2017年02月05日

星恋*ティンクル

 新規メーカーという位置づけですけど、スタッフ的に好みど真ん中過ぎるだろ、ってところで、キャラデザインもCVも絶好だったし、体験版もいつもの雰囲気で楽しかったしで、これを買わずして何を買うー!的なノリで楽しみにしておりました。

シナリオ(23/30)

 その悠久の祈り、あまねく世界を照らして…………。

★あらすじ

 群雲兄妹は、長らく二人きりで懸命に生きてきました。
 母親は早くに亡くなり、父親はそれを苦に出奔して、その後に育ててくれた祖母が他界した事で、主人公はずっと妹のそらはの親代わりのつもりでいて。
 二人が孤立してしまうのにはもうひとつ事情があり、それは二人が世間一般では異能力と呼ばれるであろう不思議な力を持っていたことで、様々な苦悩と苦労を抱えながら過ごしてきたのです。

 そんなある日、二人の窮状を知った叔母の真千から、自分の住む街で一緒に暮らさないか、という提案を受けて。
 いい加減二人きりの閉塞した生活に限界を感じていた主人公は、その誘いを受けて、彼女の住む凪沙町へと向かいます。

 そしてこの町にもまた、不思議な現象が存在しました。
 それは、この町でしか観測できない、ナギと呼ばれる星。
 太古の昔より、町の守り神として崇められ、伝承の影響もあり、外部の人間には徹底して緘口を続けたままで、二人もはじめて町に入り、その輝きと、町の人にとっての信仰的な観念を感得していきます。

 とりわけ、主人公が初日に散策している時に出会った、星と同じ名前を持つ少女、凪の星に対する思い入れはとても強いものでした。
 彼女は今の町の因習に少なからず疑問と不満を持っており、もっともっと外の人にもナギの存在を知ってもらいたい、その輝きの美しさを目にしてもらいたい、という希求を強く抱いていて、その為の部活・星夜部を作ろうと画策していて。
 主人公達のように、そもそもの町の柵に囚われない相手は、人間性も加味した上で凪にとって格好の勧誘対象なのでした。

 それに対し、決まりを墨守すべき立場の、町の御三家と呼ばれる存在があって。
 特に古い世代は、慣習を破ることに対する忌避感は強く、その影響は主人公と同世代である生徒会役員の珠希や、園芸委員で病院の娘の咲良などにも多分に受け継がれていました。
 それは彼女達が、血統的に長年有しつつも隠匿し続けてきた特殊な力、それこそ主人公達が持つ力と似たものがある故、でもあり、凪の勧誘や折衝の中から、主人公はそういう事情を嗅ぎ取っていきます。

 それでも、粘り強く前向きな凪の想いに引っ張られる形で、徐々に仲間としての結束を強めていった彼らは、いくつかの事件を共に乗り越える事で更に団結力と絆を深め、遂に星夜部の発足が可能な状況にまで進展して。
 新しい町での日常にまだ馴染み切らないものがありつつも、主人公や妹のそらはもその中で、はじめてと言っていい濃密な友人関係を築いていきます。
 そしてそれは、主人公の心境に更なる変化を呼び込むに充分な予兆でもあり、部活の発足、そして町が年末の星夜祭に向けて活気づく中で、どんどん大きく膨らんでいって。

 果たして、町の守り神たるナギの正体とはなんなのか?
 その伝承に隠された真実とはどのようなものなのか?
 主人公達はいかなる障害も乗り越えて、育んだ恋を全うすることが出来るのか?

 これは星の光が架け橋となって紡ぐ、恋と絆の物語です。

★テキスト

 実になかひろさんらしい、反復と強調、蓄積の相乗効果で言葉ひとつひとつの重みをしっかり引き出してくる読み口に仕上がっています。
 キャラの掛け合いにしてもじつにいつもの斜め上を突っ切るようならしさ、頓狂さを発揮しつつ、根底には善性と思いやりを強く塗して、そういう飛びぬけた個性を愛嬌の範疇にしっかり押し込んでくるのも、やはり癖はあるけど好きだなぁ、って思うし、実に楽しかったですね。
 作品的にコンパクトにまとまっている分だけ、そのしつこさというか、蓄積の度合いは過去作に比べて一歩譲るものはあるけれど、その分だけソリッドさを要所で強めて、最大瞬間の言葉の威力を引き出せる様なインパクトある言い回しも多用して、基本コミカルでノリが良く、けれど肝要な場面での情感は綺麗に引き出せるバランス感覚は流石だと思います。

