2017年06月27日

天結いキャッスルマイスター

 近年冴えてなかったエウなのでどうかな?とは思いつつ、往年の名シリーズ・マイスターシリーズの正統継承作であり、体験版でどう見てもフィアゲー、と一目でわかるつくりに、フィアに一目惚れしてしまっていた私としてはもう回避不可避、というところでしたね。

シナリオ(22/30)

 世界観がそれを許すのか?

★あらすじ

 主人公は両親の思い出を持たないハーフエルフの捨て子で、ゆえに自分の力のみを当てにするしか生きる術を知らず、その為に鍛梁師という特殊な技術と能力が求められる職に就き、その腕一本で諸国を渡り歩いていました。
 今はそういう根無し草でも、いつかは自分の工房を持ちたい…………そんな想いを抱きつつやってきたインフルース王国にて、遺跡調査の仕事を請け負った主人公は、その最中に崩落事故に巻き込まれてしまいます。

 目を覚ました時、主人公は遺跡の奥深くまで転げ落ちており、そして目の前には神秘的な光景が広がっていました。
 魔力を帯びた水晶に包まれた、不思議な衣装を纏う少女がそこにはおり、導かれるようにその水晶に触れると、途端にそれは砕け散り、中から封印されていた女の子が転げ落ちてきたのです。
 
 こうして目を覚ました少女はフィアと名乗り、色々な記憶こそ失っているものの、自分は縁結びの神様だと明言します。
 そして理由は定かではないものの、この国の聖地である神響の霞廊に行かねばならない、という使命感を抱いており、その為には信仰という形で神の力を充填し、フィアの体そのものであるこの遺跡を動かさねばならないので、主人公と使徒の契約を結んで、その目的のために協力して欲しい、と口にするのです。
 あまりにいきなりな展開に半信半疑の主人公でしたが、フィアの純真さと、そしてこの城砦をそのまま工房として活用していい、という提案に魅力を感じ、一先ずはその思惑に乗って協力関係を築くことになります。

 しかし一方で、いきなり城砦が起動した事で、この城砦にまつわる過去の因縁を知るものや、戦略兵器としての有用性に目をつけたものなどの画策も水面下で始まり、それはやがて、縁結びの神様として誰かの役に立ちたい、様々な種族の壁すら超えて、広く深い絆を紡ぎたいというフィアの美しい夢を蹂躙すべく牙を剥くことになります。
 フィアとの二人三脚の日々の中でその想いに絆され、いつしか彼女を疑うことなくその夢に邁進する姿を支えようと心に誓った主人公は、志を共にする仲間を増やしながら、様々な障害を乗り越えて、本来の目的である神響の霞廊に辿り着くための、出来る限りの平和的な手段を模索していくことになるのです。

 果たして、その聖地・神響の霞廊には何が待っているのか?
 失われたフィアの過去の記憶とは、どのようなものなのか?
 彼らの純粋で高潔な志や想いは、道半ばで挫けることなく正しいまま全うすることが出来るのか?

 これは、兵器としての多大な価値を持った城砦の目覚めにより蠢き始めた人の業と対峙し、様々なイデオロギーが交錯する中で、自己の正しさを貫き歩む、王道的な愛と絆の物語です。

★テキスト

 ADVとしてのボリューム感はやや手薄な作品ですので、判断に難しさはありますが、基本的な読み口としてはシンプルで軽快で簡潔でもあり、さくさく読み進めることが出来ると思います。
 どうしても城砦の処遇を巡っての数多の思惑や業が錯綜する中で、行き過ぎたイデオロギーや情念が色濃く滲んだり、逆に太平楽に過ぎてどうなのか?って思う部分はあったりと、その辺の噛み合わせをもう少しテキスト面でも丁寧にフォロー出来ていればよかった、とは感じるのですが、骨格の部分から出来るだけブレない、キャライメージもしっかり固着させての展開、という意味では最低限の一貫性はあったかなと思います。

 でもキャライベントにしてもメインストーリーにしても、骨組みそのものは悪くなくとも肉付けや深みが足りない、と思う部分は多々ありましたので、もう少し思考の襞や精神的な部分の掘り下げはきっちりやって欲しかったですし、読み口そのものから面白味を汲み取るのはちょっと難しいかな、という感触です。
 まぁフィアがロリっ子ヒロインズとイチャイチャしている風景だけでも楽しいっちゃ楽しいのですが(笑)、結局シナリオ面でも触れますけど、こういう平和な雰囲気を一貫する事がこの世界観で説得性を持つのか?というのは、エウの物語が一貫した世界観を踏襲していることを考えると…………というのは出てくると思いますね。

★ルート構成

 今回はメインヒロインが明確にフィア一人に固定されていて、その為に物語の分岐も少なく、概ねが一本道的な様相を呈しています。
 一応道中の選択や、キャラ育成のやり方などで、ある程度の差異や、最悪の場合のバッド的な分岐もありますが、正直この城砦に蔓延る空気感をプレイヤーが汲み取って選択していく限り、まず一周目は正道のエンディングに辿り着くのではないかと感じます。

 本当にバッド分岐の為の方法論というか、選択肢の蓄積の必要性は逆に超難易度が高いなぁ、という感じで、普通ならそんな選択するわけないじゃん、ってのをほぼ全て網羅しないと分岐しないっぽいのですよね。
 なので正直、そのルートに至る為の必然性がかなり薄く感じるところではありますし、当然ながらかなり悲惨な終わり方にはなりますので、敢えて見ずとも、と思わなくはないです。
 今回は凌辱的なシーンも一切なく、バッドで回収できるのってその切ないイベントとCG絡みくらい、そこでしか見られないキャライベントやシーンなども特にないと思うので、あくまでおまけ程度と思っていればいいと感じます。
 なので正直そのあたりの作り込みは稚拙だと思いますし、もう少し色々と混濁した展開なども含めて、あからさまに操り人形なのが丸見えな構図ではなく、工夫や奥行きは欲しかったですね。

 二周目以降はアペンドやEXイベントにも進むことが出来ますが、個人的に時間と気力がなくてアペンドしかやってません。。。一応EXにも結構なCGとシーンが振り分けられているようですが、本筋の大勢とは関連性は薄そうだったので、一先ずスルーする事にしました。というか神採りの時もEXスルーしてたなぁ私。

★シナリオ

 フィアが縁結びの神様、という立場で、分け隔てなく仲良くしよー!という心情の持ち主である限り、出来るだけその大方針に沿った形で物語を進めていこう、という想いの部分には特に問題はないと思います。
 ただ、城砦という存在が、ただそこにあるだけで世界の危機、或いは欲深い人間達の業を満たす好機となり得る状況下で、かつエウの共通した戦乱の気風が残る世界観で、その善なる思想をそのまま投影して、それが完全に近い形で全うできる物語を紡ぐ、というのは、それ相応に必然性や説得性がないと難しいものだと私は思います。

 この辺神のラプソディでも同じような言及をしたかもですが、けっきょくのところエウの世界観において、正しさ・光一辺倒で、何の犠牲も出ない予定調和のハッピーエンドを紡ぐのは、どうしても違和感が付き纏うんですよね。
 勿論それが悪いとは言いませんし、私自身そういう性善説信者ではあるので嫌いでもないんですけど、どうしてもSRPGとしての側面を強く持ち、その分ADV要素が緩めの中で、その結末がきちんと数多の危機を理知的に、信念をもって乗り越えてきたが故のものか、と、それだけの納得を呼び起こす下支えを紡げているかと言うと、やっぱり今回も色々と足りない、と言わざるを得ません。

 基本的にフィアは底抜けのお人好しですし、主人公もそれに染まって警戒心を大分薄口にした思想性を持っていて、でもそれって本格的に悪者側が付け入ろうとすればいくらでも、というのは目に見えて沢山あるのですよね。
 結果的にどれもが克服できた、という部分はあれど、それはむしろ悪の側の手段がいかにも拙劣で首尾一貫していなかった、或いは政治的綱引きで自由に行動できなかった、という点に大きく助けられており、それならそれで、悪の側がどうしてそういう手段しか取りようがなかったのか、という点をもっとしっかり書き込まないといけないだろうと感じます。

 結局のところ、こういう性善説的なストーリーの骨組みと、社会的存在のイデオロギーの対立の中で、その清濁が混ざり合うことなく綺麗なままで全うできる、というのは食べ合わせの悪い要素ではあるなぁと。
 神採りの時はそのイデオロギー面のスケールが小さめで、かつヒロイン三人ごとに別々の、ヒロイン自身の問題と隣接したストーリーを展開していたので、その枠組みの中でなら彼らなりの正義を全うする事にそこまで違和感もなかったし、個々のヒロインに傾倒する事でその状況が発生する必然性や、克服に至る経緯に関してもそれなりの説得性がありました。

 でもこの話は、畢竟裏で糸を引く存在の思惑の綱引きの中で、不自然に彼らの存在が認められていた、というイメージはどうしても強く持ってしまうし、最終局面においても、その元となる問題を打破するために彼らに全てを託す、という在り方を軽々に選択していいのか、実際それは世界の危機を間近にもたらしたわけで、どうにもその辺はご都合主義が過ぎるというか、軽薄に過ぎるというか。
 我欲を貫く、という視座でも結構主人公達は無茶してるのは確かですし、そこに希望を見出すほどの信頼関係や正当性を見出すのは中々難解で、そのあたりテキストでも触れたように、諸々肉付けや掘り下げが足りない、という点にも繋がってきますね。

 無論結末としての美しさや、その後の幸せな風景に関しての文句はないのですが、そこに至るまでに苦労や研鑽を重ねて、意思を磨いてそうなった、という感情面での納得も薄いですし、むしろその辺はプレイヤー自身のゲームシステムに対する努力を反映させて補完する、という感も強く、単純にシナリオ、としては奥深さは足りなかったと思います。
 少なくとも世界観の必然イメージからすれば、正義を全うする意思はあれども、どうしてもその中で一定の頓挫はあって、それでも…………と痛みを堪えて歯を食いしばって前に進むようななにかがないと、どうしても予定調和的な画一的展開でハラハラ感が足りなくなるなぁと思いますし、その予定調和を貫きたいならより多角的な肉付け、想いの掘り下げの蓄積による必然を確固たるものにしないといけないでしょう。

 またルート構成でも触れたように、バッド分岐の選択肢のあからさまさというか、どう考えてもそんなリスキーな事しなくない?って方にわざわざ能天気に足を踏み込み続けないといけない、っていうのも不自然でしたよね。
 明らかに主人公達の道は危うい綱渡りですので、一歩踏み間違えれば、というルートが存在するのはむしろ当然に感じるところなのですが、ここまで極力セーフティがかかっていて、その上での悲嘆の方向性もあくまで純粋な部分にのみ傷をつけている、そのあたりのつくりも日和っているというか、らしくないなぁとは思うところで。
 別に敢えて辱い展開を入れろ、とまでは言いませんが、選択の積み重ねや必然の流れの中でそれがもたらされるのであれば、この世界観ならそれを内包する素地はあるわけで、それを敢えて削った結果として全体のシーン数も少なめ、って事になってるのは勿体ない気はします。

 総合的に見て、実に王道的なつくりで決して悪くはないのですが、こういうのはADV専任でもっとじっくり多角的に掘り下げられる環境がある中で紡ぐべき物語だよね、って結論になりますでしょうか。
 そういう意味では過去のマイスターシリーズが持っていたシナリオ面でのバランスの良さや魅力、善悪どちらに転ぶかわからない危うさや、個々人や仲間の思惑のみで充分に貫ける範疇での正義のありようなどが、イデオロギーの肥大化に対して噛み合わなかった、減衰してしまっていた、と言えるかもしれません。

 千桃の時にも触れましたけど、途中からこれは予定調和的に身内の犠牲なしで進めるんだなー、って看取出来てしまうのは、やはりどうしても熱狂的なのめり込みを阻害する要素になりますし、かつ今回の場合バッドに進めば絶対にそこは揺るがないんだろうなー、ってのがあからさまに過ぎて、零か百か、っていう二極的なありようが余りにも露骨すぎたろうと。
 その辺もう少し中庸的な内容の方が噛み合う部分は多い内容、骨子ですし、どちらにせよ先が読めない、っていうドキドキ感を紡がせてくれない構成はなぁ、と。そりゃまともな純愛ゲーでいきなり辱ったりボアしたりしたら避難囂々かもですけど、仮にもエウでしょう、そこを独自の魅力として攻めなくてどうする!って、そろそろ古参ファンの域に入ってきた私からすると思わざるを得なかったというか、色々もどかしかったですね。
 シナリオ点としては8.5/15で採点しています。

★ゲームシステム

 こちらは全体的に良好で、マイスターシリーズのいい部分を受け継ぎつつ、新たな要素もそこそこに加わっていて、こちらの面で随分と熱中して楽しめたのが大きな救いではあります。

 いつもながらにシンプルなバトルシステムで、しっかり装備や武器の付け替え、相性などを吟味して論理的に状況に当たればいい、という部分はそのままに、今回は少しお手軽感を増すためのひとつ巻き戻しシステムが搭載されていたのが、ゲーム性での難易度を下げてくれていたと思います。
 大概マップの隠された部分に突っ込んでみたはいいけど、強敵がうじゃうじゃいてうぎゃー!ってのは誰もが経験するところでしょうし、そこをセーブロードなくトライアンドエラーできる仕組みがあるのは楽ちんでした。あと地味に、攻撃に当たる順番変えてみるだけで、敵のスキルの発動タイミングが違ってきたりとか、その辺でもこちらが取れる手段に多様性が出ていたと思いますね。
 個人的にフィアの結騎砲台的な活用が一番楽しかったし便利だったなぁと。

 採取や工房機能に関しても、元々のシステムから大きくは逸脱せず、けれど新味も加わっていて面白かったと思います。
 専用の装飾がない内は素材集めも中々大変、特に特定の敵しか落とさないアイテムとかは中々苦労が大きいですが、それだけに敢えて作り込むことに愉しみはありますし、またそれを蓄積する事が女神力の向上にも一役買う、という連関性がはっきりしているのがいいところですね。
 武器や防具の強化機能などもやり甲斐がありましたし、基本的に多少基礎性能が弱い武器でも、属性の相性次第で使う余地は充分に有る、というつくりなので、序盤の武器防具を育てても無駄、ということはさほどないのがやり込み派としてはありがたかったです。

 フリーマップ開拓なども、神ラブの時の無意味な自然破壊とは違って(笑)、土地の活性化と信仰のシンボルの復活、という一貫した理念が、そのまま女神力の増加に結び付く仕組みなので、そこまでマップ開拓に厄介さ、面倒さを感じずに済むのは良かったと思います。
 ただし序盤は、女神ランクが上がらないと先に進めない、という条件の中で、ランクアップに必要なポイント獲得のための幅が結構シビア、というのもあるので、最序盤からの自由度はそんなに高くなく、大体六章位から加速度的に自由度が増していくイメージでしょうか。

 その他城砦の建物建築や、結騎育成など、やるべきことは本当に多岐にわたっていて、どれもがやり込むことでしっかり実際の戦闘展開に意味を持ってくるので、オラオラプレイが好きな私としては楽しかったですねー。
 防衛戦などは本来、特殊な防衛装置を駆使して凌ぐのが醍醐味なんでしょうけど、正直味方を強化し過ぎて大概それがなくても押し切れてしまったのはご愛嬌ですけど。。。

 強いて気になったのは、まずやっぱりドロップ率の低さかなぁと。
 ひとつの敵が大体五種類くらいドロップ持ってて、ただでさえ確率20%なのに、その敵しか落とさない、なんてのもザラで、その為だけに幾度も遭遇戦繰り返すのは中々に辛いです。まあこの辺は、二周目にフールティアスや占いの館、或いはアペンドがあればヴァレフォルありき、のシステムなんだとわかってはいても、ついついこの時点で達成が可能なら!と意地を張って頑張っちゃうのが私の最大の悪癖なのですよね。。。

 あとアレだ、城砦マップの固定セーブが可能なら、出撃キャラ固定セーブも作って欲しかったなぁと。
 上で触れたように採取&ドロップの為だけの出撃を繰り返す時に、わざわざ出撃キャラを一々設定し直すのとか面倒でしたし、捕獲メインの時に装飾を切り替えるのも鬱陶しかったので、採取用出撃、捕獲用出撃、って最初から振り分けるシステムがあればなお良かったと思います。

 でも総じてゲームシステム面では不満はなかったですし、マイスターシリーズらしいやり込み度の高さで大変に楽しめました。この点は13,5/15点で採点しています。

★シナリオ総括

 シナリオそのものは薄っぺらくご都合主義ですけど、キャラの魅力とゲーム性の深みで最後まで牽引してくれる作品、というのが妥当な評価ではないでしょうか。
 プレイ時間からして相当なので贅沢な話ではありますが、もう少し全体的にメインのシナリオの作り込みの深さ、キャライベントの蓄積が欲しいなと思わせる内容でしたし、それでもフィアが大好きー、ってなればそんなに気にならないでしょうが、そうでないとなるとシナリオ面では中々オイオイ、って事にはなりかねないかなと思います。
 

キャラ(20/20)

★全体評価

 まぁ正直に言えば、キャラの掘り下げは絶対的に足りません。
 味方の側はみんなフィアに感化されたのかやたらと太平楽で、もう少しまともな軍師役がいてもなぁ、と思う向きは強かったですし、敵役もその想いの深浅に触れる要素はあまりなく、ただ表層的な対立関係の中でしっかり向き合う余地は少なくて、そのくせ台詞的には一々フィアが、ちゃんと言葉と想いを通じさせて云々言うから片腹痛いわー、ってのは多々ありました。

 んでもまぁ、そういうマイナス面を差し引いても全体的な雰囲気、ヒロイン達の愛らしさは中々のものでしたし、フィアも期待通りには可愛かったので、色々相殺してギリギリマイナス点組み込まなくてもいいかな、くらいの感覚ですね。

★No,1!イチオシ!

 まぁなんだかんだで最終的にはフィア、ですけどね。
 ただ基本的にこの子自身のイベントは結構序盤で終わってしまって、その後新規加入メンバーの、ってパターンになるのでちょっと愛着に波があるし、メインとしてならもう少しイベントにぶ厚さは欲しかったとは思います。
 でも根本的に善良で快活で真っ直ぐひたむきで、ちょっとお茶目やら過ぎるところはあるけれど非常に支えてあげたい!という想いを呼び起こす親身な神様で、一目惚れしただけの可愛さは見せてくれたと思いますねー。

 それだけにあのバッド派生はぐぬぅ、って感じではありましたが、それはそれでフィアらしさが貫かれていたとは思うので、結局徹頭徹尾フィアゲー、という当初の感覚を裏切らないだけのものはあった、と言えるでしょう。
 CV的にも絶妙なウザ可愛さと、時折見せるシリアス差とのギャップの使い分けが見事でしたし、本当にキャライメージにマッチしていて良かったですね。

★NO,2〜

 好きな子は結構多いというか、基本ヒロインズみんな好きなんですけど、敢えて次点を選べ、というならロズリーヌかなぁと。
 この子はかなり悲嘆の境遇にある中で、少しずつ生を謳歌する喜びを回復していく、その中での老成した部分と愛らしい部分のギャップが凄く良かったですし、主人公に対する慕情も一番理由づけがはっきりしていて真っ直ぐ綺麗な感じで、見た目の儚さも超好みでしたし良かったです。

 ミケユ&イオルコンビも非常に二人揃ってのバランス感に加え、日々の癒し力なども含めて活躍していましたし、カトリトも引っ込み思案な中での頑張り屋な面がいじらしく、リシュなども押しが強いようでしっかり乙女の部分があったり、それぞれに魅力があったなと思います。
 まあミクシュアナだけはキャライメージと、それを投影するタイミングが噛み合っていなくて微妙だったなってのはあるのですけど、総じて文句はないですね。

 敵役に関してはどうしても仰々しさの割に弱っちかったり、策略的にも甘さが目立っていてどうなの?と思ったり、もう少しその辺はいやらしさを強くしても良かったと思いますけどね。
 無論雰囲気や喋り的にはイラっとするところも多かったですけど、やっていること自体は拙劣なのがアンバランスでしたし、この辺は難しいですねぇ。


CG(18/20)

★全体評価

 これを書くにあたって、過去のマイスターシリーズの情報なんかも見てきたんですけど、当時に比べるとキャラデザインとかはキャッチーさ、可愛らしさが随分と強くなってるなぁ、って思いますね。
 無論それはそれでいい味を出していますし、特に今回のキャラ設定の中では嵌っていたと思いますが、それも大方針の一環というか、重い部分を削る中での見せ方の返還が土台にあるとしたら善し悪しだなぁ、とは思います。

 どうあれ質・量ともに充分な出来ではあり、ぶっちゃけ全て見切れていないのでその辺どう評価に組み込むか、ってのはあるのですけど、特別これは凄い!ってほど傾倒する絵の魅力、ってほどでは流石にないので、このあたりが妥当な所かなと思います。

★立ち絵

 ADV要素としては軽めなので、ポーズや服飾、表情差分なども総じて少なめなのはどうしようもないですね。
 その中でも個々の個性はそれなりに出ていて可愛らしいですし、衣装も独特な工夫がそこかしこに見られて良かったとは思います。なんといってもあのフィアの横肌丸出し衣装は考えた人天才じゃん(笑)。パッケ絵で肌色の部分を一直線に点に伸ばしている、あの構図も凄くインパクトありましたし、この辺はアイデアの勝利ですね。
 表情差分的にもフィアの喜怒哀楽の幅の広さは楽しかったですし、そのあたりは流石にメインとして優遇されてるなって思いました。パッチでパジャマ立ち絵搭載されたのもグッド。

★1枚絵

 アペンド込みで全部で162枚と、中々のボリューム感です。
 ただ結構構図的には似通った絵を背景だけ使いまわして、とか言うのも多かったですし、戦闘なども迫力は出ていて良かったですが、これは素晴らしい、とまで言い切れるほどの突き詰めた感じはなくて、ヒロインズも可愛いけどまぁ、って水準でとどまっているのは惜しいところですかね。

 基本的にはフィア絡みが当然多いですし、どれもその感情の発露をしっかり捉えていて可愛いなって思います。
 それ以外でも総じて出来はいいですが、特に、と書き足すほどのものはなかったのでちょっとサラリと終わります。


BGM(18/20)

★全体評価

 いかにもエウらしい荘厳さや悠久の気配、切迫感や神秘性が色濃く出た楽曲であり、今回も総じていい出来、聴き応えがあったと思います。

★ボーカル曲

 全部で2曲ですね。
 OPの『infinite knots』は、とても情緒と奥行きのある中々にいい曲ですね。
 特にAメロとBメロの、手に手を取って進んでいくという雰囲気がすごく好きで、逆にサビはやや全体の統一感、広がりで単一的に加速している感じでそこまででもないですが、総合的にかなり好きですね。

 EDの『all my relations』は、ED次第で2パターンに分かれて、その中で後ろのイントロや歌詞などが少しずつ違っていたりと、これは面白い試みだなぁと思います。
 曲としても悠久の広がりや時の中に眠る哀しみを上手く連想させつつ、そのルート毎の終わり方に合わせた雰囲気をより強く出していて悪くないですし、曲そのものとしてもOPより完成度自体は高いなって思います。好き嫌いで言えばOPの方が好きですけどね。

★BGM

 全部で33曲、アレンジなどもありますがほぼ水準はクリアしていると言えるでしょう。
 内容もいつも通りの日常曲、フィールド曲、戦闘曲などバランスが取れた構成で、それぞれに奥行きと雰囲気の良さがあり、いい仕上がりだなぁと思いますね。

 特にお気に入りは2曲。
 『現に輝いて』はタイトル曲でもあり、OP曲のアレンジでもありますが、このメロディラインはこういう音でしんみり表現した方が確実に良さを感じますね。オーケストラ的な荘厳感も含めてすごく気に入ってます。
 『迫られる決断』は、バトルシーンが佳境に入った時の曲ですが、この切迫感と疾走感がすごくいい味を出していますし、中盤からのピアノイントロメインになったところでの美しさが物凄く気に入っていますね。

 その他お気に入りは、『大地を駆ける城砦』『ひとりひとりと繋がる縁』『悲しみの雨』『守るべきものへの誓い』『恐るべき重圧は目の前に』『求めた真意』『遥か北の地を目指して』『木漏れ日に包まれて』『忘れられた古跡』『荒廃した古の大地』『聖地に眠る真実』『烈しい一戦』『負けられない戦い』あたりですね。


★システム(9/10)

★演出

 基本的にADV部分での演出はほぼ目立ったものはないですが、それなりにぴょこぴょこは動くし、要所での情感はしっかり引き出せているので悪くはないでしょう。
 バトル系の演出も恒例の味わいで新味こそないですが、まあこれがやはり慣れているので楽しく見える、というのはありますね。

 OPムービーは非常にゲームの本質を上手く掬っているというか、しっかりフィアゲーらしい雰囲気と絆の暖かみが投影されていてかなり好きです。

★システム

 概ねは基本的なものは揃っていますし、サイドバー搭載になってそのあたりの利便性も上がっているので、特に不便を感じるところはなかったです。
 こういうゲーム性が強い作品である限りジャンプ系統が搭載できないのは仕方ないですし、やや癖のあるシステムではありますがいつもこうなのでその辺は慣れ、ですかね。


総合(87/100)

 総プレイ時間は85時間。まぁ正直私が時間かけ過ぎなのは間違いないですが、無謀なことに拘泥せずシンプルに進めていったとしても、一周目で50時間はくだらないでしょうか。その辺のボリューム感に関しては流石のマイスターシリーズですし、そのやり込みにもそこまで飽きを感じさせず熱中させてくれる深みはあったので、近年のエウ作品の中では極めてまともだったと言えます。

 まぁ色々シナリオのバランスや作り込みなどに文句をつけたい部分はありますが、ゲームとしては本当に楽しめましたし、キャラもロリ寄りで私好みだったので良かったですね。まぁここまで時間食うとは思ってなかったのが嬉しい誤算と言えばそうなんですけど。

 過去のマイスターシリーズよりは難易度も低いかな、と思いますし、エウの作品がはじめて、という人でもそこまで敷居は高くないでしょう。
 流石に神採りのバランスの良さに比べると劣るところは多いですが、最近のエウとしては頑張っているし普通に面白い、と思えるので、フィアが好きになれそうで、時間に余裕がある人になら充分おススメできる作品ですね。
posted by クローバー at 05:46| Comment(2) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
気持ち悪
死ねよゴミ
Posted by at 2021年04月07日 00:04
私が社会のゴミなのは否定しませんが、
人権と思想の自由はありますので。
Posted by クローバー at 2021年04月07日 03:22
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