2016年07月12日

珊海王の指輪

 前作あたりから微妙な空気醸してたり、これも体験版やろうとしてトラブったりで色々不穏ではあったけど、一応エウだしね、というところで押さえてはおいたと。

シナリオ(16/30)

 立場が画一的過ぎて。

 ラウルバーシュ地方にはとある伝説が眠っていました。
 それはかつての大海賊が数百年に一度眠りから目覚め、その間にかの存在に由来する指輪を六つ集めればどんな願いでも叶えられる、というもので、それぞれの指輪の所持者達は、指輪が力を取り戻したことでその伝説の信憑性を認め、それぞれの理由から指輪簒奪レースに加わるようになっていきます。

 母の宿る指輪を守る見習い海賊のアリツ。
 師の命令を受けて指輪を回収する魔術師のソーニャ。
 領主としての地位に飽き足らず更なる栄光を求めるボルハ。
 騒乱と蹂躙に悦楽を見出す魔人ラファエラ。
 かつての因縁と正義を胸に騒動を収めようと腐心する天使アニエス。
 やはりかつての因縁から不死になって願いを追い求めるアルヴィド。

 思惑も立場もなにもかもが違う六者が、この地方の海を舞台に食うか食われるかの争いを繰り広げていく中で、やがて指輪の所持者が収斂していくことで、かの伝説が本当の意味で幕を上げることになるのです。


 あらすじはざっくりこんな感じですね。
 説明でもわかるように、シナリオそのものも六人の主人公分それぞれに分かたれており、他者を蹂躙、或いは説諭して指輪を集め、珊海王の元に辿り着くことで己の真の願いを叶え、そこで戦いの中で育まれた性向に対する審判を受ける、という流れになります。

 テキストは全般的に重苦しさはなく軽快なイメージで、それは全体の物語としての重厚感の乏しさとも連動しているところはあれ、さほど小難しい説明とかがいらない舞台設定、というのもあり概ね読みやすく、かつ凡その場面で情動が剥き出しに赤裸々に紡がれている感じで、この世界観とはマッチしている読み口ではないかなと思います。

 ルート構成は概ね画一的で、最初にプレイヤーとなる主人公選択をし、そのキャラで他の主人公を撃破した時にその処遇に対して選択肢が出て、そこでロウ・カオス判定が行われ、最終的により色合いが濃い方に物語が帰結する、という形です。
 無論ある程度天秤をかけておいて、最後の一人で調整してもいいんですが、そこからクリアまでも結構時間はかかるし、それぞれの選択の派生でシーンやCGもいっぱいあるので、基本的には各々のルートをロウ全振り、カオス全振りで計二周、全部で十二周するのが無難ではあるのかなと。勢力毎に引き継ぎがあるので、その気になれば二周目は一時間もかからずに終わらせられますしね。

 シナリオに関しては、まず言えるのは六人分の物語を設定したことで多様性こそあれ、物語としての骨太感、重厚感は失われてしまっていて、その分だけロウカオスの振り分けやその選択に対する重みも薄れてしまっているのが勿体ないなあというところ。
 前作においてはエウらしからぬ教科書的な正義一辺倒、という枠組みであれ?と思わせたところですが、今回は改めて人間の多様性、両面性、脆さや醜さを抉ってくるらしさそのものは取り戻していて、けど従来はそれを骨太な物語の上で展開するから、特にバッド的な流れにおいてより感じ入るところが強かったのに、一篇あたりの質量の乏しさがその状況変化に対する説得性も乏しくしてしまっていてこれはこれでどっちつかず、のイメージはあると。

 また六人の主人公はそれぞれのバックボーンやスタンスも全然違う中で、どうしても物語として背景のより薄い主人公もいて、特に単純な野望とか欲望とか愉悦が表立ってしまうキャラだと、ただでさえ物語として薄いのに余計にそれが目立ってしまう、という面白味のなさはあります。
 相対的に見るとやはりアニエスとアルヴィドが読み物としてはマシかな、とは思うし、ラファエラやボルハのシナリオだとむしろそういう信念や執着が無残に蹂躙されていくありようを楽しむ、という、大枠のフレームの中での楽しみ方が主流になってくるのか、というところで、でもそれもプレイ順にかなり左右されるし何とも難しいところ。

 ラファエラを除くと基本的にはロウルートが正着でカオスはバッド的な流れになるわけですが、アリツやソーニャあたりはその振り分けにおいても箸にも棒にもかからない簡素さではあり、ボルハのカオスなどはある意味では決着として面白味はあったけどそれだけで、その辺でもメッセージ性が強く出ているのはアニエスとアルヴィドになるのかな、という感じ。
 特にアニエスは正義の振りかざし方、という特異な観点の中で、僅かずつでも蓄積し染まっていく通念の色合いによってかなり考えさせられる決着になっているし、押し付けでなく応答的な対応の大切さというのをしみじみ感じさせてくれる中々に含蓄のある話だったと思いますし、アルヴィドも人間性の分水嶺、という面白い着眼からの分岐になっていて、その辺はそこそこ楽しめました。

 ただしそのあたりの過去に因縁のあるキャラ、というフレームで見たときに、数百年に一度しか現れず、その都度勝者は一人しかいない指輪争奪戦において、グリシュクも含めて三組も因縁持ち、それぞれのルートでの達成者が併存する、という状況もそれはそれで不自然じゃね?と思う向きもあって、そこが折角の面白味の瑕疵になっているからどうにも高い評価はしづらいな、というところ。
 その上で更に気になるのは、ゲームシステム面とも連動してくる話ではあるのですが、これだけ思想のバックボーンが違う面々を、一つの画一的な土俵、ルールの中に押し込めてしまっている点かなと思います。

 結局のところこの物語においては、主人公が基盤とするのは船であり、海賊的な通念、ルールで状況が動いているんですよね。
 例えば国盗り的な物語であれば、本拠地があってそこを中心に領土を広げ、そこから獲得できる年貢的なもので国を運営し、更に発展させていくという保守拡張のプロセスになるわけですが、この作品においてはそれは当てはまらず、一応土地の奪い合いはあるものの、一度占領した土地を守る、という発想では確実に他者に後れを取ってしまうつくりになっています。

 あくまでもこの作品においては簒奪、収奪が発想の基盤であり、土地を占拠してはそこから捻出できる資材を吸い上げ、すぐさま別の土地に渡り歩いていくイメージで、農耕民族でなく狩猟民族的な生き方が求められ、その吸い上げたもので唯一絶対の基盤である船を強靭にしていく、という形であって、その理念の差異に最初のプレイ時はかなり戸惑いました。
 そして改めて全クリして気になるのは、特にボルハやアニエスという、土地の中に基盤や信仰を持つキャラに至ってもそのルールが画一的に適応され、独自性を打ち出せていない、という部分なんです。つまり本来海賊の流儀に従う義理もなければ、思想的にも適応しないはずの立場のキャラまでが、というのが、その物語性の一環度をより薄めて混沌とさせてしまっているのではないかと。

 無論そこに最低限の配慮、例えば一般船はこの二人は襲えなかったり、或いは収奪を最低限しか出来なかったりとかはあるのですが、しかしそこは本来多寡の問題でなく、絶対的な有無の問題だろうと、特にアニエスに関しては強く思うんですよね。
 彼女のロウカオス分岐が理想と現実の狭間での精神性の揺れに起因すると見做せば、敵となった面々への対処がどうあれ、自身の正義を貫くために奪う事を良しとしている時点で絶対的にはもう破綻しているとも言えるわけで。

 だからこの辺はシステムの問題でもあるけれど、守るべき領地や場所があるボルハやアニエスに関しては最初からその場所を規定して、そこから一定の収入がある形式にしたほうが、ゲームとしても多様性があったし物語としても説得的だったのではないかと思うんですよね。
 ボルハの場合は領地から一定の収入があり、それを簡易に商人呼び出しで他の資材に変換できる条件を最初から整えておいて、その代わり基本的には土地からの収奪は出来ない、ただし臨時徴収的なスキルを用意していざって時は収奪も可能だけど、それを使うたびにカオス度が上がるとかの設定にしておけばいいかなと。
 無論取り締まり対象の海賊船からの没収的な収奪は可能で、その対処に関わる人間性はそこまで改変しなくてもいいし(好色なくらいは為政者としてありがちだし、清廉潔白なことが政治家としての必須条件ではないわけですしね)、ただ少なくとも民に対して誠実である、という構図を貫けば、本来の流れだと失笑ものだったロウルートの結末も少しは説得的になるのではないかと。

 アニエスは当然ラスボス戦みたいに孤児院が基盤となり、そこを守る必要があって、そうしている限り篤志家からの援助がある、みたいな構造にすればいいと。
 その上で各地を訪問し、その思想性を広げていく中で篤志家が増えて収入も上がる、みたいな特殊設定を組み込んで、その代わり土地からの収奪も、敵船からの収奪も一切出来ない、くらいの思い切った構造にしてしまえば、それだけこの物語の中でのアニエスのスタンスの特異性も際立つし、そういう清廉さ、清貧さがロウカオスの選択の中で現実に汚染されていくか否か、というのもより説得的に機能するだろうと思いました。

 こういう設定を組み込んだ場合、当然船だけでなくその基盤となる土地を守るための部隊も用意しなきゃいけなくなるけど、それは初期設定の軍団数などである程度融通がつけられるし、狩猟民族的な海賊の横行に対して、農耕民族として守るものを背負いつつ戦う、という対立項が明確にもなるので、物語総合としての深みが増すと思うんですよね。
 かつ他の勢力でプレイした時に、船より先に本拠地を陥れて蹂躙すると激怒モードになるとか、イベント的な面でも多様性を組み込みやすいし、それぞれのキャラ性を鮮明に打ち出せるのになぁ、と、あくまでシステム的な面での煩雑さを嫌ってなのかは知らんけど、それくらいの柔軟性もない、ってのは正直つくり込みとして甘いし、面白くないよなあと感じましたね。

 ともあれそんな感じで、シナリオ的には正直惹かれる部分が少なく、数少ない美点もいくらかの欠点に足を引っ張られて輝き切れていない、ってイメージであり、点数としては6,5/15とかなり辛めに評価しています。

 次いでゲームシステムですが、これも正直単調だなと。
 基本的には部隊の人数とレベルがそのまま勝ち負けに直結する構造で、いざ動かしてしまうとさほどプレイヤーとして戦闘に介入する余地は少なく、かつやれることはほとんど決まり切っていて、最初の内はともかく必勝パターンが理解できてしまえばそれを粛々と踏襲していくだけなのでなんとも。
 大体普通に進めていけば極端に敵とのレベル差が乖離するようなことはないし、その上できちんと動静偵察し、敵の部隊配置に合わせて戦法を決め、かつ一番最初に接敵するポジションにおいての人数比の有利不利まで丁寧に見極めて配置すればまず負けようはないんですよねこれ。
 その上で敵の魔法の性質を見極め、結界を張ったりステータスアップを打ち消したり、攻撃魔法で消耗させたり、その辺もほとんどの場面でこれしかない、という正解があるので迷う必要があまりないし、やっぱりその辺面白味は薄いと。

 砲撃戦にしても、ぶっちゃけこっちからしか仕掛けられないという時点でチートではあり、かつ積載軍団数が1対5とかでも工夫次第で楽々勝てちゃうわけで。
 こっちの軍団がきちんと強くさえあれば、相手の最初の軍団をほぼ全滅に追い込んだ後、一部隊だけ残してこちらからは攻撃を仕掛けず、その上で相手が砲台に触れられないように囲んでしまうだけで、後は勝手に砲撃で撃沈することが可能なわけで、その辺ももう必勝パターンが確立されちゃえば作業的なのがなんとも。

 まあ一応主人公毎の特性や船の成長のパラメータの差異など、ある程度特性を生かしたプレイスタイルの些細な調整は必要ではありますが、基本やることは行動数に合わせ、戦闘用と占領用に用途を決め切っての軍団編成と速やかなマップ占領&遺跡などを使ってのレベル上げ、それで弱った敵から砲撃戦でとどめを刺しに行く、となるわけで、まごまごしてると他の敵に沈没させられることもあるのでそこだけ注意していればどうにでもなると。
 やはりその辺の画一性は、難易度選択がない、という部分でも露骨であり、なまじ戦闘のプレイスタイルが魔導巧殻っぽい分、余計に色々とその違いを思って物足りなさを感じる向きもあったりするのです。そもそもからして賄賂とか足止めとか岩設置とか、まともに進めている限り使う必要性感じないんだもんなぁと。
 その辺やり込みシナリオのほうでは活躍するのかもですけど、そっちにCGとかシーンが用意されていない以上、このシステムで純粋に戦闘だけを楽しむ感じにはどうにもらないんですよね〜。まあそういうスタンスはこの作品に限ったことではないですが、とりわけシナリオにもシステムにも惹かれるものがない分余計に、ってなります。

 ともあれ、シナリオと連動しての多様性が薄く、特殊技能もわざわざ使う余地も少なく、ってあたりでイマイチゲームシステムとしても評価しにくいし、ましてそれが、どんどん敵が強くなり、出来ることも増えていくという1ルート的な構図でなく、ある程度強くすればそれでOK、ってのを6ルート分やり直す、という形なので余計に顕著であり、三人目くらいからの作業プレイ感は半端なかったと。。。
 実際慣れてきて効率を突き詰めると、1ルートのロウカオスを網羅するのに5時間くらいでなんとかなるし、プレイ時間はそれなりに蓄積されても作品のボリューム感と直結しないイメージは強くって、色んな意味で中途半端だったと思うのです。もう少し没入感や熱中度が高まる仕様であれば、そもそもこんな時期まで感想書けない状態で放置されないよね(笑)。
 そんな感じで、システムは9,5/15で採点しています。


 以上、全体として大きな物語性が薄く、システム的にもシナリオ的にも小さくまとまってしまっていて、素直に言えばあんまり面白くはなかったなー、という感じですね。無論一定以上は楽しめたけど、特にキャラに愛着を持ちにくい構図でもあり、ゲームシステムとしてのかったるさが目立っていた神ラブに比べても私個人としては面白くなく、それ以前のと比べれば尚更に、という感じですかね。


キャラ(18/20)

 そもそもキャラデザの時点でソーニャくらいしか可愛いと思えなかったのでそこから微妙ではあるのだけど、いざプレイしてみて思ったのは、基本的にまともな恋愛要素が組み込みにくいこういう構図においてはキャラに愛着って持ちにくいよね、という事で。
 大元の愛着が薄いから、そのキャラが時には凌辱されるというコントラストの中でも心が動かされる部分が少ないし、それぞれの成長やらにしても6人分に切り分けられている以上薄口なのはどうしようもなくて、その上にはっきり好きになれないキャラもいるわけでなんともなぁと。

 一応一番好きなのはソーニャにはなるけど、これもほぼ最初の見た目の印象とイコール、って感じではあるし、この子のルートがほぼ唯一恋愛的な要素を仄めかす部分はあれ、それも特異な生育環境がもたらす刷り込みに近しいものでもあって、純粋に魅力的、とまでは言い難いなと。
 アニエスもいいキャラではあるけれど、どうしてもこの舞台設定の中でその清廉さを徹底し切れない弱みもあるしなんとも。


CG(18/20)

 絵は基本的に安定しているし量もそれなり以上にあるのでとあえずは満足ですね。
 立ち絵に関してはこういうゲームなのでポーズ差分なんかはほぼないし割愛、強いて言うとソーニャのジト目はとても可愛いくらいか。

