2017年03月30日

はるるみなもに!

 待望のクロシェット新作ですし保住さんメインのシナリオですし、あまみその系譜を継ぐ作品でもあるとなれば(一言だけでも神奈に言及があって笑いました)、女房を質に入れてでも買わねば!って話ですよね(笑)。
 体験版もいつも通りの素晴らしい世界観・空気感を醸していて大満足でしたし、それに圧倒的に水緒里が色々な意味で私好み過ぎてもうたまらんっ!って感じでしたので、プレイできる日を本当に心待ちにしておりました。

シナリオ(25/30)

 共に在ろうとするならば。

★あらすじ

 玉津江と神楽谷には、不思議な伝承と因縁がありました。
 かつてはその二つの土地をまとめて統治していた神が、「自らは山に引く」と宣言して神楽谷一帯の山神となり、二つの地に境界線をつくって、爾来玉津江は外来の神を海神の地位に据えることによって収められる土地になっていました。

 しかし昨今、開発・近代化が進んだ玉津江では、神への畏敬や信心が薄れ、そのせいで先代の海神がお隠れになって以来その座が空いたままになっていて。
 一方古来からの信心の形が残る神楽谷では、神社の娘を依り代として顕現した二代目の山神の神威が行き届いたままで。
 そんな現人神・水緒里の兄として生を受けた主人公は、神の兄として相応しい人物であるようにと自分を戒め、また水緒里にとって安心できる存在であれるようにひたすらに努力を重ねて生きてきました。

 ある日、木霊の導きによって山に分け入った主人公は、そこで溺れている女の子を見つけます。
 水緒里の神力を借りて助け出したところ、目を覚ました女の子は目を覚ますなり身を震わせ、開口一番、貴方に祀られたい――――そう口走ります。

 改めてその少女・叶を神社に連れていって事情を聴くと、彼女は最近人から神様に転生した珍しい存在で、そして空位の海神の後釜として神様連盟の推薦を受けて派遣されてきた、というのです。
 けれど同時に彼女は、まだ自身に降り掛かる災難を払うことが出来ないくらいに未熟な神であり、一先ずそれまで水緒里が張っていた結界的なものを解除し、玉津江の新たな神として叶を海神社に鎮座させたものの、一切信心もなく、実力もない為に、なにもかもが一から手探りで。
 主人公も、この町に住む幼馴染の英麻や、妹の力も借りて手助けをしますが、それでも同級生の明日海のように、神様自体を胡散臭く、嫌っている人物もいたりで中々一足飛びにはいきません。

 それでも持ち前の前向きさとひたむきな想いで、ひとつひとつ障害を乗り越えていこうと頑張る叶ですが、彼女がその地位についたことで、この地の霊的な防護が弱まったことが感知され、各地から様々なものがその綻んだ結界を超えて到来します。
 それは人に危害や迷惑を加えるもの、或いは自分の意思で助っ人としてやってきた雷神の芽以など様々ですが、その到来がもたらす騒動に懸命に対処していく中で、少しずつ叶は身近な人達に認められ、町の人達にも存在を認知されていきます。

 けれどその中で、主人公には困ってしまうことがありました。
 それは、最初の出会いで叶にいきなり祀られたい!と宣言されたように、自身に神の力を引き出し気持ちよくさせる特異な才能が眠っていることが明らかになったからで。
 けれどそれをするには、互いにしっかり向き合い心を通わせる必要があって、その都度に見せる現人神故の悩ましい女の子の反応に、どう対処すればいいのかわからなかったのです。

 それは今までずっと、清浄な神である妹の傍にいるために、ずっと押し殺してきた男の部分をどうしようもなく刺激されるもので、主人公に取っては唾棄すべき自身の恥部であり、汚点でした。
 けれどもそれは生理的、本能的な反応であり、それを押し殺してまで生きて欲しくない――――一連の騒動から導かれた事実と、育まれた関係性を鑑みて、水緒里はそう言って主人公の背中をそっと押します。
 そう言われてすぐに気持ちを切り替える事も出来ないけれど、それでも今までとは違った形で彼女達と向き合いたい、こうしてその一歩目を踏み出すことで、神と人とがより深く繋がる土地でこそ育まれる、様々な形での恋の物語が花開いていくことになります。

 これは、社会がどれだけ進歩・発展しても変わらない大切なものを、神と人との共存のありようを軸に展開していく、こそばゆく温かい恋と絆と成長の物語です。

★テキスト

 こちらは流石の善人ワールド、誰一人として悪しき心の持ち主が見当たらない美しい世界観の中で、いつもながらに想いの主体を常に丁寧に掘り下げ、明示しながら踏みしめ、噛み締めて進む独特の文体を存分に披瀝していますね。
 むしろそういう傾向には一層に拍車がかかっている感もあり、ここまでいくと初見の人にはとっつきにくいというかめんどくさっ!?ってならないかその辺は心配になるくらいですけれど、私としては当然大好物そのものですし、そのめんどくささもひとつひとつ笑って噛み締めて楽しんでプレイしておりました。それこそ神殺し、ならぬ性善説信者殺しの読み口ですよね。。。

 特に今回は台詞回しの中での想い合いの引き出しが多彩で、そのくせ露骨に勘違いワードなども適宜盛り込んでコミカルさも演出したり、いやそれで本当にバランスは取れているというのか?とは思うけど色んな意味でより研ぎ澄まされた印象です。
 かつ、複数ライターでの執筆でありながら、ある程度テキスト面での核となるキーワードや言い回しをしっかり共有し、雰囲気から何からきっちりボーダーレス化が丁寧に為されていて、ここ夏でもその傾向はありましたが、この点でもより精緻に、磨きがかかっていたと思います。
 どうしても複数ライターの場合、個別ルートで温度差が出やすいのですが、これは本編の結論を先取りするように言えば、その境界線をなくして相互理解、それぞれの良さを引き出しつつ共存する在り方をものづくりのなかで体現している、といってもいいでしょう。私としてはそれは非常に好ましい制作理念だと思いますね。

★ルート構成

 こちらは、基本的にヒロインの心境に寄り添う形の好感度選択を積み上げ、けれどそれはその時点では主人公に一切その気はない中で為されている、というのが面白いつくりではあります。
 それぞれに対し、恋情の芽生えとなり得るアプローチはしておきつつ、それをはっきり認識し向き合おうと思うのは、共通ラストで水緒里に諭された時点から、となるので、そこで横並びに、最後に誰を選ぶかとなるのが、この主人公らしい構成だなと思います。

 なのでプレイ面で言うと、普通に八方美人というか、全員の好感を等しく獲得しながら進んで問題なく、むしろその方が一回で全員のルートに入れるように設計されているので、その流れに乗っておくべき、という感じですね。
 試してないのでわかりませんが、多分そこを絞って進めると、最後のヒロイン選択肢が欠けていく事になるのだと思います。CGなどは個別だけで全部埋まったので、全員スルーしたときにノーマルエンドがあるのかも確かめてないです。がまぁ、なにもしなければ水緒里になりそうな気はしますが。。。

 そして今作は、特にルートロックなどはありません。基本ヒロイン横並び、という扱いです。
 そうして分岐する個々のルートでも、主人公と結ばれる、という内的要因が波及しての展開に終始する、非常に丁寧に構築されたプロットなので流石だなぁ、と思いますね。
 ただやはり、この玉津江と神楽谷、ふたつの土地にまつわる様々な因縁や思惑などがより明確に解明され、より大団円に近しいところに着地点が用意されているのは叶と水緒里の二人なので、この二人をラス2に持ってきた方が読後感、という意味ではより味わい深いのではないかなと思います。

 あと個人的に、この水緒里ルートを先にやってしまった時に、他のヒロインに浮気する罪悪感に堪えられる自信はなかったので(笑)、私としては好み最優先で水緒里ラストにしといて良かったぁー、というところです。物語性を重視するなら叶ラストの方が万全でしょうが。

★シナリオ(大枠)

 といっても、枠組みについてはここまでで縷々語った点である程度補完できるのですけどね。
 共通で、部活という器を中心にして育んだ友情と絆、そして色恋につながる想いの萌芽をしっかり正面から受け止め、その上で一番寄り添いたいのは誰かを選んで。
 その選択は、多かれ少なかれ、主人公の神殺しと称されるブースト能力が、どんな形で波及していくかの違いを生みますし、特に神様絡みのルートに入るとその影響力、バタフライ効果も大きく用意されています。といって人間ヒロインルートがダイナミズムに欠ける、というわけでもないのですが…………いや、ある意味ではやっぱりそこは差異が出てしまう部分ですかね。

 ただどうあれ言えるのは、基本こういう恋愛ADVである限り、主人公と結ばれ添い遂げるのが一番の幸せ、ではあるけれど、それはひとつのルートにつき一人にしか叶えられないものであって。
 だけどそこで弾かれたヒロインにも、その立場なりの成長や歓びがそれぞれの話の流れの中できちんと用意されていて、恋を出来ないという制約の上での最善の幸福への配慮が行き届いているのが流石であり、主人公とだけでない、ヒロイン同士の繋がりの温かさ、美しさも丁寧に内包したつくりになっているのが、この人のファンをやめられない最大の由縁ではあるんですよね、と。

 そういう安心感が担保されている上での濃密なイチャエロ、ほろりと染み入るエピソード、にっこり朗らかに笑える爽やかな結末と、非常にバランスが整った枠組みに仕上がっていて、その点は本当に大満足ですね。

★シナリオ(個別)

 個別評価としては、叶>水緒里=明日海>芽以>英麻くらいになるでしょうか。
 ただどれもかなり高い水準でまとまっていて、どれもが十分に面白かったですし、それでも流石にメインの神様二人は舞台設定の伏線やらなにやらからの引き出しが多く、その分だけ沁みる部分も沢山あって、かつ他の三人のルートではそこまで出来なかった未来の形を一応なり切り拓いているので高く評価しています。

 さっくり下から触れていきますと、まず英麻はまぁ、人間としてはこのあたりが限界ではあるよね、って印象はどうしても比較すると出てしまう緩急・山谷の少なめなお話です。
 ただ一般的な幼馴染の関係とは一線を画した、互いを尊重し、尊重し過ぎたが故の特殊性はかなり綿密に紡がれていて、だからこそなおに、結ばれた事が染み入るように嬉しい、という感覚がしっかり伝わってくる素敵さは満ち溢れていました。

 表面的な目標が、叶を玉津江の祭神として一人前にする!ってなる限り、どのルートも最低限はその流れに二人の関係が寄与する、という形になっていく中で、このルートではそれがかなり穏やかに、安らかに、人ならではの王道的な展開で終始していると言っていいでしょうし、裏を返せばハラハラが少なく温かい気持ちのままに読み進められる、とも感じますね。
 一応その気質を梃に、一部の伏線を上手く流用しての神秘的展開もありますし、英麻自身もすこぶる可愛いので、丁寧に仕上がったいいシナリオだとは思っています。

 次いで芽以に関しては、こちらは神様故の浮き沈みの激しさが、そのまま周囲に与える影響の大きさにもリンクしていって、そういう騒擾を乗り越えながら、色々試行錯誤して自身の神としてのありようを模索していく流れはとても面白かったと思います。
 神との恋愛という部分で、主人公側にも心理的ブレーキはより強いので、その点でのめんどくささも健在ではありますが、その蓄積があればこその着地点、というのがきちんと理路で読み解けるつくりになっていますし、作品のテーマ的な部分、変わってはいけないものを守るために、変わるべき部分を変えていく、というありようを一番劇的に体現しているヒロインでもあったなと感じますね。

 にしてもあの終盤のブラックとの対決は笑った笑った。うきゃーこの天下の山神さまがぁー、からの恥ポエムコンボは、ある意味で今作最大の笑いどころだったのではないでしょうか(笑)。叶ルートでの山神様プレゼンツ性情緒育成講座も甲乙つけがたいくだらなさでしたが。。。
 あ、水緒里ルートでの禁忌自慰からの依ちゃあぁあぁ〜〜ん!コンボも面白かったわ。基本的に、普段神様らしく泰然自若で余裕綽々の水緒里が、色々振り切れてやらかしてるのは笑えるよね。。。

 さておき次は明日海シナリオですが、ある意味これが一番のダークホース的面白さ。
 明日海というヒロインが持つ独特の感性や距離感、才能がより開花していく序盤の展開も面白いですが、そこから導き出されるより根源的な想いが発露しての三人娘ユニット的な流れは、まあ確かに都合がいい、とはいえ前例も作中から引き出せる部分であり。
 その上で、きちんと明日海がそうなったがゆえに失うもの、そこから連鎖的に発生する危機、という内在性をきちんと担保しつつ、ここに至るまでに培った全ての想いを糾合してその危機を打破していく流れは、この作品全体を見渡しても一番カタルシスが強いシーンだったと思いますね。

 明日海ならではの距離感での、他ヒロインとの交流や高め合いも独特で面白かったですし、それでも筋道は外していないところは流石で、強いて言うならやっぱりそれが玉津江の問題の解決、というスケールに留まらざるを得なかった部分が、特に叶シナリオよりは下に置く要因になりますね。

 そして水緒里シナリオ、こちらはまぁヒロインの可愛さだけで言うなら個人的にはぶっちぎりなんですが。。。
 ただシナリオとして冷静に見た時に、その他のシナリオが当初の目的である玉津江の隆興、祭神の定着に明確に力点を置いている中、ここだとどうしてもその配分が水緒里寄り、神楽谷寄りになってしまうのはあります。

 無論こちらはこちらで、山神としての在り方とか、主人公の力の謎とか、より分析的に伏線を解釈していく点での面白さはありましたが、蔑ろ、とまではいわないにせよ、やっぱり向こう側の問題に関しては最低限の紐づけをするくらいに留められてしまうのはあるわけで。
 水緒里と禁忌の関係に進んでいく上でのケジメ的な部分とか、いかにもだなぁー、って楽しみはありつつ、とりわけ力の強い神様であり、他ルートでは親身な支えに徹していた分だけ、こちらにブーストがかかってしまうとバランスの取り方が難しいよなぁ、とは感じました。

 終盤の、愛し愛されて絶好調ゆえに到来した危機に関しても、その内在性は丁寧ですごく良く、その決着のつけ方にしてもなんともこの二人らしい清らかな馬鹿馬鹿しさというか、愚直に過ぎるありようというかなんですけれど、それを受けて叶の祭神としての訓練は一区切り、となるのは、他のルートで見せた努力に対してのバランスの悪さはあるかな、と。
 こういう形で、この二人のルートでしか成し得ない水緒里の未来の切り拓きが為されているのは嬉しいは嬉しいのですけれど、そこまで付託してしまうのは贅沢というか、全体で定義した枠組みの制約にちょっと縛られ過ぎている都合の良さは感じなくもなかった、というところです。
 まあこんな風に細かく思うのも、水緒里が本当に好きなればこそではあり、そしてこのルート物凄い分量がイチャラブ、イチャエロ展開に投入されているので、それはそれでご馳走様です!と五体投地で崇めつつ、それでももう一歩、とは考えちゃうんですよね。

 ただ、このルートで明らかになるように、本質的には主人公と水緒里がこういう形で生まれてきたのは、先代の山神の理想を体現するのに必要だったからで。
 それ自体はどうしたった叶シナリオで為されるべき点になってしまうし、二人がこうなってしまった以上はその分を踏み越えないというつくりもある意味では誠実なところ、なのでしょう。

 ただそのあたりから鑑みるに、神様という存在の不自由さというか、難しさをつくづく感じてしまいますね。
 実際このルートや叶ルートで為した誓約からの解放、というのも、一見ハッピーエンドに見えるけどそれってあくまで神楽谷と玉津江の中でだけでしょ?ってのがあって、特に土地神ともなればその土地に末長く縛られ続けるのは間違いない所で。
 それは古代の様に、より狭い空間で世界が完結していた時代ならともかく、塞ノ神の物言いの通りに、これだけ境界線の概念が物理的にも精神的にも薄れた現代にあっては、極論すれば神そのものの必要性が外部的にも内面的にも忖度されて然るべきだろう、というのは間違いない所です。

 ただ結局、どれだけ薄まろうとも、古来より引き継がれてきた神道的な祈りの精神は、日常の生活の中に細々と、でも確実に根付いているものではあって。
 そういうささやかな信仰すらも担保のない空疎な世界観は悲しいですし、これはキリスト教的な観念ですけれど、常に自分の心の中に神はいる、そういう支えがあってこそ、地図が広がった分本来人が大切に抱いてきた絆が希釈されゆく現代において強く生きられる、とも言えるのですよね。

 けれどそれを自覚的に養うには、こういう状況においては神の側からも、そして人の側からもそれぞれに歩み寄りと理解が必要だ、というわけで。
 それを水緒里はきちんと先取りする形で神楽谷で実践していたからこそ、色々あらぶったりやんちゃしても温かく受け入れてもらえるし、畢竟それは人と人、のみならず、神と人、神と神でも普遍の概念、心あるものが正しく生きる上で必須の様であるのでしょう。

 けれどやっぱり水緒里と水緒里ルートの構成の中では、どうしても水緒里は神楽谷の神であり、そこに境界線を引かずにどうこうは出来ない不自由さが付き纏うんですよね。
 そう考えると、作中では本当に明るくお茶目で快活な雰囲気ばかり見せてくれるから気にならないけど、掘り下げて考えると、もうそういう古来的な神様のありようは、とりわけ現人神として生まれてしまった以上は脱却すべき立場なんだと思えてきます。
 けれどそれが許されるのは自身と叶のルートだけ、という視座では、中々に切ない境遇ではあるよなぁと横目でも慨嘆しますし、本当にこのルート見てしまうと、それ以外のルートでよくもまぁきちんと抑制できたものだなぁ、とかちょっと思ってしまったりね。。。

 あとこのルートは依ちゃんが可愛くて可愛くて!水緒里が天地開闢以来の大天使なのは当然としても(笑)、他のルートでも最強ぶりを遺憾なく発揮していた依ちゃんのひたむきな本心の温もり、貴重な笑顔に触れられるのはここだけなので、是非じっくり堪能して欲しいところですね。
 でも、依ちゃんルートがあるとこれはもう確実に水緒里が荒ぶるからどうしようもないね(笑)。

 ともあれ、ちょっと解説的な部分で先走り過ぎましたが、もう書いてしまったのでこれを前提に、この水緒里ルートではどうしても補完し切れない、本質的なテーマを体現しているからこそ素晴らしい、と評せる叶シナリオを見ていきましょう。
 こちらも序盤は神様との恋愛絡みでのすったもんだが続くわけですが、ただどうあれ思うのは、叶って女の子は神様である前にどこまでも一人の悲しい少女であるところは踏まえておきたいなと。

 主人公の歪んだ恋愛観同様に、彼女もその境遇故の諦念を常に抱いていて、それが自身のセックスアピール、魅力の発露に対する男性諸氏の反応への無防備さ、無関心さに繋がっているというのは説得的で。
 そうだからこそこういう形で結ばれた、というのは間違いない所ですし、その上で、やっぱりこの子の場合は神様だからすごいんじゃなく、元からこういう少女がたまたま神様になれたことが運命的であり、災い転じて、とはいえ一種の幸運でもあったのだと思います。

 結局土台に八百万の神、という神道的な概念を引いている限り、神様ってのは時に不条理で暴威を振るう存在でもある、ってのは揺るがないところで、それは水緒里や芽以が度々見せているところからも明確です。
 でもこの作品全体を見渡しても、誰かを守るために覚醒しても、自分の気持ちを制御できなくて暴走する叶、ってのはどこにも見当たらないですし、つまりそれは、誰かと寄り添う事に特化した新時代の善良な神様像を体現しているとも言えます。
 そのあたりは明日海シナリオの変遷からも補完できる部分であり、神として生まれる、ではなく、人から神になる、という過程において必要なのはなにか、ってのを、このあたりがしっかり見せてくれているわけですね。

 裏返すとそれは、失い、奪われ続けてきた生き様の中で、それでもねじくれずに真っ直ぐ淳良であり続けられたという奇跡的な可能性の発露でもあり、でもそうだからこそ、あんな風に誰しもの痛みに寄り添い、それを出来る限りで受け入れ、受け止め、幸せに過ごせるよう純真に祈ることが出来る、おそらくそれは水緒里にすら完璧には出来ない得難い特質なのだろうと。
 奪われる哀しみを、痛みを誰より知っているからこそ、その悲惨を打ち砕く可能性を決して諦めない、こういう在り方は現代的な状況の中で、古来的な高みにいる神様よりも受け入れられる敷居が低いですし、そもそもこういう形での現人神が続々と生誕していること自体が歴史のオーダー、世界の意思なんだ、と大所的な観念で考える事も出来ます。

 けど皮肉にも、叶ルート以外においては、そのなにもかもを受け入れる、という特質の方が神威の高まりに先行している事で、特に芽以という客神の存在を受け入れ、同調していくことで、不純物、と言ったら失礼ですけれど、芽以が持つ古来神的な概念をも包摂してしまう故に、彼女本来の純化した特質はこの玉津江に土着し切れない、となるのでしょう。
 でも、主人公と結ばれ、そのブーストの力を一心で受け止め飛躍的な成長を遂げていくこと、かつ主人公がその稀有な精神性に完全に共鳴し、保全する意思を持って事に当たっていくために、このルートではまず結界のありようから変化がもたらされる、という構図なのだと思います。

 いわゆる結界とは、良かれ悪しかれ阻むもの、ではあるし、けど土地に由来した神は、その土地の氏子を一番に守る必要が当然に生じるので、どこかで線引きをしなくてはならないという必然を孕みます。
 その点で、他のルートで叶が自身の志望をより強く感得する前に、古来からの神のありように軟着し、結界強化という、水緒里にとってみれば当然の責務に叶もさほど疑問を持たず、積極的に携わる形になっているのとは対照的であり、かつ象徴的に思えます。

 けど本来の叶の望みは、ある意味では大それた、関わる全ての人に居場所と幸せを与えてあげたいという、理想論的とさえ言えるもので、だけど実はそれは、先代の山神が願って、それ故に主人公をこうした部分ときっちり重なり合うところになっているのがこの作品の肝だと感じます。
 叶がそう考えるのは、それまでの生育環境の中での必然性があるのですが、じゃあなぜ先代の山神が?となると、それだけ長い時間をかけて社会の変化を見守り続け、その上で、この時代においては神すらも在り方を変えていかねば、もっとも大切なものを守るだけの力をいつか失ってしまうと危惧していたからだと考えます。

 それは塞ノ神の現状を鑑みても頷かざるを得ないところであり、そしてそれがわかっていても、長く生きてきている程にその変化に適応していくのは難しい、という事でもあります。
 そして叶シナリオでは、それをまず人と人ならざるもの、というところからスタートし、互いの想いを尊重しつつ、それぞれの存在意義と価値を適宜役立てる橋渡しをしていく様子が描かれています。

 これは現実と類比的に見ても色々考えさせられるところです。
 特に近年は技術の進歩で、一時期は有用だったスキルが一転して無用の長物に、なんて事もザラにある中で、常に自身を時代の必要性に合わせてアップデートしていく、そんな過酷な努力が求められる時代でもあります。
 けど例えばそういう時に、自分ひとりの力でなんとかするのではなく、それまでに培った力を応用して役立つ方法はないか、それを模索する手助けをしてくれる身近な存在がいるというのは、非常に時代性に則した有難味、だと思います。
 
 だから翻ってのこの世界観での二人の選択は、とても理に適った神様のありように感じますし、それを様々な垣根を取っ払って行える、という部分も含めて新しい神様スタイルの提唱になっているのでしょう。
 共に在ろうとするならば、その為に必要な変化を受け入れ、擦り合わせ、尊重し合って生きていく、そしてその観念が、結局は心ある生き物として最も大切な公共的理念、絆の力を内包する端緒になっていくわけで、すなわち心の中に在るだけでなく、心と心を繋ぐための神様、という新たな存在価値を生み出しているのですね。

 なので、叶がそういう神様であろうとして諦めない限り、踏み越えられない境界線はない、ということになって。
 それが体得できたからこその、あの終盤での本願成就であり、更には古来的な在り方から脱却するという価値観をどうしたって簡単には抱けない水緒里の縛鎖をも断ち切るだけの力を発揮できた、と文脈の中でしっかり捉えられるのが、このシナリオの素敵な所だと思いますね。
 文字通りこのシナリオは、社会的にも、他のキャラ的にも、この可能性分岐の中での最善の幸せを届けていると明確に言えるつくりでしたし、そのバランスも整っていて、結果的に水緒里とは表裏の関係にはあるにせよ、純粋なシナリオ面ではやはり叶シナリオが白眉であり、そしてもっともテーマ性に則った物語だったと思います。

★シナリオ総括

 いつもながらに善性に満ち溢れた素晴らしく温かい物語だったと思います。
 まあ裏を返すと、悪性を排除しているというのはある意味世界の半分を切り捨てている、という解釈の可能で、どうしたってその分だけ山谷の高低差をつけにくい、というのはあり、その点でいつもながらに、突き抜けた面白さ、カタルシスに至るほどではない、というのはどうしてもあります。

 でもそれでダメ、という事は勿論なく、私の気質的にはすごくしっくりくるわけで、色々癖はありますが、情緒面を強く押し出しつつ、きちんと理路でも最低限の説得性を担保する構成力は見事ですし、テーマ性も明確でそれをしっかりメインのシナリオの中で表現しきれている、と感じたので、その点で名作ラインに乗せてもいいでしょう、と思いますね。


キャラ(20/20)

★全体評価

 本当にいつもいつも優しく温かい世界観での超のつく善人が織りなす素敵な交流をありがとうございます、って感じですね。
 とにかく関係性の奥行きや温もり、幅広さが圧巻で、それでも物語的にとっちらからない収束力と引力があり、この心を痛める不安を微塵も抱かずに読み進め、安心して萌え転がり続けられる素敵さは信者的にはもうたまらんものがあるわけです。。。

 ヒロイン的にも、日記でも書いたけど清く正しくいやらしく、って感じで(笑)、主人公の気質と割り切り方がまた特別製、ってのも手伝っていますが、秘め事的な部分に関しても非常に真っ直ぐ綺麗に受け取って噛み締めている、そういう積み重ねが抜群に上手いからこその味わいではありますね。
 無論その中での成長や、多角的な魅力の発現もしっかり出来ていますし、この点では本当に文句のつけようもないところです。

★NO,1!イチオシ!

 あああああ水緒里水緒里水緒里水緒里水緒里水緒里ぃぃぃぃぃっっっっ!!!
 かっ、かかっ、かわかわかわかわっ、かわいいぃぃぃぃぃぃぃぃっっっ!!!

 …………と、のっけからとち狂ってみましたが、いや待ってほんっとうになんすかこの、私の好みの全てを凝縮して体現したような娘っ子は。
 本当にその見た目も、立ち位置も、性格も、声も、なにもかもが凄まじい破壊力で私の精神を甘くとろかしてきますし、本当に普段から快活でお茶目で前向きで、でも思慮深く優しい超素敵な子なんですわこれ。
 その上で立場的に、あとシナリオ的にも、どうしても半歩くらい下がったところから全体を俯瞰して、泰然と成り行きを見守っていなくてはいけないようなもどかしさもあり、また主人公の能力発現に際しての複雑な感情を丁寧に蓋をして、その背を押す健気さ、いじらしさも存分に備えていたりと、もう可愛過ぎて魂が溶け落ちるかと思いましたよマジで。。。

 自分以外のルートでも八面六臂の活躍で非常に目立っていて、かつどこでも自分と主人公の関係性のケジメ、的な物悲しさがついてまわって存在感が圧倒的ですし、そしてその切ない献身の分だけ、自分のルートでいざ本心を隠さなくてもいい、となった時のはっちゃけぶりが、もーぅすんばらしく愛らし過ぎるわけですよねーと。
 一々台詞回しにも甘えと安らぎが滲んでいてときめきまくりますし、まあここだとはっちゃけすぎて色々とやらかしもあるんだけど、そういう不完全な部分も含めて愛嬌に転化できている、純粋にキャラ造形だけなら近年でも最上級クラスに好きな子と断定していいでしょう。
 期待は相応にしてましたけど、それを遥かに上回る可愛さでしたし、本当に五体投地するしかないですね。感謝感激雨あられ、間違いなく殿堂入りの素晴らしいヒロインでした。

★NO,2〜3

 と、私内では水緒里の影に隠れてしまっていますが、基本的にこの作品のヒロインはみんなすこぶる可愛いです。

 その中でも、2番手となるとやはり叶にはなりますかね。
 本当に純真でひたむきでおっちょこちょいだけど頑張り屋で、子供のままの剥き身の魂を持っているかのような、接しているだけで心が清々しくなる味わいがある女の子でしたねー。
 シナリオ的にも、実は結構重い境遇だけどこうなんだ、ってのは、なんとはなくカミカゼの風花を彷彿とさせていてすごく良かったですし、それでも挫けない、しなやかな強さが本当に要所のどの場面でも輝いていて、品乳教徒の私的な視座での素材的魅力はともあれ(笑)、メインヒロインとして十全な魅力を備えていたとは思いますね。

 次はやはり迷うけれど僅差で英麻、かなぁ。
 幼馴染としては独特の、きちんと恋愛感情を包摂しつつ、互いのスタンスを尊重して線引きしているという思いやりの発現の在り方、それ故の信頼が滲みつつ僅かに引いた距離感が面白い味を出していて、どこでも縁の下の力持ち的に活躍してくれていましたし、いざそれが崩されたときの初心な反応、愛らしさがまた素敵だったと思います。

★その他

 芽以も緩急激しい子ですけれど、本質的に善良で裏表なく、本心が透けて見える微笑ましさも含めてすごく好きではあります。
 明日海も最初はツンデレ?と思ったけど、いざ進めてみると自然体動物型ヒロインで、その点での特異性がこの面々の中だと一層光っていましたし、ナチュラルな恋人モードの魅力、その心根の美しさには大いに惹かれるものがありましたね。

 しかしなんかまぁ終わってみて、上位三人には入れなかったですけどすんごい好きだなぁ、ってしみじみ思うのは依子だったりする。。。
 いやこれは多分に身体的魅力も加味されてるとは思いますが(笑)、普段はあんな風に謹厳で誠実で、何事にも動じない最強ぶりを見せていつつ、水緒里ルートで吐露される心境や、その狭間でふと見せる純粋な笑顔の破壊力がすんばらしくって、無理だと理屈の上ではわかっていてもこの子のルート欲しいんですけどー!と魂が叫んでしまうのだ。。。
 やっぱり普段笑わない子の満面の笑みの破壊力は狡いですよねー、この私が一瞬とはいえ水緒里から目を奪われるなんて正直すごいと思うのです。

 そして相変わらず支えてくれる大人たちのまともさ、優しさも健在ですし、マスコット的なキャラの愛らしさも素晴らしく、本当に総括的に見ても素敵なキャラゲーに仕上がっていると思いますね。


CG(19/20)

★全体評価

 相変わらず可愛さとエロスが絶妙に融合した素晴らしい絵ですねー。
 素材量的にはいつもながらに立ち絵投入量が圧巻で出来も突き抜けて素晴らしく、対して1枚絵は抜群、とまではいかないにせよやはりハッとするほどに可愛いのは数多く、非常に満足です。

★立ち絵

 ポーズに関してはヒロインが3種類でサブが1種類、それなりに立ち絵あるキャラが多いのでこれは妥当な量かなと。
 ヒロインはそれぞれに個性豊かなバリエーションに仕上がっていますし、本当に可愛くて目に嬉しいものでした。

 特に、の上の殿堂入りクラスでのお気に入りは水緒里の首傾げ、いやもうこの破壊力はえげつないとしか言えなかったですね。自然体で高みにいる感じと、無邪気さ、お茶目さがしっかり備わっているこのポーズは本当に水緒里だなぁー、って感じでしたし、これでもドヤ顔とか可愛過ぎて悶絶必至でした。。。その他も水緒里の立ち絵は全て超絶に好きなので、今後は基本省略します(笑)。
 その他お気に入りは、叶正面、右向き、芽以左向き、前かがみ、正面、英麻やや右、正面、明日海正面、左向き、依子、丹菊、お福あたりですね。

 服飾はヒロインで4種類、サブで1〜2種類ですかね。必要なものは揃っていますし、どれも中々に洗練されて美しく、それでいて程よくフェティッシュな感じでいいと思います。
 お気に入りは当然水緒里は全部で、叶制服、私服、英麻私服、給仕服、芽以制服、神様服、水着、明日海制服、私服、水着、依子巫女服、水着あたりですね。

 表情差分はもう圧巻の素材量、感情の細かい機微までとても丁寧に描き分けていて、そのどれもが可愛くおかしく明るくで、非常に心が洗われるような素敵さ、楽しさでしたね。
 特にもう水緒里のコロコロ変わる表情の可愛さときたら破壊神クラスで大大大満足でしたし、他もみんなとっても可愛くて素晴らしかったと思います。数が多過ぎてどれを、と拾っていく気力がないのはごめんなさいですが、水緒里以外で強いて言うならやっぱり依子の笑顔と、あと叶の蕩け笑顔、芽以の照れ目逸らしとジト目あたりですかね。

★1枚絵

 全部で85枚、1人均等に17枚ずつでSDなども特にないので、この辺はギリギリ水準に思えますが、いつもながらに1枚ごとの差分量は圧巻なのでそれを補って余りあるものがあります。
 1枚絵でも立ち絵同様にコロコロ表情が変化するのは本当に見ていて楽しいですし、質感が本当に素晴らしく素敵ですね。

 特にお気に入りは3枚。
 1枚目は水緒里正常位、はじめての幸福感と、不安を打ち消すように引き寄せられた体のライン、雰囲気が本当に好きですね。
 2枚目は水緒里制服フェラ、はい御多分に漏れず黒ストサイコー!のコーナーです。。。ちゃんとそこをクローズアップしてくれる展開があったのでもう私としては言う事なしですよね、綺麗ですし。
 3枚目は芽以はじめて愛撫、この無垢でいたいけな表情と、ボディラインの艶めかしさのバランスが本当にときめく綺麗な1枚ですね。

 その他お気に入りは、叶溺れて、薙刀、再会、お風呂、フェラ、屈曲位、正常位、バック、パイズリ、騎乗位、水緒里は全部でいいです、英麻注文取り、夜道、抱きしめ告白、いつてらっしゃい、愛撫、屈曲位、バック、背面座位、芽以雷撃、祀り、やさぐれ、誘惑、全てを背負って、家族、正常位、角オナ、屈曲位、バック、明日海川原で、再会、勉強、添い寝、家族、愛撫、バック、フェラ、騎乗位、背面座位、正常位あたりですね。


BGM(17/20)

★全体評価

 質量ともに水準はきちんとクリアしていて、作風に合わせた雰囲気のいい曲に仕上がっていますが、なんでしょうね、今回はいつもよりボーカルが嵌らず、お家芸的なここ一番感動曲もそこまで凄みを感じなかったんですよねー。悪くはないけど過去作と比べて考えるともう一歩足りない感じがあるのでここで。

★ボーカル曲 

 全部で3曲。
 OPの『Be with you』は、透明で澄みやかなイントロからの弾むような雰囲気は悪くなかったんですけど、イマイチBメロからサビの雰囲気が好ましく感じなくって、もう少ししっとりした雰囲気が欲しかったなとは感じてしまいました。
 EDの『Hello!』が3曲の中では一番好きかな、というところで、柔らかいイントロから伸びやかな雰囲気で、未来の美しさをしっかり感じさせる旋律が中々いいと思います。サビ序盤のリズミカルさが特に気に入ってます。
 EDの『風に吹かれて』も悪くはないですが、使われるルートを考えても、少なからずこちらのほうが閉塞感の打破には至り切っていない空気がそのまま反映しているようなイメージで、切々とした綺麗なバラードですけどズンと響いてくるものがなかったんですよね。

★BGM

 全部できっちり30曲と綺麗な水準量、質も和の雰囲気をそこそこに組み入れつつ、優しく包み込むような曲が多くて悪くないですが、やはり鮮烈さはもう一歩足りなかったように感じるんですよね。

 一応特にお気に入りは『たまつえ』。
 ただ過去作の決め打ち感動曲よりは情緒面でしっとりゆったりしている感じで、わかりやすい鮮烈さは抑えめにされているなってので、好きですし印象に残ってますけれどシーンありき、この曲そのものですごくプラスアルファ、ってとこまでではなかったかなと。
 その他お気に入りは『鼓動に合わせて晴れ渡れ』『くすくす笑いに木陰は揺れる』『視線はそれてしまうけど』『夕暮れの歩幅』『どうしよう、笑っちゃう』『待って待って、待って!』『言祝ぐ朱の庭』『斎かれた藍の夜』『貫く強さよ』『今まさに在れ』『雲すら切り裂き突き進め』『ほどける胸のその温度』『可能性の扉』『晴れゆく水面の唄』あたりですね。


システム(9/10)

★演出

 いつもながらにコミカルで躍動的で、多彩な手札で楽しませてくれるなぁと。当然立ち絵演出もコロコロ動いて愛らしいですし、カットインやフレーム演出での感情表現が中々に面白く、吹き出しが七転八倒するのとか面白すぎですねいつもながら。。。
 無論主要なシーンでの情感演出もしっかりしていて、敢えて言うなら多少なりバトル的なシーンがあってもそこはしょぼい、ってのはありますが、それが主題の作品でもないから仕方ないでしょうね。

 OPムービーもしっとりした雰囲気でこれからの足跡を感じさせるさりげなさ、控えめさが前作同様に綺麗でいいと思います。もちょっと曲がこのムービー寄りの仕上がりでしたらね。。。

★システム

 基本的には必要なものは揃ってますし、操作性もシンプルで問題なく。
 ただシーンジャンプの区切り方がかなりざっくりなので、結局お気に入り作ろうとしたらしっかりセーブでやらんと、ってのはありますね。あとボイス登録とかあるとより嬉しいかな、と、敢えて言うならこれくらいですか。概ね行き届いたつくりです。


総合(90/100)

 総プレイ時間は29時間くらい。共通が6時間で個別は水緒里6時間、叶5時間、他4時間くらいですかね。まあこの辺は単純に、水緒里のボイスがどれくらいあるかに比例しているプレイ時間なので(笑)、そこを他同様にサクサクすっ飛ばせば−5時間くらいとは思いますが、それでも充分にポリューミーな作品になっています。

 いつもながら、という定型句もいい加減食傷気味かもですが(笑)、とにかく筋をきっちり通すまでは、という形づくりが丹念なところで、めんどくさくもどかしい点は多々ありますし、それが年々拍車がかかっている気もしますので、初見の人はある程度体験版で肌合いを確かめる方がいいんじゃないかな、とは思います。
 でも私としてはもうこれを定期的に摂取しないと禁断症状が起きる人ですのでむしろご褒美ですし(笑)、シナリオも安定して質が高い、キャラはとびきり可愛い、絵も可愛くてとにかくプレイ中ずっと安心して幸せ感に浸っていられるので最高です。

 ともあれ、色々ニッチな方向に突き抜けている感もありますけれど、性善説信者にとっては最高に親和する世界観、優しいハッピーエンドを提供してくれますし、物語性、テーマ性としても読み解き甲斐のある面白いもので、順当に高評価、というところですね。
posted by クローバー at 07:17| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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