2021年02月10日

【感想】ガラス姫と鏡の従者

 今年最初のエロゲ感想は、ガラス姫と鏡の従者になります。
 その上でまた今回から、普通に文章で感想記事出します。

 純粋に時間がないのもあるけど、そもそも動画にするにしても、一度文章に落とし込んで、論理的に組み立てないと、まともに喋れない事が良く分かったんですよねぇ。
 だからやるとしても、こっちで感想書いてから、それを叩き台に動画でブラッシュアップ、みたいな構図になると思います。時間あれば。(多分ない。。。)

 色々二転三転で申し訳ないですが、とりあえず去年後半くらいの熱量は難しいかもだけど、一昨年から去年前半程度の物量でサラッと感想書いていければ、と思ってます。


★超私的採点・一言コメント

・シナリオ(22/30)
   安定して面白いが、やはりベルが一枚抜けている

・キャラ(20/20)
    非常に安定してみんな可愛い。せめて一人はロリが欲しかったよ……。

・CG(18/20)
    魔乳が多いのがネックだが、塗りや質は非常に良かったと思う。

・BGM(17/20)
    つくづくOPがね……。タイトル曲とか相当好きなのだが。

・システム(8/10)
    目立つほどの演出ではなかったし、このくらいでいいでしょう。

・総合(85/100)
    イメージ通りにバランスの取れた良作。ボイン好きならおススメ。

★テキスト・ルート構成

 ライターは藤太さん。
 単独で書いてるようなので、全体の整合性と安定感は文句なし。

 相変わらず癖は強めと言うか、要所要所でマニアックな知識を披露したがるのは苦笑するところはあるけれど、それも含めて独特の味が出ていて私としては好き。
 イチャラブとシリアスのメリハリもしっかりついていたので、その辺りも含めて完成度は高いと思う。
 ただ、主人公が性欲魔人過ぎる。。。回数減らして尺と質を濃厚に、というスタンスはわかるけど、あの回数人間には無理じゃね?



 ルート構成は、最低限の好感度選択と、キャラ選択のみで確定、おそらくロックはなし。
 ただこの作品、結構元々のヒロインに対する主人公の熱量の差はあると思うので、それで横並びにしてしまうとちょっと、というのはある。

 絶対的に言えば、ベルへの想いがとても強いのは明確で。
 ただ最初から好意のベクトルが刺さっていて、献身の蓄積がある奈緒美や、秘密の共有で一気に距離が近づいたアンリはまだ納得は出来る。
 けど織姫はなぁ……あれだけの関わりで、他の面々押しのけて選ばれるだけの引きはあったか?というのは気になったかなぁ。

 実際その部分の違和感が、シナリオの奥行きや重さにも頓に影響している気はする。
 なのでもう少し共通での選択肢の出し方と使い方は工夫があっても良かったかなと思うし、ベルはなんならルートロックでも良かった気はする。
 正直なところ、ベルを最初にやってしまうと他ルートが霞んで見えそうなので、最後にプレイするのを推奨。

★シナリオ

・共通ルート
 ベルとの約束を胸に従者の道を志して、念願のサンドリヨンに入ったものの、入学早々本物のアンリといざこざを起こして干されて、ふてくされていた主人公の、一発逆転の物語になっていますね。
 ただそれは本人の足掻きもあるけれど、エラを筆頭とした王侯貴族たちの権謀術数の渦中における駒としての役割も同時に託されていて。
 最初はただ希望に向かって走っていればよかったのが、やがて重い現実に気付かされて、今の自分では全く足りないと自覚させられて。

 それでも、と奮い立つまでの過程の紡ぎ方は丁寧で良かったと思いますし、その流れで見せたヒロインそれぞれの魅力もきっちりしていたかなと。
 敢えて言えばもう少し、思い入れの幅に対する差異を埋めるための選択肢の工夫や蓄積はあっても、とは思うし、短絡的な展開もあると言えばあるので手放しとはいかないけど、普通に面白い共通ですね。

・アンリルート
 兄の身代わりとして四苦八苦していたところの救いとして主人公が現れて、しっかり忠誠を誓ってくれたら、まぁそりゃ世間知らずのお姫様ですもの、コロッと好きになっても仕方ないよね、とは思います。
 このルートの場合はどっちかというと主人公のロイヤルサーヴァント資格ゲットまでが長くて、二人の二人三脚での頑張りと絆の育みが見どころだけど、ベルルートだとその過程がほぼ前座の土台で処理されちゃうからなぁ、というのはある。。。

 ただ本当に、お姫様とは思えないアンナの性格の良さと愛らしさはすごく良かったですし、自分が到底叶えられないような恋を宿したことで、兄の気持ちにも寄り添っていく構図は面白かったです。
 ベルルートほど絶対的な理論武装はなくて、だからこそ結末でもあれだけ時間がかかってしまった、という切なさも、このルートにおいてはいいスパイスになっているのかな、とも思いますしね。

 それに主人公がアンリにつくと、基本それだけでフラワースカラー争いもこっちが優位になるから、かえってエラの策謀とかが表面化しないのも面白いところ。
 まぁ実際はアンナにその気はなくて、ベルにあっさり譲ってしまう、という動きは、結果的にアイゼルストンの政治力学の観点からすると危うさも感じてアレなんですが、まぁそのあたりは結果からなんとでもするでしょう。

 トータルで見ると、王族や貴族だからままならない、という現実に対して、実はエラもレオポルドも、自分なりのやり方で抗っている、というのは全体像の中で見えてくるわけだけど。
 こちらにおいてはアンリの雲隠れの支援、という部分でのレオポルドの、ある意味では逃避と言うか、自分には出来ないからこその、みたいな諦念も感じられるのは面白いところですかね。

 ともあれ、そういう裏側はあちらに任せて、主人公とそのお姫様は、真っ直ぐ希望に向けて突き進めばいいんだよ、というのが、このルートとベルルートではしっかり相乗効果的に紡がれている気はします。
 このルートではベルがしっかり支えてくれるし(織姫のせいで酷い勘違いはさせられてたけど。。。)、けどベルルートほど全ての力を糾合して、ではないので、その点では一枚落ちるのかなと考えます。

・織姫ルート
 彼女の場合、一番の年上なのに一番情緒が幼いと言うかなんと言うか、これを可愛いと思えるのか?という部分でのハードルが他のヒロインよりは高い気がしますな。
 かつ共通からの流れでも、主人公がそこまで織姫に傾斜するか?というイメージはなくはなくて、勿論独特のミステリアスさが、というのはあっても、それがベルやアンリ、奈緒美ょ押しのけてまでかなぁ?とはなる。

 シナリオとしても、他ルートのネタバレは出来ないし、といって彼女自身の確たる目指すべき地平があるわけではない、という半端な立ち位置の中で、謹慎に至る流れもちょっと強引だしなぁ、とは。
 ついでに言うと、このルートだけアンリが早々にベルに入れ替わりを打ち明けているのも、そうさせるだけの理由があったか?という感は出てくるのですよねぇ。

 姫様同士選ばれなかった中で、というなら、奈緒美ルートでもそうなってもいいのに、実際そこは語られていないのが不自然と言えば不自然で。
 同時に二人が早々と陰で手を組んで、ベルのスカラー就任に向けて内々に動き出す事で、エラにも危機感を与えてしまっている、というのも、やっぱり少し恣意的には思えるのですよね。

 そういう土壌と、ベルが追い詰められていく流れがあってこそ、織姫の存在意義が輝く、というのはたしかにわかるのだけど。
 そのあたりはもう少し、織姫自身のなにかで工夫があっても良かったと思うし、全体的に見て人の褌で相撲を取っている感はあるルートなので、シナリオとしては一番評価は低いです。

 ついでに言えば、ここでベルを励ましてエラに向かい合う勇気を与えたとして。
 けど二人にまつわる本質的な問題は当然解決しないし、スカラーになれたとしてもどうなんだ?って。

