2018年07月05日

君と目覚める幾つかの方法

 お値段は暴利だわ体験版は出さないわで中々に物議を醸していそうな作品でしたが、まぁシナリオへの信頼で購入。


シナリオ(24/30)

 人の心の写し鏡。


★あらすじ

 舞台は近未来、AIを搭載したオートマタの実用化が広く普及し、人の生活の支えとしてなくてはならない存在となったものの、まだまだ社会システムのひとつとして全面的に受け入れ切らず、法律なども整っていない過渡期の物語。
 主人公は祖父から受け継いだオートバイ整備の店・伊奈モーターズを、オートマタ整備の店にリニューアルし、それが時代のニーズにフィットして中々の繁盛、自前のオートマタであるアイルとマキノとともに店長として忙しい日々を送っていました。

 そんなある日、主人公は店の前に一人の少女が横たわっているのを発見します。
 病衣を着て、投げ出された両足からオートマタのパーツが見え隠れしていたため、最初はオートマタの不法投棄かと思いましたが、しかし良く調べてみるとその子は人間でした。
 人間の脚にオートマタのパーツを強引に接着する――――いかにも犯罪的な香りのするおぞましい行為に憤りを覚えつつ、幼馴染の警察官である舞花や、幼馴染の義肢装具士であるみことを頼り、その背景を調べつつ、当面自分の手元でその少女・初音を保護し、まともな生活ができるように取り測ろうと努力します。

 最初は見知らぬ場所で、様々なトラウマを抱えて怯えるだけだった初音も、その周りの献身的な態度に少しずつ心を開き始め、生活は穏やかになっていきますが、一方でその事件の背景にあるものがかなり深い闇を湛えているものなのも見えてきて。
 それは警察内部にまで根を降ろすもので、警察組織そのものすらまともに頼れるかわからない状況の中、それでも主人公は過去の自分と重ね合わせるように初音を守りたい、と強く思って。
 これは様々な思惑や野望、悪巧みが跋扈する世知辛い世の中で、真っ直ぐに自分の正義を貫き、初音を、そして事件に巻き込まれた自分の周囲の仲間たちを、平穏で幸せな生活に回帰させるために戦う物語です。


★テキスト

 いつもながらに非常にこなれた言葉の選択、会話のテンポと気安さ、シリアスとのバランスの取り方など洗練されたテキストだったなと思います。
 横の繋がりもそれなりに広く、どこか家族的な賑やかさを敷衍的に用いる中で、それぞれのキャラの個性の強さを殺さず綺麗に投影しているし、そこに含む辛辣さや冷徹さもまた思いやりの裏返しである、という温かさはきちんと伝わってくる匙加減になっていて、読み口としては文句なく面白かったと言えますね。


★ルート構成

 結構複雑な構成になっています。
 ある程度の選択肢を重ねてヒロインルートに入るのはそうなのですが、それと並行して発生している事件に対するアプローチによっても変化があったりして、単純にヒロインの想いに報いる形が正解、とならない厄介さはあったりと、そこはゲーム性という視座でかなりしっかり作られているかなと感じます。
 無論それは選択する時点ではともかく、最終的にはそうすることがその道に繋がる、という点にしっかり理路を感じられるものであり、その点は良かったと思います。

 ただヒロインルートに入る前に強制的なバッドエンドがあったり、また初音がロックされていたりする流れの中で、それを見せる必要は本当にあったのか?と疑問符がつくところもなくはなく、勿論そういうバッドエンドを乗り越えてのカタルシスの魅力は尊重しますが、絶対にそれを避けられない、という構成は中々に冒険的でもあるかなと。
 実際そのバッドを見た後に選択肢追加、なんて仕様でもあるから、それは最初にプレイヤーに対して正解を引く可能性を残していないつくりではあって、その辺は善し悪しあるでしょうがこの作品の基本一本道の本筋を楽しむ上では、個人的には最初から正解を引ける仕様の方が良かった気はしています。

 とはいえこれだけルート分岐がありつつしっかり整合性を保っている事は中々ですし、裏を返すとどこかヒロインルートって二の次的なイメージも出てくる作品ですけれど、それを差し置いても高く評価出来ると思いますね。


★シナリオ(大枠)

 作品としては見た目以上にハードなサスペンス色が強く、イチャラブ的な要素はかなり薄い本格的なシナリオゲー、という趣です。
 根幹として初音が巻き込まれた事件を、自衛の為に解決するというのが大きな目標になっていて、最初は色々と五里霧中で見えてこず、そもそもなんでこんな状況になっているのかもわからないところからの、様々な組織の思惑や活動が絡んできての展開は非常にスリリングで、それが初音の回復過程における穏やかな日常と数珠つなぎに発生するのでとてもメリハリの利いた物語に仕上がっていると感じます。

 まずその日常における家族的な関係性の構築と、その土台にある主人公及び初音の境遇のチラ見せ、その共感の紡ぎ方が非常に上手く、周りの人間も非常に暖かくて気のいい面々が揃っているから、それをしっかりフォローしてくれる感じで、そこまで長くはなくとも、折角紡ぎ得たこの穏やかでささやかな幸せを守りたい、と読み手にも思わせるだけの蓄積がきちんとできているのが流石の手腕というイメージです。
 一方で、様々な伏線やヒントを散りばめつつ、最終的に開示されていく事件の真実やそれぞれの存在の真の姿なども中々にエキサイティングで意外性に富んだ趣向であり、けれどよくよく観察していれば気付けた、という部分にミステリーの醍醐味が詰まっていて、勿論ノックス的解釈で見ていけばそれはそうなるよね、って邪道的な気付きも可能なんですけれど、そうである理由そのものまでは中々読み解きにくいつくりではあるため、総合的に凄く深みのある面白さを湛えていると言えるでしょう。

 ただ敢えて言えば、新未来の技術であるオートマタ、それは当然よくあるAIものと同じように三原則に縛られたものと前提的に定義はされているものの、その抜け道を求めての悪の暗躍、という流れの中で、どこまでその可能性を引き出せるのか、という部分での恣意的な要素はあります。
 けれどその部分に関しても、決して一方的でなくお互い様、という騙し合いの中で、ある程度制約の効いたバランスに整えられているとは言えますし、またそうやってオートマタにどこまでを求めるか、という状況の中で、結局オートマタ自身の心は作り手の心の写し鏡なんだろうな、という部分が明快に見えてくるのが面白いところですね。

 シナリオ構成としても、最終的な部分ではそのオートマタのありようが、幕を引いたはずの事件に怖い尻尾をつける、という部分で最大の見せ場を擁していますし、当然そこには逆転的な力も働いていて、人とオートマタがどうあるべきか、という観念的な面で様々なものを考えさせられるシナリオだったな、と思います。
 実際にこういうのは近い未来に起こりうる話だとは思いますし、そもそもの少子高齢化で、介護役が足りなくなっていく時代の流れにおいてこういう存在が必要不可欠になっていく可能性すら考えるなら、尚更にそのあたりの価値を先取りした先見性の高いシナリオと評価する事も出来ますし、その点は高く評価出来るかなと思いますね。

 一方で、ヒロインルートと呼べるものの存在感がやや薄くなってしまっているのは仕方ないところもあるでしょうか。
 そもそもこのお値段でヒロイン3人というのも中々に暴挙的ではあり、一応バッド派生でサブキャラとのイチャエロなども搭載、ヒロインルートでのそれも従来のネーブル作品に比べるとまだまともにエロスしていて、その意味では進歩があるとも言えるのですけれど(笑)、恋愛ものとしての期待値を高く見積もっちゃいけない作品ではあるとは言えます。
 無論それなりにそれぞれが惹かれ合う理由や、その中でそれぞれの個性が反映したアプローチなどもしっかり最低限は担保されていて、情理の面で納得がいかない、というわけでは決してないですけれど、主人公の過去も含めて幼馴染と言っても一筋縄ではいかない関係というのもあり、素直な純愛、という意味ではやはり初音に限られてくるところはありそうです。

 あと少し気になるのは、タイトルでもある目覚めの幾つかの方法、これはどのヒロインと歩んでも結果的にそうなる、という部分で確かに一面的に正しいのですけれど、でもシナリオ的に言うとどのヒロインを選んでも最後の事件展開そのものは一緒で、その結果目覚めの前提である沈黙への流れも固定的なので、それを複層的な可能性として捉えるよう示唆するのは、少し都合がいいやり方ではないか?という感じはありました。
 最後のどんでん返しの中で必要な要素が、どうしてもオートマタの側に比重を強く持たせるしかない、というテーマ性とのリンクにおいて、どうしてもヒロインルートという存在がそこまで親和的ではないよなぁ、というのは結局最初から最後まで付き纏う違和感ではあると思います。
 それにやっぱり、これだけ人間味があるオートマタ、という存在に対して、人と人との恋愛というものがどうしても歪む余地、危険性は孕んでいるだろう、というのはあって、実際にアイルマキノあたりとはそういうシーンも搭載されているし、それこそ少子高齢化を促進するかのような、オートマタとの交わりの特別感までクローズアップしているので、折角ならもう少し、嫉妬、とまではいかなくても、それぞれのカップリングの中で、もう切り離せない存在であるオートマタとの関わり方に対する喧々諤々とした騒がしいなにかはあってもいいのにな、とは思いました。

 裏を返すと、そういう単純な嫉妬的感情に駆られにくい性質を保持していないとこの作品ではヒロインたりえなかったのか?なんて穿った見方も出来ますし、個人的には最後の目覚めのその後、平穏を取り戻した上でのカップルとオートマタの同居的な生活の中でのドタバタラブコメディも見てみたい、という感覚は強いです。
 まあメーカー的なイメージからすると、実際にそういう部分にフォーカスしたFD出す気満々の感じもなくはないのだけど、正直このお値段なんだから最初から全部込々で作れや、という不満はどうしても出てきますね。具体的には楠葉ともイチャエロさせろや(笑)。


★シナリオ(ネタバレ)

 個別そのものには大した秘密が隠されているわけでもないですし、あくまでこの作品の肝は序盤〜中盤までの表層的な事件の解決までの流れと、ヒロインルートを挟んでの最終章の展開にあるとは思うので、そのあたりに絞ってネタバレ的にこれどうなの?的な部分を軽く拾っておこうと思います。

 とりあえずやっぱりいの一番に出てくるのは、いくら獅子身中の虫を抱えているとは言っても、こんな無責任な公安や警察があっていいのかよ、的な部分でしょうか。
 特に事件の発端というか、主人公を巻き込む決断をしたのはみことであるのはほぼ疑いのないところではあり、そうしないと尻尾が途切れてしまうという危機感があったとはいえ、仮にもあれこれ負い目のある主人公に対して更に重荷を背負わせるようなアプローチを仕掛けてきたのが正当化されるのか、引いてはそれはヒロインとしての資格すらも審議されるべき部分かなー、とは思います。

 勿論主人公がそういうオートマタがかかわる事件に対するアドバンテージを持っている、というのは先刻承知だったわけで、それに頼るしか解決の目途を立てられなかったのは率直に公安組織の力不足を露呈するものではあり、それは警察も一緒で、一応それに対してオートマタの進化に対して法の整備が追い付いていない、という言い訳は立てられるにしても杜撰な対応だったのは間違いないですね。
 そりゃ舞花にしてみれば下っ端も下っ端でどうにもできない部分は多くてもどかしい、って色は随所に出していましたし、汚濁した社会の闇そのものが一番の悪である事は間違いないですけれど、極めて危険な賭けであったことは間違いないでしょう。

