2019年10月25日

きまぐれテンプテーション

 原画家さんもライターさんも好きな人だったので、まあそれならと。


シナリオ(21/30)

 生まれてしまった限りは。


★あらすじ

 作品としては同じシルプラの、なないろリンカネーション、あけいろ怪奇譚の流れを汲む、オムニバスというかスピンオフというか、そんな感じの立ち位置になっています。
 若き陰陽師の主人公は、住民の集団自殺が原因で呪いのマンションと化した場所のお祓いと真相究明を言いつけられてやってきましたが、そこではイギリスからやってきた悪魔だという相棒のアンネリースが待っていました。
 どちらかと言えば淫魔に属する彼女は、けれどずっと俗世間と関わりを断って生きていたとかで、若い男の主人公に色んな意味で興味津々。事あるごとの誘惑に主人公は悩まされつつ、二人で真相を暴いていく事になります。
 幽霊としてそのマンションに残っている住人は誰もが曲者ばかり。果たして主人公はアンネの誘惑におぼれ過ぎず、情にも惑わされずに、無事にこの事件を解決できるのでしょうか?


★テキスト

 かずきふみさんらせしい軽妙で独特な口調のやり取りが楽しめますね。
 いつもながら間合いの取り方がとても上手なのでスラスラ読めますし、雰囲気としてはどちらかというとシリーズ色の強い殺伐とした部分も多いのですけど、ゆえにアンネとの明るいやり取りが救いになる、というバランスの取り方もやはり見事でした。
 まあどうしてもミドルプライスという事で尺の限界もありますし、シンプルなADVでもないのでその辺行き届かない部分もなくはないですけど、特に問題はないと思います。


★ルート構成

 最近ではあまり見ない、自分で調査をして真実を究明していくパターンの作品ですね。ここしばらくだと桜花裁きくらいかな似たようなのは。
 そして、それなりにダーク&シリアスな作風のこのシリーズだけあり、操作の進展のさせ方、その途中の選択肢次第では、トゥルーエンドからバッドエンドまで幅広い分岐があります。多分エンドは全部で6つですね。
 最初からトゥルーいけたのでルートロックみたいなのはないですし、結構難しいので狙ってどうこう、とはいかないでしょうから、まずは気持ちの赴くままに進めてみて、後は感じんそうな選択からの分岐や、敢えて失敗してみるなどの工夫は必要になるでしょうか。


★シナリオ

 イメージとしてはなないろと近しい作品ではありますかねぇ。
 ただあけいろでも見せた部分などを踏襲しつつ、より明快な形で二人の未来を、という部分を投射できているのがいいところですし、過去作ファンとしては琴莉や葉子が声だけでも出てくるのは楽しいところではあります。

 基本的にはアンネとの軽妙でちょっと甘酸っぱいやり取りを楽しみつつになりますし、そこでガッツリ情を掴んでおいての後半のシリアス、という落差は流石で、またそれぞれの住人が持っている悲嘆や悪心の部分にも容赦はなく、地味に救いのない部分も目立っていたりで、その辺のビターな味付けもやはりこの路線ならでは、と言えるでしょうか。
 だいたい何を書いてもネタバレになっちゃうので難しいのですが、個人的にはアンネと幽霊たちの率直な交流からの打開、という流れに、本当のアンネの気持ち、というのがきちんと浮き彫りになっていて良かったなぁと思うし、タイトル曲にもある通りの、二律背反な想いの中でもちゃんと互いを好きになり、支え合う気持ちを持てるようになっていった、その密度の高さと運命的なありようがとてもきれいに紡がれていたのではないかなー、と思います。

 別になないろあけいろをやっていなくても、それなりには楽しめると思いますが、トゥルーエンドにおける二人の未来像はその2作品で語られたものを土台にしている、というのはあるので、そこは注意ですかね。
 あと特にサブの幽霊キャラにシーンなどはありませんし、イチャエロ出来るのはアンネだけです。
 ただその分アンネのシーンはそれなりに多くてエロ可愛く、また立ち絵もエモート搭載で、日替わり衣装など豪華な要素もあって可愛いアンネを眺めているだけでも楽しい、という面はあるので、突き抜けて面白いわけではないですが安定して色々な楽しみ方が出来るのではないか、と思いますね。
 個人的にホラー要素が色濃いのはあんまり好きではないので、もう少しバランスがイチャイチャ寄りだったらなぁ、とは思いましたが、短いなりに完成度の高い良い作品だと思います。


キャラ(20/20)


★全体評価など

 まあ胸糞悪いのも一部いますが、基本的にはいいキャラが揃っていますし、当然ヒロインのアンネが闊達で愛嬌たっぷりでとても可愛かったのが良かったですねぇ。
 まあ悪魔を名乗る割に善良過ぎるだろうとか色々ツッコミどころはあるけれど、それも含めて最終的に綺麗に解消されてくれはしますし、なによりアンネの中での主人公の大切さ、ってのが、出会ってからの時間に関係なく絶対的なものだと思える強さを持っていたのが良かったと思います。

 個人的にはロゥリィちゃんくらい攻略したかったけどね(笑)。あとみりあ先生の恥ずかしい配信もちょい見たかった。。。


CG(19/20)


★全体評価など

 1枚絵は32枚と値段相応ですし、立ち絵はアンネしかないけど、その分エモートでひょいひょい動いて可愛いし、ポーズ差分や服飾、表情などもかなり多彩ですごく楽しめましたね。
 個人的にはおしとやかモードの服と、ニヤニヤ顔、不満顔が好きでした。
 1枚絵だとお風呂での立ちバック、部屋での屈曲位、あと最後の涙の抱擁あたりがお気に入りです。


BGM(18/20)


★全体評価など

 ボーカル曲2曲にBGMはインスト込みで21曲ですから、この値段としてはかなり奮発してるなー、という感じです。
 ボーカルもどちらも良くて、OPはスタイリッシュな雰囲気の中にしっかりアンネというヒロインの複雑性がギュッと閉じ込められていて、クリアしてから聴くと響くものがあります。
 EDもこのシリーズらしく、一抹の寂しさを漂わせつつ未来への希望を感じさせる内容で、しっとりしたいい曲ですね。

 BGMは特にそこまで凄く響いたものはないですけど、どれもきちんと場面の雰囲気にはマッチしていて無難な出来栄えだったと思います。


システム (9/10)


★全体評価など

 演出としてはほぼ申し分なしですかね。
 動きも多彩で見ているだけで楽しいし、ホラーらしいおどろおどろしさや凄惨さもきちんと要所ではしっかり引き出していて、ムービーの出来も煌びやかでいいですし、総合的に高いレベルで安定していると思います。

 反面システムはもう少し自由度が欲しいな、と思う所も。まあエモート搭載で解像度なんかの関係もあって難しいのかもですけど、いつも以上に痒いところに手が届かないイメージはありました。


総合(85/100)

 総プレイ時間8時間。
 まあ調査プレイにどれくらいかかるか、って所もありますけど、一々アンネの反応が可愛いのでそれをつぶさに追いかけていくと、そこそこ時間が掛かるイメージでしょうか。結構細かい部分まで会話差分あるんですよねぇ。
 ボリュームとしては値段相応ではあると思いますし、シリーズファンとしてはにやっと出来るところもあって、久し振りになないろあけいろをリプレイしたくなる作品でしたね。

 勿論それがなくても充分面白いですし、ホラー耐性があって、アンネが可愛いなと思える人ならプレイしてみて損はしない作品ではないか、と思います。

posted by クローバー at 11:08| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: