2018年08月02日

宿星のガールフレンド

 ブランド戦略としてはまた時代性に則した方面に走ったなー、という感じでアレですが、基本的にこのメーカーの作るゲームの雰囲気は好きだし、体験版も面白かったので購入。


シナリオ(20/30)

 才能と努力と愛のコラボ。


★あらすじ

 主人公はクラスメイトで学園のアイドル的存在である夕里に密かな憧れを抱きつつ、自分から行動など出来ない小心者でごくごく普通な男子学生。
 だったのですが、ある日の夜街を歩いている途中に、いきなり謎の生物に襲われて命の危機に陥り、そこに奇抜な衣装をまとった良く見知った顔、すなわち夕里が割り込んできます。
 彼女と共に謎の空間に引き込まれた主人公は、夕里がファンタジーそのもののような魔法をバンバン使ってその敵対生物を撃退するのを眺めていましたが、そこに現れた敵のボスとの対決に巻き込まれそうになり、咄嗟に主人公をかばった夕里と共に大怪我をしてしまいます。

 そのままでは命の危険もある怪我でしたが、夕里のサポートで主人公のクラスの担任でもある芙美子の不思議な力により、二人はそれぞれの命を継ぎ合わせる事で一命をとりとめます。
 代わりにその怪我が感知するまでの三カ月ほど、二人は半径1m以上の距離から離れられない事になり、すったもんだの末二人は偽の恋人として世間を偽り、一人暮らしだった夕里の家で同棲生活を始める事になるのです。
 同時に主人公は夕里が従事しているスターズという存在とその意義、仕事についても深く知る事となり、やがて互いの生活環境が落ち着いていく中で憧れていた夕里という存在が虚像であった事になんとも言えない気持ちを抱きつつも、本当の夕里を知る事で少しずつその力になりたいと考えるようになるのです。

 果たして彼らは無事にこの同棲生活を終えられるのか、その中で如何なる関係を築いていくのか。
 そして容赦なく襲い来る敵や試練に対し、二人三脚でどう立ち向かっていくのか、これはそんな熱血物のお約束をしっかり踏襲した青春ファンタジックストーリーです。


★テキスト

 非常に軽快でテンポよく、かつ大袈裟なくらいに感情のメリハリや状況の変化が目立っていて、良く言えば大胆、悪く言えば雑なところはあると思います。
 ただ細かい機微や行間の説明を捨ててでも、シナリオの勢いと明るい空気感を優先する、という部分ではブランド色が良く出ているとも思えますし、ちょっと奇矯なくらいの言動や振る舞いでもなんとなくこのキャラ性の中でなら許せる、という雰囲気がしっかり芯を伴って成立しているのは評価していいところだと思います。

 少なくとも文章として奇抜に過ぎる、とまでは思いませんし、これはこれで特に深く考える必要なく、スルッと頭に入ってきてとっつきやすい軽めのテキストとして上手く成り立っていると言っていいでしょう。


★ルート構成

 元々三部作でヒロイン一人ずつピックアップという形式なので、基本的には一本道で選択肢もちょっとしたイベント内での差分程度の扱いだと思います。
 個人的にはむしろ、この設定でヒロイン三人分作る、という中で、話が同一主人公で進むのかとか、時系列的にどうなるのかって方が
気になりますねぇ。その辺は次のお楽しみではありますが。


★シナリオ

 特に小難しいところもなく、最初に触れた通り、才能と努力と愛の力をフルに生かした実にらしい物語だと思います。
 二人の馴れ初めとか、正直そうなる必然を一切加味しない強引なものではあるし、その強引さは最後まである程度維持される部分はあるので、裏側の土台の堅牢さとか説得性とか考えるとそりゃ甘いのですが、少なくともこの世界はこういうもので、その中で特に世界の謎そのものに違和感を抱くことなく、目の前の試練に真っ直ぐぶつかっていく淳良さが嫌味や手抜きに感じさせないレベルには仕上がっているので、本当にテキストと合わせてこれはこれで、というところですね。

 恋愛面でも夕里というヒロインの特性が遺憾なく発揮されていて良い味を出しています。
 主人公が憧れていた猫かぶりではなく、本当の夕里はかなり我が儘で自己中で調子のいいところは目立ちますが、それでも本質的には善良で思いやりもあり、エンジンが掛かるまでは微妙ですがいざとなればすごく健気で頑張り屋な部分もあって、主人公との掛け合いの中でそういう残念な部分もしっかり愛嬌として消化できているので、ダメなところもあるけど可愛い、というバランスをしっかり取れているなと感じました。
 そういう夕里なので恋愛面でもマウント取りたがって色々拗れたりもしますが、いざ嵌っていくとその恋に一直線で逃れられない弱さも見せてくれたり、そういう心情を素直に吐露してくる時の稚さや愛らしさもまた抜群の魅力があって、流れの中でのHなシーンの充実ぶりともセットで中々満足できるものでした。

 またその恋愛面での浮き沈みが、スターズ活動の中での浮き沈みにも結構直結していて、天才キャラ故の油断とかはあるからそこで危機に陥りつつ、しっかり色々な意味で立て直して華麗に逆転というバトルもののお約束が綺麗に投影されているのもいいところです。
 その展開に主人公の力も一躍買っていて、その伏線がしっかり最後に炸裂する構成も含めて中々盛り上がる話だったと思いますし、当面のボス格は撃破しつつまだ世界の謎そのものには手を付けない、そういう小難しい事を考えるならそれに見合ったヒロインを、というシリーズ全体像の構成も意識させるバランス感も含めて悪くなかったですね。

 勿論折々触れたように勢い重視で、ひとつひとつの展開に重みがあるというわけではないので、シナリオとして極端に素晴らしい評価をするところでもないのですが、少なくとも尺的にも質的にも期待するだけのものは見せてくれましたし、素直に次回作が楽しみと言える内容だったと思います。


キャラ(20/20)


★全体評価

 基本的に煌びやかで愛らしくて、いつものキャラ作りってイメージがあり、そういう世界観と個性を期待したブランドファンの期待をそれなりにしっかり担保してくれる内容かなって思います。
 基本的に味方側の善人ぶりや健やかさ、チョロ可愛さはすごくエッジが効いていて面白おかしくも楽しめますし、その合間にしっかり破壊力の高い愛らしさや可愛らしさを突っ込んできて、基本的にストレスフリーで素直に愛でられる雰囲気ですので、評価としても特に割り引く必要はないかなーと。


★NO,1!イチオシ!

 まあ一応現時点では夕里にしておきましょう。。。
 
 気質としてはかなり傲慢でお調子者、って側面はありますが、それすらも愛嬌にさせるだけのブレなさと可愛らしさ、その反面で見せる弱さや脆さの魅力などがすごくいい味を出していますし、だんだん主人公に依存して傾倒していく様が本当に可愛いんですよねぇ。
 個人的に怪我が治って離れられるようになったと判明した後の、あの駄々っ子モードのドロップアウトはすごくらしくて可愛いなと思いますし、周りとの関係性、特に鹿子とのイチャイチャぶりも含めてすごくネアカでスッとする素敵なヒロインではあったと思います。

 なので逆に次回作以降でどういう立ち位置になるのかってところで、この恋愛が育んだ成長要素がないのは一抹の不安にもなりますが(或いは主人公マルチで、それを踏まえた構成の可能性も皆無ではないけれど)、華やかで最初のヒロインに相応しい子だったと思います。


★NO,2〜

 ただ基本的なスペックとしてはそりゃあ私の場合鹿子の方が好きなのはどうしようもないんですよねぇ。
 すごく献身的で好きなものに真っ直ぐで、その分最初主人公に対してあたりが強かったりもしますけど、凄くバランスの取れた健気でいじらしく可愛い後輩ヒロインで、3まで攻略出来ないとか中々待ち切れませんぜ。。。
 設定としてはスターズの中でも一番悲痛なものを背負っていて、その分この子のシナリオになるとより根絶的な方向に話が進んでいきそうだなーと予感しつつ、そんな傷を背負う心を癒して恋に向けさせる話が早く見たくて仕方ないですねー。そしてあのバトルスーツでのHシーンが楽しみ過ぎる(笑)。

 マーヤも今作では基本ライバル立ち位置ですし、その中でも質実剛健な気質と誠実さはすごく感じさせて、次のヒロインとしての掴みはしっかり出来ていたと思いますし、どういう話になるのか楽しみです。


CG(19/20)


★全体評価

 量的にはDL版基準でまあ水準くらいと思いますが、相変わらず色彩センスが抜群で、本当に華やかで鮮やかで、けれど奇抜だったり下品にならないギリギリのバランスでのデザインが素晴らしく映えていたと思います。
 細かい部分での工夫も随所に感じられて面白かったですし、やっぱり絵柄としてすごく上手いとは思わないのにめっちゃ好み、という不思議な魅力は維持しているので、少し評価としては甘めに出しました。


★立ち絵

 ポーズはヒロインで2種類、サブは1種類で腕差分はそれなりに多彩、シリーズを重ねるにつれて素材も増えていって更に華やかになるでしょう。
 勿論それぞれの雰囲気・個性は明確に表現されていて躍動感もありますし、とにかく明るく華やかで見ていて心が躍りますね。
 ポーズとしては夕里の正面、鹿子あたりが好きです。

 服飾は夕里5種類、他は1〜3種類ですね。この辺もヒロイン昇格すれば増えていく構図でしょう。
 デザイン自体は本当にどれもあざといくらいにかわエロ、って感じで素敵ですし、色使いや個性面のフォローも含めてすごくいいデザインが出来ているなと思います。
 お気に入りは夕里制服、デート服、バトル服、水着、鹿子制服、私服、バトル服、マーヤ制服あたりでしょうか。

 表情差分もすごくらしさを出しつつ、遊びの要素が満載ですごく愛らしくも細かい機微に通じた雰囲気でした。
 数そのものとしてそこまでボリューミーではないかもしれませんが、勘所を抑えたキレのあるデザインは流石でしたし、みんな可愛くてとても宜しかったと思います。
 お気に入りは夕里笑顔、ドヤ顔、ギャグ泣き、照れ拗ね、鹿子不満げ、きょとん、焦り、笑顔あたりでしょうか。


★1枚絵

 全部で25枚と、値段を踏まえるとまず標準ラインですかね。
 出来はそれなりに安定しているし鮮烈な色使いと構図の素敵さが目立っていて、実にらしい華やかさで目を楽しませてくれたと思います。本当に可愛さとエロさを上手く相乗効果的に見せてくるんですよねぇー。

 お気に入りは魔法、着替え、ごろ寝、お風呂、みんなでゲーム、キス、告白、はじめて、添い寝、騎乗位、対面座位、浴衣、バック、家族あたりですね。


BGM(18/20)


★全体評価

 量的にはごく普通のレベルですが、曲もブランドイメージに沿った華やかで派手で疾走感があるものが多く、この辺もやっぱり趣味に合うんだよなぁと。


★ボーカル曲

 全部で2曲。
 OPの『Magical Girl☆Conflict』はすごく軽やかで華やかでスピーディーで、作風にめっちゃマッチした素的な曲ですね。
 イントロのキャッチーな旋律も凄く好みですし、メロディラインの流れるような繋がり方、サビの盛り上がり含めてかなり気に入りました。

 EDの『星空memories』もOPほどではないですがかなりいい曲で、透明感と爽やかさを上手く同居させつつ、EDらしくありつつ元気よさ、明るさもしっかり組み込まれているところがらしいですね。


★BGM

 全部で12曲は値段相応、ひとつひとつの質はかなり高く、ゲーム性こそないもののバトルシーンの曲作りの魅力は健在ですね。
 お気に入りは『Kiss me before I rise.』『走って!飛んで!ぶっ飛ばす!』『The end』『あーでこーでそーでどーで』『星空と共に君は行く』あたりになりますかね。特にバトル絡みの2曲はかなり好き。


システム(9/10)


★演出

 ロープライスのボリュームというのもありますけれど、今まで以上に派手で華やかで活気のある演出は出来ているなと思います。
 とにかくキャラが縦横無尽に動いていますし、音や背景なども含めてすごくキラキラした演出が目立っており、それでいて全体的なバランスも取れていてすごく楽しかったと思います。
 ムービーも構図と色使いのセンスの良さが溢れていますし、曲の疾走感にもきっちりアジャストした構成がすごく良くてかなりお気に入りです。


★システム

 必要なものはしっかり揃っていますし、使い出も悪くないですが、それ以上のプラスアルファがある、というほどではないですね。
 トータルで見て演出の良さは光っていますが満点に至るほどではないかなというイメージで。


総合(86/100)

 総プレイ時間5時間。
 値段を踏まえると尺としてはまあ水準なのかな、とは思いますし、その中でかなり飛ばしているとはいえ、バトル要素と恋愛要素、日常のコメディ要素に至るまで上手くバランス良く組み入れていて、深いシナリオを期待しないライトなユーザー向けにアジャストされたつくりだなと。
 私としてもこれはこれで、という楽しみ方が出来ましたし、破天荒さがあるとはいえ破綻はしていないので評価としてもそれなりには、という所です。

 シリーズものになるとどうしてもスタートの1作目は色々披歴できない設定などがあって盛り上がりにくい面があるのですが、これはその点を上手くクリアできていて、反面次以降の展開をどう辻褄合わせしてくるの?的な疑問も出てくるところはあります。
 ただ総じてストレスなく楽しくプレイできる作品ですし、パケ版だとオプション付きで高いからアレですけど、DL版ならお手頃でもありますので、ヒロインが好みだと思えるならプレイして損はないでしょうね。

 まあ個人的にはこのメーカーにはやっぱりゲーム性の高いの作って欲しいな、って気持ちはありますし、それこそゲームシステム的にはクルくるそのままでもいいので(ハナヒメはやっぱしゲーム性の面でちょっとバランス悪かったので)、いつかはそこに立ち返ってくれないかという期待はあるのです。
 その意味でも、こういう時代性に則した商法でしっかり会社の利益を出して、本当に作りたいものに腰を据える余力を持ってくれればと思いつつ2〜3も買うとは思います。

posted by クローバー at 13:38| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: