2019年07月04日

アオナツライン

 元々ちょっと欲しかったけど本数多過ぎで我慢し、けれど評判いいので体験版遅ればせにやったらやっぱり海咲が良いキャラ過ぎて買わずにはいられなかったのです。。。


シナリオ(26/30)

 躓きながらも、少しずつ、前へ。


★あらすじ

 主人公はここ数年、常に海希と千尋、二人の親友と三人で日々を過ごしてきました。
 男二人に女一人のやや歪な形ながらも、それぞれにこの環境での気の置けない付き合いに充足と安息を見出し、それなりに幸せな日々を過ごしてきた、という自覚は誰しもが持っていて。
 けれど学園も2年に上がり、来年には受験、そして進路選択が待ち受ける中、気の合う今の仲間たちと思いっきり遊べるのは今年の夏が最後かもしれないという漠然とした予感はありました。

 だから、というのもあるのか、新学期が始まったころから、千尋が主導になって、今年の夏休みになにか今までにない大きなことをやりたい、という考えが出て、二人もそれに同調はするものの、具体的に何をするか、というのは中々決められずにいました。
 そんな風に過ごしていた薫風溢れる5月、ある日突然主人公達の前に一人の女の子が立ちはだかります。
 この春に都会のお嬢様学園から転入してきたばかりの結は、元々転入してきた切っ掛けが彼ら三人組、特に主人公の存在にあったのもあり、その輪に入るタイミングを虎視眈々と窺っていたのです。
 彼女の言葉足らずもあって色々誤解なども生じつつ、彼らと共に遊びたい!という熱意は充分に伝わってきて、特に同性である海希は大歓迎し、チームは4人となって、今までとは少しずつ景色の違う日々を過ごしていく事になります。

 そして、結の加入は更に新風を吹き込むことになります。
 梅雨の時期、偶然雨の中で泣き濡れている後輩を見つけた結は、その少女・ことねを仲間の元に連れてきます。
 些細な行き違いから今までのグループに居場所がなくなって打ちひしがれていたことねを、海希と結は強引に仲間に引き入れることにし、段勢人二人は色々戸惑う所もありながらそれを受け入れて。
 メンバーが増えていく中で、今までにはなかった不協和音や軋轢も少なからず生まれるものの、それもまた青春、ならぬアオナツとして前向きに楽しむ結に引っ張られるように、それぞれが新たな関係に意味と価値を見出すようになっていきます。
 そしてそれは当然の様に、恋愛、という年頃の少年少女に起こり得る問題も孕んでいて。

 今までの三人が保っていた奇跡的なバランスが崩れた時に、彼らはいかなる関係性の選択をし、その変化を受け入れていくのか?
 その過程で、それそれがしっかり納得のいく夏休みの目標を見つけ、達成する事が出来るのか?
 これはそんな、いかにもな青春の日常を爽やかに、そして丁寧に描いた愛と友情の物語です。


★テキスト

 作品のテーマ性自体がストレートな青春譚であり、現実性を乖離した展開や要素も、また度の過ぎた波乱要素や人間ドラマも組み込まずに、あくまでもほぼ5人だけの世界で物語が完結していくのが特徴であり、それを踏まえた上でのテキストメイクになっていると思います。
 なのでとにかく日常の掛け合いや絡み、雰囲気つくりに重点が置かれている感じで、ひとつひとつのイベントに密度とおかしみがあり、爽やかな雰囲気の中にも細やかな心情の変化や動揺・葛藤などがふんだんに詰め込まれていて、とても機微に満ちた素敵な読み口に仕上がっています。

 奇を衒うところはほとんどないですし、キャラ性もそれぞれに奇矯すぎる部分はまずないので、徹底的に王道イメージになります。
 その割に道中退屈、と思わせるところが全くと言っていいほどない、というのは褒められていい特質だと思いますし、こういう物語なのでそれぞれの青い部分、嫌な部分も少なからず克明に描写していますが、それを決してマイナスイメージに固着させないバランス感も含めて、すごく良く考え抜かれたテキストではなかったかなと感じましたね。


★ルート構成

 基本的には好感度蓄積型で、三人のヒロインの中から好きな子を選び続けていけばOK、という簡単な設計ではあります。
 ただこの回数自体は、ことねだけは参入が遅い分ひとつ少ないものの、それなりにそのヒロインに心を傾けていく、という説得性があるだけの積み重ねにはなっていますね。
 また、ちゃんと検証したわけではないですが、おそらく同時攻略は不可能で、ほぼ一途に選択していかないとバッドエンドに進む形になっており、そのあたりも王道的、というか、純粋な構成とは言えるでしょう。

 ルートロックは特になく、全員をクリアした段階でエピローグに自動的に進む、という演出がありますが、それ自体は特に長いものでもない上に、どのルートからでも違和感なく繋がる特殊な構成になっています。
 といって、誰から攻略してもいいよ、とは言いにくい面はあり、基本的にヒロインとしての比重は明快に海希>>結>ことねくらいだなとは思います。
 色々な謎や伏線などの開陳度合いなども海希ルートが断然ですし、なにより海希を先にクリアしてしまうと他のヒロインに走るのがいたたまれなくなるレベルで名作なので、個人的には海希をラストに回し、そのままエピローグに入るのが最高のクリア順だと思いますね。


★シナリオ

 青春、という王道ど真ん中のテーマを、そのまま真っ直ぐに書き切った、近年では希有な作品だと思います。

 物語の世界像そのものはかなり狭く設定されていて、そもそも立ち絵があるのも仲間の5人だけ、勿論それ以外のキャラもそれなりに関わってはきますが、あくまでも彼らの道行きは、その内在性の中からのみ発現される、というのが明確に定義されているのも特徴的です。
 共通の流れの中で、見た目に派手さはない主人公が、それでも内面に秘めた熱いものや、他者に対する心向きの良さを垣間見せていく中で、ヒロイン達からしっかり一目置かれていく、という状況が組み立てられ、その構成自体は、特にことねを救うアレとかは中々にギャンブル的で独善的にも思えますけれど、ともあれヒロインの中で主人公の重さが強まっていく流れなのは確かです。

 その上で主人公が特定のヒロインを心にかけていく、という選択構図があり、そうすると当然2/5の想いがある程度均質化していく面もあって、それが同調圧力、という程ではないものの、元々曖昧模糊としていた夏休みの目標に対して一定のイニシアチブを持っていく、というのが必然的に見える、というのが、構成としては非常に繊細で緻密、魅力的な部分だと思います。
 あくまでも発露、きっかけの部分はそれぞれのヒロインとそれに同調していく主人公の内在性が起源になっていて、それを具象化する段階で外的要因を利用する、という構図は、特に結ルートなどは顕著ではありますけれど、その順番を違えていない事でしっかり全体の整合性を維持しているのは、個人的にしっかり組み立てられていると感心する部分ですね。

 テキストでも触れたように、5人の関わりや想いの微細な変化のみが物語の方向性を定義づけるわけで、故にそこが雑では台無しになってしまう、それを意識して本当に関係性の組み立て、言葉のチョイスは丁寧になされていると思いますし、しっかりその中で個々のヒロインの魅力、或いは弱さなども赤裸々に提示出来ています。
 そういう土台がある程度共通の中で丹念に組み立てられているからこそ、個別ルート自体もしっかり選ばれたヒロインの想いに準じる形で進展して、周りもそれを、特に選ばれなかったヒロインは一握の切なさを抱えながらも支えていく、という甘酸っぱい構図になっており、きちんとそれぞれの成長譚にもなっていて、バランスの取れた仕上がりだなと思いますね。

 勿論全てが手放しで褒められる、とまではいいませんし、個人的に普段と違って後追いでプレイしたので、最初からある程度どのくらいのレベルか、ってのが見えている中で斜に構えた面もあるので、本当はもう少し高く評価してもいいのかもしれません。
 ただ結局のところ、海希ルートがどこまでクリティカルであるか、って部分が評価に直結する、決定打となる作品かな、とも思いますし、他の二人だってそれは面白いは面白いけれど、どこか予定調和の彩りではあるので、そのあたりを踏まえての点数にはなっています。


★シナリオ(ネタバレ)

 かるく個別評価を出していきますが、内容としては海希>>>結>ことねくらいでしょうか。
 勿論結とことねも水準はクリアしているいいシナリオですが、幼馴染シナリオとしてあるべきものを全て完備し、それでいてしっかりラストまで王道を貫き切った海希ルートと比較してしまえばインパクトも完成度も足りない、という評価にはなってしまいますね。

 ことねの場合は、彼女が漠然と夢見ていた未来図を追いかける、というサクセスストーリー的な面が強くて、ある意味夏休みの目標、としては、そこまで一致団結してやるべきものなのか?という引っ掛かりはどうしても少し出てくる構図にはなっていると思います。
 彼女の場合加入も遅く、それまでの三人、という安定を結が突き崩したほどには、この仲間関係に影響力を及ぼしていない事もありますし、上でも書いたようにあのバスケ勝負での救いは、それこそ一歩間違えればの危殆を孕んでいるのに、その独善を王子様的解釈で素直に飲み込んでいいのかなー、という違和感はなくはないのですよね。
 主人公が彼女に惹かれる、という意味でも、読み手の恣意的な選択の結果とは言え、本質的な物語の流れから言えば海希や結に対してより必然が薄い、とはどうしてもなりますし、穿って見れば、ヒロイン二人では流石に格好つかないから付け足し、的なイメージはなくもないです。
 勿論彼女が与えた影響が小さくない部分も、特に恋愛面に関してはあるとは思いますけどね。

 そういう前提があるので、彼女の芸能人的な活動を後押しする、というスタンスは他の面々にとってプラスになっているのか、という見立ては出来ますし、ことね自体がどんどん素直になっていく、主人公と惹かれ合って、それを糧に芸事も達者になっていく流れそのものは青春的で面白いですけれど、ただそれだけ、という感覚もまたありました。
 ラストも綺麗にまとめていますし、ことねはとても可愛いので悪くない話ですけど、突き抜けた魅力はないかな、というイメージです。

 結に関しては最初の勘違い告白から、この学園に転校してきた契機なども含めて、主人公に色々意識させるだけの要素はたんまり詰まっていますし、本人も無自覚とはいえ事々にそれを発露している面はあるので、その点での違和感はことねよりは遥かに薄いです。
 むしろ海希に対する思いがああいう屈折したものを孕んでいる状況で、それを振り切る上ではわかりやすいきっかけになっているとは思いますし、その点無垢で世間知らず、それでいて無鉄砲で好奇心抜群という我が儘お嬢設定が抜群に上手く効いているなと感じました。

 彼女のルートの場合は夏休みの海辺フェスの屋台の成功が全体の目標になっていくのですけれど、それ自体はやはりこの面々が乗り気にならないと実現できない、というラインで、半外的要因とはいえ上手く整合させている要素であり、同時に結の前向きさ、真っ直ぐさを綺麗に提示したものにもなっていると思います。
 彼女の場合は具体的なイベントはそれっきり、という感じではあるのですけど、その分ある意味身分違いの付き合いの中で、それぞれの生育環境や価値観のズレからくる劣等感や不安など、付き合ってからの内面的な揺れをかなり重要視しており、ことねもそういう色合いはなくはなかったものの、精緻さとリアリティでは断然こちらに軍配が上がります。
 親御さんの反対とかもコテコテのテンプレタイプでなく、そういう若い故の揺らぎを前提においての忠告、的な面が強く出ていましたし、それを乗り越え、想いをぶつけあって、より強い絆に昇華していく、その過程を楽しむという意味ではかなり質の高い物語になっていると思いますね。
 ただこういう話の場合、結というヒロインそのものに対する読み手の思い入れの度合いが、そのままシナリオ評価にも直結しやすい弊害はあって、私の場合どうしたって最初から海希に傾斜していたので、その点で少なからず、というのはあったかなーと思います。

 そして海希ルート、これは評判通り、そして期待通りに名作と呼んで然るべき出来でしたね。
 昔から幼馴染シナリオの構成には一家言あり、その中でも実際に物語の舞台に至るまでに、ヒロイン側の我慢と主人公の無自覚のみで、昔のままの関係が維持されている幼馴染関係に対する違和感、そしてそこからの進展に対する必然性の薄さには厳しい目を向ける私なのですが、このシナリオはそこをまずしっかりクリアしているのが魅力です。

 どうしたって普通の場合、思春期の入り口で今までと同様に男女の垣根なく付き合っていける、という事にはならない中、この作品はそこで生まれる軋轢にもきちんと目を向け、実際に海希と主人公の一端の決裂まできちんと出し切っているのがインパクトありました。
 無論安易にそれをしてしまうとそのまま決裂してそれっきりになりかねないのですが、そこに千尋というピースを上手く組み込んで、彼の想いを支え、助ける中で、二人の関係も新たな形で再構築される、という流れを丁寧に組み立てており、けれど同時にそれは、三人である事が傍にいる免罪符であり、その関係を突き崩すのがより難しくなる、という枷もありました。

 この時点で互いに好意を自覚していながらも、それでも三人の関係もこれはこれで心地よく、それを崩したくないという二人の想いに、千尋としてもはじめて気の置けない仲間が出来て、家族の問題を忘れて気を抜ける間柄に救われていたのは強くあって、だからこそ二人の恩を強く感じ、その関係をもどかしく思っても、やっぱり自分からそれを動かすのは苦しい、辛い、という心境がすごく丁寧に描かれています。
 それでもいずれこの関係を清算するリミットはやってくる、そういう自覚は誰しもが持っていて、だからこそ夏休みの目標、的な、この関係性の集大成を思わせる提案にも誰しもが否定できない面があったと言えます。
 同時に、そこまでの三年という時間のモラトリアムが、それぞれの傷を癒し、新たに関係性を築くステップに立ち向かう熱量と覚悟を潜在的に養ってくれていた、とも言えますね。

 それでも実際のところ、結がこういう突拍子もない形で三人を突き崩さなかったら、その安逸さから抜け出す覚悟を持てなかったかもしれないし、恋愛的な進展もなかったのでしょう。
 海希の、主人公を大好きだけど、それを口にする資格はない、的な想いは、幼馴染シナリオとしては既に必然が埋め込まれている、という構図にはなっていて、主人公も似たような思いがあればこそ、他のヒロインに想いを寄せる未来像もある、という、その悲しくも愛おしい関係性が、ある意味では理想的な幼馴染像を作る手助けになっている感もあるのですよね。

 ともあれ、そういう高い壁を乗り越えて、互いが改めて自分の気持ちに向き合い、過ちを償って、新たな未来を作っていくことになれば、当然今までの三人は、二人と一人(と二人)、にならざるを得ない残酷さも孕んでいるわけです。
 他のルートの場合は、形として千尋が一人でモラトリアムを脱する方向に進みにくい=海希を一人には出来ないという想いがあるので、二人と三人、という色分けになるのですけど、海希と主人公が二人になってしまう場合のみは、他の三人、という形になれない悲哀はあり、そこに千尋の覚悟と勇気、そして感謝が色濃く詰まっていると言えます。
 それをどう二人に納得させるか、の在り方としても、まあなんとなく想像はつくとはいえ、実に青春らしい爽やかな方向での着地点になっていて、不言実行、しっかり結果だけで示した千尋の男っぷりは本当に輝いていましたし、だからこそそれを踏まえての、夏休み最後の夜の海岸での三人の涙の尊さが一段と光る、きちんと恋愛と友情の両方を綺麗に並立された絶妙なシナリオになっているのですね。
 幼馴染シナリオとしては歴史的にも希有な完成度と発想だと思いますし、このシナリオだけで名作判定は充分出せる、という出来だったと思います。

 これらを踏まえてのラストエピソードも、時間軸を遡ってのそれぞれの発端の想いを探っていくという斬新な試みではあり、それ故にどのルートの流れから入っても問題ないという構成上の魅力もあります。
 その中で見せた、新しい学園、学年でのフレッシュな決意が、どういう着地点をもたらすかを読み手が知っていればこそ、その言葉の一つ一つに愛おしさを感じられるつくりになっていて、全体的に見せ方、演出がとてもいい作品でしたね。
 個々のルートの要所では、最近廃れていた自動オートなども駆使していて、そのあたりも含めて骨太、きっちり作り手が見せたいものを見せる意思とテーマの色濃い作品に仕上がっていたと思います。



キャラ(20/20)


★全体評価など

 中心人物が5人しかいないコンパクトなつくりだけあり、その主要キャラの内面や個性は細かいところまで繊細に組み立てられています。
 その中で、若さゆえの過ち、的な衝突や軽率な発言などもかなり出てきますが、それを後悔し、反省して、少しずつぶつかり合いながらも関係を高めていく、そんなリアリティのある人間模様が、それぞれの欠点すらも魅力に見せるだけの効果を生み出していると思いますし、特に割り引く必要はないでしょう。

 やっぱり断然好きなのは海希で、彼女もまた思春期の過ちをずっと引きずってここまできた、だからこその快活さと誠実さでありながら、それでも恋愛にだけは臆病であらずにはいられない、というバランスが本当に素晴らしかったですね。
 基本的に甘え上手で気さくで朗らかでもあり、面倒見もよくて家庭的で、色々非の打ちどころはないのにも関わらずの難しさが、すごくこの子の人間味や奥深さ・魅力に転化されていて、また小鳥居さんボイスが最高にマッチしていて、やっぱり素直に最初から買っておけばよかったなーと地味に後悔しています。もっと前提のない、無色なイメージで海希ルートをやってみたかったですね。

 結も当然可愛いし、何に対しても真剣で前向き、地味に天才肌でなんでもスイスイこなしてしまう中でも、偉ぶらずに真っ直ぐ思慕や尊敬を向けてくる在り方と、家族に対するちょっと鬱屈した想いのバランス感がとても良かったです。
 ことねもこのメンバーの中では素直じゃない部類に入りますけれど、目は口ほどに、というくらいに態度に出やすい子ですし、唯一の年下、というところで許されるバランスを上手く綱渡りしていた感じですね。

 千尋は主人公の親友的ポジションとしてのみならず、三人の鎹としての立ち位置も重要で、物語の中で本当に大切な役割を担っていたと思うし、特に海希ルートで見せた強さとひたむきさ、カッコよさは秀逸でしたねー。しかし妹ちゃんが出てこなかったのがつくづく残念だ(笑)。


CG(16/20)


★全体評価など

 正直発売日に手を伸ばさなかった理由の一端として、あまり絵柄がピンとこなかったのもあるのですが、そのあたりは趣味の面だとしても、全体の量的な意味でもやっぱりフルプライスとしては少し食い足りなさはあるとは言えますね。
 立ち絵はそれなりに個々の数は多いものの、5人しかいないのだからもう少し細やかでもいいかなぁとは思うし、1枚絵も全部で68枚、SDとかもなしだと値段相応とは言い難いです。
 勿論シナリオの流れの中で必要な水準は満たしているとは思うけど、質もそこまで安定している感じではなく、悪くはないけど……という評価になってしまいますね。

 ちなみに立ち絵で一番好きなのはロリ海希です(笑)。成長後海希とことねも悪くないけどね。
 一枚絵だと海希のうたた寝、三人の涙、ことねのあご枕、千尋の活躍あたりでしょうかね。


BGM(19/20)


★全体評価など

 量的にはそこまででもないものの、統一感と雰囲気のあるBGMに、それぞれのイメージを投影したエンディングボーカル、そしてグランドボーカルに至るまで綺麗にひとつのパッケージとしての完成度が高く、それぞれの質も高くて満足度が高いですね。

 ボーカル曲は全部で5曲、その中でも特に好きなのはグランドEDの『Blue,Summertime Blue』で、これは本当に王道ど真ん中の抒情的な曲調ながら、正にこの作品の締めくくりとしてこれ以上ない調和を見せていて、神曲と呼んで差し支えない出来だと思います。
 その他ではOPもいいし、EDも海希とことねの曲はかなり好きですね。

 BGMは全部で20曲とやや少なめではあるものの、舞台の狭さを踏まえればですし、全体的に落ち着いた雰囲気の中でしっとり情感をアピールしてくれる曲が多くて耳に残りました。
 特に『光源』『see-through』『Standing in the line』あたりが好きですが、それ以外もかなりいい曲が多くて素晴らしかったです。


システム(10/10)


★全体評価など

 演出はそこまで派手に動く、という程ではないですが、日常からきちんと躍動感があり、その上でしっかり情感を強く引き出したいところでの効果的な見せ方が随所に炸裂していて良かったですね。
 オート演出などは諸刃の剣、という向きもあるのですけど、個人的に質がいいシナリオでやるならアリで、特に海希ルートのラストは痺れましたねー。
 ムービーの出来もすごく曲や作風にマッチして、爽快感と情緒がたっぷり詰まったいい出来ですし、かなり完成度も満足度も高いと思います。

 システム的にもいつもの便利な使い勝手で特に文句なく、ですね。


総合(91/100)

 総プレイ時間16時間くらい。
 共通が4時間ちょっとで、個別が選択肢含めて3,5〜4時間くらい、ラストエピソードも含めて大体この位ではないかと思います。
 ヒロインが3人なので、お高めのフルプライスとしては中々冒険的なつくりではありましたが、尺的にはギリギリ水準はクリアしていて、といって決して間延び感なく、隅から隅まで青春を堪能できる味わい深い仕上がりになっているのは特徴的です。
 ヒロインに少しでも魅力を感じるならプレイして損はない出来ですし、特に海希が好きならば絶対にプレイしておけ、というレベルで素敵な幼馴染シナリオでした。
 後追いになった分感想としての純度がイマイチかもですが、素直にお勧めできる王道的な青春譚でしたし、みずみずしい気分を味わいたいなら是非、というところですね。


posted by クローバー at 13:05| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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