2020年02月28日

風雷戦姫 神夢

 普段はまず手を出さないカテゴリーなんですが、比較的体験版が楽しめたのと、CV飴川紫乃さんの杏那がストライク過ぎて、ついついうっかり買ってしまいましたとさ。


シナリオ(16/30)

 そりゃないよりはあるほうが。


★あらすじ

 主人公は由緒ある家に生まれ、聖域と呼ばれる場所を守る事が日常の一部となっています。
 ある日、家の近くで、それまで存在を噂程度では知っていたものの、実際に目の当たりにするのははじめての妖魔と出会ってしまい、あわや命を取られるか、という所で、空から十二単の女の子が降ってきて。
 彼女に力を貸してほしいと請われ、言われるがままに承諾すると、主人公は突然その少女・神夢の鎧と変化し、神の力を引き出すための依り代となったのです。

 その場ではまた息が合わず、辛くも妖魔を撃退するにとどまって。
 そして改めて、彼女の従者である琳音と、主人公の妹の杏那を交えて話をし、神夢が近年活動が活発になっている妖魔退治の使命を請け負っていると語り、その最大の目的は、主人公の一族が守り続けてきた聖域の封印、そこに眠る妖魔のボスを目覚めさせない事でした。
 更に、成り行きで神夢の鎧になってしまったものの、その契約は実は一生に一人しかできず、かつそのエネルギーを充填するためには二人の仲を深める――――平たく言えばエッチな事をする必要があって。

 いきなり激変した主人公の日常は、それでも騒がしく楽しいものでもあり、けれどそんな穏やかさを妖魔は容認してくれません。
 戦いの最中で、杏那もまたその妖魔対策に携わる一員である事が判明し、他にも助力してくれる存在が現れて、たどたどしいながらも少しずつ、自分たちなりに力をつけ、関係を深めていく主人公と神夢、果たしてその未来に待ち受ける運命とは如何なるものでしょうか?


★テキスト

 まあ良く言えばシンプル、悪く言えば単調ですね。
 この手の作品では珍しく、一台詞で4行表示でもあるので、その点で少しテンポが悪いってのもあるし、別に日本語として違和感があることはないけれど、洗練されているとはお世辞にも言えない感じです。
 あと基本的にエロス中心、特に寝取られメインの作品なのに、そのあたりの描写に対するねちっこさや情熱、フェチ感が薄く、文章的にも画一的でバリエーションが足りない、とは正直感じました。


★ルート構成

 こういうゲームなので、分岐一発でバッドエンド、というのはやたら多いです。
 基本的には仲間を守る、手を取り合って戦う、という方向性を保持すれば、バッド回避しつつ進めるのはそこまで難しくはないと思います。
 バッド自体は、その選択ミスからかなり尺がしっかりあって、妖魔数匹に対してそれぞれの寝取りシチュがガッツリ用意はされているので、回収するとかなり時間を食いますが、ただそれ抜きだと本当にロープラくらいの尺しかないのですよねぇ。

 一応まともなハッピーエンドはありますし、完全なハッピーエンドとはいかないにせよ、神夢以外のエンドもあるので、その点はまだマシかな、というイメージです。


★シナリオ

 まぁなんというか、色々な意味で中途半端な感じはしますね。
 どうしてもメーカー色として凌辱メインの方向性はあるので、そこにまともなシナリオを期待する方がおかしい、と言われればそれまでですし、サルテと比較するならば、きちんとしたハッピーエンドがあるだけでもありがたい、とは言えるのですけど。。。

 まずそのハッピーエンドに関しては、まあしっかり主人公以外に貞操を守りつつ、その絆の力でしっかりラスボスを倒す力を得る、という超王道的な構成ですね。
 最初に成り行きで鎧となってしまった主人公なので、息が合う、心を許し合うまでに時間はかかって、多分序盤だけで言うなら、元々の予定通り琳音がその関係を築いていた方が上手くいったろう、というのは否めません。
 ただ結果的に、人間の主人公と半分神様の神夢がそういう関係になる事が、最強のボス打倒の鍵になっている、という設定ではあり、勿論それに対しての土壌・説得性は薄いにしても、感情的になるほどそれなら、とは最低限思えるつくりではあります。

 でもやっぱり全体としてすごく短いし、バタバタしていて奥行きは薄く、展開としても都合のいい部分は大きいのですよね。
 ラストのオチのつけ方もあからさまではあるし、作品全体として言えばこちらのほうがおまけ、くらいのイメージになってしまうのは仕方ないと思います。
 
 個人的に杏那のEDは結構好きで、まあこの子とイチャエロ出来るのがここだけ、ってのもあるけれど、悲惨な状況でも未来志向の想いを失わず、新たな絆を手に、という方向性はいいかなって。
 琳音の方も、彼女の特殊な立ち位置の中で、それでも、と芽生えた想いの軌跡をしっかりと色付けて、厳しい状況の中で儚い美しさを綺麗に投影できてはいるのかな、というイメージです。

 んで、分量的には多分バッドエンドの凌辱・寝取られ展開の方が3倍くらいの尺はあるのですけど、こちらの内容は、そもそもこの分野に造詣が薄い、という点を差し引いても、あまり目新しさを感じるところはなかったように感じます。
 基本的に堕ちるまでの展開が段階的、であるように見せかけて、実際的にはもう最初の時点でゲームオーバー、という色味は強いですし、堕ちかかって、けれど、みたいな反転の流れも用意されずに、基本的に快楽に溺れて歪んでいくものばかりではあるのですよね。
 神夢というヒロインも、なんというか茶番的ヒロインというか、くっころ的な立ち位置の癖に快楽責めにあまりに弱すぎる感じで、もう少し抵抗と言うか、快楽に染まってしまう過程においてのバリエーション、ガマンを強いる構図はねちっこく突っ込んでいいとは思うのですよねぇ。これだと読み手に、堕ちてしまうのがどうしようもなかった、と思わせるだけの納得、説得力は持ってないと思うのです。

 そもそも基本的にあまりにも猪突猛進で、強大な敵に対していっつも無策で吶喊していく在り方も好ましいとは思えず、もっときちんと相手の能力を分析して、それに対抗する術、身体の疼きに対する対策も練って、みたいな色付けがなにもないのも良くないです。
 それは引いてはヒロインそのものの印象を悪くしますし、やるべきことは出来る限りやった、けれどどうしても届かない、そういうプロセスの丁寧さがあってこそ、悔しい感じちゃうの状況に読み手が昂奮を覚えるわけで、その辺の下積み、多層性が配慮されていない凌辱はあまりそそらないなぁと、正直私は思いましたね。
 無論逆寝取りパターンとか、それなりに工夫はしているつもりなのでしょうけど、どっちかと言うと状況の形式より、過程の価値を深める方が、着地点としては似通ってしまっても意味と価値がある気はして、ぶっちゃけ多分今後この手の作品を買うか、、と言われるとまず買わないので深く考えてもなんですけど、まぁ一言で言えばハッピーもバッドも軽い、浅い、という事にはなってしまうと思います。

 どうしてもヒロイン的な趣味として、馬鹿正直に過ぎる神夢より、杏那の一途さや覚悟、信念の方に惹かれるのはあるし、そういう想いを捻じ伏せての気づかいを蔑ろにして、結果的に悲劇を量産していく構図も含め、もうちょっとやりようはあるのになぁ、と思う作品でしたね。
 それなりにこれは、と思えるところもあって、決して嫌い、とは言わないですけど、物語、としての魅力は正直足りなかったと言わざるを得ませんね。その点は基本全てバッドしかないようなサルテの方が上でしたし、点数的にもそれに準じて、という事になるでしょうか。


キャラ(18/20)


★全体評価など

 正直なところ、最初はともかく、プレイを進めるごとに神夢というヒロインをあまり好きになれなくなっていくところがあったのが致命的ではあります。
 それをある程度杏那の魅力が補ってくれているとはいえ、あくまでもこっちはサブですしねぇ。全体的に出番は多いのが有難かったですけど、悲劇的な結末も多いし切ない限りです。どっちかと言えば杏那視点メインでのスピンオフとか見たい作品ですわこれ。

 なのでキャラとしても断然杏那ラブです。
 勿論CV力が絶大なのはありますが、見た目や性格も基本的にかなり好みの方向ですし、秘めた好意を守る力に転化して健気に頑張る姿にはやはり打たれるものがありました。
 だから短いとはいえ、杏那とイチャラブできるルートが用意されていたのは嬉しかったですし、ついでにそのシーンのシチュも素晴らしかったので、それだけでも買った価値はあった、と言えますね。

 そして、どうして神夢はここまで無謀な猪娘に設定されてしまっているのか……。
 それこそ妖魔が揶揄するように、自分から敗北してエッチな事されたいが故に、と言われても仕方ないですし、この辺もう少しでもなんとかならなかったのかと正直思います。


CG(17/20)


★全体評価など

 絵柄や塗りは流石にちょっと古臭さはありますけど、基本的には可愛いですし、質量ともに安定していて悪くはないと思います。
 立ち絵だと杏那の正面向きと、隊員服がとても可愛いです。

 一枚絵は全部で90枚、ほぼほぼ神夢ですけどボリュームとしては中々ですし、絵の質感とシチュ自体は結構良かったので(そこに至る状況作りがダメなのでそそらない、ってのが勿体無いレベルで)、それなりには評価できるかな、と。


BGM(16/20)


★全体評価など

 ボーカル曲3曲にBGM16曲なので、この手の作品としてはまずまずのラインなのではないか、と思います。
 ボーカルは全て独特の淫靡さと妖艶さを孕みつつ、位置づけに合わせてそれなりにイメージをずらしていて、どれも悪くはない出来かな、と感じます。敢えて言えばハッピーエンドのEDが一番好きかな。
 BGMもあまり奥行きはないですけど、まあ特別ダメって事もなく、作風にはマッチしたつくりだと思います。


システム(7/10)


★全体評価など

 演出面は単調ですね。もう少しバトルシチュや必殺技シーンを単発に頼らずなんとかせいよ、とは思うし、エロいシーンに関しても魅せ方の工夫がもうちょいあってもいいかなぁとは思います。
 システムもかなり古臭く、必要最低限もちょっと怪しい感じで、正直色々使いにくかったですね。


総合(74/100)

 総プレイ時間20時間くらい。
 本筋のハッピーエンドまでが8時間くらいで、神夢のバッドエンドが6ルートあるのかな?それぞれ1,5時間くらい、琳音と杏那ルートの諸々がやはり1,5時間くらいずつの感覚です。
 正直本筋だけ目当てで買うにはコスパが悪すぎるし、といって寝取られ諸々も底が浅くさほどグッと来ない微妙さで、ボリュームそのものはプルプラのラインではあっても、どっちつかずで盛り上がり切らなかった感じです。

 勿論私の趣味に合わなかったというだけで、これはこれで、という見たても出来るのかもですが、やっぱりCVだけに釣られて手を出すのは危険だなぁとは思ってしまいました。
 ただねぇ、それでもほんっっっとうに杏那だけはめっちゃ可愛くて、ここを楽しめただけでも買った意味はあった、とは思えてしまうのが我ながら安いというかなんというか……。

posted by クローバー at 04:31| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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