタンスだっただけに、そのギャップで自分のルートが可愛い、というのは当然あるけど総合的にいつどこでも全力で死ぬほど可愛い、とまでは言えず、その点で未尋には負けたかなって感じ。ただビジュアル的にはやはり一番好きなのは間違いないし、設定が上手く妹シナリオの難しさを中和もしてくれているために、気兼ねなく愛でられた、という部分で素敵な妹でしたね。
 かおるこも先輩キャラのくせに本当に底抜けに可愛くて、多分才能的には一番突き抜けてて、その上でそれを当たり前、自然だと思ってる天然さんなので、そこに寄り添っていく大変さはあれ、でもかおるこに頑張って!と言われたら奮起せざるを得ないでしょ!と思わせる素晴らしい魅力を発揮していたと。

 アーシェも当然とても可愛くて、スタンスとしては一人だけオタクの観念に踏み込んでない、というところでの自然なツンデレ感が逆に新しく素敵でしたかね。
 あと委員長もそこそこいいキャラだったのでちょっと攻略したいのです。


CG(19/20)

 なんというか、このメーカーが出てきたとき、すんごいクロシェット的な絵だなー、と思ってて、ただそれよりは雰囲気的に落ちるし、と失礼なこと考えてもいたんたけど、実際プレイしてみると、まあその初期より長足の進歩をしている、というのもあるのかもだけど期待以上に可愛く、また素材的に私好みのところをグイグイついてきてくれていて満足度が素晴らしかったですね。
 やっぱり絵の質そのものとして抜群、とまでは思えないから満点には出来ないんですが、素材のチョイスという部分では、ボインちゃんが多い、という点を除けば(そもそもそれはクロシェットに対しても常に不満を提示している部分だが。。。)絶妙だったと思います。

 立ち絵に関しては、圧倒的とまではいかないけれど相当に豪華な素材量と質だったと思います。
 ポーズはヒロインで3種類ずつ、サブで1種類とまず水準はクリアしているし、それぞれに固有の雰囲気は残しつつ細かい部分で可愛さをあざとく協調していて実にいいなあと。
 お気に入りは未尋正面、やや左、やや右、かおるこ正面、やや右、兎亜正面、やや左、アーシェやや右あたりですね。

 服飾はヒロインで7〜8種類、サブで1〜3種類とまあ超豪華、下手すると1回くらいしか出番のない服装もあるよね、ってくらい色々と備わっていて、私服も2種類、部屋着とパジャマが別にあったりとか拘りが半端ない。デザイン的にも概ね可愛いし、実に満足度が高いです。
 お気に入りは未尋制服、私服ホットパンツ、水着、パジャマ、メイド服、兎亜制服、部屋着、パジャマ、水着、下着、お出掛け私服、かおるこ水着、メイド服、部屋着、パジャマ、お出掛け私服、アーシェ制服、水着、お出掛け私服、部屋私服、下着、奏恋私服、制服あたりですね。
 というか奏恋のダボカーディガンの下のストッキングが魅惑的過ぎて脱がしたい(笑)。あと未尋のホットパンツ+柄黒ストでのHシーンがなかったことに絶望した。。。

 表情差分も水準は軽くクリアしている感じで、それぞれに細かくらしさが溢れた生き生きした表情が紡がれていて素敵だなと思います。遊びも多いし見た目だけでも楽しく可愛いですし、基本的に目を細めたときの描き方がすごくいいんですよねー。
 お気に入りは未尋笑顔、にやり、からかい、困惑、苦笑、照れ笑い、照れ焦り、不満げ、ジト目、兎亜笑顔、微笑、澄まし、睨み、怒り、悄然、照れ目逸らし、ジト目、かおるこ笑顔、驚き、哀しみ、照れ笑い、ぷんぷん、ジト目、苦笑、アーシェ怒り、笑顔、苦笑、困惑、憔悴あたりでしょうか。


 1枚絵は通常85枚にSDが20枚の計105枚。値段踏まえるとギリギリ水準量かな、とは思いますが、全体的に質も安定して可愛いですし、特に、と言い切るまでのものはなかったんですけど好み度合いは高かったです。
 ちゃんとヒロイン全員に添い寝シーンがあるのと、あと趣味的に背面座位が多かったのはGJ!って感じですねー。しかしかえすがえす未尋の黒ストHシーンは欲しかった……まあホットパンツ脱がすの大変なのわかるけどさぁ。。。

 お気に入りはページ順に、かおるこ夜の舞台、配膳、図書室、相合傘と告白、耳かき、添い寝、キス、正常位、騎乗位、フェラ、背面座位、メイド背面座位、対面座位、アーシェ着替え、食事、ティータイム、演奏、喫茶店、添い寝、愛撫、正常位、屈曲位、フェラ、パイズリ、バック、騎乗位、兎亜PC作業、聖地、告白、料理、膝枕、看病、抱きしめ、添い寝、自慰、愛撫、正常位、背面座位、パイズリ、騎乗位、屈曲位、背面座位、足コキ、バック、未尋ウェイトレス、お弁当、抱きしめ、カップルジュース、調理、腕組み、屋台、添い寝、愛撫、正常位、対面座位、69、正常位、騎乗位、フェラ、背面座位、ゲーム、スライダー、みんなでメイド、プール掃除あたりですね。


BGM(17/20)

 それなりに印象的な曲もあったけれど、総合的にはまあ水準かな、というイメージ。作風に合った軽快な曲が多いですね。

 ボーカル曲は2曲。
 OPの『Miracle Heart!』は颯爽としていつつスタイリッシュで、実にノリのいい曲だなとは思いますが、メロディとしてすごく好み、ってところはなく、聴き込むタイミングも作りにくい(鑑賞に入ってない)のもありやや印象も薄いかなぁ。
 EDの『ときめきアメージングッ☆キッス』(👈めっちゃうろ覚えです。。。)は、それぞれのヒロインに歌わせているという発想は面白いですし、曲としてもOPよりはリズミカルでありつつ柔らかさもあって好きなんですけどね、これも聴き込む場面が作りにくいので……。歌い手としては多分アーシェが一番上手いと思うけど、やっぱりなんだかんだで未尋の声で元気よく、ってのが癖になる感じではある。。。

 BGMは全部で28曲ときっちり水準、出来も安定して明るくスピード感があって、作風にマッチしているし悪くはなかったと思います。
 特にお気に入りは『進む勇気をくれたのは』、このピアノメインでありつつ強烈に疾走感があり、輝ける未来までノンストップ!というイメージが中々に鮮烈で、メロディとしてもかなり美しく気に入ってます。
 その他お気に入りは、『まっすぐに』『クッキングのお時間です』『いま真剣なので』『安心感に包まれて』『触れ合う指先』『想いの先へ』『幕が上がる』『張り詰めた糸』『疾走』『切実な想い』あたりですね。


システム(9/10)

 演出は水準はクリアしていると思います。
 キャラ演出は多彩でコミカルに軽やかに動くし、作風としっかり噛み合っていて悪くないですね。見せ場というほどのシナリオの極端なメリハリはない分、そういう視点での見せ方の奥行きはそんなでもないけど、概ね丁寧に演出されているかなと。
 OPムービーは非常にデザインのセンスを感じるスタイリッシュな構図で、キャラのイメージをしっかり表に出しつつ総合的に芸術性を高く仕上げていて、これはかなり好きですね。

 システムも必要なものはきっちり揃っていて問題なし。というかこれ、ゆずとほぼ同じシステムだよね。
 使いにくいところもなく、装飾華美でもなく、楽しめる要素も含めて揃えているので文句はないです。


総合(87/100)

 総プレイ時間18時間くらい。共通が4時間、個別が3,5時間平均くらいですね。バランス的に個別の密度が多めで、それでいながらだらけた雰囲気はなく、取り立ててシナリオに比重を置き過ぎずともこれだけキャラ性とテキストの面白さで持たせているのは丁寧で見事な仕事だし、その上での総合的なイメージ管理がほぼちゃんと上手く作用しているのは高く評価したいところ。
 正直期待以上に面白かったですし、時代性に対するアンテナがしっかり張り巡らされてるな、というところで気鋭を感じる向きもあり、今後は一段くらいメーカーそのものに対する期待値を上に置いておこうかな、と思わせる内容でした。

 基本的にストレスフリーに程近いキャラメインゲーですし、その中で最低限という水準は楽にクリアしたシナリオも用意出来ているので、気楽にササッと楽しむ、という意味では文句なくお勧めできる作品だと思います。
 ただ強いて言えばやっぱりアーシェシナリオの印象がどうか、ってとこかなあ。むしろこれは元ネタをわかっている体だと、まあそういう展開になるよね、って笑って見てられるんだけども、その認識がない時にどのくらい他のルートと温度差を感じるか、そこで評価のブレは出てきそうな感じはしますね。

 あと、全力でノリだけで書いたSS置いておきます。兎亜ルートで未尋も嫁に貰っちゃう話。。。

 そのいち〜、センパイを誘惑しちゃいますよ〜♪

 そのに〜、もうっ、センパイったらえっちなんですからぁ♡
posted by クローバー at 04:53| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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