2016年11月29日

枯れない世界と終わる花

 初見時からものすごく雰囲気のいい作品だなって思ったし、体験版もらしいノリとシリアスのバランスが中々に印象良く、キャラも全員凄く可愛かったので楽しみにしていました。

シナリオ(21/30)

 世界を変える力とは。

 
 主人公は、心に深い使命を秘めて生まれ育った街に戻ってきました。
 途中で出会った、その存在に理解は及ばずとも納得が届く不思議な少女、レンと共に街に入るも、路銭を持たない素寒貧故に最初は普通に過ごしていくにも四苦八苦、飛び入りでバイトをしたり野宿したりで凌いでいたものの、その渦中で出会ったハルという心優しい少女に導かれる形で、彼女とその姉妹であるコトセ、ユキナの三人が切り盛りする喫茶店、ファミーユに、レンとともに住み込みで働くことになります。

 三人が三人ともにそれぞれの持ち味を生かして、懸命に盛り上げている喫茶店を中心とした生活は明るく温かいものでしたが、しかし彼女達には誰にも語れない切ない秘密がありました。
 それは、この世界の成り立ちに繋がる楔。
 三人は天使の羽を受け継ぎ、世界を循環、存続させていく為に、定期的に人の命を吸い上げ、花と為す存在だったのです。

 ある日の夜、綺麗な月夜の下で、ハルが仲の良かった少女を花にする場面を目撃した主人公は、改めてこんな悲しい世界の仕組みは壊されなくてはならないと決意します。
 そう、主人公はその為に、彼女達三人を宿業から救い出し、世界のシステムそのものを変革するためにこの地に舞い戻ってきたのです。
 かくして主人公は、姉妹達が抱えている悲しみや苦しみを取り除き、その根源となっている羽を受け渡してもらうことで救おうと目論むものの、当然それは一筋縄ではいかず。

 生まれ持った愛着の傷、長年の罪の意識の積層、彼女達を雁字搦めにし、心を枯らし、挙句に世界の歯車として使い捨てようとしている大いなるものを、果たして主人公は打破し、それぞれが心の原風景として抱く優しい理想郷を取り戻すことが出来るのか?
 この作品は、ブランドタイトル通りに甘くもほろ苦い、世界の摂理の残酷さと、それでも世界に光をもたらし続ける絆の輝きを綴った物語です。


 あらすじはさっくりこんな感じですね。
 全体像としてもほぼこれで全てではあり、シナリオもほぼ一本道で、三人それぞれが抱える切なる想いと向き合い、その蟠りを解き、傷を優しく癒していく事で、彼女達を救うとともに世界の根幹を捻じ伏せる想いと力を得ていく、というのが大まかな流れになっています。

 テキスト的にはこの人の作品らしく非常に軽妙でコミカル、特徴的な喋りや反応の面白さも目についてキャラ性をとっても大切にしているな、って部分は色濃く出しつつ、本質的にはシリアスな話なのでそこもしっかりバランスよく、という感じ。
 個人的にはこの人の歯切れいいテキストそのものは好きではあるのですが、ただ若干シリアスとの相性は良くないかな、と思う部分もあり、というのも基本テキストを一行でまとめる書き方で、体言止めなどの特殊文法も多用してくるので、それはコミカルなシーンでのスピード感、勢いを必要とするときはいいんだけど、シリアスな場面でじっくり文章を噛み締めさせたい、って時にはちょっと軽さが際立つのかなとも。
 勿論それを補完するのに、要所要点では画面演出の中に台詞を埋め込んだりとかの工夫もあるのは確かだけど、そういういわば盛り上がりの頂点に位置する部分に至る経緯の中で、少しずつ一文の重さを増していく、なんてテクニックがあれば、より一層この素敵な物語の読み口を鮮やかなものに出来ていたのではないかなと愚考する次第です。