 ベル自身ポテンシャルはある子だけど、それが炸裂するのはやっぱり主人公との関係性によるところが大で。
 勿論姉との関係改善も踏み出す勇気を得る糧にはなるだろうけど、このルートの流れで丁度いい落としどころがあまり見えないと言うか、良い予感はしない、ってのも、そんなにこのルートを好きになれない要因かな、とは。
 その流れ自体他のルートでも同様だけど、こんな風にある程度介入したのに、という色合いがあると、余計に半端さが目立つと言うかねー。

・奈緒美ルート
 最初に庇ってもらっただけで好きになったの?とは言いたいチョロインだが、まぁ一番身分的には噛み合うというのもあって、恋愛要素がスムーズに進むし、イチャラブとそれに伴う二人の深い絆の謎に近づいていく、という構図も面白かったです。
 どうしてもキヤッスルダインの不思議な力、という部分がファンタージーで恣意的ではあるので、そこは他のルートとの肌合いでネックにはなるけれど、かなり条件を限定的にしているからいいのかな、とは。

 ただ途中の考察で、本の配置が最後の決め手、となっていたけど、やっぱりそこは二人の関係性の進展を最大のキーにしてあげて欲しかったかなとは。
 それだけだと、他ルートでも夢を見てしまう可能性はあるわけで、それが例えばベルルートでなんらかの武器になるとかならともかく、そういうファクターがなかったなら、このルートの内在要因で閉じる構図に決め打っても良かったとは思うのですよね。

 結果的に見て、過去の因縁と繋がりが、改めてここで二人を惹きつけ、結び付ける一要因になっているのは確かで。
 同時に過去の王朝崩壊の陰にある意思が、連綿と今の王族の在り方にも波及している、という構図そのものは面白かったけれど、ただその事実そのものが現実をベルルートで揺り動かす武器になってはいないから、なんというか、ちょっと宝の持ち腐れ?なイメージは。

 あと雰囲気的には、このルートでもベルとアンリは手を組んでいるのかな、という雰囲気はあるんだけど、ただそちらに介入する余地がなくてサラッと終わってしまうのは、仕方ないけど勿体無くはあったね、と。
 やはりこのルートの過去の物語で得た知見をなにかしらフィードバックして、二人の武器として示唆できるような構図はあっても面白かったし、このルートだとどこまで織姫が暗躍しているかもわからないから、その辺はモヤッとするところです。

 まぁでも本当に奈緒美は可愛かったですね。
 魔乳過ぎるのだけは個人的にいただけないけど、本当にいい子で満足度高い内容でした。

・ベルナデットルート
 ベルに関しては、流石にメインヒロイン、というべきシナリオの尺と密度、完成度で、改めて最後にプレイするのを推奨します。
 初志貫徹、という面では一番このルートがスッキリするし、離れ離れの期間で凍り付いてしまったベルの心を溶かす展開から、他では発揮されないベルのポテンシャルを最大限に生かした展開に持ち込めているのは凄く良かったです。

 色々策謀や思惑はあっても、ベルの想いは純真で、本質的に政治の世界で泳ぐには不適当なくらいに真っ直ぐで。
 でもだからこそそれを貫き通させてあげたい、という想いを他者にも波及させていく、主人公がその支えとしてしっかり寄り添う、そういう芯がはっきり通っていればこそ、このルートは魅力あるものになっていたのだろうと思います。

 ベルのレオポルドに対する敵愾心は多角的でとっても面白いのだけど、それだからこそ、という踏み台感は明快にあるし、そしてそういう流れを作ったのも、ベルが覚醒したからこそ、ではあって。
 逆に言えば、ゆっくり着実に自身の志望を遂げようと画策していたエラにとっては、その性急さはあまりにも危ういものに見えていたのだろうし、実際に後半の展開を考えればそれは的を射ていたのだけど。

 けど、そうしなければ本当に欲しいものは手に入らない、そういう立場なのも間違いなくて。
 その中でベルがなにひとつ取り落とさない、という欲張りな道を選べたことこそが、そのまま想いの強さ、とも言えて、その対比が本当に明快なので胸がすく部分も沢山あります。
 だから要所で力技だなぁとか、運がいいな、と思う面もなくはないけれど、それでもアンリの言葉通り、危機の中で見せたベルの本質が王者のそれであればこその物語だったと言えますね。

 個人的にエラみたいなタイプも好きなので、その意味では一定報われると言うか、囚われから少しでもゆったりと生きる術を見出せたのは良かったんじゃないかと。
 まぁベル同様、レオポルドに対してのぐぬぬ感はあるけどね。。。姉妹丼でいいんだよ姉妹丼で(笑)。

・シナリオまとめ
 個別評価としてはベル>>アンリ=奈緒美>>織姫くらい。
 やっぱり期待通りにベルが抜けて面白かったし、全体がこの水準なら名作レベルなんだけど、流石にそれは望み好きですな。

 多少なり怪力乱神を語るルートもあったけど、本質的には複雑な政治力学の中での意志の貫き方、という面が強かったし、物語のベクトルとして好みでもありました。
 やっぱり藤太さんはこういうシナリオ設定の方が味が出るなぁとも思うし、安定して面白かったですね。

★キャラ・CG

 キャラはみんなお姫様らしい部分は残しつつ、善良で献身的で、強く気高くいいヒロインだらけだったと思います。
 もう少しイチャラブの比重があっても、というイメージはなくはないけど、どうしたって立場から逃げられない中で、それを前向きに受け止めて魅力に転化していく、そういう見せ方がこのタイトルはとても上手に出来ていたのではないかと。

 一番好きなのは……やっぱりアンリかなあ。
 シナリオ補正加味すればベルも捨てがたいし、奈緒美もストレートに可愛かったけど、立場の中でのギャップ萌え、という点ではやはり一段抜けて可愛かったように思えます。


 CGは通常が82枚でSDが14枚なので、お値段からするとギリギリ水準量、という感じかな。
 原画さん二人で、それぞれ少し雰囲気は違うけど、塗りの質感と雰囲気はある程度統一感も出せていたし、出来もかなり良かったです。

 特にベルと奈緒美のま一枚絵は好みのものが多くて良かったですね。
 ただ服飾は微妙だったかも。世界観もあるだろうけど、正直主人公がベタ褒めするほどその私服やドレス可愛い?って感はなくはなかったし。。。

★BGM・システム

 BGMはボーカル2曲にBGM26曲なので、まぁこちらもギリギリ水準クラス。
 ボーカルは正直OPの出来がうーん……、って感じで、デュエットだけど特に一人だけ全く雰囲気と声質があってないよね?って突っ込みたくなる。
 EDは正直そこそこまともに綺麗な曲だと思うので、まぁどっちが悪いかはご想像にお任せします。。。

 BGMは全体的に優雅で洗練された雰囲気と、格調を残しつつのメリハリが利いていていい出来。
 特にタイトル曲は凄く綺麗で、この作品らしさがギュッと煮詰まっていて好きかな。



 システム的には、あんまりバトル面でも演出強く入ってないし、総合的には簡素にお手軽に仕上がっているイメージ。
 アイキャッチ的に入る文言の使い方もなんか野暮ったいし、この辺はもう少し工夫は欲しいところ。

 ムービーはまずまずだけど曲が……なのでね。。。
 システム的にはいつもの戯画で悪くはないけど、そろそろ選択肢ウィンドウくらいもう少し作品イメージに合わせたものに変えていくくらいしたら?とは思った。

★まとめ

 総プレイ時間19時間くらい。
 共通が5時間、個別はベル以外が3時間、ベルは5時間弱くらいあったかなと思います。

 やっぱり基本はベルの為の物語って感じで、それを踏まえて買う分には損はしないと思います。
 総合的に質は高いけど、突き抜けてくるほどではなく、絵柄や曲的な要素でも微妙にニーズを狭めている感はあるので、そこは勿体なかったですね。
 個人的にホント、アンナは見た目通りのロリキャラで良かったと思うの……。なぜ男装なのにあんなトランジスタグラマーとか無茶な設定にしたし……。


posted by クローバー at 07:48| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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