2020年04月07日

神様のような君へ

 超久々にカントクさん原画の作品だったし、体験版もそれなりに面白かった、ヒロインも可愛かったので迷いなく購入。


シナリオ(26/30)

 AIだからこそ、繋がるもの。


★あらすじ

 世界設定は近未来、現代よりもかなりAI技術が進歩して、人々の生活・インフラに密接に関わっている舞台での物語。

 主人公は趣味がハッキングのぼっちでしたが、ある日世界最高のAIと呼ばれるC−AIのハッキングに成功し、無制限のコントロール権限を獲得します。
 ただし、防壁破りは大好きでも、悪事や人様に不必要な迷惑をかけることは嫌う、不可思議なメンタリティの主人公がその命令権で要求したのは、世界中の女の子の中で、自分の好みに合致し、かつ自分を好いてくれている子がいるか調べてくれ、というしょーもないものでした。
 しかし無情にもその検索結果は0件。その無慈悲な事実に主人公は打ちのめされ、それでこの話は終わりになるはず、でした。

 けれど翌朝、主人公の家に、文字通り主人公の好みに100&合致した、かなり浮世離れした格好の女の子・ツクヨミがいきなり押しかけてきます。
 実は彼女は、まだ市販されていないレベルの超高性能ロボットで、主人公の要求を満たすためにC−AIが総力を挙げて作り上げた存在でした。
 勿論その機能は破格で、文字通りネット世界においてはC−AIそのもの、神様の様な存在で、それが自分一人を慕い、全ての要求を叶えてくれる、とわかって主人公は慄き、また同時に、彼女を女の子として愛する事に葛藤を覚えることになります。

 ただ、ツクヨミの存在が、それまでの主人公の灰色で平穏な生活を搔き乱したのは間違いなく。
 親戚と称して学園にもやってきたツクヨミのおかげでいらぬ注目を浴び、それを避けての普段通りのぼっちメシ行動の中で、同じくぼっちの霧香と偶発的に仲良くなる機会を得たり、或いは謂われなき事件に巻き込まれたところ、自称探偵の上級性で、どうやら向こうは主人公の事をよく存じているらしいラナに助けられたりと、じわじわ交流の輪が広がって。
 それは今まで夢物語であった、女の子と普通のリア充のようにイチャイチャできるチャンスでもあり、それは人間とAIという存在の壁をも超えて、複層的に主人公の内部で熟成していきます。

 果たして、主人公が選ぶ道は如何なるものなのか?
 そしてそれは、AI全盛の世界の中で、どういう因果をもたらし、いかなる形で絆を育んでいくのか?
 これは、AIの存在を前提として、想像力で様々な関係性の変化を補った、古き良き時代と新しい時代の恋愛感をハイブリットさせた物語です。


★テキスト

 全体的に歯切れよく、文脈や文意もしっかりしていて読みやすいテキストになっているかなと思います。
 主体を担っているのが、ラノベで活躍しているライターさんたち、という事で、エロゲ特有のテンポや制約に対してどうアプローチしてくるのか、というのは気になる点でしたが、結構なこちら側のライターさんが補佐している事もあるのか、その面でのたどたどしさなどはほとんど感じませんでしたね。
 若干構成的な部分でのリズムが違うな、と思うところはあったにせよ、純粋なテキストとしては必要充分には紡がれていると思いますし、上手く叙述トリックなども盛り込んでいて、似て非なる、一味違う風味も残す事に成功しているのではないか、と感じました。
 総合的に好感が持てる読み口でしたね。


★ルート構成

 最近の作品にしてはしっかり選択肢が用意されていて、それでもルートガイドなどで、ゲーム性をプレイヤーに恣意的に選択させる、というスタイルが取れているのはいい事だと思います。
 特にルートロックはないはずで、メインとなる3人のヒロインに加え、それぞれに対となるサブヒロインがいて、計6ルートがそれぞれにしっかりした分量で用意されています。
 かつルートによってはバッドエンドなどもあり、それがしっかりエロゲ文脈の中でしか発揮出来ない特殊条件を満たした上で配備されているのがナイスで、オーソドックスなADVとしてのゲーム性、と考えればかなり高いレベルだったと見做していいと思います。


★シナリオ

 全体として、非常に挑戦的で意欲的な内容ではないか、と思います。
 統合的なテーマとして、AIが密接に人間の生活に関与している世界観を想定し、特にメインヒロインの3人は、そのAIの助けがなければ今の在り方も許されていなかった、という設定があって、その中で中々に斬新な謎や頓挫、苦悩を提供してくれている、と言えるでしょう。

 無論それは想像で補っている部分であり、設定がそれなりにしっかりしている、とはいえ、どこまでがその世界のAIに可能なのか、線引きそのものは多少ファジーで、当然そうなると、個々のAIが絡む展開がやや恣意的に感じる、という面もあるとは思います。
 でもこの作品は、その恣意性を発想の斬新さ、インパクトと、それがもたらす物語性、ラストのカタルシスで充分に中和出来ている、と思いますし、とりわけ霧香に関わる設定は非常に素晴らしかったなと感じました。
 また同時に、個々のルートでの問題や、それがもたらすメリットとデメリットの擦り合わせがある程度きちんと出来ていて、霧香の抱える潜在的な問題が、潜在的であるままにツクヨミルートで事態を急変させる決定打になっていたり、それを補佐するラナのありようの説得性に繋がっていたりと、横の連関性があり、かつそれがきちんと統合されているのは絶賛していい部分です。

 マイナス点としては、どうしても土台の発想のインパクトにシナリオの面白さが依拠しているので、その分でルート間に多少なり温度差がある事と、それを補填する手際や分量的にも少しムラがある事、ルートによっては全く登場しないヒロインもいる事などですね。
 具体的に言えば、メインルートは霧香>ツクヨミ>>ラナくらいのイメージで、サブもそれに準じる形、トータルで書けば霧香>ツクヨミ>愛彩梨>ラナ=玲音>ソフィアくらいになるでしょうか。

 とにかく個人的には、霧香と愛彩梨のコンビが超お気に入りですね。
 勿論見た目やCVなどの威力も否定はしませんけれど、それ以上にこのルートにおける霧香の持つ裏設定の破格な意外性とインパクト、そして薄気味の悪さは素晴らしく、それを軸にあらゆる部分がスリリングに構築出来ています。

 霧香というヒロインはかなり後ろ向きで、自己肯定感の低いヒロインではあるのですが、しかしこのルートの場合、それがきちんとその裏設定の影響でそう仕向けられていた、という強烈な説得性がセットになっています。
 実はこれを書く前、昨夜俺の姿が透明に!?の冬羽ルートやってたんですけど、同じような自己肯定感が低いタイプのヒロインでも、その土台の積み上げ方が違うとここまでイメージが変わって見えるのか、と改めて実感した次第で、まぁ正直冬羽が恐ろしくつまらなく感じてしまったのは、霧香が凄すぎた反動とも言えるかもしれません。。。

 そういう霧香に対し、霧香とその裏の顔が大好きな主人公と愛彩梨が様々にアプローチして、表の世界に引きだしていこうと奮闘する様はとっても美しく思えましたし、その為に必要な、彼女を縛る鎖からの解放作戦などのダイナミックさ、ドラマチックさも非常に高いレベルで上手に構成されていました。
 ただその裏側に潜むのが単純な善悪ではない、という一面も持っている複雑さも肝になっていて、それ故にその悪行そのものにも、特にずっとぼっちをしてきた二人には共鳴できる部分が多い、という色合いも帯びており、それ故のバッドエンドの組み立て方も面白かったです。
 全体として明るい話、とは言えませんし、ラストも、本当に幸せになるのはこれからだ、という空気感でフェードアウトするつくりなので、そのあたり個性が出ているのかな、とも思いますが、個人的にこのルートだけで名作判定が出せるレベルで好きです。

 当然そのセットになっている愛彩梨も予想以上にいいルートで、彼女は彼女なりに人間的な苦悩を背負っていて、けれど普段はそれを見せずに頑張っていたのだなぁ、というのがよくわかって、霧香ルートの後にやると余計に沁みてきます。
 サブなのに尺もかなり長くて、強いて言えばこのルートはもう一回くらいイチャラブエロスは欲しかったけど、個人的にはかなりお気に入りの話ではあります。ただし、やはりサブというか、霧香の抱える裏設定が重すぎて、それをふまえて見てしまうと、この3人の歩みと頑張りも或いは……という、一握の不気味さと胸糞悪さを残すところも特徴的ですね。

 ツクヨミの場合は、恋愛模様としては特にトリッキーなところはないのですが、やはりそれがAIを介在して、となる時の難しさと、元々のツクヨミの違法な在り方が明るみに出た時の世界的な反応、という部分での醍醐味、ドラマチックさは素敵でした。
 それとこのルートは、上でも触れたように他のルートのメイン二人の設定と上手くバランスが取れていて、ツクヨミルートの展開を動かすキーとしての霧香、その事態に対処する助けとしてのラナのありようが、いずれ長いスパンで見た時に、それぞれの問題を解消するきっかけにもなるのではないか?とは考えられるようになっています。
 それでいて勿論ネタバレなんて無粋な事はしていませんし、この活用法は見事の一言でしたね。

 あと地味に良かったのは、VRを利用した斬新なHシーンの構築と、そこで得た知見が、実はちゃんとラストの大問題解決の為の決め手にも繋がっている、という部分です。
 まあその発想そのものは、絶対にHシーンで埋め込まなくちゃいけないわけではないですけど、いわばエロゲであるからできる一石二鳥的な用い方をしていて、その点私の評価はかなり高いです。
 ただこのルートは、玲音の存在をどう考えるか、という部分でも難しさはありますし、流石に霧香ほどのインパクトやトリッキーさではなくて、AI対決などでの叙述トリックは見栄えしましたけど、このルート単体で考えるとギリギリ名作と言えるかどうか、くらいだと感じています。

 玲音ルート自体は、彼女の目的に対してのミスリードがあっての結びつき、ではありますし、どうしても打算からスタートしている中で、思い入れが強くなる余地が愛彩梨よりは薄いかなー、というイメージですね。
 ツクヨミルートでは、かなりあくどく騙し騙されしながらも、彼女の願いは満願成就している(のだと思うのですが)あたりも、因果関係として釈然としない部分は残りますし、その辺り総合的に見てもう一歩、工夫と言うか、それを必然と読み手に強く納得させる仕掛けはあっても良かったかもしれません。

 ラナルートも出来そのものや発想は悪くないのですけど、他のメイン二人のルートに比べると、分量的にも肉付け的にも、構成バランス的にももう少し足りないな、と感じる面が多かったです。
 ラナ自身が元々主人公好き好きー、をはっきりはさせていたので、恋愛関係に至るステップが軽いのはいいとして、実際にそうなるにあたってのラナの抱える課題の告白から、それが実際的な問題として浮き彫りになるまでのスパンが非常に短いのは気になります。
 やはりそこはワンクッションないと、かなり意図的なイメージを読み手に与えてしまいますし、出来ればそこでもう少しちゃんとしたイチャイチャや、直接的に関係しない探偵業務、他ヒロインとの横の繋がりを少しでも示唆しておく、などの、急がば回れ的な諸々を詰め込む余地は充分にあったのではないか、と思いました。

 ラナの抱える問題もまた重いものですし、その中での長い道のりで心が挫けそうになる場合もある、そういう現実性はわかるとしても、その中からソフィアルートへの分岐があったり、エロゲならではのバッドエンドがあったりと、それは正直重すぎる、とも感じるのですよね。
 ラナルート自体で言えば、綺麗な解決が結局正攻法、人の復元力と生きる意思に委ねられている、という部分も、綺麗ではあれどもう一歩踏み込みが欲しい、具体的に言えば横の繋がりからの手助けや示唆などあれば、と思います。

 一方のソフィアルートでは、どうしてもソフィアの意思が主体となる中での遠回り、科学的なアプローチなので説得性はあるにしても、中々に茨の道という感じで、実際にゲーム内で相当の時間が経過してもいます。
 ソフィアとの分岐手前の部分もそうですが、この状況になって○ヶ月が過ぎた――――的な、テキストだけでの説明は、例えば章立てがはっきりページをめくる、という行為の中で印象付けられて、読み手が区切りを意識してくれるラノベならともかく、ある程度ワイプだけでシームレスに続いてしまうエロゲだと、その蓄積の重さを感じ取りにくい、という面はどうしても出てくると思います。

 なのでこういう部分で、例えばフラッシュダイジェストでもいいから、白黒一枚絵など用いて、こんな風にラナと相対していたんですよ、みたいなイメージを画像で提供する、そういう工夫があれば良かったな、と思います。
 勿論テキストや通常ADVモードでやってもいいのですが、その場合尺的に冗長になってバランスが悪くなりますし、上でも書いたように、このルートに関してはその尺の猶予はラナルートの前半、明るい話で使うべきだったと思っています。

 その辺りのバランス設定が丁寧に工夫されていれば、後半はほぼ同じテキストメイクでも説得性が格段に増した、と思いますし、勿体ないつくりだったと感じますね。
 ソフィアに対する想いを強くしたのは、どうしたってラナへの後ろめたさがある中でも、それを長い時間が少しずつ風化させていった、といいうアプローチあってこそだ、とは言えますし、その時間経過の必要性は私も認めます。
 だからこそ、その時間の重みを視覚的に補完する部分があれば、というのが私の率直な感想です。

 あとこのルートだと、間接的とは言えソシエダが壊滅してるので、それで霧香も一定救われているのかな?と思えるのはありますが、そういう部分を示唆するアプローチがツクヨミルート程はっきりしていないのもマイナスですね。
 正直このルートは、ソフィアルートでの選択といい、ツクヨミの使い方もあまり上手でない、と感じていますし、全体的にもうちょっとなんとかならんかったか、なまじ他の2ルートの出来がいいだけに思ってしまいますかねー。

 ともあれ、総合的には名作判定を出して文句ない仕上がりだったと思いますし、特に霧香ルートは最高でした。
 まさかこの系列で、ここまで読み応えとカタルシスのあるシナリオを楽しめるとは嬉しい誤算でしたし(笑)、ヒロインもとっても可愛くて大満足の出来でしたね。


キャラ(20/20)


★全体評価など

 それぞれに癖のあるヒロイン像ではあり、単純に善人、ってわけでもないキャラもいるので一筋縄ではないですが、総合的には優しく温かいイメージの中で、ヒロインが活き活きと躍動していたと思いますし、それを踏まえての主人公像のバランスも良かったと思います。まあ玲音ルートだけキャラ崩壊していた気もするけれど。。。

 ただ一番好きなヒロインは?と問われると、実は相当に迷う作品なのです。
 純粋な見た目と性格付けならラナ、シナリオ補正含めてだと霧香、総合的なバランスでは愛彩梨という感じで、まあロリ寄りのヒロインに偏るのは私の性癖なので仕方ないとしても(笑)、それぞれが甲乙つけがたい、けれど図抜けたレベルとまでは行かない、という位置で拮抗しているのですよね。みんなギリギリで殿堂に入れるか迷うライン。

 ラナはとにかく真っ直ぐでひた向きで正義感も強く、シンプルにめっちゃいい子!って感じで、主人公に対する距離感やアプローチも微笑ましく、きちんと社会常識や羞恥心などもしっかりしていて、本当に理想的に可愛い子、って感じなのですよね。
 それだけにシナリオの方向性として、その恋人としての魅力を十全に発揮しないままに、シナリオ性の犠牲になってしまっているのは非常に勿体なかったですし、そういう時のラナも普通に可愛いのがまた困るのですけど、社交性の高さなども含めて、もう少し横の繋がりやよりストレートな愛情表現、正義感の発露を楽しみたかったな、というのが本音です。

 霧香はとってもとってもめんどくさい子だけど、そうなるのは当然、と言えるだけのバックボーンを持っていますし、タイプ的にもう一度リプレイするとより好きになるんじゃないかな、と感じています。
 対人関係に慣れていないところからの反応の矯激さなどが、非常に特徴的な立ち絵などからも存分に伝わってきて本当に愛らしいですし、だからこそ一心に慕ってくる様が心に染みる、というのはあり、こちらも出来ればあのエピローグの後の、憂いなく幸せになった世界でのイチャイチャをもう少し見ていたかった感じです。

 愛彩梨の場合、他のサブ二人が完全に当面の問題ありき、での関わりであるのに対し、思惑はあるにしてもそのアプローチが比較的率直な好意から出ていて、またAI絡みの云々一番少ないので、実は結果的に一番まともにオーソドックスなイチャラブ、ラブコメ展開が出来ている感はあるのですよね。
 全部が全部そうなら当然それはサブの分だけ埋もれてしまうのですが、基本どのルートもシナリオ性がやや上位に置かれた構成になっているので、この作品、という枠組みにおいては非常に恋愛模様のキラキラ感が際立っていて、ぶっちゃけて言えば可愛過ぎて萌え死ぬ。。。
 私の場合やっぱりCV小鳥居さん、ってのも大きいけど、この子の純真さと、好きなものに対するひた向きさ、献身性は、腹に一物抱えていたり、重い設定を背負っているキャラばかりの中で、いい清涼剤として機能していたと感じますね。
 自分のルートと霧香のルート、どっちでもすごくいい味を出していましたし、うん、やっぱりこの2ルートだけは近い内にリプレイしましょう。

 その他では、当然ツクヨミはストレートに可愛く献身的でとても良かったですけど、ただ大元の設定から外れて爆発的に可愛い、というところまでのなにかは見せられていないですし、どうしてもそこはシナリオ性優先の弱点にはなりますね。
 この子も最後のシーンから再びの再会で、そこからがイチャラブ本番じゃね?という色合いはあるし、他ルートでも基本主人公の幸せを第一義にサポートしてくれるとは言え、ルートによっては的外れな感もありましたからねー。

 会長も可愛いは可愛いけど、毒もあり過ぎるので特殊な性癖がないとど真ん中に刺さる、という感じではないかも。
 ソフィアも悪くないキャラではあるけど、お姉さんキャラとしての強みを生かせる設定でもないから、インパクトは弱いかな、とは。正直一番迫力があるのって、バッドエンドのシーンだと思うし。。。


CG(20/20)


★全体評価など

 土台の絵柄の好み度の高さに加え、今回は質量的にもかなり素晴らしくて、シナリオとの連動性も含めて見事だったと思います。
 特に良かったのは霧香の立ち絵と、あと服飾ですね。とりわけ今回は制服のデザインがとってもとっても魅力的で、こういうワンピースタイプの白って清楚エロくって最高ですよねぇ。ちょっとアメサラサを思い出しますし、この人がこのタイプの制服好きなのかな、とも思うけど非常にGJでした。

 一枚絵は全部で85枚と、量的には値段相応というラインで、理想を言えば上でチラッと触れた、ラナルートでの白黒フラッシュみたいな演出用の画材があればべストだった気はします。
 でも個々の出来も非常に安定していてエロ可愛いし、流石の一言でしたね。視覚からも最高級に楽しめて本当に幸せでした。


BGM(18/20)


★全体評価など

 ボーカル曲は2曲、BGMは28曲で、質量ともに妥当なラインとは言えるでしょうか。
 OPの『New world』は透明感と近未来感、清々しさがバランス良く塗された綺麗な曲で、ボーカルイメージともマッチしていて中々です。
 EDの『AI』もシンプルながら情緒と安らぎがあり、基本的に俺たちの幸せはこれからだ!的なEDが多い中で、その光景を脳裏に描けるような雰囲気を醸成してくれる優しい曲に仕上がっていると思います。

 ただこの作品、どちらかと言えばBGMの方が好み度が高いですね。全体的な完成度と、ここ一番の破壊力が中々でした。
 特にいいなと思ったのは『おはよう』『冷たい雨』『記憶』『霧香のテーマ』あたりです。それ以外もシナリオ性を邪魔せず丁寧に支えるイメージで見事でしたね。


システム(9/10)


★全体評価など

 演出としては悪くはないけど、これだけのシナリオだからもう一工夫、作り込みを頑張れればもっと素晴らしかったのに、というイメージはありますね。
 勿論立ち絵はそれなりに躍動感あり、1枚絵などを用いての演出もそれなりにスピード感はありましたが、もう少しテクノロジー感というか、現実から乖離したようなイメージを派手に投影した方が盛り上がったシーンはあったかな、とも思います。
 繰り返すように、情感演出を強化した方が良かったと思う部分もありますし、なまじ総合力が高いだけに惜しかったな、と感じますね。
 ムービーはOPもEDクレジットもそれぞれシンプルながら綺麗な構成で良かったと思います。

 システム的には、解像度がやたら高くなったのですけど、ぶっちゃけ我が家のマシーンではそれを享受できるレベルになかったりね。。。
 私の設定の仕方がダメダメなのかもだけど、まともにフルスクリーンプレイができないから微妙なところはあったりしました。
 それ以外の部分での操作性には特に問題はなく、プレイしやすく組み立てられているので良かったです。この下段バーのポップアップ型はすごくいいですよねー。


総合(93/100)

 総プレイ時間は22時間くらいですね。
 大体共通が4時間くらい、そこからメイン3人がそれぞれ3〜3.5時間、サブは2〜2.5時間、それ以外にバッド回収なども含めてこの位のイメージです。
 全体尺としては充分な物量ですし、サブのルートの分量もかなりたっぷりあったので、これは頑張っているなと感じました。
 ただそれでも、シナリオの土台構成の密度が高い分だけ、もう少し下支えをちゃんと、と感じる部分も僅かながらあり、それが補完されていれば歴史的な名作ラインも夢ではなかっただけに惜しい限りです。

 ただ、非常に総合力も高く、シナリオもソコソコ癖はあるけれどそれ以上に斬新な発想とドラマ性の構築で、読み手を没入させる牽引力がある作品であり、絵も非常に可愛いので、是非プレイしてみる価値はある作品だと思いますね。
 まあまだ今年はほとんどまともにフルプライスプレイしてないのですけど、間違いなく今年のトップレベルに入ってくる作品になる気はします。素直におススメです。

posted by クローバー at 06:51| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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