 実際にある程度ロックされた流れの中でのバッドエンドはあったわけで、それは結果的に公安の思惑から更に現実が逸脱して暴走してしまった証左でもあって、その責任を誰が取るのか、という点を踏まえればやっぱりそこはスッキリしない部分でした。
 せめてもう少し主人公が自発的に、その事件の渦中において関わりを紡いでしまってとか、偶然性に基づいての状況展開に出来なかったのか、というのはあって、勿論全てが理路で組み上がっている骨格の綺麗さは評価するにしても、その分だけ情念的な部分でマイナスを紡いでしまったきらいはあるかな、と思います。
 或いはそれをわかっていて、みことをああいう掴みどころのないキャラクターにしてあるとすれば非常に策士的ですし、実際にいざ読み解く過程の中でそういう面を主人公も読み手も有耶無耶にされやすい仕掛けは用意している感じなだけに、敢えてそこは指摘しておきたいかなとは。

 後はやはり、オートマタ技術のブラックボックス感と、その運用における是非の解釈になるでしょうか。
 主人公の電脳性を含めて、どうしても未知の技術の中でどこまでの可能性を見出していいのか、というのは出てきますし、ましてそれを悪の側に駆使されると、どうしてもそのテクノロジーに対する鼬ごっこになる面はあるので、それを制御するにはどうしても運が絡む流れになってしまうのは致し方ないのかな、とは思います。
 だからそこで、例えばあかさかくん絡みとかの意外性を生む事も出来るけれど、でもそれが可能だという事前のプレゼンスが足りてないのでちょっとズルさも感じてしまうし、そのあたりもうちょい面倒でも概要的な部分の補足はあっても良かったかな、と感じています。

 それに、アイルとマキノのようにかなり自立的に見えるオートマタでも、最終的にはプログラムの強制力の頸木から脱却する事は出来ないという事実、それは敵方のニースにおける人間では考えられない忠誠心と執念での目標遂行への意思とも噛み合う部分で、結局それはオートマタの有用性・安全性がそれを作る人の意思次第、人の心のありよう次第という必然を有しているわけで。
 その上でオートマタが主体でああいう事件が発生する可能性がある中で、それでも人間側に立つオートマタがいるから許される、という一面的な議論に終始するのではなく、あくまでもオートマタが看取するこの世界の歪み、という部分をもう少しフォーカスしても良かったのではないか、という気はしています。

 少なくともこの作品におけるオートマタには、感情、と評していいものが育つ可能性は有しているわけで、その想いがある中での人との共存の難しさと、どこで折り合いをつけていくのか、とう部分は、より卑近な部分でも、広範な社会的議論としても成立しうる課題ではあり、本当はその辺を最終章のその後でやって欲しいなー、というのは、イチャラブが足りんぞ!という面とセットで感じるところです。
 あとやっぱり、最終章の初音バッドエンドは強制的に見せる必要ある?とは思う。最初から4つ選択肢を並べておいて、正しいものを選べなければそうなる、で良かったとは思うんですけどね。実際にそれを示唆するヒントは多々あったわけだし、まあ一応ヒロインルートからの流れでそうしたいというのもわからんではないけれど。
 結局この作品はヒロインルートが途中のちょっと長い分岐、くらいの扱いなので、どちらにせよ見せ方として中途半端で、あのラストのオートマタズの目覚めのシーンにしてもわざわざ3ヒロインのそれぞれの目覚めを見てからでないとダメ、ってあたり、どうしてもそこは構成的に歪で美しくはないなぁ、というイメージは出てきちゃうんですけどね。あれをやるなら、オートマタズ復活までは、精々テキスト的な差分を用意する程度の一本道にして、その後の物語でヒロイン選択が関わってくるようにすべきだったと改めて思います。

 以上、総合的にかなり面白い作品ではありましたし、色々考えさせられるところもあって良かったのですけれど、どうしてもヒロインの存在がシナリオの枠組みの中で有機的に生かし切れていない感じと、オートマタと人間、というテーマの中で踏み込み切れていない機微も多々あったなー、という感じで、完成度は高いけど名作と呼ぶには少し足りない印象ですね。
 やっぱり再三書いたけど、最終章以降のヒロインルートでイチャラブも担保しつつ、オートマタと人との恋愛的な意味での共存、という部分にもなにかしらのそれぞれの答えがあればなんてなぁ、と思うのは贅沢なのかもですが、お値段とヒロイン数踏まえるとそのくせいあって然るべきとも思うし、それがあれば名作ラインに乗せられた気はするんですけどねぇ。



キャラ(20/20)


★全体評価

 敵役をわかりやすく悪、味方役はわかりにくいけど最終的にはみんな善、というスタンスでの組み立ては、ミステリーのミスリードを紡ぐ上でも有用に働いていましたし、そういうミステリアスな部分がキャラの魅力にも通じていたので、全体的にはかなり活き活きとしたキャラ性を投影できていたと思いますね。
 ヒロインとしての成長を素直に感じさせるのは初音くらいではあるけれど、それも含めて全体像の流れの中で綺麗に噛み合ってはいますし、それぞれの想いが糾合して危機から脱出する手助けになる、という面も含めて、説得力のある組み立てだったなと感じます。


★NO,1!イチオシ!

 ただどうしよう、そんな中で私が一番好きになったキャラってマキノだったりするんだ。。。遂に二次元の中でも二事件的存在しか愛せなくなったのか(笑)。
 いやまぁでもこの作品のマキノのムードメーカーぶりと、初音に対する親身な態度の美しさはかなり光っていましたし、アイルに比べても感情表現が豊かで快活で愛らしくて、CVも含めて私の好みにドンピシャすぎたのでまあ仕方ない、という感じでしょうか。本当にこんなオートマタならぜひ我が家にも欲しい限りなんですけどもねぇ。


★NO,2〜

 無論初音は流石にメインヒロインの貫禄であれこれと非常に愛らしく、健気で頑張り屋で心を打つところも多かったですけれど、ただどうしてもこの作品ヒロインの資質そのものが物語を動かす要素は少ないので、外縁的な部分での被害者としての悲痛、憐憫は強くあれど、ヒロインそのものとしての魅力にガツンとやられるシーンが少なかったのは本当に勿体なかったなと。
 特に初音に関しては、ようやくまともに人との関わりを紡げるようになったところ、という見立ては出来ますし、かえすがえすその後の物語りが欲しいヒロインではありました。まあエロスなシーンでの七転八倒ぶりは楽しかったけどね。。。

 舞花も素朴で柔らかで、気の置けない幼馴染らしさにホッとしつつ、やっぱり警察官としての芯の強さなどは中々魅力的で、ちょっと粗忽な面はあれど、自分の信念を揺らがせずに巨悪に立ち向かっていく様なんかはかなり響くものがありましたねー。
 でも見た目的にはやっぱり楠葉の方が好きだったりする私の業の深さというべきか、最終的な展開でああなったならやっぱりお情けを、てきなシーンを期待しちゃうのは仕方ないよね?よね!?

 みことはどうしてもこういうタイプはあんまし好きじゃない、ってのはあるけれど、それでも素直になれない中で垣間見せる思慕や寂しさなどは、流石に見せ方が上手いなぁとグッと引き込まれるところはありましたね。ただ大枠的な功罪愛半ば、という面も含めても、一番複雑な感情を覚えずにはいられないヒロインだったのは間違いなく。



CG(17/20)


★全体評価

 お馴染みの面々ですので、いい加減絵柄の差異も気にならない所ではありますし、全体としても質量ともに先ず先ず安定していたとは思います。
 ただまぁ値段相応かと言うと微妙なラインでもあり、難しいところですがここまでかな、というイメージで。


★立ち絵

 ポーズはヒロインで2種類+α、サブで1〜2種類とそこまで多くはなく、登場キャラそのものは結構いるので賑やかさはあるにせよもう少し躍動感は欲しかったところではあるかな、と。
 可愛かったのは初音正面、マキノやや右、舞花正面、楠葉正面あたりでしょうか。

 服飾はヒロインで4〜5種類、サブは2〜3種類とまずまず。デザインもそこまで垢抜けた感じがないのはアレですが、総合的には可愛らしく悪くないとは思います。
 お気に入りは初音寝間着、メイド服、舞花私服、マキノメイド服、寝間着、楠葉黒ドレスあたりかなぁ。

 表情差分もあまり遊びの要素は作風的なものもあれ少なめで、細やかな機微の部分で独特の工夫は感じたけれどそこまで奥行きとバラエティを感じるほどではなかったか、と。
 初音の苦笑、涙、舞花の困惑、照れ焦り、マキノのジト目、笑顔、拗ねあたりが特に可愛かったと思います。


★1枚絵

 全部で88枚と、フルプライスとしては水準……なんだけど、これ普通のフルプライスより更にお高いからなぁ。
 質自体はそれぞれに安定している、とは思うけど、やっぱりすごく可愛いというにはアレだし、鈴平さん側のヒロインがみことしかいないってのも個人的にはちょっと物足りなかったところかなぁ。
 逆に個人的に、結構アイルマキノの人は好きなんだけどね、九千代とか未だに攻略したいもん。。。

 特にお気に入りは初音膝枕、舞花機械は苦手、パーティ、アイルマキノとお風呂、マキノ膝枕あたりでしょうか。


BGM(17/20)


★全体評価

 作品のイメージにマッチした曲作りはされているとは思うけど、しかしてこれ、音楽回想がついてないので質量的な評価がしにくいしなんだかなぁと。


★ボーカル曲

 まともに聴けるのがOPしかないからなんともだけど、一応ヒロインエンドと最終章エンドでそれぞれに違う曲はあったと思うし、それなりに力は入っている筈。
 出来としてもOPはまず悪くはないけど過去作に比べるとややインパクトに欠けるイメージで、地味にバッドの時の曲が一番情感溢れてて良かった気はするけれど、というくらい。


★BGM

 タイトル曲とか透明感あふれてて綺麗で好きだけど、結局全体としては丁寧な評価は不能。まあそこまで極端に曲数少なかった印象もないし、極めて耳に残った曲なども特にはないので平均的なところでお茶を濁しておきます。


システム(8/10)


★演出

 作風を意識したのかもだけど、過去作に比べると演出でのコミカルな要素は薄めで、その分派手さやキャッチーさは少なかったかな、というイメージですかね。勿論随所にらしさは出ていたけれど、どうしても吹っ切れた感じではないし、もう一歩足りない感はありました。
 ムービーもまあ静やかで情緒あふれていて悪くないつくりではあれ、目立って素晴らしいという程ではないですね。


★システム

 操作性という意味では必要最低限は揃っていますし、特には問題ないと思います。
 やっぱり音楽鑑賞がないのは何故に?ってくらい違和感なのでそこは減点かなぁ。総合的には水準クラスに落ち着いた感じ。


総合(86/100)

 総プレイ時間20時間ほど。最初の共通が8時間くらい、そこからの個別が2,5〜3時間くらいずつで、最終章が全部諸々合わせてやはり3時間ちょっとくらいでしょうか。後は選択肢でバッドエンドやシーン回収なども含めてこのくらいになるかなと思います。

 どうしても総合的にはメインのシナリオそのものが強い作品で、それに合わせたキャラ性をヒロインも問われるので、ヒロイン力そのもので勝負する感じではないですが、その分根幹の物語は骨太で意外性とカタルシスもあり、上質のミステリーとして綺麗に仕上がっていると思います。
 幾分余計なお世話、と感じるところもあれど、物語の流れの中での緩急のつけ方は流石の一言でしたし、完成度の高いいい作品ですが、やはりそれだけですとちょっと食い足りない、というのは、純粋な内容的にも、お値段的にも付きまとう所で、悪くはないんですけど積極的なお勧めできるか、と言われると中々悩ましいところではあります。
 事前情報も少なめだった分、いざはじめてみるとかなり没入できる強さはありますし、サスペンス&ミステリー色が強い作品が好きな人なら素直に楽しめるのではないか、と思うと同時に、ヒロインとのあれこれを期待するのはちょっと、という感じですね。まあでも正直ネーブルの過去作に比べればしっかりイチャエロしてる方とは言えるのですけれど。。。

posted by クローバー at 13:48| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: