2016年12月02日

学校のセイイキ 

 まあ多分に惰性的な部分もありつつ、マイカはそこそこ気に入ってたキャラだしね、というところで。

シナリオ(14/30)

 それはセイイキなのか?

 この作品は2014年12月発売の彼女のセイイキ、ないし2015年8月発売の妹のセイイキに続く、セイイキシリーズ第三弾になります。
 故に舞台設定やキャラ背景などは一作目から共通、けれどその中でのパラレル的な、今回の場合は時系列的にも上二人とくっつかなかった場合の、マイカ&やえかとの新たな未来、という形になります。

 今作の超ざっくりなあらすじとしては、冬休みに入って家出してきたマイカを家に迎え入れて、その折衝の関連などで先生としてのやえかの、今まで見せなかった一面や悩みが垣間見えて、さて二人の悩みのどちらに深く寄り添おうか、って感じで分岐していきます。
 テキスト的にはいつものなかひろさん、と言いたいところですが、今回は元々短いセイイキシリーズの中でもより設定や展開が雑で、正直エッセンス程度しか楽しめないなぁ、という感じ。らしさは出ているけどそれを魅力的な文言に昇華出来るだけの尺や天丼感がうっすいというべきか。Hシーンだけ別の人(全部じゃないかもだけど)、ってのも含めて、色々物足りなさはありました。
 ルート構成も、出だしの同居展開の雑さ同様にほぼ一択、ルート分岐後にまたちょっとノーマル的なエンドに分岐する選択があったりもするけど、でもそれもシナリオの必然というより3Pしたかっただけじゃね?って気配しかなくってなんだかなぁ、ではあります。

 まー正直ここまでの適当な綴り口からお察し、ではあると思いますが、シナリオ面としてほとんど強調できる部分はないですねー。
 過去二作においては、きちんと冬華とゆかなというヒロインの、彼女ならではの拘り、彼女達をそうさせてきた原点、セイイキに対するアプローチがしっかりしていたし、けど主人公がその複雑怪奇な心性の一番深いところに至るまでにはどうしても時間がかかって、関係性の変化と心性の寄り添いのズレ、ギャップの中ですれ違いや対立、時にはエンド変化に至るまでの差異を埋め込んであり、短い中でも味がある、と言える内容でした。

 基本的には最初からどこまでシリーズものを想定していたか、って部分も含めて、やはり本質的な設定自体が冬華をヒロインとする展開の中でこそ一番生きる、っていうのは今でも思うし、ゆかなの場合はその冬華のセイイキの存在自体が、自身のセイイキの瑕疵となる、という対立軸を作っていくことで、セイイキシリーズとしての特性を確立させていました。
 でも今回は、そもそもヒロインが二人いる、という形式になって、でも全体の尺自体は前二作とほとんど変わらない長さであり、当然その分だけ一人頭の掘り下げは薄くなるし、そのくせHシーンだけはトータルで150%くらい、一人頭75%くらいのボリューム確保しているから余計に、ってところになります。

 勿論エッセンス程度であるとはいえ、マイカにもやえかにも譲れないもの、大切な想いというものは位置づけられていますが、それ自体の底は浅く、一応建前としてその本音に気付く前に関係性は進展している、というフレームそのものは踏襲していても、それで各々のキャラに傾倒したり、考えさせられたりという深みはぜんっぜんないよなぁ、と思わざるを得ませんでした。
 とにかく展開を極限まで凝縮していて、家出&同居に至る展開もすごくやっつけ、挙句ゆかなは海外の両親の元へとかご都合主義も全開だし、過去作ヒロインがチラ見出来るくらいで一切合切シナリオ展開に絡んでこないのもファクターとしては明確にしょんぼり、なところで。
 かつ、恋愛状況を形成する過程もめっさ薄く、いざくっついたらくっついたで、もう恋人なんだからなんでもうぇるかむかむー、な精神性を発露してのHシーンの連打と、その恋の温もりを噛み締めたり、イチャラブでときめいたり、って部分が相当に投げやりになってしまっているんですよねー。

 そりゃまぁHシーンが多くて嫌だ、とまではいわないけれど、私としては少なくともキーになるシーンに関しては、そこに至る過程の出来如何でのめり込み度合いが如実に変化するプレイヤーなので、なんの恥じらいも背徳感も躊躇いもなく、恋人なんだからHするのは当然、的に踏み込まれるとえー…………ってなるところはあるのです。
 かつシーンとシーンのスパンもすっごい短いし、立場や状況を踏み越えての危険なシーンに対しても葛藤などは全然見えないから、本当にHする為だけのシーン、って感じのがほとんどになっちゃうんですよね。これは圧倒的にバランスが悪いぞと。

 そんな感じで、正直読み物としてはセイイキシリーズならではの味わいが果汁10%くらいに希釈されて、その分違和感のあるギトギトな甘みの人工甘味料を添加されたイメージ。
 といって抜き特化ゲー、というほど開き直ってないし、実際のところこのシリーズがどのくらいスマッシュヒットしたのかはしらんけど(こうして続きが出るくらいには売れたと予想はつきますが)、妹の時点でも二番煎じ、どうしても違和感が滲むのは避け得なかったのに、今回はもうそれを糊塗する気すらないね、と思わざるを得ませんでした。

 まー今年の冬近辺はやたらめったらとなかひろさんの手掛けた作品がリリースされまくるわけで、そんなに仕事抱えてて平気だったん?的な不安はありましたけど、少なくともやっぱりこれは本当に気乗りしてないというかやっつけというか(笑)。まぁその分アス永遠とティンクルには期待できると思うことにしときます。。。
 個人的にもそもそもこれはシリーズとして継ぎ接ぎしていくのにちと無理が多い構成ではあると思うし、妹の時点では本当に上手く整合させてきたなぁと感心したくらいだったわけで、今回ヒロインが二人とか、明らかにコンセプトを逸脱したつくりの時点で察するところがなかったわけではないのですけどねー。それでもやっぱり残念なのは残念なのです。
 実際分量的にも、CGは普通に値段通りに1,5倍にはなっていて、だけどそもそもシナリオは二人ヒロインなら1,5倍じゃ同水準には絶対にならない、って事ですもんねぇ…………。無論合間合間で時折はらしさがひらめいてクスッ、とさせられることもありましたけど、総合的に見ると微妙、の一言になってしまうのでした。


キャラ(19/20)

 この辺は正直元々やえかにちぃとも関心ない、って部分の影響もあるけど、少なくともマイカは元から好きだったので、前二作程度の掘り下げがあれば強いて割り引く必要もなかったんですが、流石にここまでやっつけで、心性としても軽さが目立つつくりだとなぁ、って感じ。

 マイカはまあちょっと不思議系の素直&献身的ロリっ子で、素材としては当然とても可愛かったと思います。
 ただやっぱり母娘の確執とか、あくまでこの留学にこだわる理由とかの部分でも掘り下げが薄いし、セイイキシリーズらしい絶対的な拘泥、という印象は読み手に彫り込まれてはこない、そして好きの理由も関係性の進展もかなり大雑把でご都合主義的なイメージは強く、うぇるかむかむーは可愛いんだけどね、って話。
 あとくるりん体操の由来はどこにあるのか(笑)。あれはあれで結構可愛かったので、なんでああいう挙措をするのか、って部分に、今までだったら膝を打つ特別で特質的な理由とかありそうなものだったのにねぇ、と残念に思う向きが強かったです。

 やえかはなぁ、そもそも一作目の時点で立ち絵すらなかったのにヒロインとかどうなのよ、って思うし、ぶっちゃけ店員ちゃんの方が人気あるよね?って思うのですが。。。
 まあ妹と対比的に、家族としての在り方に対する悔恨があって、それ故の拘り、って点ではらしさも滲ませていたけど、でも色々と教師としてはアウトー!な面がこの雑な展開の中だとフォローし切れないし、外面完璧のくせに身内の前では怠惰、って二面性は、個人的に年下キャラなら愛嬌でいいんだけど年上キャラだとうーん、ってなる人なのでね。別にヒロインでないなら笑って済ますけど。

 そして冬華の出番が少ないぞ!もっと冬華を出せ、出すんだ!
 というか、確か2ワードくらいしかなかったのにわざわざ収録したの?とそっちの方が気になってしまったよ。。。ひょっとしたら過去作のボイスを再利用、切り貼りしてる可能性すらあるなこれ。


CG(18/20)

 まあ少なくとも今作の中では一番まともな部門。。。
 ただ純粋にキャラの好き好みや、状況に至るまでの背徳感やときめきの薄さ、日常イベントCGの少なさなど諸々考慮すると、過去作よりは惹き込まれ度合いが低かったかな、というところでこの点数ですかねー。

 立ち絵に関しては正直どれくらい新規があったか、過去作の記憶も薄いのでイマイチ判別できませんが、まぁマイカの裸パーカーあたりは追加分かな。まあぶっちゃけあの恰好で添い寝しちゃう時点で襲われても一切文句ありませんー、むしろうぇるかむかむー、ってのが透け過ぎてる気はしますがね。。。

 1枚絵は通常が29枚のSDが11枚、相変わらずSD比率の高さに頼ってるなぁ、って感はありつつ、妹からするとほぼ1,5倍に純増しているので値段相応、とは見做していいと思います。
 ただ当然ヒロイン二人に対して1,5倍なので、一人頭としてはやや物足りなくなってはいるし、シーン数自体はそれなりに確保しているから、日常シーンイベント絵がその皺寄せを受けている、という感じは否めずそこは残念なところです。

 特にお気に入りはマイカのラブラブ手繋ぎ騎乗位かな。これは構図の良さ、バランスのいいエロ可愛さとボディラインが渾然一体となってすごく好みでした。
 その他お気に入りは、マイカはまあ全部でいいし、やえかもまぁ絵そのものは可愛い&えっちぃ感じで良かったのではないかと思われます。まあ好みじゃないのでどうしても、ってのはあるけどね!


BGM(14/20)

 ここも基本的にはボーカル以外新規なし、かな。もしかするとやえかの専用BGMの裏表シスターだけは初登場かもだけど、特に耳を引く曲でもないですしね。

 ボーカル曲自体は妹の時よりはいい感じ、だけど、OPもEDも特筆するほど好み、ってことはなかったですかねー。これに関しては本当に彼女の時のOPEDが凄くお気に入りだったので、その反動的な部分でハードル上がってるのはあるかもしれませんけど。


システム(8/10)

 基本的にシリーズの質を踏襲、というところ。
 ムービーもそこまでキャッチーではないし、普通かなぁ。


総合(73/100)

 総プレイ時間4時間。共通1時間で個別が1,5時間ずつくらいと、これまでの二作のようにクォータープライスならまだしも、ヒロイン二人で値段も引き上げて、ってところでは物足りなさは大きいですね。
 まあもっとも、このシリーズに何を一番に求めるか、って部分において、私のようにさやかでもシナリオの味わいを、と考える方が少数派の可能性は高いなってところで、綺麗な絵とエロスが存分に堪能できるんだからいいじゃん、と割り切ってしまえる人ならこれはこれで、って内容ではあるのかなとも思います。
 
posted by クローバー at 03:56| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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