2016年09月13日

ハナヒメ*アブソリュート!

 ぷりっちやくるクル大好きでしたし、今回も非常にキャッチーで可愛く楽しそうだったので首を長くして待っていました。

シナリオ(17/30)

 色々と都合よく。

 少しだけ技術の進歩が見られる2025年のみさきみらい。
 主人公はこの世界での人気ゲームであるクラウンハーツに一年前まで嵌っており、そこで出会った最大の好敵手であるシキと決着のつかない争いを続けていました。二人は二つの勢力のトップである神姫と神王子に君臨し、他を圧する技量でしのぎを削り続けることを何より楽しみにしていました。
 しかし年に一度の大舞台・神冠大戦で今度こその決着を、と意気込む中、当日にとある事情によって参加が出来なくなり、それに端を発したすれ違いから二人は袂を分かち、結果シキがクラウンハーツの舞台から引退、消息を絶つこととなって、その心の傷が元で主人公はその世界から遠ざかることになります。

 幼馴染のメアや妹の陽良子など、近しい人間が世界で七人しかなれない花姫となって、様々な場面で活躍しているのを見ても熱が戻ってくることはなく、そしてシキもまた表舞台に戻ってくることはなく一年近くが過ぎて。
 そして再び神冠大戦がはじまる時期がやってきて、しかし今年は更なる大発表がありました。なんとそれは、実際の現実にVR技術によってクラウンハーツの世界を投影し、自身がアバターとなってゲームの世界を体感できるという画期的な、全てのゲーマーの夢を体現したようなもので、さしもの主人公も少しばかり熱が戻ってくるのを感じます。

 しかし、その発表会の舞台でのデモの途中、なにかのトラブルでデモプレイヤーを演じていたメアと、ゲームのマスコットキャラであるポリーナが苦戦に陥り、たまらず飛び出した主人公はポリーナに、主人公こそが自分達の王だと言われ、全体を指揮することで再びゲームに参加することになって。
 そのトラブルはなんとか大事になる前に収められ、改めてそのVRを使った大戦が、今回は機材の関係上花姫と花王子のみの参加になることが告げられて、メアや陽良子、その親友のあかねなどは当然のようにチームを組んで戦うこととなり、更に何故か現実に具現化したポリーナも主人公の家に居候して仲間として戦う事に。
 そして大戦の開始と軌を一にして来日したメアの親友の玲奈や、とある目的から孤高に戦う事を選んでいた杏子なども戦いを通じて気持ちを通わせ仲間となり、一丸となって王子たちに対抗していくことになりますが、その一方で新規のゲームシステムである故か色々と予定にない現象なども頻発して。

 果たして主人公達は大戦を勝ち抜いていけるのか?
 これはゲームという殻の背後に潜む不穏な影を払い、その過程で絆を結びつつ襲い来る困難な試練に立ち向かっていく、愛と勇気と友情の物語です。


 あらすじはざっくりこんな感じですね。
 細かい設定が多いので綺麗に纏まったか微妙ですけど、大枠としてはチームを結成し仲間を増やして力をつけていく中で、ゲームのバグのような事態に直面してそれを不穏に感じつつも、花姫のいずれかと絆を結んでその関係に傾倒していく中で、それを礎として具象化した困難に立ち向かっていき、それぞれのやり方で解決をもたらす、という流れになるかと。

 テキストはいつものようにノリが良くキャッチーで、コテコテのキャラ性を前面に押し出していて楽しく読めますけど、その分説明的な部分やシリアスが軽めでもあって、全体的に見るとややバランスが悪いかな、というところで、かつやはり個別に関しては大分ルートによって雰囲気の差があるなと。
 テキストの癖、という部分だけならまだしも、キャラの個性そのものがブレているように思えるところもあったりで、その辺の摺り合わせの雑さはちょっと目立つので勿体ないところですね。

 ルート構成は基本的にマップ選択で狙いのヒロインを追いかけ続けていればOK、という仕様。
 イヴだけはルートロックがあるみたいで、私の場合玲奈を最初にやってクリアしたら解放されたんですけど、特定のヒロインじゃなく誰か一人クリアで開放なのかな?と、全部のルートでの裏設定の開示具合から見て思います。まあこれに関しては思うところもあるので後でシナリオに絡めてちょっと触れますが、選択肢自体はそこそこ数があるとはいえ、ヒロインに特段に傾倒した、と言えるほど重いイベントもないので評価が難しいところです。

 シナリオに関しては色々と制約もある中で、ちょっとご都合主義が闊歩しすぎているかな、という感じ。
 大枠としての流れはどのルートでもほぼ同一であり、神冠大戦の中で生じた不具合を解消していく為に戦う事に帰結していくのですが、どのヒロインを選択したかが基本的にはその背後の動きには影響しないようなつくりの割に、個々のヒロインの特性に合わせた状況変化が恣意的に組み込まれているなあ、というところで、とりわけ陽良子やポリーナはそれが顕著だったかなと思います。
 玲奈とメアはまだ、ロックキャラのイヴシナリオと合わせて背景に統一性を感じる部分はあるのだけど、それとは別個に主人公のこのゲームを通じての心情の部分に踏み込めているのがメアシナリオくらいで、そこに折り合いをつける、というワンクッションが背景的にはあって然るべき、ってところなのに一貫しているわけではないのも違和感かなあと。
 またロックキャラのイヴシナリオも正直扱いが軽くはあり、展開も大味ではあって、総合的にはあんまり褒められないシナリオだったかな、というのが率直な印象ですね。

 個別評価としてはメア>>玲奈>イヴ>ポリーナ>陽良子>あやね>杏子くらいかな。
 正直結構ルート差が激しいし、出来のいい方のルートでも描写不足な部分は多くて、まあ杏子大好きーな私としては苦渋の話ではありますが、ぶっちゃけサブ二人の、本筋とならん関係ないエピソードにそれなりの尺話組み込むなら、もう少し本筋の部分を重厚に、説得的にしてくれと思いましたね。

 以下色々コミコミでネタバレ白抜き。

 結局徹頭徹尾都合がいい、ってのは確かです。
 そもそもナオが、ある程度こういう事態になることを勘付いているのにそれを放置気味にしているってのも無責任の極みではあるし、その意を汲んでの女王=ロキの立ち回りとしても、ショービジネスとしての切磋琢磨が前提にあるうちはまだ王子たちの手加減も許容範囲ながら、いつそこから思想が飛躍して、世界の総電影化、なんて野望に結びついたのか、その辺説得的に読み解けるだけの材料が、少なくとも理屈の上では少ないと。
 結果的にナオやロキがこういう生き物だからね、ってとこで舞台裏の顛末は手打ちになっているし、その技術的な要素に関しても触れる部分はなく。まあどうもスタッフ日記とか見る限り、単純な技術革新じゃなくてぷりっちの魔女界の概念が流れ込んでいる、みたいな示唆もあったし、その辺はファジーなのも仕方ないのかな、とは思いますが。

 そして、基本的に女王ロキの反乱はゲームスタート時点の、予期しないボス出現の時点でもうはじまっていたのは、その後すぐに切り離されたオーディン=ポリーナが具象化していることで明確ですけれど、共通の流れの中で最後のフレースヴェルグ戦あたりから、その女王の意識が暴走しはじめ、元々のゲームをより楽しくする、というミクロな思想から逸脱してきているわけで。
 となるとそこからナオをはじめとしたスタッフは本腰を入れてロキ封じに入るわけですが、その背後の動きに関しては主人公達の行動、とりわけ誰と結ばれたか、という部分が波及するものではほぼないはずで、その割にルートによってはロキが追い詰められていたり、王子たちも手駒に出来たり出来なかったり、その辺の分水嶺が曖昧なままなのは気に入りません。
 基本的に玲奈=メア=イヴのラインは背景展開を共有しているかな、とは思えて、逆にポリーナと陽良子に関しては、そのキャラの性質を生かすために女王の危機を恣意的に用いているように思えたので、まずそこでシナリオ評価としての壁が出来た感じですね。サブもおそらく後者の方向、封じ込めにある程度成功したって向きで解釈するしかないんだけど、やはりそこは明確にそうなる、という理屈付けは軽くでも欲しかったところ。

 あとはやはり主人公のクラウンハーツに対する複雑な想い、特にシキに対する後悔が重くのしかかる中で、その感情を整理せずにヒロインとの関係にあっさり踏み込んでいくのはやや軽薄な感じはあって、その中でメアだけがそこをかなり克明にフォローしてくれているので、そこでも評価の壁が出来たな、というところ。
 正直言ってこの構成ならイヴはメアクリア後に開放、にしておいたほうが良かったんじゃないかなと個人的には思うし、より贅沢を言えばどのルートでもその葛藤と心境の整理を組み込んだ上での全員クリア後、ってのがベストではあったと思います。
 無論その場合イヴルートの肉付けももっと欲しいし、そもそもヒロイン然としていつつ、展開的に多少は仕方ないとはいえ、まさかのHシーン一回だけ、イヴ=シキを使える戦闘も一回だけ、という扱いは色々あんまりではないかなと思うのですよ。個人的にそこまで傾斜していないキャラだからこの程度の言及で済むけど、そうでなかったら文句タラタラですよきっと(笑)。

 その辺の不満を前提にしつつ、個別感想をざっくり。
 あやねと杏子はそもそもバトルなしで完全に本筋とは違う話になってしまっているのが、他の全てのシナリオでほぼ同一の形で陰謀が背後で進行している、というのを思えば牧歌的過ぎ、違和感アリアリですし、話そのものは悪くなくともその前提の時点でどうかなと。
 まして杏子に関しては、婚約者問題が発生して大戦にも参加できなくなるとか、完全に外的要因を臆面もなく持ち出して、他ルートでの立ち振る舞いとの整合性とか微塵も気にしてないね、ってところでさらに一歩引いた評価にしているというところ。杏子自体はすごく大好きなキャラですし、追加イベント、Hシーンもそれはそれは楽しみにはしているけど、でもそれはそれ。多少の齟齬なら目を瞑るけど、これはシナリオとして二重にやっちゃいけないことしてるわけですしね。

 陽良子は正直、なんで普段あれだけグイグイ来るのに、いざというところでインセストの問題が本人の中で膨らんで葛藤するとか今更かよって話で、そのくせ主人公の心情にはそこまで忖度しない、あくまで過去の負い目も含めて後ろ向きになって、挙句にそれを女王に付け込まれる展開とか都合いいにも程があるとね。
 無論イヴに取りついた状況からも、そういう事が出来る力があるのは確かだろうけど、そもそもそこまで女王が追い詰められている事態そのものに必然性がない中であまりにもタイムリー過ぎるぞと。しかも物語とファクターとしてそれがほぼ全てだから間延びしていて面白くないなぁ、という感じでした。

 ポリーナもやはり上と同じく、女王が窮地に陥る中で最後の手札としてポリーナを濫用して、ってなるけど、別に窮地でなくてもいつでも出来たんじゃね?ってところで他ルートで放置されていた理由としては弱いし、どうしたってあの終盤の別れの演出の為に無理やりこじつけた、としか思えないのがね。
 ポリーナ自身はとっても可愛くてそれは良かったんですが、シナリオのバランスも悪くて前半がほぼイチャラブオンリー、後半でいきなりなんの前置きもなくバトルが始まったりとか、構成面での雑さも目につき、最後の展開にしてもそりゃそのままビターエンドにしたらふざけんなー、って話になる空気感の話ではあれ、感情だけでなく理屈としても納得できる復活のありようが提示されればいいんだけど、結局そこも魔法の影をチラつかせてのファジーなままで押し切ってますからねぇ。
 愛の力です!って話は、人事を尽くした上での最後の一押しだから価値があるのであって、そこを支えきらない濫用はなんとも、ってところ。

 イヴは正直短いし、イヴが主人公を好きになる理由もその逆も浅いのがねと。
 最初からマップ選択が出来るのにロックかかってる点も踏まえて、個別突入後にガラッと意識が変革するくらいのフックは欲しいところだったし、互いが互いをもしかしたら?と過去と重ね合って思う状況がもう少し中盤寄りで発生してくれないと話にも膨らみがないよねと。
 その意味ではメアの拘りなんかは上手く利用できそうな部分ではあるし、終盤の王道的な展開、いかにもラスボス戦、って感じの大集合はそりゃ燃えるけど、そこまでの運び方に情緒も奥行きもない感じで、わざわざロックかけてこれ?ってのは否めないよなぁと。シーン数含めてとても真打ち、って扱いじゃないし、魅力のあるキャラだけに勿体ないなと切に思いますね。

