2016年08月04日

千恋*万花

 初出の時点で芳乃に惚れ込むしかなかったし、体験版も面白かったので、今年の目玉としてとてもとても楽しみにしておりました。


シナリオ(23/30)

 天の配剤に導かれて。

 そこそこの都会で、ごくごく普通の学園生活を送っていた主人公は、ある春休み、母親に言われて母方の実家の旅館の手伝いの為に数年ぶりに穂織の地を訪れます。

 穂織。
 その地は近隣からイヌツキの地として敬遠され、それ故に長年独自の文化を発展、継承させてきました。
 良質の温泉が湧くことや、その特異な文化を目玉にした観光産業がそこそこ上手くあたり、今でもそれなりの繁栄を保ったままに独立独歩でここまでやってきたのです。

 やってきた初日に偶然幼馴染の芦花と出会った主人公は、そんな穂織の歴史を聞かされながら街を歩き、そして春祭りの目玉イベントとして行われる巫女姫の奉納の舞を見学して、その美しさに目を奪われます。
 しかしそれと同時に、巫女姫の頭に本来見えるはずのない獣耳が見えて驚いているところに、親戚の廉太郎や小春と再会、そしてこちらでの保護者になる祖父の玄十郎とも挨拶を交わして、そこで穂織観光のもう一つの目玉になっている御神刀イベントを目の当たりにします。

 それはこういうイベントにありがちな岩に刺さった刀を抜けるかというチャレンジで、今までに成功者がいないのもその神秘性を高めていました。
 その真実味を疑う主人公ですが、折角だからお前もやってみろと玄十郎に背を押され、軽い気分で刀に触れたところ、ほとんど力を入れていないのにポキッ、とその刀を折ってしまいます。
 その驚天動地の展開に、善後策がまとまるまで待機していろと言いつけられた主人公は、そこで不可思議な出会いをします。

 ふわふわと宙を漂う、幼い外見に時代ががった喋り方をする少女、ムラサメ。
 彼女は自身をその刀、叢雨丸の管理者だと名乗り、そして選ばれたものにしか自分の姿は見えず、決して誰にも触れることはできないと説明しますが、思わず伸ばした主人公の手はすり抜けることなくその身体の繊細な部分に触れてしまって。
 その事実にてんやわんやしているところで玄十郎が戻ってきて、この神社の神主である安晴と、その娘で当代の巫女姫を勤める芳乃を紹介されます。
 芳乃は数少ないムラサメの姿を見ることのできる存在であり、その認知によって主人公はこの現象が事実であると認めざるを得なくなり、同時にそんな曰くつきの刀の持ち主になってしまった重みをヒシヒシと感じはじめます。

 やんぬるかな、刀の持ち主となった主人公は、転校までしてこの地に留め置かれることとなり。
 更には芳乃の婚約者として遇するゆえに、この神社で暮らしてほしいと請願されます。
 もっとも婚約については当事者の芳乃の激しい反対があり、またその裏にある叢雨丸にまつわるより深刻そうな事実も開示されないままで、もやもやした気持ちを抱えつつ主人公はこの地での新たな生活をスタートさせます。

 安晴と、そして代々巫女姫に仕える家系に生まれ、朝武家の家事全般を任されている少女、茉子は主人公を歓待してくれますが、肝心要の芳乃の態度はどこまでも頑なで、なんとか突破口を見出そうとしても難しく。
 これからの日々に不安を抱きつつ境内の掃除を手伝っていると、子供が迷子になった母親が現れて、その失踪がこの地の呪いに違いないと口走るのを聞いてしまって。
 この土地そのものが忌み嫌われている現実に対して怒りを覚えた主人公は、その気持ちをぶつけるように子供の捜索に没頭し、陽が暮れるころに山の中に入っていき、そこで得体の知れない敵意を放つ黒い何かと遭遇します。
 問答無用で襲われた主人公は命からがら逃げだすものの、途中で足を滑らせて沢まで転がり落ちて意識を失ってしまいます。

 幸い刀を通じて主人公と繋がっているムラサメがすぐに発見し、助けを呼んでくれたので事なきを得たものの、結果として主人公は芳乃がひた隠しにしていようとしていた真実、すなわちこの地が未だに過去の呪いに縛られていて、実際にイヌツキの土地と揶揄されるだけの事実、穢れを纏った祟り神が度々生じ、その度ごとに当代の巫女姫に獣耳が生えるという事を改めて知らされます。
 その祟り神と対峙するのに、かつて妖を打ち破るために神から授けられた神刀である叢雨丸はとても有用ながら、ただ巻き込まれただけの主人公の身を案じ、芳乃は頑なに、それは自分が解決すべき問題と言い張り、主人公の介入を妨げようとしていたのです。

 けれど、主人公としても真実を知り、そして芳乃と茉子という少女がたった二人きり、あの漆黒の山の中で祟り神と日々対峙している事実に対し、指を銜えて安全なところから眺めているなどという卑怯な真似は出来なくて。
 次の祟り神が現出した日、恐怖に膝を震わせつつも主人公は二人の後を追って山に分け入り、そしてムラサメの力を借りて首尾よく、とまではいかないものの、なんとか祟り神を退けることに成功します。
 芳乃は噴飯するものの、主人公の頑なさ、真っ直ぐさに最後は折れ、かくして力を合わせてこの地を蝕む呪いと、腰を据えて対決していくことになるのでした。

 そのために予定通り転校もし、玄十郎からより強くなるために剣道の稽古をつけてもらって。
 留学生としてやってきたレナとも仲を深め、今まで周りに壁を作っていた芳乃や茉子もそんな日々の中で少しずつ柔らかくなり、それを確かな日常にするべく、彼らは一層に呪いの解決に力を注いでいきます。
 
 果たして穂織の地に蔓延る呪いの真実とは何なのか?
 それを解決するための糸口はどこにあるのか?
 ずっと呪いに縛られてきた少女たちが、その先に見る未来の姿とはどのようなものなのか?