 1枚絵は全部で144枚と過去作と同等のボリューム、2枚ほど埋まってないんだけども多分資源アイコン選択時にランダムで出るイベントだと思うし、ラファエラとボルハだからまあいいかなと。。。シーン回想は全部埋まってますしね。
 特にお気に入りはソーニャの水浮かび、実にロリロリしく瑞々しい体躯にときめきますわ。
 その他お気に入りは、ルェアイ戦闘、イリエノカルモノ、ザハリオス、ヴェパルー水浴び、母と息子、ソーニャフェラ、対面座位、アニエス温泉、3Pソーニャ騎乗位、アニエス正常位、ソーニャとダモン、戦闘、波止場で、キス、ダモンの決意、朝焼けの下、アニエス正常位、ソーニャ愛撫、騎乗位、バック、アニエスと指輪、子供を守って、精霊との交流、財宝、団欒、植樹、幸せの一形態、ラファエラ絶命、ソーニャ産卵、背面屈曲位、ルェアイお仕置き、アルヴェドチェス、吸血、取り戻したもの、ソーニャ背面座位、バック、アニエス正常位、ソーニャ正常位、アニエス背面座位、立ちバック、エルフ正常位あたりですね。


BGM(16/20)

 悠久的で勇壮な楽曲が揃ってはいますが、ここも過去作に比べてみると微妙にスケールダウンしているというか、シナリオのスケールに合わせて今一歩物足りない感じではありますかね。
 ボーカル曲は2曲。
 OPの『desire hexagram』はいかにもエウらしい曲、といえばそうなんですが、全体的に今一歩調和がとれていないイメージもあり、個々のパートのメロディラインもそんなに好みじゃなくて総合的にあまり惹かれなかったなと。
 EDの『exseed way』もいつもの大河的な壮大さをちょっと欠いた当たり障りないつくりだなあ、ってのは、やはり6ルートもあってその合一的なED故のイメージの鮮烈さの足りなさかな、とも思えて、それでもサビなんかはOPよりは好きですけどやはりもう一歩。

 BGMは全部で28曲とまず水準ではあるけど、アイキャッチ的なものもそれなりにあるし過去作からしてももう少し欲しいところで、かつ戦闘シーンでの盛り上がりが少しばかり足りないかな、って感じはあって、まあゲーム内容のイメージに引きずられてるのはあるにせよ、普段は1〜2曲はその旋律でぐいぐい引っ張っていってくれるのがあるのに、というところ。
 お気に入りは『淡泊な瞳に映る一面の青碧』『舞い降りたる調停者の使命』『その絆の行方……』『伝承に謳われし地へ』『投げられし賽とその行方』『深淵に眠りし権勢』『円環の光は輝きを増して』あたりですね。


システム(9/10)

 まあ基本的にADVパートの演出は1枚絵頼りではあるし単調でもあるけれど、戦闘シーンの演出はそれなりにしっかりしているし見た目に楽しめる部分も多いので問題ないかなと。
 OPも錯綜する命運と信念の色合いがしっかり出ていて悪くないと思います。

 システム的にもそんなに使いにくいところはないし、操作性自体もそこまでは悪くない。強いて言うと策略使用の簡易操作とかショートカットがあるとより楽だったかなと思います。


総合(77/100)

 総プレイ時間40時間とちょっとかな。流石に一周目は12時間くらいかかったけど、操作に慣れて戦略が固定化してくるとかなり効率的に進められるようになるし、二人目以降は平均6時間弱で終わったイメージ。
 当然個別のシナリオとしても強さはないし、素材として面白くとも奥行きや整合性、舞台設定がもたらす説得性なども薄口になっていて、エウゲーの本領たる骨太さがないから、そこに浮き出る人間性の負の面も含めた多様さに対しての感情移入も薄くなってしまうのが残念なところ。

 バトルゲームそのものとしてもそこまで楽しめる奥行きや複雑さはなく単調で、キャラにも愛着を抱きにくい構図なので、正直個人的にはお勧めは出来ないなあというところ。色々欠点はあったにせよまだ前作のほうが一貫しての物語性とそこに付随するキャラの魅力はあったと思うし、なんとも迷走しているなあと。
 流石にちょっと来年は、余程見た目でキャラが好み過ぎるとか、体験版が楽しかったとかない限り、無条件で買います、とは言えなくなったかなぁ、神採りや魔導あたりのシナリオの重厚感とゲーム性の奥行き、中毒性を取り戻していただきたいのですが……。
posted by クローバー at 05:15| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: