2018年02月08日

トリノライン:ジェネシス

 本編そこまで好きではないんだけど、それでもシロネ大好きだったのでやっぱり気になると。

シナリオ(16/30)

 ご都合主義でも構いません。

★概要

 この作品は、2017年3月に発売されたトリノラインのFDになります。
 コンテンツとしては本編の3人のアフター&アナザーシナリオに加えて、本編サブのハナコと綾花のifストーリー、それと人気投票で選出されたソレヨリの永遠のアフターシナリオの6編が収録されています。

 まあこの人気投票もかなり間口の狭いもので、FD自体超久しぶりだというにひよさん原画ヒロイン限定でお願いしゃす!とは何事か!とか思うんですけどね、全力ですぴぱらのアリスとか、天使の日曜日の水姫に票を投じたかった身としては(笑)。
 結果的に順当過ぎる人選にはなっていますし、それ自体に文句はないんですけれど。

★テキスト

 夏ペル以降の作風に準じたつくりにはなっていると思いますし、FDなのでそこまで難しい話も、変な風にややこしく拗れた心理描写もなく、追加シナリオ含めサラッと進んでいった感じですかね。
 ミノリなのに終始前向きで明るい話だなんて…………………!と憤慨する向きもあるかもですが、FDですし丁度いいんじゃないでしょうか。

★ルート構成

 最初にヒロイン選んで、後はほぼ一本道です。ハナコだけ選択肢あったけど結果に影響を及ぼすものでもなし、好きな子から順番にやればよろし、というところですね。

★シナリオ

 基本的に肩肘から力の抜けたまったりFDですし、本編の様なシリアス感は追加キャラのシナリオでもほとんどなく、あったとしても茶番程度でサラッと済ませていて、かつ尺も一人1時間程度と、FDとしてもかなりボリュームは乏しい仕上がりになっています。
 というか、ある程度夏ペル以降はエロスも重視して、というバランスのはずなのに、人気投票ヒロインの永遠だけ2回で、後のヒロインは1シーンずつしかない、ってのは微妙に致命的な気がしないでもないんですがどうなんでしょうね?尺を考慮すれば最低限全員にあと+1は欲しいイメージです。

 内容としては、まず永遠は当然ソレヨリトゥルーエンドからのアフターシナリオで、過去回想と幸せな結婚生活がセットになった贅沢なつくりではあります。
 過去回想の旅話では、舞台が夏ペルの村で、ああー背景使い回しで済むからね、と世知辛い納得をしつつ、それなりに懐かしさも感じつつプレイできて良かったなとは思います。
 あときっちり、夏ペルの人気ヒロインである恋もちょい出ししてきて、都合このFDで3役かー、と、その演じ分けを楽しんだりも。つかどうせなら色々こじつけて夏ペル以降のくすはらゆいヒロイン全員出しちゃえば良かったのに(笑)。

 ともあれそういう遊び要素もある中で、二人が共に在り続ける確固たる気持ちをより強めた記憶と、それを踏まえての今の生活の中で、より家族の絆を強くするための、というお約束を踏まえた正統派の内容で、永遠ちゃんも実に可愛かったので満足です。

 ハナコと綾花は一応共通からの分岐扱いなのかな、と思いますが、どちらも軽い話ではありましたね。
 ハナコの場合は夕梨の反逆で落ち込むところに主人公が同情して、というベタベタなつくりから、彼女の浮世離れの理由、そしてその境遇が結ばれるうえでの障害になっていくという、コテコテの身分違いのなんちゃらではあるし、その中での葛藤それ自体も軽く、決着も軽くと、見せ場がなくはないけどふーん、ってくらいで終わってしまいましたね。

 綾花はプールでの覗かれシーンからの派生で、自身の肉体的なコンプレックスを克服するための訓練とか言う胡散臭い名目であれこれしている内に、という中々ニッチな内容。ある意味では既存ヒロインかフェチズムで寝取ったと言ってもいいかもしれない(笑)。
 まあ当人達はある程度真剣だし、その触れ合いが嵩じていく中で気持ちも追いついていって、なんてのもありきたりですがこの年頃らしい空気は出していて、綾花自身も基本的に朗らかで可愛い子なのでその点はハナコより楽しめたかな、と思います。浴衣可愛かった。

 夕梨の場合は、今後ずっと問題が起きれば医学の助けの中で生きていく覚悟を定めた中で、少しでも早く形になるものが、気持ちを確かなものにする儀式を、という希求を落とし込んだ、これはこれで正統派の流れですがキャラ性とマッチする内容ではありましたね。
 途中のトト話とかも、色々な境遇との重ね合わせの中で見ると趣深さを感じるところだし、全般的には夕梨の多彩な笑顔が隅々まで楽しめて、この子が好きなら満足度も高い、という印象ではあります。もちょっと他ヒロインが関わってくれれば、ってのはありますが。シロネ可愛い。

 沙羅も本編トゥルーの後日談で、一度は離れ離れにならなければならなかった二人が再び共に歩み出す、その発端部分の初々しさとかたどたどしさを綺麗に描写できていて良かったですね。
 こちらは本編の流れがああなので、より総括的な部分の補完なども込められていて、またキャラ性の発露からしてもあまりイチャイチャモードが炸裂、って感じではなかったのはちょっと勿体なかったかなぁ。一応隠しセンターヒロインなんだし、もうちょっと尺の面でも特別扱いでも良かったんじゃない?くすはらゆいをもっともっと使い倒そうよ!って憾みはなくはない。だってデレると可愛いし。

 そして私的にはメインのシロネ、こっちは本編の終わり方があまりにあんまりな内容だっただけに、そのFDってどうしてくれんのか、って思ったけれど、こっちは綺麗に本編の悲嘆ぶりはなかったことにして、何事も起きずにそのまま甘々恋人生活を続ける日々を書いてくれたのはガッツポースでした。
 まあそれって一種の設定放棄じゃね?伏線踏みつけに過ぎね?って疑問は当然出てくるし、私は普段そういう重箱の隅をつつく嫌なタイプだけど、ことシロネに関してはそれを無視してでも、この純度100%の幸せイチャラブが堪能出来た事に喝采を送らずばなるまい、という感じです。

 もうね、ほんっっっとうに一々シロネの無垢で無邪気で素直な愛くるしさと献身っぷりが可愛過ぎて可愛過ぎて最高でしたし、イベントとしてもベタベタではあれ、シロネにとって全てが新鮮で輝かしいもの、という側面をしっかり強調してみせてくれているので、そこに気持ちも共鳴して常以上に楽しめた、という部分はありますね。
 まあやっぱり強いて言えばもちょっと全体尺とえちぃシーンの追加は求めたい気持ちはあるけれど、最低限シロネが幸せに恋人出来ているif物語を見ることが出来て、これを買った甲斐もあったと留飲を下げた部分はありますね。シロネちゃんマジ大天使。

 以上、FDなのでサラッと、ネタばれ度もあんまり気にせずつらつらっと書きましたが、少なくともこの作品の中で透徹するテーマとか重苦しい感じはない、コンパクトで正統的なFDなのは間違いありません。
 個人的にこの短さとシーンの薄さは、天使の日曜日の時なら許せたけど今のスタンスでどうなん?とは思うし、シロネの黒ストリバイバルがなかったのは痛恨の極みだけど(笑)、それなりには楽しめたかな、ってところで、点数も無難なラインにつけておきます。


キャラ(20/20)

★全体評価

 流石に本編よりは、イチャラブの過程でそれぞれのヒロインらしさ、ってのを強くプッシュできる土壌があったし、なにより個人的にシロネの可愛さをしっかり引き出してくれたので、それだけで本編以上の点をつけて憚らないところはあります。。。

★NO,1にしてオンリーワン

 シロネ可愛いよ可愛いよシロネ!
 この作品は私にとってはどこまでもシロネを愛でる物語だったというか、最近この手の、無垢なAIヒロインがかなり好き、ってのもあるかもしれない。去年はこの子に加えてアペイリアとかめっちゃ好きだったし。

 この子の場合は元の存在意義が主人公の妹、って部分に特異性があったし、けどお兄ちゃん呼びでありながらFDの範疇ではその立ち位置の葛藤を超えてしっかり恋人、それもしっかり主人公の面倒を見ることに生きがいを感じる熟練的な気配まで醸して最高にいいバランスに仕上がっていました。
 それでいて世界に対する好奇心と歓びをいつまでも忘れない純粋さ、真っ白さも強く出ていて、立ち絵のイメージともセットで本当に愛らしい、素晴らしいヒロインだったと改めて声を大にして言わざるを得ないのですよ。


CG(18/20)

★全体評価など

 いつも通り安定して綺麗ですし、質量ともに値段相応ではあったと思います。ここはあくまでもシナリオの分量に関わらず、しっかりそれぞれのシーンで見せるべき姿を投影して、そこに手抜きはないのがいいですよね。無論使い回し的なのもあるけどさ。

 今回もシロネのケーキとか、シロネの覗き込みとか、シロネのクンニとかすんごく素敵だったし、全体的にも上質さを安定的に保っていて良かったと思います。


BGM(16/20)

★全体評価など

 多分新規はEDのキャラボーカル5曲だけかな?BGMは何個か登録されてたけど、あれって新規か微妙に判断つかん、というか、本編と擦り合わせるのが手間だし、聴いたことはあるような気がしたので特に加点材料にはせず。

 ボーカルに関しては、それぞれに味わいのある歌声で、メロディや歌詞も敢えて相応に作っている感はあって、正直曲としてこれは!と思えるのはなかったけれど、雰囲気づくりとしては悪くないんじゃないかなーと。


システム(9/10)

★演出など

 演出は大体本編の素材を上手く使い回しつつ、特に新味があるほどでもないのでそのまま評価スライド。
 システムも同様、前々からここはもう少し改善しましょ、とは言い続けてるし、やっぱり色々使いづらいと感じるようにはなってきたのだけどね。細かい部分で気が利いてないというべきか。


総合(79/100)

 総プレイ時間6時間。純粋に一人1時間換算で、5800円と考えると流石にちょっと短いかなぁ。あと一人+30分くらいは欲しかったイメージ。
 とはいえこのメーカーでFDそのものが超レアではありますし、本編がやや陰鬱な内容でもあったから、それを塗り返す意味でも価値はある作品だったとは思います。特にシロネスキーには救いになり得る作品。サブの追加にはあまり期待しない方がよろし。

 当然本編やってない人にはなんのこっちゃの話ですし、ついでにソレヨリもプレイしてないと永遠の可愛さの本質はわからん、ってのはあるから(この子もまためんどくさいヒロインだったしなぁ)、その点で敷居は高い、裏を返せば筋金入りの信者しか買わんだろ、くらいの割り切りはあるつくりではありましたね。
posted by クローバー at 13:31| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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