 これは閉鎖された地の、どうしようもない因習、因業に苛まれてきた少女達を、外来人である主人公やレナが触媒となって明るく健やかな未来に導いていく、連綿と重ねられてきた宿縁がもたらす必然の運命と、そこで紡がれる尊い絆を描いた物語です。


 あらすじはこんなところですね。
 大枠としては、主人公の存在が鍵となっておおよそ共通の段階で跋扈する呪いを慰撫し、鎮めることには成功しますが、誰と関係を深めていくかによってその度合いも変化し、それがもたらす関係性や心境の変化の中でより深い絆を育みつつ、改めてそれぞれが向き合うべき過去に、呪いに対峙していくという流れになります。

 テキストは全体的にいつも通り軽快でノリも良く、キャラの個性を存分に生かした楽しいものに仕上がっています。
 舞台背景的にはこれは結構重たい話ではあるのですが、それを決して重過ぎないように、けど軽すぎもしないように繊細な匙加減で組み込んでいて、上手く読み口でメリハリをつけていると言えるでしょう。
 特段に文章として洗練されていたり、芳香があったりはしないですけれど、エロゲとして求められるお約束や文言は過不足なく組み込んで、安心して萌え転がれる出来ですし、特に本当にキャラの可愛さの引き出し方は素敵だなと思いますね。

 ルート構成は概ねオーソドックスなつくりですね。
 ヒロインの内面に踏み込むか否かの好感度選択と、複数ヒロインの中から誰の傍にいるかの選択を併用して、メインの四人はその両方を満たさないとルートに入れないという、必要最低限ではあるものの充分そのヒロインに心寄せているという感覚は伴うつくりにはなっていると思います。
 もっとも日々の触れ合いの中での温度差、距離感の違いはどうしてもある以上、特に距離の遠いレナあたりはより多くの選択で意識付けする、くらいの差異化はあっても良かったかなとは思いますが、まあそれは重箱の隅をつつくような話ではありますね。見方によっては、物質的な距離と精神的な距離を合算すれば横並び、と見做せるありようでもありますし。
 サブヒロインに関しては好感度選択を満たしていればOKで、いつも通りヒロイン一人クリア後にルートに入れるようになるようです。


 シナリオに関しては、まずやっぱりこの作品は舞台設定の特殊性と、それゆえのキャラの個性、その嚙み合わせがもたらす展開の紡ぎ方が非常に自然、かつ丁寧だな、と感じています。
 設定の時点で読み手の情感に強く訴えるだけの重さ、切なさを備えているし、そういう特殊な世界の中、更に特別な重荷を背負っていればこその心性のアンバランスさにも説得力があって、だからこそ切所での想いの吐露に迫真の彩りがあるので、その時点でひとつ成功が約束はされていると思えますね。

 その上でこの設定の特異なところは、本当にこの物語を導く流れが偶然の積み重なりで出来ている点ですね。
 結局のところこの呪いは、少なくとも百年以上前の時点で、穂織の内部の人間だけでは絶対に解決不可能な状況に変遷してしまっていて、よしんばその真実に肉薄しても決定打を得られない、という構図になっていて。
 解決するためには外来人である主人公とレナの存在が不可欠であり、それは陋習に翻弄される地に新風を吹き込む、という視座で語れると同時に、たまさか二人が同時期に穂織の地にやってくるという千載一遇の好機を引き寄せるのに、数百年単位でその呪いの拡散を防ぎ、不遇に耐え続けてきたという蓄積に対する神の恩寵があったのではないか、と思わせるつくりであり。

 本当に何ひとつたりとも欠片が足りていなかったら成し遂げられない道のり、というイメージを鮮烈に紡ぐ、その設定を不自然さなく綺麗にシナリオに組み込めているところは素晴らしいと思うし、それがまた人の業の様々な相を語らずとも鮮明に浮き彫りにしていて、中々に示唆に富んだ物語でもあると思います。
 余談ではあるけど、時折の授業シーンでも歴史のそういう局面をわざわざピックアップして語らせてたりするし、良くも悪くも過去があり、その中で生きた人の想いが連なって今を紡いでいるのだと感じさせますね。

 ただ、そういう背景的な部分はともかく、実際の骨組みとしては、ある程度共通で大まかには問題の解決に至っている場合がほとんどであり、大概はその残滓に影響を受けつつも、呪いがなくなって後の生き方を改めて模索していく、という部分に対する割合が多くなるので、全体的なダイナミズム、という点ではもう一歩踏み込みが足りなかったかな、と思う向きもありました。

 恋愛面に関しても、基本的な枠組みとしては、レナ以外の三人は基本的に共通で見せた主人公の男気と優しさを受けて、そりゃふつう惚れるだろう、って前提がある上で、けどそれぞれにそこまでの来し方が特殊故、自分が恋などしていいものか、という諦念じみた観念が心魂に沁みついていて、好きになっていることに気付けなくて。
 だからこそ主人公の方から気持ちを揺さぶっていかないと、自分からは未知に踏み込めず現状のままに自己完結してしまう、だから恋のライバル的な関係には絶対にならないというつくりなので、私なんかはむしろそれ、すごく甘酸っぱくも切なくていいな、と思う部分なんですけど、背景から文脈を捉えてないとその機微に多少わかりにくさはあるかもしれませんね。その意味でもストレートに恋愛してくれるレナルートが相対的に光って見える、というところもあるやも。

 またどうしてもルート毎に若干ながら整合性の部分で首を捻るところもあり、後は個人的な思い入れもあるけれど、やはりメインである芳乃に関してはもう少し多岐に渡る構成を組み込んで欲しかったな、という気はしますね。
 どうしてもヒロイン横並びの構図だと、他ルートのネタバレを避けるために、って部分で踏み込み切れないところは多くなるし、でもこの物語を総合的に見た時に、個別で取り扱うトピックがそのヒロインと向き合う合わないに関わらずいずれ噴出する問題ってのもそれなりにあり、それを先送りにして進めている部分も結構見受けられるので、その受け皿としてのグランド的な位置づけに芳乃ルートがあっても、と感じるところはありました。
 まあアレはアレで芳乃というヒロイン固有で見た時に、その純粋な想いを綺麗に反映してもいるから難しいところではあるのですけどね。

 ともかく大雑把な所感としてはそんな感じで、個別評価としてはレナ>芳乃>ムラサメ>茉子>>芦花=小春くらいとなるでしょうか。
 以下個々のシナリオについてネタバレ込みでそこそこ細かく見ていくので、白抜きにしておきます。

 まず全体の整合性として見た時に気になるのは、とりあえず呪いを鎮めての主人公の処遇に関する扱いですね。
 これに関しては茉子ルートの展開がちょっと違和感というか、他では基本的には朝武家にそのまま仮寓するのは良くない、という発想がまずあって、けど芳乃に想いを寄せていたり、或いはムラサメの懇願があって、というのが自然な流れで、それがないサブ二人のルートでは素直に引っ越ししてるわけですが、茉子ルートだけはムラサメが呪いの終息に一抹の不安を抱いていて、だったらしばらくは現状の生活を保つべき、という切り口で朝武家に居残る構図になっていて。

 ただ、そういう懸念があるならそもそもレナ以外の他のルートでもあって然るべきだし、それが前提になるならそもそも住処の問題は発生し得ないわけだから、そこでの思案を通じて想いに触れる、というフックも用い得ない、となってしまうわけで。
 まあその前提がない中で、茉子シナリオで朝武家に残る理由づけが難しい、ってのはあるだろうし、そのムラサメの懸念自体が茉子シナリオの仕掛けの伏線にもなっているわけだから扱いが難しいんですけれど、せめてムラサメが他のルートではそれを口にしない理由づけが明確に出来ていればな、と感じるところです。

 あともうひとつは、ムラサメシナリオでの町興し展開の性急さが、時系列的に考えたときに他との摺り合わせが難しいな、って感じます。
 このシナリオでは、穂織の観光産業の消沈が御神刀イベントがなくなってしまったこと、と位置付けているのですが、しかしその事象自体は共通で確実に発生する、というか発生しなくちゃこの物語自体がはじまらない事案ですから、そこから波及する現象はどのルートでも共通する外的要因と見做すことが出来ます。

 でも、このシナリオではかなり逼迫した雰囲気を醸している割に、他ではその気配をほとんど感じさせないのはやっぱり違和感にはなってしまって、まあ自分達の問題でバタバタしている内はそれが目に入らない、という言い訳は立つものの、特に芳乃シナリオあたりではその辺をフォローするだけの懐の深さがあって欲しかったな、というのが正直なところですね。
 そして、話の前提からして違う、という特殊性はあるものの、それ故にしっかり全体の整合性の部分でも配慮が行き届いていて、かつダイナミズムも高い、という意味で、やはりレナシナリオが一番出来がいいな、と私は思うわけです。

 ただそっちは後回しにして、下から順に個別を見ていくと、まず芦花と小春は、朝武家を出た主人公がこれからの生き方を考える中で田心屋で働くという選択をし、店を盛り立てていく中でそのひたむきさ、誠実さに二人が同時にやられていく、という流れ自体はわかりやすいし、こういうバイト奮闘記みたいな話は結構好きです。
 けどその結果として三角関係になって、改めてどちらか選ばなくちゃいけない、ってのは中々に切ないものはあり、個人的にはどうしたって小春のほうが可愛い、って思うので、それを振り切って芦花を選ぶのはなんとも苦渋感があるというか(笑)。
 恋人になって以降は特に問題もなくイチャラブして終わりですし、サブとしてはそれなりに尺もシーン数も確保されているけれど、ムラサメルートではあんなに閑古鳥が鳴いていた田心屋なのに、ただ一店舗としての営業努力だけでこんなに賑わってていいの?的な整合性の部分も含めて特に感じ入るところはない話ではありましたね。

 次に茉子に関しては、やはりシナリオとしては話の取っ掛かりの部分で、他のルートの流れを無視して都合のいい流れを組み込んでしまっている、という狡さがまず先立つのと、後はどうしても茉子の精神性が変遷していく過程を、内面での獣との対話を通じ、改めて自己確認する形でばかり綴ってしまっているのは、ダイナミズムにも欠けるし単調でもあるかなと思います。
 ただ上でも触れたように、穂織という特殊な街で、特殊な任を帯びて自己を殺し続けてきた少女故の頑なさ、自信のなさ、臆病さという部分は明確に表立たせつつ、けどそのネガティヴさを個性の上でマイナスに見せない匙加減は見事だったなと思うし、主人公も押しが強くてかっこいいしね。。。

 だからこそ少しは、現実の中での触れ合いから直接心情の変化をもたらす気付きを得る構図はあってもいいかな、と思えたし、ラストの展開にしても伏線は引いてるとはいえ安直と言えばそうで、その葛藤の中で見せる茉子の辿り着いた茉子らしさ、ってのは確かに尊くはあるけれど、もうちょっと見せ方を重々しくしてくれればなお良かったな、って気はしてます。
 でも本当に、他ルートでは一歩引いて客観的なバランサーとして絶妙な活躍を見せてくれる茉子だけに、自分のルートでのあわあわっぷり、愛らしさのギャップは鮮烈で、プレイ中で一番好感度が上がったのは間違いないですね。まあラッキースケベ多過ぎだろ!とは思うけど。。。

 ムラサメシナリオに関しては、単体として見た時にはいい話なんだけど、全体との兼ね合いで考えると難しさが多いな、ってのはありますね。
 このルートだと完全に呪い自体は影を潜めていて、あくまでも主人公とムラサメの関係性の変化と、それがもたらすムラサメの真実を発端とし、並行して発生する街の財政の逼迫をどうにかするための手段と繋がっていって、という構図そのものは綺麗に組み上がっているなと思います。
 またその中で、ムラサメが抱える五百年の孤独の重さもしっかり繰り返して見せてくれるし、それでも、とその慚愧を、後悔を、悲しみを乗り越えて共に在りたいと思うだけの関係の蓄積もあり、それを為すための試練として情緒的な面での盛り上がりもしっかり担保されていて、素敵な話ではあるしムラサメは本当に可愛いのです。

 ただやはりこの話に関してはある程度外的要因が幅を利かせていて、街の財政問題もそうだけど、ムラサメの処遇問題にしてもいずれ他ルートでも露呈してくることは疑いないところで。
 でもムラサメの精神性を前向きにするのに、主人公のどれだけの愛と献身を必要としたのか、ってこのルートをハードルにしてしまうと、果たして他ルートですんなり人としての幸せを取り戻す選択をしてくれるの?って思う部分はあり、いい意味でも悪い意味でも突き抜け過ぎている、という気はしちゃうんですね。
 そしてレナシナリオ以外ではその辺のフォローを感じさせないで終わってしまうつくりだし、それが勿体ないなとは思うわけです。

 芳乃シナリオに関しては流石にメインヒロインだけにとても丁寧で細やかなつくりではあり、茉子以上に複雑怪奇な心情をひとつひとつ優しくほぐしていきながら、その想いに向き合っていく過程は本当に素敵で、芳乃という子の抱えてきた辛さ、悲しみ、申し訳なさに共鳴しつつ、その先にある人を好きになる気持ち、自分の想いが誰かを傷つけることはない、という安らぎにしみじみ浸れる構図になっています。
 プレイ前の予想では芳乃が一番過去の真実に肉薄し関わりも深いルートになるのかなと思ったんですが、実際のところはそれはレナシナリオに大半が委ねられ、過去の全貌はほぼそちらで明らかになる中、そちらでフォーカスされずに、けど確かにあるはずの呪いがピンポイントでピックアップされている形であり、しかしアレだね、本当にこの長男屑過ぎるよね(笑)。
 まあ長子相続が当然、という気風の時代故に放蕩程度で、という言い分はあるのかもだけど、基本逆恨みのオンパレードだし、その自分の呪いの為に余計な呪いまで付随させ、混在させてより解決を困難にしてくれていて本当にはた迷惑この上ないというべきか。

 結局のところ獣耳の呪いと短命女系の呪いは別個の思惑から来ていて、しかし混在して境界線が失われていたのを、欠片を集めて獣の意識を明晰にすることで分離させることに成功し、けど長男の呪いは残留思念として主人公の中に残り、芳乃と触れ合わなければ自然に消滅していた、というフレームはなるほど、と納得のいくところです。
 だからその最後の、そしてより切実な呪いに対峙せざるを得なくなる、そこで芳乃がそこまでで得た強さ、前向きさと絆が力になるという構図は美しくていいんですが、惜しいのはこの山場が中盤にある、という部分かなと。

 それを乗り越えてこそ、本当の意味で心から安心して結ばれることが出来る、というのは確かにあるわけだし、その心も身体も繋がることで得る想いが、かつての母親の真情を忖度する成長を促すのも綺麗な話ではあるけれど、そこに焦点を集め過ぎて終盤話がこじんまりとしてしまう、ってのはどうしてもあったなあと。
 無論その分だけ濃密にイチャラブを堪能できて満足、って側面もあるんですけど、やはり贅沢を言うならば、獣側の呪いの裏側にある想いにも触れ、それを受けて祭祀の在り方や、その継続のための街の隆盛への意識をも内包して、かつムラサメの処遇にも一定の安心感ある経緯を紡ぐ、くらいのふくよかさはあっても良かったのでは?と思うんですよねぇ。まあ確かにそれ全部組み込むと長くなりすぎるけど。。。

 でもやっぱりメインヒロインの面目躍如、といきたいなら、固有の問題にのみ拘泥せず、呪いがもたらした様々な負の影響をより総合的に払拭して、街、という括りで幸せを希求していく流れは見せてもいいと思うんですよね。実際的な対処はその他個々のルートに任せて、イメージを孕ませるだけでもいいわけですし、むしろその上であの最後のシーンがある、って方がより素敵だった気はするのですね。

 この二人にとって、どれだけもう呪いはない、と信じていても、子供が生まれてみるまで一握の不安を完全に払拭は出来なかっただろう、というのは想像に難くないところで、男の子が生まれる、或いは二人目が生まれるという事実のみがその懸念を打ち砕くことのできる唯一の方法なのは確かだから、芳乃ルートのフィナーレとして相応しいシーンなのは間違いはないのです。
 ただやはりそれは、単なる芳乃と主人公二人の幸せ、というだけでなく、穂織という土地そのものにもたらされた祝福であり、輝かしい未来を約束する徴であって、そしてそれを為すのにただ一つの欠けも許されなかった、という前提を踏まえれば、そこに関わった全てが幸福を享受する枠組みを示唆する流れはあった方が良かったよね、と、本当に贅沢な話ではありますが思わざるを得なかったんですね。
 少なくともそれが多少なりとも出来ていたなら、シナリオとしても当然レナの上を行ったと思うのですが、盛り上がりのピークが中盤で、そこから物語が縮こまってしまったように思える分だけ評価を下げた形です。

 んでレナシナリオに関しては、キャラとしての思い入れは一番薄い、また物語的にも背景に余計な重い物は背負ってない、という中で評価の難しいところはあるのですが、しかしその立ち位置故に示せる健全で前向きな精神性の輝き、そしてシナリオ構造がもたらす継続的なダイナミズムと、読み手の感情を揺さぶる表現力の高さが絶妙に噛み合っていて、かつ他ルートとの整合性でも問題なく、総合的に幸福な未来の構図を仄めかせてもいて、その辺で一番高く評価すべきだろうと。

 まずレナと主人公の距離感が近いことで、最後の決戦の際にレナが直接的に関与してくる、それが獣の魂の優先順位に狂いを生じさせて、結果的に呪いを鎮められたのかはっきりしない曖昧な状況の組み立てがまず中々適確だなと。
 後々見えてくる事実から、その展開が必然であったことは担保されるし、レナという存在がそこにいてこそ起こり得る可能性だというのを明確にしていて、その点他との整合性を問題にする必要がないのが大きな特色になっています。

 欠片の共鳴という事象と並行して進展していく恋愛模様もこの二人らしく、多少はもどかしくも明るく楽しい彩になっていて、想いが繋がる毎により欠片の記憶の深層に肉薄していくというのも、その欠片に宿る想いを知ればなるほど、と思わせるところです。
 最後まで呪いが完全に解決に至っていない、という緊迫感を保ちつつもバランスよくイベントを配置しているし、そこにも穂織の外から来た存在ならではの味わいを沢山組み込んでいて、他ヒロインを絡めてのやり取りとかも非常に楽しい。サルミアッキとかすごく笑えるし、お泊り会とか本当にほっこりしますよねー。茉子の気配り達人っぷりと、芳乃の愛らしさがまた素敵なんですわこのルートは。

 その上でようやく見えてきた呪いの陰にある悲しい真実に触れて、その想いに報いるためにも完全に祟りを払拭し、かつそういう事実があったことを決して忘れないように、祭祀という形で継承していくというつくりは、芳乃シナリオでは終盤置き去りにされていた街と人との繋がりの中で導かれる幸福のありよう、というのをしっかり仄めかせているし、その補助線の中で、やがて芳乃やムラサメにも大きな変化があったと示唆しているのは、街の発展、という部分も含めて色々な事が上手く回っているイメージを植え付けてくれていて。

 当然これはレナルートである以上、それは含み程度であり、結末としてもよりこのルートで具体化した流れに沿って、ではありますが、少なくとも他のルートよりより広範な幸せが紡がれている世界、という雰囲気が滲み出ていますし、タイトルである千恋万花という文言が綺麗に嵌っている、確かにそこには万の花が咲いていると思わせてくれるわけです。
 まあキャラへの愛着を乗り越えて読み手を捻じ伏せひれ伏せさせるほどの力強さは流石にないし、正直このレベルのシナリオを茉子か芳乃でやってくれていたらあと2点くらいつけたんじゃないかなー、って思う向きはあるのだけど、それは本当に私の超個人的な問題ですし、少なくともレナシナリオは充分名作と呼んでいい出来なのではないかと思います。

 だからこそ、繰り返しになるけれど同じくらいのふくよかな余韻を芳乃シナリオでも味わえれば言う事はなかったのに、ってなるわけですねー。
 無論その辺は人それぞれ考え方の違いがあるでしょうし、あれだけ重い苦難を背負い続けた子なんだから、一人の女の子としての幸せをとことん突き詰める構図に文句なし、って言う人もいるでしょうけど、私としては別により広範な視座を組み込んだところでその幸せの純度が薄まることはない、むしろ両立し、絡まり合うことで相乗的に高まるんじゃないかと感じられるので、決して芳乃個人の幸せを蔑ろにしているつもりはないのですよ、と最後に断っておいて、まとめに変えたいと思います。



キャラ(20/20)

 キャラに関してはいつもながら非常に細やかで奥深く、それでいてきっちりお約束も踏襲した素晴らしい魅力を感じさせてくれますね。
 ヒロインのみならず周りの大人の善良さ、温かさも含めて素敵な世界観を紡いでくれていますし、今回は珍しく背景の部分ではどうしうよもない悪性も孕んだ人間模様、業の有様を示唆はしているけれど、でもそれを怨みの連鎖とせずに受け止め、慰撫しようというヒロイン側の崇高な精神性をより鮮明に見せる仕掛けとして綺麗に嵌っているとは思います。

 一番好きなのはやっぱり終わってみても芳乃、である事には違いないですね。
 誠実で純真で心優しい素敵な子ではあるけれど、生まれ育った環境が紡ぐ頑なさや視野の狭さ、達観と稚さのアンバランスなど欠点と言える部分も多く、しかし舞台背景が綿密にしっかり組まれているおかげでそれが概ね可愛げに、愛嬌に転化されているのが素晴らしいところです。
 その上でどのルートでもある程度は呪いの解消を受けて人としての成熟を見せてくれるし、けど並行して年頃の女の子らしい快活さや愛らしさ、世間知らずで来たゆえの純粋さや反応のおかしみを堪能させてくれて、そういう複層的な精神性を絶妙なCV力で表現してくれているからもう可愛くて可愛くて仕方ない、って感じですねー。

 そして当然恋人モードになった時の甘えっぷりや悶えっぷりの可愛さはそれを更に凌駕する核爆弾級の威力を誇っていて、心から幸せにしてあげたい、幸せになって欲しい子だなーと感じ入るところ大ですねぇ。特にアレだ、何やってんだろ、何やってんだろー!が可愛過ぎて死んだ。マジ破壊神級の可愛さですよもう。
 ほんっとに強いていうなら、個別ルートでのシナリオ補正がもう一歩足りなかったなあ、ってところで、自身の幸せをあまねく周りに還元し、循環させてよりふくよかなものとして携えていく、そんな仕掛けがあれば最上級に近いところまで押し上がったんですけどもねと。
 実質的にはもう最初から殿堂確定クラスの愛着はあったし、伸び幅という意味では期待にほんのわずか届かなかったというところで、でも心から愛してます。。。

 それとは逆に、というほどではないけれど、プレイして一番好きになった度合いが大きかったのは茉子ですね。サノバに続いて一作品から二人殿堂出すか、迷うレベルで大好きになりました。
 総合的に見た時に非常に気配り上手というか、中和剤的というか、さりげない優しさで背を押してくれたり、支えてくれたり、そういう在り方が骨身に沁みついている、という前提を踏まえればそれが文句なしの美点か、と言い切っていいかは迷うところであれ、どの場面でもごく自然に明るく爽やかで清々しく、細やかな心配りでほっと安らがせてくれて、レナとは違う意味でムードメーカーではあったんじゃないかなと。

 だからこそ、いざ自分が恋の矢面に立った時の反応のギャップが物凄く可愛いし、いざ葛藤を克服して恋愛モードに入れば、芳乃を凌駕するほどの真っ直ぐな思慕を、甘えっぷりを発揮してくれて、こちらもまたCVが素晴らしいのもあってほんっとうに可愛くて可愛くてたまりませんでしたねー。
 まああと芳乃に比べると健康的な色気が真っ当に出ているというか、芳乃は反応までが純真に染まっている感じでえっちぃシーンでも可愛いが先に立つんだけど、茉子はしっかりエロ可愛くてグッとくるシーンが多くて満足です。特にくっ殺忍者プレイ最高に大好きです!!!
 余談だけど芳乃は折角私服でも制服でも黒スト着用なのに、それを生かしたシーンがひとつしかなかったのが残念でしたねぇ。というかあのアフターで、この作品プレイ中最大に廉太郎の株が上がったことは言うに待たない(笑)。

 ともかく二人ともに可愛過ぎたせいで、二人分の台詞を一切余すことなく全部聴くプレイになってしまって、それで本当にいつも以上に時間がかかってしまったんですけれど、でも幸せな時間でしたのでモーマンタイ。挙句にお気に入りボイス登録機能なんて素敵なものがあるから、山ほど二人の声を登録しては再生して萌え転がっていたりしてたんだからもうつける薬はないね(笑)。
 特に茉子の「あは」の汎用性の高さには脱帽でした。この「あは」のイントネーションだけでどれだけの機微を表現してくれているのか、書くのも演じるのも実にGJでした。その中でもにんまり、って空気を醸す「あは」が大好きです!

 と、二人分で充分書き過ぎたけど、でもムラサメちゃんとて相当に可愛いんですよねぇこれが。
 どっちかというと主人公は礼儀正しくて、悪く言えば芳乃とも茉子とも、恋人にならない限りどこか余所余所しさが残るんだけど、ムラサメとのやり取りではそういうのがほぼ一切なくて本当に仲良し、って感じの口喧嘩、触れ合いじゃれ合いが凄く楽しかったですし、こういうロリババア的な立ち位置のキャラにしてはストレートに愛らしさが強く表に出ていて良かったなあと。
 その分恋人になってのギャップこそそこまで強くはなかったけど、この屈託ない愛らしさは本当に素敵だったし、贅沢を言えばこの子の声も全部聴いてあげたかったよ。。。

 レナも充分に好きなんだけど、この強力過ぎるヒロイン陣に入るとやっぱり一枚落ちる、ってのは、まあ造形的にも立ち位置的にも仕方ない部分はあるでしょうよ。
 だけど本当に程よく外人らしい真っ直ぐさ、押し出しの強さとネアカっぷりを発揮してくれて、話の潤滑剤としても重宝する感じでしたし、加えて本当に健やかで善良だからこそ、打算なくみんなの幸せの為に頑張れる素敵な子で、シナリオ的にも文句ないところだったし元からレナ好きな人には大勝利ー、って感じではないかと思います。

 小春も普通に可愛かったし、個人的に思い入れる要素もあって良かったです。芦花も素敵なお姉さん枠で守備範囲としては微妙だけど、色々抜けているところもあって憎めないキャラでしたね。
 男キャラではやっぱり爺ちゃんこと玄十郎の存在感が群を抜いていた気がしますね。厳しくも優しく、常に背筋を伸ばして進むべき道を照らし、支えてくれている感じで、こういう歳の取り方を出来たら素敵だよなあと思わせてくれるキャラでした。


CG(20/20)

 今回はいつものむりこぶさんに加えて新規に絵師さんが加わってて、まあ正直その分だけ完成度というか総合的な印象で落ちる部分はあるけれど、それとて別に比較対象が悪いだけでダメってことはなく、トータルで見た時に減点するほどの必要性は感じないかなあと。いつもながら本当に可愛くて可愛くて最高でした。

 立ち絵に関してはいつも通り必要なものはしっかり揃えてかなり豊富だったと思いますし、出来も素晴らしいですね。今回は特に和装がメインの中で、単純に流行を取り入れたりとかは難しい中でも、風雅でありつつ可愛らしさも感じさせるバランス感は流石だなあと。

 ポーズはヒロインが2種類にサブは1種類、それぞれに腕差分もありますが、ポーズだけで見た時にはそこまで派手さはなく、それでも各々の個性をしっかり引き出す可愛らしいボースが多くて素敵ですね。
 特にお気に入りは芳乃正面指合わせ、私やっぱりこの胸前で指を組むポーズめっちゃ好きなんですよねぇ。すごく楚々としていて愛らしくて最高でした。
 その他お気に入りは芳乃やや右、茉子正面、やや右、ムラサメ正面、やや右、レナやや左、正面、小春正面、芦花やや右くらいですね。

 服飾はかなり小物差分や髪型差分が多いので登録数はかなりですけど、ベース的にはヒロインで4種類、サブで2種類ってとこですね。でもどれもデザインが繊細で流麗でとても素敵だし、らしさも出ていて良かったと思います。
 特に好きなのは芳乃の巫女服正装とムラサメの寝間着かな。やっぱりあの正装の艶やかさと厳粛さを備えた雰囲気は素晴らしいです。ムラサメも昔ながらの夜着、ってイメージの中に愛らしさを存分に振り撒いていて超好き。
 その他お気に入りは芳乃制服、私服、寝間着、茉子制服、私服、デート服、忍者服、ムラサメ神使服、制服、私服、レナ制服、仕事服、和着、小春給仕服、私服、芦花私服あたりですね。

 表情差分はいつもながら膨大な差分量で、オプションまで加えると更に膨らむので一々精査してられないくらいですが、しかしどれもこれも本当に可愛いので見ているだけでも幸せになれますね。
 特にお気に入りは芳乃正面ニッコリ笑顔、照れ慌て、茉子正面ジト目への字口赤面に右向ききょとんあたりですな。まあこの二人は何もかも可愛いんだけど、その中でも特にインパクトが強かった&すごくらしさを感じさせたのがこのあたりですねと。
 その他お気に入りは、芳乃と茉子はもう全部にしといてください(笑)、ムラサメ笑顔、拗ね、照れ困り、怒り、眉潜め、ジト目、快活、半泣き、レナ笑顔、驚き、照れ微笑、拗ね、怒り、困惑、小春笑顔、焦り、照れ目逸らし、ジト目、芦花笑顔、ジト目、膨れあたりでしょうかね。


 1枚絵は通常が93枚、SDが30枚で計123枚ですね。
 ややSD比率が高いけど、SDもピコピコ動く仕様で抜群に可愛いし、そもそもハッパーですから通常分だけでも水準には足りてますから豪勢な話ではありますね。小春だけ違う人でやっぱり多少違和感はあるけれど、総合的にはやはり圧倒的な安定感と出来の良さで、今回は解像度も上がったので余計に素敵に感じましたねー。

 特にお気に入りは7枚。
 1枚目は芳乃添い寝、この清楚な色気と目を覚ました時の慌てぶりの愛らしさのギャップが破壊力ありすぎます。
 2枚目は芳乃対面座位、芳乃の小柄で華奢な雰囲気が良く伝わる構図でボディラインも超美しく、後は蕩けた表情の絶妙な表現が最高に好きですねる
 3枚目は芳乃寝間着バック、釣鐘になってる胸の艶めかしさがとてもいいのと、ここも表情がとても色っぽくて好き。
 4枚目は茉子壁ドン、このとりどりの表情が本当に可愛くて、特に顎クイでギュッと目を閉じて照れ死にしそうになってる感じが物凄いツボでした。
 5枚目は茉子くっ殺忍者立位、正直シチュもいいけど絵の質としてもこれが一番好きかも、ってくらい好きで、特に胸のラインときゅうっと縮こまる足指の描き方が物凄い好きです。
 6枚目はムラサメと登校、まあストレートにこの屈託ない笑顔は反則だろ、って可愛さで、境涯を踏まえると本当に心に響くなあと。
 7枚目はムラサメ騎乗位、ちっさい子のペタン腰騎乗位の愛らしさは素晴らしいですねぇやっぱり。

 その他お気に入りは、…………いやまあ、メインのヒロインに関してはむしろ気に入らないの探す方が難しいわけで字数節約でほぼ全部ってことにしといてください。。。
 ちなみに小春は、おやつ、フェラ、愛撫、正常位、登校、騎乗位あたりは可愛いなって思います。特に正常位はボディライン、特に胸の慎ましやかな曲線が素晴らしくて、ちょっと特に、に入れてもいいかも、って思ったくらいには好みでした。
 SDも基本的には全部可愛いし、特に寝起き芳乃、あーんムラサメ、すりすり茉子あたりは垂涎の可愛さでしたね。

 ただ今回敢えて不満を述べるとしたら、Hシーンの体位がバック多めじゃありません?ってあたりで、まあ色々流れもあるだろうけど、衣装チョイスも含めてもう一歩好みにバッチリ嵌るのが少なかったですの。やっぱりちっちゃい子には背面座位が欲しいですのよ。まあくっ殺が相当にツボだったのでそれだけでも結構満足ではありますが。。。
 そして田心屋に沙々羅が大概いつもいて、母親と一緒という情景も込みでとても和みました(笑)。他にもどっかに過去ヒロインいたのかなぁ?


BGM(19/20)

 今回は和のテイストが強めで、特に三味線を多用しての曲作りって感じで、これまであまりガツンと嵌ることのなかったゆず音楽ですけど、これはかなり好みの曲も多く、ボーカル的にも普段よりはかなり好きで、質量ともに満足の出来でした。
 まあ厳密に言うと、この作品関連で一番好きなのは芳乃のキャラソンの『とおりゃんせ〜甘美風来』だったりしますが、一応それは抜きで採点してます。そもそもそれ以外のキャラソン買ってないし。。。でもどうしてもとおりゃんせのインストverも素晴らしいな、と思い入れ含みで加点はしちゃうので、その辺は御寛恕のほどを。

 ボーカル曲は7曲。
 OPの『恋ひ恋う縁』は名曲ですね。疾走感と軽やかさの中にさやかに切なさを滲ませながら、それでも前向きに進むイメージが綺麗に投影された耳障りのいい曲で、Bメロからサビへの渡りの部分の余韻が特に気に入ってます。歌詞も素敵ですし是非覚えなくては。
 EDはヒロインごとにあるのですが、今回は全体的にかなりいい出来だったなと思いますね。それぞれのシナリオの内容を踏まえて雰囲気に嵌った曲になっているし、曲そのものとしても『ふたりで』『ふたつの影』『GIFT』あたりはかなり好きです。因果な事に何故かEDとしては芳乃の曲が一番好きじゃなかったりする。。。

 BGMは全部で46曲、まあインストがかなり多いとはいえ水準は楽々クリアしているし、今回はやはりBGMも和のイメージにかなり統一感を出していてすごく耳に優しく馴染む曲が多かったなと思います。
 特にお気に入りは2曲。
 といっても『とおりゃんせ〜甘美風来(instver)』を含めていいのかは迷うところだったんですが、やはりこの旋律の風雅さ、かそけき美しさは素晴らしいなと思うし、スローテンポで爪弾かれる三味線とピアノの琴瑟相和する雰囲気もとてもとても好きなので敢えてピックアップ。
 『決意』はわかりやすく終盤の盛り上がりを底上げしてくれる重厚で伸びやかな曲で、特に後半部分からの澄み切った意思のきらめきを思わせる旋律は素敵でした。

 その他お気に入りは『今昔の街』『本日は晴天なり』『くつろぎの間』『和気藹々』『輝きの瞬間』『花鳥風月』『茉子の日常(quiet)』『Bluesky(inst)』『明鏡止水』『運命(さだめ)』『祟り神』『何も見えない』『朧』『神様の祝福』『縁結び』『身も心も』あたりですね。


システム(10/10)

 演出はいつもながら盤石の出来ですね。
 圧倒的な素材量で躍動感満点にキャラがコロコロ表情を変えて動きまくるし、画面効果もしっかり効果的に使ってすごくシーンをイメージしやすく作られています。SDもコロコロ動くし、1枚絵も差分が沢山動くし、特殊なシステムを使わない中ではやはり最高峰クラスの仕上がりだろうと。
 ムービーも影絵のようなイメージからキャラを滲ませる見せ方はすごく作風と曲に噛み合っていて、やっぱり後半のアニメーションってそこまで必要かなあと思う向きもないではないけど(笑)、全体的に綺麗に纏まったいい出来だと思います。

 システムもこれまた盤石。
 現状考え得る最大級に細やかな設定が出来ると思うし、それだけ項目があってもごちゃっとせず使いやすくて素晴らしいですね。今回は解像度もFULLHD採用だそうで、正直解像度の差を今まで目で判別出来たためしのない私だったんですが(笑)、今回普通のと比べて起動してみてああなるほどね、と思わせてくれました。確かにかなり鮮明さが違うんですねこれ。
 まあごくたまーに、メモリ確保できない、とかで再起動させられる時があったけど、それもこっちの問題と言えばそうだし、すぐリスタートされるから困るって程でもなかったですしね。


総合(92/100)

 総プレイ時間は29時間くらい。共通6時間、芳乃と茉子が6時間、ムラサメとレナが4時間くらいでサブは二人で3時間くらい。まあ普段通りのペースで声聞き流してたら−5〜6時間だと思いますが、それでもそこそこのボリュームではあったと思います。

 作品としては非常に総合力が高い中で、とても無難に綺麗に物語をまとめている、という感じで、やはり贅沢を言うとヒロイン横並びに戻しての冒険的なつくりではない故に、突き抜けた部分はなかったかなという感じ。
 でも本当にヒロインは可愛くて可愛くて、いつまでもこの時空に留まっていたい誘惑にかられること夥しく、期待通りの楽しみは提供していただけたと思います。伝奇もの、バトルものとして考えると多少弱いですけど、まあ基本はキャラ萌えですし、そこを揺るがさずに破綻なく纏め切っていて、満遍なく誰もが楽しめる仕上がりだと思いますね。
posted by クローバー at 07:04| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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