 ルート構成はちょっと特殊で、本筋そのものはどうあれ一本道になっています。
 あくまでもメインとしては三姉妹を救う部分にあり、そして三人を同時に救わなければ意味がない構成になっているのでそこは動かしようがなく、その派生として恋愛要素が置かれていて、これはそれぞれのヒロインエピソードの中でその想いを向けるか否か、という階段式、脱落式の流れの中で選べるようになっています。
 なので途中で主役を張るヒロインを選んだとしても、多少先出しでイチャラブが入ってくるだけで大筋の流れに変化はなく、そして最終的に選んだヒロインのエピソードがエピローグとしてまとめて語られる、という形式になっており、特にルートロックなどもないので、構成上いの一番に一番好みのヒロインに吶喊してしまった方が思い入れが強く反映させやすいかな、って思います。
 攻略は当然三姉妹と、あとその誰も選ばなかったときのおまけ程度ですがレンともイチャラブできます。ロリスキー大勝利です(笑)。

 
 シナリオに関しては、すごく綺麗に纏まった作品だけど、やっぱり基本的には抒情的、感情推し特化だなあというところ。
 のっけから切ない状況設定が山盛り出てきて感涙を誘うものの、彼女らをそういう境涯に押しやった根本的な部分に関しての成り立ちには説得的な説明は一切なく、あくまでこういう世界の中で、どれだけ傷つき苦しみつつも、理想を、絆を信じて美しくもがいていくか、その過程を純粋に楽しむべき作品であり、私みたいに頭でっかちに裏側を穿ってばかりだと入り込みきれないタイプではありますね(笑)。

 構成的にも、まあミドルプライスなので仕方ないかな、って部分はあるけど若干の難はあるかなとも。
 基本的にミドルとしてもやや短め、ではあるかなって思うし、それはキャラエピソードがまるっとラストに押しやられた部分にも依拠する感覚でしょうが、基本一本道なので一周目以降はキャライベント回収プレイにならざるを得ない、ってのもあり。
 あと道中においても三姉妹はそれぞれのトラウマや囚われと対峙するわけですが、その伏線の紡ぎ方がやや単調というか、きちっきちっと一人ずつにフォーカスをあてて、主人公の意識が集中している範疇において起承転結全部盛り込んでしまっているのが、ちょっと急ぎ過ぎというか、伏線として破壊力を削いでしまっているというか。

 単純に彼女達が抱えた傷に対して、それを解決するプロセス、要素としても多少軽いかな?って感じもある中で、その印象をその一気呵成に展開する構成が助長している部分はあるかなって思ったし、せめてキーとなるキャラとの出会いや関係性などは、最初のハルの秘密を見届けるシーンに至るまでにそっと触れておけばよかったんじゃないかなと感じます。
 そうすることで、ハル=ユウという関係がああいう形で着地したことが、その後他の二人も、という対比に繋がっていく中で、より具体的なイメージをその時点で投影し、思い入れを深められるというメリットはあるかなと。
 勿論それで全体の流れのバランスを崩す可能性もあるから一概には言えないけど、読み口としてはその方が感情移入は強まるし、上で触れたように理路の中でその哀しみが必然、と納得できるだけの素材は組み込んでない、あくまで感情面に訴えかけて納得をもたらす作風なのだから、そのあたりをよりしっかりフォローできる仕掛けはもうちょい丁寧、かつ画一的にならない方が良かったのかなと、そこはちょっとテキストメイク含めて勿体なく感じたところです。

 ただ、そういう頭でっかちな解釈はともかくとしても(笑)、基本的には健気に強く生きようとする姉妹達のいじらしさがしっかり強く打ち出せているし、世界の理不尽に対して決して諦めることなく対峙していく意思の強さも含めて非常に綺麗に纏まっていて、真善美の素晴らしさを切々と感じさせてくれる素敵な物語であり、ラストもきっちり大団円で締めてくれるので後味もスッキリ、満足度は高い作品だと思いますね。

 以下ちょっとだけ色々ネタバレ気味で。

 個人的にこの作品の構成において面白いな、と思うのは、元々の生まれからして恵まれておらず、様々なものを搾取されて大きな愛着の傷、心の傷を背負っているヒロイン達が、奪われる事の辛さや痛みを身に沁みて知っているヒロイン達が、運命の残酷な悪戯の中で図らずも奪う側の役割を果たさざるを得なくなっている部分ですね。
 奪うことが良くないとわかっていても、誰かから奪わなくては生きていけないという悲しい切実の中で、どんどん心の海は枯れていき、挙句最終的にはその奪うための歯車になる、という摂理を押し付けてきたより大きな意思に飲み込まれ、押し潰されてしまうというのはいかにも無情、不条理ではあって。

 ただ実際のところ、この辺は結構現代社会の成り立ちの暗喩的な意味合いも込められているのかな、というイメージはあるんですよね。
 資本の論理に支配され、個人の力では決して誰もその暴走を留め得ない世の中において、資本の増殖という自己目的の為に人の心が食い荒らされていく、というあたりを、物語的に情緒的に反映させたらああなるのかな、という感じはあり、そうした他者を食い物にするハイエナのような生き方が今以上に横行すれば、やがて世界は殺伐が当然の摂理となっていく、そういう現実に対する警鐘、処方箋としての意味合いも強い作品だなと。

 結局のところ、そういう世界の流れを食い止めるのは、最終的には昔ながらの古い力、人を人たらしめてきた愛着、絆の輪でしかない、というのは現実の中でも提唱されるところで、でもそれは特に現代的な社会の仕組みの中では簡単には紡げるものでもなく。
 その中で、現代的な仕組みを上手く利用しての、新しい絆の輪の構築理論の登場と浸透が望まれるわけですが、この作品ではそれを紫虹花という存在に仮託し、そこに取り込まれた人々の意思を反映する存在としてのレンに糾合することで、実に物語的に綺麗に綺麗事を纏め上げていると感じました。

 それは確かに綺麗事、なんだけど、でも現代社会の中でも結局はそういう大きな物語を誰もが信じる、という基盤が形成されなければ、相互扶助、互恵関係のシステム構築なんかも上手く発展する余地を見出せないわけで。
 この主人公達が世界の摂理から外れた存在になったのも、辛く悲しい境涯に置かれた中で、はじめて手にした絆の温もりが、有難味がより先鋭に心に根付き、だからこそ逆に決して簡単に諦めないしなやかな強さに繋がっていると考えれば、どうあれ根源的には一人一人の心の持ちようなんだな、ってのはあり、その意識付けをいかに膾炙していくか、ってのが課題なんだよなぁ、って改めて思わせられました。
 私としてもこのあたりの問題意識は自分の創作の中にもちょいちょい反映させている部分はあるし、だから基本的にエンタメとしての魅力を前面に押し出しつつ、注意深く追いかけていくとそういう深層的なテーマも汲み取れるという緻密な構成を、この尺でしっかり盛り込んできたことは高く評価できるかなと感じましたねー。

 ただまあどうしても大枠での世界のルールのファジーさがマイナスとはなります。
 世界の理不尽で人の命が刈り取られていく、という構図は、ふんわりといろとりどりのセカイを思い出すわけですが、あれみたいにその背景にも必然、悲しみがしっかり色づけられていれば、この作品もなお素晴らしい、とはなったはずで、ただそこまでやると絶対的にミドルプライスの尺では無理、って話にはなるでしょうしねー。
 今更ながら、FDプライスなのに通常フルプライス並みの尺があり、全ての面で理路に沿った決定的な納得と感情面の納得を組み込んだいろとりどりのヒカリって神ゲーだったよねと思う次第(笑)。


 以上、基本感受性の乏しい私的には、突き抜けて素敵でした、とまでは言えない構成ではあったし、質的には優れていたとはいえもう少しヒロインとイチャラブしたかったよね、って憾みもないわけではない、粗もそれなりに散見する作品だけど、この世界観の美しさと儚さ、その中で健気に生きるヒロインの姿が、絵の魅力とも相俟って素晴らしく感銘を呼び込むつくりは本当に良かったなと思います。
 評価としても迷う部分はあったのだけど、大枠の部分での説得性の薄さは元々のコンセプトからして仕方ないとしても、やっぱりもう少し構成・演出面で、微調整でも充分に質を高められる余地はあるかな、って感じたのと、初見プレイだとまずはヒロイン選択も様子見、ってなりがちな中で、どうしたって一周目がピーク、って構成なのが善し悪し、ってところを踏まえてこの点数にしました。

 やっぱり一周目であのラストを見て、そこからシームレスに突入するキャラエピローグに一番思い入れが寄りやすくなるのは仕方ないし、まあ私の場合結果的にコトセ大好きになったから、実のところそんなに不満に思ってはないんですけどね(笑)。
 本当にコトセエピローグでの最初のシーンに至るまでの、素朴で温かく、じれったくもむず痒い空気感最高だったなーって思うし、なんかこう久しぶりに凄く、滾った。。。やっぱりそういう感覚は一周目ならでは、だと思うので、改めて未プレイなのにこちらを読んでくださってる方には、一周目に一番好みだと思うヒロイン選ぶべし!と助言しておきますです。


キャラ(20/20)

 どうしてもコンセプト的にヒロインのトラウマの克服、という部分がメインファクターになってくる作品ではあり、その流れの中で頑なだったり後ろ向きだったりする部分も見えてきてしまうけど、そういうのをしっかりフォローするだけの魅力の部分を、尺が短い中でもインパクト強めにしっかり打ち出してくるのがこの人らしいメイキングだったなあと感心したし、本当にみんなベクトルは違っても健気で献身的でひたむきで、いい子達ばかりだったなあとしみじみ思うのです。

 一番好きなのは終わってみると珍しい事にお姉ちゃんキャラのコトセだったりする。。。
 上で書いたように一周目に選択したから、っていう外的な要素も強いけど、それを差し引いても、本質的に一番甘えたがり、ってくらいに弱さを抱えていて、だけどお姉ちゃんだから、って気を張って生きている健気さが胸を打つし、その反動として衆目の中で素直に甘え切れずにアタフタするところや、自分から積極的にアプローチし切れなくてモヤモヤを募らせていく雰囲気とかさいっこうに可愛かったと思います。
 あとそれを助長するかのように、立ち絵の赤面顔が鬼可愛いのー!
 それにナイス黒ストヒロインでもありましたしねー。個人的にプリーツスカートと黒スト、ってコンビネーションもかなりグッとくるものがあるので大満足でした。

 ハルも立ち位置的にはメインヒロインであり、その一途な想いの強さ、気高さには惚れ惚れするところがありましたねー。
 個別としても他の二人より少し構図が違っていて、ある意味ではこの子を一周目に選ぶのが一番破壊力があるかな?とも思う向きはあります。とにかく個別に入ってからの気安く親しみやすい雰囲気と、一心な愛情の発露にはやられますね。ホントに愛らしくて超可愛いです。普段の寝惚けボケボケとか、ちょっと隙があるのもまた愛嬌でいい感じですしねー。

 ユキナは三姉妹の中だと一番落ちるかな、とは思ったけど、それでも充分に可愛いですよねー、にしし。
 彼女の場合元のトラウマが世界の否定、回避的な性向を示している分だけ、関わり方も上の二人よりは能動的、かつ主導的なイメージはあったし、だからトラウマを克服する前のあたりのきつさはあれ、その後の反動的な積極的なアプローチ、真っ直ぐな思慕は清々しく気持ちいいものだったなと思います。CV的にも溌剌妹として素晴らしいチョイスでしたしねー。

 そして当然レン可愛いよレン!
 元々の存在理由が特殊だから、人格としてもどこかアンバランスさはあり、無垢でありながら老成も感じさせたりはするけど、概ねは無邪気でちょっと我が儘だけどそれが可愛い!って感じの素敵ロリっ子だったと思います。口癖も面白いっていうか、いつの間にかユキナのにししーが伝染してるのがちょっと微笑ましかったり。
 その上できちんとヒロイン扱いのおまけルートもあったのは大歓喜だったし、うーんやっぱりいいですよね、こういう幼気な子が懸命に色気を振り撒いて迫ってくるとか、まだアレの前だからいくらでもOKだよ的なシチュ、実に背徳的でロリスキーとしてはときめかざるを得ないと言いますか、あは♪
 CV的にも最適な人選だったなーと。このちょっととっぽい感じが、テキストのノリにもキャラ性にも抜群に噛み合っていたし、それでいてきちんとシリアスでの切ない想いの吐露でも綺麗に嵌るのだから素晴らしいとね。

 サブだとマヤが一番好きかな。ああいうかっこいい生き方してみたいですよねー。
 そしてアカリさんせっかくなのに出番少ないっすよ!


CG(19/20)

 非常に幻想的、神秘的でありつつ、そこに優しさ、柔らかみをしっかり携えたバランス感がすごく素敵で、あめとさん絵はSMEEの時でも好きだったけど、あっちはどうしても舞台設定的にファンタジー組み込まないつくりがメインなので、改めてこういう世界観との親和性の高さに気付かされたというか、こういう作品作りたい!ってイメージが明確な中での人選が素晴らしく嵌っているんじゃないかなと。
 質として本当に素晴らしく感じたし、値段踏まえれば量的にもまずまずで、事前の期待よりだいぶ楽しませていただきました。

 立ち絵に関しては量的には水準だけどセンスがいいな、って感じ。
 ポーズはメイン四人は三種類と腕差分ちょいちょい、サブや子供時などは一種類のみですね。まあメインにしっかり必要な素材を投入しているし、あと地味に全員に後ろ姿を組み込んでくれたのがいいセンス、この作風の中で切なさ、悲しみを表現するのに絶妙な一役を買っていたかなと思います。
 お気に入りはメインの四人に関してはほぼ全部好きかなー、あとマヤとユウ、幼少コトセは結構可愛いと思います。

 服飾はメインで四種類、サブは一種類。世界観的にシチュエーションの中でバリエーション押し広げる余地が少ない中で、きちんとデート用おめかし服まで完備してくれたのは素敵でしたし、後全員にしっかりパジャマが用意されていたのもGJ!って感じ。
 お気に入りはコトセ私服、デート服、パジャマ、ハル私服、制服、デート服、ユキナ制服、デート服、パジャマ、レン私服、制服、おめかし服、パジャマあたりですね。

 表情差分はすごく多くはないけど喜怒哀楽がくっきりしている感じで印象的だし、演出効果のエモーションもあるからすごく躍動感、活き活きとした雰囲気は感じる場面が多かったなと。
 特にお気に入りはコトセの赤面での焦りとか半泣きとか、なんだけど、しかしこれ、折角立ち絵回想がついてるのは素晴らしいんだけど、どうやってあの目の下全面ロング赤面パターン表示できるの?なんか出来なくない?ってところでちょっと悲しい私。
 その他お気に入りはコトセ笑顔、怒り、泣き顔、拗ね、ジト目苦渋、ハル笑顔、きょとん、膨れ、照れ笑い、照れ苦笑、ユキナ笑顔、にししー、睨み、半泣き、レン笑顔、拗ね、憂い、照れ笑い、ジト目、呆れあたりですね。


 一枚絵はモノトーンとか小物系もいくつかあるけど、全部ひっくるめて65枚かな。まあ値段考えれば水準とは思うし、まあ贅沢を言えばもうちょっとレンのが欲しかった、ってのはあるけど、質的にはすごく感情が零れ落ちそうに伝わってくる構図や雰囲気が上手く出せていて素敵だったと思います。
 あと絵ごとにタイトルがついてるのは、よりそれに対するイメージがしっかりしてるんだな、って気配が伝わってきて個人的に素敵だなと。感想での紹介もしやすいし(笑)。

 特にお気に入りは5枚。
 1枚目は零れたものと崩れたもの、やはりこういう感涙シーンでの切なさが綺麗に幻想的に描かれているのは素敵ですよねと。
 2枚目は心を出せる場所、モノトーンの中ではこれが一番グッと来たかな、ってのはあるし、これも構図がいいなと思います。
 3枚目は取り戻した涙、今回は涙の描き方が印象的だなって思ったけど、その中でもとりわけこれが打策士かったと思ってます。
 4枚目はレンっていう名前、この悲しみのない世界の象徴のような構図と無垢な愛らしさのコンビは最強ですねー。
 5枚目は欲張りな仔猫、やっぱりちっちゃい子の背面座位大好きー、ってところで、このエロ可愛さ最高ですよねー(笑)。

 その他お気に入りは差し伸べられた手、譲れない想い、決意と憂い、胸の中の忘却、砂時計の日記帳、悄然の羽、愛しさを抱きしめて、想い咲く、幸せの隣に、より深く、なお強く、物語のような光景、涙色のありがとう、川と木漏れ日とアップルパイ、恋人と歩く道、託された物語、握った手と触れ合う心、結ばれた気持ち、幸せを抱いて、好きだから、錆色の追譚、真夜中に残る告白、栞と共に破り捨てられた、取り戻した約束、触れれば溶けてしまいそうな、幸せに包まれて、本物の家族に、過去と未来への道、舞い降る羽の中で、子猫の誘惑、ファミーユ、欠けゆく絆、枯れない花と終わらない世界あたりですね。


BGM(19/20)

 曲もまた素晴らしく幻想的で切なくも優しいメロディでの統一感が底流にしっかり備わっている感じで、質量ともに満足できる素晴らしい出来だったなと思います。

 ボーカル曲は2曲。
 OPの『永遠に咲く花』は名曲ですねー、出だしの切なく悲しいイントロの時点でグッと引き込まれ、広がりと深みがありつつ途中までは檻の様な閉塞感も備えているのを、枯れないで〜からのサビへの意向の中でスカッと破ってくるメロディライン、構図が素晴らしく、ボーカルの声質とも非常にマッチしていてすごく素敵な曲だと思います。
 EDの『虹色の世界』も幸せを一歩ずつ噛み締めていくような優しく温かく情緒に満ちた旋律が素晴らしく、サビラストの伸びやかさ、広がりに無限の可能性を感じさせるのがまたいいなと。ただこれは曲単体でよりEDムービーとセットで見てより良さが出るかな、ってイメージで、曲そのものとしてはOPの方が好き。

 BGMは全部で23曲と、値段考えれば水準はクリアしているかなと。コミカルでハートフルな日常も、悲しく切ないシーンもどれもが柔らかく神秘的な彩りに包まれていて実に素敵でした。

 特にお気に入りは2曲。
 1曲目は『夜の終わりに』、静かな夜の中でも、どこか家族の息吹を感じていられる幸せが、少し切ない彩の中にギュッと詰め込まれている感じですごく心が落ち着く素敵な曲だと思いまする
 2曲目は『灰被りの教会』、途絶えてしまった絆の悲しみを切々とつづったイメージがより後半で透明にしめやかに表現されているところがとても好きです。

 その他お気に入りは『追想』『街路樹を見上げて』『ファミーユ』『スズムシのコーラス隊』『アフタヌーンティー』『子猫のダンス』『夕顔』『花葬』『彼方からの呼び声』『夜の呼吸』『月の欠片』『空に架かる橋』『七色の川』あたりですね。


システム(9/10)

 演出は全体的に良好。
 立ち絵演出は感情アイコンに立ち絵同期も合わせて実に活発にコミカルに動かしてくるし、テキストのスピード感と相俟って本当に生き生きしてるなあ、という感じがします。その上での背景や音の演出も効果的だし、魅せたい場面での画面効果演出も多彩で奥行きがあり、短い中にもギュッとやるべきことを取り落としなく詰め込めている素敵な仕上がりだと思います。
 ムービーもOPEDともに非常に煌びやかでありつつ切なさや淡愁を感じさせてバランスのいい出来だし、特にOPは凄く綺麗だなって感じましたねー。

 システムも特に不備はないかな。
 ジャンプ搭載してるから回収プレイも苦ではないし、他設定も細やか、とまではいわないけど必要なものは揃っていて問題なし、回想系も充実しているのだけど、上で触れた赤面差分搭載してる?ってのだけが私の心残りではある。いやホントにコトセの赤面可愛いんですって!


総合(88/100)

 総プレイ時間9時間くらい。共通、というかメインのストーリーが6時間ちょいくらいで、キャライベントやエピローグ諸々合わせて3時間…………はないかな、ってくらい。基本的には必要最小限のイベントをインパクト重視でギュッと詰め込んだ、短いけど密度は高い作品、と言えるのではないでしょうか。
 不満を上げればそれなりには出てくるけれど、全体の雰囲気の良さと読後感は素晴らしく、それなりのコスパもあるかなってところで、こういう構成にありがちなキャライベントやシーンの物足りなさもギリギリ値段相応の範疇には捻じ込んできてると思うので、気楽にちょいと手に取るのにはもってこい、ってところです。

 コンセプト的に心に痛い部分もあるけれど、大枠で見れば真善美を貫いての優しい癒しをくれる作品ですので、ヒロインでお気に入りの子がいるなら素直にプレイしてみて損はしないと思いますねー。
posted by クローバー at 03:40| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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