2019年08月08日

ココロネ=ペンデュラム!

 久々のクロシェットの新作ですし、ヒロインも相変らずボイン偏重なのは致し方ないとはいえ、その中できらりと光るつむりんの品乳に心惹かれて購入。


シナリオ(20/30)

 未知なる可能性を求めて。


★あらすじ

 30年ほど昔、各地で突如謎の遺跡であるオブシディアン・ゲートが発見され、そして夜空をミスリルドレープが覆い、その影響なのか、突如人類にマギア、という不可思議な力が発現したこの世界。
 マギアの在り方は千差万別で、ゲートも既知の科学技術では解析できないものがほとんどであり、在る意味ギフトのように突然与えられた謎の力によって悲喜こもごもがありつつも、人類は長い時間をかけてそれに折り合いをつけ、今では一応ながら、マギアの使い手・マギアソーサーと一般人の共生、という理念を掲げて、それに伴い様々な研究都市が作られていったのです。

 その中のひとつに設立された静かの海学園に、主人公は編入してきました。
 普通マギアに目覚める時は数日の昏睡を経て、というバターンが大半なのですが、主人公の場合は不思議とその期間が二年にも及び、本来の学年からも二年遅れとなってしまっており、しかもその結果目覚めた能力が、ほぼ無秩序に周囲の人間の心の声を拾ってしまう、という難儀なもので、それは受信する本人にも大きな負担を強いるので、なんとかこの能力を消し去れないか、と主人公は考えて、最先端研究の舞台であるこの学園にやってきたのです。

 はじめて街に降り立った主人公は、しかしそこでいきなりマギアソーサー絡みの事件に出くわしてしまいます。
 そこで、彼を迎えに来た澄香や、その親友の千早、助っ人に現れたリールゥやつむり、更には二年の昏睡のせいで学年が逆転してしまった妹の菜砂などが、それぞれに信念をもって活き活きと力を振るっているのを目の当たりにし、そして彼女達と学園生活を過ごしていく中で、少しずつ自分にこんな力が目覚めた意味と、それを誰かの為に用いる尊さを感じていく事になります。
 澄香が、マギアソーサーと一般人の垣根をなくすために設立した特性部に主人公も参加する事になって、その中でマギアソーサーであるヒロイン達が抱える想いや悩み、または軋轢などに直面していき、それを乗り越えていく中で絆を強めていく、これはそんな絆と成長の物語です。


★テキスト

 この作品は多分個別1ルートにライターが一人ずつ配分されているので、その点で読み口に結構な差異がありますね。
 共通の雰囲気は全体として悪くはないですが、若干くどさがなくはない、という感じで、個人的な感覚だともっと説明すべき点と、説明を省いてもいい点のバランスのとり方が少し上手くないかな、と感じる向きはありました。
 個別に関しては千差万別というか、善し悪しがそれぞれにはっきりしていて何とも言えないですけど、千早ルートみたいにやたら軽妙でノリの良さが目立っていたり、逆に澄香ルートみたいにバカ丁寧さがあったり、トータルで見ると悪くはないけれど全てにおいて素晴らしい、と手放しで言い切れるほどの部分はなかったかな、という感じです。
 シンプルにテキストとしては、つむりと菜砂が良かったかなと思います。


★ルート構成

 ある程度好感度選択を蓄積して、最終的に直接ヒロインをチョイスする形ですね。
 道中で個々の好感度を上げるのを失敗すると、分岐選択肢で名前が出てこない仕様のようで、まあ難易度としては低いですし普通に同時攻略も可能、ルートロックもないので、素直に好きな子・順番でやればいいのではないでしょうか。

 これはシナリオ面での弊害にもなりますが、大元のマギアの謎とかその辺はじつはあんまりちゃんと解明されないので、どのルートからやってもネタバレ、というほどにはならないです。
 ただ個人的には、澄香ルートは早めにやっておくと、他のルートで彼女のマギアが活躍する際に、その根源的な理由がちゃんとわかる、という意味でプラスになるかなと思います。特につむりは澄香の後の方がいいかも。


★シナリオ

 全体として堅実に構成されている作品だとは思いますが、今回はライターさんをかなり増やしているのもあってか、全体の世界観の中で発生する謎や危機に対処する、みたいな流れは薄く、あったとしても上っ面な感じではあり、そのあたりが総合的な説得性を弱くしている面は否めないと思います。
 だいたいクロシェットの能力ものとなると、ある程度自然にバトル的な展開も組み込まれてはくるのですが、正直この作品においてのそれは彼女達が立ち向かう必然性も薄く、またシナリオの流れからしても完全に外的要因の唐突なものではあるので、その辺りは過去作、カミカゼあたりと比べても骨組みに弱さは感じますね。
 特に共通のそれは、一応それを通じて個々のヒロインの結びつきや想い、素直な気持ちを取り戻すという意味で大切なイベントですけれど、だったらもう少しそれが発生する必然や意味を強くストーリーに紐づけるなにか、加えて主人公の存在がそれを触発する、みたいな特別感はあってもよかったのではないかな、と考えます。

 また結局、トータルとしてマギアを生み出す遺跡などの謎は、部分的にそれぞれのルートで垣間見えるものもあるとはいえ、大枠で方向性が確保できるほどのものでもありません。
 そして、マギア自体がそれぞれの個性に準じた千差万別なもので、しかもそれが想いの成長や信念の重さなどで形を変えていく、もしくは潜在能力を十全に発揮出来るようになる、みたいな都合の良さを秘めており、シナリオの流れに対して恣意的にそれを用いてしまえるわけで、それを軽々に使ってしまっているルートもなくはないので、その点でももう少し根本の設定を詰めて、かつ共有し、どこかでしっかり披瀝する形は整えて欲しかったかな、と感じています。

 まあそういう根底の部分の不満はありつつ、ヒロインはみんな個性豊かで可愛らしい仕上がりにはなっていて、彼女達と心結ばれていく過程やその先のイチャラブなどは、いかにもクロシェットらしく丁寧に甘酸っぱく紡がれているとは思うので、その点ではそこまで文句はないのですが、ルート毎に温度差というか、読み口の雰囲気が結構ガラッと違うので、そのあたりも評価にばらつきを生じさせる面はあるかな、と思っています。

 個別評価としてはつむり>菜砂>千早=リールゥ>澄香くらいでしょうか。
 今日はあんまり長い文章を書く気力がなく、またしっかり考察するほどの重厚感もないので、ネタバレせずにサラッと書いてしまうのですけど、澄香の場合はあまりにもストレートで意外性がなさ過ぎるのが欠点ですね。
 テキストとしても奇抜なところがほとんどなく、また澄香というヒロインの純真無垢でポジティブな性格がそのまま肉付けされた様な形なので、シナリオ全体での善良感が少し行き過ぎていて、スパイスが全然感じられないのでちょっと退屈です。
 勿論そういうヒロインですから、それを裏切る必要はないですが、もう少し要所要所で上手く変化球を折り込んだり、横の繋がりの中から別の楽しみを提供するなどの工夫は欲しかったですし、シナリオそのものとしても意外性はなく素直に終わっていますからね。
 彼女のマギアの本質を知る、という意味では大切なルートなんですけどね。

 リールゥは彼女の境遇に関してあまり深掘りせずに、ただそれが主人公と共鳴する部分がある、という点で上手く引き付けてのラブコメ展開なので、まあ悪くはないでしょうか。
 ただ全体の中で、このルートだけ特別な行動に出ていたりもするのでその辺はもう少し繊細さが欲しかったですし、無難、という所に着地してしまう話ではありますね。

 千早ルートは、ここだけテキストの雰囲気がガラッと違って別ゲーの趣もあったりするのですが、読み口そのものはそれなりに面白く、シナリオとしても意外とマギアの本質やその性質に関わる部分が強く出てきて面白かったです。
 全体的に粗さはあるのですが、マギアを介しての人助け、という理念に対し真摯である事と、自身のマギアが生成された根源的な理由、という部分にしっかりフォーカスしているのは良かったと思いますね。

 菜砂ルートに関しては、妹もの、という点での倫理的な面を、二年のズレ、という部分から上手く突き崩していけるのが面白みになりますし、その上で二人が結ばれ、マギアソーサーとして新たな心境を携えて、両親の事績、その先にある希望と可能性を見出していく一歩を踏み出すという構成は好きですね。
 単純にヒロインとして菜砂が一番可愛さの伸び代が大きかった、という面もありますし、自分の立場を、与えられたものからその先に踏み出す、そういう覚悟を得られたのも結ばれたからこそ、という、内在性に基づく流れも評価しています。
 勿論最後のみんなを巻き込んでのイベントひとつでそれが成し得るのか、と言えば流石に甘いですし、理想を言えばそこに複層的な視座が欲しかったですが、完成度は高いルートだと思います。

 つむりもテキストが結構エッジが効いていて、勿論つむり、というヒロインの奇矯さに対してのマッチングは悪くないですが、その辺り人を選ぶ面はあるかもしれません。
 ただ全体的に大袈裟でドタバタコメディ感が強い中で、上手く緩急をつけてしんみりするイベント、特につむりの母親関連の諸々でしっかりバランスが取れているのがいいですし、またつむりんが抜群にエロ可愛いのでそれだけでも満足度は高いですね。
 後半にかけてはある程度マギアの謎に触れる部分も出てきますし、その中でそれぞれが出来る事、自身の力の可能性をある程度現実的な範囲で向き合い、引きだしていくのも悪くないと思います。
 最後の主人公を引き戻す展開の中では、かなり理路として強引なものはあるのですが、一応澄香の力を裏づけとすればなるほど、と思えるところでもあり、ネタ的な面とストーリー性のバランスは一番取れていたかなと見ています。あとエロエロな二人の在り方が、ちゃんとシナリオとも連携しているのもプラス評価できる面ですね。

 全体としては突き抜けて素晴らしい、という程ではないものの、それなりのレベルで堅実にまとまっていて、元々それなりに尺はしっかり取ってくるメーカーなのでその点はいいのですが、総合的な未来像が提供できない分の弱さ、後は一部冗長に感じる部分などもあり、点数としてはこのあたりが妥当な線かな、と見ています。
 まあそれなりに面白かったですけれど、ベクトルとして全体的に中途半端な部分はあるかもしれませんね。


キャラ(20/20)


★全体評価など

 流石にクロシェットのキャラだけあり全体的に嫌味がなく、それでいてきちんと個性は豊かでほどよくエロエロしいというバランスの取り方は安心信頼のものですね。
 正直味つけとしては過去作の踏襲というか、それぞれの立ち位置に対して妥当な個性付けではあり、お約束感は強いとも言えますが、だがそれがいい、と言える面の方が私としては強いです。逆にメーカー慣れしていない人だと、あれっ?って思う部分はあるかもしれませんけどね。

 一番好きなのはやっぱりつむりでしたねー。クロシェットの品乳枠はエロエロ可愛いのです。
 マイペースで独特な雰囲気を持っている子だけど、ちゃんと人好きはするし、大切な相手に対する優しい部分も持ち合わせていて、けしてとっつきにくさを感じさせないのはいいですね。
 リールゥとのコンビとしても輝いていましたし、サブとしても天才肌の部分を生かして色々な形で貢献、無論メインとしては大変にエロ可愛く愛らしく、色々な面で大満足でした。
 CVも、最近名前を聴くようになった中ではこの飴川さんかなり好きなんですけど、その中でもトップクラスに好きなヒロイン像と喋りではあり、この次の八純と合わせて一気に株が爆上がりした感じですねー。

 次いでは菜砂かな。最初のツンツンぶりからのデレ可愛さが最高の破壊力でしたし、やはりクロシェットの妹はいいものです。。。
 勿論澄香もCV込みでとても気に入っていますが、シナリオが少し平凡だったのが勿体無かったですね。
 リールゥもストレートに愛らし可愛い感じで、それでいて頑張り屋なところなども評価高いです。

 サブの凛とかも結構好き。ルート作ってー。


CG(18/20)


★全体評価など

 質量ともにそれなりにしっかり充実しており、きちんとクロシェットらしいふんわり感・肉感的なつくりになっていたと思います。
 一枚絵は全部で85枚で、ヒロイン横並びではありSDなどもないのでもう少しあっても、と思わなくはないですが、出来は安定して可愛いですね。
 特に澄香のパイズリ、つむりのこたつむり、背面座位あたりが超好きです。

 立ち絵も相変らずきめ細やかな表情と立ち絵差分で、演出と相まって目を大変に楽しませてくれますし、充分にらしさが出ていて良かったと思います。
 ポーズとしては澄香の正面とつむりのやや右向き、特に指先をずらし重ねしてるつむりが可愛いのですよ。服飾としてはつむりの制服とマギア服が超好みでした。
 あと演出的な部分だけど、立ち絵の脚の部分だけ画面に出して、疑似的にエロいシーン構成するのは斬新だと思った。。。


BGM(16/20)


★全体評価など

 ボーカル曲は2曲、BGMは25曲で、まあギリギリ水準ラインですが、過去作からすると少しパワーダウンしてるかも、くらい。
 ボーカルはOPEDともに作風にマッチした軽やかな雰囲気で悪くないですがそこまででもなく、BGMもある程度クロシェットらしい決め打ちの感銘曲はあるけれど(23,24あたり)、もう少しインパクトはあってもいいかなー、というイメージですかね。



システム(10/10)


★全体評価など

 相変わらず立ち絵芸の充実は大したもので、総合芸術としてのエロゲらしさをしっかり体現しているという意味での信頼にはきっちり応えていますし、要所での情感演出も丁寧に組み込まれていて、いつも通りにとても楽しめました。
 ムービー自体はそこまで突き抜けて好き、って事もないですけど、雰囲気良く爽やかにヒロインらしさを投影できているし悪くないですね。

 システムも操作性の良さ、デザインなど含めていつも通りきちんとまとまっていますし、とくに文句はありません。


総合(84/100)

 総プレイ時間は22時間くらい。共通が4時間、個別が3〜4時間でバラつきはありますが、CV全部聴いてた、って部分を差し引いても、澄香が一番長かったイメージはありますね。

 まあクロシェットらしい、と言えばらしい作品なのですが、言い換えると過去の遺産というか、上手くいった部分をつぎはぎして再構成したような気配もあって、新味というか、発展性をあまり感じなかったのも事実ですかね。
 シナリオも土台の設定がややファジーな部分を残している分だけ、個別でそれを裏付けに出来ない弱みがありますし、ちょっとメーカーとしての強みを生かし切れていない感じはなくはなかったです。
 好きなメーカーだけに、ちょっと方向性に退嬰的なものを感じ取れてしまうのはもやっとするものがありつつ、それでもやっぱり最低限のらしさはきっちり守れていて、総合力そのものは相変わらず高い作品だろうとは思っています。

 でもなんでしょうね、多分この作品からクロシェットに入ったとして、それでメーカーの贔屓になる人はあまりいないかも、と感じる作品ではありました。まあかみぱに!から全作品やってる飼い慣らされた私みたいなプレイヤーには、色々補完要素で楽しめるのはあると思うのですけどね。

posted by クローバー at 14:00| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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