2020年03月08日

HaremKingdom

 SMEEプレゼンツなので、純粋に日常がドタバタ楽しいのは約束されていましたし、ハーレムというコンセプト自体に極端に惹かれるところはなかったものの、安定してヒロインも可愛かったので文句なく購入。


シナリオ(20/30)

 それぞれの幸せを探して。


★あらすじ

 主人公はもうすぐ大学卒業を控えていましたが、特に就職も決まらず、この歳まで様々な理由があって彼女もおらず、華やかさのない人生を送ってきました。
 いつも直ぐ傍には幼馴染の光がいて、女っ気と無縁という事もなかったのですが、自身の境遇や経験が、彼を臆病にさせていたのです。

 しかしそんなある日、前触れもなく突然に、主人公は一緒にいた光とともに謎の光に包まれ、異世界パルエッタへと転生する事になります。
 そこでの主人公は、その世界の礎である特殊な石を唯一使いこなせる特殊な血統であり、すなわちその国の王、なのでした。
 あまりに突然の経緯に驚きつつも、戻る算段もない中では求められるままに王を頑張るしかなく、しかしその石の力は生命力を削るもので、それを防ぐためには女性との性的な刺激を出来るだけ多く受けなくてはならず、暗にハーレムを作る事を要求されます。
 基本的には純愛一穴主義だった主人公は戸惑うのですが、政略や不幸な境遇などで、自分でなければ笑顔に出来ない女の子がこの世界には沢山いる、と自覚してから、少しずつ積極的にアプローチしていくようになります。

 隣国の姫・ソフィーヤ。
 大貴族の娘・シャルローネ。
 奴隷少女・キキ。
 敏腕宰相・マルー。

 それに光を加えた5人との、甘酸っぱくも騒がしいハーレム生活は、この世界と彼らの生き方にどんな光をもたらすのでしょうか?


★テキスト

 このブランドでは大層珍しい異世界ものではありますが、日常が醸し出す空気感はいつものSMEE、という感じですね。
 エッジの効いたギャグや言い回し、奇矯な展開を多発させつつも、それがきちんと全て楽しい日常のため、ヒロイン達の笑顔のため、という理由に帰結していって、ドタバタしつつも最後はほっこり笑える、時にはしんみりと優しい気持ちになれる、そういう構図を、テキスト面でも上手くメリハリをつけてサポートしていると思いますし、読み口としてはいつも通り面白いし楽しい、と言っていいでしょう。


★ルート構成

 比較的共通で選択肢は多いですが、これは単純にシーン回収のため、という感じで、ルート分岐自体は特に制約なく、最後の属性選択だけで決定する、という感じですね。
 この作品は、コンセプト通りにどのルートでもハーレムである事は崩れず、ただその中で主人公やヒロインのスタンスをどうするか?という方向性が少しずつ違う、そしてそれぞれのルートで一応ヒロインの一人が軸となっている、という形式です。
 なのであまり深く考えず、好みのハーレム属性を好きなように楽しんでいけばいいかな、と思いますし、敢えて共通からヒロインの選択を一律に、とまでする必要はないと感じますね。
 勿論シーン自体は回収しないと勿体ないですけどね。


★シナリオ

 異世界ものですけど、そこでの特殊な文化形成とか、新たに持ち込んだものによっての繁栄とか、異国との軋轢とか、そういうドラマチックなものはほぼ味つけ程度にサラッと出てくるだけで、あくまでもエロゲとして、ハーレムでのエロエロと、ヒロインとのキャッキャウフフな日常を存分に楽しむ、という、ブランドイメージそのままのつくりではあります。

 基本的に共通の時点で、ヒロイン個々が胸に抱く葛藤や屈託はある程度解消されて、一対一での関係性は結ばれる事で完結、その上でハーレムの中でどういう立ち位置を摸索していくか、という流れにはなります。
 なので実のところ、この作品は、マンツーマンでのHシーンはかなり少なく、各属性ルートに入ってからは、基本的に3P×3と、全員での6Pが1回と、そこはやや画一的になってしまっています。
 勿論ハーレムが主題なので、そういう面があるのは文句ないのですが、ただその分通常の個別ルート、という趣はほぼなくなってしまっていて、ヒロインの魅力が分散してややぼやけてしまう、という面もなくはないかな、と思いました。

 一応それぞれの属性ルートで核となるヒロインはおり、その生活の中で当該ヒロインが感じた想いや、過去との関係性などが詳らかになる中で、より一層心の距離が縮まって、という展開はあります。
 またここも画一的ではありますが、エピローグはその対象ヒロインがいの一番に主人公の子供を身籠って、ますます幸せなハーレム生活が続きますよ〜、という空気を醸すというものではあります。
 なので個人的には、ハーレムもいいですけど、最後に単体でヒロインにスポットを当て直すなら、その子と1日だけは全てを独占させてのデートやHシーンがあっても、と思いましたし、その方がエピローグとの結びつきもしっかりしていたのではないかなぁ?と感じましたね。

 作中でも言及があるように、ハーレムとして愛されている実感はあっても、時に女の子は、自分一人だけを見ていて欲しいという我が儘な独占欲をうち消せない、という所で、それをある程度フォローしつつ、そこで得たものをハーレムにも還元していく、そういうバランスが属性ルートに入ってももう少しあっても良かったかな、という感じです。
 それと、実数として考えた時に、決して全体でHシーンが多い、というほどではないのかもですが、後半は基本が3P6Pになる中で、どうしてもシチュ的に限界はあるかな、って思えて、むしろそっちより、もっと日常のドタバタを楽しませろー、って気分にならなくもなく。
 
 それは特にプレイを重ねていって、画一的構造に気が付いてしまうとより出てくる感じです。
 なので正直、属性をもうひとつ増やして、そこは完全ハーレム上等の展開、全員プレイもそこだけにして、代わりに上で書いたように、主格ヒロインがいる属性においては、軽めのハーレムプレイ+普通のラブラブH、といくらいの塩梅が一番うれしかったかもなぁ、とは思いましたた。
 その辺は性的嗜好の話でもあるのでなんともですが、やっぱり日常の面白さがメインとなる作風の中で、どうしても本来秘め事であるエロスが、ハーレム前提だとかなりシームレスににぢょうと重なり合って溶け込んでしまうので、その辺りをどう感じるか、は鍵になるのかなと思いますね。

 属性ルート間では、特にどれの出来が素晴らしいとか、どのシチュが最高だとか、そこまで明快に言い切れるほどの差異性はないかな、とも思いますが、個人の趣味としてはキキとシャルがメインの時の形が特に良かったです。
 でもこの二人、年下属性で可愛いのだけど充分にボインなのがねぇ。もう少しスタイル的にははっきりメリハリというか、見た目にはっきりロリっぽい子は正直欲しかったですかね。。。
 全体として際立った不満はないけど、ちょこちょここうしたらいいのに、的な面はあって、そのあたりを踏まえるとこのくらいの点数に落ち着くかな、という感覚です。


キャラ(20/20)


★全体評価など

 キャラとしては文句なく、それぞれに素晴らしい魅力があって良かったですし、脇を支える面々も面白くも温かく、という感じで、ストレスなく楽しめるキャラゲーとしては流石の出来でしたね。

 特に好きなのはやっぱりシャルとキキの年下勢でしたかねー。
 シャルは愛らしさと達観のバランスがとても上手く、手玉に取られるシーンも多々あるのだけど、それも含めての可愛らしさだと充分楽しめる感じになっていて、時々素の顔が覗いて、おずおずと甘えてくれるのが本当に最高でしたね。
 キキは特殊な境遇から救われた恩義、というしがらみから、少しずつ本来の快活な部分、向上心が色濃く出てくる流れが良かったですし、普段から素直で従順で、とにかく主人公の為に何かできるのが幸せ、っていう子犬感が抜群に可愛かったです。

 ソフィーヤも純粋無垢なお姫様って感じで、それでも他のヒロインとの絡みなどで徐々に遠慮がなくなっていって、ころころと楽しそうな様は見ていて幸せになれますし、マルーの駄々甘っぷり、光の複雑怪奇なツンデレっぷりも含めて本当にいいハーレムでしたね。


CG(16/20)


★全体評価など

 ただやっぱり絵はあんまり好みではないなーとも。
 立ち絵は結構可愛いのですが、1枚絵がそこまで好きになれないのと、今回はどうしてもハーレムで、複数ヒロインが一画像に入ってくる構図になって、よりバランスの悪さは出てしまう時が多い気はしました。
 立ち絵も正面はすごく可愛いのに、少し横向きになるとあれ?って感じでもあったりと、正直ここはもう少し頑張れない?という感は出てしまいますかね。

 立ち絵で好きなのはシャルとキキの正面、1枚絵は86枚で量的には水準なのですけど、質的には特にこれと言って琴線に触れるものはなかったかなぁ、というのが正直なところです。


BGM(17/20)


★全体評価など

 こちらも良くまとまっていて悪くはないですが、ガツンと目立つほど突き抜けてるわけでもない、無難な出来、という感覚です。
 ボーカル曲は2曲で、OPは少しばかりの異世界冒険感とワクワクを投影したようなスタイリッシュなつくり、EDは一転優雅な、幸せな生活の空気感をしっかり紡いだ感じで、どちらかと言えばEDの方が好きですが、延々聴き込むほどキャッチーではなかったですかね。

 BGMは全部で31曲とこちらも水準は楽にクリア、独得の世界観に上手く合わせつつ、ここのブランドらしいギャグチックなものやドタバタを助長するものなど、安定していいクオリティになっていますね。
 7.14.18.20.18.31番辺りが特に耳に残りました。


システム(8/10)


★全体評価など

 演出はもう一歩踏み込んでも、という所はありますが、日常的なところでのスピード感・臨場感はしっかり出ているとは思いますし、らしいつくり、という意味では期待を裏切らない感じです。
 ムービーはもう少し軽い感じでもいいのかな?と思う向きもありますけど、まあ悪くはないですね。

 システムは必要最低限ですかね。もう少し洗練、使いやすいあれこれがあってもいいのですが。
 あと選択肢ジャンプは、キーがあるのに何故か共通でスキップ出来ずの不備。なんか私が設定いじくるのミスってる可能性もありますが、結構共通長いので、ヒロイン単独のシーン回収するのに延々通常スキップは厄介でした。
 最近のこの系列の音楽鑑賞画面のデザインは好きなんですけどね。


総合(81/100)

 総プレイ時間は18時間くらいですかね。
 共通が5時間ちょい、各属性ハーレムが2,5時間ずつ、という感じで、全体尺としては水準レベルではあるのですけど、終わってみるとやや物足りなさは募ります。
 それは上で書いたように、Hシーンの画一ぶりと、ヒロイン個々でフィーチャーされる部分がかなり少なくメリハリが出にくい、そして日常のドタバタも分散していて、もう一歩踏み込みが足りない感じなのもあるでしょうか。

 結局ハーレム、というコンセプト自体が、時代性として受ける部分はあったとしても、それが本来の個別ルート的な在り方の魅力とどこまで共存できるのか?という問題提起は出てくる感じで、その点今作はもうちょっと工夫の余地があったように感じます。
 勿論プレイ中は充分に楽しめましたし、悪くはないのですけど、完クリ後に、これはここが特に素晴らしかった!とか、このヒロインの行動や言動が思い出深い!とか、そういう具体的なエピソード記憶として固着しにくい、ぼやっとした印象の作品にはなってしまうのかな、というイメージですね。

posted by クローバー at 05:00| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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