2017年09月02日

ワガママハイスペックOC

 新規ヒロインは奏恋くらいしか興味なかったんですが、とにかく未尋が好きで好きで仕方ないので買わない選択はないのだー、という感じで。

シナリオ(18/30)

 コンセプト的には考えちゃうけど。

★概要

 この作品は、2016年4月に発売されたワガママハイスペックのFDになります。
 コンテンツとしては本編サブヒロイン3人の物語を新たに収録したのと、本編ヒロイン4人の後日談、という極めて王道的な構成であり、新規ヒロインの物語も本編共通を下敷きに綴られるので、当たり前ですが本編事前プレイは必須の内容です。

★テキスト

 本編同様に軽妙で、キャラ同士のやり取りがとても楽しいですね。
 相変わらず時代性に対するアンテナもしっかり張り巡らせている感じですし、多少雰囲気の差はあるけれど基本的にはどれも読みやすく仕上がっていると思います。

★ルート構成

 基本的に物語の結末を左右するような選択肢はありません。最初に好きなヒロイン選んでその物語を堪能するだけです。
 なので新規ヒロインに関しては、その分岐の必然性の部分でやや説得力が薄いってところはありますが、まぁFDですしある程度は致し方ないのかなと。

★シナリオ(大枠)

 さしあたっての感覚としては、新規ヒロインの物語ってそもそもワガママさやハイスペックさが中途半端にならざるを得ないよなぁ、というのはありまして、でもこれは本編の、コンセプトピンズバで設定されたヒロインに比べれば弱くなるのは仕方ないのかな、ってところ。
 本編ですとルート間の格差や温度差はあれ、ハイスペック前提でその上でのワガママが物語を意図しない方向にまで進める牽引力になっていたと言えますが、その点での特異性はやや薄れているかなぁと。強いて言えば私の目の黒い内は〜、的に暗躍する兎亜が相変わらずやりたい放題だなってあたり。

 といってじゃあ物語として面白くないか、というと別にそうでもなく、特に優遇されていた奏恋シナリオなんかは非常に心温まる綺麗なつくりになっていていい味を出していますが、本編にあったこの作品ならでは、という差異性、印象度は流石に食い足りないかなぁとは思います。
 その点無論既存ヒロインのアフターで補完されているところもありますけれど、こちらもまぁ一応恋愛的な部分では落ち着いてその先を、ってところなので、本編ほどの無茶苦茶が繰り広げられるわけでもなく、全般的に面白いけどおとなしめ、という感覚はありましたかね。

 ただこの作品の肝的な、ヒロイン同士の横の繋がりや和気藹々とした雰囲気はどこでも健在で、恋人が出来てもそのあたりの関わりは設定的にも蔑ろに出来ないし、周りもそれを認めて付き合っている、という空気感はやっぱり好きだなぁ、と思います。
 でもその点でも、折角ならもう少しその関係性掘り下げて欲しい、って感じる部分は特に新規ヒロインルートで結構あって、FD水準の尺ではあるのであまり本筋からずれると恋愛色が弱くなる、というジレンマはあるかもなんですが、そこの肉付けがもう少し豪奢でも良かったんじゃない?とは思ってしまいますね。基本的にFDとしては割高なのは間違いないので。。。

★シナリオ(個別・ネタバレ)

 敢えて伏せるほどの内容でもないですが、一応ある程度具体的な内容を伴いつつの個別回顧をしていきましょう。
 とりあえずざっくりと、新規シナリオは奏恋>千歳>縁くらい、既存ヒロインはかおるこ>未尋=兎亜=アーシェくらいですね。いつも以上に細かい部分での個人的思い入れや好みが反映しているのは否めませんが。

 奏恋に関しては、私がこういう幼い家族の為に頑張るお姉ちゃんシナリオが大好きー、ってのもあり、またその対象である双子の妹の奏音と奏歩がすこぶるつきに可愛いのでそれだけで満足、ってところがあったりします(笑)。
 勿論そこに絡んでいくことで、互いの過程的な面を見つけて惹かれていく描写などもいい味がありますし、ナチュラルに人に無闇に頼ることをしない奏恋の気質なども反映した内容で、展開的には納得は行くところはあります。

 ただですねぇ、そうなる理由はわかっても、それでもどちらかと言えば強引に本編ヒロインズとの交流に尺を割いて欲しかったというか、ぶっちゃけ四月一日家妹ズと兎亜&未尋コンビの絡みがすごく見てみたかったのですよ!ずぇーーーっったいそれめっちゃ微笑ましくて楽しい光景になるのにぃ!って歯噛みしまくりでした。
 そもそも未尋に尾行だけさせといて、自分だけ美味しいとこ持ってった挙句、生来のズボラ発揮で直接的には関わってこない兎亜とか狡いわ。。。まぁその辺の絡みに尺使い過ぎると肝心のイチャラブが、という点はあるにしても、それでも見たかったというのが本音。

 それはともかくとしても、奏恋の頑張り屋で、自然と自分の優先順位を下げてしまうあたりは自然の成り行きでもあるし、けれど恋人として深く触れ合うことで底に潜む、慣れて鈍麻してしまった痛みへの感覚を改めて突きつけ、我慢しなくていい、と言ってあげられるのは恋人ならではの醍醐味だな、って思います。
 構成として漫画絡みの秘密を処理する段も面白かったですし、感情と台詞が比較的直結する奏恋だけに、そのモヤモヤ感やめんどくささも含めて等身大で可愛かったなとは感じましたね。
 でも妹ズとほわほわ遊んでる時の方が楽しかったのは秘密だ。。。お嬢様は素直になれないの若葉も、こんな感じで下の子達と仲良くなるタイプの追加パッチはよ!と切に願う(笑)、実に私好みのお話でした。

 千歳に関しては後付けの設定が、いざ他のルートで披瀝される事はないのか、って懸念はどうしても出てくるところだけれど、まあ誰かと恋人になった後なら致命的でもないのかな、と。
 構成としては一番ドラマチックで少女漫画的・運命論的ではありますし、けれど今の関係性、パワーバランスを崩さずにその想いの末端だけを噛み締めるやり方としての進展は、まあもどかしいし都合はいいけど、そこに踏み込めない怖さもわからないではないかな、と思います。
 結局踏み越えるべき部分が決まり切っている中で、最後は世界の優しさに救われる形なのも悪くはないですが、このルートだとワガママさやハイスペックさ特に関係ないなー、ってのもあるし、個人的にこういうやきもきする形での結ばれはやっぱり没頭しにくいって部分でややマイナスですかね。

 縁もそれなりに面白かったですけど、ここは一番取っ掛かりが酷いですし、そこからの自爆感も色々と不憫だなぁと。
 個人的には兎亜&未尋コンビがやりすぎなくらいに大活躍だったのでその点でかなり楽しめた、ってのもありますけれど、やっぱり恋愛としては一番情緒もへったくれもない短絡的な構造ですし、一皮剥けば誰よりも純情乙女、なんて設定も使い古されてはいるからなぁ、という所。
 どうしてもヒロイン好感度がイコールになりやすいとはいえ、それを覆すほどのインパクトはなかったとは思うし、本当に立ち位置的に横車、って感じで、それを受けての兎亜の過剰反応&フォローする未尋のらしさの方が楽しかったとは言えます。

 んで本編ヒロインに進んでのかおるこですが、これはあくまでも個人的な感覚のシンクロニティ踏まえて、ってのはありますね。
 あれだけ付き合って時間が過ぎても頭の中お花畑のフワフワモードってのもいかにもかおるこらしいところですが、そういう天然気質というか事なかれ気質がもたらす問題としてのドタバタは、滑稽ながら中々に考えさせられるところ。
 文学に対する嘲笑的なありようはどうなの?って思う向きもあるけれど、それもある意味では劣等感の裏返しというか、どうしても自分のやっていることに対する生得的な後ろめたさがぬぐい切れない部分に繋がってくるのかな、と感じます。

 やっぱりこういう、幼いころからの躾が厳格であり、どちらかと言えばそういう娯楽趣味は良くないもの、と刷り込まれてきて、その反動で成長してからドハマりするって構造にはすごく親和的なところがあって、でもそれに対してどうしても割り切れない思いというか、自分が良くない事をしている的な感覚が拭い去れないってのは確かにあると思うんですよ。
 今時はオタクコンテンツの敷居も相当に低くなっていますけれど、私なんかもそれでも自分の趣味嗜好をおおっぴらにしようとは思えないし、それがどこか反社会的だ、って感覚が捨てきれない性質なので、このかおるこの、自分の仕事に誇りは持っているつもりでも、それでも親の前では望まれるいい子でいたい、不干渉であれるならその方がいいって先送りしちゃう気持ちが嫌なくらいわかってしまって、その点であまり糾弾できないなー、と。
 本編の時点である程度克服したように見せかけてのこれ、という中で、こういうコンプレックスに無縁な人にはあんまりピンとこないもどかしさかもですけれど、私としてはそこを丁寧に掬い取ったのは面白い発想だなと感じましたし、その上での成長をしっかり描けているので評価したいな、というところです。

 兎亜に関してはあいっかわらずめんどくさい妹だなぁ、ってのはあれ、それを含めて周りが納得して愛でている雰囲気には染まるし、ふとした時に見せるいじらしさとか、ぞっこんラブな部分は確かに可愛いのでその点での満足度は高いですね。
 主人公の無欲というか、自分の希望を表に出さない気質が更にブーストしてすれ違って、というのも、身から出た錆と言うべきかありがちな展開で、恋人であり妹でもある、という難しさを一端に孕みつつの内容は面白かったとは思います。
 が、やっぱり最初の顛末とか、力技で捻じ伏せすぎる部分はいかにも兎亜らしい傲慢さ、ふてぶてしさだなぁと苦笑いでもあるし、このルートのサルって絶対いつか抹殺されるのではなかろうか(笑)。

 未尋はストレートに結婚願望というか、お嫁さん気質であればこそ、いつでもウェルカムカム〜♪なのに対して、色々理由をつけて留保したがる主人公の気質、といより男の見栄的な部分に刺激を与える内容で、その点非常に未尋の可愛らしさと健気さが出まくっていてとっても楽しかったですね。
 まあ画策すればするほど自信を無くして裏目、ってのも、いかにも男女の感性の違いって感じで面白かったですが、それにしてもやっぱり未尋ルートに関しては、本編の時もそうですけど心理的機微の変遷や色付けがやや稚拙というか、視野狭窄というか、その点で勿体無い、損してると感じる部分はありますね。

 ここでも終盤の展開なんか、かなり力技で強引ですし、我慢から本音発露までの反転の構成がどうしても雑味が多くて、もうちょっとその辺上手く処理できなかったかなぁ?という面はあれ、トータルではすごくアフターストーリーらしいラブラブ感で、とことん未尋が可愛くて満足は出来ました。
 にしても、日記でも触れたけど本当に最近はパブみHシチュが横行しているなぁ、ってのはあって、まぁ確かに未尋に関しては、この作品のヒロインの中では一番似合うのは確かだと思います。一番年下なのにね。。。
 でもやっぱりこれって、母性の象徴たる乳的な部分が全てってことでもなく、ヒロインの気質に依存する部分が大きいから、むやみやたらに誰でも、とは思わないんですよねぇ。逆に言えば、胸は小っちゃくてもそれが似合う子はいると。
 あれですよ、ましまろでも花音と汐にそういうシーンがあったけど、絶対あれ汐の方が体格的には似合わずとも、キャラ個性的にはマッチしていたと思うし、そのご奉仕構図にいかに自然体で入り込んでくるか、ってのは重要だと改めて思うのでしたとさ。

 アーシェに関しては相変わらず丼しか印象にない(笑)、というのは語弊があるけれど、まぁヒロインとして一番ガラリと甘え度合いがアップした子でもあるし、主人公の空回りにやきもきするあたりも含めて可愛かったとは思います。
 ラストの卒業式展開は、形としては作品全体の縮図的な部分もあり、そのメンバーでいられたからこその今、という味付けがよりしっかり味わえるところで、その点も含めて地味だけど堅実な構図だったなと思いますね。

 以上、全体的に粗もないけど、特別にこれは!ってインパクトもない、丁寧なFDという印象ですね。
 点数的にもこのくらいが妥当だろうとすんなり決められましたし、本編が好きならプレイして損はないのは確かだと思います。



キャラ(20/20)

★全体評価

 基本的に本編準拠ではあり、ハイスペックすぎる故の傲慢さとか厄介さは健在ですけれど、それを笑い飛ばせるだけのコミカルな雰囲気と関係性があるのでやはりキャラ性の良さは目立っているなと。
 今回からのヒロインもそれぞれに本編では見えなかった部分を上手く拾って魅力的に仕立て上げていたし、相変わらず未尋がクッソ可愛かったのでそれだけで満足とも言えますね。。。

★NO,1!イチオシ!

 まあ新規で、となれば当然奏恋一択にはなります。
 頑張り屋で世話焼きで、けど感情には基本素直で好きになったら一直線で積極的、という明け透けな部分も可愛く、癖の少ない魅力的なヒロインだったなと思います。
 ただ個人的には、あの双子がいたからこその魅力、という部分もかなりの比重を占めている感じで、こういう主人公に対してではない自然体お姉ちゃんキャラは本当に好きですねー。んー、久し振りにキッキンののばらやりたい。

★その他

 やっぱりFDになっても未尋の可愛さは尋常じゃなく素晴らしかったですわー。
 基本的にこの子もナチュラルに世話焼きで、面白がりで悪乗りし過ぎる時もあるけれど、しっかり周りを見ていてバランスを取ってくれる聡明さもあり、兎亜とのコンビ的にも、主人公との関係性としても本当に可愛いなぁ、見ていて飽きないなぁ、好きだなぁとしみじみ思うのでした。


CG(17/20)

★全体評価など

 FDとしては頑張っていますが、値段相応の量か、ってーと微妙なラインで、ただ質は本編にも劣らずですし、評価に迷うところはあります。
 立ち絵に関しては新規ヒロインのポーズ差分や服飾差分などがメインで、奏恋の私服と双子ちゃんの立ち絵は実に好みで宜しかったなあと思いますかね。

 1枚絵は通常71枚のSD7枚で計78枚、まぁそれなりにしっかり完備されているのは確かですけれど、贅沢を言うならもう少し新規ヒロインの優遇度を出しても良かったのかなぁと。バランスとして難しいところですけどね。

 特にお気に入りは4枚。
 1枚目は兎亜の着ぐるみ編み物、この普遍的愛らしさは素晴らしいの一言でしょう。
 2枚目は兎亜リボン騎乗位、どうしてもスレンダー系ヒロインこの子しかいない中で、こういう密着型騎乗位は大好物でして。
 3枚目は未尋メイド服マッサージ、この恥じらいつつ蕩けている未尋の可愛さは絶品ですな。
 4枚目は未尋裸エプロンバック、これも構図とボディライン、表情の艶めかしさがとても好きです。


BGM(17/20)

★全体評価など

 今回はボーカル曲が、既存ヒロインと新規ヒロイン別にOPがあって、かつ全員に固有のEDがあるという超豪華仕様、正直お金かけるところちょっとバランス悪くない?って思うくらいです。。。
 一方でBGMは新規追加なしだと思われますので、その辺ももう少しなんとかならんものか、ってのはあるし、ボーカルもサントラがあるとはいえ中々聴きこむまで至らないんですよねぇ、これだけあると。

 とりあえずOPとしては既存ヒロイン編の『Hey Darling!』のスピード感がかなり気に入っているのと、EDではアーシェの『不思議なプリズム』、奏恋の『my little wish』が好みだったかな、と思います。


システム(9/10)

★演出など

 この辺も基本的には本編準拠で、全体的に堅実でキャッチーな出来になっていると思います。
 個人的にOPムービーふたつとものセンスの良さが光っているなと思ってて、そのあたりも含めて特に土台から割り引く必要性もないかなと感じますね。


総合(81/100)

 総プレイ時間13時間くらい。だいたい一人1,5〜2時間の範疇で、奏恋だけちょい長かったかなぁ位の感覚です。
 FDとしてはお値段割高ですので、どうしてももうちょい尺が欲しかったなぁ、ってイメージはありますけれど、本編の勢いをしっかり維持しつつ、新規ヒロインとの話もそれぞれに持ち味を生かした形で展開できており、本編が好きな人なら最低限は楽しめる内容にはなっているかなと思います。

 個人的にも未尋にまた会えたことと、双子ちゃんの可愛さにとことん癒されたので満足です。。。
posted by クローバー at 04:32| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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