 まあ当然好き嫌いは出てくるのはいつも通りと思いますし、今回はシーンシチュなどでかなりフェティッシュな雰囲気も醸しているのでより間口が狭い感じもありますが、その辺加味しても個人的な評価としては揺らがない、というところですね。

★ルート構成

 基本的にはヒロインの内面にどれだけ寄り添うか、の好感度蓄積型分岐ですが、凪だけはルートロックがかかっていて、他三人をクリアしてからの攻略になります。
 凪シナリオを終えると、スタート画面からグランドルートに入れるようになり、そこで全てのルートで寸止めで蓄積してきたあらゆる伏線の答えが明示される、という王道的な構成であり、ややその道行きの見せ方、アフター解放のタイミングなどで雑駁な印象はありますが、構成そのものには文句なく、またその壮大なスケール感、発想力にも感心するところですね。

 他三人に関しては構成的にもある程度独立性が高く、どのルートから始めても全く問題はないでしょう。

★シナリオ(大枠)

 ベースとしては、ナギという不思議な星の存在と、それにまつわる町の風習、そのいい面悪い面合わせての影響に、根源的に翻弄される運命にある主人公やヒロイン達が、それでも自身の想いを、恋や絆を全うするために、必要ならばそういうカビの生えた柵を打破してやる!という趣で立ち向かっていくのが基本線になります。

 ただ、元々そういうストッパー的な要素がある中で、恋愛に踏み込むまでの過程にも難所があり、ヒロインルートはとりわけその部分をしっかり描いて、その後に待つであろう壁との対峙に関しては、あくまでそれがあるだろうという思わせぶりほのめかし、結ばれたことを前提としての超克していく意思の持ちようを提示するくらいです。
 実体的な妨害とか反対などはほぼ出番がなく、色々伏線的な言及はあれど、まずはそれぞれの形で星夜祭を祝う、という状況の中でイチャイチャラブラブして終わり、という形になるので、その点では最初はどうしても拍子抜けに感じるものはあるでしょう。

 また個々のルートでの展開の変化がかなり恣意的にも感じられ、それには当然大枠的な働きかけがあってこそ、という担保はなされるのですが、それを踏まえても一部の展開、能力の代償的な部分でのプロセスの不透明さは残り、もう少し丁寧な肉付けがあってもいいのに、と感じる部分はそれなりにあったかな、と思いますね。
 しかしそういう些細な不満を吹き飛ばせるくらいには、グランドルートで開示される真実と、その絶望的な困難に、紡いだ絆を後押しに立ち向かう姿、その地平に至れるまでの献身的な支えの在り処の提示は心揺さぶられるものがありましたし、大枠的には実にらしい構成で、総合的には齟齬も少ない仕上がりになっているかなと思いました。
 終わりよければ、というだけで突き抜けた評価に出来るほどの重厚感ではなかったのはつくづく惜しい、とは思いますが、それでも読後感の清々しさと安らぎは確かなものですので、それだけでも十二分に価値のある作品かなと感じます。

★シナリオ(個別)

 個別評価としては、グランド>>凪>咲良=珠希>そらはくらいですかね。
 やはり基本線としては凪⇒グランドに全てを収束させるためのつくり、と見做せるでしょうし、他三人が設定的にもどうしたって前座的な扱いになってしまうのは致し方ない事ではあると思います。
 その分どうしてもシナリオ面で踏み込んだ展開には出来ないし、それでいて能力の怪にまつわる諸々などは作為的にシナリオに組み込まれてくるので、単体ではやはり水準的ではあれ、それ以上、とまでは思えなかったのが実情、という所です。

 そういう純粋な恋愛面ともリンクするシナリオ展開、という視座でも、やはり凪シナリオが一番丁寧に紡がれてはいたのかなと思いますし、もう少しグランドとの繋ぎを劇的に演出してくれれば、という憾みはあるにせよ、これは水準以上に面白かった、という位置づけになりますね。
 ただしこの作品のHシーンが全般的に特殊な性向にひた走り切ってる感じはありまして(笑)、無論元々それっぽさはあったにせよ、全てのヒロインにそれを適応してくるのは中々思い切った戦略だなぁ、ってのは感じますのと、あくまで個人的には尿属性があまりないので、こうまで頻繁に連発されると食傷してしまう部分も少なからずあったなー、ってのは含み置いておきたいところです。

 ともあれ、それぞれのルートでニッチな触れ合いを堪能する合間に組み込まれた伏線、不可思議を、ある程度一括して解明してくれる大元の謎の開示は、しっかりグランドで成り立っています。
そのあたりはもう御得意の壮大なSF展開・設定であり、超文明的な部分も恣意的に組み込まれているのですが、全般的にそのベクトルがしっかり、本来的な目的に特化した発展であり、その名残を反映しての現状の現存、という枠組みにおいてはみ出す点は特にないのは最低限の説得性を有する必要条件として機能しているかなとは思います。

 どうも全部クリアしてみると、そういうテラフォーミング特化の力、進化の過程という意味ではアス永遠と類比的な設定でもあるなー、って思いましたし、その辺の後ろ盾もあって、ですけれど、その環境に対する過酷描写の真に迫ったインパクト、その上で最優先として守られ続けてきたものの尊さには、やはり激しく心打たれるものがあったな、と思います。
 グランド単独としても、やっぱりその克服の可能性を紡ぐまでの心象面での変遷がメインに据えられていて、それが成されてからの具体的な労苦の部分はサラッと流されて結果だけ提示されるのは、やはり肉付けとして食い足りない、と感じる向きもあり、その分だけ名作レベルまで引き上げるには躊躇をもたらすつくりではあります。
 それでも序盤から植え付けられてきた言葉の力や想いの価値を反映する、という意味では充分な内容であり、本当に面白かったなと思いますね。

★シナリオ(ネタバレ白抜き)

 なんか終わってみると、メインヒロインリーベルじゃね?という想いがふつふつと湧いてくる展開でしたよね(笑)。他ルートだと、凪と命運を共に、という悲劇的な部分も含めて、その辺は色々思うところもありつつ、その存在感には瞠目するべきものがありました。

 凪の夢の中で、ナギの存在は集団幻覚、的な話が出てましたけど、そこまではいかずとも、潜在的にリーベルが託され、毀損せずに抱き続けた想い、すなわち本物の凪の幸せを願う、というものは、ジンギの力を通して能力者たちの潜在的無意識に訴えかけるものはそれなりに大きかったんじゃないかな、ってのが、まず枠組みの解釈として出てきます。

 この作品は結構個々のルートで外的要因の変化があるのですけど、そういうのも全部能力の持ち主が主体となって発生している部分はあり、総合的に見ると凪が大切にしている相手の関係をより堅牢なものにするために必要な変化、後押しという形になっているわけで。
 それは最期まで凪が幸せな夢を見られるように、というリーベルの想いに合致するものだったと見做していますし、でもそれは、より具体的な切望としては反映されきらない、それだけ現代人の受信能力が衰えているという証左でもあり、故にこういう半端な形での影響と考えられるのかなと。

 この展開、設定だと、リーベルが率先して凪を救うために活動すればいいじゃないか、と思う向きもありそうですけど、それはいくつかの理由でできない相談だったろうとは思います。
 少なくとも能力者以外の前にも姿を見せられるのは、風子との関わりで証明されているとはいえ、実際的に一般人と関わりになるのは、実体のある凪がホログラミングされるのとは難易度が違いそうですし、その上で元々機械であり、人間の心の機微に通暁しているとは言い難いリーベルが、窮状を忌憚なく訴えて救いを求めたところで、どこまで信憑性を持って受け止めてもらえるか、むしろ逆に疎外される可能性の方が高い、と、長年の人間観察の結果から導き出していたのだと思います。

 それにリーベル的には、あくまでも自分の役割は現状の危機から凪を護り通すことで、凪を救うのはこの星の人間が主体的に成し遂げて欲しい事であり、そうでなければ受け入れられる土壌もない、という懸念も含めての、いよいよ限界が近い、となった中での地表への投影は、苦肉の策的な凪の処遇だったのだろうと推察出来ます。
 ともあれ、その想いが能力者に暗然とした影響を及ぼしていた、というのはほぼ確実に思えますし、また個々のルートでも、凪以外のヒロインと主人公が結ばれるためのさりげない手助けなども裏でやってそうな雰囲気はあるんですよね。
 能力の代償的な部分のメカニズムはやや混沌としているのですが、そういう過反応的なものに対しても、しっかりアプリケーションとしての機能は反映されているのだろうとは思うし、その辺は凪自身が、周りの仲間を大切にしていて、その中でより幸せなカップルが出来れば嬉しい、という率直で純真な想いを抱いていればこその影響なのかなって思います。

 あまり行き過ぎると支配論的な展開にまで進んでしまうので切り上げますが、ともあれ機械の立場であればこそ抱き続けられた、凪を守るという意志の持続性、その一途でひたむきな尊さは、しっかり凪というヒロインの前向きで濁った部分のない個性に強い影響を与えているのだろうとおもいます。
 口癖であるなんとかなるなるー、って楽天的な感性も、自分が守られている、いざとなれば無条件で守ってくれる相手・場所があるという愛着の安定あればこその観念だと思いますし、その気質があの極限的な危機の場面でも口を突いて出てくるというのは、そこまでの蓄積に裏打ちされての感銘が強くありました。

 凪を預ける相手に風子を選んだという部分も、実利的な部分もあったにせよファインプレーだったのでしょうし、隠然としたリーベルの影響力が大きくも優しく物語を包み込み、彩っているのだろう、というのが率直な感想であり、であればこそ、最後はリーベルの復活を、示唆的にだけでなく見てみたかったなぁ、とは思いましたね。
 個人的に凪アフターの解放タイミングもあれ?って思ってて、あれはやはり宇宙から帰還後なんだよね、ってところでの特別性は反映させても良かった部分なんじゃないかなと。
 そこはやはりグランドクリア後解放にして、肉体的には処女ですよー、ってはじめての焼き直しやらもしつつ(笑)、全てのアフターを開示後に、最後の最後で見られる、全員がこの流れの先にある未来を選んでの、リーベルとの再会、という形で締め括ってくれたら、個人的にはこれ以上なく満足して終われたと思うだけに、そこはちょっと勿体なく感じましたねー。


★シナリオ総括

 全体的な骨格、構成の面白さは流石、の一言に尽きるのですが、どうしてもその発想の壮大さに対して必要充分な裏付け、世界観全体の作り込みの部分で薄味になってしまったのはらしくなく勿体ない部分だな、って思います。
 どうしても序盤の個別の部分での肩透かし感もあるし、概ねグランドで挽回して余りあるものはあれど、その瞬間最大だけで諸手を上げて絶賛!とまでは、いかんせん信者としても言い難いかなぁ、って感じで、特に背後にある親世代の苦悩や想いとかはかなり側面的にサラッと流されてしまっているので、それだけでも掘り下げがしっかりあれば良かったな、そしてグランドでのボリュームに繋がっていれば、より感動的で説得的だったな、と。
 そのあたりも加味して、結構迷ったけれどシナリオ点としてはこの辺が落としどころかな、という感じですね。面白かった、のは違いないんですけど、枝葉末節にまで手入れが行き届いている物語、とまではやはり言えないと思います。


キャラ(20/20)

★全体評価

 相変わらずのなかひろさんのキャラメイクだなぁ、ってところで、色んな意味で特質が尖っていつつも、総体的には善性や優しさに満ちる世界観を上手く醸成しており、欠点はあってもそれをしっかり愛嬌、可愛げに昇華させてくる手法、そういう可愛げを存分に引き出す話術の妙など、いつもながらに楽しませていただきました。
 まあ強いて言うと全体尺の中でやや雑駁なつくりにはなっている分、脇を固めるキャラの多くにまで、その底流の観念をしっかりシナリオの流れの中で定義する、というわけにはいかなかったのは勿体なく感じますが、誰しもが自分なりの正しさを目指しているという意味ではブレはないですし、面白かったと思います。

★NO,1!イチオシ!

 正直シナリオ補正込みで考えると凪、にはなるのですけど、純粋に好み度を重視すると咲良になりますね。
 基本的なスペックは高いのに、様々な柵やらもあってドジっ子でもあって、それでもめげず、頑張り屋で献身的で思いやりに溢れていて、実にストレートにいい子、可愛い子だなぁとほのぼのしてしまいますね。
 時折見せるブラック咲良もスパイス的な感じで、決して実際的な面で影響を及ぼすことはないし、良くも悪くも素直で表裏がなさすぎる感じが、守ってあげたい、ってイメージをひたすらに増強しているかなって思います。

 まあ後、絵の部分でも触れると思いますが、この子の立ち絵の造型がものすっごい可愛くて大好きなんですよねー。
 ポーズそのものにしても清楚で頑張り屋、って雰囲気が前面に出ているし、服飾もゲーム全体がフェティッシュな傾向が強い分その洗礼に晒されているところもあるけど、基本的には優雅でしとやかなイメージを守っていて、それでいて仄かな色気も漂わせているバランスが素晴らしいなと。
 個人的にほぼ出番はなかったけど、裸Yシャツと水着が超好きだったし、恥じらいを持ちつつも献身性の方が勝る、というありようも含めて本当に素敵だったなと思います。

★No,2〜3

 やはり次いでは凪を語らねばならないでしょう。
 徹底的にポジティブで天真爛漫、というイメージを序盤から全面的に押し出しつつも、シナリオが要所に差し掛かってくる中で、決してそれだけではない繊細さや思いやりの機微の細やかさなども見せてくれるし、お姉さん、という立場に拘りつつの振る舞いも愛らしさとロリっ子なりの妖艶さが上手く噛み合っているなー、って感じで満足です。
 当然CV的にもわーい!ってところですし、こういう勢いのある喋りで、ひたむきさや諦めない強さをしっかり乗せてくるとすっごくいいですよねぇやっぱり。隅から隅まで堪能させていただきましてございます。

 その境遇的にはかなり重たいものもあるけれど、結果的に終わりよければ、ってことにはなっているし、肉体的にはともかく精神的な部分での連続性は担保されているのだから、そして最終局面でなお、前向きな選択が出来るのはその蓄積があればこそ、と考えれば、やはりこの作品のメインを張るに相応しいポジションだったと思いますね。
 
 そして、その文脈で語る上で、他のヒロインを差し置いて三番手に是非とも取り上げたいのはリーベル、なんですよねぇ。。。
 結果的に見て、一番この子が積年に渡っての労苦の重さが忍ばれる立ち位置ではあると思うし、無論それに耐えうる存在、という部分はあるにしても、結果的にそれを金科玉条として生き続ける中で感得していった精神性は、充分に読み手に感涙を与えるだけの存在感、重みを持っていたと感じます。

 シナリオでも触れたように、リーベル自身が能動的に問題解決に動けなかったのか?という部分は、どうしたって立場がある中で酌量される点だと思うし、他ルートでも単純に座して、というわけではなく、最期はどうか、幸せな夢を、という切なくも優しい想いを反映させてのもの、或いはジンギを通じての暗躍、誘導的なものもあったろう、と思えるつくりである限り、私としてはそれを否定は出来ないなと。
 むしろそれ自体も含めて実に控えめで魅力的な存在の光を放っていると感じましたし、それだけにラストで可能性の示唆だけで終わってしまったのはちょい悲しかったですけど、それでも充分に魅力的な子だったと思います。

 まあスタンスもあるから攻略させろ、とは言いませんけど、もっとみんなとの交流が見てみたかったキャラではあります。

★その他

 珠希も水準レベルであればトップ3には入ってくるだけのスペック、魅力を存分に秘めたヒロインではあったと思います。
 ひじょーにコテコテのツンデレ、ではありますが、根が善良でお節介で、自分にも他人にも嘘を吐けない高潔さがあるから、その意地っ張りがしっかり可愛げに転化されているな、って思うし、むしろ周りもそれをわかって弄ってる空気感がアリアリなので、その辺含めて美味しいキャラだったと思います。

 まーそらはもそこまでダメ、でもないですけど、ポンコツ妹の系譜の中でもリアルにポンコツだったな、ってのと、この話を聞かない感のブーストの中で、周りがそれでもー、と甘やかしまくっちゃう環境そのものはもうちょいなんとかせい、とは思うのですけどね。
 とはいえ境遇的な部分でも体質的な部分でも不憫な要素は多いですし、そのせいでの空回り、そのせいでの一極的な思慕、という個性の尖鋭度は、しっかり世界観の構築、シナリオの展開に一役買っているわけですし、無碍にされやすいオチキャラでもあるからバランスは取れてるのかなー、って思いますね。

CG(18/20)

★全体評価

 全体的にちょっとフェチズムに走りすぎというか、チラを超えてモロ過ぎる感じが可愛らしさと完璧に噛み合っていたか、は個人的には疑問視したい部分もあるのですが、やはり純粋に絵そのものはとてもとても可愛いですし、特に立ち絵の出来が素晴らしく好みだったので満足です。

★立ち絵

 ポーズはヒロインで3種類、サブで1種類ですね。腕差分は特にないですが、個々のポーズで特徴的な腕の動きを見せている分躍動感・インパクトはあり、それぞれのイメージがしっかり投影されている感じで好きでしたね。
 特にお気に入りは咲良頑張ります!ポーズで、実にこの健気なイメージにぴったりのポーズで可愛くて仕方ないですねー。
 その他お気に入りは、咲良正面、右見返り、凪正面万歳、やや右、リーベル正面、珠希正面、前屈み、そらはやや右、正面あたりですね。

 服飾はヒロインで6〜7種類、サブは基本1種類ですけど、ワンシーンでしか使われないようなのもあり中々豪華、実に趣味的なデザインでもあり、露出が過激すぎる部分が善し悪しとも思うけど基本的には可愛いですね。
 特にお気に入りは咲良裸Yシャツと水着、これらは咲良らしい清楚さとエッチさが程よくマッチしていて実にいいなって思いますねー。基本咲良の立ち絵はどれもめっちゃ可愛いんですけど。
 その他お気に入りは咲良メイド、制服、体操服、私服、下着、凪制服、私服、リーベル私服、珠希制服、私服、水着、体操服、巫女服、そらは私服、制服あたりですね。

★1枚絵

 通常が86枚、SDが14枚で計100枚。ボリュームとしては充分ですし、質的には正直立ち絵の方が断然可愛いな、と思う場面の方が多かったですし、ややデッサン的に雑駁な印象を受ける時もありつつ、総合的には愛らしくエロティックに仕上がっていて悪くないでしょう。

 お気に入りは凪出会い、星空、抱きしめ、キス、二人乗り、騎乗位、正常位、立ちバック、ぺんぺん、背面座位、卒業、そらは眠り、治癒、キス、腕組み、裸リボン、正常位、パイズリ、バック、珠希焼き芋、猫塗れ、妄想、腕組み、お姫様抱っこ、キス、正常位、バック、神楽、咲良お掃除、着替え、濡れ透け、耳かき、料理、キス、愛撫、デート、騎乗位、正常位、桜の下、力を合わせて、プールあたりですね。


BGM(18/20)

★全体評価

 基本的に量的にはやや物足りないところですが、質の面では非常に作風にマッチした、神秘的で優しく温かく、素敵な仕上がりになっていたのではないかなと思いますね。
 ボーカルも全ていい出来と思うのですが、惜しむらくは鑑賞でも特典でもボーカル曲が入ってない所かなぁ。もっとじっくり聴き込みたいのに、一々ムービーリプレイするしかないのはめんどすぎる。。。

★ボーカル曲

 全部で3曲と、まあ多くも少なくもなく、シナリオに合わせての必要充分、ってところですね。
 OPの『ぼくらの星座』は中々の名曲ですね。出だしのイントロの神秘性と透明感がとにかくすごく耳に残る美しさで、その後も切なさと明るさを等分に入り混ぜながらの、荘厳さと広さを感じさせる旋律は実に素敵で、特にBメロは気に入ってます。
 EDの『be your flower』は、キャラEDらしく華やかで前向きなイメージを投影しつつも、作風に合わせての一抹の寂しさも入り込んでいて、バランスの取れたいい曲だなと思います。
 グランドEDの『めざめのうた』は、悠久の想いの積み重ねのきらめき、重さを静かに融かしていくような優しい旋律、伸びやかなメロディラインが印象的で、これも相当に好みです。Dメロの雰囲気が特に好きですね。

★BGM

 インスト込みで全部で20曲と、こちらはやや少なめ、質は全体的に高いですけど、突出して素晴らしい、というのまではなかったですかね。それでも耳に優しく残る曲が多く総合的にはかなりお気に入りです。
 お気に入りは『気分上嬢』『フレンズ』『まほろば』『ノスタルジック』『home』『Asterrisk』『ほしふるなぎさ』『ひとよひとよにひとみごろ』『終末の星』『楽園』『ふたり』あたりですね。


システム(9/10)

★演出

 基本的にはバランスの取れた良質な演出になっていたと思います。
 日常でのキャラアクションも多彩でコミカルで見応えがありますし、情感を高めるシーンでの特殊演出、背景効果などの使い方も丁寧で、とびぬけて素晴らしい、とは思わないけど総合的に隙はないつくりだったかなと。 ただちょっと不満なのは、ルートロックかけていた凪ルートのEDがああいう展開で、そこから地繋ぎにグランド、という構成の割に、そこでふっつーに横並びのキャラエンドを流してしまう、そしてグランドの入りにも、タイトル画面演出とかなしにふつーにスタートから、ってのは、折角の盛り上がりにちょい水を差す要素にはなっていたかなと思いましたね。そこは大仰すぎるくらいに大仰でも良かったと思います。

 OPムービーは曲のどこか切なさを孕んだ雰囲気と、星空の風景のそれとを上手くリンクさせつつ、それをスパイスにしての明るくコミカルなキャラ紹介に仕上がっていて、こちらも抜群、とまでは言わないにせよ結構好みなつくりだなって思いました。

★システム

 基本的に欲しいものは揃っているし、操作性も簡素で問題はないと思います。
 とりあえず特異なのは、そらは濡れ透けONOFFとかニッチなのと、あとメニューバーにキャプチャーボタンが用意されてるのもあんまり見ないかな?ってくらい。とりあえず作品全体的にやたらとニッチな方向にフェチを走らせてるのは間違いないんですよね(笑)。


総合(88/100) 

 総プレイ時間18時間くらい。共通が4,5時間、個別がアフター込みで3時間前後、グランドが1,5時間くらいの勘定ですね。
 まあヒロイン4人としては水準くらいの尺ですし、凪以外のヒロインルートでは、色々と能力や街の謎について吹かしを入れつつもスルー、というやきもきするつくり、またHシーンのニッチな方向への特化感などもあって、いい意味でも悪い意味でもあっという間に終わってしまったなー、って気はします。。。

 本質的にこのテーマ、展開でなら、やはりもう少しキャラ全体的な、特にバックボーンの部分をしっかり作り込んでいた方が、終盤の説得力、感動は強まったろう、ってのはあるし、お得意の言葉の魔力で用いての瞬発的な破壊力の余韻をもっと生かすようには出来たんじゃないかな、という感はあります。
 グランドにしても、その結果を導くための必要条件の獲得に至るまでが本筋で、その過程の苦労はほぼ完全にオミット、という構成なので若干簡素さは否めないですし、非常に綺麗にまとまっているだけに奥深さで物足りないのは無念と言えば無念、ですかね。

 とはいえそれでもグランドは心に響くものは多々ありましたし、お得意の壮大なSF展開の中で、しっかり等身大の恋物語としての魅力も引き出せている、癖はあるけど高い水準でまとまったいい作品だとは思いますね。
 でもいつもながら、本当に癖は強いので万人に諸手を挙げてお勧め、とは言いにくいですし(笑)、今回は特にシーンイベントのフェチズムの炸裂感が半端ないからなぁ…………とりあえず尿属性持ちには超ご褒美でもあるとは言っておきましょうか。。。
 
posted by クローバー at 04:30| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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