 玲奈は主人公の心情にこそ配慮が薄いものの、総合的に見れば一番理屈がしっかり通っている話ではあって、段階を踏んでの問題の解決、最後の超越に関しても技術のルールの範囲内で、って部分ですごくわかりやすく組み立てられていて、その分だけ納得と爽快は強かったかなと。
 背景的な部分でも一番正統的な流れ(まあこっちだとナオのダメっぷりが余計に強くなるわけだけど)で、女王の振る舞いとしても一貫性があるしラスボスらしいスケール感もあって、素直に面白いと思えたシナリオの一つですね。そして思想性の根幹自体は理詰めのくせ、恋愛模様に関してはやたらと破滅的だったり陶酔的だったりするギャップがまた面白かったですね(笑)。仮面プリティーの悪堕ちH楽しい。。。

 メアはある意味ではこの物語の異端、ではあるとも言えますかね。
 舞台背景と主人公の心情に共に堅実な配慮を塗しつつ、その拘りを上手く利用することで幼馴染との恋愛に付き物の距離感の克服のもどかしさを説得的にしており、かつその過程の情感の組み込み方がすごく上手くて、メアというヒロインを素晴らしく魅力的に優美に飾っているし、テキスト的にもノスタルジーコミコミでかなり楽しめましたね。
 シナリオとしてもバトルものの王道的な、二人三脚での特訓、それで力をつけて起死回生の必殺技も身につけての対峙と、実に印象的な燃える構図であり、それを恋愛感情がしっかり下支えする、シキの存在を意識することでよりそれを強くしていく、というありようが絶妙のバランスだったなと思います。
 強いて言えば終盤のバトルがメアオンリー、ってところで、シナリオに準拠しているとはいえ難しさはあったけど、それを差し引いても間違いなく一番読ませるシナリオ、燃えるシナリオ、楽しめるシナリオだったと言えるでしょう。このシナリオがなかったらもっと評価低かったですねー。


 とまあ、ざっくりシナリオとしてはこんな感じで、後はゲームシステムについて。
 戦闘システムに関しては基本的にくるクルを踏襲しているのだけど、いくつかマイナーチェンジしているところもあって、でも正直そこでのバランスの取り方に失敗しているかな、というのが正直なところですね。

 とりあえず確かくるクルにはなかったメンバーセレクトが出来るのはいいんですが、一方くるクルには存在したキーアクションでのスタート判定やEX選択、キャラレベル要素がオミットされていて。
 そこはゲームとしての簡易性を高める配慮、とも言えるのですけど、正直それは簡易にし過ぎというか、結果的に戦略の幅を相当に狭める結果になっていないかなと思うのですね。
 具体的にはスタート判定をキャラセレクトのスピードタイプの割合に依拠させていることで、いくらメンバーが選べるとは言っても、結果的にほぼ固定的になってしまうのではないかと。

 まあ私の楽しみ方の視野が一元的、って可能性もありますが、でもスコアメイクから考えてもこのゲーム、基本的には先手を取って相手に手番を回さずラッシュ継続することが最も有益な勝利の秘訣なわけで、でもその出だしのスタートダッシュの部分にキーアクションでの介入がない為、結局メンバーセレクトで玲奈と杏子を優先的に組み込みたくなるし、リーダーもほぼ玲奈にせざるを得なくなると。
 そうなるとリーダースキル選択も概ね余地や意義を失うし、実際相手にスピードタイプがいる時なんかは特に、そうしないと敵に先手を取られる可能性が高くて、その時点でもうGODは絶対に取れない、ってなりますからね。

 それにいくつかはシナリオ上スピードタイプを組み込めない戦闘もあり、そこでスタート介入が出来ないと正直どうやってGODとか取れと?って思わざるを得ない。元々くるクルでも初期配置は結構大事なつくりではあったけど、そこを覆す技術も必要とされてはいたし、でもこれだと完全に運ゲーになってしまうので面白味もやり込み甲斐もないんじゃない?と。ましてリトライ繰り返したくても強制終了の恐怖まであるし。。。
 あとやっぱりキャラ能力のバランスも悪いなあと。ぶっちゃけ作中で言及されるほどディフェンスタイプの有益性がないというか、敵みたいにスタンさせられない限りの鉄壁性があったり、もしくは割り込みガード的な要素があればまだしも、なんですけど(まあ陽良子とあやねがそういう立ち回りしてたらそれはそれで違和感だけども。。。)、現実的には玲奈使えず手数が足りないときにサーキュレーションでラッシュ継続を維持するくらいしか出番がなかったですしね。陽良子なんか強制出撃でもない限り一度も使わなかったよ私(笑)。

 正直玲奈がスピードタイプでありながらノックバック&EX減少技持ってるのは使い勝手良過ぎるし、ポリーナの強制気絶のブリリアントゼクスも超有用、杏子も全ての属性のEX持ってるし、星削りやノックバックと多彩に活躍するから、基本的にこの三人が外せる要素がなかったんですよねー。
 その上で相手のタイプに合わせて、基本はメアなんだけど、敵にアタックタイプが多ければランブル勝ちがとりやすいから、ってところでたまーにあやね使うくらいだったし、この辺はレベル要素がほぼ排除されて相性のみになってしまった弊害もある。レベル差があればもう少し戦略を練る必要があるし、回復はともかく防壁&攻撃力アップ持ちのあやねはもちょっと有用に使えただろうにねと。
 あと、もうちょっとシキを使える戦闘は増やしてほしかった。まああのEXの強制33%ダメージがラスボスのリーダースキルを無視して発動した時点でチート過ぎる、とは思ったけどさ。。。

 まああと、最後にやはり強制終了の恐怖には触れておきますか(笑)。
 概ねバトルスタート時に読み込まないパターンが多いけど、時々バトル中でも止まる時はあって、背景がカラフル過ぎたりする時が多かったかな。基本的に女王×4とかで羽がキラキラしてる時はかなり危険で、大概ラスボス戦なのに思い切り没入できない、という状況になってしまうのはかなり大きな瑕疵。
 勿論組み込まれた3Dデフォルメキャラのアクションは可愛くて素敵なんで良かれ悪しかれ、ではありますが。特にポリーナの連携ラストのアクションが可愛くて可愛くて、つい相性を無視してポリーナをフィニッシャーにばかりセレクトしてましたよ。。。

 ともあれ、総合してゲーム性としてはくるクルより退化している、と言っても言い過ぎではないと思うし、戦略の幅を広く取れるようで、ただ勝つだけならともかくスコアメイクを目指した時にほぼ限定されていく、ってのは、やり込み要素としては致命的かもなあとちょっと思います。
 というか、陽良子オンリーバトルとか、メアルートのラスボス戦でGODって本気でどうやったら取れるのか道筋が見えないんですがねぇ。そういう部分で爽快感に温度差が出る、ってのはやっぱり良くないでしょうと。ぶっちゃけ玲奈ルートラスボス戦の、その前段の難しさから一転してのイージー感、爽快感は素晴らしかったんだけど、結局それも玲奈ありきなんだなあ、って、まして玲奈自身がパワーアップすればなんだなあとなるわけでね。

 以上、総合して相変わらず雰囲気そのものは独特で素敵なゲームではあるものの、そのきらめかしさに糊塗された部分でかなり適当、曖昧な要素も多く、シナリオとしてもばらつきはかなりある、ゲーム性としても突き詰めた時に深みがないとなると、トータルの評価としてもこのあたりに落ち着いてしまうのかな、という感じですね。プレイしているときはそりゃ面白いんですけどねー。
 

キャラ(20/20) 

 全体的に見てキャラの深みとかしっかり引き出せているかは微妙なところ、結構ダメダメだったり碌でもなかったりする部分も雰囲気でなんとなく誤魔化している、って部分もありつつ、それでもやはりキャッチーな可愛さはしっかり見せられているし、強いて割り引くほどではないかなと。

 一番好きなのは、シナリオ補正込みだと微妙だけどポリーナですね。
 やっぱりこういう無垢で真っ直ぐで愛らしく素直な子は可愛いし、特殊な土台にある分だけそれが嫌味にもなっていない、CV的な破壊力も含めてすごく好みドンピシャでしたねー。バトルでも一々台詞やアクションが本当に可愛いんですわこの子。
 まあ正直シナリオ的には軽薄なお涙頂戴、ってところで加点要素は少ないんだけど、文字通り可愛いは正義、ってところで。。。

 次いでメア。シナリオ補正では断然で、メアのおっかなびっくりな心境の超越の過程が、シナリオ面での超えるべき壁と一致しているところで、すごく細やかにその心象の変化、優美、端正さを拾い綴っていて、まあ素直にすごく可愛い、いじらしい子だなあと思えますね。幼馴染ならではのめんどくささを上手く糊塗するつくりに持ち込めたのが勝因かなと。くるクルのナナカと同系統のキャラだけど、あっちはそれに失敗してましたからね。。。

 杏子も当然すごく好きで、最初つんけんしてるのから少しずつ、クールながらも慕ってくれている感じはとても良かったとは思います。
 が、やっぱり個別自体は褒められないし、あとCV小鳥居さんだからほぼほぼ台詞はきちんと聴いて進めたんですけども、サブだからかルート毎の性格の違いや喋りの癖の違いが随分と露骨で、正直そこは勿体ないなあと思ったところ。まあそれでも追加イベント楽しみにしてますけどね、可愛いし。超可愛いし。

 玲奈も実はかなり好き。あのチョロい感じと、理知的な部分と滅びの美学に傾斜しているような雰囲気とのアンバランスさが、喋りの面白さとも噛み合って特有の魅力、インパクトを紡いでいるなあと。
 正直陽良子はあんまり好ましくなかったかなあ。どうせ振り切れた妹ならそれを貫徹して欲しかったし、基本的に嫉妬や邪魔のほうが気を利かせるところより多かったわけですしね。あやねもまあ賑やかしとしてはいいけどヒロインとしてはもう一歩なのは確かです。
 そしてイヴさん出番少ない。。。キャラとしては結構好きなだけに正直もうちょっとなんとかしてあげてよ、と思いましたね。


CG(18/20)

 いつもながらに華やかで愛らしくキャッチーでよろしいのではないかと。抜群に上手い、ってことはないんですけど、やはり目を惹きつける魅力があるなあと思うし、量的にもまずまずではあるしね。

 立ち絵に関してはそこそこ、ADVとしてはやや少ないけどバトル要素もあるしね、ってところ。
 ポーズはヒロインで2種類にサブは1種類、特に動きの多彩さはないけど個性はしっかり出ているし、むしろ極端なくらいポージングで差異が出せてはいるのでらしいと言えばそうかなと。
 お気に入りはポリーナ正面、やや右、メアやや右、前かがみ気味、玲奈正面、見返り、杏子やや右、イヴやや左あたりで。

 服飾はヒロインで4〜5種類、サブで1〜3種類かな。まあ本質的に学園ものでもなし、その中ではかなりしっかり揃えていると思うしデザインも愛らしくて素敵だと思います。
 お気に入りはポリーナ私服、戦闘服、水着、浴衣、メア制服、私服、水着、杏子制服、戦闘服、水着、私服、玲奈私服、戦闘服、イヴ制服、戦闘服、私服、あやね制服、私服、水着、陽良子戦闘服、水着あたり。

 表情差分はそれなりに遊びも多くキャッチーで可愛いなと。多少ブレや崩れもあるはあるけどそれも含めて味わいかなと思いますね。
 お気に入りはポリーナ全般、杏子全般、メア笑顔、苦笑、膨れ、照れ伺い、眉潜め、玲奈得意げ、ぎくり、疑い、半泣き、唇尖らし、イヴほわわん、笑顔、照れ笑い、真剣、あやねからかい、陽良子ウインクあたりですね。

 1枚絵はバトルCGも含めて97枚、そこまで多くはないけどまあ値段踏まえてもギリ水準、いつもながらチラリズムってレベルでなくギリギリですが、そのあざとさも含めてらしいし可愛かったと思います。
 特にお気に入りは3枚。
 1枚目はポリーナのただいま、まあこの可愛さだけで裏事情どうでもいいや、ってくらいに愛らしかったですね。。。
 2枚目は玲奈戦闘カットイン、二丁拳銃の構えの凛々しさと可愛さのコラボが最高に好き。
 3枚目はポリーナ戦闘カットイン、この脇見せボースが超可愛いのですよ。

 その他お気に入りは、メアEX、ランニング、混浴、あーん、お姫様抱っこ、手つなぎ、フェラ、素また、正常位、69、騎乗位、玲奈EX、特殊EX、ゲーム、むずむず、もふもふ、キス、寄り添い、パイズリ、バック、ポリーナ特殊EX、登場、プール、キラキラ食事、観覧車、愛撫、フェラ、正常位、背面座位、69、バック、陽良子特殊EX、居眠り、カラオケ、射的、添い寝、ブライダル、手コキ、バック、イヴEX、君臨、ポリーナもふもふ、執筆、約束、フェラ、杏子特殊EX、クレーンゲーム、売り子、あやねEX、ダンス、女王EX、懇親会、戦闘カットインメア、陽良子、イヴ、杏子、女王あたりですね。


BGM(19/20)

 やはり全般的に煌びやかで疾走感があってコミカルで、すごくらしい楽曲だなあと思いましたし、かなり満足したんですけど、ボーカル的にもBGM的にもくるクルよりは少し落ちるかな、ってところでこの点数。

 ボーカル曲は3曲。
 OPの『absolute wish』はいかにも、って感じのスピード感と程よい切迫感のある名曲ですね。特に個人的には出だしのイントロが超好きで、あとBメロにDメロもかなり好き、全体的に完成度高く耳に残りやすい曲だなと思います。まあ流石に奇跡的な神曲たるlast fortuneには足りんけど。
 EDその1の『happy colorful day』は、いっちゃなんだけどフリップでこんな曲もアリなのか、って感じのキャッチーで爽やかな曲ではあり、悪くはないけどそこまでガツンとは来なかったかなと。
 EDその2の『Glimmer』は伸びやかでさわやかで、こっちはこっちでEDらしいEDだなと思うけど、流れる回数が少ないのもあるしやっぱりインパクトには欠けるかな、ってところ。

 BGMはインストコミコミで36曲と水準は突破してるし、質的にも日常のキラキラ感、バトルの疾走感や荘厳さが効果的に打ち出されていて、やはり質は高いしシナリオにもマッチした楽曲だなと。ただくるクルに比べてバトル曲が凄まじくいい、って程には感じなかったのでその辺でやや差し引いてる感じ。

 特にお気に入りは2曲。
 『Duel With Princess!!』は華やかで荘厳で、後半の透明感のある旋律とのマッチングが素晴らしく気に入ってます。
 『Passionate Flower』は実にボス戦らしい勇壮さ、幻想的でありながらも雅美溢れる旋律からの後半の迫力が素晴らしくいいですね。

 その他お気に入りはまあそれでもバトル関連は全部、『Boot new Day!』『Orange Pocket』『Starly Night』『セグメント』『not connect』『TOMODACHI』『Lovers Note』『ABSOLUTE HERO』『Emergency on Planet Mirai』『境界線上のワルツ』『Egoistic Roses』あたりですね。


システム(9/10)

 演出はいつもながらに煌びやか。
 キャラはとてもコミカルに動くし、色遣いが独特な中で背景効果なども含めてすごくキャッチーにキャラの可愛さを引き立てていてそこは流石だなってところで、バトル演出も全般的に愛らしくも勇ましい、ってバランスの取り方が上手くて素敵だったと思います。
 ムービーもいつもながらセンスに満ち溢れていて、アニメーションを要所で効果的に配置しつつの色彩豊かなスピード感ある構図は何度見ても楽しいですね。

 システム的には、少なくともADVとしてはほぼ瑕疵なく使用感も素晴らしくて文句なし。
 ゲームシステムの部分でも基本的にはわかりやすく動かしやすくていいんだけど、やっぱり強制終了だけはどうしてもなぁと。正直これさえなければこの項目は満点でもいいんですが、流石に割り引かざるを得ないでしょうと。結果的にプレイ中で、スタートで止まるのは大概再起動一発目で総計7〜8回、戦闘中は女王戦で2回あったかな。この辺マシンのスペックにも依存するのかもだけど、やはり没入感を削がれるのでいい事はないですよね。


総合(83/100)

 総プレイ時間26時間くらい。共通が6時間、個別が4時間弱くらいで、サブ二人は1時間ずつくらいですね。戦闘はノーマルで、基本的に個別毎に4〜5戦あって、トータルで戦闘してる時間が10時間くらいにはなるのではないかと思います。
 ADVとしてはそこまでポリューミーではなく、色々語り足りないところ、肉付け不足、裏付け不足は否めないものの、自身で戦闘を操作することによる感情面での達成感がそれをある程度は糊塗してくれるし、実際プレイしている最中はとても楽しいですけど、改めて振り返って冷静に考えるとシナリオとしてはやっぱり大したことなかったよなあ、ってなる類のゲーム。

 戦闘的にも正直くるクルより自由度は低いかな、ってところで、面白いけどやり込みたいと思うほどではないし、実際にフリーバトルでも強制終了しやがるからなんともね。。。まあでも期待通り程度には楽しかったですし、メアとポリーナが可愛かったので良かったです。あとは杏子追加イベント待ってマース。
posted by クローバー at 06:59| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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