2017年02月01日

アストラエアの白き永遠Finale −白き星の夢−

 本編も非常に面白かったアス永遠のFDということで、買わない理由がなにひとつないですね。二度の延期は切なかったです。。。

シナリオ(22/30)

 支え合って生きていくこと。

★あらすじ・概要

 この作品は2014年7月に発売されたアストラエアの白き永遠のFDになります。思えばもう本編発売から2年半も過ぎていたんですね。月日の経つのは早いものです。
 コンテンツとしては、本編ではキーキャラでありつつも立ち位置としてはサブヒロインに徹していた幸がヒロイン昇格し、改めて彼女と歩む道のりの中で、この世界観における大団円を目指すグランドルートがメインになります。
 その他、本編ヒロイン6人のアフターストーリーに、サブキャラのひなたと、人気キャラの葉月にスポットを当てたショートストーリーも収録されています。

 メインである幸の物語は、本編雪々シナリオの中途からの分岐、という形で展開され、雪々シナリオの着地とはまた違った形での救い、大団円を成立させている物語になります。

★テキスト

 いつものなかひろさんです、の一言で済ませてもいいでしょうか(笑)。
 お約束の繰り返しや、わざとかってくらいの意図のすり替え、けどそれが本質的には的を射ているやり取りの絶妙な面白味など、いかにもって魅力がたっぷり詰まっているので、信者としては本当に満足度が高い内容でしたね。
 かつ本編よりもイチャラブの絶対量や甘さはブーストしているので、その辺でやや食い足りなかったのをしっかり補完する、FDとして必要充分な読み口に仕上がっているかなと思います。お姉ちゃんはまだ若いんだぞっ!がどうにもツボですわ。。。

★ルート構成

 全体構成としては、まず一周目は幸グランドルート強制になっています。
 ただし選択肢自体はなく、プレイそのものは一本道で、そして幸をクリアすると他のアフターやサイドエピソードをスタート画面から選べる、という仕様ですね。
 極端に奇を衒ったところはないですし、流石にいろとりどりのヒカリのような圧倒的な奥行きはないものの、FDとしては充分ではないでしょうか。

★シナリオ

 このメーカーの信者になって長いですが、まあ正直星メモFD、いろとりFDほどの威力はなかったかな、というのが正直なところではあります。
 それはかなり構造に拠るところは大きくて、星メモの時はメイン二人のアフターをしっかり尺を取って展開する中で、新たな問題や未来の不安に対峙していく新鮮な内容を組み込めたし、いろとりどりのヒカリに関しては言わずもがな、本編を超えるシナリオをぶっこんでくるとは、という驚き、FDとは思えないボリュームがありました。

 対してこちらは、あくまで大枠の構造、理想的な着地点そのものは見えている中で、改めて幸をヒロインに据えた上でどうやってその地平に軟着陸させるか、という、一種の予定調和的な展開になってしまうのは致し方なく、その点での驚きや感動の深まりはどうしても前2作のFDに届かなかったかな、とは思っています。
 アフターに関しても雪々も完全に他のヒロインと横並び、という扱いでしかありませんでしたし、無論個々のエピソードは素敵なものばかりでしたけど、FDの枠を踏み越えて素晴らしい、とまで言えるのはなかったという感じです。

 その上で、メインとなるグランドルートのシナリオ構造も、多少なり引っかかるところはなくはなかったな、という感じで。
 本編感想で考察したように、雪々のエムパシーが波及しているこの時間軸においては、過去未来色々含めての可能性が、いったん白き星の夢、という形で提示されたような時空間にプールされていて、無意識的にその蓄積の影響下にある、と私は判断しています。
 
 なので、雪々シナリオで、改めて陸と雪々が絆を結んで、互いを削り合うような形で未来の救いを待つ、という展開を見た上で、その流れの中で拾い切れなかったものを、という意識の反映が幸ルートには浮き彫りになっている、と考えますし、このルート分岐の取っ掛かりになっている雪々の未来予知と、それが実際に起こったことは、その文脈で理解すべき事象だと思います。
 確かにそれは潜在的に起こり得る可能性ではあるし、逆にそれまでは雪々が無意識に幸の平穏を願っていたことで阻止されていた可能性、と見做す事も出来て、なればこそ雪々ルートでの幸の目覚めからの立ち回りを見て、改めてそれだけでは、と思ったからこそと定義できるのは確かです。

 なんですけど、やっぱりパッと見にはその展開は外的要因に見えすぎるし、それだけを決め手にしないで、もう少し複層的に、自然な分岐の流れを作ってくれても良かったんじゃないかな?と思う向きはあり、それは若干割り引いて考えたい部分ですね。

 その上での幸との新生活の中で、雪々の足跡を辿っての夢の世界での旅と、現実で一歩ずつ支え合って築いていく生活感のバランスは程良かったと思いますし、いい意味でも悪い意味でも世間ずれしていない、けれどお姉さんぶりたい幸、というキャラの面白味、深み、強さをしっかり引き出せているシナリオになっているとは思いました。
 ただそこでも、シナリオ構造的には初出的な驚きはほぼなく、せいぜいその髪飾りの意味くらいで、本編でなんとなくそうなんだろうなー、と予想出来る事象の再確認、焼き直しの色合いも強くて、それはそれで噛み締めるような面白さがありましたが、図抜けてプラス評価に転じるほどのものではなかったなと。

 決着点に関しても、当然ながら出来る事しか出来ない、という中で、二人が寄り添って歩んだ結果としての想いの造型の反映には正しくなっていて。
 まあ元々二人の能力チートに近いですから(笑)、あくまで陸が自身の力のみを恃みにして、他のルーン持ちに対しては救いと感謝を、という意識が強ければ雪々ルートになるし、幸と最初から二人三脚で雪々を救おう、と願う中でなら、素直に他のルーン持ちの仲間の力を頼りにする精神性を獲得できる、というのは、ごく自然でかつ理想的な着地点だと思います。
 最終的な解決への道筋は、コロナのサンプルリターンを待たないと成り立たない、という中では、これが一番傷つく人も損をし過ぎる人もいない、優しい助け合い、支え合いの形にはなるわけで、そうなればいいな、と期待していた形をきっちり踏襲してくれたのは流石だし、満足の出来る内容でした。

 アフターに関してはまあ、星メモよりは長いけどやはりポリューミー、という事はないものの、二人が改めて未来に向かう上で見据える形、そしてその流れの中で望まれる世界の在り方について触れていく王道的なものでしたね。
 本編ではシナリオの関係で、あまりイチャラブに踏み込み切れなかったコロナとか、気持ちの表現が下手過ぎた琴里なんかは非常に良質でらしいイチャラブを展開してくれていて幸せでしたし、やっぱり落葉が意地を張っての姉妹漫才はあったかくも楽しいなぁ、というところで、こちらも本編ファンなら存分に充足出来る幸せ時空だったと思います。

 まあアレですね、ごくごく個人的に敢えて言うなら、言うならっ、ひなたをああいう形で攻略できるのなら、是非、是非柚子さんを…………っっ!と思う気持ちは、今回色々な場面でさりげなく見せる素敵さに触れて益々強くなったんですけどねー。
 琴里ルートでのアドバイスとか、あと雪々ルートでの私服とか本当にいい子だなー、可愛いなー、って思いましたし、ほんっと好きなんですけどねー…………。
 あと魔法少女ムーンリーフのシリーズ化はありますか?毎回入浴シーン付きでお願いします(笑)。

★シナリオ総括

 いつもながらに丁寧に作られた、けれどごく標準的なFD、という範疇は出ていない作品だと思います。
 本編発売から2年半も過ぎてますし、いきなりプレイしても結構忘れている場面が多そうな、裏構成の難し目な作品でもあるので、その辺の思い入れの差で、当然この内容にもどこまでのめり込めるか、ってのが違ってくるとは思います。
 去年の秋にVita版も出たし、基本的には本編おさらいしてからプレイした方がより楽しめるかなとは思いますね。本編なっがいので中々忙しい現代人には難しい話ではありますけど。。。

 ともあれ、期待以上ではなかったものの、ほぼ期待通りのものは見せて貰えたので満足はしております。


キャラ(20/20)

★全体評価

 相変わらずの善人ワールドで、癖はありつつもそのやり取りのおかしみがどんどん癖になっていく世界観、キャラの雰囲気は本当に素晴らしいですねー。その上でのFD、という中で、本編よりコミカル要素も多めに展開されていて、すごく愛らしさが引き出されていて満足度は高いです。

★NO,1!イチオシ!

 まあこれはどうしたって落葉に尽きるんですけどねー。うぁー、改めて落葉可愛い可愛い可愛いーーー!!!
 相変わらず恋人になっても素直になり切れないのを純粋な疑問を装って葉月に突っ込まれてアタフタする、という様式美が完璧でしたし、どのルートでも安定して主人公を支え導く存在としての強さ、輝きがあって、幸ルートの活躍ぶりも良かったし、やはり大好きだなぁ、としみじみその言動の全てを噛み締めておりました。

 アフターでの自己嫌悪を伴う煩悶、一人でのジタバタも圧巻の可愛さでしたし、そしてやはりエムパシーマジエロパシー(笑)。基本Hシーンは淡泊めにまとめられている中で、落葉だけはやけに力が入っていたと感じるのも決して間違いではないでしょう。。。やっぱりこれ、Hシーンを書く上での素材としては美味し過ぎますよねー。

★NO,2〜

 基本的に全員可愛くて序列つけづらい作品であるのですが、FDであることも踏まえて、本編からの伸び率で言うと、やはりシナリオ補正込みで幸が筆頭にはなってくると思います。
 過去回想を吟味する限り、実は思ったより年上なのね、ってところはありつつ、それを結構気にしてる感じでの気張り方、頑張り方が素敵だったし、でも本質的にずっと籠の鳥だった経緯があるから、変な染まり方をしていない真っ直ぐさ、純誠さは要所で丹念にひらめいており、本当に可愛く楽しいキャラだったなと感じましたし、この子も大好きですねー。

 りんねルートなんかでのありようもそれはそれで良かったし、しかしこの二人が面白いのは、当人同士は一切血の繋がりはないのに、陸を通じてきちんと家族として心を通わせられる、という構図なんですよね。
 一応姉と妹、両方攻略できるという点でのインセスト感はそこそこありつつも、それぞれに半分しか、というのがそこに踏み込まなくていい担保にはなっているし、親世代のもやっとした部分も今回である程度解消はさせてきましたしね、そこも含めて、家族として末長く幸せになって欲しいなと思います。

 純粋に恋人としての可愛さの+補正が高かったのはコロナと琴里、一夏は安定してどこでも可愛いし、園児組も賑やかで楽しく、本当に幸せな世界観でした。つくづく柚子がおまけでも攻略出来たらなお嬉しかったですけどね!しつっこいけど!なんとかなれなれ!


CG(19/20)

★全体評価

 FD相応のボリュームであり、物足りなさもありますが、基本的にはすごく美麗で優しく温かく、やはり超好みの絵柄、塗りだなあと感じますね。
 ただ時系列的にかなりの時間軸の移動がある中で、特に子供の成長を立ち絵に反映しきれていないのはちょっと惜しいな、と思ったし、そこに手が加わっていればもっともっと物語の深みを素直に味わえたのにな、というのはありますかねー。ちょっと成長した葉月とか是非見てみたかった…………!

★立ち絵

 そんな感じなので、新規素材はそこまで多くないです。
 一応メインの幸はボースもふたつ追加、表情差分や服飾も大分バリエーションが増していて、特にパジャマなんかえらく可愛かったですが、特別に大きなプラス加点が出来るほどではないかなと。
 あ、上でも書きましたが、柚子の私服が増えていたのは超GJ!贅沢を言えば引きの絵でも見たかった、あれ絶対足回りは黒ストですよね、そうですよねっ!

★1枚絵

 完全新規は通常55枚のSD13枚で計68枚。
 FDであり、値段を踏まえればギリ水準には届いているだろうと思うし、個々の出来は流石の安定感と可愛さで素晴らしく満足できましたね。

 特にお気に入りは3枚。
 1枚目は幸添い寝、この寝入りばな、寝起きを彩る無防備な可愛さ、温もりや息遣いが伝わってきそうな距離感は本当に素敵で、しみじみと幸福感を噛み締めされてくれる1枚だったなと。
 2枚目は雪々添い寝、こちらも対比的な意味もあるのかもですけど、負けず劣らずに圧倒的なあどけなさ、愛らしさがきらめいていて、安心しきった表情が本当に可愛くて可愛くて仕方ないですね。
 3枚目はコロナ巫女服騎乗位、背徳的なシチュでの懸命なご奉仕感がいいですし、あと品乳の子が騎乗位前屈みで少し胸を綺麗に大きく見せる構図って大好きなんですよねー。

 その他お気に入りは幸との旅、お風呂、読み聞かせ、歌、腕組みデート、見つけた、卒業、初H愛撫、正常位、お風呂H騎乗位、雪々お花見、幸との再会、背面座位、落葉お風呂、裸エプロン、自慰、背面座位、一夏手伸ばし、屈曲位、りんねと幸、対面座位、コロナキス、フェラ、バック、愛撫、琴里水着、パイズリ、正常位、ムーンリーフ、銭湯あたりですね。


BGM(19/20)

★全体評価

 FDでありつつ新規ボーカルが4曲、BGM追加もかなり多く、FDとは思えない注力ぶりで、流石に本編ほどの絶対的な破壊力はなかったものの非常に満足度の高い出来でした。

★ボーカル曲

 完全新規が4曲に、アレンジ含めると6曲ですかね。
 OPの『ユーフォリアム』は世界観を踏襲した一握の郷愁を孕みつつも、それ以上に綺麗で幸せな未来を予感させる透明で伸びやか、健やかな旋律が耳に心地よいですね。とてもいい曲だと思います。
 アフターEDの『白いサクラ咲いて』も躍動感があり、清々しさに満ちた綺麗な曲ですが、この布陣の中だと少し素直過ぎて割引ですかね。

 雪々EDの『smile again』は、キャラテーマソングでもあるのでその分雪々と幸、二人の情感を前面に押し出した歌詞、旋律になっていて、聴き込むと味わい深くはありますが曲としてはもう一歩かなという感じです。
 グランドEDの『Dream come ture−花咲き誇る、地球のもとで−』が結果的には一番好きな曲ですね。グランドらしい悠久の広がりを思わせる荘厳な旋律と歌詞で、本編グランドを彷彿とさせつつも、そこにより強靭な絆の色を塗して明るく仕上げた感じは凄く好きですね。特にサビは気に入ってます。

 ただやはり本編の全て殿堂入りさせたボーカル3曲ほどの破壊力はなかったですし、改めて雪のエルフィンリートいい曲だなー、としみじみ聴き入ってしまいますねー。

★BGM

 完全新規はインスト抜きで15曲、込みで20曲でしょうか。
 どちらにせよFDとしては充分過ぎる新規量ですし、質も相変わらず繊細で美しい仕上がりで、世界観とぴったり嵌る感じで素晴らしかったと思います。

 お気に入りは『悠久のセレナーデ』『新しい世界のはじまり』『淡雪の情景』『白き星の夢』『Spring ephemeral』『儚き雪』『Pathetic〜出会い〜』『ゆきおと』『桜花抄』あたりですね。


システム(9/10)

★演出

 いつもながらの情感演出の丁寧さは見事の一言ですね。
 FDでも要所でじわっと感じ入る場面、情景をしっかりメリハリつけてみせてくれるし、やはり好みには合うなーと思います。
 OPムービーも本編と対比的に、でも雪々と幸が向かい合わせになって新たに見える時空、という雰囲気がすごくしっかり写し出せていて、これはいい出来だったと思います。

★システム

 一方システム面は、そろそろなんとか出来ないかなぁ?と思う部分がぽつぽつ。
 そもそもの操作性もそこまで便利ではない、ってのと、この時代にしては解像度が低いこと、後はインストの重さや、セーブデータ互換のなさはいい加減解消して欲しいと切に思います。
 実際今回プレイして、幸をクリアした後にパッチの存在に気付いて適用したら、セーブが消えるのみならずクリアデータまで抹消されて、もう一周幸シナリオやる羽目になったという顛末もあり、こういうのがあるとどうしても没入感を損なうものはあるので、改善できるなら是非に、とは思いますね。


総合(89/100)

 総プレイ時間11時間。幸グランドが5時間でアフターが1時間弱ずつ、おまけ込みで6時間換算ですね。
 まあFDなので標準的な尺だとは思いますし、その中でプレイヤーが求めている要素はしっかり全て詰め込めているので、丁寧に作られたFDになっているとは思います。
 ただ流石にいろとりどりのヒカリクラスのインパクトはないですし、あくまで標準レベルのFD、まあ私はこの作品に思い入れ強いですし信者ですし、総合力が高いのはあるので点数としてはかなり高くなっていますが、これでも本編からの下げ幅では星メモ以上なわけですしね、こういう評価だと思っていただければ。

 流石の信者補正込みでも、これでSクラスには出来ないかなーって政治的配慮も込めつつのこの点数という所で、でも長らく待たされた甲斐はある、素晴らしく幸せなFDでした。
posted by クローバー at 03:59| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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