2017年11月11日

ヤミと祝祭のサンクチュアリ

 基本的にこういう伝奇ものは好きですし、体験版もそこそこ面白く、悠里とノアが大変に可愛かったのでこれは買っておこう、と。

シナリオ(20/30)

 神の手が奔放過ぎて。

★あらすじ

 主人公は、人ならざる者と対峙するために磨き上げられてきた一子相伝の古武術・出雲流の正統な継承者。
 幼い頃に怪異に襲われているところを助けた縁で仲良くなった、この国きっての財閥の娘・亜梨栖に頼まれて、新座島という離島にある訳アリの学園・神薙学園に従者として編入学する事になり、はじめて地元を離れての生活が始まります。

 亜梨栖が主人公を必要としたのは、かつて亜梨栖の姉がこの島で失踪していて、けれどそれを家の者が誰も問題視しないため、自らの手でその謎を解こうと思ったためで、すなわち向かう場所の全ては敵、くらいの気持ちで、知り得る限り一番信頼が置ける相手に護衛を選んだのです。
 かくしてはじまった島の生活、亜梨栖の友人の悠里との再会や、同じく大きな財閥の娘であるユーリエやクローデットとの出会い、その出会い頭の衝突などでややいざこざはあったものの、思ったほどに明確な妨害や悪意は感じ取れず、むしろそれ以上に不穏だったのは、この島には主人公の本領たる怪異が夜な夜な跋扈している、という事でした。

 最初は人災を頭に置いていた亜梨栖も、この島の不思議さを目の当たりにするにつけ、様々な可能性を模索するようになって、最初は二人きりで進めるつもりだった島の探索などにも誰かの手を借りることを良しとして。
 その選択によってより特定のヒロインと親しさが増していき、けれどその行動が契機となって新たな火種や不穏も発生していく事になります。

 果たして彼らは無事にこの島の謎を解き明かし、いつもの日常に戻ることが出来るのか?
 育んだ新たな絆の先には、どんな未来が待ち構えているのか?
 これは、主人公がこの島で改めて人らしい情緒と愛を学びつつ、様々な形で巣食う島の闇を暴き、健やかな未来への道を切り拓いていく、愛と勇気と信念の物語です。

★テキスト

 全体的にフラットで淡々としていつつ、しっかり密度の高い情報の詰まったこなれたテキストですね。
 かなり島の特異性に対する説明が土台に必要となる中でも、それを上手く会話の流れや状況そのものに散りばめ、決してくどくならないようなテンポを意識している感じで、文章自体も平易で読みやすく仕上げているのでサクサク進められますね。

 裏返して特別な情緒や雅飾があるわけでなく、読み口そのもので心に響く、なんてところはそんなにないのですけれど、総じて丁寧にまとまったいい出来だと思います。

★ルート構成

 基本的には共に歩みたいヒロインを積極的に選んでいけば、というイメージです。
 正直亜梨栖はロックキャラなのかな?と思ったけれど多分そうではなく、基本的に相互間での致命的なネタバレは控えめのつくりになっていますし、選択肢自体も最初に2+2で分岐、そこから更に個別に分岐という、フローチャート形式を生かした枝分かれ型でわかりやすいと思います。

 加えてバッドエンド分岐や、個別でのノーマル分岐などもちらほらありますが、このあたりは後々でも簡単に回収できるつくりになっているので、そこまで気にせず進めてしまって良さそうです。
 一応亜梨栖のトゥルーが正史、的な扱いではあると思いますし、彼女を最後にした方が締まりはいいとは思いますが、無理に順番に拘る必要性はないですかね。

★シナリオ(大枠)

 基本としては、元々の目的である姉の捜索に従事しつつ、けれどその裏側にあるものが予想以上に怪奇に寄ったものであることに気付き、そこと上手く対峙するために誰かと手を組んでいく中で、少しずつ状況や情感に押し流されてベクトルがズレていく、というイメージの物語です。
 どのルートでも最終的な着地点に至る、というわけではなく、あくまでも当該ヒロインとの絆をより強固なものにするのに適切な怪異絡みの事件が起こって、その目先の解決を優先していく内に情理の部分での変化も強く起き、その二人ならではの結論に至っていく形ですので、やはり共通の流れからしっくり噛み合うのは亜梨栖ルートが一番、というのはあるでしょう。

 当然他のルートでも亜梨栖自身はその目的の達成を諦める事はないですが、結果的に見てそこに至るには主人公との二人三脚を維持し続けることが必要になっています。
 この作品の場合、各々のルートに入った時に起こる事件が、本当に二人が結びついた事と因果関係があるのか?と疑問視できる部分が結構あって、クローデットの従者の話やサキュバス封印などは他ルートでも自然に阻害されてたり、或いは発現しないイメージを持ちやすい因果が含められているとは思いますが、雪那関連とか、海坊主とか、そのあたりはその因果を図式化するのが難しい、とは思います。

 ただ結局のところ、亜梨栖ルートで開陳されるこの島の秘密に即して考えるならば、新たに育まれ始めた絆のポテンシャルを最大限に生かすにはどのような試練が必要か、という観点においての容喙、神の見えざる手が介在していると考えることは可能ですし、プラスしてバタフライエフェクト的な観念と並行させることで、ある程度そのファジーさに説得性を持たせているのだろうとは思いますね。

 そして、物語の取っ掛かりにそういう措置を施している事により、純粋に問題そのものに向き合う尺を存分に取れていることと、それに付随して主人公と該当ヒロインが少しずつゆっくりと絆を深め、関係性を変化させていくイチャラブ的な観点をもしっかり並列的に語れている、というのは利点だと感じますね。
 その意味では究極的にご都合主義とも言えますが、なまじ厄介な背景の説明やこじつけをスキップしただけ、物語として深みはありつつスッキリしたわかりやすい構図にもなっていますし、まぁこういう話ですので基本的にエロス成分は薄め、特にシナリオに則した形では、というのはご愛嬌ですが、どのルートも水準をクリアする出来を保持しているかなと感じました。

 ただ一方、そうやって全体の構成を緩やかな結合でまとめている分だけ、メインとなる亜梨栖シナリオで、その辻褄を合わせるような必要性が生まれず、結果として他ルートと尺や迫力、緊迫感の点で横並び程度になってしまっているのは肩透かし、というのもあります。
 一応他ルートを先にやっておくとこのあたりはそういう因果か、と納得できるようなイベントもありますが、ただあの鬼にせよ、悠里の覚醒にせよ、このルート単品で見た時にはなぜそれが起き得るのか、という説得性には当然欠いているし、肉付けも足りないと思えてしまうので、評価が難しいところではあります。

 やはり贅沢を言うならこのルートはロック付でもいいから、あらゆる要素を内包して、それを打破して進んでいく重厚さが欲しかったなとは思いますし、そうであればこそ、最終的な決着に至る為の神の思考の飛躍にもより納得が生まれるのではないでしょうか。
 枠組みとしてはその辺ははっきり不満ですし、よりこの二人ならでは、というものが欲しかったと思います。

★シナリオ(個別・ネタバレ)

 個別評価としては亜梨栖=悠里>ユーリエ>クローデットくらいでしょうか。
 どのシナリオも水準よりは上で丁寧にバランス良くまとまっていると思いますが、一方で突き抜けて面白い、と言える要素が足りていないのも間違いないですね。

 下からサラッと、クローデットに関しては結局終始彼女が元々抱えている柵に、怪奇要素が付随する形で巻き込まれていく、という構図ではあるので、正直あの好き好き攻勢に押し負けて情に流された結果として面倒事に巻き込まれた話、というイメージは強いです。。。
 エリスの逆恨みと能力の発現なんかはまず典型的なところですし、その後の最初に海に沈んでいったアレックスの鬼化なども含めて、基本的にはクローデット側の内在要因が、この島の神秘と結びついて牙を剥いた話ではあり、けれどその責任にしっかり向き合って対峙するクローデットというヒロインの魅力を引き立てるのには確かに有用だったのだろうとは感じます。

 また、エリスの姉が神のインターフェース的な存在だったことも含めて、いつどの時点からそういう関係性が刷り込まれていたのか、というのもあり、それはやはり一度はクローデットが課外授業でA評価に至ったことが起因しているのかな、と思います。
 亜梨栖ルートでも出てきたように、その評価を獲得した上で最終的なテスト、あの発信機の存在に自力で辿り着けるか否かが、そのポテンシャルを、神の介在なしに人がやっていける、と認める分水嶺だとするならば、その時点では一度失格してしまった、けれど可能性はあるから見届け人をすぐ近くに置いておこう、くらいのイメージでいい気がします。

 だから身も蓋もない事を言えば、クローデットに関しては主人公と結びつくことによるプラス面よりも、しっかり派閥を強固にしてその力を存分に奮う方が、社会的な影響力は大きかったんだろうなと、その意味でもクローデットが主人公に傾倒する事で派閥に不協和音が発する事とリンクしている、そんな感じはするシナリオです。
 無論これはこれで面白かったですし、クローデットも気高くも可愛らしくて良かったですが、大枠としてはそういう外れ籤的な側面もあったのかな、と思わせますね。
 そして私エリスを攻略したいんですけど、分岐選択肢パッチはまだですか?

 ユーリエに関しては、元々の彼女の目的が、その血の純粋性というか、強固さを保持するために、怪奇的な方面に理解があり、あわよくばそれを色濃く自身の血にも体現している存在を見つけ出して結びつく事、にあるので、その点で彼女の本領がどこにあるのか、というのは曖昧なイメージになっています。
 このルートの場合なんでここでだけ雪那の盗難イベントが起きるのか、という因果が、上で触れた神の悪戯意外に説明し辛いのが難点ではありますし、その経緯が二人の結びつきを強くしてくれたのも事実ですけれど、そもそもユーリエの家やユーリエ自身がやや内向きな観念を抱いている点も含めて、最初から最大級の影響力を奮える地平に至る筋道はなかったのかも、と思いますね。
 クローデットは恋する事でかえってこの可能性を閉ざしてしまったけれど、ユーリエの場合は、或いはいずれよりこういう怪異に理解のある人材を糾合して、という方向性でなら有り得たのかもしれないですけれど、少なくともこの島で紡げる絆の最大値は見劣っていたと考えます。

 まあそういう下地はともかくとして、そもそもの主人公に対する試しや、それを契機にしての接近、雪那の体質を何とかするために奔走する状況との合わせ技で、ユーリエの謎やその心根をあらわにしていく流れ自体は面白かったですし、危機の解決法としても荒唐無稽さはあれど、この二人ならでは、という意思がしっかり滲んでいて悪くはなかったですね。
 そして私雪那を攻略したいんですけど以下略(笑)。

 悠里に関しては、他三人よりは家柄もそこまでではなく、本人の気質的にも多くの人を束ねて影響力を行使する、なんていうのは土台無理な話ですので、この島が本当に求めている人材の輩出レース、という観点では最初から土俵に乗っていないと見做すことも出来ます。
 それは悠里の両親が、彼女の家に伝わる真の力を未だ秘密にしている事も含めて、少なくとも現状ではどうにもならない部分だったと思いますし、ただそれでもああいう形で島が危機を迎える中で、そのポテンシャルを最大限に発揮する機会を与えられ、それに応えたという意味では、成長度合いとしては一番だったかもしれません。

 またこのルートは亜梨栖&悠里分岐からの派生でもあるので、より本来の目的に近しい流れを汲んではいて、結果的に主人公の気持ちが悠里に傾倒する事で、それに感応する形でああいうサキュバス的な存在が解き放たれる事となった(或いはここは、先生が結局落とし物を見つけられずに、という可能性もユーリエルートで示唆されていましたが、それだと他ルートとの辻褄が難しくなるので、ここも神の手扱いにしておいた方が通りがいいです)、その筋道と互いを意識していく過程の丁寧さは一番良かったと思います。
 まぁ私が悠里を断然好きなので、そのあたり甘く見積もっているきらいはありますが、亜梨栖ルートでは拍子抜けなくらいあっさり顕現する神弓、破邪の力への到達のプロセスも含めて丹念な構成でしたし、イチャラブの素敵さも含めて高く評価したい話ですね。
 そしてノアちゃん以下略。。。いやあの子は一応ノーマル扱いでシーンあるけどさ、流石に足りんよ!基本的にこの作品、ロリ成分が不足してるし、ロリヒロインが不遇だよ!

 亜梨栖に関しては、基本的に他者の力を出来る限り借りずに二人だけでなんとかしよう、という意思の発現が、結果的に分水嶺を超える評価を得る事に繋がっていきますし、枠組みとして見るなら納得は出来ます。
 ただ理路としてならともかく、感情面でこの二人の結びつきはそれだけ特別なんだ、と納得させられるだけの重さがあったか、というと、流石にあの海坊主イベントからの会長の暗躍に至る流れだけでは不十分には思えましたし、また他ルートの伏線を軽く開示して特にその背景面を顧慮しないのも、あまり上手いやり方ではなかった気もします。

 無論オモイカネという神の在り方や、その思想の着地点に関しても大分ファジーなものはありますし、結局静がその巫女として見込まれて、基本的な人格を抑え込まれてああいう役割を果たしていることに際しても、なぜそれに実家が沈黙を保ったのかとか、政治的な側面での謎は完全に払拭されていなかったりと、一応の解決はしているのだけどスッキリしないものも残る話になっています。
 そりゃあトゥルーと言える話なので盛り上がりはしっかりありますが、これも上で触れたように、ルートロックしてでももう少し重々しく、それぞれのルートの特質や、各ヒロインのポテンシャルを引き出すのに一悶着や、なんらかの明確なアクションを用意して積み上げていけばより良かった、とは思ってしまいますし、その点で評価は辛口になってしまうな、というところですね。

 以上、総合的に見て怪奇譚としての面白さと、イチャラブイベントとのバランスを上手く取れている、そつなく面白い作品ではあると思いますが、シナリオゲー、として見た時にはもう一歩整合性の面での甘さ、トゥルーエンドの奥行きの足りなさが目立つ中途半端な内容だったとも思えます。
 なので点数としてもちょっと迷いましたが、他の要素と噛み合わせてもAクラスにはちょっとだけ足りないかなぁ、という所で、少し辛いかもしれないですけどこの点数にする事にしました。
 まあ個人的には悠里ルートの悠里の可愛さを超堪能できただけで比較的満足はしているんですけどね(笑)。



キャラ(20/20)

★全体評価

 シナリオの工夫によって、この手の作品にしてはかなりしっかりキャラ性に向き合う尺と、それによる成長要素をしっかり書けている、という印象はあって、無論それでも足りない面はありますけれど、特に割り引いて考えるほどの部分はそんなにないかな、って感じです。
 勿論厄介なキャラや敵役もぞろぞろいますが、一応純粋な悪という割り振りではなく、それぞれの信念をもって、という点は明快ですし、それでも相容れない以上は対立するしかない、という構造面も含めて、キャラのイメージは強く植え付けられやすい仕上がりだったのではないでしょうか。

★NO,1!イチオシ!

 いやもうこれは断然悠里ですねぇ。体験版時点でヒロインでは一番期待していましたけれど、ここまで純朴で愛らしくて素直で献身的な子だとは、と、思わぬ拾い物をした気分です。
 流石に殿堂ラインに乗るか、というと甘すぎるかなとも思うのですが、基本的に朗らかで常識人で、女の子らしい恥じらいを常に持っていて、他のヒロインがなまじ無駄に露出過多だったりもするから、余計にその清楚さが引き立つというか、本当になにもかも好きで好きで仕方ないですわ。
 この子の場合はトランジスタグラマーなところも、その清楚さとは裏腹に、っていいアクセントになっていると思いますし、個別でのこそばゆく青々しいイチャラブも最高に可愛くて、この子に出会えただけでもこの作品をプレイした甲斐はある、と断言できますね。

★NO,2〜

 一応次は亜梨栖にはなるでしょうか。
 基本的に冷静沈着で目的の為なら手段を択ばないような怜悧な面もあるけれど、その分一度心を預けた相手に対してはとことん真っ直ぐで率直だし、メインヒロインらしい風格、意思の強さ、それでいてしっかり可愛げも併せ持っているので、その点では申し分なかったのかなと思います。
 まあ個人的にはこういう自立性の強いヒロインよりは、悠里みたいな護ってあげたい感じが強い子の方が、ってのはありますけれど、どのルートでも当然のように活躍してきますし印象深いキャラではありました。

 ユーリエも一応腹に一物、という部分はありつつ、それでも本質的には善良でお節介で、見た目通りに朗らかで柔らかく、楚々とした姫君、ってイメージが色濃くて可愛かったですね。
 クローデットもそれとはベクトルの違う、ナチュラルに高飛車だけどそれが愛嬌になっているお姫様ってところで、一心に慕ってきつつ、でも水面下で手練手管を駆使するあたりのしたたかさも含めていい味を出していました。

 後は本当に、ノアや雪那、エリスあたりのロリっ子軍団とイチャエロする展開があればなぁー(しつこい)。
 まぁ構造上、特に後者二人は出会いのタイミング的にも難しいとは思いますが、ノアはその後のアフター的なイチャエロがあってもいいと思うの。。。
 そして会長は最後まで胡散臭いままで面白かったですね。


CG(16/20)

★全体評価

 これはこれで光るものがある、とは思うのですが、本質的な絵柄のイメージや出来としてはあまり好みでもなく評価もしづらく、質はともかく量の面でももう一歩なのでここまでかな、というところです。

★立ち絵

 ポーズはヒロインで2種、サブで1種に腕差分など、という感じで、そこまで多くはないですが、一応それぞれの個性・性格が明瞭に反映されたものにはなっていて可愛いと思います。
 特に悠里の横向きと、ユーリエの頬手当、雪那正面が好きですかね。

 服飾はヒロインで2〜3種類と、必要最低限という感じなのはちょっと残念なところ。せめて水着の立ち絵くらいは実装しておくれ、と思ったね。
 お気に入りは悠里制服、私服、ユーリエ制服、亜梨栖私服ってとこでしょうか。

 表情差分もそれなりに遊びもあって幅は広いものの、そこまで質も量的にも、というのはあるし、こちらも個性に合わせていて画一化していないのだけはいい点ですけどね。
 お気に入りは悠里笑顔、苦笑、照れ焦り、不満、亜梨栖笑顔、怒り、ユーリエキラキラ、睨み、クローデット得意げ、ノア笑顔あたりでしょうか。

★1枚絵

 通常が70枚、SDが14枚で計84枚ですね。
 流石に若干通常絵が少なめかなぁ、とは思いますし、全体の質もある程度安定はしていますが実に綺麗、とまでは言えず、この絵柄ならではの独特の味わいはあっても、という所ですね。
 ただこれ、SDがすごく愛らしいのはあって、色々なSD絵もありますけど歴代でもトップクラスにここは好きかも、ってくらいです。特に悠里が可愛くて可愛くて。。。


BGM(20/20)

★全体評価

 この作品の白眉と言えるのは実は音楽面ではないかと思っていて、本当にボーカル、BGMともに荘厳で神秘的で奥行きのある素晴らしいものが用意されています。
 量的にも水準には達していますし、本当にBGMが素晴らしい出来なので、少し甘いかもしれないですけど満点をつけちゃいました。

★ボーカル曲

 全部で2曲。
 OPの『運命の刻』は、出だしの神秘的なコーラスからの、しっとりした雰囲気でのAメロ、そこから徐々に盛り上がっていく流れも含めて曲としての総合的な完成度が高く、ボーカルの声質ともマッチしてかなりいい曲ですね。サビの後半が特に好きです。

 挿入歌の『Coin』も、非常に透明感と抒情感溢れる、グランドエピローグを彩るに相応しい壮麗なスローバラードで、Bメロ後半からサビにかけての伸びやかさは本当に心に染み入るような旋律で素晴らしいと思いますね。

★BGM

 全部で30曲と量的にも水準はクリアしていて、そして基本的にどれもが重厚なイメージの弦楽器をベースに置いての、じっくりゆったり丹念に聴かせるイメージの曲ばかりで、この閉塞的な印象もある島の土壌、その中で気高く歩むヒロイン達の在り方にピッタリマッチしてくる見事な出来だったと思います。

 特にお気に入りは『凛然とした横顔』『親愛をあなたに』『艶色』『最後に残されたもの』『乗り越えた先に』『折れない心と、断てない絆』『蒼海のエデン』あたり、どれも素晴らしい出来でしたね。というか、Hシーンにこの艶色はあでやかにすぎないか、と思ったりも。。。


システム(8/10)

★演出

 目立っていいところもなかったですが、一応立ち絵も最低限は動くし、バトルシーンの演出も派手さはないもののそこそこ、重要なシーンでの情感演出もしっかり出来ていて、水準には達している出来だと思います。
 ムービーも作風に噛み合った色使いと、幽玄の気配を強く漂わせていて完成度は高いですし、悪くはないですね。

★システム

 やっぱりフローチャートは便利だなぁ、ってのはありますね。今回はチャートからショートカットも容易い、という事で基本セーブ要らずでもありますし。
 それ以外の部分も必要最低限は完備していますし、特にこれといって言及するところもなかったです、というかそろそろこの項目って必要なのかな、あまりに酷いシステムとか、逆に飛び抜けてすごいシステムって滅多に見かけなくなってきたし。。。


総合(84/100)

 総プレイ時間20時間。共通が2+2分岐後分も含めて4時間ちょい、個別もそれぞれ関連のフラグメントまで含めて4時間弱くらいで、後はノーマル分岐とか選択肢回収などでちょいちょいと、というイメージですね。
 それなり以上に個別はしっかり尺を割いて、怪奇譚とイチャラブをバランス良く並列させて楽しませてくれますし、シナリオもやや駆け足な部分はあるにせよ、大元の設定を踏まえてしまえば理解は出来るので悪くはないでしょう。
 ただ一方で、図抜けて素晴らしいと言えるほどのシナリオ、特に亜梨栖は立ち位置的にもそうなって不思議ないのに、という点でやや不満はありますし、ヒロインもボイン専任なのでそこも好き嫌いは出てくるかなと思います。

 手放しでほめられるのはやはり音楽面ですが、そこをメインに買うって人も少ないでしょうし、私個人としてはそれなりに満足できた内容ですけれど、いざ人様にお勧めできる汎用性の高さはあるか、といわれると多少微妙かもしれません。
 少なくともノア目当てだとガッカリしますし(笑)、ただ一人でもお気に入りのヒロインがいるなら損はしないんじゃないかな、とは思いますかね。
posted by クローバー at 04:48| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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