2016年08月16日

少女マイノリティ

 正直この恋。がかなりイマイチだったし、ライン的にも実用重視なのはわかってるからどうかな?と思ってはいたんですけれど、キャラデザがえらく可愛く、特に結がすごく好きになってしまったので、色々嫌〜な予感はありつつも購入。


シナリオ(14/30)

 一段と薄っぺらい。

 主人公は学生の身でありながら、病気の父親の代理を務めるべくその職場がある下中沢にやってきました。
 明日から仕事、というある日、夜の散策に出ていた主人公は、温泉街近くの橋で少女が飛び降り自殺をしようとしているのを目撃し、それをなんとか思いとどまらせますが、しかし自暴自棄になっている少女に強引に旅館に引き込まれ、名も知らない相手と、しかも初めての相手と行きずりのセックスをしてしまいます。

 次の日仕事場に出勤して、はじめてその仕事の内容が高名なデザイナーの秘書であることを知った主人公は、そのデザイナーがなんと、昨日身体を重ねた少女であることを知り驚愕します。
 慣れない仕事に四苦八苦し、デザイナーの卵である綾子などに励まされながら、それでもなんとか早いうちに昨日の出来事を謝りたい、と思った主人公ですが、その少女・凪咲の寝室を訪れる機会を捉えて謝罪すれば冷笑が返ってきて。
 そこからまたなし崩しに身体の関係を持ち掛けられ、半年前に最愛の彼女と別れてから空虚さを抱き続けてきた主人公は、凪咲の自棄ばちなありようの中に似通った寂しさを見出したか、或いは人肌の温もりに飢えていたか、とにかくそのまま流されてしまって。

 こうして凪咲の秘書として働き、時に凪咲のストレス解消のための愛のないセックスを繰り返すかたわら、学生でもある凪咲の供として学園にも通うようになった主人公ですが、そこで皮肉な再会が待っていました。
 なんと、半年前によんどころない事情が重なって、互いに好きなままに別れを告げざるを得なかった恋人の結が、この学園に通っていたのです。
 互いにこの再会を喜び、特に結はそれを運命の導きであるかのように思って、今度は自分からアプローチを、と彼女なりに積極的に関係の修復を望んできて。
 それを嬉しく思う気持ちもありながら、しかし主人公は凪咲と身体を重ねている事や、その都度に少しずつ凪咲への想いが募っていることを自覚しており、それが結に対する裏切りに思えて中々その関係を元に戻す決断が出来ません。

 それでも、凪咲には婚約者がいる、という話を聞き、自分が何をしてあげられるわけでもない、と無理に踏ん切りをつけようと、いったんは結とよりを戻すことに首を縦に振りますが、奇しくもその日、学園に現れないはずの凪咲が屋上で一人涙を流しているところを目撃してしまって。
 言葉にならない激情に押し流されるように、主人公は凪咲の身体を貪り、やがて凪咲もそれに積極的に応えてきて。
 そしてその決定的なシーンを、一緒に帰る約束をしていたのにやってこない主人公を不審に思った結に目撃されてしまうのです。

 果たしてドロドロにもつれた関係の中から、主人公は、ヒロイン達は本当の気持ちを見出すことが出来るのか?
 凪咲を苦しめる運命とはいったいどのようなものなのか?
 これは恋の過ちがもたらす悲嘆と後悔の中で、それでも進むべき道を、本当の愛を手繰っていく背徳の物語です。


 あらすじはこんなものでしょうか。
 基本的には三角関係のもつれの中で、根本的な主人公の気持ちはほぼ固まってはいるものの、どうしても状況や柵に流されて泥沼に踏み込んでいき、けど自分を見つめ直すことでその先の光明を見出す、という流れにはなります。

 テキスト的には前作のアクティビティより更に簡素ですね。
 それなりに服飾関係の話柄については掘り下げた部分もありますが、人間関係や都度の心情、それぞれの背景などの言及はかなり少なく、あくまでも肉体関係を前提とした繋がり、ってのが重視されていて、そういう背徳感を楽しむ、という視座では悪くないのでしょうが、やはり個人的には食い足りなさの方が強いかなと。

 ルート構成は、最初は綾子と結が攻略可能で、二人クリアすると凪咲に進める仕様みたいです。
 正直これ自体はかなり残酷なロックというか、前二人のシナリオがまごうことなきバッドエンドであることを踏まえると辛いところではあります。まあ一貫性はあるのだけどあまりに救いがないし、もう少しシナリオ面含めて工夫は欲しかったなと切に思う次第。

 んでそのシナリオに関しては、アクティビティに比べても薄っぺらい、と言わざるを得ないです。
 あれは少なくともそういう退廃的な関係性を築いてしまうに足る過去をそれなりにきちんと持たせていたし、その上でダブルヒロインそれぞれに綺麗な着地点は用意されていて、全般的な肉付けの薄さに辟易したのはあれ骨組みとしては決して悪くはありませんでした。

 が、今作はその骨組みからしてかなり雑であり、心理的背景についても最低限はあるけど踏み込んだ部分はなく、より一層実用的な方向に近づいているのと同時に、完全に凪咲を単独のメインヒロインとして扱う構造でもあって、結好きの私としては感涙せざるを得ない構成でした。
 その上でせめて凪咲のシナリオがきちんとしていればまだ少しは留飲も下がる、と思うのに、これはこれでものすごい適当というか、色々なものを放り投げての展開ではあって、せめてもう少しくらい色々体裁は整えようよと。

 前作でも似たような事を書いたけど、このシリーズは恋という感情のままならなさ、身勝手さをどうしようもなく浮き彫りにする、というコンセプトは共通しているようで、しかし今回に関してはその部分の色合いが前作に増して濃く、むしろほとんどがそれしか背景としての理由づけになっていない、って感じがあって。
 だからどうしても、主人公にしてもヒロイン達にしても行動原理がどこか狂気を帯びているというか、熱に浮かされての身勝手を貫き通しているというか、その辺でキャラに対する愛着をより一層抱きにくい構成になってしまっているなぁ、というのが正直な所感でしたね。

 とりあえず後はネタバレで、基本愚痴っぽくなるでしょうが適当に触れていきます。

 やっぱり根本的には、結の扱いがあんまりに酷くって、最終的に凪咲を選ぶ流れは仕方ないとしても、もう少しダブルヒロイン的な立ち位置でシナリオに影響を与えてくれるのかな、と期待していた分がっかり感が半端ないのです。
 なにせ二人のセックスを見せつけられて、そこから少しずつ狂っていくというか、恋情にしがみつき視野狭窄になって、自分もまた身体を使って繋ぎ止めようとするだけになってしまうし、根底的にはすごく健気で献身的で思いやりのある優しい素敵な子、のはずなのに、完全に嫉妬と執着がそれを塗りつぶしてしまっていますからねぇ……。

 全体構成的に、綾子ルートに進んだ時にバッドエンドなのはまあ自業自得というか、納得のいくところではあるんですよ。
 あれだけ焦がれる恋をしながらもそれを振り切って、けどすぐ近くにまだ本人がいる内から違う恋に進んでいく、しかもそれが結じゃない、ってところや、その後結に対するフォローも一切ないという点でゴミクズ主人公やん、と思わざるを得なかったわけで。
 綾子さん自体は可愛かったし罪はないんだけど、それでもそのまま何も知らず幸せになられても、って流れではありましたし、凪咲の自殺を知って狂うエンドでも因果応報かな、とは思えます。

 ただやっぱり、自分の本心を裏切る、という意味では同じでも、もう少し結シナリオには救いが欲しかった、とは思うんですよね。
 少なくとも凪咲に手が届かない、と諦念を募らせる中で、罪悪感があるとしても結の傍にいる、という選択は、同じ土地で他の恋に走るよりはマシだと思うわけですよ。本当に全て忘れたいならこの土地に残るべきではなかったし、そういう部分で未練たらしいのがこの主人公の一番碌でもないところだなぁとは思う。
 
 ともあれ、そうやって表面的な関係を取り戻しても、内側の気持ち自体が変わってしまっているのは仕方のないことで。
 でもそこで、せめて結には自分を取り戻してほしかったというか、ああまで完全に突き抜けて狂気と執着に染まった結なんて悲しくて見ていられなかったというか。傍にいることを慰めにしつつ、それでもどうしても透けてみえてしまう主人公の本心に触れて、妊娠なんて矯激な縛り付けに走らずに、長い時間をかけて包み込む愛で癒していく覚悟を備えて欲しかった。
 正直、最後に温泉街に出向いた時に、ほんの僅かだけどもしかしたらの期待はしたんですよ。したけど結果的には徹底的にバッドエンドだったわけで、むしろ当てつけのような残酷さでうわぁ……と思わざるを得なくって。

 本当にねー、せめてここで、上記のような心理の変遷を経た上で、手を繋ぎながら夜の散歩に出て、悲しげな雰囲気の主人公から凪咲との出会いと関係の発端を聞き知り、そして橋のたもとに差し掛かった時に、デジャビュよろしく身投げ寸前の凪咲に出くわして。
 それを目撃した瞬間、全力で繋いだ手を振り払って駆け出し、凪咲を辛うじて抱き留める主人公を目の当たりにして、スーッと一筋、それこそこの恋。の京子の花火イベント絵みたいな1枚絵で結が涙するシーンを描き、そしてそこで本当に心から、もう主人公が愛しているのは自分じゃない、という悲しい納得に辿り着いて。

 で、そこで主人公に自殺を止められて、泣き喚きながら、

「どうせ、何も出来ないくせに!してくれないくせにっ、どうして死なせてくれないのよぉっ!」

 とか言ってる凪咲に、つかつかと歩み寄っていきなりビンタをかまし、

「甘ったれないでよっ!なにもしようとしないのは、貴女も同じじゃないっ!」
「あんな無様に強がって!好きなら好きって、ちゃんと認めなさいよっ!」
「自分の気持ちに向き合ってよ!ちゃんと私とぶつかってよ!どうせ奪っていくなら、完膚なきまでに叩きのめしてよっ!!」
「死ぬことで永遠に秋人くんの気持ちを縛ろうなんて、気持ちだけ奪い去ろうなんてっ、そんな残酷で卑怯な事、絶対に、ぜったいにゆるさないんだからぁっっ!!!」

 とか、どこのホワイトアルバムですか、って話にはなるけどこのくらいの啖呵、叩きつけて欲しかったなあと痛切に思うのです私は。。。
 そうやって、死ぬくらいなら何でも出来る、と凪咲を開き直らせた上で改めて主人公と対峙し、もっかいさっきのCG使って、

「ありがとう、秋人くん。私は秋人くんを好きになれて、本当に幸せ、でした――――」

 なぁんて過去形で語って、今度こそ綺麗な泣き笑いで見送るわけですよ。あぁもう、頭の中で想像するだけで泣けるね(笑)。

 その上でのエピローグでは、数年後に自身のブランドで成功をおさめた凪咲の結婚記者会見のニュースを見ている結の表情を窺って、

「ママー、どうしてそんな、笑ってるのに悲しそうなのぉ?」
「悲しいけど、嬉しいからよ。みんな真剣に恋をするとね、時にこういう気持ちに向き合わなきゃいけないこともあるの」
「ふーん、むつかしいんだねぇ」
「そう、難しいからこそ、その恋を一途に貫き通すことは、きっと尊いのよ」

 とか子供と会話して、最後にモノローグで、

「…………おめでとう、秋人くん。どうか、末永く幸せになってね」
「…………今はもう、心からそう思えるから。祝福、出来るから」
「…………だからせめて、私が私の恋を貫くことを許してね。大丈夫、私も今、ちゃんと幸せだよ――――」

 とかこんな感じでどうでしょう。。。

 最終的に失恋する、という立ち位置は仕方なくとも、せめてその恋や人格の尊厳を守る枠組みを作って欲しかったし、いやまあこのルートでここまでやっちゃうと、必然的に凪咲ルートももう少し骨太にしないと釣り合わないからアレなんですけど、結スキーとしてはこれくらいはやって欲しいと期待してたし、あそこまで徹頭徹尾救いがないと怒りを通り越して虚しさしかないですものねぇ…………。

 …………とまあ、感想というより半ば妄想になってしまっていますが(笑)、そういう発想の延長線としても、より単純に元々の構成の肉付けとしても、やっぱり凪咲シナリオ自体も物足りないのは間違いないんですよね。 焦がれる恋のままならなさと強さ、挫折や傷の重なりが織りなす、慰めを起点とする愛の形そのものは美しいながらも、結局これにしても恋情に従って突っ走っているだけではあり、色々な人に迷惑を振り撒いているわけで、まあそういう、大切なものを捨てても、傷つけても手に入れたい恋がある、という視座で、改めて恋の身勝手さを突き付けるという点で一貫してると言えばしてるのかもだけど、やっぱりファクターとしてそれだけだと空疎だよねと。
 少なくとも、凪咲がその婚姻を断れない理由は誰の為?ってところを突き詰めた時に、少なくとも私は父親の為ではなく、自分の身勝手で会社が危機に陥ったら、それまで一緒にやってきた部下達が路頭に迷うかもしれない、って責任感の方が大きいと思うんですよ。

 で、大枠で見た時に、この作品で一番悪い奴って確実に凪咲の父親だと思うんです。
 会社を発展させるため、と言えば聞こえはいいけど、結局本質的には自分の地位の保身の為に娘を生贄にしている、というのは間違いなくて。
 そもそもの元の婚約者にしても、凪咲との会話で仄めかされるように好きな人がいて、ってのは明らかで、それも当然自殺の一因なのだろうなと推測できるし、なのにまた、今度は娘自身すら意に沿わない結婚を押し付けるという愚挙を繰り返しているわけで、その絶望に触れたことで玉突き的に主人公の人生を、結の人生を狂わせたと思えば、真っ先に弾劾されるのはそこであるべきだろうと。

 その強引な合併の理由となった外資による敵対的TOBにしても、それが結果的にブランドイメージそのものから破壊されるものなのか、或いはそれを尊重しつつ経営権だけ奪い去ろうとするものかで、内部の人間の処遇や心持は随分違ってくるわけで、少なくともユニシロとの合併よりも凪咲の守りたい社風は維持できる可能性は見出せるんですよね。
 だから、そこから逃げて自分のブランドを、ってパターンは、事前の準備不足故の危急措置として結ルートでの結末に割り振って、こちらでは今まで労苦を共にしてきた面々を守り、自身の恋も貫きながら、最大悪である父親と対決して望む未来を勝ち取る、という展開の方が、色々とスッキリ綺麗に纏まったと思うんですよね。やっぱり逃げるだけだと、後に残された面々が、って部分で後味の悪さは出てきますから。ジェームズボンドを模しての脱走劇に名台詞のパロを添わせて悦に浸ってる場合じゃねぇですよと。。。

 やっぱりその為には、結と完全に決別してからの主人公が、凪咲を諦め切れずにもう少し事前に色々な事を調べて、自殺を止めてから改めて知恵を出し合い、ボンドの知恵も借りて進むべき道を見出すという肉付けの重厚さは欲しいですし、そこから父親を退け、TOBに対して穏便な着地点を紡ぐ流れの中で、ほんのちょっとでも他のヒロインが関わる展開があればなお良し、ってところですね。
 それこそ交渉が難航して殺伐とする中で、結のバイト先のクロワッサン持ち込んで和洋折衷の精神の素晴らしさに気付いてもらうとか、チープであってもそういう繋がりは物語としては心温まるし、その過程で主人公の迷いのない輝きを見て、結の気持ちを少しでも前向きにさせ、率先して協力してもらえる仕掛けがあればなおさらかなって思います。

 いやまあ、ここまでやったら本気でシナリオゲーになっちゃうからコンセプト的にどうなの?ってことかもだけど、でもこのくらいの肉付けなら、特段に深みを持たせなければプレイ時間にして一時間程度の上積みでなんとかなると思うんですけどもねぇ。つらつら軽くでも考えれば、上澄みだけ拾ってもそこそこは面白くなる余地があるのに、やっぱり色々勿体ないんですよこれ。
 ともかく、これだと本当に色々後味が悪い部分が多く、特に結に思い入れを寄せてプレイすると物凄いダメージを追う結果になるので、コンセプトやその切迫感がもたらすエロスの魅力は認めつつ、流石にこれ以上の点数には出来ない、したくないというのが正直なところですね。

 あとめっちゃ細かい話だけど、多分スクラッチでの特製クロワッサンがそんなに簡単に追加で焼けたら苦労しません。。。仕込みと発酵と焼成合わせてどれだけ時間かかると思ってんねん。
 それと、アシンメトリーをアシメントリーって誤植してて、凪咲がそれを真顔でそのまま発声してるのがなんかツボだった(笑)。それ以外にも誤字脱字は多くてそこも減点ポイントではありますが、たまにこういう面白さもある。



キャラ(17/20)

 基本的にシナリオ構造がキャラの魅力を押し上げてくれるような点がほとんどなく、むしろ恋に狂って壊れていく方向性の方が強く、主人公なんかも自身の恋情にかけてはある程度一貫した想いを抱きつつ、けどすぐに身体の快楽や激情に流されてしまうろくでなし、であるのは間違いなくて。

 なにより私の一番好きな結をああまで貶め切ってくれたのは、やってくれたぜ!ですわ!
 本当に表面的なスペックだけ見ると途轍もなくいい子で、最高のお嫁さんになれるのに、って思うだけにつくづく口惜しい。まあこの子自身の問題としては、やっぱり遠距離恋愛を貫く勇気と覚悟がなかったから、という点は尽きるのでしょうけど、といってこの仕打ちはないよなぁ…………。本当にキャラデザも性格も好みだっただけに切ない限りです。

 凪咲も本質的にはすごくいい子、なのは違いないんだけど、状況がもたらすプレッシャーや諦念が相俟って歪めてしまった部分が、最後の最後に至るまで払拭されないので、どうしても突っ込んだ魅力を汲み取るのが難しいってのはあるし、正直結がいたからどうしても比べると、ってのはあれ、この子自身も私はすごく好きではあるので、その幸せに対してもう少し拘りは欲しかったなあと。
 少なくともその恋だけを抱えて、っていう在り方は、この子の目指した理想郷ではない、という気はするし、色々中途半端に終わってしまったと思うのです。恋蜜を知ってそれを強みに、完全に開き直ってカリスマ的なカッコよさを披瀝する凪咲とかも見て見たかったんですけどねぇ。

 綾子も可愛いキャラだったけど、まあ立ち位置的に無理くりヒロイン、って感じではあり、彼女のルートでああなるというか、噛ませ犬なのはまだ仕方ないかなと思えるところで。
 ただその分だけ、凪咲ルートであの助言のみならず、もっと色々活躍して名誉挽回するシーンがあって欲しかったな、と思うくらいは好きですし、ホントこの作品のキャラは、元の素材そのものはすごく気に入ってるのに、見るも涙、語るも涙でございますですよ。。。


CG(18/20)

 ここはやはり期待通りに美麗かつ淫靡で、退廃的な雰囲気もすごくよく出ていて素晴らしかったと思いますね。

 立ち絵に関してはポーズは少なく、表情差分もかなり少なめではありつつ、流石に服飾関連の話だからか衣装に関しては意外と数も揃えていて質も良かったですね。凪咲の制服や寝間着、結のカーディガン外出着やエプロンなどはとても愛らしくて宜しかったです。

 1枚絵は全部で66枚、ミドルプライスだから水準かな、とは思うけど、地味にアクティビティよりは少ないのね、ってところで、質に関してはこちらの方が上に思えたけどその減少分踏まえて点数は元通りに抑えた格好。
 
 特にお気に入りは6枚。
 1枚目は花畑の凪咲、この幻想的で、でも儚く寂しげにも映るイメージが素晴らしく美しいですね。
 2枚目は凪咲ぬいぐるみ、はじめてのぞく年相応の愛らしさ、って感じがすごく印象的に刻まれていると思います。
 3枚目は凪咲はじめて騎乗位、冒頭の1枚絵ですけど、その可憐さと自棄ばちな空気感の嚙み合わせが絶妙だと思います。
 4枚目は凪咲パイズリ、心通じての行為の温もりの歓びが蕩けた瞳に綺麗に投影されていて好きですね。
 5枚目は結公園お掃除フェラ、淫蕩さと献身ぶりが綯い交ぜになった表情にすごくときめきました。
 6枚目は結裸エプロン正常位、やはりロマン溢れる構図ですし、すごくエロティックかつ可愛いなと。

 その他お気に入りはまあ凪咲と結は大体全部で良くて、綾子はフェラ、正常位、69、バック、背面座位、騎乗位あたりですね。


BGM(18/20)

 こちらも曲数自体はアクティビティよりも少なくて、ミドルプライスとしても量的には今一歩なんですが、ボーカルの出来が素晴らしいし、BGMも多分曲名をアパレル服飾関係の用語に統一して、そのイメージを投影しながらで雰囲気があるしかなり気に入ってます。

 ボーカル曲は2曲。
 OPの『Minority』は非常に退嬰的、かつ耽美的なイントロからの、どこか諦観が混じるメロディラインと歌詞の絶妙な取り合わせに耳が引かれますし、全体の完成度も高くBメロの走り方が特にスタイリッシュでかっこいいですね。あと凪咲エンドで流れるフルバージョンでのみ聴けるDメロもこれまた素晴らしくカッコよく、とてもいい曲です。
 EDの『Confess』は、凪咲以外のED曲なのでそれはもうひたすらに物悲しく、純度の高い透明な旋律が切々と悲しみを増幅させていく感じで、でも曲としての仕上がりは抜群で本当に胸に刺さるとても綺麗な曲です。

 BGMは全部で13曲とかなり少なめ、でも質は悪くないですね。
 特にお気に入りは『Mono Tone』、作品中で純粋に爽やかで活動的な曲ってこれだけ、ってくらいですけど、だからこそその分だけ耳に残ったし、浮き立つような旋律の重ね方が素敵だなと。

 その他お気に入りは『Aran Pattern』『Minimal』『Mode』『Trad』『Femme』『Edge』『Homme』あたりですね。


システム(7/10)

 演出はかなりチープですかね。
 流石にHシーンはいつも通りの臨場感はあるにせよ、それ以外はほぼ紙芝居そのものだし、仕方ないにせよ物足りないところはあります。
 ムービーも綺麗に仕上がってるけどそこまで印象的でもなかったかなあと。

 システムも必要最低限は揃ってるしプレイに支障はないけど、プラス評価するところもないですね。


総合(74/100)

 総プレイ時間8時間くらい。共通が5時間、大体分岐地点が3人とも一緒で、そこから個別が1時間ずつくらいの塩梅ですね。ミドルプライスとしてももう少し尺は欲しいし、内容としても今回はアクティビティに比べてもなお実用寄りのおざなりさが感じられて、でも今回も多少の手直しでかなり面白く出来る余地はあったと思うだけに本当に切ないばかり。最近ここのはこんな感想ばっかだな。。。
 少なくとも私みたいに結が可愛いな、と思って買うと死にたくなりますので(笑)、最低限凪咲のほうが確実に好き、かつビターテイスト耐性は強いって人にはお勧め、あとは完全にシナリオなんかどうでもいい、背徳的なプレイで実用性があれば、って人にも絵はやはり素晴らしいのでお勧めは出来ます。

 …………が、やー、もういい加減次は自重しよう…………というか今回も思ってたんですけどもねー、絵の力は偉大だよねぇ…………。
 どうしても根本的に私みたいにご都合主義ハッピーエンドに染まり切って、どういうコンセプトでもそれを無意識に求めてしまうタイプには、少なくともこのシリーズは合わないんだうな、とは改めて身に沁みました。


posted by クローバー at 05:29| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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