2019年12月18日

どっちのiが好きですか?

 パッと見や体験版で触れた限り、そこまで魅力的とは言えなかったんですが、ただまぁ唯一かなり好みのヒロインのCVが飴川さんだったもので、まぁいいか買ってしまえー、という感じで。。。


シナリオ(22/30)

 尽くし尽くされ、ひと粒で二度おいしい。


★あらすじ

 主人公はごく普通の学園生で、これまで恋に縁なく過ごしてきましたが、学園も2年生、思いっきり遊べる最後の夏休みを前に、やっぱり月並みながら恋人を作って思いっきり青春を楽しみたい!と一念発起します。
 それに呼応するかのように、すぐ近くの女学園の姫と呼ばれる転校生・ハンナとお近づきになれたり、隣のアパートに学園きっての有名人である小柚子が引っ越してきたりと、今までにない出会いが訪れて。
 また元々それなりに関係が深かった、クラスメイトでドSが売りの生徒会長の摩耶や、学園でもバイト先でも後輩の子犬系少女・芽愛などとも、より仲良くなるきっかけがあり、やはり心持ちひとつでも関係性は変わっていくのだと実感する主人公。
 その中でもより心を惹かれた相手と、どんな関係を構築したいか妄想しつつ、華やかな恋の花を咲かすべく更に奮闘していくのでした。

 これは、一人のヒロインに二つの関係性と、一粒で二度おいしい恋愛模様を綴った、爽やかな青春恋愛物語です。


★テキスト

 最近HOOKの作品とはとんとご無沙汰だったのですが、以前はなんというかいい意味で平凡な味付けが目立っていて、それこそ一昔前は睡眠導入剤なんて揶揄されていたものですけど、改めてプレイすると大分こう、姉妹ブランドの色合いを汲み取ってのテンション系の読み口になっていますね。
 勿論それは悪い意味ではなく、元々のほっこり安心するような空気感は残しつつも、キャラの掛け合いにエッジを効かせて、よりキャラ性を鮮明に浮き彫りにする形が紡げていますし、純粋にくすくす笑えて楽しい、という感覚ではあります。

 今回は主人公の気質もかなり前向きで、それでいて気遣いも出来るイケメン感満載であり、むしろこれで今まで全然モテなかったのは不思議だね?ってくらいではあるのですけど、その辺も含めて嫌味のない、さっぱりした読み口に仕上がっているなと思います。
 個別は流石にライターさんも色々違っていて多少違いはありますけど、それでも概ねは共通のノリに寄せてバランスを取っている感じはありますし、トータルで見ても結構好みでしたねー。


★ルート構成

 基本的には好きなヒロインを追いかけるだけ、という形なんですけど、これ正直プロローグしかまともなキャラ選択ないので、一々そこからやらんと、という意味ではちょっとめんどいですねぇ。
 ひょっとするとそこの選択関係なく、共通中盤のヒロイン選択ひとつでルート決定できるのかもですが、その辺はわかりません。安牌で行くならプロローグからちゃんと繋げてやった方がいいでしょう。

 なのでヒロイン選択そのものは特に代わり映えなく、ゲーム性としても最低限なのですが、今作の特色は、ヒロインとどういう関係になりたいか、リードするされるの選択で結構ガッツリ個別の内容が違うところにありますね。
 ある程度あなた好みの女の子にカスタマイズ、的なゲーム性は、特にこのブランドはコンスタントに使ってきますけど、ここまでしっかりルート全体で、というのは、エロゲ全体を見渡しても珍しいですし、一人のヒロインで2回個別を楽しめる、というのはお得感はあります。
 いわばルートとしては4人×2本あるような感じですし、特にシナリオ上の相互連関やネタバレもないので、好きな順番で、かつリードするされるを続けてみるか、敢えて別のヒロインと交互に見るかなど、珍しい楽しみ方が出来るという意味では中々面白いなと思いました。


★シナリオ

 まぁ上でも書いたように、実のところこの作品の最大の売りは、リードするされるで、一人のヒロインで2ルート楽しめる点にあると思います。
 基本的に内容としては当たり障りない萌えイチャゲーの範疇から逸脱しないものですが、そういうテンプレ的な色合いだからこそ、逆に二つの側面でヒロインの可愛さが楽しめるというのはレアでしたね。
 まあそれこそひとりのヒロインに複数ルートだなど、シナリオゲーのメインヒロインくらいならたまーにありますけど、それは純粋にシナリオ上の必然で、萌えイチャ面では薄い、という場合も大半ですし、主人公の態度や思惑から、あなた好みになりたい、という意欲をある程度発揮してのヒロインの細やかな違いと、そこから生まれるギャップを楽しむという意味ではかなり良かったな、と思います。

 もっともシナリオとしては、ヒロイン固有の問題にたいして、主人公の想いだけで明確に差異が出てしまったりするのはちょっとどうかな?なんて思う向きもあり、小柚子辺りはそこが少し引っ掛かりましたけど、そもそも論としてシナリオ的な要素はイチャラブを盛り上げるスパイス的な扱いではありますし、目くじらを立てる程ではないのでしょう。
 勿論どっちのルートであろうと、最低限はヒロインの気質やその個性に合わせた、心にしっとり染み入る着地点を用意してくれていると思いますし、比較的この手のゲームとしては、恋人になってからもソコソコ横の関係性が残っているのも悪くない点ですね。
 とはいえ流石にヒロイン同士の関係性が深まる、的な形は薄いですし、可愛い子が多いので実はそういう方面でももうちょい頑張ってくれていたら嬉しかったんだけどなー、という憾みはなくはなかったりしますかね。。。

 というか、プレイしてみて思いのほか芽愛以外のヒロインも可愛いな、と思えてそこは良かったんですけど、それでもやっぱり私、芽愛の次に好きなのはリサなんですよね(笑)。どうしてリサルートや姉妹丼がないのか理解に苦しむぜ!追加パッチまだですか〜!!
 元々メーカーの風土としても、子供寄りの女の子をちょこちょこ出して、それに対する主人公の優しさによって、ヒロインは特に嫉妬する事なく素直にこの人いいな、みたいな感じを覚えたり、或いは惚れ直したり、ってのは得意技だと思うので、もうちょっとその辺、横の繋がり強化してあれこれ頑張ってくれていたら最高に楽しめた気はします。

 なにせリサときたら、ハンナルート以外ではついぞ出番なしの憂き目ですし、心音ちゃんなんかももう少し出番が欲しかったし、芽愛も含めた年下組の交流とかも見たかったのです。なんなら主人公の妹だって、たまには様子を見に来てやったわよ!みたいなツンデレモードから、周りの女の子と仲良くなる展開あってもいいのよ?と、妄想ならいくらでも広がるし、そういうシーンはほっこりするから見たいんですけどねぇ。
 まあこの辺は贅沢な話というか、まあロリーの人にしか需要が薄い話でもあるだろうから、見たいなら自分で書け、ってところかもですけど、そんな時間はないのが無念なり、なのです。

 まあなんというか、感想というより要望的な色合いが強く出てしまっていますけど、わざわざ個別を細かく掘り下げて書くほどに密度があるわけでもないので、そこは実際にプレイしてみてくださいませ、というところですね。
 正直リードするされるで、極端にヒロインの差があるわけでもないですし、CGなども一部使いまわしはあったりと、コンセプトとして素晴らしく機能しているとまでは言わないのですけど、ただこの発想そのものは面白いですし、好きな子がいるなら余計に、一本ルートが終わってもまだもう一回楽しめるというのはワクワクする話ですからね。
 点数的にも、突き抜けて良さがあるわけではないけど、安定感のある萌えシナリオを、ある程度複層的に楽しめる、という部分を大きく評価してこのくらい、という形になっています。


キャラ(20/20)


★全体評価など

 基本的にみんな気持ちのいいヒロインや脇のキャラで、安心して優しい世界に浸れるという意味ではいい感じですし、また二つのルートで少しずつ求められるものが違う中、ヒロインの魅力も多少ベクトルの違う形で深掘りできている、というのは評価したいですね。
 勿論根本的な気質からして、リードするされるのコンセプトと綺麗に噛み合い切っていない、なんてところもご愛嬌であったりはするのですけど、それで割り引くほどのものではないです。

 一番好きなのはやはり断然芽愛にはなります。
 元々この作品の情報が出た時点から、見た目とCVだけでキミしかいない!くらいに思ってたし、テンション系の明るいキャラですけどウザい、というほどではなくて、むしろ弄られキャラなので一々その反応が愛らしい、というあたりでいいバランスを取れていたなと思います。
 基本的にすごく気安いというか、あまり性別を気にせず付き合えるという距離感の自然さがありますし、その上できちんと女の子としても可愛らしく、恥じらいもしっかりあって、そのあたりのギャップと弱々しさなんかも含めて本当に大好きでしたねー。期待通りCVのマッチングも完璧の一言でした。
 他のルートでも、バイトが一緒という設定の分、他のヒロインよりは出番が多くて、いい意味で賑やかしとして、また健やかに祝福してくれるキャラとしても存在感が輝かしく、もっともっと可愛いところを見ていたいヒロインですね。

 次いで、ヒロインに限定するならハンナ、かなぁ。
 この子も普通にお嬢様らしい世間知らずっぷりはあれど度が過ぎている感じではなく、色んな事に好奇心旺盛で愛嬌があって、それでいて家庭的で尽くしてくれる感じが素敵であり、距離感のふんわりした感じも含めてかなり好きです。
 小柚子も年上ヒロインだけど気さくで付き合いやすく、また外面と近くにいての顔の雰囲気の違いや可愛らしさも充分楽しめる造詣になっていて、満足度の高いヒロインでしたね。
 摩耶にしても最初の印象はどうかなぁ?って感じで、実際あれだけSっぷりを発揮しつつもデレるの早いね?っていう構成上の難しさはあったと思いますが、それでも恋人になってからの可愛らしさと真摯さは光りましたしね。

 ただシナリオでも書いたように、私はリサとイチャラブしたかった……っっ!!
 そもそも最初に助けたのリサなのに、どうしてハンナのルートの一部になってしまうのでしょうか?なぜリサルートの分岐がないのでしょうか?ってくらいに見た目も性格も超好みで、ハンナルートでもリサが出てくるとそっちばかりに目を奪われてしまっていた位なので、本当に無念です。有料でも追加パッチやアペンド出るなら買っちゃうよ、レベルで好きなんだけどなぁ、ぐぬぬぬ。
 心音ちゃんもとても可愛かったし、流石にこっちは攻略とまでいくと光源氏計画が必要になるからアレだけど、もっと日常に頻繁に絡んできて欲しかったなぁ、なんて思ったりするくらいには気に入ってます。


CG(17/20)


★全体評価など

 絵の質として抜群にいい、とは言い難いですが、全体の雰囲気の統一感はありますし、清涼感のあるところはいいですね。
 立ち絵も結構独特な部分はありつつ、特に芽愛や小柚子は気質にマッチした雰囲気でとてもいいですし、服飾が比較的多彩なのも魅力だと思います。芽愛のTシャツとデート服かなり好き。

 一枚絵は、一応個別もルート毎に専用のものはそれなりに出てきますが、Hシーンは背景や服飾組み合わせでの使いまわしなども半分くらいはあって、きちんと数えてないけど多分ヒロイン一人頭で、それぞれ20枚前後の量だと思います。プラスSDが2枚ずつなので、フルプライスとしては妥当な範疇でしょうか。
 出来自体はややバラつきがある気はしますけど、全体的に可愛らしく描けてはいると思います。特に一緒に通学での上目遣いはみんな可愛いですし、添い寝シーンもいいですね。


BGM(18/20)


★全体評価など

 全体的に爽やかで勢いのある曲が多いのは、これもこのメーカーらしいイメージですし、個人的に今回はボーカル・BGMともに結構刺さるものが多かったです。
 特にOPの『僕らのwatercolor』が不思議と最初に耳にした時からめっちゃツボで、芽愛レベルで一目惚れならぬ一耳惚れでした。この涼やかなメロディラインとリズム、ノリの良さと全体のバランスがとても好きで、特典でフルバージョン入ってたのも嬉しい限りで、最近かなりヘビィローテしてます。ラストがおたから〜♪と空耳するのも、ある意味で正解って感じでまたいい味です。。。
 EDもかなりいい曲で、ボーカルは2曲だけですけどどちらも自分の中でかなりヒットしたので評価高いです。

 BGMも全部で、アレンジ抜きだと25曲前後なのでまずは水準、質的にもすごく軽やかで勢いのある曲が多くていい味出してますし、勿論要所ではしっとり締める曲もあって、そのメリハリも含めていいですね。
 特にいいな、と思うのは6番、11番、19番、25番あたりです。あとこの音楽鑑賞のデザインも素敵ですね。


システム(8/10)


★全体評価など

 演出はまあ特に目立つところはなくそれなりに、でしょうか。
 ゲーム性としてもう少しコミカルな要素は出してきてもいいかな、と思うので、その辺はインパクト不足にも思えますし、情景や情感の部分においても悪くはないけど、程度ですね。
 ムービーは曲の良さを上手く引き出していて、デザインもカラフルでかなり好きです。

 システムも特に使いにくさはないですが、目立って良さもないので普通、平均的という位置づけになりますね。


総合(85/100)

 総プレイ時間は22時間くらいでしょうか。
 共通が5時間くらい、個別が各ルート毎に2時間ちょっとと、一本がそこまでボリューミーではないものの、一人頭で考えれば中々の物量になりますし、ひとつのルートでダラダラとHシーンやイチャイベントが間延びするよりも新鮮に楽しめる感はありました。
 理想を言えば切りがない、ってところはありますけど、地味に全体の完成度も高く、個人的にも期待以上にかなり楽しめた作品で、勿論特に奥深さや驚きはない普通の癒し萌えゲーですけれど、見た目で琴線に触れるヒロインが一人二人といるならば、プレイしてみても損した気分にはならないいい作品だと個人的には思いますね。

posted by クローバー at 08:10| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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